会計ソフトの導入や乗り換えを検討するとき、「どの製品が広く使われているのか」というシェアを手がかりにしたいと考える方は多いのではないでしょうか。多くの企業に選ばれている製品であれば、情報も集めやすく、税理士とのやり取りもしやすいという安心感があります。
ただし、会計ソフトのシェアは一つの順位では語れません。個人事業主向けか法人向けか、どの調査機関がいつ調べたかによって、首位に立つ製品が入れ替わります。
本記事では、最新の調査データをもとに、個人事業主・法人・税理士事務所それぞれで使われている会計ソフトのシェアを、調査の出所・時点とともに整理します。あわせて、クラウド型とインストール型のどちらが主流か、「シェアNo.1」をうたう製品が複数ある理由と数字の読み方、主流の製品をどう比べて選べばよいかもまとめます。
シェアは、自社に合う会計ソフトを選ぶための出発点です。数字の背景まで理解したうえで、自社の規模や業種に合った製品を見極める材料としてご活用ください。
目次
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【立場別】いま使われている会計ソフトのシェア
会計ソフトのシェアは、「誰が使っているか」で顔ぶれが変わります。個人事業主で首位の製品が、法人や税理士事務所でも首位とは限りません。ここでは、自分の立場に近いシェアを確かめられるよう、個人事業主・法人・税理士事務所の3つに分けて見ていきます。
先にお伝えすると、はっきりした最新のシェア数値が得られるのは個人事業主向けです。法人・税理士事務所向けは調査の対象や集計方法が分かれており、決定版と言える順位は乏しいのが実情です。そのため以下では、立場ごとに「どこまで数字で言えるか」も含めて整理します。

個人事業主向け会計ソフトのシェア【最新調査】
個人事業主向けのクラウド会計ソフトでは、弥生が首位を維持しています。MM総研が2026年4月に発表した「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)」によると、上位3社だけで全体の9割超を占める寡占が続いており、弥生が過半数(54.0%)を押さえています。具体的なシェアは次のとおりです。
| 弥生 | freee | マネーフォワード | |
|---|---|---|---|
| シェア(2026年3月末) | 54.0% | 25.1% | 15.7% |
| 前年比 | −1.4pt | +1.1pt | +1.4pt |
※MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)」をもとに作成。クラウド会計ソフト利用者のなかでの事業者別シェア。
クラウド会計ソフトの事業者別シェアでは大手3社による寡占状況が続いている。弥生(東京都千代田区)が54.0%、次いでfreee(フリー)が25.1%、マネーフォワードが15.7%で、上位3社で94.8%を占めた
出典:クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)|MM総研
この調査は、2025年分の確定申告を行った個人事業主15,845件を対象に、2026年3月にWebアンケートで実施されたものです。弥生は前年から1.4ポイント下げたものの、調査開始の2016年以来11年連続で首位を保っています。一方、freeeは1.1ポイント、マネーフォワードは1.4ポイント、それぞれシェアを伸ばしました。
また、副業や不動産賃貸による収入がある層(個人事業主を除く)では、弥生が50.1%、freeeが21.2%、マネーフォワードが20.9%と、個人事業主に比べて2位・3位の差が小さくなります。同じ「個人」でも事業の種類によって顔ぶれが少し変わる点は押さえておきましょう。
このシェアで首位の「弥生」は、やよいの青色申告 オンラインなど個人向け製品を含むブランド全体の数値です。後半で紹介する法人向けの「弥生会計 Next」とは対象とする利用者が異なる点に注意してください。
個人事業主として実際に製品を選ぶ際は、シェアだけでなく青色申告の65万円控除やe-Tax対応といった要件も確認したいところです。個人事業主・フリーランス向けの会計ソフトを料金や控除対応で横並びに比較したい方は、以下の記事が参考になります。
法人向け会計ソフトのシェア
法人向けになると、シェアの顔ぶれは個人事業主とは大きく変わります。クラウド会計で知られる弥生・freee・マネーフォワードに加え、以前から業務ソフトを提供してきた勘定奉行(OBC)やミロク情報サービス、PCAなどが広く使われているためです。
法人向けには「これが決定版」と言える最新のシェアランキングがほとんどありません。公表されている調査は、売上高で測るもの、導入社数で測るもの、アンケートの回答者数で測るものと、集計の軸がばらばらだからです。そのため、個人事業主のように1つの順位表にはまとめられません。以下に、集計の軸ごとに代表的な調査と首位の製品を並べます。
| 中堅・中小企業向け財務・会計ソリューション(売上高シェア) | 中堅・中小企業の導入シェア | |
|---|---|---|
| 調査主体 | 矢野経済研究所(2024 ERP市場) | ノークリサーチ(2026年版) |
| 首位の製品 | ミロク情報サービス「MJSLINK」 | 勘定奉行クラウド |
| 備考 | 2009年から15年連続で売上高シェア1位(構成比は非公表) | OBC公表。累計導入数は86万(自社集計・2026年8月末時点) |
※各社・各調査の公表内容をもとに作成。売上高ベースと導入社数ベースで測る対象が異なるため、首位の製品を横並びでは比較できません。
中堅・中小企業向けの基幹業務システム(ERP)では、ミロク情報サービスの「MJSLINKシリーズ」が存在感を持っています。同社によると、矢野経済研究所の「2024 ERP市場の実態と展望」における年商50億円未満の企業向け財務・会計管理ソリューションのライセンス売上高シェア調査で、2009年から15年連続で売上高シェア1位を獲得しています。
これは利用者数ではなく、売上高で測ったシェアである点に注意が必要です。製品を何本売ったかではなく、その製品がどれだけの売上を生んだかを表す数字です。
クラウド会計では、勘定奉行クラウドを提供するOBC(オービックビジネスコンサルタント)も法人利用で広く使われています。OBCの公表によると、勘定奉行クラウドの累計導入数は86万を突破し(自社集計、2026年8月末時点)、ノークリサーチの2026年版の調査では中堅・中小企業の導入シェアで1位とされています。こちらは売上高ではなく、導入社数・利用実態をもとにした指標です。
このように、法人向けのシェアは調査ごとに「何を数えているか」が異なります。順位をそのまま比べるのではなく、自社の規模や業種に近い条件の数字かどうかを確かめることが大切です。
出典・参考資料(2件)
法人の場合、経理体制の規模や年間費用、税理士との連携のしやすさによって選ぶべき製品が変わります。中小企業に向いた会計ソフトを、体制・年額・税理士連携といった観点で絞り込んで比較したい方は、以下の記事もご覧ください。
税理士事務所で使われる会計ソフト
会計処理を税理士に任せている場合は、税理士事務所が使っている会計ソフトも気になるところです。事務所と同じソフトを使えば、データのやり取りがスムーズになるためです。
ただし、会計事務所に特化した中立な最新シェア調査は、ほとんど公表されていません。そのため確かな順位を示すことは難しいのが実情です。傾向としては、個人の顧問先を多く抱える事務所では弥生、中堅・中小企業の顧問先では勘定奉行やミロク(MJS)、税理士向けのネットワークを持つTKCなどが使われる場面が多く見られます。
弥生は、全国の会計事務所を対象としたパートナー制度(弥生PAP)を通じて会計事務所との接点を広げていると自社で説明しています。自社で会計ソフトを選ぶ際は、顧問税理士が対応している(またはデータ連携しやすい)製品かどうかを、事前に相談して確認しておくと安心です。
出典・参考資料(1件)
クラウド型とインストール型、どちらが主流か
会計ソフトには、ブラウザで使うクラウド型と、パソコンにソフトを入れて使うインストール型があります。「いまはクラウドが主流」という印象を持たれがちですが、実際の利用状況を見ると、その理解は少し補正が必要です。
クラウド型の利用率は上昇傾向
個人事業主に限ると、クラウド型の利用は年々広がっています。前述のMM総研の調査によると、会計ソフトを使う個人事業主のうちクラウド会計ソフトを利用している割合は38.4%で、前年(2025年の38.3%)からわずかに増えました。MM総研は、この利用率が近い将来40%に達すると見込んでいます。
個人事業主ではインストール型がなお過半
一方で、同じ調査で会計ソフトを使う個人事業主の利用形態を見ると、会計データのみをクラウド上で保管するものを含むPCインストール型が51.0%を占め、クラウド型(38.4%)を上回っています(残りはその他の形態です)。クラウド化は進みつつあるものの、インストール型もなお過半を占めているのが実態です。
法人を含めた市場全体のクラウド化率については、公的な全体調査が乏しく、正確な割合は分かっていません。参考までに、国税庁の会社標本調査によると国内の法人数は299万9,680社(2024年度分)にのぼり、これだけの事業者が会計処理を行っています。クラウド会計はこの広い市場のなかで利用が広がっている途上にあると捉えておくとよいでしょう。
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シェアの数字をどう読むか(調査の対象・時点で変わる)
会計ソフトを調べていると、複数の製品がそれぞれ「シェアNo.1」をうたっているのを目にします。どれを信じればよいか迷いますが、これは調査の主体・対象・時点が違えば順位も変わるためです。主な調査を並べると、「No.1が複数ある」理由が見えてきます。
| 個人事業主のクラウド会計(利用者構成比) | クラウド会計ソフトの国内シェア(ユーザー数) | 年商50億円未満向け財務・会計管理ソリューション(売上高シェア) | 中堅・中小企業のITアプリ利用(導入シェア) | |
|---|---|---|---|---|
| 対象 | 確定申告した個人事業主 | クラウド会計ソフト利用者 | 中堅・中小企業 | 中堅・中小企業 |
| 時点 | 2026年3月末 | 2022年8月 | 2024 ERP市場 | 2026年版 |
| 調査主体 | MM総研 | リードプラス | 矢野経済研究所 | ノークリサーチ |
| 首位 | 弥生 54.0% | freee 56.3% | ミロク情報サービス(MJSLINK) | 勘定奉行クラウド |
※各調査の公表内容をもとに作成。測定している対象・指標・時点が異なるため、順位は単純に比較できません。
「シェアNo.1」が複数あるのはなぜか
たとえばfreeeは、公式サイトでクラウド会計ソフトの国内シェア56.3%でナンバーワンと説明しています。その根拠はリードプラスが2022年8月に実施した調査で、約4年前の数値です。一方、MM総研の2026年の調査では弥生が首位で、freeeは2位でした。両者で順位が食い違うのは、調査の主体・対象・時点が異なるためで、どちらかが誤っているわけではありません。
シェアの数字を見るときは、「誰が」「いつ」「どんな対象を」「何を基準に(利用者数か、売上高か、導入社数か)」調べた数値なのかを必ず確認しましょう。出所と条件がそろって初めて、その数字を自社の判断に使えます。
出典・参考資料(1件)
シェアが高い=自社に最適ではない
シェアの高さは、多くの利用者に選ばれているという安心材料にはなりますが、自社にとって最適であることを保証するものではありません。会計ソフトは、事業の規模や業種、経理体制、顧問税理士との連携のしやすさによって、合う製品が変わります。
たとえば、経理の専任者がいない小規模な事業者であれば、簿記の知識が浅くても使える自動化の手厚さが重要になります。一方、拠点や部門が多い企業では、部門別の管理や内部統制の機能が欠かせません。シェアを出発点にしつつ、自社の要件に照らして比較検討することが、失敗しない会計ソフト選びの近道です。
主流の会計ソフトを比較・活用する
ここからは、ここまで見てきたシェア調査で上位・主要に挙がった6製品を取り上げ、自社に合う製品を選ぶための視点を整理します。個人事業主向けのシェア上位である弥生・freee・マネーフォワードに、法人向けで名前の挙がった勘定奉行・PCA・ジョブカンを加えた6製品です。それぞれ対象とする企業規模や得意分野が異なるため、まずは主な製品の特徴を比較表で見比べてみましょう。
| サービス名 | 弥生会計 Next | 勘定奉行クラウド | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | ジョブカン会計 | PCAクラウド 会計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 弥生株式会社 | 株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC) | フリー株式会社 | 株式会社マネーフォワード | 株式会社DONUTS | ピー・シー・エー株式会社 |
| 対象規模 | 法人向け | 小規模〜中小企業 | 個人事業主〜上場企業 | ひとり法人〜中小企業 | 個人事業主〜中小企業 | 中小〜中堅企業 |
| 月額費用(最小プラン・税抜) | 2,900円〜 (エントリー・年契約の月額換算) | 7,750円〜 (Eシステム・年額93,000円) | 2,980円〜 (法人ひとり法人・年払い) | 2,480円〜 (ひとり法人・年払い月換算) | 2,500円〜 (スタートアップ・3ユーザー) | 16,200円〜 (PCAクラウド 会計) |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 無料お試し | 最大2か月 | 30日間 | 30日間 | 1か月 | 30日間 | 2か月 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextは、弥生株式会社が2025年4月に提供を開始した法人向けのクラウド会計サービスです。帳簿・決算書の作成に、見積書・請求書の発行、経費精算、証憑(書類)管理を加えて1つのサービスに統合し、これらのデータが自動で連携する点を特徴とします。
金融機関やクレジットカードと連携して取引を自動で取り込み、仕訳を自動化します。他社の会計ソフトや表計算ソフトからの乗り換えを想定したデータ移行にも対応しています。料金はエントリープランが年契約で月額2,900円から(税抜)で、最大2か月の無料体験が用意されています。個人事業主のシェアで首位の「弥生」ブランドのうち、本製品は法人向けの位置づけです。
2. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行シリーズで知られる株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)のクラウド会計が、勘定奉行クラウド(勘定奉行iクラウド)です。金融機関の入出金明細や領収書、Excelデータなどから仕訳を自動で起票し、月次決算の短縮を狙います。
標準で50種類を超える帳票を備え、給与奉行・固定資産奉行といった同社シリーズや外部システムとデータ連携できます。利用規模に応じて複数のエディションが用意され、小規模向けのEシステムは年額93,000円から(税抜)です。30日間の無料お試しも利用できます。
3. freee会計(フリー株式会社)

個人事業主から新設法人、中小企業、上場・IPO準備企業までを幅広くカバーするのが、フリー株式会社のクラウド会計ソフト「freee会計」です。銀行口座やクレジットカードなど1,000を超えるサービスと連携し、取引データを自動で取り込みます。
簿記の知識が浅くても使えるよう、推測された仕訳を確認・承認していく入力方式を採る点が特徴です。電子帳簿保存法(JIIMA認証取得)やインボイス制度に対応し、法改正時には自動で更新されます。法人向けは「ひとり法人」から「エンタープライズ」まで5つのプランがあり、ひとり法人プランは年払いで月額2,980円から(税抜)。30日間の無料お試しが用意されています。
4. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウドシリーズの中核をなす法人向け会計ソフトが、株式会社マネーフォワードの「マネーフォワード クラウド会計」です。銀行やクレジットカードと連携して明細を自動で取得し、AIが勘定科目を提案して仕訳を自動化します。
公式サイトでは「ひとり法人・中小企業向け」と位置づけられており、IPO準備・上場企業向けには上位版の「クラウド会計Plus」が別途用意されています。請求書・経費・給与など他のクラウド製品と同一基盤で連携できる点も特徴です。料金はひとり法人プランが年払いで月あたり2,480円から(税抜、月払いは月額3,980円)で、1か月間の無料トライアルがあります。
5. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

勤怠管理や給与計算で知られるジョブカンシリーズのうち、会計・決算・申告の領域を担うのがジョブカン会計です。株式会社DONUTSが提供するクラウド型の会計ソフトで、バックオフィス製品群の一つに位置づけられます。
パッケージソフトの操作性を踏襲したキーボード中心の入力と自動集計を特徴とし、法人・個人事業主の双方の決算書作成に対応します。インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。料金は初期費用が無料で、スタートアッププランは月額2,500円から(税抜、3ユーザーまで)。30日間の無料トライアルが用意されています。
6. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

老舗のパッケージ会計ソフト「PCA会計」シリーズをクラウド形態で提供するのが、ピー・シー・エー株式会社のPCAクラウド 会計です。日常の伝票入力から元帳・試算表・決算書、経営分析帳票までを作成できる財務会計システムです。
中堅・中小企業向けに、標準グレードと中堅企業向けの上位グレード「hyper」が用意され、データセンター版・AWS版・サブスクリプション形態など複数の提供基盤から選べます。料金は標準グレードが月額16,200円から、上位グレードの「hyper」が19,200円から(いずれも税抜)です。従来から業務ソフトを使ってきた企業が、環境をクラウドへ移す選択肢になります。
こうしたパッケージ型からクラウドへの移行について、提供元のピー・シー・エーは、自社がクラウドに踏み出した経緯を次のように説明しています。

1994年には他社に先駆けてWindows対応の「PCA会計」を発売しました。その後、「法改正のたびにソフトを買い替える負担をなくしたい」という思いから、まだクラウドという言葉が一般的でなかった2008年に、業界に先んじてPCAクラウドの提供を開始しています。
ここで取り上げた6製品のほかにも、クラウド会計ソフトは数多くあります。規模・タイプ別の選び方や、料金・機能のより詳しい比較まで確認したうえで導入を検討したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【2026年】クラウド会計ソフト比較15選|規模・タイプ別の選び方と料金を解説
クラウド会計ソフトの導入を検討するとき、「製品が多すぎて自社に合うものが分からない」「インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているか不安」「手入力やExcelでの記帳から早く脱却したい」といった悩みに突き当たる担当者は少なくありません。 選…
まとめ
会計ソフトのシェアは、立場や調査によって顔ぶれが変わります。個人事業主向けのクラウド会計では、2026年3月末のMM総研調査で弥生が54.0%と過半を占め、freee・マネーフォワードが続きました。一方、法人向けや税理士事務所では、売上高・導入社数・アンケートなど集計の軸が異なるため、勘定奉行やミロク(MJSLINK)といった別の製品が上位に挙がります。
「シェアNo.1」をうたう製品が複数あるのは、調査の主体・対象・時点が違うためです。数字を見るときは出所と条件を確かめ、自社の立場に近いものを選びましょう。そのうえで、シェアの高さだけでなく、自社の規模・業種・経理体制・税理士との連携に合うかどうかで製品を比較検討することが、納得のいく会計ソフト選びにつながります。
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よくある質問(FAQ)
Q. 会計ソフトのシェアとは何ですか?
A. 会計ソフトのシェアとは、市場で各製品がどれだけ使われているかを示す割合のことで、利用者数・売上高・導入社数のどれを基準にするかによって数値が変わります。
同じ「シェア」でも、アンケートによる利用者構成比、ライセンス売上高、累計導入社数など、測り方は調査によって異なります。そのため、シェアの数字を見るときは「何を基準にした割合か」をあわせて確認することが欠かせません。
Q. 会計ソフトでいちばんシェアが高いのはどれですか?
A. 個人事業主向けのクラウド会計ソフトでは弥生が54.0%(2026年3月末・MM総研調査)で首位ですが、法人向けや税理士事務所では首位の顔ぶれが変わります。
個人事業主ではfreee(25.1%)、マネーフォワード(15.7%)が続き、上位3社で9割以上を占めます。一方、法人向けでは勘定奉行(OBC)やミロク情報サービス(MJSLINK)など別の製品が上位に挙がります。「どの立場で見るか」でいちばん使われている製品は変わるため、自分の立場に近いシェアを基準にすることが大切です。
出典・参考資料(1件)
Q. 個人事業主と法人で会計ソフトのシェア首位が違うのはなぜですか?
A. 個人事業主では手軽なクラウド会計を提供する弥生・freee・マネーフォワードが中心なのに対し、法人では以前から業務ソフトを提供してきた勘定奉行やミロクなどが広く使われているためです。
法人では部門別の管理や内部統制など求められる機能が多く、長年使われてきたインストール型や基幹システムの存在感が大きく残っています。そのため、個人事業主で人気の製品がそのまま法人の首位になるわけではありません。
Q. 会計ソフトはクラウド型とインストール型のどちらを選ぶべきですか?
A. 自動化や場所を選ばない作業、法改正への自動対応を重視するならクラウド型、既存の運用を変えずに手元で使い続けたい場合はインストール型が向きます。
個人事業主ではクラウド型の利用率が上昇傾向にある一方、市場全体ではインストール型もなお広く使われています。どちらが優れているということはなく、経理体制や既存システム、顧問税理士との連携のしやすさに合わせて選ぶのが現実的です。
Q. 信頼できる会計ソフトのシェアはどの調査で確認できますか?
A. 個人事業主向けのクラウド会計シェアは、MM総研が毎年公表する「クラウド会計ソフトの利用状況調査」が、最新かつ中立的な調査として参考になります。
一方、法人向けには対象・時点のそろった決定版の最新調査が乏しく、矢野経済研究所(売上高シェア)やノークリサーチ(導入シェア)など、測る対象が異なる調査を使い分ける必要があります。公式サイトの「シェアNo.1」表示だけで判断せず、その根拠となった調査の出所と時点まで確認するのがおすすめです。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















