サイバー攻撃の手口が年々巧妙になるなか、自社システムの守りを確かめる方法として「脆弱性診断」と並んで「ペネトレーションテスト(侵入テスト)」という言葉を目にする機会が増えています。
ただ、この2つの違いはあいまいに語られがちです。「どちらが自社に必要なのか」「何を・どこまで調べるものなのか」を社内で説明しようとすると、うまく言葉にできないという担当者の方も少なくありません。
本記事では、ペネトレーションテストとは何かを脆弱性診断との違いから整理し、種類・手法・進め方・費用相場・依頼先の選び方まで、検討の最初の一歩に必要な知識をまとめて解説します。
目次
一括ダウンロードする
ペネトレーションテストとは
ペネトレーションテストとは、実際の攻撃者と同じ手口で自社のシステムやネットワークへの侵入を試み、どこまで侵入できるか・何を奪えるかを確かめるテストです。「侵入テスト」「ペンテスト」とも呼ばれます。
経済産業省の「情報セキュリティサービス基準」は、ペネトレーションテストを次のように定義しています。脆弱性を洗い出すだけでなく、攻撃者の目的を達成できるかどうかまで踏み込んで試す点が特徴です。
脆弱性診断のサービスの定義を満たすサービスのうち、攻撃者が実際に侵入等を行うために用いる手法と同様の手法により、アプリケーション、システム、又はネットワークのセキュリティ機能を回避して攻撃の目的を達成できるかの観点から試験を行い、その結果をもとに助言を行うサービスをいう。
出典:経済産業省「情報セキュリティサービス基準」(IPA 情報セキュリティサービス基準適合サービスリストより)https://www.ipa.go.jp/security/
国際的なガイドラインである米国国立標準技術研究所(NIST)の「SP 800-115」も、ペネトレーションテストを「評価者が現実の攻撃を模倣し、セキュリティ機能を回避する方法を見つけるセキュリティテスト」と説明しています。単体では軽微に見える脆弱性の組み合わせが、より大きな侵害につながらないかを確かめる点も、ペネトレーションテストならではの観点です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:NIST Special Publication 800-115「Technical Guide to Information Security Testing and Assessment」|米国国立標準技術研究所(NIST)(https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nistspecialpublication800-115.pdf)
ペネトレーションテストの目的
ペネトレーションテストの目的は、個々の弱点を一覧にすることではなく、「その弱点を突いて実際に被害が起きるのか」「起きるとすればどこまで広がるのか」を実証することにあります。
たとえば、ログインの認証を突破できるか、管理者権限を奪えるか、機密情報が入ったサーバーまでたどり着けるか、といった具体的な攻撃目標を設定し、達成可能かどうかを検証します。経営層やシステム担当者が、自社のリスクを現実的なシナリオとして把握できるようになるのが狙いです。
ペネトレーションテストと脆弱性診断の違い
ここからは、多くの方がつまずく「脆弱性診断との違い」を整理します。結論から言えば、両者は優劣ではなく目的が異なるテストで、調べる対象も進め方も分かれます。
脆弱性診断は、システムに潜む既知の弱点を網羅的に洗い出すテストです。これに対してペネトレーションテストは、特定の攻撃目的を立て、その弱点を実際に突いて侵入できるかどうかを確かめます。NIST も「脆弱性スキャナが脆弱性の『存在する可能性』を確認するのに対し、ペネトレーションテストの攻撃フェーズはその脆弱性を悪用して存在を実証する」と両者を区別しています。
| 観点 | 脆弱性診断 | ペネトレーションテスト |
|---|---|---|
| 目的 | 既知の弱点を網羅的に洗い出す | 攻撃者の手口で実際に侵入できるか・被害がどこまで及ぶかを実証する |
| 調べること | システムに潜む脆弱性の有無 | 特定の攻撃目的(情報窃取・権限奪取など)の達成可否 |
| 進め方の中心 | ツール診断+一部手動。網羅的に確認 | 専門家の手動が中心。攻撃シナリオに沿って深く検証 |
| 費用・期間の目安 | 比較的安価・短期間が一般的 | 数百万円規模〜・数週間〜数ヶ月 |
健康にたとえると、脆弱性診断は決まった項目を幅広くチェックする「健康診断」、ペネトレーションテストは目的を絞って深く調べる「人間ドック」に近い関係です。まず全体の弱点を把握したいなら脆弱性診断、現実的な攻撃に耐えられるかを確かめたいならペネトレーションテスト、と使い分けたり組み合わせたりします。
出典・参考資料(2件)
- 出典:経済産業省「情報セキュリティサービス基準」(IPA 脆弱性診断サービス適合サービスリストより)(https://www.ipa.go.jp/security/)
- 出典:NIST Special Publication 800-115「Technical Guide to Information Security Testing and Assessment」|米国国立標準技術研究所(NIST)(https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nistspecialpublication800-115.pdf)
ペネトレーションテストの種類と手法
ペネトレーションテストを調べると「外部/内部」「ブラックボックス/ホワイトボックス」などの言葉が出てきますが、これらは混同されやすい別々の分類軸です。種類は攻撃の起点(どこから攻めるか)、手法はテスターへの情報開示の度合い(どれだけ情報を渡して試すか)を表します。ここでは両者を順に整理します。

ペネトレーションテストの種類(外部・内部)
種類は「どこを攻撃の起点にするか」で分かれます。インターネット側から攻める外部ペネトレーションテストと、社内ネットワークに入り込んだ状態から攻める内部ペネトレーションテストの2つが基本です。
| 種類 | 攻撃の起点 | 主に確かめること | 選ばれる場面 |
|---|---|---|---|
| 外部ペネトレーションテスト | インターネット(社外) | 外部に公開したシステムから侵入できるか | 公開Webサービスや公開サーバーの守りを確かめたい |
| 内部ペネトレーションテスト | 社内ネットワーク(ファイアウォールの内側) | 侵入後に被害がどこまで広がるか(権限昇格・横展開) | マルウェア感染や内部不正を想定し、被害範囲を確かめたい |
外部は「そもそも侵入されるか」、内部は「侵入された後にどこまでやられるか」に重点があります。両方を実施する場合は、まず外部からの侵入を試し、続いて内部での被害範囲を確かめる流れが一般的です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:NIST Special Publication 800-115「Technical Guide to Information Security Testing and Assessment」§5.2|米国国立標準技術研究所(NIST)(https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nistspecialpublication800-115.pdf)
ペネトレーションテストの手法(ブラックボックス/ホワイトボックス/グレーボックス)
手法は「テスターにどこまで事前情報を渡すか」で分かれます。情報を渡さないほど実際の外部攻撃に近づき、渡すほど内部まで漏れなく検証しやすくなります。
| 手法 | テスターへの事前情報 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ブラックボックス | ほとんど与えない | 外部の攻撃者に近い条件で試す | 実際の攻撃に近い状況を再現したい |
| ホワイトボックス | 構成情報・設計書などを開示 | 内部情報を踏まえ、深く網羅的に検証 | 重要システムを漏れなく確かめたい |
| グレーボックス | 一部の情報を開示 | 両者の中間。効率と深さのバランスを取る | 一定の前提を置きつつ現実的に試したい |
実際の攻撃に近い厳しさを求めるならブラックボックス、限られた期間で重要システムを漏れなく確かめたいならホワイトボックスが向きます。どの手法が適切かは、守りたい対象と予算・期間によって変わるため、依頼先と相談しながら決めるのが現実的です。
ペネトレーションテストの進め方と期間の目安
ここからは、実際にペネトレーションテストがどのように進むのかを見ていきます。NIST SP 800-115 は、ペネトレーションテストを大きく4つのフェーズで整理しています。
- 計画・事前準備:テストの範囲とルールを決め、実施内容について管理層の承認を得たうえで、達成すべき攻撃目標(ゴール)を設定します。
- 調査・探索:対象システムの情報を集め、侵入の糸口となりそうな脆弱性や経路を洗い出します。
- 攻撃:見つけた脆弱性を実際に悪用して侵入を試み、権限昇格(より強い権限の奪取)や横展開(侵入後に社内の別の端末・サーバーへ攻撃を広げること)によって、設定したゴールに到達できるかを検証します。
- 報告:発見した問題とリスクの評価、具体的な改善策をまとめ、報告書や報告会として提供します。報告はほかのフェーズと並行して進められます。
この流れは、業界標準である「PTES(Penetration Testing Execution Standard)」でも、事前の擦り合わせ・情報収集・脅威モデリング・脆弱性分析・侵入・侵入後の活動・報告という7段階として体系化されています。依頼先がこうした標準に沿って進めているかは、信頼できる会社かどうかを見る目安になります。
期間は対象の規模やシナリオによりますが、数週間から数ヶ月が目安です。たとえばラックは、情報システムペネトレーションテストについて「最低2ヶ月ほどを費やすことを見込み」と公式に案内しています。準備や報告の期間も含めて、余裕のあるスケジュールで計画することが大切です。
出典・参考資料(3件)
- 出典:NIST Special Publication 800-115「Technical Guide to Information Security Testing and Assessment」§5.2|米国国立標準技術研究所(NIST)(https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nistspecialpublication800-115.pdf)
- 参考資料:The Penetration Testing Execution Standard(PTES)(http://www.pentest-standard.org/index.php/Main_Page)
- 出典:情報システムペネトレーションテスト|株式会社ラック(https://www.lac.co.jp/consulting/penetration_test.html)
ペネトレーションテスト実施の注意点
ペネトレーションテストを有効に活かすには、依頼する前に押さえておきたい点がいくつかあります。
- 事前の合意形成が欠かせません。テストは実際の攻撃を模倣するため、対象範囲・実施時間・緊急時の連絡体制を関係部署とすり合わせ、経営層の承認を得てから進めます。
- 本番システムへの影響に配慮が必要です。攻撃を伴う性質上、サービスへの負荷や一時的な停止のリスクがあります。実施時間帯や検証環境の用意を依頼先と調整します。
- すべての問題が解決するわけではありません。ペネトレーションテストは設定したシナリオの範囲で侵入可否を確かめるもので、一度実施すれば万全になるものではありません。脆弱性診断との併用や定期的な実施で、守りを継続的に見直すことが前提になります。
ペネトレーションテストは自社に必要か
ここまで読んで「結局、自社に必要なのか」が気になる方も多いはずです。ここでは、実施を検討すべき企業の目安と、脆弱性診断で足りるケースとの線引きを整理します。
ペネトレーションテストを実施すべき企業の目安
次のような条件に当てはまる企業は、攻撃者視点での実証的な検証を検討する価値があります。
- 金融機関や重要インフラなど、攻撃を受けた際の社会的影響が大きい事業を担っている
- 個人情報や機密情報を大量に扱っており、情報漏えいが事業に直結する
- 新しいシステムやサービスを公開する前に、実際の攻撃への耐性を確かめたい
- 過去にインシデントを経験し、対応体制が実際に機能するかを検証したい
とくに金融分野では、脅威情報にもとづいて実際の攻撃を模擬する高度なペネトレーションテスト「TLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト)」の活用が国際的に促されています。
金融庁が公表したG7の文書は、TLPTを「実在の攻撃者の戦術、テクニック、手順をまねることにより、金融機関のサイバーレジリエンスを侵害しようとする、攻撃の試行」と位置づけています。その目的は「現実世界をまねたサイバーインシデントに対する金融機関のレジリエンス能力を評価し、気付きを与えること」と説明されています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:脅威ベースのペネトレーションテストに関するG7の基礎的要素(仮訳)|金融庁(https://www.fsa.go.jp/inter/etc/20181015/02.pdf)
金融分野では、診断の現場からも、規制対応を背景に相談が増えているといいます。次のような声があります。

金融機関、特に銀行様からのご相談が多いのは、2024年10月に金融庁から公表されたガイドラインの影響が大きいと考えています。このガイドラインでは、金融機関において実施していくべきセキュリティ対策について記載されているのですが、脆弱性診断やペネトレーションテストを実施していくこと、ネットワークの対策を強化し監視していくことが求められました。
金融以外の一般企業でも、業種を問わず検討する価値はあります。判断の軸になるのは、扱う情報の重要度とシステムの公開範囲です。たとえば、ECサイトや会員向けサービスなど個人情報を扱うシステムを公開している、基幹システムを刷新した、取引先からセキュリティ水準の証明を求められている、といった場合は、実際の攻撃に耐えられるかを一度確かめておく意味が大きくなります。
脆弱性診断で足りるケースとの線引き
一方で、すべての企業にペネトレーションテストが必要なわけではありません。「まず自社にどんな弱点があるのかを一通り把握したい」「公開しているWebサイトやサーバーの既知の脆弱性を定期的にチェックしたい」という段階であれば、脆弱性診断で足りることが多いといえます。
目安としては、まず脆弱性診断で全体の弱点を洗い出し、対策を進めたうえで、「現実的な攻撃に耐えられるか」をさらに確かめたい段階でペネトレーションテストに進む、という順序が現実的です。守りたい資産の重要度と、想定する脅威の深刻さに照らして選びます。
「まずは脆弱性診断から」と判断した場合は、診断方法の種類や費用相場、サービスの選び方を以下の記事で確認できます。
ペネトレーションテストの費用相場
費用は予算のあたりを付けるうえで欠かせない情報です。ペネトレーションテストは対象の規模やシナリオに応じた個別見積もりが基本ですが、一部の専門会社は目安となる価格を公式サイトで公開しています。
- キヤノンITソリューションズ:300万円〜(税別)
- NRIセキュア:800万円〜(税別)
- ラック(情報システムペネトレーションテスト・標準的なマルウェア感染シナリオ):700〜1,000万円程度(税抜)
公開されている価格を見ると、手動主体のペネトレーションテストはおおむね数百万円規模から始まり、対象が広がったりシナリオが高度になったりするほど費用も上がります。防御側に知らせず組織全体の検知・対応力まで試すレッドチーム演習や、脅威情報にもとづくTLPTはさらに高額になる傾向があり、多くは要問い合わせです。
弱点を網羅的に洗い出す脆弱性診断は、対象を絞ればより少ない予算から依頼でき、ペネトレーションテストより費用を抑えやすいのが一般的です。費用だけで選ぶのではなく、確かめたいことが「弱点の洗い出し」か「実際の攻撃への耐性」かで、どちらに投資すべきかを判断することが大切です。なお料金は改定されることがあるため、依頼前に各社の最新情報を確認してください。
出典・参考資料(3件)
- 出典:ペネトレーションテスト|キヤノンITソリューションズ株式会社(https://www.canon-its.co.jp/products/penetration/)
- 出典:ペネトレーションテスト|NRIセキュアテクノロジーズ株式会社(https://www.nri-secure.co.jp/service/assessment/penetration_test)
- 出典:情報システムペネトレーションテスト|株式会社ラック(https://www.lac.co.jp/consulting/penetration_test.html)
費用は、診断の対象範囲やシナリオの複雑さ、テスターの工数によって大きく変わります。見積もりを取る前に、対象別・規模別の料金の目安や費用を左右する要因、見積もりの取り方をもう一段詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ペネトレーションテストの費用相場|対象別・規模別の料金と見積もりの取り方
監査対応や取引先からのセキュリティ質問票、あるいは経営層からの一言をきっかけに、ペネトレーションテストの発注を検討することになった――そんなとき、まず知りたいのは「いくらぐらいかかるのか」の具体的な金額の当たりです。 ところが検索結果には「…
一括ダウンロードする
ペネトレーションテストの依頼方法と選び方
最後に、「では、どこに頼めばよいのか」という疑問に答えます。ペネトレーションテストは、ツールを使って自社で実施する方法もありますが、攻撃者視点のシナリオ設計や手動での侵入試行が成果を左右するため、専門会社へ委託するのが一般的です。
ツールによる診断だけでは何を捉えきれないのか。診断を手がける現場からは、次のような指摘があります。
ツールを使えば大量の項目を短期間で効率的に診断できますが、ビジネスロジックに関わる部分や、複数の脆弱性の組み合わせで一つの問題が起きるようなケースは、単一のツールでは取りこぼしやすい領域です。そこは人間の目で判断する必要が必ずありますので、両方を組み合わせて診断しています。
依頼先を選ぶ際は、次のような観点を手がかりにすると、各社を客観的に比べやすくなります。
- テスターの技術力・資格:実際のラボ環境で侵入から権限昇格・報告までを行う実技資格「OSCP」や、複数分野で通算5年以上の実務経験が必要な情報セキュリティの国際資格「CISSP」などの保有状況は、技術力を測る一つの目安になります。各社の公式サイトで保有状況を確認できます。
- 準拠する標準:NIST SP 800-115 やPTESといった標準的な方法論に沿って進めているかを確認します。
- 報告書の質:発見事項の羅列で終わらず、リスクの評価と具体的な改善策まで示されるかは、テスト後の対策を進めるうえで重要です。
- 実績・対応範囲:自社の業種・システム構成に近い実績があるか、必要な診断対象(Webアプリ・ネットワーク・クラウドなど)に対応できるかを確認します。実績の数値はベンダーの自己申告の場合もあるため、内訳や基準にも目を向けます。
出典・参考資料(2件)
- 出典:CISSP Experience Requirements|ISC2(https://www.isc2.org/certifications/cissp)
- 出典:PEN-200: Penetration Testing with Kali Linux(OSCP)|OffSec(https://www.offsec.com/courses/pen-200/)
ペネトレーションテストを依頼できる主なサービス
ここからは、ペネトレーションテストを依頼できる主なサービスを紹介します。手動診断を得意とする専業会社から、脆弱性診断とあわせて相談できる総合型、AIと専門家を組み合わせたハイブリッド型まで幅があります。掲載は順位付けではありません。まずは下の比較表で全体像をつかみ、気になるサービスの詳細を確認してみてください。
| サービス名 | CoWorker 脆弱性診断サービス | NRIセキュア セキュリティ診断 | ラック セキュリティ診断・TLPT | NTTセキュリティ・ジャパン セキュリティ診断 | MBSD 脆弱性診断サービス | GMOサイバーセキュリティ byイエラエ | SQAT(脆弱性診断サービス) | サイバーディフェンス研究所 ペネトレーションテスト | キヤノンITソリューションズ ペネトレーションテスト |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | CoWorker株式会社 | NRIセキュアテクノロジーズ株式会社 | 株式会社ラック | エヌ・ティ・ティ・セキュリティ・ジャパン株式会社 | 三井物産セキュアディレクション株式会社 | GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社 | 株式会社ブロードバンドセキュリティ | 株式会社サイバーディフェンス研究所 | キヤノンITソリューションズ株式会社 |
| 診断の進め方 | AI自動解析+専門家による最終確認(実践攻撃シミュレーション診断としてペネトレーションテストを提供) | 手動主体(ツール併用)。ペネトレーションテスト・レッドチーム演習まで対応 | 手動主体(ツール併用)。ペネトレーションテスト・TLPTに対応 | 手動主体(ツール併用)。レッドチーム演習・TLPTに対応 | 手動診断主体(ツール併用)。ペネトレーションテスト・TLPTに対応 | 手動主体(ホワイトハッカー)+ツール型ASM。レッドチーム演習に対応 | 手動診断+独自自動診断のハイブリッド。ペネトレーションテストに対応 | 手動主体のペネトレーションテスト専業。レッドチーム演習に対応 | 手動主体。NIST SP 800-115/PTESに準拠した報告書を提供 |
| 主な対応範囲 | Webアプリ・API・ソースコード | Web・プラットフォーム・スマホアプリ・API・クラウド・ソースコード・IoT/OT | Web・プラットフォーム・クラウド・スマホアプリ・IoT | Webアプリ・プラットフォーム(サーバ・NW機器)・IoT/OT | Web・ネットワーク・スマホアプリ・IoT/OT・Active Directory・AI | Web・スマホアプリ・クラウド・ネットワーク・IoT・ブロックチェーン・AI(物理ペネトレーションも) | Web・API・ネットワーク・スマホアプリ・IoT・クラウド・ソースコード | ネットワーク・Webアプリ・制御システム(ICS)・組み込み/IoT | 外部・内部の攻撃起点を組み合わせたシナリオ型ペネトレーションテスト |
| 費用の目安 | 要問い合わせ(個別見積) | ペネトレーションテスト800万円〜(税別、公式) | 情報システムペネトレーションテスト700万〜1,000万円(税抜) TLPT 1,000万円程度〜(公式) | 要問い合わせ(公式非公開) | 要問い合わせ(個別見積) | 手動診断: 要問い合わせ(個別見積) ネットde診断ASM: 月額4万円〜(公式) | 要問い合わせ(個別見積) | 要問い合わせ(個別見積) | 300万円〜(税別、公式サービス紹介ページ) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト |
※費用は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安です。最新の料金は各社にご確認ください。
1. CoWorker 脆弱性診断サービス(CoWorker株式会社)

CoWorker 脆弱性診断サービスは、公式サイトのメニューに「実践攻撃シミュレーション診断(ペネトレーションテスト)」を掲げる診断サービスです。自社開発のAI「Red Agent」による自動解析で弱点を洗い出したうえで、社内のセキュリティ専門家が最終確認を行う体制を採り、ソースコードAI診断・動的脆弱性診断(Web/API診断)とあわせて提供しています。
実践攻撃シミュレーション診断では、各種診断の結果をもとに実際の攻撃を想定した高度な検証を行い、侵入の可否と影響範囲を評価するとしています。AIによるスピードと専門家による精度の両立を掲げ、資料のダウンロードにも対応しています。
2. セキュリティ診断(脆弱性診断・ペネトレーションテスト)/NRIセキュア(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

NRIグループのセキュリティ専業会社が提供する、手動主体のセキュリティ診断・ペネトレーションテストサービス群です。Webアプリケーション・プラットフォーム・API・クラウド設定・ソースコードなど幅広い対象をカバーし、攻撃者視点のペネトレーションテストからレッドチーム演習まで対応する幅広いラインアップを持ちます。
ツール任せにせず、国際資格を持つ専門家による手動診断を中核に据えている点が特徴です。公式サイトではペネトレーションテストの料金を800万円〜(税別)と公開しています。
3. 脆弱性診断・セキュリティ診断サービス(株式会社ラック)

1995年から診断サービスを提供する老舗のセキュリティ企業です。公式サイトでは脆弱性診断とペネトレーションテストを明確に分けて説明し、情報システムペネトレーションテストやTLPTまでをメニューにそろえています。
診断に加えて、監視を担うJSOCやインシデント対応のサイバー救急センターを同じベンダーで組み合わせられる点が特徴です。情報システムペネトレーションテストは700〜1,000万円程度、期間は最低2ヶ月ほどが目安と案内されています。
4. セキュリティ診断(脆弱性診断・ペネトレーションテスト)/NTTセキュリティ・ジャパン(エヌ・ティ・ティ・セキュリティ・ジャパン株式会社)

NTTグループのサイバーセキュリティ専業会社で、NTTセキュリティホールディングスの100%子会社です。手動主体のセキュリティ診断・評価・調査を提供し、ISMS認証(情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格)を取得しています。
NTTグループには診断を手がける別法人も複数あるため、相談する際は本サービス(公式ドメイン jp.security.ntt)の提供範囲を確認しておくと安心です。グループで培った知見を活かした診断を求める企業に向いています。
5. 脆弱性診断サービス(三井物産セキュアディレクション株式会社)

三井物産100%出資のサイバーセキュリティ専門企業(MBSD)が提供する脆弱性診断サービスです。セキュリティエンジニアが攻撃者の視点でシステムの脆弱性を診断・分析し、対処方法まで助言します。
診断メニューはWebアプリケーション診断やネットワーク診断に加え、ペネトレーションテスト・TLPT・IoT/OT診断など多岐にわたります。公式サイトでは脆弱性診断の累計で8,000件以上(2017年4月〜2024年3月)、公共・政府機関の実績70件以上(過去5年間の累計)を掲げています。
6. GMOサイバーセキュリティ byイエラエ(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)

国内のホワイトハッカーを多数擁するサイバーセキュリティ専門企業です。専門家による手動主体の脆弱性診断・ペネトレーションテストを中核に、ASM(攻撃面管理)ツール、SOC、フォレンジックまで幅広く手がけています。
高度な攻撃手法を用いたペネトレーションテストやレッドチーム演習に強みを持ち、手動診断は対象に応じた個別見積もりで対応します。実践的な技術力を重視する企業に向いた選択肢です。
7. SQAT(株式会社ブロードバンドセキュリティ)

SQAT(エスキュート)は、2000年創業のセキュリティ専業企業・株式会社ブロードバンドセキュリティ(BBSec)が提供する脆弱性診断ブランドです。精度の高い手動診断と独自開発の自動診断を組み合わせたハイブリッド診断を特徴としています。
外部(攻撃者)の視点と内部(開発者)の視点を組み合わせることで、短期間でも精度の高い診断を実施できると訴求しています。手動と自動のバランスを取りたい企業に適しています。
8. ペネトレーションテスト・レッドチーム演習(株式会社サイバーディフェンス研究所)

2008年に伊藤忠商事の社内セキュリティ研究組織が分社化して設立された、手動主体のペネトレーションテスト・レッドチーム演習の専業会社です。「人が引き起こす脅威に対抗できるのは人だけ」を理念に掲げ、経験豊富なエンジニアによる手動での侵入試行・横展開の検証を差別化点としています。
ネットワークや制御システム(ICS)、組み込み機器まで対象は幅広く、OSCPなどの高度な資格を持つエンジニアが在籍します。ネットワークペネトレーションテストは情報セキュリティサービス基準への適合登録を受けています。料金は対象の規模に応じた個別見積もりです。
9. ペネトレーションテストサービス(キヤノンITソリューションズ株式会社)

キヤノンマーケティングジャパングループのSIerが2023年に提供を開始したペネトレーションテストサービスです。攻撃の起点(外部/内部)と、認証突破・管理者権限の奪取・機密ファイルの窃取といったゴールを組み合わせ、対象に合わせたテストシナリオを提案する方式を採っています。
国際的なペネトレーションテスター認定資格を持つエンジニアが手動主体で実施します。公式サイトでは価格を300万円〜(税別)と公開しており、比較的始めやすい価格帯から検討できます。
ここで取り上げた以外にも、ペネトレーションテストを手がける会社は数多くあります。診断シナリオ・料金・テスターの保有資格といった条件で、より多くのサービスを横並びで比較して発注先を絞り込みたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
ペネトレーションテストサービスおすすめ17選を徹底比較|診断シナリオ・料金・認定資格から選ぶ発注先の見極め方
自社のWebアプリケーションや社内ネットワークが「実際の攻撃で本当に突破されないか」を、経営層・監査部門に説明する材料が不足していると感じていませんか。脆弱性診断だけでは検知できない複数脆弱性の組み合わせや、侵入後の横展開・権限昇格までを検…
まとめ
ペネトレーションテストは、実際の攻撃者と同じ手口で侵入を試み、どこまで被害が及ぶかを実証するテストです。弱点を網羅的に洗い出す脆弱性診断とは目的が異なり、両者は使い分けたり組み合わせたりして活用します。
自社に必要かどうかは、守りたい資産の重要度と想定する脅威の深刻さで判断します。まず脆弱性診断で全体像を把握し、現実的な攻撃への耐性を確かめたい段階でペネトレーションテストに進むのが現実的です。依頼先は、テスターの資格・準拠する標準・報告書の質・実績を手がかりに比較し、自社の目的に合うサービスを選びましょう。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. ペネトレーションテストとは何ですか?
A. ペネトレーションテストとは、実際の攻撃者と同じ手口で自社システムへの侵入を試み、どこまで侵入できるか・何を奪えるかを実証するテストです。「侵入テスト」「ペンテスト」とも呼ばれます。弱点を一覧にする脆弱性診断とは異なり、特定の攻撃目的を達成できるかどうかまで踏み込んで確かめる点が特徴です。
Q. ペネトレーションテストと脆弱性診断はどちらを先に実施すべきですか?
A. 一般的には、まず脆弱性診断で自社の弱点を網羅的に洗い出し、対策を進めたうえでペネトレーションテストに進む順序が現実的です。脆弱性診断で対処できる弱点を先に解消しておくことで、ペネトレーションテストでは「現実的な攻撃に耐えられるか」の実証に集中でき、費用対効果の面でも無駄がありません。
ただし、新システムの公開前や過去のインシデント検証など、侵入リスクそのものを早く確かめたい場合は、ペネトレーションテストを優先する判断もあります。
Q. ペネトレーションテストはどのくらいの頻度で実施すべきですか?
A. ペネトレーションテストの実施頻度に明確な決まりはありませんが、年1回程度の定期実施に加え、システムの大きな変更時や新サービスの公開前に実施するのが一般的な目安です。一度のテストは設定したシナリオの範囲で侵入可否を確かめるものにとどまるため、システムの変化や新たな攻撃手口に合わせて定期的に見直すことが前提になります。
Q. ペネトレーションテストは自社(社内)でも実施できますか?
A. 技術的には市販ツールを使って社内で実施することもできますが、実務上は専門会社への委託が一般的です。既知の脆弱性の検出はツールで補えても、複数の弱点を組み合わせて攻撃目的を達成できるかを実証するには、攻撃者視点でシナリオを設計できる熟練したテスターの力が欠かせないためです。
社内に高度な専門人材がいない場合は、専門会社への委託を検討するのが現実的です。
Q. ペネトレーションテストを依頼する前に準備しておくことは何ですか?
A. 依頼前には、テストの目的(確かめたい攻撃シナリオ)・対象範囲・実施時間帯を整理し、関係部署との合意形成と経営層の承認を得ておくことが重要です。テストは実際の攻撃を模倣するため、本番システムへの負荷や一時的な停止のリスクがあります。緊急時の連絡体制や、必要に応じた検証環境の用意についても、依頼先と事前に調整しておくと安心です。
Q. ペネトレーションテストとレッドチーム演習・TLPTの違いは何ですか?
A. いずれも攻撃者視点の検証ですが、ペネトレーションテストが特定のシナリオで侵入可否を確かめるのに対し、レッドチーム演習は防御側に知らせず組織全体の検知・対応力まで試し、TLPTは実際の脅威情報にもとづいて攻撃を模擬するより高度な手法です。
TLPT(脅威ベースのペネトレーションテスト)はとくに金融機関で活用が促されており、レッドチーム演習やTLPTはペネトレーションテストよりも費用・期間が大きくなる傾向があります。
ペネトレーションテスト・脆弱性診断サービスの資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、ペネトレーションテストや脆弱性診断を提供するサービスの最新資料を無料で一括請求できます。診断範囲・料金・実施体制を比べて、自社に合う依頼先を効率的に見つけられます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















