ソフトウェアを購入したり自社で開発したりしたとき、その費用を資産として計上すべきか、その期の費用として処理すべきか、判断に迷う場面は少なくありません。処理を誤ると減価償却費や法人税の計算がずれ、税務調査や監査で指摘を受けることもあります。
資産計上するかどうかは、ソフトウェアの利用目的・使用期間・金額・将来の収益への寄与といった要件で決まります。本記事では、自社の支出を当てはめて「資産計上か費用処理か」を判定するための要件を整理します。あわせて、区分別の計上要件、取得価額に含める費用の範囲、耐用年数と減価償却方法、具体的な仕訳、会計処理と税務処理の違いまでを解説します。
あわせて、資産計上したソフトウェア(無形固定資産)を台帳に登録し、毎期の減価償却を漏れなく計算・管理するための固定資産管理システムについても紹介します。自社の処理が正しいかを根拠とともに確認し、計上後の管理まで見通せる状態を目指しましょう。
目次
ソフトウェアの資産計上とは?費用処理との分かれ目
ソフトウェアは、法人税法上、無形固定資産に区分される減価償却資産です。資産計上した場合は、取得した期に全額を費用にはせず、耐用年数にわたって減価償却費として少しずつ費用化します。一方、要件を満たさない支出はその期の費用(損金)として処理します。まず、自社の支出がどちらになるのかを判定するところから始めましょう。
資産計上か費用処理かの判定フロー(4要件チェック)
自社のソフトウェア支出が資産計上の対象になるかは、次の4点を順に確認すると整理できます。4点は、会計上の計上要件(研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針)と、税務上の少額減価償却資産の取扱い(法人税法施行令)という異なる根拠から成り立ちます。根拠を分けて押さえておくと、判断を間違えにくくなります。

- 販売目的ではなく、自社で利用する(または市場販売・受注制作する)ソフトウェアか。まず利用目的で区分を判定します(区分ごとの要件は次章)。
- 使用可能期間が1年以上か。使用可能期間が1年未満のものは、取得した期の損金に算入できます。
- 取得価額が10万円以上か。取得価額が10万円未満のものは、取得した期の損金に算入できます(少額減価償却資産)。
- そのソフトウェアの利用で、将来の収益獲得または費用削減が確実と認められるか(主に自社利用ソフトの会計上の判断)。確実と認められれば無形固定資産に計上し、確実と認められない場合・不明な場合は費用処理します。
このうち4つ目は、自社利用ソフトウェアを資産計上できるかどうかの核心です。実務指針は次のように定めています。
自社利用のソフトウェアの資産計上の検討に際しては、そのソフトウェアの利用により将来の収益獲得又は費用削減が確実であることが認められるという要件が満たされているか否かを判断する必要がある。その結果、将来の収益獲得又は費用削減が確実と認められる場合は無形固定資産に計上し、確実であると認められない場合又は確実であるかどうか不明な場合には、費用処理する。
出典:研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針 第11項|企業会計基準委員会
一方、2つ目の「1年以上」と3つ目の「10万円以上」は、税務上の少額減価償却資産の取扱いに由来します。法人税法施行令第133条は、取得価額が10万円未満のもの、または使用可能期間が1年未満のものについて、事業の用に供した期に損金経理をすれば、その金額を損金に算入できると定めています。10万円未満・1年未満のソフトウェアは、資産計上せずにその期の費用にできるということです。
当てはめる順序は、まず①で利用目的の区分を決め、②③の金額・使用可能期間の基準で費用処理できる場合を除いたうえで、自社利用では④の確実性を満たすかで判断する、という流れです。②③は「満たさなければ費用処理を選べる」除外条件で、④は主に自社利用ソフトの計上要件です。
市場販売目的・受注制作のソフトウェアは、次章の区分別要件で判断します。これらの要件を満たすソフトウェア支出が、無形固定資産として資産計上の対象になります。
なお、取得価額が10万円以上20万円未満のソフトウェアは、通常の減価償却のほかに、3年間で均等に費用化できる一括償却資産(法人税法施行令第133条の2)も選べます。
さらに青色申告の中小企業者等であれば、取得価額40万円未満(2026年〔令和8年〕4月1日以後の取得分。改正前は30万円未満)のものを合計300万円まで取得した期に損金算入できる特例(租税特別措置法)も利用できます。金額帯によって選べる処理が変わるため、自社の取得価額を確認しておきましょう。
出典・参考資料(2件)
資産計上(無形固定資産)と費用処理の違い
資産計上と費用処理では、損益計算書への影響の出方が異なります。費用処理は支出した期に全額が費用となり、その期の利益を押し下げます。資産計上した場合は、いったん無形固定資産として貸借対照表に計上し、耐用年数にわたって減価償却費として各期に配分します。多額のソフトウェア投資を一度に費用化せず、利用期間に対応させて費用化する考え方です。
ソフトウェアが税務上の無形固定資産(減価償却資産)に該当することは、法人税法施行令第13条第8号ヌに定められています。どちらの処理になるかで、その期の損金の額・法人税額・貸借対照表の資産額が変わるため、要件に沿った判定が必要です。
出典・参考資料(2件)
ソフトウェアの区分別の資産計上要件
ソフトウェアは制作・取得の目的によって区分され、区分ごとに計上要件が異なります。自社の支出がどの区分に当たるかを先に特定すると、判断がはっきりします。
自社利用目的のソフトウェア(自社開発/外部購入)
自社の業務効率化や、顧客へ情報処理サービスを提供する目的で利用するソフトウェアです。前章の判定フローのとおり、将来の収益獲得または費用削減が確実と認められる場合に、無形固定資産として計上します。
外部から購入したパッケージソフトは、継続利用で将来の収益獲得・費用削減が確実と考えられ、原則として資産計上の対象です。自社開発の場合は、制作予算の承認稟議書や制作原価の管理台帳などの証憑で、将来の収益獲得・費用削減が確実と立証できるかが分かれ目になります。
確実かどうかは、そのソフトウェアを何の業務にどう使うかという利用目的が明確かという観点から判断します。あわせて、実際に将来の収益獲得または費用削減という便益が生じる可能性が高いかを見ます。新規性が高く便益が見通せない段階の開発費は、確実と認められず費用処理になります。
市場販売目的のソフトウェア(製品マスター完成の前後)
複写して販売するためのソフトウェア(パッケージ製品など)では、「最初に製品化された製品マスター」が完成した時点が、研究開発の終了時点になります。それまでの制作費用は研究開発費として費用処理し、完成後にかかる制作費を無形固定資産として計上します。
市場販売目的のソフトウェアの制作に係る研究開発の終了時点は、製品番号を付すこと等により販売の意思が明らかにされた製品マスター、すなわち「最初に製品化された製品マスター」の完成時点である。この時点までの制作活動は研究開発と考えられるため、ここまでに発生した費用は研究開発費として処理する。
出典:研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針 第8項|企業会計基準委員会
製品マスター完成後の機能の改良・強化にかかる費用は原則として資産計上しますが、著しい改良にあたる費用は研究開発費として費用処理します。
受注制作・研究開発目的・機器組込みのソフトウェア
特定の顧客から個別に受注して制作するソフトウェア(受注制作)は、工事契約に準じた会計処理を行い、制作の進捗に応じて収益・費用を計上します。研究開発目的のソフトウェアは、発生時に研究開発費として費用処理します。機械や装置に組み込まれているソフトウェアは、ソフトウェア単独で計上せず、その機器本体の取得価額に含めて「機械及び装置」などとして処理します。
各区分の計上開始・終了時点
自社利用ソフトウェアの資産計上の開始時点は、「将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められる状況になった時点」とされ、制作予算を承認した社内稟議書などの証憑で立証します。終了時点は「実質的に制作作業が完了したと認められる状況になった時点」で、作業完了報告書などで判断します(実務指針第12項・第13項)。
制作の途中でこの要件を満たしたと判明した場合は、それ以前の制作費をさかのぼって資産計上はせず、要件を満たした以降の制作費を資産計上します。
出典・参考資料(1件)
ソフトウェアの取得価額に含めるもの・含めないもの
資産計上すると決めたら、次に確定するのは取得価額(資産として計上する金額)の範囲です。取得価額は、購入した場合と自社で製作した場合で考え方が分かれます。
購入した場合は、購入の代価に、事業の用に供するために直接要した費用を加えた金額です。自社で製作した場合は、製作に要した原材料費・労務費・経費に、事業の用に供するために直接要した費用を加えた金額になります(法人税法施行令第54条、法人税基本通達7-3-15の2)。外部購入ソフトの導入にあたって必要な設定作業や、自社の仕様に合わせるための付随的な修正作業などの費用は、取得価額に含めます。
一方、取得価額に含めず費用処理するものもあります。旧システムのデータを新システムで使えるようにするためのデータ変換(コンバート)費用と、操作方法を学ぶためのトレーニング費用は、発生した期の費用として処理します。
ソフトウェアを利用するために必要なその他の導入費用については、次のとおり処理する。
出典:研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針 第16項|企業会計基準委員会
(1) データをコンバートするための費用 新しいシステムでデータを利用するために旧システムのデータをコンバートするための費用については、発生した事業年度の費用とする。
(2) トレーニングのための費用 ソフトウェアの操作をトレーニングするための費用は、発生した事業年度の費用とする。
また税務上は、次のような費用を取得価額に算入しないことができます。制作計画の変更などで生じた仕損じの費用、研究開発費の額、そして製作のために要した間接費・付随費用などで合計額が製作原価のおおむね3パーセント以内の少額であるものです。
次のような費用の額は、取得価額に算入しないことができます。
出典:No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数|国税庁
(1) 自己の製作に係るソフトウエアの製作計画の変更等により、いわゆる仕損じがあったため不要となったことが明らかなものに係る費用の額
(2) 研究開発費の額(自社利用のソフトウエアに係る研究開発費の額については、その自社利用ソフトウエアの利用により将来の収益獲得または費用削減にならないことが明らかな場合におけるその研究開発費の額に限ります。)
(3) 製作等のために要した間接費、付随費用等で、その合計額が少額(その製作原価のおおむね3パーセント以内の金額)であるもの
たとえば外部購入したソフトウェア本体50万円に、導入のための初期設定費10万円を加えた60万円が取得価額になります。一方、旧システムからのデータ変換費5万円と操作研修費3万円は取得価額に含めず、発生した期の費用として処理します。この60万円が、減価償却のもとになる取得価額です。
出典・参考資料(3件)
ソフトウェアの耐用年数・減価償却と減損
資産計上したソフトウェアは、耐用年数にわたって減価償却します。耐用年数と償却方法は、税務と会計のそれぞれに定めがあります。
耐用年数(自社利用5年/複写販売の原本・研究開発用3年)
税務上の法定耐用年数は、国税庁の取扱いで次のように定められています。
ソフトウエアの耐用年数については、次のとおりです。
出典:No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数|国税庁
1 複写して販売するための原本または研究開発用のものについては、3年
2 その他のものについては、5年
自社利用のソフトウェアは「その他のもの」に含まれ、税務上の耐用年数は5年です。会計上は、償却の基礎となる年数をそのソフトウェアの利用可能期間とし、原則として5年以内とします(5年を超える場合は合理的な根拠が必要)。税務の5年と会計の利用可能期間(原則5年以内)は、通常は一致しますが、概念としては別のものです。
償却方法(自社利用=定額法/市場販売目的=見込販売数量・収益基準)
自社利用のソフトウェアは、一般的に定額法による償却が合理的とされています。ソフトウェアは無形固定資産であり、機械や備品で使える定率法は用いず、税務上も定額法で均等に償却します。
自社利用のソフトウェアについては、その利用の実態に応じて最も合理的と考えられる減価償却の方法を採用すべきであるが、一般的には、定額法による償却が合理的である。償却の基礎となる耐用年数としては、当該ソフトウェアの利用可能期間によるべきであるが、原則として5年以内の年数とし、5年を超える年数とするときには、合理的な根拠に基づくことが必要である。
出典:研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針 第21項|企業会計基準委員会
市場販売目的のソフトウェアは、見込販売数量にもとづく方法、または見込販売収益にもとづく方法で償却します。ただし、毎期の減価償却額は残存有効期間にもとづく均等配分額を下回ってはならず、いずれか大きい額を計上します。販売可能な有効期間は原則として3年以内とされています(実務指針第18項)。
資産計上後の減損の考え方
資産計上した自社利用ソフトウェアは、減価償却のほかに、固定資産の減損会計の対象にもなります。収益獲得が見込めなくなった、利用を停止したといった減損の兆候がある場合は注意が必要です。将来に見込まれるキャッシュ・フローが帳簿価額を下回るときは、減損損失を計上する検討が求められます。上場企業や監査対応のある企業では、減価償却だけでなく、計上後の資産価値の見直しも押さえておきましょう。
出典・参考資料(1件)
ソフトウェア資産計上の仕訳例
資産計上から減価償却までの仕訳を、取得価額100万円・自社利用(耐用年数5年・定額法)のソフトウェアを例に示します。あわせて、取得価額10万円未満で費用処理する場合の仕訳も並べます(金額は説明のための一般例です)。
| 仕訳の場面 | 資産計上時(取得・事業供用) | 決算時(減価償却・定額法5年) | 取得価額10万円未満で費用処理する場合 |
|---|---|---|---|
| 借方 | ソフトウェア 1,000,000円 | 減価償却費 200,000円 | 消耗品費など 80,000円 |
| 貸方 | 普通預金 1,000,000円 | ソフトウェア 200,000円 | 普通預金 80,000円 |
減価償却の仕訳は、無形固定資産では帳簿価額を直接減らす直接法が一般的で、1年あたりの償却額は「取得価額100万円 ÷ 耐用年数5年 = 20万円」となります。表の3段目のように、取得価額10万円未満や使用可能期間1年未満で資産計上の要件を満たさないソフトウェアは、取得した期の費用として計上します。勘定科目は会社の経理方針によって異なります。
会計処理と税務処理のズレ(別表調整)
自社利用ソフトウェアの会計上の償却年数は「利用可能期間(原則5年以内)」、税務上の法定耐用年数は5年です。利用可能期間を5年と見積もれば両者は一致し、調整は生じません。一方、会計上の利用可能期間を5年より短く見積もると、会計上の減価償却費が税務上の償却限度額を上回り、その超過額(償却超過額)は損金に算入できないため、法人税申告で加算調整が必要になります。
たとえば取得価額100万円のソフトウェアを、会計上は利用可能期間4年(定額法で年25万円)、税務上は耐用年数5年(年20万円)で償却する場合、会計上の償却費25万円のうち、税務上の限度額20万円を超える5万円が償却超過額になります。
この5万円は法人税の確定申告書の別表十六などで加算し、翌期以降に償却限度額の範囲で減算していきます。具体的な記入方法や過年度分の取扱いは、自社の状況に応じて税理士などの専門家に確認することをおすすめします。
SaaS・クラウドサービスの会計処理
クラウド上で提供されるSaaSの会計処理は、自社でソフトウェアを「取得・制作」しているのか、それともサービスの「利用」なのかで分かれます。毎月の利用料を支払って機能を使うSaaSは、ソフトウェアの取得・制作にあたる支出ではなく、役務(サービス)提供を受ける対価と考えられるため、支払った期の費用として処理するのが基本です。資産計上の対象となる「ソフトウェアの制作・取得の支出」には当たりません。
一方、自社でSaaSを開発して提供する場合など、ソフトウェアの制作支出が生じるケースでは、自社利用ソフトウェアの枠組みで判断します。将来の収益獲得または費用削減が確実と認められる状況になった時点から、資産計上を開始します。
新規性が高く、将来の収益獲得が不確実な段階の開発支出は、確実と認められないため費用処理となります。そのため新しいサービスの開発では、どの時点から資産計上を始めるかを慎重に判断する必要があります。
出典・参考資料(1件)
計上後の無形固定資産(ソフトウェア)の管理を効率化する
ソフトウェアを資産計上した後は、無形固定資産として固定資産台帳に登録し、毎期の減価償却を計算し、償却超過額の管理や除売却の処理まで続けていく必要があります。管理する資産が増えると、Excelでの手計算では償却漏れや計算ミス、履歴を追えないといった課題が生じやすくなります。こうした計上後の管理は、固定資産管理システムや、固定資産台帳機能を備えた会計ソフトで効率化できます。
無形固定資産(ソフトウェア)の管理に使えるサービスには、固定資産管理に特化したクラウドサービスと、会計ソフトに固定資産台帳機能が組み込まれたタイプがあります。以下に主なサービスを比較します。
| サービス名 | マネーフォワード クラウド固定資産 | 固定資産奉行クラウド | PCAクラウド 固定資産 | freee会計 | 弥生会計 Next | 会計王 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供会社 | 株式会社マネーフォワード | 株式会社オービックビジネスコンサルタント | ピー・シー・エー株式会社 | フリー株式会社 | 弥生株式会社 | ソリマチ株式会社 |
| 分類 | 固定資産管理の専用システム | 固定資産管理の専用システム | 固定資産管理の専用システム | 会計ソフトに内蔵 | 会計ソフトに内蔵 | 会計ソフトに内蔵 |
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | パッケージ(インストール型・買い切り) |
| 無形固定資産(ソフトウェア)の償却 | 資産区分「無形固定資産」を設定でき、直接法で償却仕訳を自動作成 | 固定資産台帳・減価償却に対応 | 固定資産台帳・減価償却に対応 | 固定資産台帳・減価償却に対応 | 有形・無形固定資産に対応(台帳は1会計期間500件まで) | 固定資産台帳・減価償却に対応 |
| 減価償却の計算・仕訳 | 減価償却を自動計算し、クラウド会計PlusへAPI連携(他社会計はCSV連携) | 減価償却を自動計算し、勘定奉行iクラウドへ仕訳を自動連携 | 減価償却を自動計算し、PCA会計・他社会計へ仕訳連携(出力パターン機能) | 会計本体で自動計算し、仕訳を自動反映 | 会計本体で自動計算し、仕訳を自動生成 | 会計本体で固定資産台帳・減価償却を管理 |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 0〜70,000円 (プラン別) | 0円 (導入支援は別途見積もり) | 0円 | 0円 | 44,000円 (標準版・税込・買い切り) |
| 月額費用 | 要問い合わせ | 4,750円〜30,400円 (プラン別) | 16,200円〜 (税抜・通常版の単体利用時) | 2,980円〜 (法人ひとり法人・年払い) | 2,900円〜 (税抜・年契約の月あたり) | なし (買い切り) |
| 無料トライアル | 記載なし | 30日間 | 2か月 | 30日間 | 最大2か月 (決算書機能は対象外) | 30日間 |
| 詳細情報 | ミーティングを予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 資料をダウンロード | 公式サイト |
固定資産管理システム全体の機能・料金・選び方は、以下の記事で詳しく比較しています。計上後の管理ツールを本格的に検討する方はあわせてご覧ください。
マネーフォワード クラウド固定資産(株式会社マネーフォワード)

固定資産台帳の登録・管理から減価償却費の自動計算、法人税別表十六や償却資産申告書の出力までを一元的に扱う、株式会社マネーフォワードのクラウド型固定資産管理システムです。同社のマネーフォワード クラウド会計PlusとはAPI連携、他社の会計システムとはCSV連携で仕訳を受け渡せます。
資産科目マスタの「資産区分」に「無形固定資産」を設定でき、その科目に登録したソフトウェアなどの資産は、直接法で減価償却仕訳が自動作成されます(借方に減価償却費、貸方にソフトウェアなどの資産勘定)。計上後のソフトウェアを台帳に登録し、月次・年次の償却仕訳まで自動で回したい場合に向きます。
会計用と税務用の台帳を分けて並行管理できるほか、償却資産申告書や種類別明細書を出力し、eLTAX対応ソフト「PCdesk」へCSVで取り込んで電子申告する流れにも対応します。料金は利用人数やプランにより変動し、公式サイトで要問い合わせとなっています。
計上後の固定資産管理をシステムに移すと、毎期の償却や申告にかかる実務の負担や属人化はどう変わるのか。同サービスを提供する株式会社マネーフォワードは、導入現場での変化をインタビューで次のように述べています。

SmartHR様は、固定資産関連の業務が1〜2営業日かかっていたものが半日以下に短縮されました。また、エス・エム・エス様では償却資産申告の作業時間が3分の1になったという成果が出ています。
画面がわかりやすく操作もシンプルなので、資産の登録や移動登録といった業務が効率化されるだけでなく、属人化の解消にもつながります。これまで特定の担当者しかできなかった業務が、チームの誰もが対応できるようになるのは大きなメリットです。
弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Next は、弥生株式会社が提供する法人専用のクラウド会計サービスです。会計帳簿・決算書の作成に加えて固定資産台帳機能を内蔵しており、会計処理と資産管理を同じシステム内で完結できます。固定資産の件数が多くなく、会計・請求・経費精算とまとめて管理したい法人に向いた構成です。
固定資産台帳では有形固定資産と無形固定資産を登録でき、年次(決算期)または月次での減価償却費を台帳から自動計算します。計算された減価償却費の仕訳も自動生成されるため、台帳と仕訳帳のズレが起きにくい点が特徴です。登録できるのは1会計期間あたり500件までで、大量の資産を扱う企業には専用の固定資産管理システムが向きます。
償却資産申告については、申告書へ転記するための資料(申告書用)をPDFで出力できます。料金は初期費用0円、年額34,800円(税抜)からの3プランで、最大2か月間の無料体験(1事業者につき1回、決算書の作成・出力は対象外)が用意されています。
固定資産奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

「奉行クラウド」シリーズの固定資産管理システムで、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供しています。固定資産の取得・移動・除却・減損までのライフサイクル管理と、償却額の自動計算、償却資産税の電子申告(eLTAX)までをクラウド上で処理できます。勘定奉行iクラウドと組み合わせると、減価償却費などの仕訳を自動で連携できます。
償却資産申告書・種類別明細書は、eLTAXを通じて各市町村へデータ送信できる標準機能を備えています。全プランに税理士向けの専門家ライセンスが1つ無償で付くため、顧問税理士と同じシステム上で作業を分担できます。
料金はiE・iA・iSの3段階で、月額4,750円(管理資産100件まで)から公式サイトに明示されており、上位プランでは管理できる資産件数が最大2,000件まで広がります。導入前には、機能制限のない30日間の無料トライアルを利用できます。
まとめ
ソフトウェア費用を資産計上するか費用処理するかは、利用目的による区分、使用可能期間(1年以上)、取得価額(10万円以上)、自社利用では将来の収益獲得または費用削減が確実かという要件で判断します。
資産計上する場合は、設定費などを含む取得価額を確定し、自社利用なら耐用年数5年・定額法で減価償却します。会計上の利用可能期間を税務の5年より短く見積もると別表調整が生じる点、SaaSの利用料は原則費用処理となる点も押さえておきましょう。
自社の支出を要件に当てはめて処理方針を固めたら、計上後の無形固定資産を台帳で管理し、毎期の償却を漏れなく計算する体制を整えることが、ミスや属人化を防ぐうえで重要です。固定資産管理システムや固定資産台帳機能のある会計ソフトの資料を比較し、自社の資産規模や運用に合ったツールを検討してください。
ソフトウェアの資産計上に関するよくある質問(FAQ)
Q. ソフトウェアの資産計上とは何ですか?
A. ソフトウェアの資産計上とは、取得・制作したソフトウェアを無形固定資産として貸借対照表に計上し、耐用年数にわたって減価償却費として少しずつ費用化する会計処理です。取得した期に全額を費用にせず、利用期間に対応させて費用化する点が、費用処理との違いです。
利用目的による区分、使用可能期間が1年以上か、取得価額が10万円以上か、自社利用では将来の収益獲得または費用削減が確実か、といった要件を満たす支出が資産計上の対象になります。
Q. 取得価額が10万円未満のソフトウェアはどう処理しますか?
A. ソフトウェアは、取得価額が10万円未満であれば、資産計上せずに取得した期の損金(費用)に算入できます(少額減価償却資産)。法人税法施行令第133条が、取得価額10万円未満または使用可能期間1年未満の減価償却資産について、事業の用に供した期に損金経理をすれば損金算入できると定めているためです。
さらに中小企業者等であれば、取得価額40万円未満(2026年〔令和8年〕4月1日以後の取得分。改正前は30万円未満)のものを合計300万円まで取得した期に損金算入できる特例(租税特別措置法第67条の5)も利用できます。
出典・参考資料(2件)
Q. SaaS(クラウドサービス)の月額利用料は資産計上しますか?
A. SaaSの月額利用料は、ソフトウェアの取得・制作の支出ではなく、役務(サービス)提供を受ける対価にあたるため、原則として支払った期の費用として処理します。クラウド上で提供される機能を月額料金で利用する形態は、自社でソフトウェアを取得・制作しているわけではないため、資産計上の対象にはなりません。
ただし、自社でSaaSを開発して提供する場合など、ソフトウェアの制作支出が生じるときは、自社利用ソフトウェアの枠組みで、将来の収益獲得または費用削減が確実と認められた時点から資産計上を判断します。
Q. ソフトウェアの開発途中で資産計上の要件を満たした場合はどうなりますか?
A. 自社利用ソフトウェアの開発途中で要件を満たした場合は、要件を満たす前の制作費をさかのぼって資産計上することはせず、将来の収益獲得または費用削減が確実と認められた時点以降の制作費を資産計上します。
資産計上の開始時点は「将来の収益獲得又は費用削減が確実であると認められる状況になった時点」とされ、制作予算を承認した社内稟議書などの証憑で立証します。その時点より前に発生した制作費は、費用処理となります(実務指針第12項)。
出典・参考資料(1件)
Q. 資産計上したソフトウェアをバージョンアップ・機能追加した費用はどう扱いますか?
A. 資産計上後のソフトウェアの改修費用は、機能の改良・強化にあたる費用は資産計上し、著しい改良にあたる費用は研究開発費として費用処理します。一方、不具合の修正や現状維持のための保守など、新たな機能を加えない維持管理の費用は、資産計上せずにその期の費用とします。追加する機能の内容や性能向上の程度が「著しい改良」にあたるかどうかで、資産計上か研究開発費かが分かれます。
出典・参考資料(1件)
Q. ソフトウェアの耐用年数は何年ですか?
A. ソフトウェアの税務上の法定耐用年数は、自社利用など「その他のもの」が5年、複写して販売するための原本や研究開発用のものが3年です。会計上は、償却の基礎となる年数をそのソフトウェアの利用可能期間とし、原則として5年以内(5年を超える場合は合理的な根拠が必要)とします。自社利用ソフトウェアは、税務・会計ともに通常は5年で減価償却します。
出典・参考資料(1件)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















