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通勤手当はいくらから課税される?非課税限度額の早見表と2026年改正のポイント

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給与計算ソフト比較表(2026年版)

給与明細に並ぶ通勤手当を見て、「これは課税されているのか、それとも非課税なのか」と迷ったことはないでしょうか。通勤手当は一定の限度額までは非課税ですが、限度額を超えた分や、片道2kmに満たないマイカー通勤などは課税の対象になります。給与計算や年末調整で扱いを誤ると、源泉徴収のやり直しにつながりかねません。

さらに、マイカー・自転車通勤の非課税限度額は、2025年4月適用分と2026年4月改正分で金額や区分が変わりました。「どちらの金額を、いつの支給分から使えばよいのか」は、実務で最も間違えやすい論点です。

本記事では、通勤手当が課税される具体的なケースを結論から整理し、通勤手段・距離別の非課税限度額を早見表で示します。あわせて、2025年と2026年の改正の違いと適用時期、限度額を超えた場合の課税処理、所得税では非課税でも社会保険料では対象になる仕組みまで、国税庁などの一次情報をもとに解説します。

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通勤手当が課税されるのはどんなとき(課税される4つのケース)

通勤手当は、所得税法上、一定の範囲までは所得税を課さないと定められています。裏を返せば、その範囲から外れる部分は課税されます。まず、課税の対象になる代表的な4つのケースを押さえておきましょう。

通勤手当が課税される4つのケースの図解。ケース1は非課税限度額を超えた分で超過分のみ課税、ケース2は片道2km未満のマイカー・自転車通勤で全額課税、ケース3は在宅勤務者への定期代の一律支給で実際の通勤費を超える部分が課税、ケース4は無関係・不合理な経路の分で通常必要と認められる範囲を超える部分が課税。

根拠となるのは、所得税法第9条第1項第5号です。同号は、通勤に必要な交通機関の利用や交通用具の使用のために支出する費用に充てるもののうち、「一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分」だけを非課税とすると定めています。この通常必要と認められる部分を超えたり、実際の通勤に対応しない支給は、非課税の枠から外れて課税の対象になります。

ケース1:非課税限度額を超えた分(超過分のみ課税)

通勤手当には、通勤手段・距離に応じた1か月あたりの非課税限度額が定められています。支給額がこの限度額を超えた場合、超えた部分の金額が給与として課税されます。注意したいのは、課税されるのは超過分のみで、限度額までの金額は非課税のまま残る点です。支給額の全額が課税されるわけではありません。

ケース2:片道2km未満のマイカー・自転車通勤は全額課税

マイカーや自転車など交通用具を使う通勤では、片道の通勤距離が2km未満の場合、通勤手当に非課税の枠がありません。所得税法施行令第20条の2が、交通用具を使う通勤者のうち片道2km未満の人を非課税の対象から除いているためです。近距離のマイカー通勤に手当を支給する場合、その全額が課税対象になります。

ケース3:在宅勤務者への一律支給は実際の通勤費を超える部分が課税

在宅勤務が中心で出社日数が少ない従業員に、従来どおりの定期代相当額を一律で支給している場合は注意が必要です。非課税となるのは「実際の通勤に必要な費用に充てる部分」であり、出社しない日の分まで含む一律支給は、実際の通勤費用を上回る部分が非課税の枠から外れます。

そのため、在宅勤務が多い従業員には、定期代の一律支給ではなく、出社日数に応じた実費(日額)を支給する運用が原則にかないます。支給方法を切り替えることで、課税・非課税の判定もシンプルになります。

ケース4:通勤と無関係・不合理な経路の分は課税

非課税の対象は、最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤経路・方法による費用です。実際の通勤に使っていない経路の運賃や、合理的とはいえない遠回りの経路で算定した手当は、通常必要と認められる範囲を超える部分が課税対象になります。申請された経路が実態と合っているか、合理的かを確認することが課税・非課税の判定の土台になります。

出典・参考資料(3件)

通勤手段・距離別の非課税限度額【早見表】

ここからは、「いくらまで非課税か」を通勤手段別に確認します。公共交通機関とマイカー・自転車では限度額の決まり方が異なり、マイカー・自転車は片道距離の区分ごとに金額が定められています。以下は2026年4月1日以後に支払う通勤手当に適用される金額です(2025年4月適用分との違いは次の章で解説します)。

公共交通機関(電車・バス・新幹線)は月15万円まで非課税

電車やバスなど公共交通機関を利用する場合、非課税となるのは、最も経済的かつ合理的と認められる通常の通勤経路による1か月あたりの運賃等の額です。ただし上限があり、1か月あたり150,000円を超える部分は課税されます。新幹線通勤の運賃・特急料金も、経済的かつ合理的な経路と認められれば、この15万円の枠内で非課税になります(グリーン料金は対象外です)。

マイカー・自転車は片道距離の区分で非課税限度額が決まる

マイカーや自転車など交通用具を使う通勤では、片道の通勤距離に応じて1か月あたりの非課税限度額が決まります。2026年4月1日以後に支払う通勤手当では、片道の距離区分は次のとおりです。

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片道の通勤距離2km未満2km以上10km未満10km以上15km未満15km以上25km未満25km以上35km未満35km以上45km未満45km以上55km未満55km以上65km未満65km以上75km未満75km以上85km未満85km以上95km未満95km以上
1か月あたりの非課税限度額全額課税(非課税の枠なし)4,200円7,300円13,500円19,700円25,900円32,300円38,700円45,700円52,700円59,600円66,400円

加えて、2026年4月以後は、一定の要件を満たす駐車場等を利用して料金を負担している場合、上記の距離区分の金額に、1か月あたりの駐車場等の料金相当額(上限5,000円)を加算できます。対象となるのは、勤務先の周辺や、通勤で利用する駅・停留所などの周辺にある駐車場です。自宅近くの駐車場は対象になりません。

マイカー・自転車通勤の片道距離をどう測るか、各区分にどんなケースが当てはまるか、駐車場代加算の要件といった細かい点は、以下の記事で国税庁が示すケース別の取り扱いまで含めて詳しくまとめています。自社の通勤実態がどの区分に当たるかを確かめたい方はあわせてご覧ください。

公共交通機関とマイカー等を併用する場合

自宅から駅までマイカー、駅から勤務先まで電車、というように公共交通機関と交通用具を併用する場合は、「公共交通機関の運賃等の額」と「交通用具の距離区分に応じた金額」を合算した金額が非課税の対象になります。ただし、合算後の1か月あたりの上限は150,000円です。

出典・参考資料(2件)

2025年4月適用分と2026年4月改正分の違い(どちらを使うかは支給日で決まる)

マイカー・自転車通勤の非課税限度額は、短い期間に2回見直されました。2025年4月に適用された引き上げと、2026年4月に適用された区分の新設です。どちらの金額を使うかは通勤手当の「支給日」で決まるため、両者を取り違えないことが実務の要点になります。

2025年版と2026年版の限度額・適用時期を対比

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項目マイカー等の最大非課税限度額65km以上の区分駐車場代の加算公共交通機関の上限公布日適用(いつの支給分から)
2025年4月適用版(令和7年政令第380号)55km以上=38,700円(最上位区分)55km以上は一律38,700円なし月150,000円(改正なし)2025年(令和7年)11月19日2025年(令和7年)4月1日以後に支払う通勤手当
2026年4月改正版(令和8年政令第93号)95km以上=66,400円65〜75km=45,700円/75〜85km=52,700円/85〜95km=59,600円/95km以上=66,400円(4区分に細分化)一定要件の駐車場等の料金相当額を加算(上限 月5,000円)月150,000円(改正なし)2026年(令和8年)3月31日2026年(令和8年)4月1日以後に支払う通勤手当

65km未満の区分(2km未満〜55〜65km=38,700円まで)の金額は、2025年版と2026年版で同じです。2026年の改正で変わったのは、65km以上の区分の新設と、駐車場代の加算です。

どちらの限度額を使うかは「支給日」で決まる

2025年版の引き上げは、2025年11月19日に政令が公布され、その翌日(11月20日)に施行されましたが、適用は2025年4月1日以後に支払う通勤手当にさかのぼります。公布より前にさかのぼって適用されるため、改正前の限度額で課税していた分について、2025年分の年末調整で精算が必要になる場合があります。

この改正は、令和7年11月20日に施行され、令和7年4月1日以後に支払われるべき通勤手当(同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものを除きます。)について適用されます。

出典:通勤手当の非課税限度額の改正について|国税庁

2026年版の区分新設・駐車場代加算は、2026年4月1日以後に支払う通勤手当に適用されます。いずれの改正も「いつ発生した通勤か」ではなく「いつ支払う通勤手当か」で判断するため、支給日を基準にどちらの限度額表を使うかを確認してください。

出典・参考資料(4件)

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限度額を超えた通勤手当の課税処理(給与計算・年末調整・源泉徴収)

ここからは、非課税限度額を超えた通勤手当が出たときの、給与計算での処理を確認します。処理そのものはシンプルですが、誤りが起きやすい箇所でもあります。

超過分のみを課税給与に加算する

非課税限度額を超えて通勤手当を支給した場合は、超える部分の金額を、その月の給与に上乗せして課税します。国税庁も、超える部分の金額について源泉徴収を行うと示しています。限度額までの金額は非課税のまま残し、超過分だけを課税給与として扱うのがポイントです。

たとえば片道12kmのマイカー通勤者に月20,000円の通勤手当を支給する場合、この距離区分(10km以上15km未満)の非課税限度額は7,300円です。限度額までの7,300円は非課税のまま、差額の12,700円を課税給与としてその月の給与に上乗せし、源泉徴収の対象にします。

1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、超える部分の金額が給与として課税されます。この超える部分の金額は、通勤手当を支給した月の給与の額に上乗せして所得税および復興特別所得税の源泉徴収を行います。

出典:No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当|国税庁

年末調整での精算(遡及適用があった場合)

毎月の源泉徴収で課税額を処理していても、2025年の遡及適用のように年の途中で限度額が変わった場合は、年末調整での精算が必要になることがあります。改正前の低い限度額で課税していた分を、改正後の限度額で計算し直すと、課税対象だった金額が非課税の範囲に収まるケースがあるためです。国税庁は、引き上げに伴う年末調整の精算について、源泉徴収簿の記載例やQ&Aを公表しています。

源泉徴収票への反映の考え方

通勤手当のうち非課税となる部分は、源泉徴収票の「支払金額」には含めません。一方、限度額を超えて課税された部分は、給与として「支払金額」に含めて記載します。非課税分と課税分を切り分けて集計することが、源泉徴収票を正しく作成する前提になります。

よくある計算ミス

通勤手当の課税処理では、次のような誤りが起きがちです。給与計算の前に確認しておきましょう。

  • 限度額を超えているのに、通勤手当の全額を非課税として処理してしまう(課税すべきは超過分のみ)
  • 片道2km未満のマイカー通勤に支給した手当を、非課税として扱ってしまう(この場合は全額課税)
  • 改正前の古い限度額表のまま運用し、引き上げ後も低い限度額で課税し続けてしまう
  • 在宅勤務が増えた従業員に定期代を一律支給したまま、課税の要否を見直していない

所得税は非課税でも社会保険料は対象(標準報酬月額・130万円の壁)

通勤手当をめぐって見落とされやすいのが、「所得税で非課税なら社会保険料の対象外」という思い込みです。通勤手当は、所得税で非課税となる部分であっても、社会保険料の計算では報酬に含まれます。所得税・住民税・社会保険料で扱いが異なる点を整理しておきましょう。

所得税・住民税・社会保険料での通勤手当の扱い

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項目通勤手当の扱い限度額を超えた分根拠
所得税非課税限度額まで非課税課税所得税法9条1項5号・施行令20条の2
住民税非課税限度額まで非課税課税所得計算は所得税法の例による
社会保険料(標準報酬月額)全額が報酬に含まれるもともと全額が算定対象厚生年金保険法・健康保険法(報酬に含む)

住民税は、所得割の課税標準を所得税法の所得計算の例によって算定するため、所得税で非課税となる通勤手当は住民税でも同様に非課税になります。一方、社会保険料は非課税という考え方がなく、通勤手当の全額が算定の対象になります。

非課税でも標準報酬月額に含まれる理由

社会保険料は、標準報酬月額をもとに計算されます。日本年金機構は、通勤手当が標準報酬月額の対象となる報酬に含まれると明示しています。労務の対償として支給されるものは名称を問わず報酬に含まれるという考え方のためで、所得税の非課税限度額とは基準が異なります。

通勤手当は報酬に含まれます。厚生年金保険法でいう報酬とは、被保険者が事業主から労務の対償として支給されるすべてのものをいい、賃金、給料、手当などその名称にかかわらず対象になります。

出典:標準報酬月額の対象となる報酬に、通勤手当は含まれるのですか。|日本年金機構

年収130万円の壁と通勤手当の関係

扶養内で働く従業員の「年収130万円の壁」(対象者が60歳以上または障害者の場合は180万円)でも、通勤手当の扱いは所得税と異なります。被扶養者認定の年間収入は所得税の課税所得とは別の基準で見るため、所得税で非課税の通勤手当も収入に算入されるのが一般的です。具体的な取り扱いは加入先の健康保険に確認してください。

出典・参考資料(4件)

交通費との違い・現物支給・定期代の残額精算

通勤手当と混同されやすい論点を整理します。言葉が似ている「交通費」との違いや、定期券を現物で渡す場合の扱いは、課税・非課税の判定にも関わります。

通勤手当と交通費・旅費交通費の違い

通勤手当は、従業員の自宅と勤務先との通勤にかかる費用を補助する給与の一種です。これに対し、取引先への移動や出張でかかる費用は「旅費交通費」で、業務に必要な実費を精算するものです。旅費交通費は業務上の実費弁償であるため、原則として給与にはあたらず課税されません。一方の通勤手当は給与の一部であり、非課税限度額を超えた部分が課税される、という違いがあります。

現物支給(定期券の現物支給)も限度額で判定する

通勤手当は現金で支給するとは限らず、会社が定期券そのものを購入して渡す「現物支給」の形もあります。現物支給の定期券も、経済的な利益として通勤手当と同様に非課税限度額の範囲で判定します。公共交通機関の定期券であれば、月額換算で150,000円の上限が同じように適用されます。社会保険料の計算でも、現物で支給される通勤定期券は報酬に含まれます。

定期代の残額は精算(返金)するのが通常

3か月や6か月の定期代をまとめて支給した後に、従業員が退職・異動・転居した場合は、未使用期間に相当する定期代の残額が生じます。この残額は、鉄道会社の払戻ルールに沿って精算し、会社へ返金するのが通常の運用です。精算を行わずに残額を支給したままにすると、実際の通勤に対応しない部分として課税の論点が生じるため、払戻額の計算と回収の仕組みを整えておくと安心です。

通勤手当の課税・非課税の判定を自動化するシステムで効率化する

ここまで見てきたように、通勤手当の課税・非課税の判定は、通勤手段・距離・支給日・改正時期が絡み合い、手作業では間違えやすい業務です。通勤経路や距離、定期区間を登録して非課税限度額の判定や定期代の計算を自動化できるシステムを使えば、限度額超過の見落としや二重支給を防ぎやすくなります。ここでは、通勤費の管理に特化した代表的なサービスを紹介します。

以下のサービスのうち、2025年11月施行の引き上げに対応を表明しているものはありますが、2026年4月改正(65km以上の新区分・駐車場代加算)への対応は、各社の公式情報では明記されていないものが多いのが現状です。導入を検討する際は、最新の税制改正への対応を各社に確認することをおすすめします。

通勤費管理システムの比較

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サービス名らくらく通勤費駅すぱあと 通勤費Web通勤費管理クラウド by NAVITIME
提供形態クラウド型クラウド型クラウド型
対応する通勤手段公共交通機関
マイカー・自転車
公共交通機関
マイカー
公共交通機関
マイカー・バイク・自転車
通勤経路・定期代の自動計算●●●
非課税限度額の判定・計算●戻入課税にも対応●社会保険用の月割データも算出△改正後の限度額を反映して計上(判定機能としての明記はなし)
運賃改定時の支給額更新●●●
月額費用6,000円〜
(対象人数により変動)
要問い合わせライトプラン:20,000円(税別・300名まで)
スタンダードプラン:要問い合わせ
初期費用要問い合わせ要問い合わせライトプラン:無料
スタンダードプラン:要問い合わせ
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

主な通勤費管理システムの特徴

1. らくらく通勤費(株式会社無限)

らくらく通勤費の公式サイト

株式会社無限が1991年から事業を続けるなかで提供する、クラウド型の通勤費管理システムです。電車・バスなどの公共交通機関に加え、マイカー・自転車通勤の申請・承認・計算・明細発行までを一括で扱えます。乗り換え案内サービスと連携して経路・運賃を算出し、定期代の継続更新や、退職・異動時の払戻計算を自動化する点を主な特徴としています。

課税・非課税の面では、「課税計算」機能として、非課税限度額の処理や戻入課税(いったん非課税で支給した通勤手当を、後から課税分として計算し直す処理)に対応していると公式に記載されています。鉄道・バスの運賃改定やガソリン単価の変動に伴う通勤費の変更も、対象従業員を一括抽出して処理できます。月額費用は6,000円からで、管理対象人数に応じて変動します(初期費用は要問い合わせ)。

2. 駅すぱあと 通勤費Web(株式会社ヴァル研究所)

駅すぱあと 通勤費Webの公式サイト

経路探索サービス「駅すぱあと」の探索エンジンを基盤にした、通勤手当(定期代)管理に特化したクラウドサービスです。通勤経路の申請・承認、定期代の自動計算、異動・転居に伴う払戻計算、運賃改定時の支給額更新までを1つのシステムで完結させることをコンセプトとしています。旅費精算は対象外で、通勤費・定期代の管理に用途を絞っているのが特徴です。

課税・非課税の判定に関わる機能としては、非課税限度額や社会保険用の月割データを自動計算し、手計算を不要にできると公式に案内されています。所得税の非課税限度額と社会保険料の両方に関わるデータを扱える点は、本記事で整理した「所得税と社会保険料で扱いが異なる」論点に直結します。無料トライアルの申し込みにも対応しています。

通勤費管理クラウド by NAVITIMEの公式サイト

ナビタイムジャパンが2023年に提供を開始した、経路探索エンジンを基盤とする通勤費管理のクラウドサービスです。鉄道・バスなどの公共交通機関に加え、マイカー・バイク・自転車まで複数の移動手段を横断して通勤費を一元管理できます。従業員の住所と勤務地を登録すると、システムが経路候補を分析して通勤経路・通勤費を自動算出する仕組みです。

非課税限度額については、2025年11月施行の引き上げ(自動車・自転車・バイク通勤者が対象、2025年4月以後の支払分に遡及適用)に対応したことを公式に発表しています。利用者側での設定変更やアップデートなしに、2026年1月分から改正後の非課税限度額を考慮した計上ができるとしています。

料金はライトプランが月額20,000円(税別・登録従業員数300名まで)で、スタンダードプランは従業員数に応じた変動制です。

通勤費の管理にとどまらず、交通費や経費の精算まで含めて仕組みを見直したい場合は、以下の記事で経費精算システムの選び方や主要サービスを比較しています。導入を検討される方はあわせてご覧ください。

まとめ

通勤手当は非課税限度額までは非課税ですが、超過分・片道2km未満のマイカー通勤・在宅勤務者への一律支給・不合理な経路分は課税の対象になります。マイカー・自転車の非課税限度額は、2025年4月適用分と2026年4月改正分で金額・区分が異なり、どちらを使うかは支給日で判断します。

限度額を超えた分は超過分のみを課税給与に加算し、遡及適用があった年は年末調整で精算します。所得税で非課税でも、社会保険料の計算では通勤手当の全額が報酬に含まれる点も見落とさないようにしましょう。判定を手作業で続けると誤りが起きやすいため、通勤経路や定期区間を登録して非課税限度額の判定を自動化できるシステムの活用も選択肢になります。

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通勤手当の課税・非課税に関するよくある質問(FAQ)

Q. 通勤手当とは何ですか?

A. 通勤手当とは、従業員が自宅と勤務先との間を通勤するためにかかる費用を補助する目的で、会社が支給する給与の一種です。対象となるのは、電車・バスなどの公共交通機関の運賃や、マイカー・自転車で通勤する人への距離に応じた手当などです。

給与の一部であるため本来は課税の対象ですが、一般の通勤者に通常必要と認められる部分は一定の限度額まで非課税とされ、限度額を超えた部分や実際の通勤に対応しない部分が課税されます。

出典・参考資料(1件)

Q. 通勤手当は必ず支給しなければならないのですか?

A. 通勤手当の支給は法律上の義務ではなく、支給の有無や金額は会社が就業規則などで自由に定められます。労働基準法などに通勤手当の支給を義務づける規定はありません。ただし、就業規則や労働契約で支給を定めた場合は、その内容に従って支給する義務が生じます。支給する際は、本記事で解説した通勤手段・距離別の非課税限度額を踏まえて金額や支給方法を設計すると、課税処理の手間を抑えられます。

Q. 通勤手当の課税額は、従業員自身でどうやって確認できますか?

A. 通勤手当のうち課税された部分は、毎月の給与明細の課税対象額と、年末に受け取る源泉徴収票の「支払金額」で確認できます。非課税となる通勤手当は源泉徴収票の「支払金額」に含まれませんが、限度額を超えて課税された部分は給与として「支払金額」に含まれます。

自分の通勤手当が課税されているか不安な場合は、給与明細で非課税分と課税分が分けて表示されているかを確認し、不明点は勤務先の給与担当者に照会するのが確実です。

Q. 新幹線通勤の特急料金やグリーン料金は非課税になりますか?

A. 新幹線の運賃・特急料金は、経済的かつ合理的な通勤経路と認められれば月15万円の枠内で非課税になりますが、グリーン料金は非課税の対象になりません。

新幹線通勤が在来線より明らかに合理的であれば、「最も経済的かつ合理的な経路・方法」として公共交通機関の非課税限度額(月15万円)の範囲で非課税です。一方、グリーン車の利用は通勤に通常必要な費用とはいえないため、グリーン料金分は非課税の枠外として課税対象になります。

出典・参考資料(1件)

Q. 月によって出社日数(通勤日数)が変わる場合、通勤手当の課税・非課税はどう判断しますか?

A. 通勤手当の非課税限度額は1か月単位で判定するため、出社日数が少ない月でも、その月に実際の通勤に必要だった費用が限度額内であれば非課税です。公共交通機関なら実際に通勤した日数分の運賃、マイカー・自転車なら片道距離の区分に応じた月額が基準になります。

在宅勤務などで出社日数が大きく減っている場合は、定期代の一律支給ではなく、出社日数に応じた日額(実費)で支給する運用に切り替えると、課税・非課税の判定がシンプルになります。

Q. 通勤方法を途中で変更した従業員の通勤手当の非課税限度額はどうなりますか?

A. 通勤方法を変更した場合は、変更後の通勤手段・距離に応じた非課税限度額を、変更後に支給する通勤手当から適用します。たとえば電車通勤からマイカー通勤に変わった場合、変更後は片道距離の区分に応じた限度額で判定します。変更前に支給済みの通勤手当をさかのぼって計算し直す必要は原則ありませんが、変更の届け出と支給額の見直しを確実に行い、実態と合わない旧経路の手当を支給し続けないことが大切です。

Q. パート・アルバイトなど非正規社員の通勤手当も、課税・非課税の扱いは同じですか?

A. 通勤手当の課税・非課税の判定は雇用形態を問わず共通で、非正規社員でも正社員と同じ非課税限度額の基準が適用されます。所得税法は、通勤手当の非課税の取り扱いについて正規・非正規の区別を設けていません。そもそも通勤手当を支給するかどうかは会社の規定によりますが、支給する場合は、パート・アルバイト・契約社員であっても通勤手段・距離に応じた同じ限度額で非課税部分を判定します。

Q. 勤務先が複数ある従業員の通勤手当の非課税限度額はどう計算しますか?

A. 複数の勤務先に通勤する場合は、それぞれの勤務先への通勤に通常必要な費用を合算して非課税限度額を判定します。公共交通機関を利用する場合は、合算した運賃等の額に対して月15万円の上限が適用されます。複数の事業所に通うケースなどは判定が複雑になりやすいため、各経路の合理性を確認したうえで合算額を算定し、判断に迷う場合は所轄の税務署に確認すると確実です。

出典・参考資料(1件)

Q. 通勤手当を多く支給していたこと(過払い)が後から発覚した場合、どう処理しますか?

A. 過払いが判明した場合は、本来非課税にできない部分を課税給与として扱い直し、源泉徴収や年末調整をさかのぼって訂正する必要があります。実際の通勤経路と異なる高い運賃で支給していた、限度額を超えた分を非課税のまま処理していた、といったケースでは、課税すべきだった金額を給与に加算して所得税を計算し直します。

過払い分を会社が従業員から回収する場合は、その精算処理もあわせて行います。金額や対象期間が大きい場合は、税理士や所轄税務署に相談するのが安全です。

Q. 通勤手当の課税・非課税の処理を間違えた場合はどう対応すればよいですか?

A. 処理の誤りに気づいたら、正しい課税・非課税の区分で計算し直し、源泉徴収額の過不足を精算して源泉徴収票を訂正します。課税すべき超過分を非課税として処理していた場合は不足分を追加徴収し、逆に非課税分まで課税していた場合は過大徴収分を本人に返金します。

年末調整の後に誤りが判明したときは、年末調整のやり直しや源泉徴収票の再発行が必要になることもあります。再発防止には、限度額表の更新漏れや超過分の見落としを防ぐチェック体制を整えることが有効です。

Q. 通勤手当の不正受給を防ぐために、企業はどんな対策をとればよいですか?

A. 実際の居住地・通勤経路と申請内容が一致しているかを定期的に確認し、証憑の提出と経路の見直しを仕組み化することが有効です。引っ越し後も旧住所の経路で受給し続ける、実際には使っていない高い経路で申請する、といった不正は、申請時の住民票や定期券の確認、定期的な通勤経路の再申請などで抑止できます。

通勤経路や定期区間を登録して距離・運賃や非課税限度額を自動で計算・判定できるシステムを使えば、申請内容の矛盾や限度額超過を見つけやすくなり、チェックの負担も軽くなります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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