海外の取引先への米ドル建て送金が銀行で止められた、あるいは取引銀行から「OFAC規制の確認」を求められて戸惑った経験はないでしょうか。OFAC規制は米国の経済制裁制度ですが、米ドル建ての取引を通じて、米国内に拠点を持たない日本企業や日本の銀行にも実質的な影響が及びます。
この記事では、OFAC規制とは何か、なぜ日本企業の取引にまで及ぶのか、どの国・どのリストが対象になり、違反するとどうなるのかを整理します。そのうえで、自社の取引で何を確認すればよいか、制裁リストの照合をどう実務に組み込むかまでを解説します。
目次
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OFAC規制とは
OFAC規制とは、米国財務省の外国資産管理局(OFAC:Office of Foreign Assets Control)が運用・執行する経済制裁・貿易制裁の総称です。米国の国家安全保障や外交政策上の脅威に対応するために、特定の国・地域や、個人・団体との取引を規制し、対象者の資産を凍結(ブロック)します。OFAC自身は、その役割を次のように説明しています。
The U.S. Department of the Treasury’s Office of Foreign Assets Control (OFAC) administers and enforces economic and trade sanctions against targeted foreign jurisdictions and regimes … in response to threats to the national security, foreign policy, or economy of the United States.
出典:FAQ: Basic Information on OFAC and Sanctions(No.1)|U.S. Department of the Treasury, OFAC
(日本語訳:米国財務省の外国資産管理局(OFAC)は、米国の国家安全保障・外交政策・経済への脅威に対応して、標的とする外国の国・地域や政権に対する経済・貿易制裁を運用・執行する。)
こうした制裁の多くは、米国の法律である国際緊急事態経済権限法(IEEPA:International Emergency Economic Powers Act)を根拠に発動されます。OFACは、制裁プログラムの大部分がIEEPAに基づいて定められていると明示しています。
IEEPAは、米国外に主な源を持つ「異常かつ重大な脅威」に対処するために、大統領が国家緊急事態を宣言した場合、財産の取得・保有・移転などを禁止・凍結する権限を大統領に与える法律です。
Any authority granted to the President by section 1702 of this title may be exercised to deal with any unusual and extraordinary threat, which has its source in whole or substantial part outside the United States, to the national security, foreign policy, or economy of the United States, if the President declares a national emergency with respect to such threat.
出典:50 U.S.C. §1701(a)(IEEPA)|U.S. Government Publishing Office(govinfo)
(日本語訳:§1702に基づき大統領に与えられる権限は、全部または相当部分が米国外に源を持つ、米国の国家安全保障・外交政策・経済に対する異常かつ重大な脅威に対処するために、大統領がその脅威について国家緊急事態を宣言した場合に行使できる。)
この枠組みのもとで、大統領は国家緊急事態を宣言し、個別の大統領令(Executive Order)で具体的な制裁プログラムを発動します。たとえばテロ関連の資産凍結を定めた大統領令13224号(E.O. 13224)や、大量破壊兵器の拡散者を対象とする大統領令13382号(E.O. 13382)があり、OFACはこれらに基づいて対象者を指定します。
このように、「IEEPA(法律)→ 大統領令 → OFACによる個別指定」という流れで制裁が具体化されていきます。
なぜ日本企業・日本国内の米ドル建て取引にも及ぶのか(域外適用の仕組み)
OFAC規制は米国の法律であり、本来の順守義務者は米国人(米国市民・永住者、米国法人とその海外支店など)です。それにもかかわらず日本企業や日本の銀行が影響を受けるのは、米ドル建ての決済が米国の金融システムを経由するためです。
この経路を図にすると、次のようになります。

米ドル建ての送金は、最終的に米国内のコルレス銀行(為替決済を取り次ぐ現地の銀行)を通じて決済されます。この過程で、米国の順守義務を負う銀行を経由せざるを得ないため、米国に拠点を持たない日本の銀行にも間接的な順守義務が生じます。独立行政法人である日本貿易振興機構(ジェトロ)も、この仕組みを公的なQ&Aで次のように説明しています。
米国に拠点を持たない日本の銀行は、直接的な同規制の順守義務はありません。しかし米ドル建ての送金の場合、資金決済などで上記の順守義務のある銀行を経由せざるを得ず…すなわち米国に拠点を持たない日本の銀行にも間接的な順守義務があるといえます。
出典:海外向けに米ドル建ての送金を行う際の制限|日本貿易振興機構(ジェトロ)
この仕組みは、実際の摘発事例にも表れています。オーストラリアの物流企業Toll Holdingsは、米国に拠点を持たない非米国企業でありながら、米ドル建ての支払いを米国の金融システムを通じて処理したことがOFAC規制違反とされ、2022年にOFACと和解しました。OFACの公表資料は、この事例を次のように位置づけています。
This case highlights that foreign companies who use the U.S. financial system to engage in commercial activity must take care to avoid transactions with OFAC-sanctioned countries and persons.
出典:Enforcement Release: OFAC Settles with Toll Holdings Limited(2022-04-25)|U.S. Department of the Treasury, OFAC
(日本語訳:この事例は、米国の金融システムを使って商取引を行う外国企業が、OFACの制裁対象国・対象者との取引を避けるよう注意しなければならないことを示している。)
このように、自社が米国と直接の取引をしていなくても、米ドル建てで送金・決済を行う限り、OFAC規制の対象になり得ます。これが「域外適用」と呼ばれる状態で、日本企業がOFAC規制を無視できない最大の理由です。
OFAC規制の対象(対象国・SDNリスト・50%ルール・一次/二次制裁)
OFAC規制の対象は、「どの国・地域か」と「どの個人・団体か」の2つの軸で捉えると整理しやすくなります。ここでは対象国・地域、制裁対象者のリスト(SDNリスト)、そのリストに直接載っていない関係先まで広げる50%ルール、そして米国人以外にも及ぶ二次制裁までを順に見ていきます。
制裁対象国・地域(2026年10月時点)
OFACは、国・地域を単位とする制裁プログラムを多数運用しています。
2026年10月時点でOFACが掲載している主な国・地域別プログラムには、キューバ、イラン、北朝鮮、ベネズエラ、ミャンマー(ビルマ)、リビア、スーダン、西バルカン、ベラルーシ、そしてロシア関連(「Russian Harmful Foreign Activities Sanctions」と「Ukraine-/Russia-related Sanctions」の2系統)などがあります。
制裁プログラムの顔ぶれは政策の変化に応じて頻繁に見直されます。
たとえば従来独立していたシリア向けプログラムは、2026年10月時点ではその名称ではなく「Promoting Accountability for Assad and Regional Stabilization Sanctions(PAARSS)」として掲載され、クリミア関連も独立プログラムではなくウクライナ・ロシア関連に含まれています。
対象国・地域を確認するときは、必ず最新のOFAC公式ページで現時点のプログラム構成を確かめることが重要です。
出典・参考資料(1件)
SDNリストとは・該当するとどうなるか
SDNリスト(Specially Designated Nationals and Blocked Persons List:特別指定国民・ブロック対象者リスト)は、OFACが公表する制裁対象者の一覧です。制裁対象国に所有・支配される個人や企業のほか、テロリストや麻薬密売人など、国・地域に属さない対象者も含まれます。OFACはSDNリストについて次のように説明しています。
Collectively, such individuals and companies are called “Specially Designated Nationals” or “SDNs.” Their assets are blocked and U.S. persons are generally prohibited from dealing with them.
出典:FAQ No.18: What is the SDN List?|U.S. Department of the Treasury, OFAC
(日本語訳:こうした個人・企業はまとめて「特別指定国民(SDN)」と呼ばれる。その資産は凍結され、米国人は原則としてSDNとの取引を禁じられる。)
SDNリストに掲載された対象者の資産は凍結され、米国人は原則としてその対象者との取引を禁じられます。そして、米ドル建ての取引を通じて日本企業の送金資金が凍結された場合、その資金はOFACの許可がない限り返還されません。ジェトロの公的Q&Aは、資金が凍結された場合の扱いを次のように説明しています。
「OFAC規制」により、送金資金が凍結された場合、当該資金は米国財務省外国資産管理局(OFAC)の許可がない限り返還されません(ただし所有権は元の所有者に帰属したままです)。
出典:海外向けに米ドル建ての送金を行う際の制限|日本貿易振興機構(ジェトロ)
OFACが公表する制裁リストは、SDNリストだけではありません。ロシアの特定の経済分野を対象とする「SSIリスト(Sectoral Sanctions Identifications List:分野別制裁対象者リスト)」もあり、SDNリストとは別に運用されています。
OFACはこのリストについて、掲載された対象者との取引を禁じる指令が示されたものだと説明しています。資産が全面的に凍結されるSDNリストとは異なり、禁止の対象は一定の取引類型に限られます。
SDNリストで名前が該当しなくても、別のリストで取引が制限される場合があります。制裁リストの照合をSDNリストだけで終わらせないことが、実務では重要です。
50%ルール(取引先が直接載っていなくても対象になる)
取引先の名前がSDNリストに直接載っていなくても、安心はできません。OFACの「50%ルール」により、制裁対象者(ブロック対象者)が合計で50%以上を保有する企業も、リストに明記されていなくてもブロック対象として扱われます。
entities are considered blocked if they are owned 50 percent or more (directly or indirectly) in the aggregate by one or more blocked persons
出典:FAQ No.402: Entities Owned by Blocked Persons(50 Percent Rule)|U.S. Department of the Treasury, OFAC
(日本語訳:1人または複数のブロック対象者が直接・間接に合計50%以上を保有する事業体は、ブロック対象とみなされる。)
ここでのポイントは2つあります。1つは「直接・間接を問わない」こと、もう1つは「複数の制裁対象者の保有割合を合算して判定する」ことです。たとえば制裁対象者XとYがそれぞれ25%ずつを保有する企業も、合算で50%に達するためブロック対象になります。
このルールは「所有(保有割合)」を基準とする点に注意が必要で、保有割合が50%未満でも実質的な支配があるケースは、OFACが別途個別に指定することがあります。取引先の背後にある資本関係まで確認しなければ、知らないうちに制裁対象と取引してしまうおそれがあります。こうした資本関係の確認は手作業では負担が大きく、制裁リスト照合ツールや専門の調査会社を活用するのが現実的です。
一次制裁と二次制裁
OFAC規制の及ぶ範囲は、「一次制裁」と「二次制裁」に分けて理解すると整理できます。一次制裁(primary sanctions)は、米国の管轄が直接及ぶ取引を対象とするもので、順守義務を負うのは米国人です。OFACは、順守義務者の範囲を「所在地を問わないすべての米国市民・永住者」「すべての米国法人とその海外支店」などと説明しています。
出典・参考資料(1件)
一方の二次制裁(secondary sanctions)は、米国との直接の接点がない非米国の企業・個人を対象とする措置です。制裁対象者と一定の取引を行った場合に、米国市場へのアクセス禁止やSDNリストへの指定といった不利益を科しうるものを指します。
OFACは「secondary sanctions」という用語を、主にイラン関連など特定の制裁プログラムの文脈で用いています。日本企業にとっては、米国と直接取引していなくても、制裁対象者との取引が二次制裁の引き金になり得る点が実務上の注意点です。特に、制裁対象国やSDNリストに載る相手と関わりのある取引先と取引する場合が、二次制裁を意識すべき典型的な場面です。
OFAC規制に違反するとどうなるか(罰則・和解金事例)
OFAC規制に違反した場合、IEEPAに基づく民事・刑事の制裁が科されます。条文上の民事制裁金の上限は「1違反あたり25万ドル、または違反の基礎となった取引額の2倍のいずれか大きい方」と定められています。
(1) $250,000; or (2) an amount that is twice the amount of the transaction that is the basis of the violation
出典:50 U.S.C. §1705(b)(IEEPA 罰則)|U.S. Government Publishing Office(govinfo)
(日本語訳:(1) 25万ドル、または (2) 違反の基礎となった取引額の2倍の金額。)
ただし、この民事制裁金の上限額は毎年インフレ調整されます。2025年1月15日に発効した連邦官報の最終規則により、現時点の上限は1違反あたり37万7,700ドル(または取引額の2倍の大きい方)に引き上げられています。刑事罰については、1違反あたり最大100万ドルの罰金、または最大20年の拘禁が定められています。
実際の執行事例として、前述のToll Holdingsのケースでは、2,958件の違反に対して613万1,855ドルを支払う和解に至っています。
Toll Holdings Limited (“Toll”), an international freight forwarding and logistics company headquartered in Melbourne, Australia, has agreed to pay $6,131,855 to settle its potential civil liability for 2,958 apparent violations of multiple OFAC sanctions programs.
出典:Enforcement Release: OFAC Settles with Toll Holdings Limited(2022-04-25)|U.S. Department of the Treasury, OFAC
(日本語訳:オーストラリア・メルボルンに本社を置く国際貨物輸送・物流企業のToll Holdings Limited(Toll)は、複数のOFAC制裁プログラムに対する2,958件の違反の疑いについて、民事責任を解決するため613万1,855ドルを支払うことに同意した。)
制裁金の額だけでなく、米国の金融システムへのアクセスが制限されれば、米ドル建ての決済そのものが滞り、事業への影響は制裁金を上回ることもあります。OFAC規制への対応は、罰則回避にとどまらず、事業継続のためのリスク管理という側面を持ちます。
日本の外為法との関係(OFACとは別系統の確認が要る)
OFAC規制は米国の制度ですが、日本にも独自の経済制裁の枠組みがあります。日本の制裁措置は、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づいて実施され、所管は財務大臣などの主務大臣です。外為法は、国際約束の履行や国際平和への寄与のため必要があるときに、支払いなどに許可を受ける義務を課すことができると定めています。
主務大臣は、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めるとき、又は第十条第一項の閣議決定が行われたときは、支払等が…許可を受ける義務を課することができる。
出典:外国為替及び外国貿易法 第十六条第一項|e-Gov法令検索
重要なのは、米国のOFAC規制と日本の外為法は、法源も所管も異なる別系統の制度だという点です。ジェトロも「日本政府も外為法に基づき、米ドルに限らず、国連安保理決議などに従って制裁措置を実施しています」と説明しています。したがって、海外取引先との取引にあたっては、OFAC規制(米国)と外為法(日本)の両方で、相手が制裁対象に該当しないかを確認する必要があります。
出典・参考資料(1件)
自社の取引で何を確認すべきか(制裁リスト照合・スクリーニング)
ここまで見てきたとおり、OFAC規制への対応で実務上欠かせないのは、取引先やその実質的な保有者が制裁対象に該当しないかを照合(スクリーニング)することです。まず押さえておきたいのが、OFACが無料で公開している制裁リスト検索ツール「Sanctions List Search」です。SDNリストをはじめ、OFACが運用するすべての制裁リストを横断して検索できます。
取引銀行からOFAC確認を求められた場合も含め、自社で確認するときの基本的な流れは次のとおりです。
- 取引先の企業名・代表者名・実質的な保有者を、英語表記も含めてSanctions List Searchに入力して検索します。
- 表記ゆれや別名(旧社名・ローマ字表記の違いなど)でもヒットしないか、複数の表記で試します。
- ヒットした場合は取引をいったん保留し、該当の可能性や50%ルールの適用を社内の法務・コンプライアンス部門や専門家に確認します。
- 検索した日時・対象・結果を記録に残し、継続的な取引先は定期的に再照合します。
ただし、OFAC自身も、この検索ツールは利用者を支援するための手段の一つにすぎず、取引先調査(デューデリジェンス)そのものの代替にはならないとしています。
無料ツールでの都度検索は、取引件数が増えると照合漏れや名前の表記ゆれの見落としが起きやすく、日本の外為法に基づく制裁リストや、各国の制裁リスト・PEPs(重要な公的地位にある人物)まで広げると、手作業での対応には限界があります。
そこで、国内外の制裁リストやネガティブ情報をまとめて照合できる反社チェック・コンプライアンスチェックツールを使って、スクリーニングを仕組みとして運用する方法が実務では一般的になっています。
こうした手作業中心の確認が抱えやすい課題について、KYCコンサルティング株式会社は、MCB FinTechカタログの独自インタビューで次のように述べています。

一般企業では情報収集に時間がかかるうえ、担当者によって調べ方や結果にばらつきが出てしまい、十分にチェックできているとは言い切れない状況もありました。
国内外の制裁リストやPEPsを1画面でまとめて照合できるツールを使えば、手作業での照合漏れや名前の表記ゆれの見落としを抑えられます。対応している制裁リストの範囲や料金は、各社の資料で比較できます。
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以下は、国際的な制裁リスト(米財務省OFAC・各国の制裁リスト・PEPsなど)の照合に対応した主なツールの比較です。
| サービス名 | RiskAnalyze(リスクアナライズ) | RISK EYES(リスクアイズ) | RoboRoboコンプライアンスチェック | DQ反社チェック | SP RISK SEARCH | 日経リスク&コンプライアンス | Riskdog |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 海外制裁リスト照合(OFAC等) | ● | ● | ●個別の制裁リスト名は公式非公開(World-Check 収録) | ● | ● | ● | △提供状況は申込時に要確認 |
| PEPs照合 | ● | △WATCH LISTは対応(PEPs単独の明示は要確認) | ● | ● | ● | ● | △提供状況は申込時に要確認 |
| 主なデータソース・提携(海外) | 海外240以上の国・地域 PEPs・制裁対応の海外メディアを常時更新 (個別の制裁リスト名は非公開) | 米・日の政府制裁リスト ダウ・ジョーンズWATCH LIST (2026年7月追加) | LSEG「World-Check」 約190ヵ国・制裁リスト/PEPs | StartKYC(海外調査メニュー・従量) 240以上の国・地域 制裁リスト・PEP情報100万件超 | info4c AG 240以上の国・地域 制裁リスト40以上・PEPs140万人以上 | ダウ・ジョーンズ グローバルウォッチリスト OFAC・EU・国連・英国財務省ほか (400万件超) | 自社データ基盤 OFAC・BIS・国連等を網羅と公式明記 (海外情報・PEPsは順次拡充) |
| 検索方式 | 単件検索・CSV一括検索 API連携(無料) | 個別検索・一括検索(Excel) API連携 | 一括登録(Excel)・1クリック検索 API/RPA連携 | セルフ検索(都度)・一括検索 海外は調査代行(従量) | 個別検索・一括検索(最大2万件) API連携 | 一括検索・差分検索 API・データフィード | 企業名・法人番号でAI自動収集 継続モニタリング・API(要問合せ) |
| 料金(目安) | 初期費用無料 月額27,500円〜(年間600検索) | 初期費用無料 月額最低15,000円(税別)+300円/検索 | 初期費用無料 従量250円〜/件(ネット検索) | 初期費用無料 ツール型 月額10,000円〜/海外調査 4,500円〜/件 | 要問い合わせ (会員制・個別見積もり) | 要問い合わせ (ID利用料+従量・年契約) | 要問い合わせ (公式に金額非公開) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。対応リストの範囲や料金は変動するため、最新情報は各社の資料でご確認ください。
RiskAnalyze(リスクアナライズ)(KYCコンサルティング株式会社)

KYCコンサルティング株式会社が提供する、リスク情報に特化した独自データベースを活用するコンプライアンスチェックサービスです。国内1,000媒体以上の新聞・テレビの情報に加え、海外240の国と地域のネガティブ情報を集約し、AIが記事を読解してリスクを区分判定します。
国外情報については、AML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)の観点から、PEPsや制裁(Sanction)に対応したメディア情報を常時更新していると公式に案内されています。外国企業・外国籍者は、海外情報検索メニューで1件単位の検索に対応します。1件あたり約0.4秒での結果表示や、一括検索・API連携による業務効率化も特徴です。
RISK EYES(リスクアイズ)(ソーシャルワイヤー株式会社)

WEBニュース・新聞記事などの公知情報を使って、取引先・従業員のスクリーニングを行う反社チェック専用ツールです。検索対象は、WEB記事・新聞記事・ブログ・独自データベースに加え、制裁リストや行政処分情報など複数系統を1画面で同時検索できます。
制裁リストは、米財務省・日本財務省・金融庁・経済産業省の制裁リストに対応し、2026年7月には海外制裁リストの網羅範囲を広げるダウ・ジョーンズ社のWATCH LIST検索が追加されました。海外取引先の確認まで含めて反社チェックのワークフローを自動化したい企業に向いています。
RoboRoboコンプライアンスチェック(オープン株式会社)

取引先や採用候補者のコンプライアンス状況を自動でチェックするクラウド型の反社・コンプライアンスチェックサービスです。インターネット記事検索・新聞記事データベース検索・海外情報データベース検索を組み合わせ、生成AIによる記事要約や注目度の自動判別を備えます。
海外情報については、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)の「World-Check」データベースと連携し、海外制裁・PEPsデータベースを照合できると公式に案内されています。Excelのドラッグ&ドロップで取引先を一括登録し、1クリックでまとめて検索できる手軽さも特徴です。
DQ反社チェック(株式会社ディークエストホールディングス)

Webセルフチェックツールと専門調査員による調査代行を組み合わせた、ハイブリッド型の反社・コンプライアンスチェックサービスです。1件単位の即時チェックから、取引先の一斉スクリーニング、海外調査までを対象とします。
海外の確認は海外調査メニュー「riskey Global」で提供され、EU発のスクリーニングシステムStartKYCを通じて、240以上の国・地域を対象に制裁リストやPEP情報、国際指名手配などのウォッチリストを照合できると案内されています。国内の反社チェックと海外のKYCを一つの窓口で進めたい企業に向いています。
SP RISK SEARCH(株式会社エス・ピー・ネットワーク)

企業危機管理の専門会社である株式会社エス・ピー・ネットワークが提供する、反社会的勢力チェック・コンプライアンスチェックの統合プラットフォームです。独自データベース・新聞記事検索・インターネット風評検索に加え、海外コンプライアンスチェックの結果を横断取得し、統一フォーマットのレポートとして出力できます。
海外コンプライアンスチェックは、海外情報の専門会社info4c AGのデータを収録しています。240以上の国・地域を対象に、PEPs140万人以上、主要な金融制裁リスト40以上、各国発行のウォッチリスト1,450以上を照合できると公式に案内されています。危機管理コンサルティングのノウハウを背景にした体制構築支援まで受けたい企業に向いています。
日経リスク&コンプライアンス(株式会社日本経済新聞社)

取引先のコンプライアンスリスク・レピュテーションリスクを特定・監視する、株式会社日本経済新聞社のスクリーニングソリューションです。1975年以降蓄積された国内記事データと、Web上の風評情報、行政処分情報、海外のウォッチリストを組み合わせて横断照合します。
海外情報については、ダウ・ジョーンズが提供するグローバルウォッチリストを照合し、OFAC・EU・国連・英国財務省ほか各国の制裁対象や、PEPs(重要な公的地位にある人物)まで確認できると公式に案内されています。反社チェックに加え、マネーロンダリング対策や経済安全保障対応などの用途でも利用されています。
Riskdog(Baseconnect株式会社)

AIを活用して企業や個人のリスク情報を収集・解析する、Baseconnect株式会社の反社・コンプライアンスチェックサービスです。取引先企業だけでなく、役員・親会社・子会社まで自動で追跡し、企業レポートとして出力します。
制裁リストについては、OFACやBIS(米商務省産業安全保障局)、日本の各省庁、国連などが公表する制裁リスト・輸出規制リストをデータベース化していると公式に案内されています。ただし、PEPsや海外のネガティブ情報を含む対応は順次拡充の段階にあるため、OFACなど個別リストの現在の照合可否や提供範囲は申し込み時に確認することをおすすめします。
ここで取り上げたのは、制裁リスト照合に対応したツールの一部です。反社チェック・コンプライアンスチェックツールを、料金やデータソース、検索精度といった観点から広く比較して自社に合うものを選びたい場合は、以下の記事で主要サービスの選び方を詳しく解説しています。
反社チェックツールおすすめ16選を比較|料金・データソース・精度で失敗しない選び方
取引先や株主、採用候補の反社チェックを、担当者が新聞記事やインターネットを手作業で検索して進めていませんか。1件ずつ調べる方法は時間がかかるうえ、調べ漏れ(見落とし)と、同姓同名による誤判定(過検知)の両方が起きやすく、調査の質が担当者の経…
海外の制裁リストを実際にどの順序で照合し、ヒットした場合にどう判断すればよいかという実務手順をさらに詳しく知りたい場合は、以下の記事で照合の流れを解説しています。
まとめ
OFAC規制は米国の経済制裁制度ですが、米ドル建ての決済が米国の金融システムを経由するため、米国と直接取引していない日本企業にも域外適用として影響が及びます。
対象は国・地域とSDNリストの両面にわたり、50%ルールによって、取引先が直接リストに載っていなくても、その保有者をたどると制裁対象に行き着くケースがあります。違反すれば高額の制裁金や米国市場からの排除につながり、事業への影響は小さくありません。
実務では、OFAC規制(米国)と外為法(日本)の両面で、取引先やその保有者が制裁対象でないかを確認することが欠かせません。
OFAC公式のSanctions List Searchでの都度確認に加え、国内外の制裁リストやPEPsをまとめて照合できる反社・コンプライアンスチェックツールを活用すれば、照合漏れを抑えながら確認を仕組みとして運用できます。自社の取引実態に合ったツールの資料を取り寄せ、対応リストの範囲や料金を比較して選ぶとよいでしょう。
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OFAC規制に関するよくある質問(FAQ)
Q. OFAC規制とは何ですか?
A. OFAC規制とは、米国財務省の外国資産管理局(OFAC)が運用・執行する経済制裁・貿易制裁の総称です。米国の国家安全保障や外交政策上の脅威に対応するため、特定の国・地域や、個人・団体との取引を規制し、対象者の資産を凍結します。制裁の多くは国際緊急事態経済権限法(IEEPA)を根拠に、大統領令を通じて具体化されます。
Q. 国内取引だけならOFAC規制は関係ありませんか?
A. OFAC規制は、円建てで国内完結する取引なら米国OFACの直接の対象にはなりにくいものの、米ドル建ての決済が入ると日本国内の取引でも対象になり得ます。米ドル建て送金は米国内のコルレス銀行を経由して決済されるため、米国の順守義務を負う金融機関を通らざるを得ないからです。また、国内取引であっても、相手が日本の外為法に基づく制裁対象に該当しないかは別途確認が必要です。
出典・参考資料(1件)
Q. 米ドル建て以外の取引なら、OFAC規制の対象外ですか?
A. OFAC規制は、米ドル建て以外の取引であっても、対象外とは言い切れません。米ドル建て決済は米国の金融システムを経由するため代表的な接点ですが、制裁対象者との取引そのものは、通貨にかかわらず二次制裁(非米国企業への米国市場アクセス禁止やSDN指定)の引き金になり得ます。加えて日本では、米ドルに限らず外為法に基づき、相手が制裁対象でないかを確認する必要があります。
出典・参考資料(1件)
Q. 取引先がSDNリストに直接載っていなければ、取引しても安全ですか?
A. 取引先がSDNリストに直接載っていなくても、制裁対象者が合計で50%以上を保有する企業は、リストに明記されていなくてもブロック対象として扱われます(50%ルール)。保有は直接・間接を問わず、複数の制裁対象者の保有割合を合算して判定されるため、取引先の資本関係(実質的な保有者)までさかのぼって確認する必要があります。
Q. OFAC規制で凍結された送金資金は戻ってきますか?
A. OFAC規制で凍結された送金資金は、OFACの許可がない限り返還されません(ただし資金の所有権は元の所有者に帰属したままです)。凍結を解除するにはOFACへの申請が必要で、それまでは資金が手元に戻らないまま滞留するリスクがあります。
出典・参考資料(1件)
Q. OFAC規制と日本の外為法は何が違いますか?
A. OFAC規制と日本の外為法は、法源も所管も異なる別系統の制度です。OFAC規制は米国の法律(IEEPAなど)に基づき米財務省OFACが執行する制裁で、外為法(外国為替及び外国貿易法)は日本の法律で財務大臣などの主務大臣が所管します。海外取引先との取引では、OFAC規制(米国)と外為法(日本)の両方で、相手が制裁対象に該当しないかを確認する必要があります。
出典・参考資料(1件)
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















