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労働保険料の勘定科目は法定福利費|納付・給与・精算の仕訳を法人・個人事業主別に解説

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労働保険料を納付したものの、使う勘定科目や仕訳の仕方が分からず、会計ソフトの入力画面で手が止まっていませんか。労災保険と雇用保険をまとめて納める労働保険料は、会社が負担する部分と、雇用保険で従業員から天引きした部分が混ざるため、「どの科目で、借方・貸方にいくらと書くか」で迷いやすい費用です。

結論から言うと、労働保険料の勘定科目は原則として「法定福利費」です。ただし従業員負担分の扱いや、概算で納めて確定で精算するという労働保険特有の仕組みによって、仕訳は数通りに分かれます。法人か個人事業主か、会社負担分か従業員負担分かによっても処理が変わります。

本記事では、労働保険料の勘定科目と仕訳を、概算納付・給与支払・確定精算の場面別に、借方・貸方・金額を入れた具体例で解説します。会社負担分と従業員負担分の分け方(立替金・預り金の使い分け)、3つの仕訳方法と自社に合う選び方、法人と個人事業主の違い、年度更新や決算をまたぐ場合の調整まで、自社の状況に合わせて帳簿に写せる形でまとめました。

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労働保険料の勘定科目は「法定福利費」

労働保険料を支払ったときの勘定科目は、原則として「法定福利費」で処理します。法定福利費は、法律で事業主に負担が義務づけられている社会保険料・労働保険料をまとめる費用科目で、会社が負担する労災保険料・雇用保険料はここに計上します。従業員から天引きした雇用保険料の本人負担分は、法定福利費とは分けて処理する点だけ注意が必要です(分け方は後述します)。

租税公課・福利厚生費ではない理由

労働保険料は「租税公課」や「福利厚生費」で処理しないよう注意が必要です。租税公課は税金や公的な賦課金を処理する科目で、保険料である労働保険料は本来の対象ではありません。ただし、納付が遅れたときの延滞金は性質が異なり、租税公課で処理するのが一般的です(詳しくは後述します)。

福利厚生費は、慶弔見舞金や健康診断費用など、法律上の義務ではない任意の福利厚生を処理する科目です。労働保険料は法律で義務づけられた負担のため、任意の福利厚生とは区別して法定福利費に計上します。

労災保険・雇用保険と負担割合

労働保険は、労災保険と雇用保険の総称です。勘定科目や仕訳を正しく組むには、それぞれ誰が保険料を負担するかを押さえておく必要があります。

  • 労災保険:業務上・通勤途上の災害に備える保険。保険料は全額を事業主が負担します。
  • 雇用保険:失業給付や育児休業給付などに備える保険。保険料は事業主と労働者(被保険者)の双方が負担します。

労働保険料のうち労災保険料は全額が会社負担、雇用保険料は会社負担分と従業員負担分に分かれます。この従業員負担分は、会社が給与から天引きして預かり、労働保険料とあわせて国に納めます。会社負担分を法定福利費に計上し、従業員負担分を別の科目で処理するのが仕訳の基本です。

出典・参考資料(1件)

会社負担分・従業員負担分で使う勘定科目一覧

労働保険料の仕訳で登場する主な勘定科目は次のとおりです。どの方法で仕訳するかによって使う科目が変わります。

勘定科目性質使う場面
法定福利費費用会社が負担する労災保険料・雇用保険料
立替金資産従業員負担分を会社が先に立て替えて納付したとき
預り金負債給与から従業員負担分を先に預かったとき
前払費用資産概算で前払いした会社負担分を月々の費用に振り替える方法で使用
未払金負債確定保険料の不足額を決算で見越し計上するとき
未収入金資産確定精算で超過分の還付を受けるとき
事業主貸純資産(事業主の元入れ調整)個人事業主本人の特別加入分を処理するとき

【場面別】労働保険料の仕訳例(借方・貸方・金額入り)

ここからは、実際の帳簿にそのまま写せるよう、場面別の仕訳例を借方・貸方・金額入りで示します。まずは中小企業で最もよく使われる、会社負担分・従業員負担分をまとめて法定福利費で処理する簡便的な方法で解説します。立替金を使う方法や前払費用で標準化する方法は、後の「3つの仕訳方法」で扱います。

例として、年度当初に概算保険料150,000円(会社負担分120,000円、雇用保険の従業員負担分30,000円)を現金預金から納付し、その後の給与支払時に従業員から雇用保険料2,500円を天引きするケースで示します。

概算保険料を納付したときの仕訳

簡便的な方法では、納付額の全額を法定福利費として計上します。従業員負担分を含めて費用にしておき、後で給与から天引きした分を法定福利費の減少として戻すことで帳尻を合わせます。

借方金額貸方金額
法定福利費150,000円現金預金150,000円

給与支払時(雇用保険料の天引き)の仕訳

給与を支払うときに、従業員が負担する雇用保険料2,500円を天引きします。簡便的な方法では、この天引き分を法定福利費の減少(貸方)として処理し、納付時に費用計上しすぎた分を戻します。

借方金額貸方金額
給料手当300,000円現金預金297,500円
法定福利費2,500円

この方法は仕訳がシンプルで分かりやすい一方、天引き分を戻すまでの間は法定福利費が実際より多く計上される点に注意が必要です。従業員負担分を最初から分けて管理したい場合は、後述する立替金を使う方法が適しています。

確定保険料を精算したときの仕訳(不足・超過)

労働保険料は、年度初めに概算で納付し、年度終了後に確定した賃金総額をもとに精算します。概算額が確定額に足りなければ不足分を追加で納付し、多すぎれば超過分の還付を受けるか翌年度の概算保険料に充当します。

たとえば確定精算で会社負担分の不足額20,000円が生じ、追加で納付した場合の仕訳は次のとおりです(以下の金額は仕組みを示すための例です)。

借方金額貸方金額
法定福利費20,000円現金預金20,000円

反対に概算額が確定額を上回り、会社負担分の超過額10,000円の還付を受ける場合は、還付額を未収入金で計上します。簡便法で概算納付時に全額を法定福利費としていたときは、超過分だけ法定福利費を取り消す形になります。

借方金額貸方金額
未収入金10,000円法定福利費10,000円

超過額のうち会社が負担した概算保険料に係る部分は、確定保険料の申告書を提出した日の属する事業年度の益金になります。超過分を翌年度の概算保険料に充当する場合は、その時点では仕訳を起こさず、翌年度の納付額が充当分だけ少なくなる形で処理すると手間がかかりません。

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会社負担分と従業員負担分の分け方(立替金・預り金の使い分け)

労働保険料の仕訳でつまずきやすいのが、会社負担分と、雇用保険で従業員から預かる本人負担分の分け方です。従業員負担分は「立替金」と「預り金」のどちらでも処理できますが、お金が動く順序で使い分けると迷いません。国税庁の法人税基本通達でも、被保険者が負担すべき部分は立替金等として扱う旨が示されています。

従業員負担分の勘定科目を立替金と預り金のどちらにするかを、お金が動く順序で示した図。会社が概算保険料を先に全額納付し後で給与天引きで回収する場合は資産の立替金、給与から先に天引きして預かり後でまとめて納付する場合は負債の預り金を使う。

概算保険料の額のうち、被保険者が負担すべき部分の金額は立替金等とし、その他の部分の金額は当該概算保険料に係る同法第15条第1項に規定する申告書を提出した日(中略)又はこれを納付した日の属する事業年度の損金の額に算入する。

出典:法人税基本通達9-3-3(労働保険料の損金算入の時期等)|国税庁

先に全額納付して後で給与から控除する場合は「立替金」

会社が概算保険料を先に全額納付し、後から給与天引きで従業員負担分を回収する流れでは「立替金」を使います。納付時に、会社負担分を法定福利費、従業員負担分(見込み)を立替金として計上します。

借方金額貸方金額
法定福利費120,000円現金預金150,000円
立替金30,000円

その後の給与支払時に、従業員から雇用保険料2,500円を天引きして立替金を回収します。立替金に計上した30,000円は年間の従業員負担の見込み額で、毎月2,500円の天引きを12か月続けると回収が終わり、立替金の残高が消えます。

借方金額貸方金額
給料手当300,000円現金預金297,500円
立替金2,500円

給与から先に天引きして後で納付する場合は「預り金」

先に給与から雇用保険料を天引きし、後でまとめて納付する流れでは「預り金」を使います。給与支払時に、従業員から預かった雇用保険料を預り金として計上します。

借方金額貸方金額
給料手当300,000円現金預金297,500円
預り金2,500円

その後、まとめて納付するときに、会社負担分を法定福利費、預かった従業員負担分を預り金の取り崩しとして計上します。

借方金額貸方金額
法定福利費120,000円現金預金150,000円
預り金30,000円

立替金は「会社が先に払って従業員から後で回収する資産」、預り金は「従業員から先に預かって後で納める負債」と整理すると、どちらを使うか判断しやすくなります。労働保険料は年度当初に概算を前払いするケースが多く、その場合は会社が従業員負担分を先に立て替える形になるため立替金が自然です。預り金が合うのは、先に給与から雇用保険料を天引きして預かり、後からまとめて納付するケースです。

3つの仕訳方法と自社に合う選び方

労働保険料の仕訳には、大きく3つの方法があります。どれを使っても最終的な費用は同じですが、処理の手間や月々の損益の正確さが変わります。自社の規模や経理体制に合わせて選びます。この3つは会社負担分をいつ費用に計上するかの違いで、従業員負担分を立替金と預り金のどちらで扱うか(前述のお金の動く順序による使い分け)とは別の軸になります。

簡便法(中小企業で一般的)

納付額を全額まとめて法定福利費に計上し、給与天引き時に従業員負担分を法定福利費の減少として戻す方法です。前述の「場面別の仕訳例」で示したとおり、仕訳が少なく分かりやすいため、従業員数の少ない中小企業で広く使われています。厳密には納付時点で従業員負担分まで費用計上してしまう点に注意が必要ですが、天引きで戻すため年間を通せば費用は正しくなります。

立替金を使う方法(国税庁の通達に沿った方法)

納付時に会社負担分を法定福利費、従業員負担分を立替金として最初から分けて計上する方法です。前述の「立替金・預り金の使い分け」で示した仕訳がこれにあたります。法人税基本通達9-3-3が「被保険者が負担すべき部分の金額は立替金等とし」としている考え方に沿っており、会社負担分だけが費用として計上されるため、損益が正確になります。

前払費用で費用を毎月標準化する方法

概算で前払いした会社負担分を、いったん前払費用に計上し、毎月12分の1ずつ法定福利費へ振り替える方法です。納付した月だけ費用が大きくなるのを避け、毎月の損益に平準化して反映できます。月次決算で正確な損益を把握したい企業や、従業員数が多く金額の大きい企業に向いています。

例えば概算保険料150,000円を納付するとき、会社負担分120,000円を前払費用、従業員負担分30,000円を立替金として計上します。納付時の仕訳は次のとおりです。

借方金額貸方金額
前払費用120,000円現金預金150,000円
立替金30,000円

その後、毎月12分の1(10,000円)ずつ前払費用を法定福利費に振り替えます。毎月の振替仕訳は次のとおりです。従業員負担分の立替金は、給与天引きのつど回収します。

借方金額貸方金額
法定福利費10,000円前払費用10,000円

自社はどの方法を選ぶべきか

どの方法を採るかは、経理にかけられる手間と、求める損益の正確さのバランスで決めます。選ぶときの目安は次のとおりです。

  • 従業員数が少なく、仕訳の手間を抑えたい場合は簡便法が向いています。
  • 会社負担分と従業員負担分を正確に分けて管理し、損益をゆがめたくない場合は立替金を使う方法が適しています。
  • 月次決算で毎月の損益を正確に把握したい、金額が大きい場合は前払費用で標準化する方法が有効です。

法人と個人事業主で異なる処理

労働保険料の処理は、法人か個人事業主かによって一部が変わります。特に個人事業主は、従業員分と事業主本人分で扱いが分かれる点に注意が必要です。

法人の場合(会社負担分は法定福利費)

法人では、会社が負担する労災保険料・雇用保険料を法定福利費として計上し、全額を損金に算入できます。従業員から預かる雇用保険料の本人負担分は、立替金または預り金で処理します。

個人事業主の場合(従業員分は法定福利費)

従業員を雇っている個人事業主も、従業員のために負担する労災保険料・雇用保険料は法定福利費として必要経費に計上できます。従業員負担分の雇用保険料を立替金や預り金で処理する点も法人と同じです。

個人事業主本人・一人親方の特別加入分は「事業主貸」

個人事業主本人が労災保険に特別加入している場合、その保険料は事業の必要経費にはできません。事業主個人のための支出にあたるため「事業主貸」で処理します。従業員を雇わない一人親方の特別加入保険料も同様です。

ただし、本人が負担した特別加入の労災保険料は、確定申告で社会保険料控除として所得から差し引けます。国税庁のタックスアンサーでも、社会保険料控除の対象として「労働者災害補償保険の特別加入者の規定により負担する保険料」が挙げられています。

必要経費にはできませんが、所得控除で税負担を抑えられる仕組みです。従業員が給与天引きで負担した雇用保険料の本人負担分も、その従業員自身の社会保険料控除の対象になります。

出典・参考資料(1件)

年度更新と納付の流れ(期限・分割納付)

労働保険料の仕訳は、年度更新という手続きのサイクルと結びついています。手続きの流れと期限を押さえておくと、どのタイミングでどの仕訳を起こすかが分かります。

年度更新とは(申告・納付の期限)

労働保険の保険年度は毎年4月1日から翌年3月31日までです。年度の初めに、その年度の賃金総額の見込みをもとに概算保険料を前払いし、年度終了後に実際の賃金総額で確定保険料を計算して差額を精算します。この手続きを年度更新と呼び、毎年6月1日から7月10日までの間に行います。概算保険料の申告・納付と、前年度分の確定精算を同じ期間にあわせて行うのが基本です。

分割納付(延納)の条件

概算保険料が一定額以上になる場合などは、労働保険料を分割して納付できます。条件は厚生労働省の労働局が次のように案内しています。

概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合または労働保険事務組合に労働保険事務を委託している場合は、労働保険料を延納(分割納付)することができます。

出典:労働保険料の申告・納付|厚生労働省 兵庫労働局

分割する場合の各期の納期限は、事業の成立時期や年度によって変わります。具体的な納期限は、年度更新の時期に労働局から案内される最新の情報を確認してください。

出典・参考資料(2件)

税務上の損金算入と決算をまたぐ場合の調整

労働保険料をいつの費用(損金)にできるかは、法人税基本通達9-3-3で定められています。概算と確定、不足と超過で扱いが分かれるため、決算が保険年度をまたぐときは特に注意が必要です。

損金算入・益金算入のタイミング

概算保険料のうち会社負担分は、申告書を提出した日または納付した日の属する事業年度の損金になります。確定精算で不足額が出た場合の会社負担分も、申告書を提出した日または納付した日の属する事業年度の損金です。反対に、概算額が確定額を上回って超過額が出た場合、会社が負担した概算保険料に係る部分は、申告書を提出した日の属する事業年度の益金になります。

会計年度と保険年度のズレ:決算での未払金計上

会社の会計年度と労働保険の保険年度(4月〜翌3月)がずれている場合、決算日時点でまだ確定申告をしていない保険年度の不足額が生じることがあります。この点について通達は、次のように未払金への計上を認めています。

当該事業年度終了の日以前に終了した同法第2条第4項《定義》に規定する保険年度に係る確定保険料について生じた不足額のうち当該法人が負担すべき部分の金額については、当該申告書の提出前であっても、これを未払金に計上することができるものとする。

出典:法人税基本通達9-3-3(労働保険料の損金算入の時期等)|国税庁

決算日以前に終了した保険年度分の確定不足額のうち会社負担分は、年度更新の申告前であっても未払金として計上し、その事業年度の損金にできます。決算をまたぐ場合は、この見越し計上で費用のタイミングを合わせます。

出典・参考資料(1件)

仕訳で間違えやすいポイント(消費税の課税区分ほか)

最後に、会計ソフトの設定ミスや税務調査での指摘につながりやすいポイントを整理します。

消費税の課税区分(会計ソフト設定の注意)

労働保険料には消費税がかかりません。消費税法上、保険料を対価とする役務の提供は非課税とされているためです。会計ソフトで仕訳を入力するときは、課税仕入れ(10%)として登録しないよう注意が必要です。

ソフトによっては法定福利費の既定の税区分が「対象外(不課税)」になっている場合もありますが、いずれにしても消費税の計算に含めない点は変わりません。課税仕入れとして登録してしまうと、消費税の納税額を誤って計算する原因になります。

出典・参考資料(1件)

延滞金・附帯税の勘定科目

労働保険料の納付が遅れると延滞金がかかることがあります。延滞金は保険料そのものではないため法定福利費ではなく、租税公課で処理するのが一般的です。保険料本体(法定福利費)と延滞金(租税公課)は科目を分けて計上します。

間違った勘定科目で処理したときの修正

誤った勘定科目で処理していたことに後から気づいた場合、対応は決算・申告の状況によって変わります。確定申告前で帳簿上の誤りにとどまる場合は、誤った仕訳を取り消して正しい仕訳を入力し直せば済みます。確定申告後に税額への影響がある場合は、納める税額が増えるなら修正申告、減るなら更正の請求で是正します。更正の請求には期限があるため、気づいたら早めに手続きを進めます。

労働保険料の仕訳・会計処理を自動化するクラウド会計ソフト

労働保険料の仕訳は、場面や方法によって科目が変わり、毎年の年度更新のたびに概算・確定の精算も発生します。給与計算と会計がつながるクラウド会計ソフトを使えば、雇用保険料の天引きや法定福利費の仕訳を自動化し、記帳から決算・申告までの負担を減らせます。ここでは、労働保険料の記帳をはじめとする会計業務を任せられる主なサービスを紹介します。

以下は、ご紹介するクラウド会計ソフトの比較表です。

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サービス名Tenbook弥生会計 Nextfreee会計マネーフォワード クラウド会計ジョブカン会計
対象(法人/個人)法人中心(個人事業主は公式に記載なし)法人向け(個人事業主は別製品)個人事業主〜法人法人向け(ひとり法人〜中小。個人事業主は別製品)法人・個人事業主
月額費用(税抜・最小プラン〜)29,500円〜(免税事業者)/44,500円(課税事業者)
※記帳・決算・申告の代行込み
2,900円〜(エントリー・年契約の月額換算)980円〜(個人事業主・年払い)
2,980円〜(ひとり法人・年払い)
2,480円〜(ひとり法人・年払い月額換算)2,500円〜(スタートアップ・3ユーザー)
給与計算との連携10bookに給与計算を内蔵弥生給与 Next と連携freee人事労務と連携マネーフォワード クラウド給与と連携ジョブカン給与計算と連携
自動仕訳・AI仕訳●経理システム連携による自動仕訳(記帳は専門チームが代行)●AIが勘定科目を提案(AI取引入力に対応)●AI自動仕訳・AI-OCRに対応●AIが勘定科目を提案(AI-OCR対応)△AI-OCR・AI仕訳は有償オプション(証憑管理)
決算書・申告対応◎決算・法人税申告まで代行(決算料不要)●決算書を作成。申告は達人シリーズ連携●決算書を自動作成。申告はfreee申告(別途契約)●決算書を自動作成。消費税申告書はビジネスプラン△決算書(PL・BS・注記表)を作成。申告機能は公式に記載なし
サポートメール・オンライン・電話(平日9:30〜18:00、原則3名体制)チャット・メール・電話(電話・仕訳相談はベーシックプラスのみ)チャット・メール(全プラン)、電話はスタンダード以上チャット・メール、電話は登録後2か月の導入支援電話・メール・チャット(トライアル中から電話可)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※本表は2026年10月時点の各社公式サイト等の情報をもとに作成しています。料金はTenbookを除き税抜で、最小プランの月額(年契約は月額換算)を記載しています。Tenbookは会計ソフトに記帳・決算・申告の代行を含むサービスで、ほかのクラウド会計ソフトとは料金の性格が異なり、公式に税別・税込の記載がないため表示額のまま記載しています。最新の料金・プラン内容・機能の詳細は、各社の公式情報や資料でご確認ください。

ここで取り上げた製品以外にも会計ソフトは数多くあります。事業規模やタイプ別の選び方、7つの選定基準、料金のより詳しい比較は以下の記事でまとめています。自社に合う1本を広く比較してから選びたい方は、あわせてご覧ください。

Tenbook(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

Tenbookは、公認会計士・税理士が代表を務めるシンアカウンティングサービスが提供する会計アウトソーシングサービスです。自社開発のクラウド会計ソフト「10book」を基盤に、記帳から決算・法人税申告までをオンラインで代行・サポートします。労働保険料や給与計算にまつわる仕訳も、専門家に相談しながら任せられるため、「どの科目で仕訳するか」を自分で判断する負担を減らせます。

10bookには給与計算・賞与計算や経理システム連携による自動仕訳の機能があり、記帳作業を効率化できます。料金は免税事業者向けが月額合計29,500円、課税事業者向けが月額合計44,500円(2026年10月時点の公式表示。税別・税込は公式に明記されていません)で、決算料は不要です。会計業務をまとめて専門家に委託したいスタートアップや中小企業に向いています。

労働保険料に限らず「どの科目で仕訳するか」を利用者が判断する負担について、同社は自社開発の出発点を次のように説明しています。

上田氏
シンアカウンティングサービス株式会社 代表取締役
上田氏
独自インタビューより

そのために、当社はシステム開発にも取り組んできました。会社設立当初から「簿記知識がなくても決算書を作成できるシステム」の開発を始めており、まさに現場で使い続けられるロジックを土台にして、サービス提供につなげています。

弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

弥生会計 Nextは、弥生株式会社が2025年4月に正式リリースした法人向けのクラウド会計サービスです。会計(帳簿・決算書作成)に加え、請求書発行・経費精算・証憑管理を1つのサービスに統合し、これらのデータが自動で会計処理に流れる点を特徴としています。弥生給与 Nextと連携すれば、給与計算で生じた雇用保険料や法定福利費の仕訳も会計へつなげられます。

金融機関連携による自動仕訳やAIを使った取引入力に対応し、簿記に不慣れでも記帳を進めやすい設計です。料金はエントリープランが年契約で月額2,900円(税抜)からで、法人向けのみの提供です(個人事業主は別製品が案内されます)。最大2か月の無料体験も用意されています。

freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

freee会計は、フリー株式会社が提供するクラウド型の会計ソフトです。個人事業主から新設法人・中小企業まで幅広くカバーし、銀行口座やクレジットカードなど1,000を超える金融機関・サービスと連携して、取引データの自動取得から仕訳の自動化までを行えます。簿記の経験が浅くても使えるよう、ガイドに沿って入力できるUIを備えています。

人事労務サービスと組み合わせれば、給与計算で発生する雇用保険料の天引きや法定福利費の仕訳もデータ連携で処理できます。個人事業主向け・法人向けそれぞれに料金プランがあり、30日間の無料トライアル(クレジットカード登録不要)から試せます。個人事業主と法人のどちらにも対応する点で、本人分と従業員分の処理を分けて確認したい読者にも使いやすい選択肢です。

マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計のウェブサイト

マネーフォワード クラウド会計は、ひとり法人・中小企業をおもな対象に、株式会社マネーフォワードがクラウドシリーズの中核として展開する会計ソフトです。銀行やクレジットカードと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案して仕訳を自動化します。複式簿記に対応し、振替伝票入力など手入力の方式も選べるため、会社負担分と従業員負担分を分ける複合仕訳も正確に組めます。

マネーフォワード クラウド給与など同シリーズの製品と同一基盤で連携でき、給与計算から会計までバックオフィス全体をつなげられます。経理経験者が自由度高く記帳したい運用に向いています。労働保険料の立替金・預り金を使った正確な処理をソフト上で管理したい企業に適した選択肢です。

ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

ジョブカン会計のウェブサイト

ジョブカン会計は、勤怠管理や給与計算などで知られるジョブカンシリーズを展開する株式会社DONUTSが提供するクラウド型会計ソフトです。キーボード入力中心でデスクトップ型に近い操作感を保ちながら、クラウドの利便性を加えた設計で、仕訳・帳簿入力から決算書作成までを行えます。法人と個人事業主の双方に対応します。

銀行・クレジットカード明細の自動取込に対応し、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応アップデートも無料で提供されます。料金は初期費用無料・月額2,500円(税抜)からで、30日間の無料トライアルがあります。ジョブカンシリーズの給与計算や勤怠管理とあわせて使えば、労働保険料にかかわる給与周りの業務もまとめて効率化できます。

まとめ

労働保険料の勘定科目は、会社負担分を「法定福利費」で処理するのが基本です。雇用保険で従業員から預かる本人負担分は、お金の動く順序に応じて「立替金」か「預り金」で分けて処理します。仕訳の方法には、まとめて法定福利費で計上する簡便法、立替金を使って会社負担分と従業員負担分を分ける方法、前払費用で毎月の費用に平準化する方法があり、経理の手間と損益の正確さのバランスで選びます。

法人は会社負担分を法定福利費で損金算入でき、個人事業主は従業員分を法定福利費、本人の特別加入分は事業主貸で処理して確定申告の社会保険料控除に回します。概算と確定の精算、決算をまたぐ場合の未払金計上、消費税の課税区分など、つまずきやすい点も本記事の仕訳例を参考に進めてみてください。毎年の記帳や精算の負担を減らしたい場合は、給与計算と会計がつながるクラウド会計ソフトの活用も検討する価値があります。

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よくあるご質問(FAQ)

Q. 労働保険料の勘定科目は何ですか?

A. 労働保険料の勘定科目は、原則として法定福利費です。労災保険料・雇用保険料のうち、会社が負担する部分を法定福利費に計上します。税金や公的な賦課金を処理する租税公課や、慶弔見舞金など任意の福利厚生を処理する福利厚生費では処理しない点に注意してください。雇用保険で従業員から天引きした本人負担分だけは、法定福利費と分けて「立替金」または「預り金」で処理します。

Q. 労働保険料の仕訳はどのタイミングで行いますか?

A. 労働保険料の仕訳は、概算保険料を納付するとき・確定保険料を精算するとき・毎月の給与計算で雇用保険料を天引きするときの3つの場面で発生します。労働保険の年度更新は毎年6月1日から7月10日までの間に行い、この期間にその年度の概算保険料の申告・納付と、前年度の確定保険料の精算をあわせて処理します。これとは別に、給与・賞与を支払うたびに従業員負担分の雇用保険料を天引きする仕訳が発生します。

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Q. 労働保険料の概算額が確定額を上回ったとき(還付・充当)はどう仕訳しますか?

A. 概算額が確定額を上回ったときは、還付を受ける分を「未収入金」で計上し、翌年度の概算保険料に充当する場合はその時点では仕訳を起こしません。充当するときは、翌年度の納付額が充当分だけ少なくなる形で処理すると手間がかかりません。超過額のうち会社が負担した概算保険料に係る部分は、確定保険料の申告書を提出した日の属する事業年度の益金になります。

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Q. 個人事業主本人の労災保険料(特別加入)は経費にできますか?

A. 個人事業主本人が特別加入している労災保険料は、事業の必要経費にはできず「事業主貸」で処理します。一人親方の特別加入分も同じで、いずれも確定申告の社会保険料控除として所得から差し引けます。従業員のために事業主が負担する分は、法人・個人事業主を問わず法定福利費として経費に計上できます。

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Q. 決算が保険年度をまたぐ場合、労働保険料はどう調整しますか?

A. 決算日以前に終了した保険年度の確定保険料に不足額があるときは、会社負担分を年度更新の申告前であっても「未払金」として計上し、その事業年度の損金にできます。

労働保険の保険年度(4月1日〜翌3月31日)と会社の会計年度がずれていると、決算日時点でまだ申告していない保険年度の不足額が生じることがあります。法人税基本通達9-3-3は、この不足額のうち会社負担分を申告書の提出前でも未払金に計上してよいとしており、この見越し計上で費用を計上するタイミングを合わせます。

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Q. 労働保険料に消費税はかかりますか?

A. 労働保険料に、消費税はかかりません。保険料を対価とする役務の提供は消費税法上の非課税取引にあたるためです。会計ソフトでは課税仕入れ(10%)として登録しないよう注意が必要です(税区分は「非課税」または「対象外」で、いずれも納税額には影響しません)。くわしくは本文「消費税の課税区分」で解説しています。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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