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クラウドセキュリティソリューションとは|守る対象別のタイプと代表サービス・選び方

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Microsoft 365やAWSなどのクラウドサービスをテレワークで使う企業が増えるなか、「社外からのアクセスや情報漏えいをどう防げばよいか」「設定ミスで情報が外部に見えてしまわないか」といった不安を抱える情報システム担当者は少なくありません。クラウド利用に合わせたセキュリティ対策は、従来の社内ネットワークを守る発想だけではカバーしきれないのが実情です。

一口にクラウドセキュリティソリューションといっても、守る対象は「ID・アクセス」「通信の出入口」「クラウド基盤の設定」「端末」「公開Webサービス」など多岐にわたります。自社が何を守りたいのかを整理しないまま製品を探すと、必要な範囲をカバーできなかったり、逆に機能が重複したりしがちです。

本記事では、クラウド利用(SaaS・IaaS・テレワーク)を守るソリューションを守る対象別の5タイプに整理し、代表的なサービスの対応範囲・提供形態・料金を横断的に比較します。専任のセキュリティ担当者を置きにくい企業でも、自社に合う対策を判断できるよう選び方の基準までまとめました。

また、自社のクラウド利用で何を優先的に守るべきかを手早く整理できるよう、「クラウドセキュリティ選定診断ツール」をご用意しました。あわせてご活用ください。

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クラウドセキュリティソリューションとは|なぜ今必要か

はじめに、クラウドセキュリティソリューションが指す範囲と、クラウド利用に合わせた対策がなぜ求められるのかを押さえておきましょう。

クラウドセキュリティソリューションとは

クラウドセキュリティソリューションとは、SaaSやIaaSの利用、テレワークといったクラウド活用に伴う情報漏えい・不正アクセス・設定ミスなどのリスクから、企業のデータ・ID・通信・端末・公開サービスを守るための製品やサービスの総称です。

従来の社内セキュリティは、社内ネットワークと社外の境界を守る「境界型」が中心でした。しかし業務システムがクラウドへ移り、社員が社外からアクセスするようになると、守る対象はネットワークの内側だけに収まりません。クラウド上のデータやアカウントそのものを守る発想へ広げる必要があります。

そのため、クラウドセキュリティは単一の製品ではなく、守りたい対象ごとに役割の異なる複数のソリューションを組み合わせて構成するのが一般的です。何をどこまで守るかによって、選ぶべき製品のタイプが変わります。

ここで扱うクラウドセキュリティは、社内セキュリティ全体の一部です。クラウドに限らず、オフィス内の端末やネットワークも含めて「何を守るか」で対策を見渡したい場合は、カテゴリ全体を守る対象別に整理した以下の記事もあわせてご覧ください。

なぜ今クラウドセキュリティ対策が必要か

クラウド利用が広がるなかで対策の必要性が高まっている背景には、大きく3つの変化があります。

1つ目は責任共有モデルの浸透です。クラウドサービスでは、基盤の安全はクラウド事業者が担う一方、その上に置くデータ・ID・設定は利用者が責任を負います。Microsoftの資料でも、データとIDはすべてのクラウド利用形態で顧客が責任を持つと整理されており、事業者任せにはできません。利用者側の設定や運用が不十分だと、情報漏えいにつながります。

出典・参考資料(1件)

2つ目はテレワークとSaaS利用の普及です。社員が自宅やモバイル回線から複数のクラウドサービスへ直接アクセスするようになり、社内ネットワークの出入口だけを監視する守り方では、通信やアカウントの不正利用を捉えきれなくなっています。

3つ目は脅威の高度化です。設定ミスを突いた情報の露出、認証情報を盗むフィッシング、クラウド経由で広がるランサムウェアなど、クラウド利用を狙う攻撃が増えています。IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、ランサム攻撃による被害が組織向けの第1位、リモートワーク等の環境や仕組みを狙った攻撃が第8位に挙げられています。

こうした変化に対応するため、社内ネットワークの内外という境界を前提とせず、アクセスのたびに正当性を検証するゼロトラストへの移行が進んでいます。ゼロトラストは、防御の重点を静的なネットワーク境界から利用者・資産・リソースそのものへ移す考え方として、米国国立標準技術研究所(NIST)の文書で整理されています。

出典・参考資料(2件)

守る対象別に見るクラウドセキュリティソリューションの種類(5タイプ)

ここからは、クラウド利用を守るソリューションを「何を守るか」という守る対象で5つのタイプに整理します。自社のクラウド利用で優先的に守りたい対象から、必要なタイプを見極めてください。

クラウドセキュリティソリューションを守る対象別に5タイプで整理した図。1 ID・アクセスを守る(SSO・多要素認証・IDaaS)、2 通信の出入口を守る(SASE・SWG・CASB)、3 クラウド基盤の設定・脅威を守る(CSPM・CWPP・CNAPP)、4 端末・脅威検知を守る(EDR・XDR)、5 Web・公開資産を守る(WAF・DDoS対策・脆弱性診断)。

ID・アクセスを守る(SSO・多要素認証/IDaaS)

クラウドサービスへのログインを集約し、不正ログインを防ぐタイプです。複数のクラウドサービスに1つの認証でログインできるSSO(シングルサインオン)、パスワードに加えて別の認証要素を求める多要素認証(MFA)、社員の入退社に合わせてアカウントを一括管理する機能などを提供します。

これらをクラウド上のサービスとして提供する仕組みをIDaaS(Identity as a Service)と呼びます。テレワークで社外からのログインが増え、アカウントの乗っ取りが情報漏えいの入口になりやすい企業に向いています。

通信の出入口を守る(SASE・SWG・CASB)

社員の端末からクラウドサービスへの通信を安全にするタイプです。危険なサイトへのアクセスを遮断するSWG(セキュアWebゲートウェイ)、SaaSの利用状況を可視化し情報の持ち出しを制御するCASB(キャスビー)、社内システムへのアクセスを利用者ごとに検証するゼロトラストアクセス(ZTNA)などが含まれます。

これらのネットワーク機能とセキュリティ機能をクラウド上で統合して提供する枠組みがSASE(サッシー)です。拠点やテレワーク環境が分散し、VPNの負荷や運用に課題を感じている企業に適しています。

クラウド基盤の設定・脅威を守る(CSPM・CWPP・CNAPP)

AWSやAzureなどのIaaS・PaaSを使う際に、設定ミスや脆弱性を防ぐタイプです。公開範囲の誤りなど危険な設定を検出するCSPM(クラウドセキュリティ態勢管理)、サーバーやコンテナといった処理環境を守るCWPP(クラウドワークロード保護)などがあります。

これらを統合して提供するのがCNAPP(クラウドネイティブアプリケーション保護プラットフォーム)です。自社でクラウド上にシステムを構築・運用しており、設定ミスによる情報露出を防ぎたい企業に適しています。

端末・脅威検知を守る(EDR・XDR)

社員が使うPCやスマートフォンなどの端末を監視し、侵害の兆候をいち早く検知するタイプです。端末上の不審な挙動を検知・対処するEDR(Endpoint Detection and Response)、端末に加えてID・メール・クラウドなど複数の領域を横断して脅威を捉えるXDR(Extended Detection and Response)があります。

マルウェア感染やランサムウェアの被害を早期に食い止めたい企業、クラウド利用端末の挙動まで含めて監視したい企業に適しています。

Web・公開資産を守る(WAF・DDoS対策・脆弱性診断)

自社が公開するWebサイトやWebサービスを攻撃から守るタイプです。不正なリクエストを遮断するWAF(Webアプリケーションファイアウォール)、大量アクセスでサービスを停止させるDDoS攻撃への対策、公開サービスの弱点を洗い出す脆弱性診断などが含まれます。

ECサイトや会員サービスなど、インターネットに公開するシステムを運営し、改ざんや情報窃取を防ぎたい企業に向いています。

自社は何を守りたいか(守る対象→タイプの対応)

5つのタイプは、どれか1つだけを選ぶものではなく、自社のクラウド利用に応じて組み合わせて使うのが基本です。まずは自社の利用状況に照らし、優先度の高い守る対象から着手するとよいでしょう。

  • 複数のSaaSを使い、アカウント管理や不正ログインが不安 → ID・アクセスを守る
  • テレワークで社外からSaaSへ直接アクセスする → 通信の出入口を守る
  • AWS・Azureなどに自社でシステムを構築している → クラウド基盤の設定・脅威を守る
  • 端末の感染やランサムウェア被害を早期に抑えたい → 端末・脅威検知を守る
  • 自社でWebサイト・Webサービスを公開している → Web・公開資産を守る

自社がどのタイプを優先すべきか迷う場合は、次の診断ツールで整理できます。

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【比較表】守る対象タイプ別・代表サービスの対応範囲・料金・導入形態を比較

ここでは、5つのタイプの代表的なサービスを、守る対象・主な機能・対応するクラウド・提供形態・料金の観点で横並びに整理します。料金は公式に公開されている範囲で示し、非公開のものは要問い合わせと記載しています。

← 横にスクロールできます →
ID・アクセスを守るCloudGate UNOYubiKey as a ServiceOktaHENNGE One
主な機能・機構SSO・多要素認証(パスキー/FIDO2)・アクセス制限・ID管理物理セキュリティキーによる多要素認証(FIDO2/WebAuthn)・導入運用支援SSO・多要素認証(Adaptive MFA)・IDライフサイクル管理SSO・多要素認証・アクセス制御・メール/脅威対策を統合
対応クラウド・対象範囲主要SaaS(Google Workspace・Microsoft 365・Salesforce 等)・Active Directory連携FIDO2対応のSaaS全般・Windows/macOS/iOS/Android/Linux8,000超の連携(OIN)・オンプレAD/LDAP480以上のクラウドサービス・Active Directory連携
提供形態SaaS型(IDaaS)ハードウェアキー+サブスクリプションSaaS型(IDaaS)SaaS型(IDaaS+セキュリティ統合)
料金(公開値)月額400〜600円/ユーザー(税抜・3プラン)+初期費用。30日間無料体験要問い合わせ(200ユーザー〜、3年または5年契約)月額940円/ユーザー〜(Starter。上位プランは2,020円/ユーザー〜)月額400円/ID〜(IdP。全機能統合のSuiteは1,000円/ID〜。税抜・200ID〜)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※2026年11月時点の各社公式情報にもとづく。料金は税別・税込の別やプラン改定で変わる場合があります。

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通信の出入口を守るZscalerNetskopePrisma SASECloudflare One
主な機能・機構SWG(ZIA)・ゼロトラストアクセス(ZPA)・CASB・DLPCASB・SWG・ZTNA(SSE)+SD-WAN。生成AI利用の可視化ZTNA・SWG・CASB・FWaaS・SD-WAN(Prisma Access+SD-WAN)ZTNA・SWG・CASB・リモートブラウザ分離・DLP・メール保護
対応クラウド・対象範囲SaaS・インターネット通信・社内アプリ(VPN置き換え)SaaS・IaaS・生成AIサービス・WebトラフィックSaaS・インターネット通信・社内アプリ・拠点網SaaS・社内アプリ・インターネット(300都市以上の基盤)
提供形態SaaS型(クラウド検査基盤)SaaS型(クラウド基盤)SaaS型(クラウド基盤)SaaS型(クラウド基盤)
料金(公開値)要問い合わせ(国内はパートナー経由)要問い合わせ(国内はパートナー経由)要問い合わせ無料プランあり(Enterpriseはシート単位課金)
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年11月時点の各社公式情報にもとづく。料金は税別・税込の別やプラン改定で変わる場合があります。

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クラウド基盤の設定・脅威を守るWizPrisma CloudMicrosoft Defender for CloudCrowdStrike Falcon Cloud SecuritySentinelOne Singularity Cloud Security
主な機能・機構CNAPP(CSPM・CWPP・CIEM)。エージェントレスでリスクを可視化CNAPP(IaC検査・CSPM・コンテナ/ランタイム保護)CNAPP(CSPM+CWPP)。無料のFoundational CSPMと有料のDefender CSPMEDR基盤上のCNAPP(CSPM・CWP・CIEM・CDR)。端末〜クラウドを横断検知AIによるCNAPP(CWPP・CSPM・CIEM・DSPM)。EDRと同じ基盤で運用
対応クラウド・対象範囲AWS・Azure・Google Cloud・Oracle・AlibabaAWS・Azure・Google Cloud・Oracle・AlibabaAzure中心・AWS・Google Cloud・オンプレ(Azure Arc)AWS・Azure・Google Cloud・OCI+エンドポイントAWS・Azure・Google Cloud・Oracle・Alibaba+エンドポイント
提供形態SaaS型(エージェントレス接続)SaaS型(Enterprise Edition)/自社運用(Compute Edition)SaaS型(Azureポータルから有効化)SaaS型(Falconプラットフォーム)SaaS型(Singularity Platform)
料金(公開値)要問い合わせ要問い合わせ(クレジット制、1〜3年契約)プラン別の従量課金(CSPMは無料枠あり)。最初の30日間は無料要問い合わせ(15日間無料トライアル)要問い合わせ
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイトサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※2026年11月時点の各社公式情報にもとづく。料金は税別・税込の別やプラン改定で変わる場合があります。

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端末・脅威検知を守るTrend Vision OneMicrosoft Defender XDR
主な機能・機構XDR(端末・サーバー・クラウド・メール・NWを横断)+EPP/EDRXDR(ID・端末・メール・クラウドアプリを横断)。侵害端末を自動隔離
対応クラウド・対象範囲AWS・Azure・Google Cloud・Oracle・Alibaba+端末/メール/NWMicrosoft 365・Azure(Defender製品群と連動)
提供形態SaaS型SaaS型(Defenderポータル)
料金(公開値)要問い合わせ(クレジット制。30日間無料体験)Microsoft 365 E5に含む(¥8,995/ユーザー・月、年払い・Teams込み)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る

※2026年11月時点の各社公式情報にもとづく。料金は税別・税込の別やプラン改定で変わる場合があります。

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Web・公開資産を守る攻撃遮断くんScutumCloudbric WAF+
主な機能・機構クラウド型WAF・DDoS対策・Bot対策(Web/DDoS/サーバの3タイプ)クラウド型WAF(AI型WAFエンジン)。DDoS対策はオプションWAF・DDoS対策・無償SSL・脅威IP遮断・悪性ボット遮断(5in1)
対応クラウド・対象範囲自社が公開するWebサイト・Webサービス(DNS切替で導入)自社が公開するWebサイト・Webサービス(DNS切替で導入)自社が公開するWebサイト・Webサービス(DNS切替で導入)
提供形態SaaS型(機器・ソフト導入不要、最短1営業日)SaaS型(運用おまかせ、防御ロジックは自動更新)SaaS型(マネージドサービスも選択可)
料金(公開値)月額10,000円〜(税抜、Webセキュリティ1サイト、トラフィック連動)初期110,000円・月額32,780円〜(税別、〜500kbps、1か月単位)初期68,000円〜・月額28,000円〜(税別)。30日間無料トライアル
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

※2026年11月時点の各社公式情報にもとづく。料金は税別・税込の別やプラン改定で変わる場合があります。

【守る対象タイプ別】代表的なクラウドセキュリティサービスの紹介

ここからは、守る対象タイプ別に代表的なサービスを紹介します。対応する守る対象・主な機能・提供形態・向いている企業を具体的に見ていきましょう。

ID・アクセスを守るサービス

クラウドサービスへのログインを集約し、SSOや多要素認証で不正ログインを防ぐIDaaS・認証系のサービスです。

1. CloudGate UNO(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

CloudGate UNOの公式サイト

CloudGate UNO は、株式会社インターナショナルシステムリサーチが100%自社開発するクラウド型のID基盤(IDaaS)です。一度の認証で複数のクラウドサービスへアクセスできるSSOを中心に、パスキー(FIDO2)によるパスワードレス認証、アクセス制限、入退社に伴うアカウント管理までをまとめ、ゼロトラストを前提にクラウド利用のログインを一元化します。

全プランでパスキーによるパスワードレス認証を無制限に利用でき、IPアドレス・デバイス証明書・国/地域・曜日や時間帯といった複数の軸でログインを制限できます。月額はユーザーあたり400円〜600円(税抜)の3プランで、Active Directory連携はEnterprise Plus以上のプランで利用できます。

管理画面の提供やサポートを国内で自社が担っており、オンプレミスから複数のSaaS利用へ移行し、パスワード管理の負担と不正ログインの両方を抑えたい企業に向いた選択肢です。

開発元の株式会社インターナショナルシステムリサーチは、パスワードレス認証へ切り替えた企業で運用面がどう変わったかについて、次のように述べています。

平澤氏
株式会社インターナショナルシステムリサーチ 営業本部マーケティング部
平澤氏
独自インタビューより

導入と同時にパスワードレス認証に切り替えた企業では、IT部門の業務の約20%を占めていたパスワード関連のヘルプデスク業務が「0%」になったという事例があります。

2. YubiKey as a Service(株式会社インターナショナルシステムリサーチ)

YubiKey as a Serviceの公式サイト

物理セキュリティキー「YubiKey」を、本体の提供だけでなく導入から運用までのサポートと一体にし、サブスクリプション型で法人向けに届けるのがYubiKey as a Serviceです。インターナショナルシステムリサーチがYubico社との提携に基づき日本で展開しています。

秘密鍵が端末内に保持されるハードウェアトークン型のため、フィッシング耐性のある多要素認証を、スマートフォンを支給・利用しにくい現場でも展開できます。契約期間中は毎年25%分の予備キー提供やキー種類の変更に対応し、用途に応じてベース・アドバンスド・コンプライアンスの3つのティアから選べます。

最低200ユーザー・3年または5年契約が条件で、料金は構成に応じた個別見積もりです。派遣社員や外部委託先が多い企業、建設・医療などスマートフォンを使いにくい現場を抱える企業に向いており、同社のCloudGate UNOと組み合わせて認証を強化する使い方が想定されています。

同社は、物理セキュリティキーへの引き合いが増えている背景について、次のように説明しています。

内田氏
株式会社インターナショナルシステムリサーチ 営業本部 セールスアライアンス部 部長
内田氏
独自インタビューより

近年はサプライチェーン対策としての需要も高まっています。経済産業省による新たなセキュリティ対策評価制度の開始を見据え、委託先の認証強化を急ぐ企業が増えています。スマートフォンの支給に比べてコストを抑えつつ、迅速に多要素認証を導入できる点が評価されています。

3. Okta(Okta Japan株式会社)

Oktaの公式サイト

従業員や委託先など「働く人」のIDを一元管理するクラウド型IDaaSが、米Oktaの「Okta Workforce Identity Cloud」です。SSOと多要素認証に加え、ユーザーディレクトリ(Universal Directory)やアカウントのライフサイクル管理を統合し、クラウドとオンプレミスをまたいでIDを管理します。

事前構築済みの連携を8,000以上そろえるOkta Integration Network(OIN)やSCIM標準により、多数のSaaSで入社・異動・退職に伴うアカウントの作成・削除を自動化できます。リスクに応じて認証段階を変えるAdaptive MFAや、フィッシング耐性のあるパスワードレス認証Okta FastPassにも対応します。

料金はユーザーあたり月額940円のStarterから段階的に用意され、アカウント自動化を担うLifecycle Managementは月額2,020円のCore Essentials以上のプランに含まれます。多数のSaaSや海外拠点を抱え、ID管理を統合的に自動化したい企業に向いています。

4. HENNGE One(HENNGE株式会社)

HENNGE Oneの公式サイト

東京証券取引所の上場企業の約20%が利用するクラウドセキュリティ基盤がHENNGE Oneです。HENNGE株式会社が提供し、SSO・多要素認証・アクセス制御によるID統制を軸に、メール誤送信対策(DLP)や脅威対策までを同じ基盤で組み合わせられます。

SSOは連携するSaaS数が増えても追加課金がなく、480以上のクラウドサービスに対応します。IPアドレス制限やデバイス証明書によるアクセス制御、Active Directory連携によるID一元管理のほか、Cybozu.comやSalesforceなど一部のSaaSでは退職者アカウントの処理を自動化するユーザープロビジョニングを利用できます。

料金はID統制のIdPが月額400円(ID単価・税抜)から、全機能を統合したSuiteが1,000円からで、新規契約は200IDからです。契約ユーザー数は300万を超え、国内のSaaS・メール利用をまとめて統制したい企業に適した製品です。

ここで取り上げたIDaaSの土台となる多要素認証(MFA)について、仕組みや二段階認証との違いといった基礎から確認したい方は、以下の解説記事が参考になります。

通信の出入口を守るサービス

社外からクラウドサービスへの通信を安全にする、SASE・SWG・CASBなどのサービスです。

5. Zscaler(Zscaler, Inc.)

Zscalerの公式サイト

ユーザーとインターネット・社内アプリケーションの間にクラウド上の検査基盤を挟み、場所を問わずアクセスを制御するゼロトラスト型のサービスです。アプライアンスを置かずにクラウドで検査するため、拠点やテレワークの拡大に合わせて広げやすく、米国のZscaler, Inc.が提供しています。

主力はクラウド型のSecure Webゲートウェイ「ZIA」と、VPNを置き換える「ZPA」の2系統です。ZIAはURLフィルタリングやTLS/SSL検査、クラウドサンドボックス、DLP、CASBを備え、ZPAは社内アプリをインターネットに公開せず最小権限でアクセスさせ、横移動(ラテラルムーブメント)を抑えます。

国内はパートナー経由での導入・運用支援が中心で、NTTコミュニケーションズは2024年6月にZscalerのMSSP(マネージドセキュリティサービスプロバイダー)に認定されています。料金は公式サイトで公開されておらず、導入時はパートナーへの確認が必要です。VPNの運用負荷に課題を抱え、社外からの通信をクラウドで広く検査したい企業に向いています。

6. Netskope(Netskope, Inc.)

Netskopeの公式サイト

CASB・SWG・ZTNAといったSSE(セキュリティサービスエッジ)の機能に、SD-WANなどのネットワーク機能を加えて1つのプラットフォームに統合したSASE製品です。米国のNetskope, Inc.が「Netskope One」として提供しています。

独自データベースの「Cloud Confidence Index」は、85,000以上のクラウドアプリと1,800以上の生成AIツールを、50以上のセキュリティ・プライバシー・コンプライアンス属性で評価します。ChatGPTやGemini、Microsoft Copilotといった生成AIサービスの利用状況の可視化・制御にも対応します。

国内は販売パートナー経由での提供が中心で、ソフトバンクが国内初のマネージドサービスプロバイダーに認定されています。料金はユーザー数と契約年数に応じたサブスクリプションで、公式サイトでは公開されていません。シャドーITや生成AIの業務利用まで可視化し、SaaSの利用を安全に管理したい企業に向いた製品です。

7. Prisma SASE(Palo Alto Networks, Inc.)

Prisma SASEの公式サイト

米国のPalo Alto Networks, Inc.が提供する、AIを活用したSASEプラットフォームです。リモートワーク向けの「Prisma Access」と拠点向けの「Prisma SD-WAN」を組み合わせ、1社でネットワークとセキュリティを揃えられる構成を取ります。

中心となるPrisma Accessは、最小権限でアプリへ接続させるZTNA、Web上の脅威を防ぐSWG、SaaS利用を制御するCASB、クラウドネイティブのFWaaS(クラウド型のファイアウォール)を1つのクラウドサービスとして提供します。加えて、ブラウザ保護のPrisma Access BrowserやSaaS Security、Enterprise DLPといったデータ保護も揃います。

料金は公式サイトで公開されておらず、要お問い合わせです。複数のセキュリティ機能を別々のベンダーで組み合わせるのではなく、単一ベンダーでSSEからSD-WANまでまとめて導入・運用したい企業に向いています。

8. Cloudflare One(Cloudflare, Inc.)

Cloudflare Oneの公式サイト

フル機能のSASEを300以上の都市で提供すると公式に掲げる、米国Cloudflare, Inc.のSASEプラットフォームです。同社のグローバルネットワーク上で、ZTNA(Access)、SWG(Gateway)、CASB、リモートブラウザ分離、メールセキュリティ、DLPなどを単一の基盤にまとめています。

拠点やクラウドを接続するCloudflare WAN(旧Magic WAN)も同じプラットフォームに含み、ネットワーク接続からアクセス制御までを1社で扱えます。無料プランからPoC(概念実証)を始められる点も特徴です。

Enterprise向けの「Interna」パッケージは、ユーザー(シート)単位の課金で、管理対象デバイスの帯域幅料金はかからないと公式に記載されています。導入事例では、IndeedがZTNAで13,000人以上の従業員・請負業者を保護し、約3か月でVPNを廃止したと公開されています。無料から段階的に試しながらクラウド利用を守りたい企業に適しています。

クラウド基盤の設定・脅威を守るサービス

IaaS・PaaSの設定ミスやワークロードの脅威を検知する、CSPM・CWPP・CNAPPのサービスです。

9. Wiz(Wiz, Inc.)

Wizの公式サイト

Wizは、クラウド環境にエージェントを導入せず、クラウドアカウントに接続して仮想マシン・コンテナ・サーバーレス関数・ストレージ・データベースをスキャンするCNAPP(クラウドネイティブアプリケーション保護プラットフォーム)です。検出した設定不備・脆弱性・権限のリスクを、セキュリティグラフ上で関連づけて優先順位を付けます。

エージェントレスで既存のクラウド環境に接続するため、各サーバーへの導入作業なしに点検を始められます。攻撃経路を生む危険な設定の組み合わせを特定し、対応すべきリスクを絞り込める点が特徴です。

製品は、開発段階を守るWiz Code、クラウドのリスク予防を担うWiz Cloud、ランタイムの脅威検出を担うWiz Defendで構成されます。クラウド上に自社でシステムを構築・運用し、設定ミスによる情報露出を防ぎたい企業に向いています。料金は非公開で、要お問い合わせです。

10. Prisma Cloud(Palo Alto Networks)

Prisma Cloudの公式サイト

Prisma Cloudは、Palo Alto Networksが提供するクラウドセキュリティプラットフォームです。コード・インフラ・ランタイムの各領域にまたがり、IaC(コードによるインフラ定義)の設定検査、クラウド設定管理(CSPM)、コンテナイメージの脆弱性スキャン、稼働中ワークロードのランタイム保護までを同一基盤で扱います。

提供形態は、Palo Alto Networksがコンソールを運用するSaaS型のEnterprise Editionと、利用者が自社で運用しエアギャップ環境にも対応するCompute Editionの2種類から選べます。対応クラウドはAWS・Azure・Google Cloud・Oracle Cloud・Alibaba Cloudです。

コンテナやサーバーレスを含むクラウド基盤を、コードからランタイムまで一元的に守りたい企業に向いた選択肢です。国内にはパロアルトネットワークス株式会社があり、販売パートナー経由で日本語サポートを受けられる場合があります。料金は非公開で、100クレジット単位のクレジット制(1〜3年契約)のため、要お問い合わせです。

11. Microsoft Defender for Cloud(Microsoft Corporation)

Microsoft Defender for Cloudの公式サイト

Microsoft Defender for Cloudは、Azureを中心にAWS・Google Cloud・オンプレミス(Azure Arc経由)を対象とするCNAPPです。クラウドの設定を点検するCSPM(クラウドセキュリティ態勢管理)と、サーバー・コンテナ・データベースなどを守るCWPP(クラウドワークロード保護)を統合して提供します。

CSPMは、資産の可視化やセキュアスコアを使える無料のFoundational CSPMと、攻撃パス分析やエージェントレスの脆弱性スキャンを含む有料のDefender CSPMの2階層に分かれます。サーバー保護はMicrosoft Defender for Endpointと連携し、端末の挙動を監視するEDR相当の検知を組み込めます。

Azureポータルから有効化でき、専用のアプライアンスを導入せずに使い始められます。すでにAzureやMicrosoft製品を利用し、マルチクラウド環境を単一の画面で可視化したい企業に向いています。料金はプラン別の従量課金で、最初の30日間は無料です。

12. CrowdStrike Falcon Cloud Security(クラウドストライク株式会社)

CrowdStrike Falcon Cloud Securityの公式サイト

エンドポイント保護(EDR)を提供するFalconプラットフォーム上で、クラウド領域の防御を担うモジュールです。設定ミスを継続的に調べるエージェントレスのCSPMと、エージェント型でワークロードを守るCWPを同じ基盤に統合したCNAPPとして提供されます。

エンドポイント・ID保護・次世代SIEMなどのモジュールと単一の軽量エージェント・基盤で連携するため、端末からクラウドワークロードまでの脅威を横断的に検知・対応できます。CrowdStrikeが追跡する攻撃者の動向をもとに、対応すべきリスクの優先順位付けを行う点も特徴です。

対応するクラウドはAWS・Azure・Google Cloud・OCIで、リアルタイムの検知・対応(CDR)や権限分析(CIEM)も備えます。料金は公開されておらず問い合わせが必要ですが、15日間の無料トライアルが用意されています。日本法人による日本語の公式情報も提供されています。

13. SentinelOne Singularity Cloud Security(SentinelOne Japan株式会社)

SentinelOne Singularity Cloud Securityの公式サイト

コンテナやVM、AIワークロードといったクラウド上の実行環境を、AIによる自律的な検知・対応で守るCNAPPです。米国のSentinelOne, Inc.が開発し、日本ではSentinelOne Japan株式会社が提供しています。

ランタイム保護(CWPP)では実行中の脅威を検知・阻止し、攻撃が他の資産へ広がるラテラルムーブメントを防ぎます。あわせて、クラウド設定を点検するCSPM、権限を管理するCIEM、データを守るDSPM、AIモデルを対象とするAI-SPMを組み合わせます。

クラウド・エンドポイント・アイデンティティのテレメトリを単一のデータ基盤で相関分析し、Purple AIなどを使って調査を自動化する設計です。SentinelOneのエンドポイント保護基盤(Singularity Platform)と同じ仕組みで動くため、既存のEDRと運用をそろえやすい点も特徴です。料金は要問い合わせです。

端末・脅威検知を守るサービス

クラウド利用端末の侵害を検知し、脅威へ横断的に対応するEDR・XDRのサービスです。

14. Trend Vision One(トレンドマイクロ株式会社)

Trend Vision Oneの公式サイト

トレンドマイクロ株式会社が提供する、複数のセキュリティレイヤーを1つに統合したサイバーセキュリティプラットフォームです(現行の公式表記はTrendAI Vision One)。

中核となるのはXDR(拡張検知・対応)で、エンドポイント・サーバー・クラウド・メール・ネットワーク・アイデンティティなど各レイヤーで集めたデータを相関分析し、攻撃の全体像と対処すべき対象を可視化します。エンドポイント保護(EPP/EDR)やSIEM・SOARによる運用自動化も、同じプラットフォーム上で扱えます。

料金は、クレジットを消費して各機能を有効化する単一ライセンス「TrendAI Flex」にまとまっており、価格は非公開で問い合わせが必要です。SaaSで提供され、30日間の無料体験や24時間365日のサポート、MDR(運用代行)も用意されています。複数のセキュリティ製品を1つの画面でまとめて運用したい企業に適した製品です。

15. Microsoft Defender XDR(日本マイクロソフト株式会社)

Microsoft Defender XDRの公式サイト

Microsoft 365やAzureをすでに利用している企業に向く、マイクロソフト純正のXDRプラットフォームです。ID・エンドポイント・メール・クラウドアプリを横断して脅威を検知・調査・対応し、Defenderポータルで一元的に運用します。

Defender XDRは単独で購入する製品ではなく、Defender for Endpoint・for Identity・for Office 365・for Cloud Appsといった複数のDefender製品を組み合わせることで自動的に有効になる統合レイヤーです。導入済みのワークロードが多いほど、検知・相関・自動対応の範囲が広がります。

高い確度で攻撃を検知すると侵害端末を自動でネットワークから切り離し、ランサムウェアの横展開を遮断する仕組みを持ちます。これらのXDR機能はMicrosoft 365 E5(¥8,995/ユーザー・月、年払い・Teams込み、2026年9月時点の公式価格)などに含まれ、E5を保有していればライセンスを追加せずに有効化できます。

EDRとXDRの違いや、XDRが実際にどこまでの範囲を監視できるのかをより詳しく比較したい方は、14製品を整理した以下の記事が参考になります。

Web・公開資産を守るサービス

公開しているWebサイト・Webサービスへの攻撃を防ぐ、WAF・DDoS対策などのサービスです。

16. 攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)

攻撃遮断くんの公式サイト

DNSを切り替えるだけで導入できるクラウド型のWAF(Webアプリケーションへの通信を監視して攻撃を遮断する仕組み)で、株式会社サイバーセキュリティクラウドが提供しています。SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、公開Webサイトを狙う主要な攻撃の遮断に対応します。

用途に応じてWebセキュリティ・DDoSセキュリティ・サーバセキュリティの3タイプを選べ、DDoS攻撃やBot対策はDDoSセキュリティタイプNeoで提供されます。Webセキュリティタイプの1サイトプランは月額10,000円〜(税抜、トラフィック連動)で、サーバへのソフト導入が不要なため最短1営業日で開始できます。

大規模DDoS攻撃やゼロデイ攻撃による損害を最大1,000万円まで補償するサイバー保険が、条件付きで付帯する点も特徴です。公開Webサイトを低コストで守り始めたい企業や、DDoS対策まで含めて備えたい企業に向いています。

17. Scutum(株式会社セキュアスカイ・テクノロジー)

Scutumの公式サイト

株式会社セキュアスカイ・テクノロジーが開発・運用するクラウド型WAFです。公式は国内SaaS型WAF市場で2021年度まで12年連続の売上シェアNo.1と記載しています(富士キメラ総研ほかの調査に基づく記載)。

SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなど、Webアプリケーションを狙う攻撃を対象とし、公式が「AI型WAFエンジン」と呼ぶ検知の仕組みを備えます。新たに公表された脆弱性へはほとんどの場合24時間以内に対応すると公式は説明しており、防御ロジックの更新は自動で、顧客側の作業はDNS設定とSSL証明書のアップロードが中心です。

料金は公式ページにピークトラフィック別で公開され、最小区分(〜500kbps)は初期費用110,000円・月額32,780円(いずれも税別)、1か月単位で契約できます。DDoS対策はオプションで追加する構成のため、運用を任せつつ公開Webサイトを守りたい企業や、料金を事前に把握して検討したい企業に向いた製品です。

18. Cloudbric WAF+(Penta Security Inc.)

Cloudbric WAF+の公式サイト

WAF・DDoS対策・無償SSL証明書・脅威IP遮断・悪性ボット遮断の5つを1つにまとめた、Penta Security(ペンタセキュリティ)が提供するクラウド型WAFです。公式はこれらをまとめて「5in1」と表現しており、API保護などの機能も加わります。

ロジックベースの検知エンジンと、Webトラフィックのパターンを学習するAIエンジンで攻撃を検知します。エージェントの導入は不要でDNSを切り替えるだけで利用を始められ、導入・運用時には専門家が保護対象ごとにポリシーを調整するマネージドサービスも用意されています。

料金は月額28,000円〜(税別、20FQDN・データ転送60GBまで)、初期費用68,000円〜で、30日間の無料トライアルがあります。クレジットカード業界のセキュリティ基準であるPCI DSS v4.0.1のAOC(準拠証明)をサービスプロバイダとして取得しており、WAFからDDoS・API保護までまとめて導入したい企業や、まず試してから判断したい企業に向いています。

自社に合うクラウドセキュリティソリューションの選び方

守りたいタイプの見当がついたら、同じタイプの中でどの製品を選ぶかを決めます。ここでは対応範囲・導入形態・サポートと料金という3つの観点で、判断のポイントを整理します。

対応範囲で選ぶ(単機能特化か統合型か)

同じタイプでも、特定の機能に特化した製品と、複数の機能を1つにまとめた統合型の製品があります。守りたい範囲が1つに絞られているなら単機能特化型で十分ですが、複数の守る対象をまとめて管理したい場合は、CNAPPやSASEのような統合型が運用の手間を抑えられます。

まず自社が守りたい対象を書き出し、その範囲を過不足なくカバーできるかを確認します。将来的に守る範囲を広げる見込みがあるなら、後から機能を追加できる統合型のプラットフォームを選んでおくと、製品の乗り換えを避けられます。

導入形態(SaaS型/自社運用/運用代行)で選ぶ

専任のセキュリティ担当者を置きにくい企業では、誰が運用するかが製品選びを左右します。クラウド上で提供されるSaaS型は、自社でサーバーを用意する必要がなく、短期間で使い始められます。

検知後の対応まで自社で担うのが難しい場合は、監視・運用を専門事業者に任せられる運用代行(マネージドサービス)付きの製品を選ぶ方法があります。導入後に誰がアラートへ対応するのかを想定し、自社の体制に見合った形態を選ぶことが、運用を続けられるかどうかの分かれ目になります。

専任者がいない小規模の企業では、導入と運用の負担が軽いものから着手する方法もあります。クラウドサービスへのログインを守るID・アクセス対策(SSO・多要素認証)のSaaS型や、DNSの切り替えで導入できる国産のクラウド型WAFは比較的始めやすく、必要に応じて守る対象を広げていけます。

サポート・料金で選ぶ

海外製の製品では、日本語でのサポートや導入支援の有無が運用のしやすさを左右します。国内に代理店やサポート窓口があるか、導入時の設定支援を受けられるかを確認します。

料金は、利用人数や保護対象の数に応じた課金が一般的で、公式サイトで公開されていない製品も少なくありません。複数の候補で見積もりを取り、保護範囲とサポート内容を含めて総額で比較すると、導入後の費用対効果を見極めやすくなります。

クラウドセキュリティソリューション導入のメリットと運用時の注意点

導入によって得られる効果と、クラウドならではの注意点をあわせて押さえておきましょう。

導入で得られる効果(メリット)

クラウドセキュリティソリューションを導入すると、社外からのアクセスやSaaS利用を可視化し、不正ログインや情報の持ち出しを早い段階で抑えられます。守る対象ごとに適切な製品を組み合わせることで、テレワーク環境でも一定の守りを保てます。

多くの製品はSaaS型で提供されるため、自社でサーバーを用意せずに導入でき、最新の脅威への対応も事業者側の更新に任せられます。専任者が少ない企業でも、運用代行を組み合わせれば監視体制を補えます。

導入・運用で注意すべき点とクラウド特有の落とし穴を避ける対策

最も陥りやすいのが、責任共有モデルの誤解です。クラウド事業者が守るのは基盤までで、その上のデータ・アクセス権限・公開設定は利用者の責任です。「クラウドだから安全」と考えて設定を見直さないと、公開範囲の誤りから情報が外部に露出します。導入時に自社が守るべき範囲を明確にすることが出発点になります。

ワークロードの責任は、ワークロードがソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)、プラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)、またはオンプレミスデータセンターでホストされているかによって異なります。

クラウドでの共同責任(責任共有モデル)|Microsoft Learn(learn.microsoft.com)

設定ミスを防ぐには、公開範囲やアクセス権限を定期的に点検し、CSPMのような設定を自動で検査する仕組みを併用すると負担を抑えられます。アカウント面では、多要素認証を全社で有効にし、業務に必要な最小限の権限だけを付与する運用が有効です。

また、製品を入れただけでは守りは完成しません。アラートに誰が対応するのか、運用ルールを決めて定着させることが欠かせません。自社だけで対応しきれない場合は、運用代行や外部の監視サービスの活用を検討します。

まとめ

クラウドセキュリティソリューションは、「ID・アクセス」「通信の出入口」「クラウド基盤の設定・脅威」「端末・脅威検知」「Web・公開資産」という守る対象別の5タイプに整理できます。自社のクラウド利用で優先的に守りたい対象を見極め、必要なタイプを組み合わせることが基本です。

製品を選ぶ際は、対応範囲・導入形態・サポートと料金を軸に、自社の運用体制に見合うものを選びます。特に専任者が少ない企業では、SaaS型や運用代行を活用できるかが運用を続けられるかの鍵になります。まずは各サービスの資料を取り寄せ、守る範囲と費用を具体的に比較することから始めるとよいでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. クラウドセキュリティソリューションとは何ですか?

A. クラウドセキュリティソリューションとは、SaaS・IaaSの利用やテレワークに伴う情報漏えい・不正アクセス・設定ミスのリスクから、企業のデータ・ID・通信・端末・公開サービスを守る製品やサービスの総称です。単一の製品で完結するものではなく、守りたい対象ごとに役割の異なるソリューションを組み合わせて構成するのが一般的です。何をどこまで守るかによって、選ぶべき製品のタイプが変わります。

Q. クラウドセキュリティソリューションにはどんな種類がありますか?

A. クラウドセキュリティソリューションは、守る対象に応じて「ID・アクセス」「通信の出入口」「クラウド基盤の設定・脅威」「端末・脅威検知」「Web・公開資産」の5つのタイプに整理できます。

ID・アクセスはSSOや多要素認証(IDaaS)、通信の出入口はSASE・SWG・CASB、クラウド基盤はCSPM・CWPP・CNAPP、端末はEDR・XDR、公開資産はWAF・DDoS対策が代表例です。自社のクラウド利用で優先的に守りたい対象から、必要なタイプを組み合わせます。

Q. 自社に合うクラウドセキュリティソリューションはどう選べばよいですか?

A. クラウドセキュリティソリューションは、まず自社が守りたい対象(ID・通信・基盤・端末・公開資産)からタイプを絞り、同じタイプの中で対応範囲・導入形態・サポートと料金を比べて選ぶのが基本です。

守る範囲が1つに絞られていれば単機能特化型で十分ですが、複数の守る対象をまとめて管理したい場合はCNAPPやSASEのような統合型が運用の手間を抑えられます。将来的に守る範囲を広げる見込みがあるなら、後から機能を追加できる統合型を選んでおくと、製品の乗り換えを避けられます。

Q. クラウドセキュリティソリューションは専任者がいない中小企業でも導入できますか?

A. クラウドセキュリティソリューションは、専任のセキュリティ担当者がいない中小企業でも、SaaS型の製品や運用代行(マネージドサービス)を活用すれば導入・運用できます。多くの製品はクラウド上で提供されるSaaS型で、自社でサーバーを用意せず短期間で使い始められます。

検知後の対応まで自社で担うのが難しい場合は、監視・運用を専門事業者に任せられる運用代行付きの製品を選ぶとよいでしょう。まずは優先度の高い守る対象(多要素認証によるID保護など)から段階的に始めるのが現実的です。

Q. クラウドセキュリティソリューションの料金の目安はどのくらいですか?

A. クラウドセキュリティソリューションの料金は利用人数や保護対象の数に応じた課金が一般的で、ID・アクセス系はユーザーあたり月額数百円から、Web・公開資産を守るWAFは月額1万〜3万円前後からが一つの目安です。

一方で、SASEやCNAPPのような統合型・大規模向けの製品は料金を公開せず個別見積もりとするものが多く、その場合は利用規模と必要な機能を伝えて見積もりを取ります。複数の候補で、保護範囲とサポート内容を含めた総額で比較すると、導入後の費用対効果を見極めやすくなります。

Q. クラウドセキュリティソリューションはSaaS型と運用代行のどちらを選べばよいですか?

A. クラウドセキュリティソリューションは、自社に運用できる人員がいればSaaS型の自社運用で、アラート監視や検知後の対応まで任せたい場合は運用代行(マネージドサービス)付きを選ぶのが基本です。

SaaS型は自社でサーバーを用意する必要がなく短期間で使い始められますが、アラートに誰が対応するかを決めておかないと運用が形骸化します。専任者が少なく24時間の監視が難しい企業は、MDR(検知・対応の運用代行)などを組み合わせると監視体制を補えます。

Q. クラウドの責任共有モデルとは何ですか?

A. クラウドの責任共有モデルとは、クラウド基盤の安全は事業者が担い、その上のデータ・ID・アクセス権限・設定は利用者が責任を負うという役割分担です。SaaS・PaaS・IaaSのどれを使うかで利用者の責任範囲は変わり、事業者任せにせず自社が守る範囲を明確にすることが対策の出発点になります。

Q. クラウドの設定ミスによる情報漏えいはどう防げばよいですか?

A. 設定ミスによる情報漏えいは、公開範囲やアクセス権限を定期的に点検し、危険な設定を自動検出するCSPM(クラウドセキュリティ態勢管理)を併用すると防げます。あわせて多要素認証を全社で有効にし、業務に必要な最小限の権限だけを付与する運用を徹底すると、設定ミスと不正アクセスの両面を抑えられます。

Q. CSPMとCNAPPの違いは何ですか?

A. CSPMとCNAPPの違いは、CSPMがクラウドの「設定ミス(態勢)」の検出に特化するのに対し、CNAPPはそのCSPMにワークロード保護(CWPP)や権限管理(CIEM)などを統合し、クラウド基盤を横断的に守るプラットフォームである点です。

設定の点検だけが目的ならCSPM単体でも足りますが、サーバーやコンテナの実行中の脅威まで一元的に守りたい場合はCNAPPが適します。本記事で「クラウド基盤の設定・脅威を守る」タイプとして紹介したサービスは、いずれもCNAPPに分類されます。

Q. AWSやAzureのネイティブ機能だけでは不十分ですか?

A. AWSやAzureのネイティブ機能で足りるかは自社の環境によりますが、複数のクラウドをまたいで一元管理したい場合や、より高度な攻撃経路の分析・自動対応が必要な場合は、サードパーティ製のソリューションが有効です。

各クラウドのネイティブ機能は自社のクラウド内の対策には役立ちますが、マルチクラウド環境では管理画面が分散し、全体像を把握しづらくなります。CNAPPのようなサードパーティ製品は、複数クラウドの設定・脅威を1つの画面で横断的に可視化できる点が強みです。

Q. エージェント型とエージェントレス型のクラウドセキュリティはどちらを選べばよいですか?

A. エージェント型とエージェントレス型は、導入の手軽さを重視するならエージェントレス型、実行中の脅威をリアルタイムに検知・阻止したいならエージェント型が向いています。エージェントレス型はクラウドアカウントに接続するだけで、各サーバーへの導入作業なしに点検を始められる一方、稼働中の挙動監視には限界があります。

エージェント型は各ワークロードに導入する手間がかかりますが、実行中の脅威を即座に検知・対処できます。広い点検はエージェントレス、重要な資産の監視はエージェントで担うなど、両方を組み合わせる構成も一般的です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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