サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

クリエイティブ業(広告・制作)向け原価管理システム比較|案件別に工数・原価・粗利を管理できる製品を解説

クリエイティブ業(広告・制作)向け 原価管理システム比較のサムネイル画像
管理会計システム比較表(2026年版)のプレビュー

主要16サービスの料金・機能を無料で一覧比較

管理会計システム比較表(2026年版)

広告や映像、Web制作、デザインなど、クリエイティブ業の仕事は案件ごとに外注費や媒体費、スタッフの工数が積み上がります。そのため、一つひとつの案件がいくらで仕上がり、どれだけの粗利が残ったのかを把握しづらいという悩みがつきまといます。

見積と実績の差が月末の請求段階になって初めて見え、赤字案件に気づくのが遅れてしまいます。そうした状態を表計算ソフトや日報の手集計で乗り切っている制作会社も少なくありません。

案件別の原価や粗利を管理できる仕組みを入れたいと考えても、製品によって得意な範囲はさまざまです。案件の収支管理に特化したものもあれば、見積や請求の販売管理と一体になったもの、会計や基幹業務まで統合して全社の数字を扱うものもあり、自社の業態や規模にどれが合うのかは一見して分かりにくいのが実情です。

本記事では、クリエイティブ業(広告・制作)で案件別の原価・工数・粗利を管理するとはどういうことかを整理したうえで、製品を選ぶときの比較ポイントと、対応範囲別に見た製品の選択肢を解説します。自社の業態に合う仕組みと提供元を見比べ、資料請求や比較検討へ進む判断材料としてご活用いただけます。

また、自社の課題に合う製品のタイプを最短で見極められるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を記事内にご用意しています。あわせてご活用ください。

管理会計システムの関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】管理会計システムの資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

本記事の対象範囲

本記事では、広告・映像・Web制作・デザインなど、案件(プロジェクト)単位で仕事が動くクリエイティブ業で、案件ごとに工数・外注費・媒体費を集計し、原価と粗利を管理できる製品を中心に取り上げます。製造ラインや工事現場だけを前提にした原価管理システムは、案件ごとに体制とコストが変わる広告・制作の仕事には機能が合いにくいため、ここでは案件型の業務に馴染む製品に目を向けます。

原価管理に限らず、予実管理や経営ダッシュボードまで含めて、管理会計の仕組み全般を業種を問わず広く見比べたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

クリエイティブ業(広告・制作)の原価管理とは

クリエイティブ業の原価管理とは、案件ごとにかかった費用を集計し、売上と突き合わせて案件単位の採算を把握することを指します。工場で同じ製品を量産する業種と違い、広告・制作では案件ごとに体制もコスト構造も変わるため、原価を「製品ごと」ではなく「案件ごと」に積み上げて見るのが基本になります。

原価管理は、原価を計算して終わりではありません。原価計算の実務上の基準である「原価計算基準」も、原価管理を原価計算の主たる目的の一つに挙げています。案件別に原価を集計・把握することは、そのうえで採算を改善していくための出発点にあたります。

出典・参考資料(1件)

案件(プロジェクト)単位で原価・粗利を見るとは

案件単位で原価を見るとは、一つの案件にひもづく費用をすべてその案件に集め、売上から差し引いて粗利を出す考え方です。たとえば一本のテレビCM制作なら、撮影スタッフの人件費、外部クリエイターへの外注費、媒体の出稿費、諸経費を同じ案件に集計し、クライアントへの請求額と比べて採算を見ます。

複数の案件が同時並行で進むクリエイティブ業では、全社の損益が黒字でも、個々の案件では赤字が混じっていることがあります。案件別に原価と粗利を見られるようにすると、どの案件・どの取引先・どの種類の仕事が利益を生み、どこで採算が崩れているのかを分けて把握できます。

広告・制作の原価は何で構成されるか(媒体費・外注費・労務費・諸経費)

広告・制作の案件原価は、大きく4種類の費用で構成されます。どれを案件にひもづけて集計するかが、採算を正しく見るうえでの土台になります。

  • 媒体費:広告枠の出稿費や掲載費。金額が大きく、案件の原価を左右しやすい費用です。
  • 外注費:外部のクリエイター・制作会社・カメラマンなどへの委託費。案件ごとに座組みが変わるため、発注単位での管理が要ります。
  • 労務費:自社スタッフが案件に費やした時間を人件費に換算したもの。工数の記録と単価の設定が前提になります。
  • 諸経費:交通費・ロケ費・資材費・システム利用料など。案件に直接ひもづくものと、複数案件で共通して発生するものがあります。

このうち労務費は、スタッフの稼働時間を集計して単価を掛け合わせないと案件原価に乗りません。ここが手作業のままだと案件の本当の原価が見えにくくなるため、後述する工数管理との連携が重要になります。また、複数案件で共通して発生する諸経費や間接的なコストは、一定の基準で各案件に割り振る「配賦」という手続きで案件原価に反映します。

間接費をどんな基準で各案件に配賦するか、標準原価と実際原価のどちらで計算するか、見積と実績の差異をどこまで分解するかは、原価管理システムの選定で製品ごとに大きく分かれる点です。クリエイティブ業に限らず、こうした原価計算の方式や配賦の観点から原価管理システムを広く比較したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

なぜ案件(プロジェクト)別の原価管理が必要なのか

ここでは、クリエイティブ業で案件別の原価管理が必要とされる理由を整理します。案件ごとに体制とコストが変わる業態特有の事情が背景にあります。

案件ごとに体制もコスト構造も変わる

クリエイティブ業では、案件ごとに関わるスタッフも外注先も媒体も入れ替わります。同じ「Web広告の制作」でも、内製中心の案件と外注中心の案件では原価の構成がまったく異なります。案件ごとに費用を集計できないと、全体の数字をならして見るしかなく、採算の良し悪しが案件単位で見えなくなります。

労務費や外注費が見えにくく、赤字案件に気づくのが遅れる

媒体費や外注費は請求書で金額が分かりますが、スタッフが各案件にどれだけ時間を割いたかは、工数を記録しないと把握できません。見積の前提より制作に時間がかかっても、労務費が案件に反映されていなければ採算は悪化していないように見えます。その結果、赤字になっていた案件に月末の締めや期末になって初めて気づく、ということが起こります。

値付けや人員配置の判断材料が足りない

案件別の粗利率が見えないと、次に同種の案件を受けるときの見積金額や、どのスタッフをどの案件に充てるかの判断が、過去の実績ではなく勘に頼りがちになります。案件別に原価と粗利を蓄積できれば、利益の出やすい仕事とそうでない仕事を見分け、受注や体制づくりの判断に使えます。

案件別に原価を管理するメリット

ここからは、表計算ソフトや日報の手集計で原価を追っている場合と比べて、原価管理システムで案件別に原価を扱うと何が変わるのかを整理します。

← 横にスクロールできます →
観点原価の集計把握のタイミング労務費の反映粗利の見える化見積への活用
表計算ソフト・日報での手集計案件ごとに請求書や日報から手作業で費用を転記・集計する月末の締め後に集計するため、採算の把握が後ろ倒しになりやすい工数の集計と人件費への換算が手作業で、案件に乗り切らないことがある案件別・取引先別の粗利率は別途集計が必要で見えにくい過去案件の実績原価を引き出しにくく、見積が勘に頼りやすい
原価管理システムでの案件別管理発注・工数・経費の入力が案件に集まり、転記なしで原価が積み上がる入力と同時に案件の原価・粗利を確認でき、進行中に採算をつかめる記録した工数に単価を掛け、案件の労務費として自動で反映できる案件・取引先単位で売上・原価・粗利をそのまま確認できる実績原価を蓄積でき、同種案件の見積や人員配置の判断に使える

※上記は一般的な傾向です。実際の機能や対応範囲は各製品の仕様によって異なります。

案件原価が進行中から見えるようになると、見積との差が開き始めた段階で手を打てます。外注の出し方を見直す、稼働の偏りを調整するといった判断を、赤字が確定する前に行える点が、手集計との大きな違いです。

工数管理と案件原価の連携

クリエイティブ業の案件原価では、スタッフの労務費が大きな割合を占めます。その労務費を案件に正しく乗せる鍵が、工数管理との連携です。ここでは、工数の記録が案件原価につながる流れを整理します。

工数の記録から案件別の労務費・粗利が算出される流れ

工数管理と原価管理が連携している場合、スタッフが「どの案件に何時間使ったか」を記録すると、その時間にスタッフ単価を掛けた金額が案件の労務費として積み上がります。そこへ外注費・媒体費・諸経費が合わさり、売上と突き合わせることで案件別の粗利が算出されます。工数の入力が、そのまま採算把握の入り口になる仕組みです。

クリエイティブ業の案件原価の算出フロー。STEP1でスタッフがどの案件に何時間使ったかの工数を記録し、STEP2で時間にスタッフ単価を掛けて案件の労務費に換算、STEP3で労務費に外注費・媒体費・諸経費を合算して案件原価にし、STEP4で売上から案件原価を差し引いて案件別の粗利を把握する流れを縦方向に示した図。

工数の記録精度が案件原価の精度を決める

この仕組みは、クリエイターが日々の工数を記録して初めて機能します。入力が後回しにされたり、案件と結びつかない形で記録されたりすると、労務費が実態からずれ、案件原価や粗利の数字そのものが信頼できなくなります。工数入力の精度が、そのまま案件原価管理全体の精度を決めるという関係にあります。

クリエイティブ業向け原価管理システムの選び方

ここからは、広告・制作の案件型業務に合う原価管理システムを選ぶときの観点を整理します。自社の業務の進め方や既存のシステム環境に照らして、どこを重視するかを見極める手がかりとしてご活用ください。媒体の仕入れが多い広告代理店か、外注と自社制作が中心の制作プロダクションかによっても、重視すべき機能は変わってきます。

工数入力が現場(クリエイター)に定着するか

案件の労務費は工数の記録が土台になるため、クリエイターが無理なく入力を続けられる製品かどうかは、ほかのどの機能より先に見ておきたい観点です。普段使うカレンダーやタスク管理と連携できるか、スマートフォンやブラウザから隙間時間に打てるか、入力漏れを知らせる仕組みがあるかを、自社の現場の働き方に当てはめて見比べるとよいでしょう。

入力が業務の流れから外れている製品は、どれだけ集計機能が優れていても記録が滞り、原価の精度が落ちてしまいます。

案件別の粗利率・採算をリアルタイムに把握できるか

案件が進行しているあいだに採算が見えるかどうかは、赤字案件への対応の速さを左右します。月次の締めを待たずに案件別・取引先別の売上・原価・粗利率をダッシュボードで追える製品なら、見積と実績の差が開き始めた段階で手を打てます。締め後にしか数字が出ない仕組みは、採算が崩れてから気づくことになりやすいため、自社がどの頻度で採算を見たいかに照らして選びましょう。

外注費・媒体費を案件へ正しく配賦できるか

金額の大きい媒体費や、案件ごとに座組みが変わる外注費を、どの案件の原価として割り当てられるかは、粗利の正確さを大きく左右します。発注単位で費用を案件にひもづけられるか、複数案件で共通して発生する間接的なコストを一定の基準で配賦できるかが、確認ポイントになります。

とくに媒体の仕入れが多い広告代理店では、媒体費を総額(グロス)と純額(ネット)のどちらで案件に取り込めるかまで扱えると、自社の商流に合わせやすくなります。案件単位で見たいのか工程単位まで見たいのか、自社が求める集計の粒度に製品の対応が合っているかも、あわせて確かめておきたい点です。

既存の販売・会計・勤怠システムと連携できるか

原価管理は、見積・請求を扱う販売管理や、仕訳を扱う会計、工数のもとになる勤怠と地続きです。すでに使っているシステムがある場合は、データを二重入力せずに連携できるか、API や CSV の取り込みに対応しているかもポイントです。販売管理や会計と一体になった製品を選べば連携の手間自体が減るため、自社の既存環境を前提に、連携でつなぐか一体型にまとめるかを選ぶことになります。

料金体系・導入実績が自社の規模と業態に合うか

料金は、利用人数やモジュール単位の課金など製品によって体系が異なります。自社の人数や使いたい範囲で費用がどう変わるか、初期費用と月額の内訳をつかんでおきたいところです。あわせて、広告・制作・Web など自社と近い業態での導入実績があるかを見ておくと、案件型業務に機能が馴染むかの判断材料になります。公表されていない料金は資料請求で確認するのが確実です。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】管理会計システムの資料を
一括ダウンロードする

クリエイティブ業向け原価管理システムの選択肢

ここからは、広告・制作の案件型業務に使える製品を紹介します。製品は、どこまでの業務を一つの仕組みで扱うか(対応範囲)によって、次の3つのタイプに整理できます。自社が原価管理だけを手早く始めたいのか、販売管理ごと乗せたいのか、会計まで統合したいのかによって、向くタイプが変わります。

ここでの「特化」は案件収支・採算の管理を主軸に手早く始められることを指し、販売や購買などの周辺業務を内包する製品も含みます。「統合」は財務会計や全社の基幹業務まで一つに巻き取り、その数字の一部として案件原価を扱う範囲を指します。

広告・制作向け原価管理システムの対応範囲別3タイプの包含関係を入れ子のボックスで示した図。最も内側が案件収支管理に特化するタイプで工数・外注費・媒体費を集計し案件別の粗利・採算を把握する核、それを囲む販売管理と一体のタイプは見積・受注・請求の販売管理と一体で案件原価を扱い、最も外側の会計・ERPと統合するタイプは会計・経営管理まで含めて全社の数字を統合しそのなかで案件原価も扱う。外側のタイプほど対応範囲が広いことを表す。

対応範囲別の3タイプ

← 横にスクロールできます →
タイプ案件収支管理に特化したタイプ販売・基幹業務と一体で原価も扱うタイプ会計・ERPと統合して原価まで扱うタイプ
特徴案件ごとに工数・外注費・媒体費を集計し、粗利・採算をリアルタイムに見ることに特化。原価管理をまず始めたい制作会社に向く見積〜受注〜請求の販売管理と一体で案件原価も扱い、営業・経理の業務を一つに乗せたい制作会社に向く会計・経営管理まで含めて全社の数字を統合し、その中で案件別原価も扱う。規模拡大・多拠点の制作グループに向く
該当する主なサービスZAC、プロカン、Reforma PSA、MA-EYES、クラウドログ などADMAN、楽楽販売、freee販売 などOracle NetSuite、マネーフォワード クラウド個別原価、OBIC7 など

※上記は各タイプの一般的な傾向です。個別の製品の機能・対応範囲は各社情報をご確認ください。

とはいえ、自社がどのタイプに適しているかの判断が難しいこともあります。そのような場合でも、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

あなたへのおすすめ
条件にマッチしたサービスを表示しています
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

ここからは、各製品の機能や料金を横並びで比較します。工数連携や案件別粗利の見える化、配賦への対応、既存システムとの連携、料金、導入実績といった観点でまとめています。

← 横にスクロールできます →
サービス名クラウドERP ZACプロカンReforma PSAMA-EYESクラウドログADMAN楽楽販売freee販売Oracle NetSuiteマネーフォワード クラウド個別原価OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション
対応範囲タイプ案件収支に特化案件収支に特化案件収支に特化案件収支に特化案件収支に特化販売管理と一体販売管理と一体販売管理と一体会計・ERPと統合会計・ERPと統合会計・ERPと統合
案件別原価・粗利の把握●●●●●●●●(原価推移レポートは上位プランのみ)●●●
工数管理との連携●●●●●●△(工数管理の仕様は非公開)△(別契約のfreee工数管理が前提)●●●
外注費・間接費の配賦●●●◎(面積・机の数まで配賦基準に設定可)-
(公式に記載なし)
◎(媒体費を標準で管理)△(間接費は案件へ紐付け、専用配賦なし)×(配賦はfreee会計側の機能)●◎(多段階・複数基準で配賦)△(配賦の仕様は非公開)
会計・勤怠など既存システム連携●●●●△(勤怠連携のみ確認)●●●●(単一基盤に統合)●●(同社ERP内で連携)
初期費用100,000円150,000円〜
(税込165,000円〜)
0円要問い合わせ要問い合わせ300,000円〜200,000円(税抜)要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
月額費用要問い合わせ
(保守6万円〜/月+ライセンス課金)
30,000円〜
(税込33,000円〜)
30,000円〜(税抜)要問い合わせ600円〜/人(ベーシック)
1,500円〜/人(プレミアム)
42,000円〜70,000円〜(税抜)約5,000円〜/月(参考価格)要問い合わせ
(年間ライセンス+初期費用)
要問い合わせ要問い合わせ
対象業種・実績広告・PR・制作業の導入が最多、1,100社超IT・制作・広告・建設向け、業種別3製品IT・広告・制作・設計等、500社以上IT・広告業向け(V/A版)、導入事例約60社工数管理が起点、900社以上広告代理店・制作会社に特化、150社以上広告代理店・制作ほか、6,000社超メディア・広告・制作等の事例あり中堅〜大企業・海外展開、世界44,000社超IPO準備・中堅〜上場、クリエイティブ業対象広告関連業ほか案件型業種(中堅〜大手)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイトサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

◎=特に強み/●=対応/△=一部・条件付き/×=非対応/-=公式に記載なし。各製品の料金・対応範囲は各社の最新情報をご確認ください。

案件収支管理に特化したタイプ

案件ごとの工数・外注費・媒体費を集計し、粗利や採算をリアルタイムに把握することに重きを置いたタイプです。原価管理をまず手早く始めたい制作会社に向きます。

これらは案件(プロジェクト)単位で収支を管理する「プロジェクト収支管理システム」と総称され、クリエイティブ業に限らずIT開発やコンサルティングなど案件型の業務で広く使われています。業種を限定せず、より多くの製品を同じ土俵で見比べたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

1. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

クラウドERP ZACのウェブサイト

広告・制作やIT、コンサルティングなど、案件(プロジェクト)単位で業務が進む業種に向けた統合型のクラウドERPです。東証プライム上場の株式会社オロが開発し、プロジェクト別の収支管理を軸に、販売管理・購買管理・勤怠/工数管理・経費管理・管理会計を一つにまとめています。

案件に外注費・仕入・労務費・経費を紐づけて個別原価を積み上げ、工数を登録するとその時間が案件別の労務費として自動集計されます。公式が公表した導入企業の業種内訳では広告・PR・制作業が最も多く(2024年公表時点)、クリエイティブ業での利用実績があります。

料金は機能(モジュール)とライセンス数による課金で、初期費用は10万円、保守費用は月額6万円から。各モジュールの単価は公開されておらず、資料請求での確認が必要です。

2. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカンのウェブサイト

案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイムに可視化するクラウド型のプロジェクト収支管理システムです。株式会社PROCANが提供し、IT・システム開発向けの「プロカンIT」、制作・広告・クリエイティブ向けの「プロカン制作」、建設・工事向けの「プロカン建設工事」という業種別の3ラインナップを展開しています。

社内スタッフの工数を「工数×労務単価」で人件費に換算し、外注費などの社外コストと合わせて案件ごとの粗利を可視化します。見積・請求・発注・経費精算・稟議承認までを一つの入力データから続けて処理でき、Googleカレンダーと連携した工数入力にも対応します。

初期費用は150,000円(税込165,000円)から、月額は30,000円(税込33,000円)からで、利用するID数や機能に応じて変動します。IT導入補助金の対象サービスとして案内されています。

3. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAのウェブサイト

統合型クラウドERP「ZAC」を提供する株式会社オロが、案件・プロジェクト型のビジネスに必要な標準機能に絞ってパッケージ化したクラウドERPです。IT業・広告業・イベント業・制作業など、案件単位で業務が進む業種に向けて、販売管理・購買管理・勤怠工数管理・経費管理を一元化します。

従業員が作業内容ごとに工数を入力すると、労務費配賦・共通費配賦の計算を通じて案件原価に反映され、仕掛中の案件でも損益を把握できます。ZACと比べて機能を絞った分、導入期間は1〜2か月程度と短く見積もられています。

料金は初期費用0円、月額30,000円(税抜)からのライセンス従量制で、販売管理・購買管理・勤怠管理・経費管理などの機能を利用人数分だけ選んで契約します。

4. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYESのウェブサイト

株式会社ビーブレイクシステムズが提供する、プロジェクト型ビジネスに特化したクラウド型ERPです。システム開発・SES・コンサルティング向けの「V ver.」と、広告業界に特化した「A ver.」の2つのラインナップを持ち、日々の工数登録から人件費・外注費・経費を案件原価へ反映します。

工数は、担当者マスタに設定した基準時間の単価と作業時間を掛け合わせて労務費に換算され、プロジェクト単位の原価として積み上がります。標準のプロジェクト単位に加え、製品やジョブなど別の単位での原価管理にも対応します。

間接費・共通費の配賦では、工数・人数・売上高・人件費比率に加え、面積や机の数といった情報も配賦基準に設定できます。料金は非公開で、提供形態(SaaS/SaaS+/一括)や利用人数により変わるため問い合わせが必要です。30日間の無料トライアルも用意されています。

5. クラウドログ(株式会社クラウドワークス)

クラウドログのウェブサイト

株式会社クラウドワークスが提供する、工数管理を起点としたプロジェクト収支管理クラウドです。メンバーの作業時間をカレンダー連携などで記録・集計する工数管理ツールを土台に、その実績データから案件の原価と損益を扱う点が特徴です。

記録した工数実績に、メンバーごとに設定した単価を掛けて工数原価を算出し、プロジェクト単位で売上予算・原価予算と実績を突き合わせて損益を可視化します。予算の消化状況をリアルタイムに監視し、超過が見込まれるとアラートで知らせる仕組みも備えます。

料金はベーシックプランが1ユーザー月額600円から、プレミアムプランが1,500円からで、初期費用は別途かかります(要問い合わせ)。7日間の無料トライアルがあり、最低利用期間は12か月です。

販売・基幹業務と一体で原価も扱うタイプ

見積から受注・請求までの販売管理と一体で案件原価を扱うタイプです。営業と経理の業務を一つの仕組みに乗せ、案件の売上と原価を同じ流れで管理したい制作会社に向きます。

6. ADMAN(アドマン)(サイネット株式会社)

ADMAN(アドマン)のウェブサイト

広告代理店や広告制作会社の業務に合わせて作られた、サイネット株式会社のクラウド型販売管理システムです(オンプレミス版も選べます)。案件を起点に、1つの案件へ媒体費・制作費・外注費といった複数の原価を紐づけられる「1対N対N」型のデータ構造を採用し、広告業に特有の収支管理を標準機能で扱えます。

見積書・発注書・納品書・請求書の発行から売掛・買掛、入金・支払の管理までを一つの流れでつなぎ、物販向けのシステムにはない「媒体」の概念を標準搭載します。制作部門では作業内容ごとの工数から進行中案件の労務費を把握でき、勘定奉行や弥生会計など中堅企業向けの会計システムとの連携にも対応します。

料金は初期費用300,000円から、月額42,000円からで、利用ユーザー数やオプションによって変わるため、正式な金額は問い合わせが必要です。広告業界で150社以上の導入実績があり、複数の部署で多くの案件を動かす中堅・大手の広告会社に向いています。

7. 楽楽販売(株式会社ラクス)

楽楽販売のウェブサイト

東証プライム市場に上場する株式会社ラクスが提供するクラウド型の販売管理システムで、公式が対応業種に広告代理店・広告制作を挙げています。見積・受注・請求といった販売業務から、売上・発注・原価・収支までを同じシステムで一元管理できます。

受注による売上と発注による原価、間接費を案件単位で紐づけ、収支を予算対比で自動集計できるため、進行中案件の原価率の変化を把握しやすい作りです。画面や入力フォーム、承認ワークフローをプログラミングなしで自社の運用に合わせて設定できる点も特徴といえます。

料金は初期費用200,000円(税抜)、月額70,000円から(税抜)で、初期費用には専任担当による3か月間の導入支援が含まれます。月額は利用ユーザー数などによって変わり、申し込み前に試せる無料トライアルも用意されています。

8. freee販売(フリー株式会社)

freee販売のウェブサイト

会計ソフトで知られるフリー株式会社のクラウド型販売管理システムです。見積・受注・売上・請求・入金までを案件単位で扱い、freee会計と連携して数字をつなげられます。原価管理の専用製品ではなく、販売管理の一機能として案件別の売上・原価・粗利を見える化する位置づけです。

案件ごとに売上と仕入を登録すると案件別の粗利が集計され、進行中案件の月別原価を追う原価推移レポートも使えます(スタンダードプラン)。人件費まで含めた案件原価を見るには、別契約のfreee工数管理との連携が前提です。メディア・広告業やアニメ制作業の導入事例が公式に紹介されています。

料金は利用ユーザー数に応じた月額で、個人・小規模向けのスタータープランが3名利用で参考価格 約5,000円/月、中小企業向けのスタンダードプランが10名利用で約40,000円/月(いずれも年払い・税抜)です。メールアドレスだけで始められる無料のお試しも可能です。

会計・ERPと統合して原価まで扱うタイプ

会計や経営管理まで含めて全社の数字を統合し、そのなかで案件別の原価も扱うタイプです。規模の拡大や多拠点化が進み、原価管理を全社の基幹業務と一体で運用したい制作グループに向きます。

9. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

Oracle NetSuiteのウェブサイト

日本オラクル株式会社が提供するOracle NetSuiteは、会計・財務管理を中核に、受発注や在庫、CRM、プロジェクト管理までを単一のクラウド基盤へ統合したクラウドERPです。全世界で44,000社以上に利用されており(公式表記、2026年10月時点)、海外拠点を含む多通貨・連結での経営管理を想定した位置づけです。

案件別の原価・収支は、アドオンのプロジェクト管理機能(SuiteProjects)が担います。タイム・アンド・マテリアルや固定価格など複数の案件タイプに対応し、収益とコストの予算からマージンを予測したうえで、予算と実績を突き合わせて管理できます。

購買発注を案件に紐づけ、直接費・間接費を案件予算に配賦できます。これらはNetSuite会計と直接つながるため、案件原価を全社の会計データのなかで扱えます。料金は定価非公開で、年間ライセンス(コア基盤・オプションモジュール・ユーザー数)と初期費用にもとづく個別見積もりです。

案件原価を全社の会計基盤と一体で扱うという設計の背景について、提供元の日本オラクル株式会社の福宮氏は、業務ごとにシステムが分かれるとデータが分断されるという課題を出発点として、次のように説明しています。

福宮氏
日本オラクル株式会社 理事 NetSuite事業統括 営業統括本部長
福宮氏
独自インタビューより

もともとは、創業者のEvan Goldberg(エバン・ゴールドバーグ)が自身の経営経験の中で感じた課題が出発点になっています。会計は会計のシステム、在庫は在庫のシステム、というように業務ごとにシステムが分かれていると、データが分断されてしまって、経営者が全体を見ようとしてもなかなか正確な数字がつかめません。実際に彼自身がその苦労をしていました。そこで、あらゆる業務を一つの基盤で一元管理して、経営者がどこからでもリアルタイムにデータを確認できるようにしたい、という発想からクラウドERPという形にたどり着きました。

10. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド個別原価のウェブサイト

クリエイティブ業やIT・システム開発業など、案件単位で収益と原価を管理する事業を公式が対象業種に挙げているのが、株式会社マネーフォワードのクラウド個別原価です。工数入力から費用データの連携、間接費の配賦、原価の可視化までを一連の流れで扱います。

ワンクリックで労務費・外注費・経費のデータから案件別の原価を算出し、勘定科目ごとに従業員別の単価を設定して労務費を按分できます。間接費は部門・プロジェクトへ多段階で配賦でき、配賦基準はプロジェクト工数比率や部門の従業員数比率、売上予算比率、面積比率、カスタム基準から選べます。

クラウド会計Plusと共通マスタでつながり、費用データの収集や資産への振替仕訳を自動で実行できるため、月次決算の流れのなかで案件原価を確定できます。勤怠・工数管理システム4種とも連携し、実労働時間を工数入力に反映可能です。料金は利用人数や契約内容により変動し、公式では非公開のため要お問い合わせとなります。

11. OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション(株式会社オービック)

OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューションのウェブサイト

OBIC7は株式会社オービックの統合業務ソフトウェア(ERP)で、会計・人事給与・販売などのソリューション群から必要な部門を段階的に導入できます。そのうちプロジェクト管理統合ソリューションは、広告代理業・番組制作・映像制作といった広告関連業などを対象に、案件単位で収益を管理する業種向けのモジュールです。

引合いから受注・売上・開発工数・発注購買・外注支払・旅費経費精算までを案件ごとに一元管理し、案件ごとの進捗状況と収支をタイムリーに把握できる作りです。広告関連業向けには、タレントや専門家への報酬支払、預かり源泉税の管理にも対応します。

同じOBIC7の会計情報ソリューションや人事・給与情報ソリューションと直接連携できるため、案件の数字を全社の基幹業務と一体で扱えます。提供元のオービックはITR調査(2024年度)でERP市場のベンダー別売上金額シェア1位(16.2%)とされています。料金はオンプレミス型・プライベートクラウド型とも非公開で、要お問い合わせです。

出典・参考資料(1件)

まとめ

クリエイティブ業で案件別の原価・粗利を管理するには、案件ごとに工数・外注費・媒体費を集計し、進行中から採算を見られる仕組みが要になります。なかでも労務費を案件に乗せる工数管理との連携と、現場での入力の定着しやすさが、精度を左右する要点です。

製品は、原価管理だけを手早く始めたいなら案件収支管理に特化したタイプ、販売管理ごと乗せたいなら販売・基幹業務と一体のタイプ、会計まで統合したいなら会計・ERP統合のタイプが候補になります。自社の業態と規模、既存のシステム環境に照らして、まずは気になる製品の資料を取り寄せ、案件原価の扱い方や工数連携を見比べてください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】管理会計システムの資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. クリエイティブ業の案件別原価管理とは何ですか?

A. クリエイティブ業の案件別原価管理とは、広告・制作などの案件(プロジェクト)ごとに外注費・媒体費・労務費・諸経費を集計し、売上と突き合わせて案件単位の採算(粗利)を把握することです。工場で同じ製品を量産する業種と違い、案件ごとに体制もコスト構造も変わるため、原価を製品単位ではなく案件単位で積み上げて見るのが基本になります。

Q. クリエイティブ業向けの原価管理システムは、案件の原価管理だけを先に導入できますか?

A. 製品のタイプによって異なり、案件収支管理に特化したタイプなら原価・工数・粗利の管理から手早く始めやすく、販売管理や会計と一体のタイプでも必要な機能(モジュール)を選んで段階的に広げられることが多いです。まず案件別の原価把握だけを始めたいのか、将来的に見積・請求や会計まで乗せたいのかで、向くタイプが変わります。最初に解決したい範囲を決めてから、その範囲に対応する製品を見比べるとよいでしょう。

Q. クリエイティブ業向けの原価管理システムは、既存の販売・会計・勤怠システムと連携できますか?

A. 多くの製品がAPI や CSV による連携、あるいは販売・会計・勤怠まで含む一体型での一元管理に対応しており、見積・請求や仕訳、工数のデータを二重入力せずに扱えます。

すでに使っている会計ソフトや勤怠システムがある場合は、連携でつなぐ方式が合うか、販売管理や会計まで一体の製品にまとめる方式が合うかを、自社の既存環境を前提に判断することになります。連携の可否や対象システムは製品ごとに異なるため、資料請求で具体的な連携先を確認するのが確実です。

Q. 原価管理システムの工数入力は、現場のクリエイターに定着しますか?

A. 定着するかどうかは製品次第で、工数入力が普段の業務の流れに馴染み、手間なく続けられる作りかどうかが分かれ目になります。入力が面倒で後回しにされると労務費が実態とずれ、案件原価の精度も下がります。カレンダーやタスク管理との連携、スマートフォンやブラウザからの隙間時間での記録など、現場の運用に合う入力方法を備えているかを確認するとよいでしょう。

Q. クリエイティブ業向けの原価管理システムの料金相場はどのくらいですか?

A. 製品や対応範囲によって幅がありますが、初期費用は0〜30万円程度、月額はユーザー単位の数千円から、機能を広く使う製品では数万円以上が目安です。会計統合型やERPなど規模の大きい製品は料金を公開せず、個別見積もりとするものも多く見られます。料金体系も利用人数単位・モジュール単位などさまざまなので、自社の人数と使いたい範囲で費用がどう変わるかを、資料請求や見積もりで確認するのが確実です。

Q. 案件収支特化・販売一体・ERP統合のうち、どのタイプを選べばよいですか?

A. 自社がどこまでの業務を一つの仕組みで扱いたいかで決まります。原価管理をまず手早く始めたいなら案件収支管理に特化したタイプ、見積・請求の販売管理ごと乗せたいなら販売・基幹業務と一体のタイプ、会計まで全社で統合したいなら会計・ERP統合のタイプが候補になります。

規模の拡大や多拠点化が進んでいる制作グループほど、統合型が向く傾向があります。判断に迷う場合は、記事内の選定診断ツールで自社の状況に合うタイプを確認できます。

Q. 少人数の制作会社でも原価管理システムを導入する意味はありますか?

A. 少人数でも導入する意味は大きく、案件ごとの粗利が見えることで赤字案件に早く気づき、次の見積や人員配置の判断材料にできる点は規模を問わず効果があります。利用人数単位で課金され小規模から始めやすい製品もあり、スタッフ一人ひとりの工数が売上に直結する少人数の制作会社ほど、労務費を含めた案件採算の把握が経営判断に効いてきます。まずは自社の案件数や人数に合う料金体系の製品から検討するとよいでしょう。

クリエイティブ業向け原価管理システムの料金・資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、広告・制作の案件別原価管理に使えるサービスの最新資料を無料で一括請求できます。案件原価の扱い方や工数連携、料金を見比べる材料としてご活用ください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】管理会計システムの資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

関連記事

新着記事

管理会計システム
おすすめの診断サービス