サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

オンラインサービスに決済を導入したい

収納・集金代行(個人向けサービス用)
の関連情報


関連サービス資料を
無料で一括ダウンロード

, ,

【専門家コラム】口座振替代行・収納代行の会社が破綻したら、回収された代金は戻るのか|信託保全・専用口座・帳簿上での分別管理の違い

口座振替代行・収納代行の 会社が破綻したら、 回収された代金は戻るのかのサムネイル画像
収納・集金代行(個人向けサービス用)比較表(2026年版)のプレビュー

主要16サービスの料金・機能を無料で一覧比較

収納・集金代行(個人向けサービス用)比較表(2026年版)

口座振替代行や収納代行の会社が破綻すると、顧客から回収した代金が事業者に届かなくなることがあります。

この場合、事業者は顧客に対して再請求できるのでしょうか。信託保全や専用口座での管理などが行われていれば、回収金は守られるのでしょうか。法律と実務の観点から解説します。

執筆者
阿部由羅弁護士の顔写真

ゆら総合法律事務所 代表弁護士(埼玉弁護士会)

阿部 由羅

西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。ベンチャー企業のサポート・不動産法務・金融法務・相続などを得意とする。
本コラムは執筆者の専門的知見に基づく寄稿です。
ページ内でご紹介している製品・サービスは編集部が独自に選定したものであり、執筆者が選定・推奨するものではありません。
収納・集金代行(個人向けサービス用)の関連サービス資料
PR
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

1. 収納代行業者に代金などを支払ったら、顧客の債務は消えるのか?

「収納代行」とは、商品やサービスを販売する事業者に代わって、顧客から代金を回収するサービスです。口座振替やコンビニ収納などを通じて利用されており、収納代行業者は顧客から回収した代金を、後日まとめて事業者に引き渡します。

収納代行業者が破綻した場合、信託保全などの措置が取られていなければ、事業者は収納代行業者がすでに回収した代金を全額回収することが難しくなります。

この場合、事業者が顧客に対して代金を再請求できるか否かが重要な論点となりますが、収納代行業者に「代理受領権限」が与えられているかどうかなどによって結論が異なります。

代理受領権限とは、債権者に代わって債務の弁済を受ける権限をいいます。収納代行の場合は、事業者が顧客に対して有する代金債権等につき、収納代行業者に代理受領権限を与えているかどうかが問題となります。

収納代行業者が代理受領権限を有する場合、顧客は代金を収納代行業者に支払えば、事業者との関係でもその債務を免れます。回収した代金を持ったまま収納代行業者が破綻しても、事業者は顧客に対して代金を再請求することはできません。

これに対し、収納代行業者に代理受領権限がない場合は、顧客が収納代行業者に対して代金を支払っても、その時点では債務が消滅するとは限りません。

収納代行業者に受領権限があるかのような外観があり、顧客が受領権限の存在を過失なく信じた場合には収納代行業者に対する弁済が有効と認められ、顧客の債務が消滅することもあります(民法478条)。

また、事業者が支払いによって利益を受けた場合も、その限度で弁済が有効になることがあります(民法479条)。

ただし、これらの規定が適用されるかどうかについては個別の検討を要します。

仮に顧客の債務が消滅しないとすれば、回収した代金を持ったまま収納代行業者が破綻した場合、事業者は顧客に対して再請求できる可能性があります。

実務上、為替取引規制の適用状況などを踏まえたうえで、日本国内で展開される収納代行サービスでは、収納代行業者に代理受領権限が付与されているケースが多く見られます。

しかし、すべての収納代行サービスがそうであるとは限らないので、念のため収納代行に関する契約書や利用規約の規定を確認しましょう。

代理受領権限の有無や、顧客の債務の消滅時期がどのように定められているかを正しく把握することが大切です。

2. 収納代行業者が破綻した場合、回収済みの代金は戻ってくるか?信託保全・専用口座・社内分別管理の違い

収納代行業者が破綻した場合、回収済みの代金を事業者が取り戻せるかどうかは、回収金の保管方法によって異なります。法的な観点から、回収金が収納代行業者自身の財産(=固有財産)に当たるのか、それとも固有財産から独立したものとして保護されるのかがポイントです。

収納代行業者における回収金の管理方法としては、主に次の3つが挙げられます。

①信託保全

②事業者ごとの専用口座による分別管理

③共通口座での帳簿上の分別管理

それぞれの管理方法の概要と、収納代行業者が破綻した場合の取扱いを解説します。

2-1. 信託保全

信託保全とは、収納代行業者が回収した代金を信託銀行などに信託し、収納代行業者自身の財産から法的に分離して管理する仕組みです。

信託財産は受託者(信託銀行など)に帰属するため、委託者である収納代行業者が破産しても破産財団に組み込まれず、破産管財人による管理・処分の対象になりません。したがって信託保全が適切に行われていれば、収納代行業者が破綻した場合でも、事業者は信託契約の定めに従って回収金の支払いを受けられます。

ただし、信託保全の対象となる金額や、誰が受益者として回収金の支払いを受ける権利を持つのかは、信託契約によって異なります。常に回収金の全額が保護されるとは限らない点に注意が必要です。

2-2. 事業者ごとの専用口座による分別管理

収納代行業者は、契約している事業者ごとに専用口座を設け、その口座にて回収金を管理する場合があります。

信託保全とは異なり、専用口座による分別管理の場合は、破産時に破産財団に組み込まれないことが常に保障されるわけではありません。

この点につき、代理店に対する金融機関の債権と専用口座の預金債権との相殺が問題となった最高裁平成15年2月21日判決が一定の参考になります。

損害保険代理店が特定の保険会社の保険料だけを入金する専用口座を開設して管理していましたが、最高裁は、その預金が保険会社ではなく損害保険代理店に帰属すると判断しました。

契約上は分別管理や他の目的への流用禁止などが定められていたものの、保険会社が代理店に預金契約を締結する代理権を与えておらず、通帳・届出印の管理や入出金の管理を損害保険代理店が行っていたなどの事情が重視されたものです。

上記の判例からは、特定の事業者の専用口座が開設されていても、預金がその事業者へ帰属するとは限らないことが分かります。

このような場合には、口座名義人(収納代行業者など)が破綻すると、専用口座内の預金が破産財団へ組み込まれてしまう可能性があります。

破産財団に組み込まれた預金は、破産手続きの費用や一般債権者に対する配当などに充てられます。債権額に応じた按分弁済等が行われるため、全額の回収は事実上困難です。配当をほとんど受けられないケースもあります。

2-3. 共通口座での帳簿上の分別管理

収納代行業者は、複数の事業者から回収した代金を共通の銀行口座に入金し、事業者ごとの残高を帳簿上で区分して管理しているケースもあります。

この方法では、専用口座による分別管理とは異なり、預金口座が事業者ごとに分けられていません。そのため、回収金が収納代行業者自身の財産から法的に独立していることは、専用口座による分別管理の場合よりも認められにくい傾向にあります。

一定の参考になる判例として、最高裁令和8年1月20日判決が挙げられます。弁護士が依頼者からの預り金を「預り金口」で自己の財産から分別管理していたところ、弁護士自身の債権者によって預金が差し押さえられました。

最高裁は、預り金について信託契約が成立する可能性を否定しなかったものの、そのためには、預り金を一定の目的に従って管理・処分することについての合意が必要であり、その目的を具体的に明らかにする必要があると判示しました。

この判例からは、単に預り金を自己の財産から分別して管理しているだけでは、口座名義人の債権者からの差押えや、破産手続きによる処分を回避できるとは限らないことが分かります。

収納代行については、契約の規定などに照らし、回収金の管理・処分の目的についてどのような合意がなされているかが破綻時の取扱いを左右すると考えられます。

3. 収納代行サービスを選ぶ際に確認すべき事項|信託保全の義務がないことに注意

日本の法規制上、一般的な収納代行サービスには、回収金を信託などによって保全する法律上の義務が課されていません。

2019年の金融審議会ワーキング・グループ報告では、顧客が収納代行業者に支払った時点で債務が消滅し、二重払いの危険がないことが契約上明らかな場合などには、為替取引に関する規制を適用する必要性は必ずしも高くないと整理されています。

為替取引に関する規制の対象外となる場合、資金移動業者に義務付けられる履行保証金の供託等が必要ありません。回収金をどのように管理するかは、各収納代行業者の方針や取り組みに委ねられます。

そのため、事業者が収納代行サービスを選ぶ際には、収納代行業者の破綻時における回収不能リスクを確認することをお勧めします。特に、契約の規定などから次の事項を確認しましょう。

①入金サイクルと回収金の滞留期間

顧客から回収した代金が、何日後に事業者へ送金されるのかを確認しましょう。

送金までの期間が長いほど、破綻時に回収できなくなるリスクが高まります。

②回収金の保全方法

信託保全が行われているか、専用口座による管理や帳簿上の分別管理にとどまるかなどを確認します。

信託保全の場合は、保全対象となる金額や、事業者自身が受益者となっているかどうかも確認しましょう。

③収納代行業者が破綻した場合の取扱い

破綻時に回収金がどのように取り扱われるのかを確認します。

ただし、回収金の返還義務等が定められていても、それだけで破産時に優先的な回収が認められるとは限らないので注意が必要です。

関連記事

新着記事

収納・集金代行(個人向けサービス用)
おすすめの診断サービス