サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

売掛金の残高が合わない原因は?差額の調べ方と仕訳例をわかりやすく解説

売掛金の残高が合わない原因は?差額の調べ方と仕訳例をわかりやすく解説のサムネイル画像
債権管理システム比較表(2026年版)のプレビュー

主要22サービスの料金・機能を無料で一覧比較

債権管理システム比較表(2026年版)

月次の試算表や決算で売掛金の残高を確認したとき、帳簿の数字が実際の入金や請求の合計と合わず、原因が分からないまま手が止まってしまうことがあります。

売掛金の残高が合わない原因は、売上の計上漏れや二重計上、入金消込のミス、消費税の端数処理の違いなど、いくつかの決まったパターンに分かれます。原因のパターンと、差額の金額から原因を絞り込む調べ方を知っておけば、ズレの大半は自分で特定して直せます。

本記事では、売掛金の残高が合わなくなる主な原因を起こりやすい順に整理し、差額から原因を絞り込む調べ方、原因別の仕訳例、どうしても特定できないときの対応までを、具体例とともに解説します。記事の後半では、手作業の入金消込・突合の負担を減らす債権管理システムも紹介します。

売掛金の残高が合わないときの解決手順を5ステップで示した図解。STEP1 原因の型を知る(計上漏れ・二重計上、消込ミス、端数処理など)、STEP2 差額で絞り込む(同額の伝票を探す、2で割る・9で割る、取引先別・月別で発生点を特定)、STEP3 仕訳で直す(原因ごとに借方・貸方を調整して残高を実態に合わせる)、STEP4 照会・税務処理(社内で不明なら残高確認状で照合、古い残高は税務上の扱いに注意)、STEP5 再発防止(毎月・取引先別の残高確認、エイジング管理、一元管理)。
債権管理システムの関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】債権管理システムの資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

売掛金の残高が合わなくなる主な原因

売掛金の残高は、前月末の残高に当月の売上(掛売り)を足し、当月の入金を差し引いて計算します。この計算のどこかで、計上・入金・消込の処理が実際とずれると、帳簿の残高が合わなくなります。まずは起こりやすい原因から、自分のケースに当たりを付けていきましょう。

売上の計上漏れ・二重計上

請求したのに売上を計上していない、あるいは同じ売上を二重に計上しているパターンです。売上を計上していなければ残高は実際より小さくなり、二重計上していれば大きくなります。月をまたぐ取引や、販売管理システムと会計システムを別々に入力している場合に起こりやすい原因です。

請求ミス・取引先の検収漏れ

請求金額の入力ミスや、取引先側での検収のずれによって、こちらの請求額と相手の認識額が食い違うケースです。相手が検収していない分は入金されず、残高に差額として残り続けます。金額の桁違いや単価の誤りも、この区分に含まれます。

入金消込のミス・漏れ

入金があったのに消込をしていない、別の請求に誤って消し込んだ、同じ入金を二重に消し込んだ、といった消込段階のミスです。手作業で銀行明細と請求を突き合わせていると、件数が増えるほど発生しやすくなります。消込漏れがあると、入金済みの債権が残高に残ったままになります。

消費税の端数処理の違い

自社と取引先で消費税の端数処理の方法が違うと、1円単位の差額が生じます。インボイス制度では、消費税額の端数処理は一つの適格請求書につき税率ごとに1回と定められていますが、切上げ・切捨て・四捨五入のどれを使うかは事業者が任意に選べます。方法が相手と異なれば、請求額と入金額が1円ずれることがあります。

適格請求書の記載事項である消費税額等に1円未満の端数が生じる場合は、一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要があります(消令70の10、基通1-8-15)。
なお、切上げ、切捨て、四捨五入などの端数処理の方法については、任意の方法とすることができます。

出典:消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A 問57(令和6年4月改訂)|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/qa/57.pdf)

売掛金と売上外(未収入金・立替金)の入り繰り

本来は未収入金や立替金で処理すべきものを売掛金に混ぜて計上していると、残高が本業の掛売り債権と合わなくなります。売掛金は本業の営業取引で生じる債権、未収入金は固定資産の売却など本業以外で生じる債権、立替金は取引先などのために一時的に立て替えた金銭です。科目を取り違えると、入金されても売掛金として消し込めず差額が残ります。

締め日・計上基準の違い

自社の締め日と取引先の締め日が違う、あるいは出荷基準・検収基準といった売上の計上基準が社内で統一されていないと、期末をまたぐ取引で残高がずれます。月末時点で「相手はまだ計上していない」取引が差額として現れるため、締め日と計上基準の違いによるものかを確認するのが出発点です。

この違いによる差額は記帳の誤りではなく、翌月以降に解消される期ズレであることが多いため、仕訳で消す対象ではありません。翌月以降に照合すると、期ズレであれば差額は自然に解消します。

差額から原因を絞り込む調べ方

原因のパターンが分かったら、次は差額の金額と性質から原因を絞り込みます。やみくもに伝票を一枚ずつ見返すのではなく、差額の金額そのものを手がかりにすると、確認すべき場所を一気に狭められます。差額の手がかりごとに、疑う原因と確認する場所を整理すると次のようになります。

差額の手がかり疑う原因確認する場所
特定の請求・入金と同じ金額その1件の計上漏れ・二重計上・消込漏れ同額の売上伝票・入金伝票1件
2で割り切れる貸借を逆に記帳(反対記入)差額÷2と同額の取引の借方・貸方
9で割り切れる桁違い・数字の入れ替え(転記ミス)金額の桁・数字の並び
金額から当たりが付かない発生時期・取引先のずれ取引先別・月別の残高推移

差額と同じ金額の伝票を探す

まず、差額とぴったり同じ金額の売上伝票・入金伝票がないかを探します。差額と同額の伝票が見つかれば、その1枚の計上漏れ・二重計上・消込漏れが原因である可能性が高く、確認対象を1件に絞り込めます。差額が特定の請求書や入金の金額と一致しないかを先に当たるのが近道です。

差額を2で割る・9で割る

差額と同額の伝票が見つからないときは、差額を2で割る・9で割るという検算が役立ちます。

差額が2で割り切れるときは、本来とは貸借を逆に記帳した(反対記入)可能性を疑います。借方に計上すべき金額を貸方に記帳すると、正しい残高との差はその金額の2倍になります。差額を2で割った金額の取引が、貸借を逆に入力されていないかを探します。同じ金額を二重に計上した場合は、差額がその金額そのものになるため、前項の「同額の伝票を探す」で見つかります。

差額が9で割り切れるときは、桁違いや数字の入れ替え(転記ミス)を疑います。たとえば「12,000」を「21,000」と書き間違えるといった桁の入れ替えや、一桁ずらした入力で生じる差額は、9の倍数になる性質があるためです。差額が9で割り切れたら、金額の桁や数字の並びを打ち間違えていないかを重点的に見直します。

取引先別・月別で「いつから」「どこで」ずれたかを特定する

金額から当たりが付かないときは、売掛金を取引先別・月別に分解し、どの取引先の、いつの残高からずれ始めたかを特定します。前月末までは合っていた取引先の残高が当月だけ合わないなら、確認範囲はその取引先の当月の取引に絞られます。取引先ごと・月ごとに残高の推移を並べると、ズレの発生点が一目で分かり、全件を見返す手間を省けます。

たとえば、A社の売掛金が前月末は50万円、当月は請求30万円・入金50万円だったとします。本来の当月末残高は50万円+30万円−50万円=30万円のはずが、帳簿では40万円になっている。前月末までA社の残高は合っていたので、ズレは当月のA社取引に限られます。あとは10万円の差額と同額の伝票(計上漏れ・二重計上・消込漏れ)を当月のA社取引から探せば済みます。

原因別の直し方|仕訳例

原因を特定できたら、原因ごとに仕訳で残高を実態に合わせます。ここでは、ズレの原因として代表的なケースについて、借方・貸方と金額例を示します。金額は一例で、実際の処理は自社の経理方式や証憑に合わせて判断してください。

計上漏れ・二重計上・入金消込漏れを直す仕訳

残高のズレで最も多いのが、売上の計上漏れ・二重計上と、入金の消込漏れです。それぞれ次のように仕訳で直します。

場面借方貸方
売上の計上漏れ(売上を計上する)売掛金 100,000売上 100,000
二重計上の取消(逆仕訳で戻す)売上 100,000売掛金 100,000
入金消込漏れ(入金を消し込む)普通預金 100,000売掛金 100,000

二重計上は、同じ売上を2回計上している伝票を取り消します。消込漏れは、入金済みなのに消し込んでいない請求を消し込みます。どの取引が対象かは、前の「差額から原因を絞り込む調べ方」で特定した伝票に合わせます。

消費税の端数処理による差異を調整する仕訳

端数処理の違いで入金額が請求額より1円少なかったケースです。税抜経理方式では、売上の消費税を仮受消費税等として処理するため、差額の1円を仮受消費税等で調整して売掛金を消し込みます。

借方貸方
普通預金 10,000売掛金 10,001
仮受消費税等 1 

差額を仮受消費税等で調整できるのは、税抜経理方式を採っている場合です。税込経理方式では仮受消費税の勘定を使わないため、同じ1円の差額は雑収入(入金が請求より多いとき)または雑損失(入金が少ないとき)として処理します。税込経理方式で、請求10,001円に対し入金が10,000円だった場合は、次のように売掛金を全額消し込みます。

借方貸方
普通預金 10,000売掛金 10,001
雑損失 1 

消費税の課税事業者は税抜・税込どちらの方式を選んでもよいとされているため、自社の方式に合わせます。

出典・参考資料(1件)

売掛金と未収入金・立替金の入り繰りを振り替える仕訳

本来は未収入金や立替金で処理すべきものを売掛金で計上していた場合は、正しい科目へ振り替えます。固定資産の売却代金など本業以外の未収分を売掛金に計上していたケースでは、次のように振り替えます。

借方貸方
未収入金 200,000売掛金 200,000

取引先のために立て替えた金銭を売掛金に含めていた場合は、立替金へ振り替えます。どの科目が正しいかは契約や取引の内容で決まるため、証憑を確認したうえで振り替えます。

内容不明な入金を仮受金で受けて充当する仕訳

どの請求に対する入金か分からない振込があったときは、いったん仮受金で受けておき、内容が判明してから売掛金に充当します。内容不明のまま売掛金を消し込むと、別の消込ミスを招くためです。

場面借方貸方
入金時(内容不明)普通預金 50,000仮受金 50,000
内容判明後仮受金 50,000売掛金 50,000

一部入金・振込手数料差引への対応

請求額の一部だけが入金された場合は、入金分だけを消し込み、残額は売掛金に残します。残額を無理に消すと、今度は入金待ちの債権が見えなくなります。

借方貸方
普通預金 60,000売掛金 60,000

請求100,000円に対し60,000円が入金された例です。残りの40,000円は売掛金に残したまま、入金を待ちます。

取引先が振込手数料を差し引いて入金し、その手数料を自社が負担する取り決めのときは、差し引かれた手数料を支払手数料として処理して売掛金を全額消し込みます。

借方貸方
普通預金 99,780売掛金 100,000
支払手数料 220 

社内で原因が特定できないときの対応

自社の帳簿を見直しても差額の原因が特定できないときは、取引先に照会して認識を突き合わせる方法と、それでも分からない古い残高を税務上どう落とすかを検討します。

取引先に残高確認状を送って照合する

社内で原因が見つからないときは、取引先に残高確認状を送り、相手が認識している残高と自社の帳簿残高を突き合わせます。相手の金額と照合すれば、請求漏れ・検収のずれ・入金の行き違いなど、自社側だけでは見えなかった原因を特定できます。

残高確認状には、基準日(いつ時点の残高か)、自社が認識している売掛金残高、取引先名を記載し、相手の帳簿残高と一致するか・しない場合はその金額と内訳を回答してもらう形式が一般的です。

残高確認状は、差額が大きいときや、決算・監査で残高の正確性を確かめたいときに送るのが有効です。日常的に全取引先へ送るものではないため、金額の大きさや取引の重要度で対象を絞るのが現実的です。

どうしても原因不明な古い残高の落とし方(税務上の扱い)

残高確認をしても原因が分からない古い残高は、放置すると売掛金が過大なまま残り、税務調査や監査で指摘される要因になります。帳簿から落とす方法は、差額の実態によって次の3通りに分かれます。どれを使えるかは事実関係で変わり、税務上の扱いも異なるため、処理の前に税理士に確認することをおすすめします。

落とし方どんな残高に使うか税務上の扱い・注意
貸倒損失回収不能・取引停止が特定できた売掛債権国税庁の定める事実(全額回収不能、取引停止後1年以上経過など)を満たす必要がある。計上できる時期が決まっており、時期を誤ると損金算入が否認されうる
売上値引・返品差額の原因が値引・返品と判明した場合当期の売上のマイナスとして処理する。取引先への通知が必要。原因不明の残高を恣意的に消す手段としては使えない
雑損失・前期損益修正損実在性がなく、他の区分にも当てはまらない残高会計上は損失として計上できても、税務上はそのまま損金に算入できず、申告調整(加算・留保)が必要になる場合がある

貸倒損失として損金に算入できるのは、債権が実在し、回収不能や取引停止といった事実を特定できる場合に限られます。たとえば、取引を停止してから1年以上が経過した売掛債権は、次の要件のもとで貸倒れとして損金経理ができます。

継続的な取引を行っていた債務者の資産状況、支払能力等が悪化したため、その債務者との取引を停止した場合において、その取引停止の時と最後の弁済の時などのうち最も遅い時から1年以上経過したとき(その売掛債権について担保物のある場合は除きます。)

出典:No.5320 貸倒損失として処理できる場合(法基通9-6-3)|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5320.htm)

取引先すら特定できない純粋な帳簿上の差額は、この貸倒れの要件を満たしません。実在性のない売掛金を帳簿から落とす場合、会計上は損失として計上しても、税務上は損金に算入されず申告で加算・留保になることがあります。科目や損金算入の可否は差額の実態によって変わるため、断定せず税理士に相談したうえで処理してください。

出典・参考資料(2件)

残高のズレを防ぐ再発防止策

原因を直しても、消込や計上の運用が変わらなければ同じズレを繰り返します。ここからは、残高のズレを未然に防ぐための管理の工夫を紹介します。

毎月・取引先別に残高を確認する

決算のときだけ残高を照合すると、ズレが1年分たまってから原因を探すことになります。毎月、取引先別に売掛金残高を確認し、その月のうちに差額を解消しておけば、確認範囲が当月分に限られ、原因の特定も容易になります。

売掛金年齢表(エイジング)で滞留・ズレを早期把握する

売掛金年齢表(エイジング表)は、売掛金を発生からの経過期間別に並べた表です。たとえば取引先ごとに、30日以内/31〜60日/61〜90日/91日以上といった区分で残高を並べます。すると、入金予定を過ぎても残っている債権や長期間動かない残高が一目で分かり、消込漏れや回収遅れを早期に発見できます。入金予定を大きく過ぎても滞留している債権は、回収遅れや不良債権の兆候として重点的に確認します。

取引先ごと・締め日ごとに一元管理する

請求と入金の情報が担当者ごとのExcelに分散していると、消込の基準が属人化し、ズレの原因になります。取引先ごと・締め日ごとに請求と入金を一元管理し、誰が見ても同じ基準で消し込める状態にしておくと、残高の正確性を保ちやすくなります。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】債権管理システムの資料を
一括ダウンロードする

手作業の消込・突合の限界を解消する

残高のズレは、消込漏れ・振込手数料の差引・一部入金・振込名義の不一致など、手作業での消込・突合で起こりやすいミスも大きな原因の一つです。取引件数が増えると、Excelと銀行明細を1件ずつ突き合わせる方法では限界が来ます。

債権管理システムを使うと、入金データと請求データを自動で照合(自動消込)し、こうしたズレの発生そのものを抑えられます。ここでは、入金消込・突合を自動化できる主なサービスを紹介します。

← 横にスクロールできます →
サービス名Bill One債権管理請求管理ロボマネーフォワード クラウド債権管理V-ONEクラウドバクラク債権管理楽楽債権管理
消込の方式請求先ごとのバーチャル口座
(Bill One Bank)
全銀データ・CSV取込+
バーチャル口座(バンクチェック)
機械学習(AI)による
自動照合
独自照合ロジック+
AI学習
AIによる自動照合
(入金消込エージェント)
銀行明細の自動突合+
AI照合アシスト(β版)
振込名義の不一致●バーチャル口座で請求先を特定●AI消込学習+バーチャル口座△AIが類似名義の候補を提案△AI学習で照合率が向上△AIが入金と請求を照合△AI照合アシスト(β版)で提案
合算入金(まとめ入金)●合算入金を自動消込●自動合算消込機能●複数請求・一括入金を自動紐付け●請求N件対入金N件の照合公式に記載なし公式に記載なし
一部入金・過入金公式に記載なし●入金繰越・請求明細単位の消込△分割入金に対応(過入金は記載なし)公式に記載なし公式に記載なし公式に記載なし
振込手数料の差引公式に記載なし公式に記載なし●得意先別に学習・負担区分を設定公式に記載なし公式に記載なし●誤差許容金額の範囲内で自動消込
請求書の発行●バーチャル口座付き請求書を発行●発行・送付にも対応×消込特化(発行なし)×消込特化(発行なし)△シリーズの請求書発行と連携×消込特化(発行なし)
仕訳データの出力公式に記載なし●会計ソフト連携で出力●会計システム向けに出力●消込仕訳を出力●売上・消込仕訳を自動生成●仕訳データをCSV出力
料金(月額の起点)要問い合わせ
(発行件数連動の年額)
要問い合わせ
(月額+請求件数従量)
要問い合わせ
(件数従量制)
要問い合わせ月30,000円〜
(税抜・年間契約)
月20,000円〜
(税抜・初期100,000円)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※上記は各社公式サイトの公開情報(2026年10月時点)をもとに作成しています。「公式に記載なし」は各社が公式に明示していない項目で、機能の非対応を示すものではありません。実際の対応可否・料金・提供形態は各社の最新資料でご確認ください。

ここで取り上げたのは、残高のズレに直結する入金消込・突合の自動化に対応する主なサービスです。照合方式や例外対応(振込名義の不一致・一部入金・合算入金)、会計ソフト連携まで比べて入金消込システムをより広く検討したい場合は、次の記事で18サービスを選び方とあわせて解説しています。

ここからは、各サービスの特徴を順に見ていきます。

1. Bill One債権管理(Sansan株式会社)

Bill One債権管理のウェブサイト

Bill One債権管理は、請求先ごとに固有のバーチャル口座番号を自動で割り当て、その口座を振込先とした請求書を発行することで、入金情報と債権情報を自動でマッチングする点が特徴です。口座番号で取引先を特定するため、複数の請求分をまとめた合算入金や、債権の名義と振込人名義が一致しない入金についても、公式サイトは入金消込の自動化に対応すると説明しています。

バーチャル口座は法人向けプラットフォーム「Bill One Bank」で発行され、請求書の作成・発行から入金消込までをBill One上で一元管理できます。口座番号で請求先を特定する方式のため、振込名義の揺れや合算入金による消込漏れが起きにくい仕組みです。

2. 請求管理ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

請求管理ロボのウェブサイト

請求書の発行・送付から集金、入金消込、未入金の催促までを一つのクラウドで自動化するサービスです。全銀データやCSVの取り込みに加え、取引ごとに個別の口座番号を割り振るバーチャル口座の仕組みを使うと、振込人名が一致しなくても取引先を特定して消し込めます。公式サイトは、バーチャル口座利用時の消込精度を99%以上(同社データ)としています。

名義不一致で自動消込ができなかった口座名義をAIが学習し、一度手動で紐付けると次回から自動で消し込む機能も備えます。一部入金は次月への繰越、過入金は次回請求での控除に対応します。請求書の発行から消込・催促までを一つのクラウドでつなげられる点が持ち味です。

3. マネーフォワード クラウド債権管理(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド債権管理のウェブサイト

入金照合・消込業務の自動化に特化したサービスで、請求書の発行機能は持たず、すでに別のシステムで請求書を発行している企業が消込部分だけを効率化する使い方にも対応します。金融機関の入金データと請求データを一つの画面で突き合わせて一括消込し、一致しなかったデータは個別消込画面で処理します。

機械学習による自動照合で、締め請求やサブスクリプション型の請求、分割入金といった実務で頻発する複雑な消込パターンにも対応します。消込結果から会計システム向けの仕訳データを出力でき、手作業では手間のかかる照合を機械学習でさばける点が強みです。

機械学習による消込は、運用しながら精度が高まる仕組みのため、導入直後から完全に自動化できるわけではありません。同サービスを提供する株式会社マネーフォワードの栗本氏は、精度が安定するまでの目安について次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

機械学習を使っているため、最初から100点を目指すというよりは、使い続けていくことで照合精度が上がっていく仕組みです。目安としては3ヶ月程度で精度が安定してきますが、、お客様のシチュエーションによっても異なります。継続的にお取引をされる企業が中心なのか、新規の取引先が多く入ってくるのかによっても学習のスピードは変わってきます。

4. V-ONEクラウド(株式会社アール・アンド・エー・シー)

V-ONEクラウドのウェブサイト

入金消込に特化したクラウドサービスで、独自の照合ロジックとAIの学習によって自動消込を行います。一度照合した請求と入金の組み合わせをAIが学習し、次回以降の自動照合率が高まる仕組みです。請求N件対入金N件の照合や科目をまたいだ照合にも対応します。

消込結果からの仕訳出力や、消込をシミュレーションする機能も備えます。運営会社が約20年にわたって入金消込・債権管理に特化してきた専業で、月間100件から1万件規模の入金処理に使われています。

5. バクラク債権管理(株式会社LayerX)

バクラク債権管理のウェブサイト

経費精算や請求書の受取・発行を擁する「バクラク」シリーズの債権管理プロダクトで、AIが入金データと請求データを照合し、消込・仕訳・督促を自動化します。全国の金融機関から入金データを自動取得し、事前に設定した条件に従って請求情報と自動で紐づけます。

2025年11月には、日々のログインをせずに入金確認から消込までを自動化する「入金消込エージェント」の提供を開始しました。口座振替の依頼データ作成から入金消込までのワンストップ対応や前受金処理の自動化にも対応します。経費精算・請求書発行などシリーズの他機能と組み合わせると、請求から入金・仕訳までを一続きで扱えます。

6. 楽楽債権管理(株式会社ラクス)

楽楽債権管理のウェブサイト

請求データと入金データの照合・消込を効率化する債権管理クラウドです。複数の銀行から入金データを自動取得し、請求額と突き合わせて一括で消し込みます。取引先ごとに誤差許容金額を設定でき、振込手数料が差し引かれた入金でも、その範囲内であれば自動で消込を完了できます。

振込名義が異なる場合は、AIが推測して消込を提案するAI照合アシスト機能(β版)を備えます。消込結果からは仕訳データを作成してCSVで出力できます。取引先ごとの誤差許容金額の設定により、振込手数料の差引による小さな差額まで自動消込でカバーする点が特徴です。

消込の負担だけでなく、請求書の発行や与信・督促、会計システムとの連携まで含めて債権管理の仕組み全体を見直したい場合は、消込・請求一体・与信督促・ERP統合のタイプ別に選び方を整理した次の記事が参考になります。

まとめ

売掛金の残高が合わない原因は、売上の計上漏れ・二重計上、請求ミスや検収のずれ、入金消込のミス、消費税の端数処理の違い、科目の入り繰り、締め日・計上基準の違いといったパターンに整理できます。

差額と同額の伝票を探す、差額を2で割る・9で割る、取引先別・月別でいつからずれたかを特定する、といった調べ方で原因を絞り込めば、原因別の仕訳で残高を実態に合わせられます。社内で特定できないときは残高確認状で取引先と照合し、それでも不明な古い残高は税務上の扱いに注意して処理します。

毎月の残高確認やエイジング管理に加え、入金消込・突合を自動化する債権管理システムを使えば、ズレの発生そのものを抑えられます。自社の運用に合うサービスを、資料で比較してみてください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】債権管理システムの資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. 売掛金残高とは何ですか?

A. 売掛金残高とは、商品やサービスを掛け(後払い)で販売して生じた代金のうち、まだ回収できていない金額の合計を指します。前月末の残高に当月の掛売り(売上)を足し、当月の入金を差し引いて計算します。この帳簿上の残高が、請求書控えや入金明細から計算した実際の金額と食い違っている状態が「売掛金残高が合わない」です。

Q. 売掛金残高がマイナスになるのはなぜですか?

A. 売掛金残高がマイナスになるのは、売上を計上する前に入金を記録した、入金を二重に消し込んだ、同じ入金を別の請求にも充当した、といった処理のずれが主な原因です。

本来ありえない貸方残(マイナス残高)が出たときは、前受金・二重消込・科目の取り違えを疑い、どの取引先のどの入金・請求で発生したかを取引先別にさかのぼって確認します。売上に先行して受け取った入金(前受金)であれば、売掛金ではなく前受金勘定に振り替えます。

Q. 売掛金残高の差額が少額なら、原因を調べずに消してもよいですか?

A. 少額であっても、原因を確かめずに差額を帳簿から消すのは避けるのが基本です。

消費税の端数処理の違いのように原因がはっきりしている1円単位の差額は、調整して差し支えありません。しかし原因不明のまま損失で落とすと、会計上は費用にできても税務上は損金に算入できず、申告調整が必要になる場合があります。金額の大小にかかわらず原因を特定したうえで処理し、損金算入の可否や科目の扱いは差額の実態によって変わるため、税理士に確認してください。

出典・参考資料(1件)

Q. 総勘定元帳の売掛金残高と、売掛金元帳(得意先元帳)の合計が合わないときはどうすればよいですか?

A. 総勘定元帳と売掛金元帳(得意先元帳)の残高が合わないときは、どちらか一方にしか記帳されていない取引や、両者で金額が違う取引がないかを突き合わせて探します。

多くは、総勘定元帳に売上や入金を直接入力したのに取引先別の補助簿へ反映していない、あるいは取引先を取り違えて補助簿に記帳したことが原因です。両帳簿を取引先別・月別に並べ、差額と同額の取引や片方にしかない仕訳を特定すると、ずれの発生箇所を絞り込めます。

Q. 売掛金残高が合わないのは、不正や粉飾のサインですか?

A. 売掛金残高のずれの多くは計上漏れや消込ミスといった処理の誤りが原因で、それ自体がただちに不正を意味するわけではありません。

ただし、実在しない売上の計上(架空売上)や入金の着服によっても残高はずれます。原因がどうしても特定できない、特定の担当者の処理に偏ってずれが生じる、回収予定を過ぎた残高が不自然に膨らんでいる、といった場合は不正の可能性も視野に入れます。売掛金残高の正確性は税務調査でも確認されるため、原因不明の残高は放置せず早めに精査します。

Q. Excelでの売掛金管理でズレが頻発します。どうすれば減らせますか?

A. Excel管理でズレが頻発する場合は、入金データと請求データの照合(消込)を自動化する債権管理システムの導入が有効な対策になります。

手作業の消込は、振込名義の不一致・振込手数料の差引・一部入金・合算入金などで漏れや誤りが起きやすく、担当者ごとにExcelが分かれると消込の基準も属人化します。債権管理システムは銀行の入金明細と請求を自動で突き合わせ、こうしたズレの発生そのものを抑えられます。本記事で紹介したサービスの資料を比較し、自社の取引件数や運用に合うものを検討してみてください。

債権管理システムの料金・資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、入金消込・突合を自動化する債権管理システムの最新資料を無料で一括請求できます。消込方式や対応機能、料金を各社の資料でまとめて比較できます。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】債権管理システムの資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

関連記事

新着記事

債権管理システム
おすすめの診断サービス