「うちの部門はコストセンターだから」といった言い方を、会議や経営計画の場で耳にすることがあります。コストセンターとプロフィットセンターは、組織の部門を「費用で評価する部門」と「利益で評価する部門」に分けて捉える、管理会計の考え方です。
もっとも、同じ総務部やコールセンターでも、会社によってどちらに位置づけるかは変わります。言葉の定義だけを押さえても、自部門の評価や運営にどう結びつくのかは見えにくいものです。
本記事では、コストセンターとプロフィットセンターの定義と違いを対比で整理します。そのうえで、どの部門がどちらに当たるのか、なぜ分類が会社によって変わるのか、それぞれどのような指標で評価・管理されるのかを順に解説します。あわせて、部門ごとの損益や予算実績を把握するための管理会計システムも取り上げます。
目次
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コストセンターとプロフィットセンターの違い
コストセンターとプロフィットセンターの違いは、一言でいえば「その部門が費用(コスト)に責任を負うのか、利益に責任を負うのか」という点にあります。コストセンターは売上を直接生まず、かかった費用をいかに抑えるかで評価される部門です。プロフィットセンターは収益と費用の両方を預かり、差し引きの利益をどれだけ生み出せるかで評価されます。
まず、両者の責任の対象・目的・評価指標・該当する部門を対比で示します。
| 比較項目 | コストセンター | プロフィットセンター |
|---|---|---|
| 責任の対象 | 費用(コスト) | 利益(収益−費用) |
| 部門の目的 | 決められた予算の範囲で コストを抑えながら役割を果たす | 収益を伸ばし費用を抑えて 差し引きの利益を最大化する |
| 主な評価指標 | 予算実績差異・原価差異 (予算やコスト目標をどれだけ守れたか) | 部門別損益 (売上高・利益額・利益率) |
| 該当する部門の例 | 総務・人事・経理・情報システム・研究開発 など | 営業・販売・事業部 など |
※上記は一般的な捉え方の整理です。部門をどちらに位置づけるかは各社の方針によって異なります。
コストセンターとは
コストセンター(cost center)とは、売上や利益を直接生み出すわけではないものの、企業活動を支えるために欠かせない費用が集計される部門を指します。英語の直訳である「原価中心点」と呼ばれることもあります。総務・人事・経理・情報システムといった間接部門や、問い合わせ対応を担うコールセンターなどが典型です。
費用を部門ごとに切り分け、その管理に責任を持たせるという考え方は、新しいものではありません。企業会計審議会の「原価計算基準」も、原価を集計する単位(原価部門)を次のように位置づけています。
原価部門とは、原価の発生を機能別、責任区分別に管理するとともに、製品原価の計算を正確にするために、原価要素を分類集計する計算組織上の区分をいい、これを諸製造部門と諸補助部門とに分ける。
出典:原価計算基準 一六 原価部門の設定|企業会計審議会(昭和37年11月8日)
原価計算基準自体は「コストセンター」という語こそ使いませんが、この「責任区分ごとに原価を管理する」という捉え方が、費用に責任を負う部門という考え方の土台にあります。コストセンターは、与えられた予算の範囲でいかに効率よく役割を果たすかが問われる部門だといえます。
プロフィットセンターとは
プロフィットセンター(profit center)とは、収益と費用の両方が集計され、その差し引きである利益に責任を負う部門です。営業・販売部門や、独立採算で運営される事業部が代表例といえます。
コストセンターがかかった費用をどれだけ抑えられたかで評価されるのに対し、プロフィットセンターはどれだけ利益を上げられたかで評価されます。売上という成果を持つぶん、費用の使い方についてもより大きな裁量を任されるのが一般的です。同じ支出でも、コストセンターでは「抑えるべきコスト」として見られ、プロフィットセンターでは「利益を生むための投資」として判断される、という違いが生まれます。
どの部門がコストセンター・プロフィットセンターに当たるか
自部門がどちらに当たるのかを考えるうえで、一般的にどの部門がどちらに分類されやすいかを整理します。あくまで典型的な傾向であり、後述するとおり会社の方針によって位置づけは変わります。
コストセンターに分類されやすい部門
- 総務・人事・経理・法務などの管理部門(バックオフィス)
- 情報システム部門(社内のITインフラやシステムの運用・保守)
- 研究開発部門(将来の収益につながるが、単独では売上を持たない)
- 問い合わせ対応を担うコールセンター・カスタマーサポート
- 物流・倉庫部門、製造部門(製品を作るが、販売は別部門が担う場合)
プロフィットセンターに分類されやすい部門
- 営業・販売部門(売上を直接生み出す)
- 独立採算で損益を管理する事業部(事業部制のもとでの各事業部)
- 支店・営業所など、地域単位で収益と費用を預かる組織
自部門がこのどちらにも当てはまりにくいと感じた場合、それは珍しいことではありません。情報システムやコールセンターのように、企業の捉え方しだいでどちらにもなり得る部門が存在するためです。次章で、その理由を掘り下げます。
同じ部門でも分類が変わるのはなぜか
「コストセンターかプロフィットセンターかは会社によって変わる」とよくいわれます。ただ、その理由まで説明されることは多くありません。分類が変わるかどうかを分けるのは、その部門にどこまでの責任と権限を持たせているかです。
具体的には、費用の予算達成だけを任せている(予算責任)のか、それとも収益を含めた損益まで任せている(損益責任)のかで、同じ部門でも位置づけが変わります。予算責任だけを負わせればコストセンター、損益責任まで負わせればプロフィットセンターになる、という関係です。揺れやすい部門を例に見てみます。
- コールセンター:問い合わせ対応だけを担い、応答件数や対応コストで評価するならコストセンターです。一方で、対応のなかで追加提案や契約更新を促し、そこから生まれる売上まで見るなら、プロフィットセンターとして扱えます。
- マーケティング部門:広告費や販促費の予算管理を主眼に置けばコストセンターですが、施策ごとの獲得顧客や売上貢献まで測るなら、利益への責任を持つ部門として位置づけられます。
- 製造部門:決められた品質とコストで作ることに責任を負うならコストセンターです。製造した製品の販売やアフターサービスの収益まで含めて評価する体制なら、プロフィットセンターに近づきます。
このように分類は、部門の名前ではなく「その部門に収益の責任を持たせるかどうか」という経営の設計で決まります。自部門がどちらかを考えるときは、評価のときに売上まで見られているのか、それとも費用の予算達成だけを問われているのかを確かめると判断しやすくなります。
コストセンター・プロフィットセンターはどう評価・管理されるのか
ここからは、それぞれの部門が実際にどのような数字で評価・管理されるのかを見ていきます。「コスト削減か利益最大化か」という大まかな違いの一段奥にある、具体的な指標を押さえると、自部門の評価軸が妥当かを判断しやすくなります。
責任センターの4類型(コスト・レベニュー・プロフィット・インベストメント)
管理会計では、部門に持たせる責任の範囲に応じて部門を分類する「責任会計」という考え方があります。コストセンターとプロフィットセンターは、この責任会計における代表的な2つですが、実際には次の4つの類型で整理されます。

- コストセンター(原価責任単位):費用(コスト)に責任を負う。収益や投資の権限は持たず、決められた予算の範囲でコストを管理する部門。
- レベニューセンター(収益責任単位):売上(収益)の獲得に責任を負う部門。販売目標の達成度で評価される。営業部門は、費用まで預かり利益で評価されればプロフィットセンター、売上目標の達成だけで評価されればこのレベニューセンターに近い位置づけになります。
- プロフィットセンター(利益責任単位):収益と費用の両方に責任を負い、差し引きの利益で評価される部門。
- インベストメントセンター(投資責任単位):利益に加えて、その部門に投じた資本(投資)に対する効率にも責任を負う。投資利益率(ROI)などで評価される。事業部長に設備投資の権限まで委ねるケースが典型。
コストセンターからプロフィットセンター、インベストメントセンターへと進むにつれて、部門が預かる責任と権限が広がっていきます。自部門がどの類型に当たるかを知ると、求められている成果と、評価に使われるべき指標が見えてきます。
コストセンターの評価・管理(予算実績差異・原価差異)
コストセンターは、あらかじめ定めた予算や原価の目標に対して、実際の発生額がどれだけ収まったかで評価されます。目標と実績の差を見るのが基本で、予算と実績の差である予算実績差異や、標準的な原価と実際原価の差である原価差異が代表的な指標です。
原価計算基準は、この原価差異の扱いについて次のように定めています。
原価差異が生ずる場合には、その大きさを算定記録し、これを分析する。その目的は、原価差異を財務会計上適正に処理して製品原価および損益を確定するとともに、その分析結果を各階層の経営管理者に提供することによって、原価の管理に資することにある。
出典:原価計算基準 四四 原価差異の算定および分析|企業会計審議会(昭和37年11月8日)
目標との差を算定し、その原因を分析して各部門の管理者に報告し、次の改善につなげます。この一連の流れが、コストセンターの管理の中心です。したがって、コストセンターを正しく評価するには、部門ごとに予算と実績を突き合わせ、差異を要因まで分解できる仕組みが欠かせません。
予算と実績を突き合わせて差異を分析する具体的な進め方は、以下の記事で5つのステップと差異分析のやり方に分けて解説しています。
プロフィットセンターの評価・管理(部門別損益・共通費の配賦・内部振替価格)
プロフィットセンターは、部門ごとの損益(売上高から費用を差し引いた利益)で評価されます。部門別の損益を正しく出すうえで課題になるのが、複数の部門にまたがる共通費の扱いです。
原価計算基準は、部門に直接ひもづく費用(部門個別費)はその部門に直接割り当て、複数部門に共通してかかる費用(部門共通費)は一定の基準で各部門に割り振ると定めています。この「割り振り」が配賦です。
たとえば本社家賃や管理部門の人件費のように、特定の部門だけの費用とはいえない共通コストを、面積や人数などの基準で各部門に配分します。配賦の精度が低いと、部門別の損益がゆがみ、プロフィットセンターの評価も実態からずれてしまいます。
もう一つ、プロフィットセンター特有の論点が内部振替価格(社内振替価格)です。これは、社内の部門間で製品やサービスをやり取りするときに付ける価格を指します。たとえば製造部門が作った製品を販売部門に渡す際の価格を決めておくと、製造部門と販売部門それぞれの損益を分けて測れるようになります。
この価格の決め方(市場価格を基準にするか、原価を基準にするか、交渉で決めるか)によって、各部門の利益が変わるため、公平な業績評価のうえで重要なテーマになります。
共通費をどの基準で配賦するか、差異をどこまで細かく分析するかは、部門別の損益を正確に出せるかを直接左右します。こうした計算を表計算ソフトの手作業で続けると負担が大きく、精度も保ちにくくなります。
出典・参考資料(2件)
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コストセンターをプロフィットセンター化するには
違いと評価の仕組みを押さえたうえで、近年関心が高まっている「コストセンターのプロフィットセンター化」についても整理します。費用部門として見られてきた部門を、収益にも貢献する部門へと位置づけ直す取り組みです。
プロフィットセンター化が求められる背景
背景には、間接部門にたまった知見やデータを収益につなげたいという狙いがあります。たとえばコールセンターには顧客の生の声が蓄積され、情報システム部門には業務効率化のノウハウが蓄積されています。これらを単なるコストとして抑え込むのではなく、新たな価値提供や収益源に変えられないかという発想です。コスト削減だけでは成果に限界があるなか、支える部門にも収益への貢献を期待する動きが見られます。
プロフィットセンター化で何が変わるか
プロフィットセンター化によって、その部門は「費用を抑える」だけでなく「どれだけ価値を生んだか」でも評価されるようになります。評価軸が増えることで、現場が受け身の作業から顧客価値の創出へと意識を向けやすくなり、間接部門で働く従業員のやりがいにつながるという面もあります。企業全体としても、これまで収益を生まないと見なされてきた部門が貢献することで、収益性の底上げが期待できます。
近年は、こうした費用部門が生み出す価値に着目し、コストセンターでもプロフィットセンターでもない「バリューセンター」として捉え直す考え方も使われます。
転換の進め方
転換を進める際は、おおむね次のような順序で検討するのが一般的です。
- その部門が収益にどう貢献できるか、全社の事業戦略のなかで役割を見直す
- 貢献度を測るための目標とKPIを設定し、どの数字で評価するかを明確にする
- 任せる責任の範囲(収益まで見るのか)と権限をあわせて設計する
- 部門ごとの損益や貢献度を可視化できる仕組みを整え、他部門との連携を強める
この進め方の土台になるのが、部門別の損益を正しく把握できる状態です。収益への貢献を評価しようにも、共通費の配賦を含めた部門別損益が見えなければ、転換の効果を測れません。評価できる数字を整えることが、プロフィットセンター化の前提になります。
転換時に押さえる注意点
収益化を急ぐあまり、本来の役割がおろそかになっては本末転倒です。たとえばカスタマーサポートが売上目標ばかりを追うと、顧客満足という本来の価値提供が損なわれかねません。また、部門が自部門の利益だけを優先すると、全体として非効率になることもあります。部門最適と全体最適のバランスを意識し、顧客への価値提供を軸に据えたうえで収益化を考える姿勢が欠かせません。
部門別の転換例
実際にプロフィットセンター化が語られることの多い部門には、次のようなものがあります。
- コールセンター・コンタクトセンター:問い合わせ対応に加え、顧客の声を商品開発やマーケティングに活かしたり、契約更新・追加提案につなげたりすることで、収益に貢献する部門として捉え直す動き。
- バックオフィス(総務・経理など):培った業務効率化のノウハウを、グループ会社への業務請負や社内向けサービスの形で提供し、貢献を可視化する例。
部門別の損益・配賦を把握する管理会計システム
ここまで見てきたとおり、コストセンターの評価(予算実績差異)も、プロフィットセンターの評価(部門別損益)も、転換の判断も、すべて「部門ごとの数字を正しく出せること」が土台になります。ところが、共通費の配賦や部門別損益の集計を表計算ソフトで手作業で行っていると、集計に時間がかかり、属人化しやすくなります。
部門別の予算・実績や部門別損益を一元的に管理できる管理会計システムを使うと、こうした数字をより速く正確に把握できます。共通費の配賦への対応はサービスによって幅があるため、ここでは部門別の予実管理に対応した2サービスを、配賦や部門別損益の見せ方の違いとあわせて紹介します。
| サービス名 | DIGGLE(ディグル) | Scale Cloud(スケールクラウド) |
|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 月額費用 | 要問い合わせ (Standard・Enterpriseの2プラン、いずれも見積制) | 15万円〜 |
| 部門別の予実管理 | ●予算策定・予実突合・見込管理を一元化 | ●部門・得意先・プロジェクト別に予実管理 |
| 共通費の配賦 | ●多段階配賦(配賦元・配賦先・配賦基準を設定) | 公式に記載なし |
| 部門別損益の把握 | ●計画・見込・実績を対比してP/L分析 | ●PLとKPIを関連づけて部門別に管理 |
| 会計ソフト連携 | freee会計・マネーフォワード クラウド会計・勘定奉行クラウド・弥生・Salesforce ほか(API・CSV) | 勘定奉行クラウド・freee・Salesforce・Googleスプレッドシート・CSV明細(API・CSV) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 |
※本表は各社公式サイトおよび掲載企業へのインタビューなどの公開情報をもとに作成しています(2026年9月30日時点)。料金・機能は改定される場合があるため、最新の内容は各社にご確認ください。
ここで取り上げた2サービスは、部門別の予実管理に対応した例です。管理会計システムを目的・規模別の選び方やタイプ別の違いまで含めて幅広く比較・検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
1. DIGGLE(ディグル株式会社)

DIGGLEは、予算・実績・見込をクラウド上で一元管理する、予実管理に特化したサービスです。予算の策定から予実の突合、着地見込みの管理、レポーティングまでを1つの基盤で完結でき、会計システムからのデータ取り込みと突合を自動化します。表計算ソフト中心の予実管理で起こりがちな集計の手間や属人化の解消を狙う設計です。
部門別の損益管理に欠かせない配賦にも対応しており、配賦元・配賦先・配賦基準を設定して多段階の配賦を組めます。配賦ルールごとにオン・オフを切り替え、配賦後の数値をスナップショットとして保存して比較することもできます。
会計ソフト(freee会計・マネーフォワード クラウド会計・勘定奉行クラウドなど)やSalesforceとAPI・CSVで連携でき、予算IDを単位にした予実突合や、計画・見込・実績の対比分析が行えます。予実管理ソフトウェアの分野で第三者調査のベンダーシェア1位(2024年度実績、富士キメラ総研調べ)に挙げられるなど、導入実績の豊富さも特徴です。
出典・参考資料(1件)
- 出典:予実管理ソフトウェア(SaaS/PaaS)のベンダーシェアに関する発表|ディグル株式会社 プレスリリース(2026年1月21日)(リンク)
2. Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)

Scale Cloudは、財務数値(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)と事業のKPIを関連づけて一元管理する経営管理クラウドです。公認会計士である代表のコンサルティング知見を背景に、予算の達成度とその再現性を高めることを狙いとしています。
部門別・得意先別・プロジェクト別などの切り口で予実を管理でき、親会社と子会社の数字を整合させてグループ全体を比較・把握する機能も備えます。経営用・管理部用・事業部用など複数のダッシュボードを使い分けられ、多軸での分析や異常値の自動検知にも対応します。
KPIを積み上げて予算を作成できる点や、勘定奉行クラウド・freee・Salesforceなどとの連携により、部門横断で同じ数字を見ながら議論できる環境を整えやすいサービスです。
財務数値とKPIを結びつけるという発想の背景について、同社代表の広瀬氏は、部門別に数字を見る従来の管理会計の課題を独自インタビューで次のように語っています。
従来の管理会計では、財務データを部門別や得意先別など様々な切り口で分析するのですが、それだけでは「この結果にどうやって至ったのか」というプロセスがまったくわからないです。事業の状況を正しく理解するためには、結果だけでなくそこに至るプロセスも含めて把握しなければ、どこに問題があるのか見えてこない。
まとめ
コストセンターとプロフィットセンターの違いは、その部門が費用に責任を負うのか、利益に責任を負うのかという点にあります。総務や情報システムのような間接部門はコストセンター、営業や事業部はプロフィットセンターに分類されやすいものの、同じ部門でも収益の責任をどこまで持たせるかによって位置づけは変わります。
評価の面では、コストセンターは予算実績差異や原価差異、プロフィットセンターは部門別損益で測られ、責任センターの考え方ではさらにレベニューセンター・インベストメントセンターを加えた4類型で整理できます。いずれの評価も、共通費の配賦を含めた部門別の数字を正しく出せることが前提です。部門別損益や予実を効率よく把握したい場合は、管理会計システムの活用が有効な選択肢になります。
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よくある質問(FAQ)
Q. コストセンターとプロフィットセンターの違いは何ですか?
A. コストセンターとプロフィットセンターの違いは、その部門が費用(コスト)に責任を負うのか、利益(収益−費用)に責任を負うのかという点にあります。コストセンターは売上を直接生まず、決められた予算の範囲でコストをどれだけ抑えられたかで評価される部門で、総務・人事・経理・情報システムなどが典型です。
プロフィットセンターは収益と費用の両方を預かり、差し引きの利益をどれだけ生み出せたかで評価される部門で、営業・販売部門や事業部が代表例です。
Q. コストセンターかプロフィットセンターかの分類は、会社によって変わりますか?
A. コストセンターかプロフィットセンターかの分類は、同じ部門でも会社によって変わります。分かれ目は、その部門に費用の予算達成だけを任せている(予算責任)のか、収益を含めた損益まで任せている(損益責任)のかという、持たせる責任と権限の範囲です。
予算責任だけならコストセンター、損益責任まで負わせればプロフィットセンターになり、コールセンターやマーケティング、製造部門などは会社の設計しだいでどちらにもなり得ます。
Q. カスタマーサポート部門はコストセンターに分類されますか?
A. カスタマーサポート部門は、一般にはコストセンターに分類されますが、必ずそうと決まっているわけではありません。問い合わせ対応を担い、応答件数や対応コストで評価するならコストセンターです。
一方、対応のなかで契約更新や追加提案を促し、そこから生まれる売上まで評価の対象にするなら、プロフィットセンターとして扱うこともできます。近年は、顧客の声を収益につなげる部門として位置づけ直す動きも広がっています。
Q. 自部門がコストセンターかプロフィットセンターかは、どうやって見分ければよいですか?
A. 自部門がどちらかは、評価のときに売上(収益)まで見られているか、それとも費用の予算達成だけを問われているかで見分けられます。売上の責任まで負っていればプロフィットセンター、費用を予算内に収めることだけを求められていればコストセンターです。部門の名前ではなく、実際に何の数字で評価されているかで判断するのが確実です。
Q. コストセンターは会社にとって不要な部門なのですか?
A. コストセンターは、売上を直接生まないだけで、企業活動を支えるために欠かせない部門です。総務・経理・情報システムのように、他部門が利益を上げるための基盤を担っており、不要なわけではありません。近年は、こうした部門に蓄積した知見やデータを収益につなげる「プロフィットセンター化」も広がっていますが、その場合も顧客への価値提供という本来の役割を軸に据えることが前提になります。
Q. バリューセンターとは何ですか?
A. バリューセンターとは、コストセンターを単なる費用部門ではなく、価値(バリュー)を生み出す部門として捉え直す考え方を指す言葉です。責任会計で部門を分類する4類型(コスト・レベニュー・プロフィット・インベストメントセンター)とは別に、近年使われる経営的な位置づけで、間接部門が蓄積した知見やデータを価値提供につなげる発想を表します。コストセンターのプロフィットセンター化と近い文脈で語られます。
Q. コストセンターやプロフィットセンターの評価に管理会計システムは必要ですか?
A. コストセンターやプロフィットセンターの評価に管理会計システムは必須ではないものの、部門別の予算実績や共通費の配賦、部門別損益を正確かつ効率的に把握するうえで有効な選択肢になります。コストセンターの予算実績差異も、プロフィットセンターの部門別損益も、評価の土台は「部門ごとの数字を正しく出せること」です。
表計算ソフトの手作業では集計に時間がかかり属人化しやすいため、部門別の予実管理や配賦に対応した管理会計システムを使うと、評価や転換の判断に必要な数字をより速く正確に整えられます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















