紙やExcel、インストール型の会計ソフトからクラウド会計へ切り替えたいものの、初期設定や過去データの移行、銀行口座の連携までを自力で進める自信がない。そんな状態で検索にたどり着く経理担当者や経営者は少なくありません。
クラウド会計の導入支援は、ソフトの選定から勘定科目の初期設定、データ移行、操作の研修までを代行してくれるサービスです。ただし、同じ「導入支援」でも、設定を整えて引き渡すところまでの依頼先と、その後の記帳代行や月次決算まで続けて任せられる依頼先とでは、選ぶべき相手が大きく変わります。
本記事では、クラウド会計の導入支援を頼める依頼先を、委託できる範囲・対応する会計ソフト・費用の頼み方・導入後に任せられる業務で横並びに比較します。どこまで任せたいかを軸に、自社に合う依頼先を判断するための材料としてご活用ください。
また、「導入だけ頼みたいのか、運用まで任せたいのか」「使いたい会計ソフトは何か」から自社に合う依頼先を絞り込める選定診断ツールも用意しています。あわせてご利用ください。
目次
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クラウド会計の導入支援とは|何を・どこまで頼めるか
クラウド会計の導入支援とは、クラウド型の会計ソフトを使い始めるために必要な準備を、専門の事業者が代わりに進めてくれるサービスです。どこから手をつければよいか分からない状態でも、自社の業務に合わせて設定を整えたうえで引き渡してくれるため、移行の失敗や二度手間を避けられます。
具体的に頼める作業は、おおむね次の範囲に及びます。どこまでを依頼するかで料金も依頼先のタイプも変わるため、まずは任せられる作業の全体像を押さえておくことが出発点になります。
| 具体的な内容 | |
|---|---|
| ソフトの選定・契約 | 業種や取引量、使いたい機能に合わせて、freeeやマネーフォワードなど最適な会計ソフトとプランの選定を助言します |
| 初期設定 | 勘定科目や消費税区分、部門、開始残高の登録など、自社の会計方針に沿った初期設定を行います |
| 銀行・カードの自動連携 | ネットバンキングやクレジットカード、決済サービスと会計ソフトを連携し、明細が自動で取り込まれる状態をつくります |
| データ移行 | これまで使っていた会計ソフトやExcelの仕訳・残高を、新しいクラウド会計へ移し替えます |
| 操作研修・マニュアル | 担当者がクラウド会計を使いこなせるよう、操作方法のレクチャーや自社向けの手順書を用意します |
| 運用定着のフォロー | 導入後も一定期間、仕訳のチェックや運用ルールの見直しを支援し、現場に定着するまで伴走します |
依頼先によって、初期設定と研修で引き渡すところまでを担う事業者もあれば、導入後の記帳代行や月次決算まで続けて引き受ける事業者もあります。この「どこまで続けて任せられるか」が依頼先選びの最初の分かれ道で、後ほど委託範囲の軸として詳しく整理します。
そもそもクラウド会計とは(移行で変わること)
クラウド会計とは、インターネット経由で利用する会計ソフトです。ソフトをパソコンにインストールする従来型と違い、データはクラウド上に保存され、ブラウザやアプリからどの端末でも同じ帳簿にアクセスできます。freee会計、マネーフォワード クラウド会計、弥生会計 Nextなどが代表的です。
移行で大きく変わるのは、銀行口座やクレジットカードの明細、請求・決済サービスのデータを自動で取り込み、仕訳の候補まで提案してくれる点です。手入力の負担が減る一方、連携の設定や仕訳ルールの初期調整が必要になるため、ここでつまずかないよう導入支援を使う企業が増えています。
「導入支援だけ」か「導入後の記帳・月次決算まで」か|委託範囲で選ぶ
ここからは、依頼先選びで最も重要な「委託範囲」の軸を整理します。クラウド会計の導入支援を頼むとき、設定を整えて引き渡すところまでで十分なのか、その後の記帳や月次決算まで続けて任せたいのかによって、選ぶべき相手は変わります。
大きく分けると、依頼先は次の2タイプに整理できます。自社がどちらを求めているかを先に決めておくと、候補を絞りやすくなります。

| 向いている企業と主な依頼先 | |
|---|---|
| 導入支援から記帳・月次決算まで続けて任せたい(経理アウトソーシング型) | 導入後も記帳・支払・月次決算まで外部に任せ、経理の人手不足や属人化を解消したい企業向け。本記事で紹介する経理アウトソーシング各社が該当し、比較表と診断で絞り込めます |
| 導入の設定・移行・研修だけをスポットで頼みたい(導入支援特化型) | 日常の経理は社内で続けつつ、初期設定とデータ移行、操作研修だけをプロに任せたい企業向け。クラウド会計に対応した税理士法人や会計コンサルが、スポットの導入支援として引き受けます |
経理アウトソーシング型は、導入を入り口に記帳・月次決算まで一貫して任せられるため、経理の担当者を増やさずに体制を整えたい企業に向きます。導入支援特化型は、設定と移行を正しく済ませて運用は社内に残したい企業に向き、費用も1回限りで収まりやすいのが特徴です。
導入後の記帳・月次決算まで続けて任せられるのは、経理アウトソーシング型の依頼先です。設定・移行・研修だけをスポットで頼みたい場合は、クラウド会計に対応した税理士・会計事務所が依頼先になります。本記事の比較表と個別紹介では、前者の経理アウトソーシング型を取り上げます。
スポットの依頼先を探すときは、freeeの認定アドバイザーやマネーフォワードの公認メンバーなど、使いたいソフトの公式サイトで対応する税理士・専門家を地域や業務から探せます。すでに顧問税理士がいる場合は、クラウド会計の導入も手がけているかを相談するのが近道です。
クラウド会計の導入を入り口にするかどうかにこだわらず、経理の業務範囲全体をどこまで外部に任せられるかから見直したい場合は、経理アウトソーシング各社を委託範囲・料金・タイプ別に比較した以下の記事もあわせてご覧ください。
対応する会計ソフトから依頼先を選ぶ(freee・マネーフォワード・弥生・ジョブカン)
委託範囲と並んで確認したいのが、自社が使いたい会計ソフトに対応しているかです。導入支援の依頼先には、特定のソフトに強い事業者と、複数のソフトを扱える事業者があり、ここがかみ合わないと移行後の運用で不便が生じます。
国内のクラウド会計はfreee会計とマネーフォワード クラウド会計が二大勢力で、弥生会計 Nextやジョブカン会計がこれに続きます。freeeは簿記の知識が浅くても使いやすい設計、マネーフォワードは既存の会計実務に近い操作性と、性格が異なります。すでに使いたいソフトが決まっている場合は、そのソフトの導入実績がある依頼先を選ぶと、設定や運用のつまずきが少なくなります。
どの依頼先がどのソフトに対応しているかは、この後の診断ツールと比較表で確認できます。使いたいソフトを起点に候補を絞り、委託範囲とあわせて見比べてください。
また、どのクラウド会計ソフトを入れるか自体を決めかねている場合は、ソフト同士を規模・タイプ別に比較した以下の記事が、依頼先を選ぶ前の判断材料になります。
導入支援の費用相場と頼み方(スポット/顧問契約セット)
ここでは、導入支援にかかる費用の目安と、頼み方による違いを整理します。費用は依頼先のタイプと委託範囲で変わるため、相場観を持ったうえで各社の料金を見比べるのが現実的です。
設定・移行・研修をスポットで頼む導入支援特化型は、1回限りの費用で収まりやすく、依頼先の公開情報では数万円から20万円程度を目安とするケースが見られます。一方、導入後の記帳・月次決算まで任せる経理アウトソーシング型は、月額制が基本で、委託する業務量に応じて月数万円から数十万円の幅があります。各社の具体的な料金は、後述の比較表に公式情報の確認日とあわせて掲載しています。
頼み方には、導入支援だけを単独で契約する方法と、税務顧問契約とセットで導入支援を受ける方法があります。顧問の税理士がクラウド会計の導入も手がける場合、月々の顧問料に導入支援が含まれることもあるため、すでに顧問がいる企業はまず相談してみる価値があります。
IT導入補助金で費用を抑えられるか
クラウド会計ソフトの導入では、国の補助金で費用の一部をまかなえる場合があります。読者が「IT導入補助金」の名前で知る制度は、2026年度は「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」に名称が改められています(中小企業デジタル化・AI導入支援事業)。
通常枠では、補助率は原則2分の1以内(一定の条件を満たす場合は3分の2以内)、補助額は補助対象プロセスの数に応じて5万円以上450万円以下の範囲で設定されています(2026年10月15日時点)。会計・財務・経営の業務プロセスが対象に含まれるため、クラウド会計ソフトの導入はこの枠で申請できる余地があります。
注目したいのは、補助対象経費にソフトウェア購入費やクラウド利用料だけでなく、導入コンサルティング・導入設定・導入研修といった導入支援の役務が含まれている点です。導入支援そのものを補助の対象にできる余地があり、費用負担を抑える手段になります。ただし補助率・補助額・対象経費・公募スケジュールは年度や公募回次で変わるため、申請を検討する際は必ず最新の公募要領を確認してください。
この補助金は、ソフトと連携して申請を支援する「登録された支援事業者」を通して申請する仕組みです。導入支援の依頼先や会計ソフトのベンダーがこの登録事業者に該当するかは会社ごとに異なるため、補助金の利用を前提にするなら、各依頼先・各ソフトに登録の有無と申請サポートの可否を確認してください。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)通常枠|中小企業デジタル化・AI導入支援事業(https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/)
自社に合う依頼先が30秒でわかる選定診断
ここまでの委託範囲・対応ソフト・費用をふまえ、いくつかの質問に答えるだけで自社に合う依頼先のタイプを絞り込めます。導入だけ頼みたいのか運用まで任せたいのか、使いたい会計ソフトは何かを選んで、候補を見つける出発点にしてください。
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【比較表】クラウド会計 導入支援の依頼先を対応ソフト・支援範囲・費用で比較
ここまで整理した委託範囲・対応ソフト・費用を、依頼先ごとに横並びでまとめました。対応する会計ソフト、クラウド会計の導入支援への対応、導入後に任せられる記帳・月次決算の有無、費用を一覧で見比べられます。初期設定・データ移行・操作研修・運用定着のどこまでを担うかという支援範囲の詳しい内訳は、表の下の個別紹介で確認してください。
| サービス名 | Tenbook(テンブック) | Wheat Accounting | マネーフォワード おまかせ経理 | メリービズ バーチャル経理アシスタント | CASTER BIZ accounting | CSアカウンティング | HELP YOU経理 | Remoba経理 | i-STAFF(アイスタッフ) | スマート経理 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応する会計ソフト | 自社「10book」を無料提供 | freee・マネーフォワード クラウド | マネーフォワード クラウド | 40種類以上(freee・マネーフォワード・勘定奉行クラウド・弥生など) | マネーフォワード クラウド会計・freee会計・ジョブカン会計 | 勘定奉行クラウド・PCクラウド会計・大臣NXクラウド・マネーフォワード・弥生など(freeeの記載なし) | マネーフォワード・freee・弥生・PCAクラウドなど(対応実績) | マネーフォワード・freee・弥生・勘定奉行クラウドなど幅広く連携 | 公式に明示なし(要問い合わせ) | 公式に明示なし(要問い合わせ) |
| クラウド会計の導入支援 | ●自社「10book」の導入 | ●初期に導入・業務フロー設計 | ●マネーフォワード クラウドの導入支援 | ●クラウド会計導入支援 | ●クラウド会計導入サポート | △移行・ソフト選定の導入コンサル(初期設定は明示なし) | △導入支援の実績あり(独立メニューは未確認) | ●クラウド移行とその導入支援 | ●クラウド会計ツール導入サポート | △会計ソフト変更・データ移行に対応(導入サポートは別途有料) |
| 導入後の記帳・月次決算 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △記帳代行は対応(月次決算は明示なし) | ●会計入力・月次試算表を提供 |
| 税務申告 | ●法人税など申告まで自社対応 | △連携する税理士が対応 | ×税理士法により範囲外 | ×対応業務に含まず | △連携する税理士が対応 | △提携の辻・本郷税理士法人が対応 | ×対象外(顧問税理士と連携) | △確定申告補助・顧問税理士と連携 | 要問い合わせ(公式に明示なし) | 要問い合わせ(公式に明示なし) |
| 初期費用 | 0円 | 初月のみ発生(金額は見積時に提示) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 0円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 月額費用(頼み方) | 29,500円〜(免税事業者)/43,500円〜(課税事業者)※税別・定額 | 30,000円〜(定額・業務量に応じ見積もり) | 個別見積もり(従業員5名で月10万円の例) | 個別見積もり(例: 5〜20名規模で月30〜80万円) | 22.5万〜68万円(税抜・規模/業務量で変動) | 個別見積もり(業務量に応じた変動費型) | 日常経理15〜30万円/月次・資金繰り等を含む27.5〜50万円(税抜・1年契約時の目安) | 18万円〜(12ヶ月プラン)/20万円〜(6ヶ月プラン) | 81,000〜114,000円(税抜・30時間/月・契約期間で変動) | 15万円〜(スタンダード)/30万円〜(エキスパート) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※2026年9〜10月時点の各社公式情報にもとづく。料金・対応ソフトは変動するため、最新は各社公式サイトで確認してください。
各サービスの支援範囲や特徴は、次の個別紹介で詳しく解説します。気になる依頼先があれば、公式資料で最新の料金や対応ソフトを確認してください。
クラウド会計 導入支援サービスの個別紹介
ここからは、クラウド会計の導入から記帳・月次決算まで任せられる経理アウトソーシング各社を、支援範囲・対応ソフト・費用の面から紹介します。自社が使いたいソフトや任せたい範囲に合うかを確認してください。
1. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

公認会計士・税理士の上田昌宏氏が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社が運営する経理アウトソーシングです。自社開発のクラウド会計ソフト「10book(テンブック)」を契約者に無料提供し、その導入から記帳・決算・税務申告までをオンラインで一貫して引き受けます。
他社の会計ソフトへ乗り換えるのではなく、自社の「10book」を使った経理体制の構築が前提です。このソフトは金融機関データの自動取得・自動仕訳やインボイス制度・電子帳簿保存法への対応を備えます。導入後は、記帳・月次処理・決算書作成から法人税・住民税・事業税・消費税の申告書作成までを原則3名のチームで引き受けます。
料金は初期費用0円で、月額は免税事業者が29,500円、課税事業者が43,500円(いずれも税別)。決算料は別立てされず月額に含まれます(2026年9月時点の公式サイト)。記帳から税務申告まで月額定額に収まる点が、申告まで一括で任せたい中小企業・スタートアップに向きます。
2. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

記帳や請求書発行、経費精算、振込対応、給与計算、月次決算までを月次の継続業務として代行する、スタートアップ・中小企業向けの経理アウトソーシングです。運営は株式会社Wheat。税務申告は連携する税理士、社会保険・労働保険の代理申請は連携する社労士との体制で対応します。
契約の初期には、クラウド会計の導入と業務フローの再設計を行い、その後の運用まで同じ体制で担います。対応する会計ソフトはfreeeとマネーフォワード クラウドで、両ソフトの認定・公認資格を持つと公式に説明しています。実務開始までは申込から約1か月で、ヒアリングとフロー構築に充てます。
初期費用は導入月のみ発生し、金額は見積時に提示されます。月額は30,000円からの定額プランで、業務量に応じた個別見積もりとなります(2026年10月時点の公式サイト)。対象は法人のみで、全国にオンラインで対応します。
導入の起点に業務フローの再設計を置く理由について、同社代表取締役の佃誠吾氏は、クラウド会計を導入する企業の現場で起きがちな状況を次のように説明しています。

多くの企業様では、長年続けてきたアナログな業務フローの上に、クラウド会計などのツールを「後付け」しているのが実情です。しかし、これでは従来のオペレーションに足を取られ、IT導入のメリットを十分に享受できません。当社ではここを、ゼロベースで組み立て直すところから着手します。過去の慣習にツールを合わせるのではなく、「今のツールを最大限活かすには、どう業務を組むのが最適か」という視点で設計を行います。
3. マネーフォワード おまかせ経理(株式会社マネーフォワード)

株式会社マネーフォワードが2025年に自社のサービスラインナップへ加えた、中小企業向けの経理アウトソーシング(BPO)です。実務は同年6月にグループへ加わった株式会社キャシュモが担います。「マネーフォワード クラウド」の導入支援から記帳代行、請求書発行、支払・振込代行、給与・賞与計算、月次試算表の作成までをオンラインで一括対応します。
利用にあたっては、会計基盤をマネーフォワード クラウドへ切り替えることが前提です。導入支援と業務フロー設計を経て運用に移り、月次試算表は公式サイトで最短5営業日での作成を掲げています。クラウド導入から記帳・支払・給与計算までを同一ブランド内で完結できる構成です。
料金は業務内容・業務量に応じた個別見積もりで、公式サイトには従業員5名程度で月額10万円という一例が示されています(2026年9月時点)。決算・税務申告は税理士法により範囲外です。導入実績は200社超とされます。
4. メリービズ バーチャル経理アシスタント(メリービズ株式会社)

全国に登録するプロ経理人材がオンラインの専属チームを組み、企業の経理業務を代行するサービスです。運営はメリービズ株式会社。簿記2級以上や会計事務所・事業会社での実務経験を持つスタッフがチームを編成し、担当者の退職や長期休暇があっても業務が止まらない体制を敷きます。
対応する会計ソフトは40種類以上で、freee・マネーフォワード・勘定奉行クラウド・弥生などを公式に挙げています。委託できる業務は経費精算・仕訳入力・請求書発行・売掛買掛管理・月次決算に加え、クラウド会計の導入支援と経理業務改善コンサルティングまで及びます。導入時は約3か月の業務設計・定着期間を経て本稼働します。
料金は業務範囲に応じた個別見積もりですが、公式の料金ページでは企業規模・業種別の目安が実例で公開されています。たとえば従業員5〜20名の理美容事業で月30〜80万円、150名以上の専門商社で月100〜300万円といった幅です(2026年9月時点)。
5. CASTER BIZ accounting(株式会社キャスター)

オンラインアシスタント「CASTER BIZ」を手がける株式会社キャスターが、経理に特化して提供するリモート経理チームサービスです。経理部の新規立ち上げから既存業務のアウトソーシングまでを対象とし、問い合わせから開始までオンラインで完結します。専任のオンラインアシスタントが付き、最短3営業日でチームを立ち上げます。
クラウド会計の導入支援を公式に掲げ、対応ソフトとしてマネーフォワード クラウド会計・freee会計・ジョブカン会計を挙げています(対応可否は問い合わせで確認を案内)。会計ソフトを使用中か、これから導入予定の企業が対象で、導入後は記帳・請求・支払・経費精算・月次/年次決算の補助まで続けて委託できます。
料金は従業員規模と依頼業務に応じ、月額22.5万〜68万円(税抜)が目安とされます(2026年10月時点の公式料金ページ)。初期費用は公式に記載がなく、30分のオンライン個別相談は無料です。
6. CSアカウンティング(CSアカウンティング株式会社)

1990年に会計事務所(現・辻・本郷税理士法人)から独立して設立された、経理・人事業務のアウトソーサーです。公認会計士・税理士・社会保険労務士を中心に約150名の有資格者が在籍し、記帳・月次/年次決算・連結決算から給与計算・社会保険手続きまでを一社でまとめて受託します。中小企業から上場企業・グループ会社までを対象とします。
クラウド会計の導入コンサルティングを公式に提供し、オンプレミス版からクラウドへの移行支援や、規模に沿ったソフト選定の提案を行います。対応製品として勘定奉行クラウド・PCクラウド会計・大臣NXクラウド・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計 Nextなどを挙げています。公式サイトでは会計・人事クラウドの導入企業400社と記載しています。
料金は公開されておらず、現状を把握したうえで個別に見積もる方式です。固定的な人員配置から業務量に連動する変動費へ切り替えられる点を訴求しています。連結決算や上場会社向けのアウトソーシングにも対応し、2,800社以上の導入実績を公式サイトに掲げています(2026年10月時点)。
7. HELP YOU経理(株式会社ニット)

2015年開始のオンラインアウトソーシング「HELP YOU」を運営する株式会社ニットが、経理に特化して提供する代行メニューです。日商簿記2級以上の資格者や会計事務所勤務経験者がチーム制で対応し、担当者が離職しても業務が止まらない設計をとります。紙の請求書・領収書は福岡のBPOセンターでスキャンし、データ化してオンラインで処理します。
記帳や会計ソフト入力、経費精算のチェックといった日常経理から、月次・年次決算、資金繰り表や管理会計資料の作成までを対応範囲とします。対応実績のある会計ソフトはマネーフォワード・freee・弥生・PCAクラウドなど。会計ツールの導入支援や業務フロー構築まで対応するとしていますが、税務判断・申告・税務相談は対象外で、顧問税理士と連携して進めます。
初期費用は0円で、月額は業務内容・量に応じた定額制です。公式ページの目安は、日常経理で月15〜30万円、月次・資金繰りまで含めて月27.5〜50万円(いずれも税抜・1年契約時)とされます(2026年10月時点)。
会計ツールの導入支援や業務フロー構築の相談がどのような場面で寄せられるのか、同サービスを運営する株式会社ニットの事業責任者・劉氏は、近年の傾向を次のように話しています。

DXや業務改善、AIの台頭もあって「もっと効率化できるはずだと思っているけれど、どうやったらいいか分からない」「システムを導入したものの使いこなせていない」といった時に、第三者の目線で、どのツールを入れるべきか、どこが効率化できそうかをご相談いただくケースが増えています。実は当社のお客様は意外にアナログな企業様が多く、紙ベースの経理をどうデジタルに変えていけばいいか分からない、というご相談も一定数あります。
8. Remoba経理(株式会社Enigol)

リモートバックオフィスサービス「Remoba(リモバ)」シリーズの経理特化サービスで、運営は株式会社Enigolです。請求書発行・入金確認から経費精算、支払業務、月次決算までを、専属コンサルタントと複数のオンラインワーカーのチームに委託できます。
利用中の会計ソフトや販売管理・労務ソフトを連携させて運用する方式で、原則として会計ソフトの変更は不要です。連携できる会計ソフトはマネーフォワード・freee・弥生・勘定奉行クラウドなど幅広く、インストール型を使っている場合はクラウド会計への移行とその導入支援にも対応します。業務効率化の提案やシステム導入支援、資料のスキャン・データ化も業務に含みます。
料金は契約期間で分かれ、6か月プランが月20万円(従業員15名以下が目安)、12か月プランが月18万円(15〜50名が目安)です(2026年9月時点の公式料金ページ)。30時間を超える業務量はカスタムプランの見積もりとなり、3か月のトライアルプランも用意されています。
9. i-STAFF(アイスタッフ)(株式会社ビープラスト)

秘書・経理・人事・Web運用・営業事務などのノンコア業務を、月単位の稼働時間枠でリモートのアシスタントチームに委託できるオンラインアシスタントサービスです。運営は株式会社ビープラスト。経理だけでなく複数領域の業務を1契約内で横断的に頼める点が、記帳代行の単機能業者と異なります。クラウド会計の導入サポートも、この幅広い業務の一つとして頼める位置づけです。
経理では、記帳代行・請求書作成・振込/支払い代行・経費精算に加え、クラウド会計ツールの導入サポートを業務に含みます。ただし給与計算は対応外で、決算書作成・税務申告の確定対応可否や対応する会計ソフト名は公式サイトで明示されていません。領収書・名刺などを郵送して整理・ファイリングを頼めるオフライン業務にも対応します。
料金は30時間/月の稼働を基準にした契約期間別の3プラン制で、月額81,000〜114,000円(税抜)です(2026年9月時点の公式料金ページ)。3時間の無料お試しが用意されています。
10. スマート経理(株式会社M&Tコンサルティング)

クラウドとチャットツールを使い、複数人の経理スタッフがチームで経理業務を遠隔代行するサービスです。運営は株式会社M&Tコンサルティング。領収書等をスキャンしてクラウドで共有し、やり取りはチャットで行う運用で、毎月の試算表は締日から5営業日以内に提供するとしています。
委託できる業務は、スタンダードプランが請求・支払・給与計算・経費精算・会計入力、エキスパートプランがこれに資金繰り・融資相談・資産管理を加えた範囲です。記帳代行など各業務単体の請け負いには対応せず、経理をまとめて委託する前提です。
対応する会計ソフト名や導入・移行支援を名指しした記述は公式サイトで確認できませんが、経理フロー合理化のための会計ソフト変更や、過去データの移行・期中の切替には対応するとしています。
月額はスタンダードプランが15万円から、エキスパートプランが30万円からです(2026年10月時点の公式サービスページ)。導入前のフィット&ギャップ分析と導入サポートは別途有料で、金額は公表されていません。初回面談は無料です。
導入支援を頼むメリットと自力で導入する場合との違い
ここでは、導入支援を頼むか自力で進めるかを判断できるよう、それぞれのメリットと注意点を整理します。費用をかけてまで頼む価値があるかは、社内の体制と使える時間によって変わります。
導入支援を頼むメリット
最大のメリットは、移行の失敗とやり直しを避けられることです。勘定科目の設計や開始残高の登録、銀行連携の設定を誤ると、後から帳簿を組み直す手間が生じます。実務を熟知した担当者が初期設定を整えることで、最初から正しく運用を始められます。
移行にかかる時間を本業から切り離せる点も見逃せません。日常業務を抱えたまま自力で移行を進めると、設定や検証が後回しになりがちです。導入支援を使えば、繁忙期でも移行を計画どおり進められます。
依頼前に知っておきたい注意点
一方で、導入支援には費用がかかり、依頼先との情報共有の手間も生じます。自社の業務内容や取引の流れを正確に伝えないと、設定が実態に合わず、かえって運用後の修正が増えることがあります。依頼先に丸投げせず、自社の会計方針や承認フローを整理して渡す準備は欠かせません。
また、導入支援だけを頼むと、引き渡し後の運用は社内で担うことになります。操作に不安が残る場合は、運用定着のフォローや記帳代行まで含む依頼先を選ぶか、別途サポート契約を検討する必要があります。
自力で導入する場合と頼む場合の見分け方
取引件数が少なく、簿記の知識がある担当者が時間を割ける場合は、自力での導入も十分に現実的です。クラウド会計の多くは初期設定のガイドやサポート窓口を備えており、小規模な事業であれば大きなつまずきなく移行できます。
反対に、取引件数が多い、複数の部門や拠点がある、経理の担当者が限られているといった場合は、導入支援を頼む価値が高まります。設定の複雑さと移行の工数が増えるほど、プロに任せたほうが結果的に早く正確に運用を始められるためです。判断に迷う場合は、この後の診断ツールで自社の状況に合う選択肢を確認してください。
クラウド会計導入の流れ(ヒアリング〜運用定着)
ここでは、導入支援を頼んだ場合に、どのような工程で進むのかを押さえます。全体像が分かると、依頼先との打ち合わせで何を準備すればよいかが見えてきます。

一般的な流れは、次のように進みます。まず現状の経理業務と課題をヒアリングし、要件を整理します。次に、業種や取引量に合う会計ソフトとプランを選定し、勘定科目・消費税区分・開始残高・部門などの初期設定を行います。
続いて銀行口座やクレジットカードの自動連携を設定し、これまでの会計データを移行して検証します。最後に担当者への操作研修を実施し、一定期間は仕訳のチェックや運用ルールの見直しで伴走しながら、現場に定着させていきます。
この工程のうち、どこまでを依頼先が担い、どこからを自社で引き取るかは契約によって異なります。比較表で各社の支援範囲を確認し、引き渡しの区切りがどこになるかを事前にすり合わせておくと、導入後の認識のずれを防げます。
導入後につまずきやすいポイントと対処
クラウド会計は導入して終わりではなく、運用に乗せるまでにいくつかのつまずきがあります。ここでは、導入後に戸惑いやすい点と、その対処を具体的に解説します。
自動仕訳は最初から完璧ではない(学習の助走期間)
クラウド会計の自動仕訳は、取り込んだ明細に対して仕訳の候補を提案してくれますが、導入直後は自社の取引に合った精度に達していません。どの取引をどの勘定科目に割り当てるかを登録していくことで、提案の精度が上がっていきます。
そのため、最初の数か月は提案をそのまま確定させず、仕訳の内容を確認しながらルールを育てる期間と捉えるのが現実的です。導入支援や記帳代行を使う場合は、この助走期間の仕訳チェックを依頼先に任せられるかを確認しておくと安心です。
電子帳簿保存法への対応(電子取引データの保存は義務)
クラウド会計を導入する際に必ず押さえておきたいのが、電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)への対応です。令和6年1月以降、請求書や領収書などを電子データでやり取りした場合、その電子取引データを電子のまま保存することが義務づけられています(同法第七条)。従来認められていた「印刷して紙で保存」は、原則として認められなくなりました。
令和6年1月からは、申告所得税・法人税に関して帳簿・書類の保存義務が課されている者は、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければならない
出典:令和6年1月からの電子取引データの保存方法|国税庁
保存にあたっては、モニターや操作説明書を備え付けて画面で確認できる状態にすること(可視性の確保)と、不当な訂正・削除を防ぐための事務処理規程を定めて守ること(真実性の確保)が求められます。
ただし、専用システムがなくても事務処理規程の整備とデータの整理で要件は満たせるため、「クラウド会計を導入しないと違法になる」わけではありません。クラウド会計は、この保存をシステムで無理なく回すための手段と捉えるのが正確です。
また、2課税年度前の売上高が5,000万円以下である場合などは、検索機能の確保が不要になる緩和規定もあります。自社がどの要件まで対応すべきかは、導入支援の依頼先や顧問税理士に確認しておくと確実です。
出典・参考資料(2件)
- 出典:令和6年1月からの電子取引データの保存方法|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023011-012.pdf)
- 出典:電子帳簿保存法 第七条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000025)
紙の書類をスキャンデータで残すには要件がある(スキャナ保存)
紙で受け取った請求書や領収書をスキャンして電子データで保存し、紙の原本を廃棄したい場合は、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」の要件を満たす必要があります。こちらは電子取引データの保存とは異なり、任意で選べる制度です。ただし要件を満たさないスキャンデータは正式な保存として認められないため、運用設計が欠かせません。
国税庁のパンフレットでは、重要書類について次のような要件が示されています。
出典:電子帳簿保存法 はじめませんか、書類のスキャナ保存【令和6年1月以降用】|国税庁
- 書類を作成または受領してから、速やか(おおむね7営業日以内)にスキャナ保存する(早期入力方式)
- 解像度200dpi相当以上で読み取ること
- 赤色、緑色及び青色の階調がそれぞれ256階調以上(24ビットカラー)で読み取ること
- 入力期間内に、総務大臣が認定する業務に係るタイムスタンプを、一の入力単位ごとのスキャナデータに付すこと
これらの要件を人の手だけで満たすのは負担が大きいため、スキャナ保存に対応したソフトを使うのが一般的です。クラウド会計やその周辺サービスにはスキャナ保存の要件を満たす機能を備えたものがあり、導入支援の段階でこうした運用まで設計してもらえるかを確認しておくと、後からの作り直しを避けられます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:電子帳簿保存法 はじめませんか、書類のスキャナ保存【令和6年1月以降用】|国税庁(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0023006-081_02.pdf)
電子帳簿保存法への対応を負担に感じている場合は、制度のメリット・デメリットや導入を進めるうえでのポイントを解説した以下の記事で、全体像を押さえておくと判断しやすくなります。
電子帳簿保存法はデメリットしかない?メリットと導入のポイントを徹底解説
電子帳簿保存法への対応、「正直メリットがなくデメリットしかないのでは?」と感じていませんか。 2024年からはメールやWeb上でやり取りした請求書など電子取引データの保存が完全に義務化され、対応を避けられない状況になりました。(参照:国税庁…
まとめ
クラウド会計の導入支援を選ぶときは、まず「設定・移行・研修だけをスポットで頼みたいのか、導入後の記帳・月次決算まで続けて任せたいのか」という委託範囲を決めることが出発点になります。そのうえで、自社が使いたい会計ソフトへの対応と、費用の頼み方を見比べると、候補を無理なく絞り込めます。
導入後も、自動仕訳の精度が上がるまでの助走期間や、電子帳簿保存法への対応といったつまずきが控えています。どこまでを依頼先に任せられるかを事前に確認し、運用まで見据えて選ぶことが、移行を成功させる鍵になります。各サービスの詳しい条件は、比較表と公式資料であわせて確認してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. クラウド会計の導入支援とは何ですか?
A. クラウド会計の導入支援とは、クラウド型の会計ソフトを使い始めるために必要な準備を、専門の事業者が代わりに進めてくれるサービスです。具体的には、業務に合うソフトの選定から、勘定科目や開始残高などの初期設定、銀行・カードの自動連携、過去データの移行、操作研修までを代行してくれます。
どこから手をつければよいか分からない状態でも、設定を整えたうえで引き渡してもらえるため、移行の失敗ややり直しを避けられます。
Q. クラウド会計の導入支援は、設定だけを頼むことも、導入後の記帳・月次決算まで任せることもできますか?
A. クラウド会計の導入支援は、設定・移行・研修だけをスポットで頼む形と、導入を入り口に記帳・月次決算まで続けて任せる形のどちらも選べます。前者は税理士やコンサルによるスポットの導入支援、後者は経理アウトソーシング型の依頼先が担います。日常の経理を社内で続けたいなら前者、経理の人手不足や属人化まで解消したいなら後者が向きます。
本記事の比較表と個別紹介で取り上げるのは後者の経理アウトソーシング型です。前者のスポット導入支援は、クラウド会計に対応した税理士・会計事務所が担うため、使いたいソフトの認定アドバイザー制度(freeeの認定アドバイザー、マネーフォワードの公認メンバー)や顧問税理士から探すのが実際的です。
Q. クラウド会計はfreeeとマネーフォワードのどちらを選べばよいですか?
A. 簿記の知識が浅くても使いやすさを重視するならfreee会計、これまでの会計実務に近い操作性を求めるならマネーフォワード クラウド会計が一つの目安になります。ただし最適解は、業種・取引量・既存システム・将来計画によって変わります。すでに使いたいソフトが決まっていない場合は、両ソフトの導入実績がある依頼先に相談し、自社の状況に合うほうを客観的に提案してもらうのが確実です。
Q. クラウド会計の導入支援は、弥生やジョブカンなどfreee・マネーフォワード以外のソフトでも頼めますか?
A. freeeとマネーフォワード以外に、弥生会計 Nextやジョブカン会計、勘定奉行クラウドなどに対応する依頼先もあります。たとえば複数のソフトを扱える依頼先には、40種類以上の会計ソフトに対応するものや、勘定奉行クラウド・PCクラウド会計・大臣NXクラウド・弥生などを扱うものがあります。
使いたいソフトが決まっているなら、そのソフトの導入実績がある依頼先を選ぶと、設定や運用のつまずきが少なくなります。
Q. クラウド会計の導入支援を頼むと、今使っている会計ソフトからのデータ移行はできますか?
A. 多くの依頼先が、これまで使っていた会計ソフトやExcelの仕訳・残高を新しいクラウド会計へ移し替えるデータ移行に対応しています。残高や取引履歴の整合性を保ったまま移行し、検証まで行うのが一般的です。インストール型の会計ソフトからクラウドへの乗り換えを、導入支援として引き受ける依頼先もあります。ただし対応範囲や方式は依頼先で異なるため、移行元のソフト名を伝えて事前に確認しておくと安心です。
Q. クラウド会計の導入支援を頼むと、導入までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 会社の規模や業務量によりますが、要件定義から運用開始までおおむね1〜3か月程度が目安です。本記事で紹介する依頼先でも、ヒアリングと業務フロー構築に約1か月をあてる例や、業務設計・定着に約3か月をかける例があり、チームの立ち上げ自体は最短3営業日という例もあります。取引件数が少なければ短く、複数の部門や拠点があれば長くなる傾向です。時期は期首に限らず期中からでも始められます。
Q. クラウド会計の導入支援の費用はどのくらいが相場ですか?
A. 設定・移行・研修をスポットで頼む導入支援特化型は数万円〜20万円程度、導入後の記帳・月次決算まで任せる経理アウトソーシング型は月額数万円〜数十万円が目安です。頼み方には、導入支援だけを単独で契約する方法と、税務顧問契約とセットで受ける方法があります。各依頼先の具体的な料金は、本記事の比較表に公式情報の確認日とあわせて掲載しているので、自社の委託範囲に当てて見比べてください。
Q. クラウド会計の導入支援に、IT導入補助金(デジタル化・AI導入補助金)は使えますか?
A. クラウド会計ソフトの導入は国の「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」の対象になる余地があり、導入コンサルティングや導入設定・導入研修といった導入支援の役務も補助対象経費に含まれます。通常枠の補助率は原則2分の1以内(一定の条件を満たす場合は3分の2以内)、補助額は5万円以上450万円以下の範囲です(2026年10月15日時点)。
ただし補助率・補助額・対象経費・公募スケジュールは年度や公募回次で変わります。また申請は登録された支援事業者を通す仕組みのため、依頼先やソフトのベンダーが登録事業者かどうか、申請サポートを受けられるかを各社に確認してください。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)通常枠|中小企業デジタル化・AI導入支援事業(https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/)
Q. クラウド会計の導入支援は、遠方の会社でもオンラインで依頼できますか?
A. 多くの依頼先がオンラインで全国対応しており、遠方でも画面共有による設定作業や操作研修を受けられます。本記事で紹介する経理アウトソーシング各社は、問い合わせから導入、その後の運用までをオンラインで完結できる体制を敷いています。訪問が必要かどうか、訪問時に追加費用がかかるかは依頼先で異なるため、申し込み前に確認しておくとよいでしょう。
Q. クラウド会計の導入支援では、電子帳簿保存法への対応まで設計してもらえますか?
A. 電子帳簿保存法に対応した保存・運用の設計まで支援する依頼先が多く、電子取引データの保存やスキャナ保存の要件を満たす形で初期設定してもらえます。令和6年1月以降、請求書や領収書などを電子データでやり取りした場合、その電子取引データを電子のまま保存することが義務づけられています(電子帳簿保存法第七条)。
ただしクラウド会計を導入しないと違法になるわけではなく、クラウド会計はこの保存をシステムで無理なく回すための手段です。導入支援の段階で、自社がどの要件まで対応すべきかを含めて運用を設計してもらえるか確認しておくと、後からの作り直しを避けられます。
出典・参考資料(2件)
- 出典:令和6年1月からの電子取引データの保存方法|国税庁(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023011-012.pdf)
- 出典:電子帳簿保存法 第七条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000025)
Q. すでに顧問税理士がいる場合も、クラウド会計の導入支援を別の会社に頼めますか?
A. すでに顧問税理士がいても、クラウド会計の導入支援だけを別の依頼先に頼むことは可能です。ただし、顧問税理士がクラウド会計の導入も手がける場合は、月々の顧問料に導入支援が含まれることもあるため、まずは顧問に相談してみる価値があります。
経理アウトソーシング型の依頼先は、税務申告を連携する税理士が担う体制のところが多いため、既存の顧問との役割分担を整理したうえで委託先を選ぶと、二重の依頼や連絡の行き違いを防げます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















