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財務会計ツールおすすめ16選を比較|クラウド・インストール・会計事務所向けの選び方

財務会計ツールおすすめ16選 クラウド・インストール・会計事務所向けのサムネイル画像
クラウド会計ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

主要15サービスの料金・機能を無料で一覧比較

クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

自社の記帳や決算書の作成を効率化しようと財務会計ツールを探し始めると、クラウド型の会計ソフト、昔ながらのインストール型、そして会計事務所と連携する専門的な財務会計システムまで、提供形態の異なる候補が入り混じって見つかります。どれを土俵に乗せて比べればよいのか、入口で迷ってしまう方は少なくありません。

提供形態が変われば、費用のかかり方も、導入後の運用も、顧問税理士との連携のしやすさも変わります。自社の体制に合わない形態を選ぶと、せっかく導入しても手作業が残ったり、費用が想定を超えたりしかねません。

本記事では、クラウド型・インストール型・会計事務所向けの財務会計システムを提供形態を問わず横断して比較し、機能・料金・対象規模・法令対応から自社に合う財務会計ツールを選ぶための判断材料を整理しました。財務会計システムとは何か、管理会計との違いといった前提から、具体的な製品の比較までを一度に確認できます。

また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。提供形態の希望や企業規模から候補を絞り込めますので、ぜひこちらもご活用ください。

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財務会計ツール(財務会計システム)とは

ここでは、製品を比べる前の前提として、財務会計ツールの役割と、混同されやすい管理会計との違いを整理します。

財務会計ツールの役割(仕訳入力から帳簿・決算書の作成まで)

財務会計ツール(財務会計システム)とは、日々の取引を仕訳として記録し、総勘定元帳などの帳簿や、貸借対照表・損益計算書といった決算書を作成するためのソフトウェアです。会計ソフトや経理ソフトと呼ばれることもあり、指す範囲はおおむね重なります。

手作業や表計算ソフトで行っていた記帳・集計・転記を自動化し、仕訳から決算までを一つの流れでつなげる点が中心的な役割です。金融機関の明細取り込みや消費税の集計など、経理の定型業務を支える機能を備えた製品が多くあります。

管理会計との違い

財務会計は、株主や取引先、金融機関、税務署といった外部の利害関係者へ経営成績や財政状態を報告することを目的とした会計です。株式会社には会社法により計算書類の作成が義務づけられており、決められたルールに沿って作成します。

一方の管理会計は、経営者や各部門が社内の意思決定や業績管理に使うための会計で、作成の形式やルールは各社が任意に定めます。財務会計ツールは外部報告に必要な帳簿・決算書の作成を主眼に置き、製品によっては予算実績管理や部門別採算といった管理会計の機能を併せ持つものもあります。

財務会計ツールの主な機能(できること)

ここからは、財務会計ツールが備える代表的な機能を、経理の作業単位に分けて見ていきます。比較表や各製品の紹介を読む際の物差しとして役立ちます。

仕訳入力と帳簿・決算書の作成

財務会計ツールの核となるのが、仕訳の入力から各種帳簿、決算書までを一貫して作成する機能です。入力した仕訳が総勘定元帳や試算表に自動で反映され、期末には貸借対照表・損益計算書などを集計できます。勘定科目の設定や消費税区分の管理も標準的に備わっています。

銀行・クレジットカード明細の自動取込と自動仕訳

多くのクラウド型の製品では、銀行口座やクレジットカードの明細を連携して取り込み、内容を学習して自動で仕訳を提案する機能を備えます。手入力の量を減らし、記帳の負担を軽くできる点が、効率化を求める利用者にとって大きな判断材料になります。対応している金融機関の範囲や、自動仕訳の精度は製品によって差があります。

他社データ・既存ソフトからの取り込み(乗り換え時)

すでに別の会計ソフトを使っている場合、過去データを引き継げるかどうかは乗り換えの成否を左右します。他社ソフトの仕訳データや残高を取り込む機能を持つ製品であれば、移行時の再入力を抑えられます。会計事務所向けのシステムには、顧問先が使う多様なソフトのデータを受け入れる取り込み機能を重視したものもあります。

インボイス制度・電子帳簿保存法への対応(概要)

財務会計ツールを選ぶうえで避けて通れないのが、インボイス制度と電子帳簿保存法への対応です。適格請求書等保存方式(インボイス制度)は、複数税率に対応した仕入税額控除の方式として令和5年(2023年)10月1日から開始しています。

令和5年10月1日から、複数税率に対応した消費税額の仕入税額控除の方式として、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」が開始しています。

出典:国税庁 タックスアンサー No.6498「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6498.htm)

電子帳簿保存法では、電子取引を行った場合に、その取引情報に係る電磁的記録を一定の要件の下で保存しなければならないと定められています。各製品がこれらの制度にどう対応しているかは、提供形態をまたいで確認したい重要な軸です。詳細は後述の選び方・比較表で製品ごとに整理します。

出典・参考資料(2件)

財務会計ツールの提供形態と3つのタイプ

財務会計ツールは、提供形態によって性質が大きく分かれます。ここでは、自社がどのタイプに当てはまるかを見つけられるよう、3つのタイプに分けて特徴を整理します。

財務会計ツールの提供形態を3タイプで整理した図。クラウド型の会計ソフトはブラウザから利用し、明細を自動取り込みして記帳を効率化、法令改正やアップデートは提供側が対応し月額・年額の利用料で個人から中小・中堅企業が対象。インストール型の会計ソフトは自社のPCに導入する買い切りが中心で、特定PCでの安定運用やネット経由のデータ管理を避けたい場合に向き、クラウド連携も可能。会計事務所向けシステムは顧問先連携の専門型で、税理士・会計事務所が記帳代行や監査に使う前提、企業は顧問税理士を通じて利用し専門帳票に対応。

自動化で経理を回すクラウド型の会計ソフト

ブラウザから利用し、銀行やクレジットカードの明細を自動で取り込んで仕訳まで効率化するタイプです。インターネット環境があれば場所を問わず使え、法令改正への対応やアップデートが提供側で行われるため、保守の手間を抑えやすい点が特徴です。個人事業主から中小・中堅企業まで、幅広い規模が主な対象になります。

買い切り・オフラインで使うインストール型の会計ソフト

自社のパソコンにインストールして使うタイプで、ソフトを買い切りで導入する製品が中心です。特定のパソコンで安定して動かしたい、インターネット経由のデータ管理を避けたいといった運用に向きます。クラウドとの連携を併用できる製品もあり、月額課金ではなく初期の購入費用と保守契約で費用が構成される点がクラウド型と異なります。

会計事務所向けの財務会計システム(顧問先連携・専門型)

会計事務所の財務会計業務と、顧問先企業とのデータ連携に特化したタイプです。税理士・会計事務所が顧問先の記帳代行や監査に使うことを前提とし、顧問先の多様なソフトからデータを取り込む機能や、専門的な帳票への対応を重視しています。企業側は顧問税理士を通じて利用する形が一般的で、税理士との連携を重視する場合の選択肢になります。

自社に合う財務会計ツールの選定診断

ここまでで提供形態の3タイプを見てきましたが、自社がどれに当てはまるかは、企業規模や会計事務所との連携など複数の条件が絡んで判断に迷うこともあります。次の診断では、提供形態の希望・企業規模・会計事務所連携の要否・法令対応の重視度の4点に答えると、条件に合う製品を数十秒で絞り込めます。

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【比較表】財務会計ツールの比較

ここからは、自社の課題や要件に合わせた客観的な比較・選定ができるよう、主要な財務会計ツール16製品を3つの提供形態別に分類してご紹介します。料金は提供形態や契約によって変わるため、詳細は各社の最新情報もあわせてご確認ください。

クラウド型の会計ソフトの比較

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サービス名Tenbook(テンブック)弥生会計 Nextマネーフォワード クラウド会計Plusfreee会計マネーフォワード クラウド会計勘定奉行クラウドPCAクラウド 会計ジョブカン会計かんたんクラウド会計(MJS)SmileWorks(スマイルワークス)
提供形態クラウド(ソフト+記帳・決算・申告代行)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS・内部統制対応)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(データセンター版/on AWS/PCA Arch)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(統合型ERP内の会計)
対象規模創業期〜中小企業(売上5億円目安)法人向け(中小規模中心)IPO準備・中堅〜上場個人事業主〜上場企業ひとり法人〜中小(〜50名想定)小規模〜中小企業中小〜中堅企業中小企業・個人事業主中心小規模事業者・中小企業中小企業
初期費用0円0円要問い合わせ0円0円0〜70,000円(エディションによる)0円(インストール・移行等は別途)0円0円0円〜(標準30,000円、カスタム300,000円〜)
月額費用29,500円〜(免税事業者)/43,500円〜(課税事業者)2,900円〜(エントリー・税抜・年契約の月額換算)要見積もり(利用ID数に応じる)法人 ひとり法人2,980円〜/スターター5,480円〜(年払い月額・税抜・従量課金別)ひとり法人 月払い3,980円/年払い月換算2,480円〜(税抜)7,750円〜(会計本体Eシステム・年額93,000円〜)16,200円〜(会計)/19,200円〜(会計hyper)(税抜)2,500円〜(スタートアップ・3ユーザー)2,160円〜(Basic・税抜・年額21,600円)5,000円〜(販売ERPプラン基本料金・機能費用別)
自動仕訳・銀行/明細連携●銀行・カード明細の自動取得と自動仕訳●AI自動仕訳・2,500以上の金融機関連携●AIによる科目提案・2,300以上の金融サービス連携●AI自動仕訳・AI-OCR・1,000以上の連携●AI自動仕訳・AI-OCR・2,300以上の連携●AI自動仕訳(AI-OCRは一部オプション)●銀行・カード明細から自動仕訳(PCA FinTech)△AI-OCR・AI仕訳は有償オプション「証憑管理」●銀行・カード連携・レシートOCR取込△販売・購買・給与から自動仕訳(AI-OCRは有償オプション)
インボイス・電子帳簿保存法対応●請求書発行・支払管理で対応●電帳法はJIIMA認証取得●会計シリーズとして対応●電帳法はJIIMA認証取得●●電帳法はJIIMA認証4種●電帳法はJIIMA認証●●●電帳法はJIIMA認証
無料トライアルソフトは30日間(代行サービスは要問い合わせ)最大2か月なし(無料見積もり・オンライン相談あり)30日間1か月30日間2か月30日間2か月最大2か月
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

クラウド型に絞って、企業規模やタイプ別の選び方・料金をさらに詳しく見比べたい場合は、クラウド会計ソフトだけを対象にした比較記事も参考になります。

インストール型の会計ソフトの比較

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サービス名会計王(ソリマチ)弥生会計(デスクトップ版)
提供形態インストール型(Windows)+クラウド連携・買い切りインストール型(Windows 11)+クラウド連携・買い切り
対象規模個人事業主・中小企業個人事業主・中小規模法人
初期費用44,000円(税込・本体買い切り、初年度サポート込み)50,000円〜(税抜・スタンダード初年度優待)
月額費用なし(買い切り。2年目以降の年間保守 38,500円目安)なし(買い切り。2年目以降の年間保守 44,000円〜目安)
自動仕訳・銀行/明細連携●AI自動仕訳・クラウド連携で明細取込●スマート取引取込で明細の自動取込・仕訳候補作成
インボイス・電子帳簿保存法対応●●電帳法はスマート証憑管理(JIIMA認証)
無料トライアル30日間(体験版)30日間(体験版)
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト

会計事務所向けの財務会計システムの比較

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サービス名TKC FXクラウドシリーズクラウド発展会計財務処理db(日本ICS)e-PAP 財務会計(エッサム)
提供形態クラウド(会計事務所の月次関与が前提)クラウド(会計事務所・顧問先連携型)インストール型(Windows)・会計事務所向けスタンドアロン/リモート/クラウド・会計事務所向け
対象規模小規模〜上場企業(製品ラインアップで対応)会計事務所と顧問先企業会計事務所(税理士・公認会計士事務所)が主対象会計事務所・顧問先企業
初期費用要問い合わせ(会計事務所経由)要問い合わせ(会計事務所経由)要問い合わせ(公式非公開)要問い合わせ(公式非公開)
月額費用要問い合わせ(会計事務所経由)要問い合わせ(会計事務所経由)要問い合わせ(ICSATOMII基本パックは月額24,800円〜・税別)要問い合わせ(公式非公開)
自動仕訳・銀行/明細連携●AI-OCR(領収書等読取オプション)・銀行連携●AI-BANK(通帳のAI-OCR自動仕訳)等△銀行・カードCSV取込、Moneytree連携(AI自動仕訳は要確認)●AI-OCR(通帳・レシート)で仕訳データ化
インボイス・電子帳簿保存法対応●電帳法はJIIMA認証/ペポルインボイス対応●発展ストレージが電帳法・インボイスに対応△電帳法はJIIMA認証取得(インボイスは要確認)●(販売店情報)
無料トライアルなし(顧問契約が前提)あり(無料体験版)要確認30日間(体験版・販売店情報)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト

財務会計ツールおすすめ16選

ここからは、提供形態のタイプごとに主要な財務会計ツールを紹介します。各製品の対象規模・料金・法令対応・導入実績を具体的に確認し、比較表とあわせて検討してください。

自動化で経理を回すクラウド型の会計ソフト

ブラウザから使い、明細の自動取り込みと自動仕訳で記帳から決算までを効率化するクラウド型の製品です。記帳から申告までをソフトと代行サービスのセットで提供するものも含みます。

1. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

Tenbookは、クラウド会計ソフト「10book」の提供と、記帳代行から決算・税務申告までの代行を組み合わせた会計アウトソーシング型のサービスです。公認会計士・税理士が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社が運営し、10bookは契約者に無料で提供されます。

料金は初期費用0円で、免税事業者向けが月額29,500円(売上1,000万円以下が目安)、課税事業者向けが月額43,500円(売上5億円以下が目安)という定額制をとり、決算時の追加料金はかかりません。対応は10book・メール・オンライン・電話(平日9:30〜18:00)で、原則3名のチーム体制です。

新設法人や経理の担当者を置きにくい企業など、記帳から申告までをまとめて外部に任せたい場合の選択肢になります。

経理体制づくりという観点から、どのような状況で外部委託の必要性が高まるのか。同社代表取締役の上田氏は、取材で次のように話しています。

上田氏
シンアカウンティングサービス株式会社 代表取締役
上田氏
独自インタビューより

分かりやすいのは、経理リソースが不足している企業です。特に新設法人だと、経理に時間も人も割けないですし、経理フローを構築する知識や経験も不足しがちです。

それと、経理担当者の退職などで業務が不安定になるケースもよくあります。属人的なフローになっていると引き継ぎが大変ですし、退職に伴って経理が回らなくなるリスクが出てきます。そこを専門家に任せることで、経理業務の安定性を提供したいと考えています。

2. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

会計ソフトで長年の実績を持つ弥生株式会社が、2025年4月に提供を開始した法人向けのクラウド会計サービスです。会計に加えて請求書発行・経費精算・証憑管理を1つにまとめ、これらのデータが自動で会計処理に流れる構成をとります。

料金は初期費用0円で、エントリープランが年額34,800円(月額換算2,900円)、ベーシックが年額50,400円、ベーシックプラスが年額84,000円(いずれも税抜)です。最大2か月の無料体験を利用でき、他社の会計ソフトからの乗り換え向けに専用ページを設けてデータ移行に対応しています。

銀行・クレジットカードなど2,500以上の金融機関と連携し、電子帳簿保存法では日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の「優良な電子帳簿」認証を取得しています。

3. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plusのウェブサイト

IPO準備企業や上場企業、その子会社など、内部統制が求められる中堅から大規模の企業に向けた会計システムです。株式会社マネーフォワードが提供し、仕訳の申請・承認フロー、権限管理、操作ログ・仕訳更新履歴といった機能を備えます。

標準版の自動データ連携やAIによる勘定科目の提案を引き継ぎつつ、監査法人とシステムを共有して証憑照会などをWeb上で行える点が特徴です。導入実績は2,000社以上とされています。

料金は利用するID数に応じた個別見積もりで、監査法人や税理士法人との共有アカウントもIDの一つとして数えます。無料トライアルはなく、代わりに無料の見積もり・オンライン相談が用意されています。

内部統制に対応した会計システムは、どのような企業がどんな目的で導入を検討するのか。同社の栗本賢人氏は、取材で相談の傾向を次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

最も多いのは、IPOや上場を目指していて内部統制をしっかり整えたい、J-SOX対応の必須要件に対応したいという中堅企業からのご相談です。導入の主導は経理の責任者が中心になることが多く、IPO準備など全社的な取り組みの文脈ではCFOが関与されるケースも少なくありません。

4. freee会計(フリー株式会社)

freee会計のウェブサイト

簿記の経験が浅い担当者でも記帳できるよう、ガイド付きの入力画面を用意したクラウド会計ソフトです。フリー株式会社が提供し、銀行口座・クレジットカード・POSレジなど1,000を超えるサービスと連携して取引データを自動で取得します。

個人事業主から上場企業までを対象とし、法人向けは5つのプランをそろえます。法人向けは初期費用0円で、ひとり法人が月額2,980円、スターターが月額5,480円から(いずれも年払いの月額・税抜、スターター以上は従量課金が別途)で、30日間の無料トライアルを利用できます。

電子帳簿保存法ではJIIMA認証を取得し、インボイス制度にも対応します。有料課金ユーザーの企業数は71万を超えています(2026年3月末時点、個人事業主を含む)。

5. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計のウェブサイト

ひとり法人や中小企業(従業員50名以下が目安)向けに、自動化と効率化に絞った標準版のクラウド会計ソフトです。複式簿記に対応し、AIが提案した勘定科目を利用者が確認しながら仕訳を進める運用に向きます。

銀行・クレジットカードなど2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、請求書・経費・給与といった同社の他サービスとも同一基盤でつながります。

料金は初期費用0円で、ひとり法人が月額3,980円(年払いは月換算2,480円)から、ビジネスが月額7,980円(年払いは月換算6,480円)から(いずれも税抜)、無料トライアルは1か月です。仕訳承認や権限管理といった内部統制の機能は上位版が担います。

6. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行クラウドのウェブサイト

会計・給与・販売などの「奉行シリーズ」を手がける株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)のクラウド会計ソフトです。金融機関の明細や領収書、Excelデータから仕訳を自動で起票し、標準で50種を超える帳票を備えます。

小規模から中小企業向けに、処理できる伝票明細の件数や機能に応じてE・J・A・B・Sの5つのエディションが用意されています。料金は年額制で、Eシステムが年93,000円(初期費用0円)から、上位のSシステムが年336,000円から(いずれも税抜)で、30日間の無料体験を利用できます。

給与奉行や固定資産奉行など同社の他の奉行シリーズや外部サービスとデータ連携でき、電子帳簿保存法ではJIIMA認証4種を取得しています。中堅・大企業向けには、上位のERP製品が別に用意されています。

7. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 会計のウェブサイト

1980年設立のピー・シー・エー株式会社が、中堅・中小企業向けに提供する財務会計システムです。日々の仕訳入力から元帳・試算表・決算書の作成、経営分析帳票までを扱い、オンプレミス型のサブスクリプション版とクラウド版でデータの互換と同じ操作性を保てる点が特徴です。

標準グレードに加えて、グループ企業管理やセグメント管理に対応した上位グレード「hyper」も選べます。料金は初期費用0円で、会計が月額16,200円、会計 hyperが月額19,200円(いずれも税抜、ソフトとサーバー利用の合計)です(インストールやデータ移行は別途)。

2か月の無料体験を利用でき、導入実績はPCAクラウド全体で25,000法人を超えます。電子帳簿保存法ではJIIMA認証を取得しています。

クラウド版とオンプレミス版の両対応という設計が、いつ・どのような考えから生まれたのか。同社の田崎氏は、取材で開発の経緯を次のように振り返っています。

田崎氏
ピー・シー・エー株式会社 事業戦略部 プロダクトマーケティングセンター
田崎氏
独自インタビューより

「中小企業でも導入できる安価なシステムを作りたい」という志を持った公認会計士の有志が集まったのが始まりです。1994年には他社に先駆けてWindows対応の「PCA会計」を発売しました。その後、「法改正のたびにソフトを買い替える負担をなくしたい」という思いから、まだクラウドという言葉が一般的でなかった2008年に、業界に先んじてPCAクラウドの提供を開始しています。

8. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

ジョブカン会計のウェブサイト

株式会社DONUTSが「ジョブカンシリーズ」の一つとして提供するクラウド会計ソフトです。ブラウザ上でキーボード中心の入力や自動集計ができ、パッケージソフトに近い操作感を保ちながら複数人での同時作業にも対応します。

料金は初期費用0円で、スタートアップが月額2,500円(3ユーザーまで)、ビジネスが月額5,000円(5ユーザーまで)、エンタープライズが月額50,000円(ユーザー数上限なし)の3プラン構成で、30日間の無料トライアルがあります。

インボイス制度・電子帳簿保存法に対応し、有償オプション「ジョブカン証憑管理」を加えると証憑のAI-OCRやAIによる仕訳作成を利用できます。勤怠・給与・経費精算など同シリーズの各製品とも連携します。

9. かんたんクラウド会計(株式会社ミロク情報サービス)

かんたんクラウド会計(MJS)のウェブサイト

会計事務所・企業向けソフトを手がける株式会社ミロク情報サービス(MJS)が、スタートアップや小規模事業者に向けて提供するクラウド会計ソフトです。取引例があらかじめ登録され、レシート画像からの自動仕訳にも対応するため、簿記の経験がなくても入力を進められる設計です。

料金は初期費用無料で、基本帳票と決算書出力に対応するBasicが月額2,160円、財務分析や資金繰りなどを加えたPlusが月額3,000円(いずれも税抜)です。標準で3アカウントまで使え、追加は1アカウントにつき月額240円、無料体験は2か月です。

インボイス制度・電子帳簿保存法に対応し、会計事務所が顧問先に導入して遠隔からサポートする運用にも向きます。

10. SmileWorks(スマイルワークス)(株式会社スマイルワークス)

SmileWorks(スマイルワークス)のウェブサイト

販売・仕入・在庫・給与・経費精算などの業務を1つにまとめた、中小企業向けの統合型クラウドERPです。財務会計はその一機能(会計ワークス)にあたり、販売や購買などの入力データから会計仕訳を自動で生成する設計をとります。

プロジェクト単位で売上・仕入・経費・工数を集計する収支管理を主軸に据えている点が特徴です。料金は、販売管理に絞った販売ERPプランが初期費用0円・月額5,000円から、会計や給与を機能単位で選べる標準プランが初期費用30,000円・月額10,000円からで、最大2か月の無料体験があります。

会計ワークスは電子帳簿保存法のJIIMA認証を取得し、インボイス制度にも対応します。証憑を読み取るAI-OCRは有償オプションとして用意されています。

買い切り・オフラインで使うインストール型の会計ソフト

自社のパソコンに導入して使う、買い切り型を中心としたインストール型の製品です。

11. 会計王(ソリマチ株式会社)

会計王(ソリマチ)のウェブサイト

会計王は、ソリマチ株式会社が中小企業・個人事業主向けに提供する会計ソフトです。ソフト本体はWindows PCにインストールして使うパッケージ型で、銀行・クレジットカードのWeb明細を取り込む「MoneyLink」や、データ保管用のクラウドストレージ「安心データバンク」といったクラウド連携機能を併せ持ちます。

摘要欄への入力をきっかけに、過去の仕訳事例から勘定科目・部門・税率を予測するAI自動仕訳を備えます。インボイス制度と改正電子帳簿保存法に対応し、対応OSはWindows 11です(Mac非対応)。

本体は44,000円(税込・1ライセンス)の買い切りで、月額のサブスクリプション課金はありません。2年目以降は年間保守「バリューサポート」(税込38,500円が目安)を任意で更新する料金体系で、ランニングコストを抑えたい場合の選択肢になります。

12. 弥生会計(デスクトップ版)(弥生株式会社)

弥生会計(デスクトップ版)のウェブサイト

「弥生会計 26」を最新版とするデスクトップ版の弥生会計は、弥生株式会社が中小規模法人・個人事業主向けに提供するインストール型の会計ソフトです。本体のグレードを購入し、年間契約の「あんしん保守サポート」と組み合わせて使う買い切り型です。

銀行口座・クレジットカードの明細を自動で取り込み、仕訳候補を作る「スマート取引取込」や、キーボード・テンキー中心の高速入力に対応します。インボイス制度の経過措置と電子帳簿保存法に対応し、電子帳簿ソフト法的要件認証(JIIMA認証)も取得済みです。対応OSはWindows 11のみです。

小規模向けの「スタンダード」、部門管理・経営分析に対応する「プロフェッショナル」、3台以上で同時利用する「ネットワーク」などのグレードがあります。初年度はあんしん保守サポート込みの優待価格で、スタンダードが50,000円(税抜)から、プロフェッショナルが88,000円(税抜)からで、2年目以降は年間保守サポート料金のみとなります。

会計事務所向けの財務会計システム

会計事務所と顧問先企業の連携を前提とした、専門的な財務会計システムです。クラウド型・インストール型のいずれでも、顧問税理士を通じて利用する製品がこのタイプにあたります。

13. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

TKC FXクラウドシリーズのウェブサイト

税理士・公認会計士による月次の巡回監査や経営助言とセットで使うことを前提に設計された、中堅・中小企業向けのクラウド会計システム群です。株式会社TKCが提供し、市販はされず、TKC全国会に所属する会計事務所を通じて導入します。

利益管理を軸にした「365日変動損益計算書」や、月次試算表・決算書を金融機関へ開示できるモニタリング情報サービスなどを備えます。企業規模に応じてFXまいスター・FX2・FX4・FX5といった製品が分かれ、建設業や医業などの業種別版もあります。

料金は会計事務所との契約条件によって決まり、公式サイトには明示されていません。証憑を読み取るAI-OCRオプション(公式が示す読み取り精度は90%超)を用意し、シリーズ累計の利用は33.5万社とされています(2026年3月末時点)。

14. クラウド発展会計(日本ビズアップ株式会社)

クラウド発展会計のウェブサイト

会計事務所と顧問先企業の連携を前提に、日本ビズアップ株式会社が提供するクラウド会計システムです。自動仕訳や財務資料の自動作成に加えて、部門別の業績管理、納税予測・決算診断などの経営助言、税理士向けの書面添付の作成までを扱います。

通帳をAI-OCRで読み取って仕訳を起票する「AI-BANK」や、2025年12月に公開された生成AIオプション(証憑のデータ化・業績分析)など、入力と分析を自動化する機能をそろえています。手書きの現金出納帳を読み取る「AI-MONEY」は開発中です。

料金は会計事務所経由での契約が基本で、公式サイトに料金表の掲載はなく、詳細は問い合わせが必要です。全国1,400件の会計事務所が利用しています。

15. 財務処理db(日本ICS株式会社)

財務処理dbのウェブサイト

日本ICS株式会社が会計事務所向けに開発する財務会計システムで、仕訳入力から決算書の作成までを同一システムで処理できます。税務申告や給与計算を担う同社の製品群「ICSATOMII」を構成するソフトの一つとして提供されています。

金融機関の預貯金データやクレジットカードの支払明細をCSVで取り込んで仕訳を自動生成でき、Moneytreeと連携して複数の取引データを受信することもできます。公益法人・宗教法人・学校法人・社会福祉法人向けの専用システムや、建設業・病院・運送業向けのカスタマイズ版も用意されています。

電子帳簿保存法の法的要件を満たすソフトとして日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)の認証を受けており、公式サイトでは12,000件の導入実績を掲げています。財務処理db単体の料金は公式サイトで公開されておらず、導入時は問い合わせが必要です。

16. e-PAP 財務会計システム(株式会社エッサム)

e-PAP 財務会計システムのウェブサイト

「e-PAP」は、株式会社エッサムが会計事務所向けに展開する財務・税務ソフトのシリーズ名です。本システムはそのうち財務会計を担い、法人申告・個人申告・年末調整・給与計算の各システムとデータを連動させて一元管理できます。

会計事務所だけでなく、顧問先企業が自ら記帳する自計化ソフトも用意されており、公式サイトでは0円から利用できると案内されています。クラウド版は、インターネットとWindows搭載のパソコンがあれば場所を問わず利用できます。

2008年の財務会計システム発売時には、日立ソリューションズの指静脈認証「静紋」をログイン認証として標準搭載しました。料金は公式サイトで体系的に公開されておらず、導入形態ごとの詳細は問い合わせが必要です。

財務会計ツールの選び方

ここからは、候補を自社の条件に当てはめて絞り込むための観点を整理します。それぞれの軸を自社の状況に照らして確認してください。

提供形態が自社の運用に合うか

最初に検討したいのが提供形態です。場所を問わず使い、保守やアップデートを任せたいならクラウド型、特定のパソコンで安定して使いたい・インターネット経由のデータ管理を避けたいならインストール型が候補になります。顧問税理士に記帳や申告を任せている場合は、会計事務所向けの財務会計システムとの連携も視野に入ります。自社の働き方と、誰が会計業務を担うのかで適した形態が分かれます。

自社の企業規模・業種に合っているか

製品ごとに想定する企業規模は異なります。個人事業主や小規模法人向けに機能と価格を絞った製品もあれば、中堅企業の内部統制や部門管理に対応した製品もあります。従業員数や取引量、将来の拡大見込みに照らして、過不足のない製品を選ぶと運用が安定します。建設業や社会福祉法人など、業種特有の会計に対応した製品が必要かどうかも確認しましょう。

自社の規模がはっきりしている場合は、その規模に特化して製品を選び抜いた比較記事のほうが候補を絞り込みやすいことがあります。個人事業主・フリーランスの方、経理を1〜数名で回す中小企業の方は、それぞれ次の記事も参考になります。

必要な会計業務・機能に対応しているか

まず、自社が行いたい会計業務に製品の機能が対応しているかを確認しましょう。日常の記帳と決算書作成だけで足りるのか、部門別会計や予算実績管理、固定資産管理まで必要なのかで選ぶべき製品が変わります。必要な機能が標準で含まれるか、オプションや上位プランになるのかは、費用に直結するため事前の確認が欠かせません。

銀行口座・周辺システム・APIと連携できるか

記帳を効率化するうえで、銀行口座やクレジットカード、請求・経費などの周辺システムと連携できるかは重要です。使っている金融機関やサービスに対応しているか、既存の基幹システムとデータをやり取りするためのAPIが提供されているかを確認しましょう。連携が広いほど、手入力と二重入力を減らせます。

法令対応(インボイス・電子帳簿保存法)を製品横断で確認する

インボイス制度と電子帳簿保存法への対応は、各社が自社製品の対応状況を個別に訴求していることが多く、提供形態をまたいで横並びで確認するのが確実です。電子帳簿保存法では、電子取引の取引情報について電磁的記録の保存が義務づけられています。

(電子取引)所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、一定の要件の下で、その電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないこととされています(電子帳簿保存法7)。

出典:国税庁「電子帳簿保存法の概要」(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/02.htm)

対応を見極める手がかりの一つが、JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証です。市販ソフトが電子帳簿保存法の要件を満たしているかを第三者がチェックする制度で、電子帳簿・スキャナ保存・電子取引などの種別ごとに認証があります。認証がないことが即座に非対応を意味するわけではありませんが、どの製品がどの種別の認証を取得しているかは、対応状況を確認する材料になります。

出典・参考資料(2件)

電子帳簿保存法への対応そのものに負担を感じる場合は、制度のメリットと、対応を進める際に押さえておきたいポイントを基礎から整理した記事も参考になります。

費用対効果・ライセンス体系が見合うか

料金は提供形態で構成が異なり、クラウド型は月額または年額の利用料、インストール型は買い切りの購入費用に保守契約を加えた形が一般的です。利用人数やプランで金額が変わる製品も多いため、必要な機能を満たす条件での総額で比べることが大切です。具体的な金額の桁感は料金相場の節で、製品ごとの実額は比較表で確認してください。

サポート体制・顧問税理士とのデータ共有は十分か

導入後に迷わず使い続けるには、サポート体制の確認が欠かせません。電話やチャットでの問い合わせ対応の範囲、初期設定の支援の有無を見ておきましょう。顧問税理士がいる場合は、税理士が同じデータを参照できるか、税理士側が対応している製品かも、日々のやり取りの効率を左右します。

財務会計ツールの料金相場

ここでは、提供形態ごとの費用の目安と、無料で使える選択肢の位置づけを整理します。製品ごとの実額は比較表を参照してください。

提供形態別の費用の目安

クラウド型は、個人事業主・ひとり法人向けなら月額2,000円台〜4,000円前後、数名〜数十名規模の中小企業向けなら月額5,000円〜1万円台が一つの目安です。内部統制や部門管理に対応する中堅企業向けの製品では、さらに高くなります。

インストール型は、ソフトの購入費用に加えて、法令改正対応やサポートを受けるための保守契約を年額で支払う構成が一般的で、利用形態によっては数十万円規模になる製品もあります。

会計事務所向けの財務会計システムは、会計事務所経由での提供や顧問契約を前提とし、料金を公開していない製品も多く見られます。いずれも利用人数や必要な機能によって総額が変わるため、条件をそろえて比較することが重要です。

無料で使える財務会計ツールという選択肢とその限界

無料で使える会計ソフトや、機能を限定した無料プランも存在します。取引数が少ない創業期や、まず使い勝手を試したい段階では有力な選択肢になります。

一方で、法人として継続的に運用する場合は、仕訳数や利用機能の上限、サポートの範囲、法令改正への対応といった面で限界が出やすい点に注意が必要です。無料であることだけで選ばず、将来の取引量の増加や決算・申告までを見据えて、有料プランへの移行や乗り換えのしやすさも含めて判断すると、後から見直す手間を抑えられます。

無料の製品や無料プランを具体的に見比べたい場合は、法人・個人事業主それぞれで「どこまで無料で使えるか」を製品ごとに整理した記事があります。自社の取引量で無料のまま運用できるかを見極める手がかりになります。

財務会計ツールを導入するメリット

ここでは、財務会計ツールを導入することで得られる効果を整理します。

記帳・集計・転記の効率化と自動化

大きなメリットは、手作業で行っていた記帳・集計・転記を自動化できることです。明細の自動取り込みや自動仕訳を使えば、入力の手間とミスを減らせます。仕訳が帳簿や試算表に自動で反映されるため、月次の締めや決算の作業も短縮しやすくなります。

経営状況の可視化と内部統制・法令対応

入力したデータから試算表や各種レポートをすぐに確認でき、経営状況を早い段階で把握できます。入力権限や承認の仕組みを備えた製品では、組織的なチェック体制を整えやすくなります。インボイス制度や電子帳簿保存法への対応が組み込まれた製品を使えば、法令への対応も日々の運用の中で進められます。

公表されている導入効果の見方

各製品の公式サイトでは、導入企業での作業時間の削減や、記帳・決算の効率化といった効果が紹介されています。こうした数値は、対象の企業規模・業種や、導入前にどのような運用をしていたかという前提によって大きく変わるため、数値の大小だけで優劣を判断するのは適切ではありません。

自社に近い規模・業種の事例か、何と比べての削減なのかという条件まで確認すると、自社での効果を見積もりやすくなります。各製品の具体的な導入効果は、それぞれの個別紹介や公式の事例で、対象と条件とあわせて確認してください。

導入・運用時の注意点

導入を成功させるために、契約してから効いてくる注意点も先に押さえておきます。

導入・運用コストとシステム移行の負荷

月額や年額の利用料だけでなく、初期設定やオプション、保守契約まで含めた総額で費用を見積もることが大切です。導入時には、勘定科目や開始残高の設定、担当者が操作に慣れるまでの時間など、金額に表れない負荷も発生します。これらを見込んだうえで、無理のない移行計画を立てると定着しやすくなります。

乗り換え・データ移行でつまずかないために

既存のソフトからの乗り換えでは、過去の仕訳データや残高をどこまで引き継げるかを事前に確認しましょう。製品によっては他社ソフトのデータ取り込みに対応しており、移行時の再入力を抑えられます。期中の乗り換えは残高の整合に注意が必要なため、期首のタイミングを選ぶ、初期設定の支援を受けるといった工夫で、移行時のつまずきを減らせます。

まとめ

財務会計ツールは、クラウド型・インストール型・会計事務所向けの財務会計システムという提供形態によって、費用のかかり方も運用の仕方も変わります。まずは自社の働き方と会計業務を担う体制から適した提供形態を見極め、そのうえで企業規模・必要な機能・インボイスや電子帳簿保存法への対応・費用・サポートを比べると、無理のない選択につながります。

本記事の比較表と選定診断ツールを使えば、提供形態を横断して候補を絞り込めます。気になる製品が見つかったら、資料を取り寄せて機能や料金の詳細を確認してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 財務会計ツールはクラウド型とインストール型のどちらを選ぶべきですか?

財務会計ツールの提供形態は、場所を問わず使い保守やアップデートを任せたいならクラウド型、特定のパソコンで安定して使いたい・インターネット経由のデータ管理を避けたいならインストール型が向きます。複数人・複数拠点での利用や自動の法令対応を重視する場合もクラウド型が候補です。

買い切りでランニングコストを抑えたい場合はインストール型が選択肢になります。自社の働き方と、誰が会計業務を担うのかを基準に選ぶと判断しやすくなります。

Q. 会計事務所向けの財務会計システムは、一般的な会計ソフトと何が違いますか?

会計事務所向けの財務会計システムは、税理士・会計事務所が顧問先の記帳代行や監査に使うことを前提とし、顧問先の多様なソフトからデータを取り込む機能や専門的な帳票への対応を重視している点が、企業が自社で使う一般的な会計ソフトと異なります。企業側は顧問税理士を通じて利用する形が一般的で、記帳や申告を税理士に任せている場合の選択肢になります。

Q. 財務会計と管理会計は何が違いますか?

財務会計と管理会計は、財務会計が株主・取引先・金融機関・税務署といった外部の利害関係者への報告を目的とするのに対し、管理会計は経営者や各部門が社内の意思決定や業績管理に使う点が違います。財務会計は会社法などのルールに沿って作成しますが、管理会計の形式は各社が任意に定めます。財務会計ツールは外部報告に必要な帳簿・決算書の作成を主眼に置き、製品によっては予算実績管理などの管理会計機能を併せ持ちます。

Q. 財務会計ツールはインボイス制度や電子帳簿保存法に対応していますか?

財務会計ツールの多くはインボイス制度と電子帳簿保存法に対応していますが、対応の範囲や方法は製品や提供形態によって異なります。対応を見極める手がかりの一つがJIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証で、電子帳簿・スキャナ保存・電子取引などの種別ごとに取得状況を確認できます。各製品がどの種別に対応しているかは、提供形態をまたいで横並びで確認すると確実です。

Q. 財務会計ツールのデータを顧問税理士と共有できますか?

財務会計ツールのデータを顧問税理士と共有できるかは、税理士が同じデータを参照できる仕組みがあるか、税理士側がその製品に対応しているかによって決まります。クラウド型では同じ画面を共有して確認やアドバイスを受けやすく、会計事務所向けの財務会計システムは顧問先との連携を前提に設計されています。顧問税理士がいる場合は、導入前に税理士が対応している製品かを確認すると、日々のやり取りがスムーズになります。

Q. 無料で使える財務会計ツールはありますか?

無料で使える会計ソフトや、機能を限定した無料プランは存在します。取引数が少ない創業期や、まず使い勝手を試したい段階では有力な選択肢になります。ただし法人として継続的に運用する場合は、仕訳数や利用機能の上限、サポートの範囲、法令改正への対応などで限界が出やすいため、将来の取引量や決算・申告まで見据えて、有料プランへの移行や乗り換えのしやすさもあわせて判断すると安心です。

Q. 会計ソフトと確定申告ソフトは何が違いますか?

会計ソフトと確定申告ソフトは、会計ソフトが日々の仕訳・帳簿付けから決算書作成までの経理業務全般を担うのに対し、確定申告ソフトは申告書の作成に特化している点が違います。法人の継続的な経理や決算には財務会計ツール(会計ソフト)が軸になり、個人事業主の確定申告では両方の機能を備えたクラウド型の製品が使われることも多くあります。

Q. 財務会計ツールを導入するのと、税理士に記帳を依頼するのはどちらがよいですか?

どちらがよいかは業務量・予算・社内の経理体制によって異なり、ツールの導入と税理士への依頼は併用するのが現実的な選択肢になることも多くあります。日々の記帳を自社でツールを使って効率化しつつ、決算や申告、専門的な判断は税理士に任せる形が一般的です。記帳から申告までをまとめて任せたい場合は、記帳代行とソフト提供を組み合わせたサービスも候補になります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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