決算が近づき、損益計算書(P/L)を自分で作らなければならなくなったものの、「結局どの順番で何を書けば一枚でき上がるのか」がつかめず手が止まっていませんか。
損益計算書は、売上高から当期純利益まで、収益と費用を決まった区分で上から順に並べていけば完成します。完成形の並びさえ分かれば、あとは自社の数字を当てはめるだけです。
本記事では、金額を入れた損益計算書の完成サンプルを先に示し、そこから5つの利益の計算式、勘定科目の区分、記帳から完成までの手順までを順番に解説します。入門者がつまずきやすい勘定科目の区分や法人税等の扱いも、具体例を挙げて埋めていきます。
手作業での作成に負担を感じる場合に向けて、仕訳を入力すれば損益計算書まで自動作成できる会計ソフトや、作成そのものを任せられる記帳代行という選択肢も後半で紹介します。まずは、損益計算書が一枚でき上がるまでの全体像をつかんでいきましょう。
目次
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損益計算書とは
損益計算書(P/L:Profit and Loss Statement)は、一定期間(会計期間)における会社の経営成績をまとめた書類です。その期間に得た収益から、かかった費用を差し引いて、どれだけ利益(または損失)が出たかを表します。
基本の関係は「収益 − 費用 = 利益」です。ただし損益計算書では、収益と費用をひとまとめにするのではなく、売上高・売上原価・販売費及び一般管理費といった区分に分け、上から順に差し引きながら5段階の利益を示していきます。この段階表示が、損益計算書を読み書きするうえでの土台になります。
損益計算書は、決算のときに貸借対照表(B/S)とともに作成する決算書類の一つで、決算日時点の財産を表す貸借対照表に対し、一定期間の儲けの中身を表します。ここでは、損益計算書そのものの作り方に絞って解説します。
【完成サンプル】金額入りの損益計算書(報告式)一枚
ここからは、まず完成形を見ていきます。下の表は、架空の会社(1年間)を例にした損益計算書です。売上高から始めて、上から順に費用を差し引いたり収益を加えたりしながら、最終的な当期純利益までを1枚で表しています。自社の数字を同じ行に当てはめれば、そのまま損益計算書の形になります。
| 区分・項目 | 金額(円) |
|---|---|
| 売上高 | 50,000,000 |
| 売上原価 | 30,000,000 |
| 売上総利益 | 20,000,000 |
| 販売費及び一般管理費 | 14,000,000 |
| 営業利益 | 6,000,000 |
| 営業外収益 | 500,000 |
| 営業外費用 | 300,000 |
| 経常利益 | 6,200,000 |
| 特別利益 | 200,000 |
| 特別損失 | 400,000 |
| 税引前当期純利益 | 6,000,000 |
| 法人税等 | 1,800,000 |
| 当期純利益 | 4,200,000 |
上から「売上高 − 売上原価 = 売上総利益」「売上総利益 − 販売費及び一般管理費 = 営業利益」というように、1行ずつ差し引き・足し込みを進めると、太字の利益(5つの利益)が順番に求まります。会社の損益計算書は、会社計算規則が定める7つの区分(後述)に分けて表示します。
このように、収益と費用を上から縦に並べて利益を積み上げていく形式を「報告式」と呼びます。各利益が何を意味し、どの科目を足し引きするのかは、次の章で順番に見ていきます。
出典・参考資料(1件)
- 出典:会社計算規則 第88条〜第94条(損益計算書等の区分・各利益の表示)|法務省・e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/418M60000010013)
損益計算書の5つの利益(計算式と含まれる科目)
損益計算書には、段階の異なる5つの利益が並びます。完成サンプルの太字の行が、それぞれの利益にあたります。どの利益が、何から何を差し引いて求められるのかを表にまとめました。
| 利益 | 計算式 | 何を表すか |
|---|---|---|
| 売上総利益 | 売上高 − 売上原価 | 商品・サービスそのものから得られる儲け(粗利) |
| 営業利益 | 売上総利益 − 販売費及び一般管理費 | 本業で稼いだ儲け |
| 経常利益 | 営業利益 + 営業外収益 − 営業外費用 | 本業に加え、利息など通常の財務活動まで含めた儲け |
| 税引前当期純利益 | 経常利益 + 特別利益 − 特別損失 | 臨時的な損益まで反映した、税金を引く前の儲け |
| 当期純利益 | 税引前当期純利益 − 法人税等 | 税金を差し引いて最終的に会社に残る儲け |
この計算式は、会社計算規則が定める各利益の表示方法とそのまま対応しています。売上総利益から始めて、販管費を引けば営業利益、そこに営業外の収益・費用を加減すれば経常利益、というように、上の段の利益を次の段の出発点にして積み上げていくのが損益計算書の仕組みです。

5つのうちどれか一つを見るのではなく、段階ごとに利益がどう変化したかを追うと、「本業は黒字だが営業外の支払利息が重い」といった会社の状態が読み取れます。収益性の指標を使った詳しい分析は別の記事に譲り、ここでは作成に必要な計算の流れと、各利益が何を表すかを押さえておけば十分です。
損益計算書の勘定科目と区分(どの科目をどこに入れるか)
損益計算書を作るときに迷いやすいのが、「この取引はどの区分に入れるのか」という点です。収益と費用は、それぞれ次の区分に分けて記載します。代表的な勘定科目とあわせて整理しました。
| 大分類 | 区分 | 代表的な勘定科目 |
|---|---|---|
| 収益 | 売上高 | 売上(本業の商品・サービス提供による収益) |
| 営業外収益 | 受取利息、受取配当金、雑収入 など | |
| 特別利益 | 固定資産売却益、投資有価証券売却益 など | |
| 費用 | 売上原価 | 仕入、製造原価 など |
| 販売費及び一般管理費 | 給料、地代家賃、広告宣伝費、減価償却費、通信費 など | |
| 営業外費用 | 支払利息、雑損失 など | |
| 特別損失 | 固定資産売却損、固定資産除却損、災害による損失 など | |
| 税金(別掲) | 法人税等 | 法人税、住民税、事業税 |
区分の順番は会社計算規則で定められており、損益計算書はこの区分の順に表示します。会社計算規則では、損益計算書の区分について次のように定めています。
損益計算書等は、次に掲げる項目に区分して表示しなければならない。(中略)一 売上高/二 売上原価/三 販売費及び一般管理費/四 営業外収益/五 営業外費用/六 特別利益/七 特別損失
出典:会社計算規則 第88条|法務省・e-Gov法令検索
法人税等(法人税・住民税・事業税)はこの7区分には含まれません。税引前当期純利益の次に差し引く項目として、区分とは別に表示します。
仕訳の勘定名から損益計算書での表記への変換
日々の仕訳で使う勘定名と、損益計算書に記載するときの表記は、一部で異なります。手作業で作成するときに見落とすと、決算書の表示に誤りが生じるため注意が必要です。代表的な変換は次のとおりです。
| 仕訳での勘定名 | 損益計算書での表記 |
|---|---|
| 売上 | 売上高 |
| 仕入 | 売上原価 |
売上原価は「仕入」をそのまま移すのではなく、期首・期末の在庫(棚卸高)を加減して「その期に売れた分の原価」に調整します。この調整は、後述する決算整理仕訳のなかで行います。
損益計算書の作り方の手順(記帳から完成まで)
ここからは、損益計算書を一から作る手順を見ていきます。国税庁は、記帳から決算書作成までの流れを「取引 → 仕訳帳 → 総勘定元帳 → 試算表 → 損益計算書・貸借対照表 → 申告書」として示しています。この流れに沿って、5つのステップで進めます。

手順1 日々の取引を記帳する
最初のステップは、日々の取引を漏れなく仕訳として記録することです。取引が発生するたびに、取引年月日・内容・勘定科目・金額を、借方と貸方に分けて仕訳帳に記載します。複式簿記では、一つの取引を「どの科目が増え、どの科目が減ったか」の両面で記録します。ここで記録した仕訳が、損益計算書のすべての数字の出発点になります。
このステップの成果物は仕訳帳です。日々の記帳が抜けていると後の工程すべてがずれるため、売上・仕入・経費の支払いなどをその都度記録しておくことが重要です。
手順2 仕訳を総勘定元帳へ転記する
次に、仕訳帳に記録した取引を、勘定科目ごとにまとめ直します。これを総勘定元帳への転記といいます。仕訳帳は取引を発生順に並べた帳簿ですが、総勘定元帳は「売上」「現金」「給料」など科目ごとに取引を集約した帳簿です。
この転記でき上がる総勘定元帳で、各科目の残高(その期にいくら発生したか)が分かるようになり、損益計算書の各行の金額のもとになります。
手順3 試算表を作成する
総勘定元帳の各勘定残高を一覧にまとめたものが試算表です。試算表では、借方の合計と貸方の合計が一致しているかどうかが確認できます。複式簿記では必ず借方と貸方が同額になるため、一致しない場合はどこかに転記ミスや記帳漏れがあることが分かります。
この試算表で数字の整合性を確認しておくことで、後の決算書の誤りを防げます。
手順4 決算整理仕訳を行う
試算表の数字は、まだその期の正しい損益を表していません。期末にしか確定しない調整を加える必要があり、これを決算整理仕訳といいます。代表的なものに、固定資産の減価償却費の計上、商品の棚卸しによる売上原価の確定、前払費用・未払費用などの経過勘定の整理があります。
金額の出し方の目安として、減価償却費は固定資産の取得価額を法定耐用年数で配分して計上し(定額法など)、売上原価は期首在庫+当期仕入−期末在庫で求めます(期末在庫は実地棚卸で数えます)。これらの調整を入れることで、その期に対応する収益と費用が正しく区切られ、損益計算書を作成するための数字がそろいます。
完成サンプルの最後に差し引く法人税等は、税引前当期純利益をもとにした税額計算が別途必要で、損益計算書を作る工程とは分けて算出します。正確な税額の計算は、会計ソフトの申告機能や税理士に任せるのが確実です。
手順5 損益計算書を作成する
最後に、決算整理を終えた収益・費用を区分ごとに並べ、上から順に5つの利益を計算していきます。売上高から売上原価を引いて売上総利益、販管費を引いて営業利益、というように、この記事の前半で見た完成サンプルの行の並びに数字を当てはめれば、損益計算書が1枚でき上がります。
こうしてでき上がるのが損益計算書です。あわせて貸借対照表も作成し、決算書として確定申告書に添付します。
出典・参考資料(1件)
- 出典:帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kojin_jigyo/0023005-091_01.pdf)
個人事業主と法人で作り方はどう違うか
ここまでは会社(法人)の損益計算書を前提に説明してきました。個人事業主の場合は、会社計算規則にもとづく損益計算書ではなく、国税庁の青色申告決算書(一般用)という定型様式のなかで損益計算書を作成します。この様式は「売上(収入)金額 − 売上原価 − 経費 = 所得金額」という流れで、法人の損益計算書のような売上総利益・営業利益・経常利益といった5段階の利益区分は持ちません。
記帳から決算書を作る流れそのものは個人事業主も同じですが、最終的に記入する様式が異なります。青色申告決算書(一般用)の損益計算書は、次のような形で所得金額までを求めます(金額は架空の数値例)。
| 項目 | 金額(円) |
|---|---|
| 売上(収入)金額 | 8,000,000 |
| 売上原価 | 3,000,000 |
| 差引金額 | 5,000,000 |
| 経費 | 2,000,000 |
| 青色申告特別控除前の所得金額 | 3,000,000 |
法人の損益計算書のような5段階の利益ではなく、「差引金額(売上総利益にあたる部分)」と「所得金額」を求める構成です。ここから青色申告特別控除を差し引いた額が、最終的な所得金額になります。個人事業主の方は、国税庁が配布する青色申告決算書の様式に沿って作成してください。
出典・参考資料(1件)
- 出典:確定申告書等の様式・手引き等(所得税青色申告決算書〈一般用〉)|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/01/shinkokusho/r06.htm)
青色申告決算書の作成まで会計ソフトに任せたい個人事業主・フリーランスの方には、料金や青色申告65万円控除・e-Tax対応で絞り込めるソフト選びの記事も参考になります。
ここまでで、損益計算書を作る全体像がつかめたはずです。記事の後半では書式や注意点、作る手段の選び方を解説しますが、手作業の負担を減らしたい方は、損益計算書を自動作成できるクラウド会計ソフトの資料をまとめて見比べておくと、このあとの判断がスムーズになります。
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勘定式と報告式(2つの書式と使い分け)
損益計算書の書式には、簿記上一般に「報告式」と「勘定式」の2種類があります。この記事の完成サンプルで示したのは報告式です。両者の違いを整理します。
| 書式 | 並べ方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 報告式 | 収益・費用を上から縦一列に並べ、順に差し引いて5つの利益を表示する | 段階ごとの利益が追いやすい。会社の決算書・開示で一般的に用いられる |
| 勘定式 | 左側(借方)に費用、右側(貸方)に収益を左右対照に並べる | 借方・貸方の対応が見やすい。簿記の学習などで用いられる |
会社計算規則が定める損益計算書の様式は、売上高から順に差し引いて各利益を縦に積み上げる形、すなわち報告式にあたります。実務で決算書として作成・開示する場合は、段階利益が分かる報告式を用いるのが一般的です。自社で作成する際も、まずは報告式を押さえておけば問題ありません。
損益計算書を作るときの注意点とよくある誤り
ここまでの手順を踏まえて、自分で作るときに特に間違えやすい点を具体的に挙げます。
費用をどの区分に入れるか迷う費目を押さえる
同じ費用でも、どの区分に入れるかで利益額が変わります。迷いやすいのは、減価償却費や交際費・水道光熱費は販売費及び一般管理費、借入金の支払利息は営業外費用、固定資産を売ったときの損益は特別利益・特別損失、という振り分けです。たとえば支払利息を販管費に入れてしまうと、本業の儲けである営業利益が実態より小さく出てしまいます。
売上原価は「仕入額そのまま」にしない
よくある誤りが、その期の仕入額をそのまま売上原価にしてしまうことです。売上原価は「期首在庫+当期仕入−期末在庫」で求め、売れ残った在庫の分は原価から除きます。期末の棚卸しを省くと、売上総利益が実態とずれるため注意します。
消費税の税抜・税込をそろえる
金額を税抜で記帳する(税抜経理)か、税込で記帳する(税込経理)かは、期を通して統一します。期の途中で税抜と税込が混ざると、売上高や経費の金額が正しく積み上がりません。どちらの経理方式を採るかを先に決めてから記帳を始めます。
借方と貸方が一致しないときの探し方
試算表で借方合計と貸方合計が一致しないときは、まず差額の金額に注目します。差額をそのまま検索すれば転記漏れや二重計上が、差額が2で割り切れるなら借方・貸方を逆に記帳した仕訳が見つかりやすくなります。一致しないまま先へ進めず、仕訳帳と総勘定元帳をさかのぼって原因を特定します。
自分で作る手段の比較(Excel・会計ソフト・記帳代行/税理士)
損益計算書を作る手段は、大きく「手書き・Excel」「会計ソフト」「記帳代行・税理士への依頼」の3つに分けられます。手間・ミスのリスク・コストの観点で整理しました。
| 手段 | 手書き・Excel | 会計ソフト | 記帳代行・税理士 |
|---|---|---|---|
| 手間 | 大きい(転記・集計を手作業) | 小さい(仕訳入力で自動集計) | 最小(作成を任せる) |
| ミスのリスク | 高い(転記ミス・計算ミス) | 低い(自動計算・連携) | 低い(専門家が対応) |
| コストの目安 | 低い(ソフト費用は不要) | 月額1,000円前後〜(法人向けは数千円〜) | 比較的高い(依頼料) |
| 向いているケース | 取引が少なく、簿記の知識がある場合 | 自分で記帳しつつ手間を減らしたい場合 | 経理に人員を割けない・作成ごと任せたい場合 |
Excelで作る場合は、前述の完成サンプルと同じ区分・並びの表を用意し、各利益のセルに「上の行から差し引く」計算式を入れておくと、数字を入力するだけで利益が自動計算されます。ただし、日々の仕訳からの集計や決算整理は手作業で行う必要があり、取引が増えるほど負担とミスのリスクが高まります。
毎回この記帳から試算表、決算整理、完成までの工程を手で回すのが負担になってきた場合は、仕訳を入力すれば損益計算書や決算書まで自動で作成できる会計ソフトや、作成そのものを任せられる記帳代行が選択肢になります。次の章で、それぞれの代表的なサービスを紹介します。
記帳・決算を自動化するクラウド会計ソフト・記帳代行
ここからは、損益計算書づくりの負担を軽くする具体的なサービスを紹介します。仕訳を入力・取り込むだけで損益計算書や決算書まで自動作成できるクラウド会計ソフトと、記帳から決算まで作成そのものを任せられる記帳代行を取り上げます。
まずは主要なサービスの特徴を一覧で整理しました。性格の異なる2タイプ(自分で記帳するクラウド会計ソフトと、記帳から作成を任せる記帳代行)を並べているため、料金の高低だけでなく「提供形態」の列もあわせて見てください。料金は変動するため、最新の金額は各社の公式情報で確認してください(下表は2026年10月時点の各社公式情報による)。
| サービス名 | Tenbook(テンブック) | 弥生会計 Next | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド会計ソフト+記帳・決算・申告の代行 | クラウド会計ソフト | クラウド会計ソフト | クラウド会計ソフト |
| 損益計算書・決算書の作成 | 専門家が記帳〜決算書・申告書まで作成代行 | 仕訳入力から自動作成(貸借対照表・損益計算書) | 仕訳入力から自動作成(ボタン操作で決算書を作成) | 仕訳入力から自動作成(貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書) |
| 金融機関連携・自動仕訳 | △記帳自体を専門家が代行(会計ソフト部分は金融機関連携・自動仕訳に対応) | ●2,500以上の金融機関と連携・AI自動仕訳 | ●1,000超の金融機関・サービスと連携・AI自動仕訳 | ●2,300以上の金融関連サービスと連携・AI自動仕訳 |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 月額料金 | 29,500円〜(免税事業者)/43,500円〜(課税事業者) | 2,900円〜(エントリー年契約・月額換算、税抜) | 980円〜(個人)/2,980円〜(法人・年払い月額、税抜、従量課金別) | 2,480円〜(ひとり法人・年払い月額、税抜) |
| 無料トライアル | 会計サービスは明記なし(会計ソフト単体は30日間) | 最大2か月(決算書の作成・出力は不可) | 30日間(一部機能制限あり) | 1か月(クレジットカード登録不要) |
| 対象規模 | 創業期〜中小企業(売上高10億円以下が目安) | 法人向け | 個人事業主〜上場企業(IPO準備含む) | ひとり法人〜中小企業(50名以下が目安) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
1. Tenbook(テンブック)/シンアカウンティングサービス

「作成そのものを専門家に任せたい」というニーズに応えるのが、シンアカウンティングサービス株式会社の記帳・経理代行サービスです。同社はクラウド会計・経理ソフト「Tenbook(テンブック)」の提供とあわせて、経理体制の構築から日々の経理業務、正確な決算書・申告書の作成までを一気通貫で代行します。
目安として売上高10億円以下の中小企業を中心に、経理に人員を割けない新設法人や、担当者の退職で経理が不安定になった企業を支援しています。「簿記の知識がなくても決算書を作成できる」という考え方を土台にサービスを設計しているため、損益計算書づくりを工程ごと任せたい場合に適した選択肢です。
同社がこうした設計に至った背景について、代表取締役の上田氏は次のように述べています。
当社は2012年に設立しており、スタートアップや創業期の企業を中心にさまざまな会社を見てきました。その中で、管理業務の設計が弱いことで、後から大きな痛みが出てしまうケースも見てきました。だからこそ、創業期から経理の重要性を伝えつつ、続けられる形で経理体制を構築し、正確な決算書・申告書までつなげたいという思いがあります。そのために、当社はシステム開発にも取り組んできました。会社設立当初から「簿記知識がなくても決算書を作成できるシステム」の開発を始めており、まさに現場で使い続けられるロジックを土台にして、サービス提供につなげています。
2. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Next は、弥生株式会社が2025年にリリースした法人向けのクラウド会計サービスです。公式サイトでは簿記の知識がない初心者を主な対象に掲げており、会計ソフトを初めて使う担当者を想定した設計になっています。
帳簿づけと決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成に加え、見積書・請求書発行、経費精算、証憑管理を一つのサービスに統合し、これらのデータが自動で会計処理に連携します。金融機関との連携による自動仕訳にも対応し、入力した仕訳から損益計算書を自動で作成できます。弥生会計 Next は法人向けで、個人事業主は「やよいの青色申告 オンライン」など別の製品が対象です。
3. freee会計(フリー株式会社)

freee会計は、フリー株式会社が提供するクラウド型の会計ソフトです。個人事業主から新設法人・中小企業まで幅広く対応し、銀行口座・クレジットカードなど1,000を超える金融機関・サービスと連携して取引データを自動取得し、仕訳の自動化から決算書作成までを一気通貫で行えます。
操作はガイド付きで、経理の経験者・未経験者を問わず使える設計を公式に掲げており、簿記の経験が浅くても扱いやすい点を特徴としています。日々の経理処理を行っていれば決算書の作成につなげられるため、手作業に負担を感じている個人事業主・小規模事業者にとって導入しやすい選択肢です。
4. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

銀行・クレジットカードなどとデータ連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を提案して仕訳を自動化するのが、株式会社マネーフォワードの法人向けクラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」です。複式簿記に対応し、仕訳帳・総勘定元帳・試算表といった帳簿から、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書までを作成できます。
公式サイトでは、ひとり法人・中小企業(50名以下)向けと位置づけられています。振替伝票入力・簡単入力・仕訳帳入力の3方式で手入力にも対応しており、自動化で手間を減らしたい担当者から、勘定科目を自分で扱いたい経理経験者まで幅広く使える点が特徴です。
ここで取り上げたのは代表的な数サービスですが、クラウド会計ソフトは対応できる会社の規模や料金、自動仕訳の精度などがサービスごとに異なります。主要なクラウド会計ソフトを規模・タイプ別に比較し、選び方まで解説した記事もあわせてご用意しているので、自社に合うソフトを比べて選びたい方はこちらもご覧ください。
【2026年】クラウド会計ソフト比較15選|規模・タイプ別の選び方と料金を解説
クラウド会計ソフトの導入を検討するとき、「製品が多すぎて自社に合うものが分からない」「インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているか不安」「手入力やExcelでの記帳から早く脱却したい」といった悩みに突き当たる担当者は少なくありません。 選…
まとめ
損益計算書は、売上高から当期純利益まで、収益と費用を決まった区分で上から順に並べ、5つの利益を段階的に計算していけば作成できます。完成サンプルの行の並びに自社の数字を当てはめ、記帳から総勘定元帳・試算表・決算整理を経て仕上げるのが基本の流れです。
手作業やExcelでの作成は取引が増えるほど負担とミスのリスクが高まります。仕訳を入力すれば損益計算書まで自動で作成できる会計ソフトや、作成そのものを任せられる記帳代行も活用しながら、自社に合った方法で決算書づくりを進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 損益計算書とは何ですか?
A. 損益計算書(P/L)とは、一定期間(会計期間)における会社の経営成績をまとめた書類です。その期間に得た収益からかかった費用を差し引いて、どれだけ利益(または損失)が出たかを「収益 − 費用 = 利益」の関係で表します。決算のときに貸借対照表とともに作成する決算書類の一つで、売上高から当期純利益まで収益と費用を決まった区分で上から順に並べ、5段階の利益を示します。
Q. 損益計算書の5つの利益のうち、どれを重視すればよいですか?
A. 損益計算書の5つの利益は、どれか一つだけを見るのではなく段階ごとの変化を追うのが基本で、なかでも本業で稼いだ儲けを表す「営業利益」が経営成績の目安になります。
売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益を順に見ていくと、「本業は黒字だが営業外の支払利息が重く経常利益が伸びない」といった会社の状態が読み取れます。まずは本業の実力を示す営業利益を押さえ、そのうえで各段階の利益の増減を確認するとよいでしょう。
Q. 損益計算書の売上原価と販売費及び一般管理費の違いは何ですか?
A. 損益計算書の売上原価と販管費の違いは、売上原価が売れた商品・サービスに直接対応する原価であるのに対し、販売費及び一般管理費は販売活動や会社全体の管理にかかる費用(給料・家賃・広告宣伝費など)である点です。同じ「費用」でもどちらの区分に入れるかで営業利益の金額が変わるため、科目ごとにどの区分に属するかを確認します。
Q. 損益計算書で勘定科目の表示名を変える例を教えてください。
A. 損益計算書では、日々の仕訳で使う「売上」を「売上高」、「仕入」を「売上原価」と表記を変えて記載します。手作業で転記するときに元の勘定名のまま書いてしまうと決算書の表示に誤りが生じるため、損益計算書に移す段階で表記を確認します。なお売上原価は「仕入」の金額をそのまま移すのではなく、期首・期末の在庫(棚卸高)を加減して「その期に売れた分の原価」に調整したうえで記載します。
Q. 個人事業主の損益計算書は法人と同じ様式で作りますか?
A. 個人事業主の損益計算書は、法人の様式ではなく、国税庁の「青色申告決算書(一般用)」という定型様式のなかで作成します。この様式は「売上(収入)金額 − 売上原価 − 経費 = 所得金額」という流れで、会社計算規則にもとづく法人の損益計算書のような売上総利益・営業利益・経常利益といった5段階の利益区分は持ちません。
記帳から決算書を作る流れそのものは法人と同じですが、最終的に記入する様式が異なります。個人事業主の方は、国税庁が配布する青色申告決算書の様式に沿って作成してください。
Q. 損益計算書は手書き・Excel・会計ソフトのどれで作るのがよいですか?
A. 損益計算書を作る手段は、取引が少なく簿記の知識があれば手書き・Excel、手間とミスを減らしたいなら会計ソフト、作成そのものを任せたいなら記帳代行・税理士が向いています。手書き・Excelはソフト費用がかからない一方で、転記・集計を手作業で行うため計算ミスのリスクが高く、取引が増えるほど負担が大きくなります。
会計ソフトは仕訳を入力すれば損益計算書や決算書まで自動で集計・作成でき、金融機関との連携による自動仕訳でミスも抑えられます。自分で記帳する余力がない場合は、記帳から決算まで作成を代行するサービスも選択肢になります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















