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司法書士にリーガルチェックは頼める?できる範囲・できない範囲と費用・頼み先を解説

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契約書レビュー比較表(2026年版)のプレビュー

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契約書レビュー比較表(2026年版)

取引先から届いた契約書にそのまま押印してよいか不安で、中身を専門家に確認(リーガルチェック)してもらいたい。弁護士に頼むほど大ごとにしたくない、費用も気になるという場面で、身近に感じる「司法書士」にリーガルチェックを頼めないかと考える方は少なくありません。

リーガルチェックとは、契約を結ぶ前に、条項に不利な内容や抜け漏れ、法的なリスクがないかを確認し、必要な修正点を助言する作業です。結論からお伝えすると、紛争になっていない通常の契約書であれば、司法書士にリーガルチェックを依頼できます。ただし、相手方との交渉の代理や、争いが生じている契約への対応には範囲の限界があり、そこを知らずに頼むと「それはできません」と言われてしまいます。

本記事では、司法書士にリーガルチェックを頼める範囲と頼めない範囲を整理します。あわせてチェック・作成の実額費用、弁護士・行政書士との違いと頼み先、AIによるリーガルチェックが違法にならないのかまで解説するので、依頼先と費用感を固める材料としてご活用ください。

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司法書士にリーガルチェックは頼める?結論と根拠

紛争になっていない通常の契約書であれば、司法書士にリーガルチェック(作成・内容チェック・条項の助言)を依頼できます。一方で、相手方との交渉の代理や、争いが生じた契約への対応は、司法書士の範囲を超えます。まず、なぜ司法書士に頼めるのか、その法的な位置づけから確認します。

意外に思えるかもしれませんが、「契約書の作成・リーガルチェック」そのものは、司法書士だけの独占業務ではありません。司法書士の法定業務は司法書士法第3条に限定列挙されており、そこに並ぶのは登記・供託の代理や、法務局・裁判所などに提出する書類の作成、簡易裁判所での訴訟代理などです。一般の契約書の作成・チェックは、この列挙には含まれていません。

独占業務ではないからこそ、契約書のチェックは司法書士のほか弁護士・行政書士にも頼めます。ただし、誰でも無制限にできるわけではなく、それぞれ対応できる範囲は法律で決まっています。

第三条(業務) 司法書士は、この法律の定めるところにより、他人の依頼を受けて、次に掲げる事務を行うことを業とする。
一 登記又は供託に関する手続について代理すること。
二 法務局又は地方法務局に提出し、又は提供する書類又は電磁的記録(…)を作成すること。
(三号 略)
四 裁判所若しくは検察庁に提出する書類若しくは電磁的記録(…)を作成すること。
五 前各号の事務について相談に応ずること。

出典:司法書士法(第3条第1項)|e-Gov法令検索

それでも司法書士に契約書のリーガルチェックを頼めるのは、主に次の2つの道筋があるためです。1つは、登記などの本来業務に附帯・密接に関連する範囲で契約書を整える場合で、これは司法書士法第29条を受け皿とする司法書士法施行規則第31条第5号に根拠があります。

もう1つは、一般の契約書の作成が行政書士の業務(権利義務又は事実証明に関する書類の作成)にあたることから、行政書士を兼業している司法書士が対応する場合です。実際に多くの司法書士事務所が行政書士登録を併有し、両方の立場で契約書業務を請け負っています。

この成り立ちから、司法書士が強みを発揮しやすいのは、不動産売買や会社設立のように登記・権利関係と一体で進む契約書です。もっとも、取引先から届いた業務委託契約書などの一般的な契約でも依頼でき、費用を抑えて専門家の目を入れられます。ただし、込み入った契約をどこまで深く扱うかは事務所の方針によって差があるため、相談時に取扱範囲を確認しておくと安心です。

逆に、紛争性のある契約への対応や相手方との交渉を報酬を得て代理することは、弁護士法第72条が禁じる非弁行為にあたり、司法書士には頼めません。この「できる・できない」の線引きを、次の章で具体的に整理します。

出典・参考資料(3件)

司法書士に頼めること・頼めないこと

司法書士に契約書関連で頼めることと、弁護士でなければできないことを対比で確認します。この線引きは感覚的なものではなく、司法書士の業務範囲と、弁護士でない人が扱える法律事務の限界(弁護士法第72条)にもとづきます。

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司法書士に頼める契約書業務/頼めない業務頼める(紛争性がない範囲)頼めない(弁護士の領域)
具体的な業務契約書の作成、締結前の内容チェック(リーガルチェック)、条項の追加・修正の助言、契約締結の立会い、登記と一体の契約書(不動産売買・金銭消費貸借など)の整備相手方との契約交渉の代理、すでに紛争が生じている契約への対応、訴額140万円を超える裁判・和解の代理
根拠・考え方紛争性のない契約書の作成・確認は、報酬を得て行っても弁護士法第72条の禁じる「法律事件」の取り扱いに当たらないため。登記附帯業務(施行規則第31条第5号)や行政書士業務(兼業)として対応報酬を得て紛争性のある法律事件を扱うと弁護士法第72条が禁じる非弁行為に当たるため。認定司法書士の代理も簡易裁判所が扱う範囲(訴額140万円以下)に限られる

※上記は司法書士法・弁護士法の定めにもとづく一般的な整理です。個別の契約でどこまで依頼できるかは、契約の内容や紛争の有無、事務所の取扱範囲によって変わるため、事前に確認してください。

「頼めない」側の根拠となるのが、次の弁護士法第72条です。報酬を得る目的で紛争性のある法律事務を扱うことを、弁護士・弁護士法人以外に禁じています。

弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、再調査の請求、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

出典:弁護士法(第72条)|e-Gov法令検索

対比表にある「訴額140万円」についても補足します。紛争の相手方との交渉や裁判の代理は、原則として弁護士の業務です。例外として、法務大臣の認定を受けた認定司法書士(司法書士法第3条第2項の要件を満たす司法書士)は、簡易裁判所が扱う範囲で代理ができます。その上限が、裁判所法第33条第1項第1号の定める訴額140万円以下です。

この140万円は紛争の代理ができる範囲の線であって、契約書の作成・チェック自体の金額に上限があるわけではありません(この点は後半のよくある質問でも改めて整理します)。

出典・参考資料(3件)

契約書チェックで確認してもらえること

リーガルチェックでは、契約書が法的に妥当か、自社に不利な条項や抜け漏れがないかを、おおむね次の観点で確認してもらえます。何を見てもらえるのかを知っておくと、依頼時に伝える内容も整理しやすくなります。

  • 不利な条項・リスクの洗い出し:自社が一方的に不利になる条項や、将来のトラブルにつながりやすい条項がないかを確認します。
  • 条項の抜け漏れ:契約の目的に照らして必要な条項(支払条件、解除、損害賠償、秘密保持など)が欠けていないかを確認します。
  • 自社の目的との整合:取引の実態や自社の意図と契約書の内容が合っているか、関連する契約書との整合も含めて確認します。
  • 当事者間の利益バランス:相手方と自社の権利義務のバランスが取れているかを確認し、必要に応じて修正点を助言します。

どこまで踏み込んで検討するかは、契約の種類や依頼先の専門性によって変わります。登記や会社法務と関わりの薄い契約で、込み入った法的リスクまで検討したい場合は、後述する弁護士や専門サービスの利用もあわせて検討するとよいでしょう。

リーガルチェック・契約書作成にかかる費用(実額)

ここからは、司法書士にリーガルチェック・契約書作成を頼むときの費用を確認します。相場だけでなく、実際に料金を公開している事務所の実額を並べるので、自分の契約でおおよそいくらかかるかをイメージしやすくなります。

費用は「チェック(レビュー)だけを頼むか、作成まで頼むか」「定型か非定型か」「契約金額の大きさ」で変わり、事務所による開きも大きいのが実情です。まずは実際に料金を公開している事務所の実額を見てみましょう。

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士業事務所の公開料金(実額の例)瀧司法書士事務所ふくしまリーガル司法書士事務所L-TAS司法書士事務所リーガルサービス司法書士法人
リーガルチェック(レビュー)15,000円〜(税別)20,000円〜(税別、難易度・緊急度で増減)定型 44,000円〜
非定型 55,000円〜(税込)
作成・精査の料金に含む
契約書の作成30,000円〜(税別)—(公開ページに記載なし)定型 66,000円〜
非定型 88,000円〜(税込)
定型 55,000〜330,000円(契約類型により異なる)
非定型 44,000円〜(税込)
そのほか印紙代など実費は別途正式な見積もりは依頼前に提示内容確認後に見積もり公正証書化は22,000円(税込)〜加算

※上記は2026年10月時点で料金を公開している事務所の例にもとづく整理です。実際の料金は契約の種類・枚数・契約金額・事務所によって異なるため、依頼前に見積もりを確認してください。

料金体系は、作成やチェックの基本料金に、契約書の枚数に応じた加算や、公正証書作成・登記情報調査などの実費が加わる形が一般的です。上の例のとおり、定型的なチェックは1万〜2万円台から頼める事務所がある一方、非定型・高額の契約や作成まで含めると数万円〜20万円超になる事務所もあり、事務所や契約内容で幅が大きくなります。

一般的な費用の目安としては、契約書のチェックは1件あたり2万〜5万円程度、作成まで含めると5万〜10万円程度とされます。司法書士・行政書士は弁護士より費用を抑えやすい傾向ですが、上の実額のとおり事務所や契約内容で幅が大きいため、見積もりで確認するのが確実です。見積もりの際は、チェックのみか作成までか、契約書の種類・枚数、特急対応の要否を伝えると、金額のずれが起きにくくなります。

出典・参考資料(5件)

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あなたのケースでは誰に頼むべきか

契約書のリーガルチェックは、司法書士のほか弁護士・行政書士にも頼めます。3つの士業は守備範囲と費用、得意な場面が異なるため、自分の契約に合った頼み先を選ぶことが大切です。まず守備範囲を一覧で確認し、続けてケース別の選び方を整理します。

司法書士・弁護士・行政書士は何が違うか(守備範囲・費用・向くケース)

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司法書士・弁護士・行政書士の契約書業務の違い契約書でできることできないこと法的根拠費用相場(1件のチェック)向くケース
司法書士紛争性のない契約書の作成・チェック・助言(登記関連に強い)相手方との交渉代理・紛争対応、訴額140万円超の裁判代理司法書士法第3条(法定業務)+弁護士法第72条(非弁の線)2万〜5万円程度(弁護士より抑えやすい傾向)登記・不動産・会社関連と一体の契約、非紛争の定型契約
行政書士権利義務・事実証明に関する書類としての契約書の作成・代理作成・相談紛争性のある契約交渉・法律事件の代理行政書士法第1条の3(権利義務・事実証明書類の作成)2万〜5万円程度(弁護士より抑えやすい傾向)許認可や官公署提出書類と関わる契約、非紛争の契約
弁護士契約書の作成・チェックから交渉代理・紛争対応まで制限なし特になし(一般の法律事務全般)弁護士法第3条(一般の法律事務)5万〜10万円程度(顧問契約なら月額制も)紛争性・高額・新規性のある契約、交渉を伴う契約

※費用相場は2026年10月時点の一般的な目安で、実額は事務所・契約内容により異なります。守備範囲は各士業法の定めにもとづく整理です。

行政書士も、契約書を「権利義務又は事実証明に関する書類」として作成・代理作成・相談を業として行えます。ただし、他の法律で制限された業務は扱えないため、紛争性のある契約交渉は司法書士と同じく弁護士の領域です。行政書士の業務範囲は行政書士法に定められています。

行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(…)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

出典:行政書士法(第1条の3第1項)|e-Gov法令検索

一方で弁護士は、弁護士法第3条により「一般の法律事務」を広く職務とし、交渉代理や紛争対応を含めて契約書に関わる業務に制限がありません。司法書士・行政書士が報酬を得て紛争性のある法律事件を扱えないのは、前章の弁護士法第72条による非弁行為の禁止があるためです。

出典・参考資料(2件)

紛争性・契約金額・交渉代理で見る、あなたの頼み先

頼み先は、契約に紛争の可能性があるか、交渉を任せたいか、契約金額が大きいかで分かれます。自分のケースに近いものを確認してみてください。

契約書チェックの頼み先をケース別に示した図。紛争性ありの契約(すでにトラブル、交渉を任せたい、金額が大きく新規性が高い)は弁護士。紛争性なしの場合は契約の性質で選び、登記・不動産・会社設立と一体の契約は司法書士、許認可や官公署提出書類と一体の契約は行政書士、登記も許認可も関係ない通常の契約は司法書士・行政書士のどちらでも、日常的な契約を手早く低コストで確認したい場合はAIリーガルチェック等が向く。
  • 登記・不動産・会社設立と一体の契約で、紛争の心配がない → 司法書士が向いています。登記手続まで一括で任せられるのが強みです。
  • 許認可の申請と関わる契約や、官公署に出す書類と一体の契約 → 行政書士が選択肢になります。
  • 取引先から届いた業務委託契約書や売買基本契約書など、登記も許認可も関係ない通常の契約で、まだ揉めていない → 司法書士・行政書士のどちらにも頼めます。費用や相談のしやすさで選んで問題ありません。登記と無関係な契約まで専門的に扱うかは事務所ごとに差があるため、相談時に取扱範囲を確認しておくとよいでしょう。
  • すでにトラブルになっている、相手方との交渉を任せたい、金額が大きく新規性が高い → 弁護士に依頼するのが安全です。交渉代理や紛争対応は弁護士にしかできません。
  • 日常的な取引契約を手早く・低コストで確認したい → 後述するAIリーガルチェックや、弁護士に相談できるサービスの利用も検討できます。

「紛争性があるかどうか」は、次のように判断すると分かりやすくなります。まだ契約を結ぶ前で、条件のすり合わせを自社で行うつもりなら、通常は「紛争性なし」で司法書士・行政書士に頼めます。一方、相手方との言い分がすでに対立している、交渉そのものを代わりにやってほしい、支払いや契約違反でトラブルが起きている、といった場合は「紛争性あり」で弁護士の領域です。

紛争になるかどうかの判断が難しい契約や、契約金額が大きく誤りの影響が大きい契約は、はじめから弁護士に相談しておくと安心です。司法書士や行政書士に頼む場合も、紛争性が出てきた時点で弁護士への切り替えが必要になる点は押さえておきましょう。

司法書士への依頼の進み方(相談→見積→納期)

ここからは、司法書士にリーガルチェックを依頼するときの一般的な流れを確認します。多くの事務所はおおむね次のステップで進みます。

  1. 相談・問い合わせ:電話やフォーム、メールなどで依頼内容を伝えます。初回相談を無料とする事務所もあれば有料の事務所もあり、まず対応可否と費用感を確認できます。
  2. 見積もり:チェックのみか作成までか、契約書の種類・枚数・契約金額を伝え、料金と納期の見積もりを受け取ります。
  3. 契約書の提出・チェック:対象の契約書と関連資料を渡し、司法書士が内容を確認して修正点や助言を返します。
  4. 修正・納品:指摘を反映した契約書を受け取ります。登記や公正証書作成が必要な場合は、あわせて手続を依頼できます。

依頼時には、対象の契約書(WordやPDF)のほか、取引の背景や相手方との関係がわかる資料を用意すると、確認がスムーズです。急ぎの場合は特急対応(割増料金)に対応する事務所もあります。相談の段階で、紛争性のある案件かどうかを伝えておくと、司法書士で対応できるか、弁護士を紹介すべきかの判断が早まります。

事務所を選ぶときは、自分が頼みたい契約類型(業務委託・売買基本・不動産売買など)の対応実績があるか、料金が「チェックのみ・作成・枚数加算・実費」まで明示されているか、紛争性が出たときに弁護士を紹介できる体制があるか、の3点が確認の目安になります。

AIリーガルチェックは違法(非弁)にならないのか

近年は、契約書をアップロードするとリスクや抜け漏れを自動で指摘する「AIリーガルチェック」のサービスが増えています。司法書士・弁護士に頼む前に、「AIに契約書を見てもらうのは、弁護士法違反(非弁行為)にならないのか」が気になる方もいるはずです。

結論として、AIを使って契約書をチェックすること自体は違法ではありません。この点は、法務省が2023年(令和5年)8月に「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」というガイドラインを公表し、2026年(令和8年)8月に内容を補完・拡充して整理しています。

ガイドラインは、AI契約審査サービスの提供が弁護士法第72条の非弁行為に当たるかを、「報酬を得る目的」「一般の法律事件(事件性)」「鑑定その他の法律事務」という3つの要件で判断する枠組みを示しています。そのうえで、次のように整理しています。

本件サービスが、下記1から3までに記載した「報酬を得る目的」、「訴訟事件…その他一般の法律事件」又は「鑑定…その他の法律事務」の各要件のいずれかに該当しない場合には、本件サービスの提供は、弁護士法第 72 条に違反せず、本件サービスが下記1から3までの要件のいずれにも該当する場合であっても、下記4に該当する場合には、当該サービスの提供は、同条に違反しないと考えられる。

出典:AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について(令和5年8月)|法務省

3要件のいずれかに当てはまらなければ、非弁行為にはなりません。仮にすべてに当てはまる場合でも、弁護士などの有資格者が自ら契約書を精査し、必要に応じて修正する形でAIを補助的に使うのであれば、弁護士法第72条には違反しないという整理です。

このため、市販のAIリーガルチェックサービスの多くは、AIが抜け漏れやリスクの検出を担い、最終的な法的判断は弁護士などの有資格者が行う前提で設計されています。重要な契約は、AIのレビューに加えて有資格者の確認もあわせて受けると安心です。

出典・参考資料(2件)

契約書チェックを手軽に・継続的に受ける方法(AI契約書レビュー・法務アウトソーシング)

取引先から届いた契約書が1通だけなら、司法書士や弁護士への単発依頼が手軽です。一方、確認したい契約書が日常的に出てくるなら、AIと有資格者を組み合わせたサービスを使うと、弁護士に都度頼むより費用と時間を抑えつつ、弁護士監修の基準で契約書を確認できます。

ここでは、手軽な1通のチェックから法務業務の一元化まで、有資格者の関与度が異なるサービスを例に紹介します。法務担当者がいない企業や個人事業主でも使いやすいものを中心に取り上げます。

サービスによって、有資格者がどこまで関与するか(弁護士・士業が契約書レビューを代行するのか、AIのレビューに弁護士へ相談できる窓口が付くのか、弁護士監修の基準をAIが適用するのか)が異なります。自社の使い方に合わせて確認してください。

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契約書レビューサービスの比較CLOUD LEGAL(クラウドリーガル)LegalOn CloudLegalBase(リーガルベース)Lisse法務AI Cowork(旧LeCHECK)クラウドサイン レビューLawFlow(ローフロー)
提供会社MOLTON株式会社株式会社LegalOn Technologies株式会社アシロ株式会社リセ弁護士ドットコム株式会社LawFlow株式会社
弁護士・有資格者の関与弁護士・司法書士など士業が関与(ALSP)弁護士監修(チェックリスト・ひな形)弁護士に相談可(THEMILでチャット相談)弁護士監修(30名以上)+有人レビューも可(別料金)弁護士監修弁護士が開発(弁護士監修のAI)
審査の受け方弁護士・士業がレビューを代行(最短1〜2営業日)AIが審査(Word・ブラウザ対応)AIが審査+難案件は弁護士にチャット相談AIが審査(Wordアドイン対応)AIが審査(Wordアドイン対応)AIが審査(OCRで紙・画像も取込)
対応言語和文・英文和文和文和文和文・英文和文
料金の形月額11,000円(税込)〜/初期費用0円要問い合わせ(モジュール選択型)月額5,000円(税抜)〜/初期費用0円要問い合わせ要問い合わせ無料〜(スタンダード月額16,500円・エンタープライズ月額33,000円、税込)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

※上記は2026年10月時点で各社公式サイト等が公開する情報にもとづく整理です。料金・機能・対応言語はプランや改定により変わるため、詳細は各社の公式サイト・資料でご確認ください。弁護士・士業の関与の仕方(監修・相談・レビュー代行)はサービスごとに異なります。

ここで挙げたサービスも含め、AIによるレビューと弁護士によるレビューの違いや使い分け、費用まで広く比較して選びたい場合は、契約書レビューサービス全体をまとめた以下の記事もあわせてご覧ください。

CLOUD LEGAL(クラウドリーガル)のウェブサイト

CLOUD LEGALは、MOLTON株式会社が提供する、生成AIと有資格者のスケール体制を組み合わせた企業法務アウトソーシングサービス(ALSP)です。弁護士・司法書士・行政書士など複数の士業の体制に弁護士監修のAIを組み合わせ、契約書の作成・レビューを行います。法務・労務・知的財産・税務の相談までオンラインで対応します。

月額11,000円(税込)のプランから弁護士相談や契約書レビューを利用でき、初期費用は0円です。法務部や顧問弁護士を置いていない中小企業・個人事業主でも専門家の関与を得やすい設計で、司法書士が扱えない法的判断や、弁護士の関与が望ましい契約についても有資格者の体制でカバーできる点が、専門家の審査を手軽に受けたい場合の選択肢になります。

弁護士への依頼で気になりやすい、審査の返却までにかかる時間について、MOLTONの金沢由樹氏は導入事例を次のように説明しています。

金沢由樹氏
MOLTON株式会社 CSMO(最高営業・マーケティング責任者)
金沢由樹氏
独自インタビューより

特に分かりやすいのが対応スピードです。従来の顧問弁護士だと回答に1〜2週間かかることがありましたが、クラウドリーガルの弁護士相談や契約書レビュー・リーガチェックは1日、2日でお返しできています。また、クラウドリーガルで搭載しているリーガルAIも活用してさらに対応スピードを上げています。

2. LegalOn Cloud(株式会社LegalOn Technologies)

LegalOn Cloudのウェブサイト

LegalOn Cloudは、株式会社LegalOn Technologiesが提供するリーガルAIプラットフォームです。AI契約審査「LegalForce」や契約管理の技術を土台に、締結前のレビューから契約管理・電子契約・ひな形までを同じ基盤で扱えます。弁護士監修のチェックリストと自社の審査基準(プレイブック)の両方で、不利な条項や欠落条項を検出し、修正文案や理由を提示します。

弁護士監修のひな形を2,000点以上収録し、森・濱田松本法律事務所監修のライブラリーも利用できます。料金はモジュール選択型で、契約書のボリュームなどに応じた個別見積もり(要問い合わせ)です。機能が広く法務部門向けの色合いもあるため、1通の契約を手軽に確認したい用途か、契約業務全体を一元化したい用途かを見極めて検討するとよいでしょう。

3. LegalBase(リーガルベース)(株式会社アシロ)

LegalBase(リーガルベース)のウェブサイト

LegalBaseは、東証グロース上場の株式会社アシロが2026年3月に提供を開始したリーガルテックです。AI契約書レビュー「LEGIEW」で締結前の契約書の抜け漏れやリスクを自動検出し、判断が難しい案件は企業法務を扱う弁護士へのチャット相談「THEMIL」を使うという、AIと弁護士相談を組み合わせた構成が特徴です。契約書ひな形のダウンロードや反社チェック、契約管理も月額定額に含まれます。

料金は従業員規模別で、個人事業主向けプランは月額5,000円(税抜・税込5,500円)、従業員10名未満は月額10,000円(税込11,000円)からで、初期費用や契約期間の縛りはありません。AIによるレビューは弁護士の法的判断を代替するものではなく確認を補助する位置づけのため、重要な契約は弁護士相談とあわせて使うのが望ましいでしょう。

4. Lisse法務AI Cowork(旧LeCHECK)(株式会社リセ)

Lisse法務AI Cowork(旧LeCHECK)のウェブサイト

Lisse法務AI Coworkは、弁護士である藤田美樹氏が代表を務める株式会社リセが提供するAI契約書レビューサービスです。従来「LeCHECK(リチェック)」として提供されていたサービスが、2026年10月に「Lisse法務AI」へブランドを統一し、その契約書レビュー機能として引き継がれています。

30名以上の弁護士が監修する基準をもとに、リスクの指摘、欠落している条文とその挿入位置の提案、変更条文例と解説を提示します。

Microsoft Wordのアドインに対応し、使い慣れたWord上でレビューを受けられます。累計導入社数は5,000社以上で、料金はプランにより異なる個別見積もり(要問い合わせ)です。クレジットカード不要の無料トライアルも用意されており、専業のAI契約書レビューを試してから導入を検討できます。

5. クラウドサイン レビュー(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサイン レビューのウェブサイト

クラウドサイン レビューは、電子契約「クラウドサイン」を運営する弁護士ドットコム株式会社が提供する契約書チェック支援サービスです。弁護士監修の基準をもとに、契約書の欠落条項や自社に不利な条項を指摘し、修正条文例まで提示します。日本語の契約書に加えて英文契約書にも対応し、英文対応プランでは自動翻訳とチェックを組み合わせて利用できます。

「おすすめプラン」と「英文対応プラン」の2系統が用意され、料金は個別見積もり(要問い合わせ)です。法律相談ポータルを運営する弁護士ドットコムが手がけるサービスで、弁護士監修の視点を日常の契約書確認に取り入れたい企業に向いています。

6. LawFlow(ローフロー)(LawFlow株式会社)

LawFlow(ローフロー)のウェブサイト

LawFlowは、弁護士が開発したAI契約書チェックサービスです。契約書のリスクや不足条項を自動で検出し、自社の過去契約やひな形と条項を比較できます。OCRに対応しているため、紙の契約書を撮影した画像からでも取り込める手軽さが特徴です。

個人向けの「スターター」プランはチェック機能を無料で利用でき、保存や作成支援を含む「スタンダード」は月額16,500円(税込)、法人向け「エンタープライズ」は月額33,000円(税込・年間契約)です。

有償化にあたって同社は、2023年8月の法務省ガイドラインでAI契約書チェックの適法性が整理されたことを背景に挙げています。まず無料で試してから、必要に応じて有料プランへ移行できる入口の広さが魅力です。

まとめ

司法書士には、紛争になっていない通常の契約書であれば、リーガルチェック(作成・内容チェック・条項の助言)を依頼できます。契約書のチェックは司法書士の独占業務ではなく、登記に附帯・関連する範囲や、行政書士を兼業する立場で担われており、とくに登記・不動産・会社関連と一体の契約書で強みを発揮します。

一方、相手方との交渉代理や紛争が生じた契約への対応、訴額140万円を超える裁判代理は、弁護士法第72条の関係で司法書士の範囲を超えます。

費用は事務所差が大きく、公開料金ではチェック1万円台から、作成や非定型の契約では数万〜20万円超までの幅があります(一般的な目安はチェック2万〜5万円・作成5万〜10万円程度)。紛争性のある契約や交渉が必要な契約は弁護士、許認可と関わる契約は行政書士というように、契約の性質で頼み先を選ぶと迷いにくくなります。

日常的な契約を手軽に専門家の目で確認したい場合は、弁護士監修のAI契約書レビューやALSPもあわせて検討してください。自社に合うサービスの比較検討には、以下の資料もご活用ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. リーガルチェックとは何ですか?

A. リーガルチェックとは、契約を結ぶ前に、契約書に自社へ不利な条項や抜け漏れ、法的なリスクがないかを確認し、必要な修正点を助言する作業です。締結後のトラブルを未然に防ぐことを目的とし、司法書士・弁護士・行政書士といった専門家のほか、弁護士監修のAI契約書レビューサービスにも依頼できます。

Q. 司法書士にリーガルチェックを頼めますか?

A. 紛争になっていない通常の契約書であれば、司法書士にリーガルチェック(内容チェック・作成・条項の助言)を依頼できます。とくに不動産売買や会社設立など、登記と一体で進む契約書で力を発揮します。登記と無関係な一般の契約でも依頼できますが、どこまで深く扱うかは事務所により差があるため、相談時に取扱範囲を確認しましょう。

一方で、相手方との交渉の代理や、すでに争いが生じた契約への対応は司法書士の範囲を超え、弁護士に依頼する必要があります。

出典・参考資料(2件)

Q. 司法書士のリーガルチェックの費用はどれくらいですか?

A. 司法書士のリーガルチェックの費用は、チェック(レビュー)だけなら2万〜5万円程度、契約書の作成まで含めると5万〜10万円程度が一つの目安です。公開料金では1万円台から対応する事務所もあり、定型的な契約書ほど安く、非定型・高額の契約書ほど高くなる傾向で、印紙代などの実費は別途かかります。

弁護士に依頼する場合(1件のチェックで5万〜10万円程度が目安)より費用を抑えやすいのが一般的です。正確な金額は契約書の種類・枚数によって変わるため、依頼前に見積もりを確認してください。

Q. 契約書の作成は不要で、チェックだけでも司法書士に頼めますか?

A. 契約書の作成を伴わず、すでにある契約書のチェック(レビュー)だけを司法書士に依頼することもできます。多くの事務所がチェックのみのメニューを用意しており、作成まで頼むより費用を抑えられます。見積もりの際に「チェックのみか作成まで含むか」「対象の契約書の種類・枚数」を伝えておくと、金額のずれが起きにくくなります。

Q. 訴額140万円を超える契約書は、司法書士にチェックしてもらえないのですか?

A. 訴額140万円は、認定司法書士が紛争の代理をできる範囲の上限であって、契約書の作成・チェックそのものに金額の上限があるわけではありません。そのため、紛争になっていない契約書であれば、契約金額が140万円を超えていても司法書士にチェックを依頼できます。140万円の線が関わるのは、簡易裁判所での訴訟代理など「紛争の代理」を認定司法書士に頼む場面であり、契約書を締結前に確認する作業とは別の話です。

出典・参考資料(2件)

Q. 個人や個人事業主でも、司法書士にリーガルチェックを頼めますか?

A. 個人や個人事業主でも、司法書士に契約書のリーガルチェックを依頼できます。ただし、法人からの依頼のみを受け付けている事務所もあるため、個人で依頼したい場合は相談の段階で対応可否を確認しておくと安心です。少額の契約書を手軽に・継続的にチェックしたい場合は、個人事業主向けプランのあるAI契約書レビューサービスを使う方法もあります。

Q. 契約書を公正証書にしたいのですが、司法書士に頼めますか?

A. 公正証書にする契約書の原案作成や、公証役場での手続きのサポートは、司法書士(行政書士を兼業する場合を含む)に依頼できます。ただし、公正証書そのものを作成するのは公証人で、司法書士はその手前の原案づくりや段取りを支える役割です。公正証書にしておくと、金銭の支払いが滞ったときに裁判を経ずに強制執行ができるなどのメリットがあります。

Q. 契約書に貼る収入印紙(印紙税)についても相談できますか?

A. 契約書が印紙税法上の課税文書に当たるか、いくらの収入印紙が必要かも、契約書の作成・チェックとあわせて司法書士に相談できます。印紙税の金額は契約書の種類と契約金額によって決まります。紙ではなく電子契約で締結する場合は課税文書に当たらないため、契約金額にかかわらず収入印紙は不要です。

印紙代を抑える目的で電子契約への切り替えを検討する場合は、電子契約システムの比較記事で料金やタイプ別の選び方を確認できます。

Q. 契約書のリーガルチェックは、司法書士と行政書士のどちらに頼むべきですか?

A. 登記・不動産・会社設立と一体の契約書なら司法書士、許認可の申請や官公署に出す書類と関わる契約書なら行政書士が向いています。どちらも紛争性のない契約書の作成・チェックができ、費用相場も大きくは変わらないため、登記や許認可と関係のない一般の契約書は、相談のしやすさや費用で選んで問題ありません。いずれの場合も、相手方との交渉代理や紛争対応が必要になった時点で、弁護士の領域に切り替わります。

出典・参考資料(3件)

Q. AIによるリーガルチェックだけで、契約書の確認を済ませても問題ありませんか?

A. AIによるリーガルチェック自体は適法ですが、重要な契約は、AIのレビューに加えて弁護士などの有資格者の確認もあわせて受けるのが安全です。法務省のガイドライン(2023年8月に整理され、2026年8月に補完・拡充)は、AI契約審査サービスについて、有資格者が最終的な法的判断を行う前提での利用であれば弁護士法第72条に違反しないと整理しています。

日常的な定型契約の一次チェックをAIで効率化し、判断が難しい契約や重要な契約は専門家に確認する、という使い分けが現実的です。

出典・参考資料(2件)

Q. 紛争になりそうか自分で判断できない契約書は、誰に相談すればよいですか?

A. 紛争性は、次のような具体的な事実で見分けられます。相手方とすでに言い分が食い違っている、支払い・納品・契約違反でトラブルが起きている、交渉を自分では行わず代わりにやってほしい——これらに当てはまれば「紛争性あり」で弁護士の領域です。判断に迷う場合は、無料相談のある事務所にその契約が「紛争性あり」かを聞いてみるのが近道です。

あてはまらず、契約前で条件のすり合わせを自社で行うつもりなら、通常は「紛争性なし」として司法書士・行政書士に頼めます。ただし、契約金額が大きく誤りの影響が大きい契約書は、念のため最初から弁護士に相談しておくと安心です。

Q. 司法書士にリーガルチェックを依頼すると、どれくらいの期間で終わりますか?

A. 納期は契約書の種類・分量や事務所の混み具合によって幅があるため、見積もりの際に納期もあわせて確認するのが確実です。急ぎの場合は、割増料金で特急対応に応じる事務所もあります。依頼時に、対象の契約書とあわせて取引の背景や相手方との関係がわかる資料を渡しておくと、確認がスムーズに進みます。

Q. 英文の契約書もリーガルチェックしてもらえますか?

A. 英文契約書のリーガルチェックは、英文対応をうたう弁護士や専門サービスに依頼するのが確実です。司法書士・行政書士の事務所でも対応するところはありますが、準拠法や海外の法制度が絡む契約では弁護士や英文対応のサービスが安心です。AI契約書レビューには英文のレビューや日英の翻訳に対応する製品もあるため、日常的な英文契約の一次チェックはそうしたサービスの活用も検討できます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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