経理の現場でシステムの見直しを検討していると、「基幹システム」「会計システム」「ERP」という言葉が入り混じり、それぞれの関係が整理できないまま話が進んでしまうことがあります。「会計は基幹システムの一部なのか」「ERPに入れ替えるべきなのか」と迷ったまま、製品の比較だけが先行してしまうケースも少なくありません。
本記事では、基幹システム・会計システム・ERPの3つの関係をまず整理したうえで、経理の立場から見て業務が具体的にどう変わるのか、そして自社に合った進め方をどう選べばよいのかを解説します。
販売や在庫の仕組みと会計をどうつなぐかは、二重入力や月次決算の遅れといった経理の負担に直結します。言葉の関係を押さえたうえで、自社の規模や既存の仕組みに合った進め方を選ぶための材料として活用してください。
目次
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基幹システム・会計システム・ERPの関係を整理する
最初に3つの言葉の関係を整理します。結論から言うと、会計システムは基幹システムを構成する一領域であり、ERPはそれら基幹システムをまとめて統合した上位の仕組みという位置づけです。

基幹システムとは、企業の事業活動の根幹を支える業務システムの総称です。具体的には、販売管理・在庫管理・購買管理・生産管理・人事給与、そして会計管理といった、止まると事業全体に影響する業務のシステムを指します。会計システム(会計管理システム)は、このうち「お金の記録と報告」を担う一領域にあたります。
ERP(Enterprise Resource Planning、統合基幹業務システム)は、これら個別の基幹システムを1つの基盤に統合し、ヒト・モノ・カネの情報を一元管理する考え方・仕組みです。販売・在庫・購買・会計などが共通のデータ基盤でつながるため、部門をまたいだデータの受け渡しや再入力が減るという特徴があります。
| 用語 | 指すもの | 会計との関係 |
|---|---|---|
| 基幹システム | 販売・在庫・購買・生産・人事給与・会計など、事業の根幹を支える業務システムの総称 | 会計システムはこの構成要素の一つ |
| 会計システム(会計管理システム) | 取引の記録・帳簿作成・決算書作成など「お金の記録と報告」を担うシステム | 基幹システムの一領域 |
| ERP(統合基幹業務システム) | 個別の基幹システムを1つの基盤に統合し、情報を一元管理する仕組み | 会計を含む基幹システム群を統合した上位概念 |
この関係を踏まえると、「会計システムを導入する」「ERPに移行する」という検討は、基幹システムという大きな枠の中で、会計という一領域だけを扱うのか、それとも会計を含む全体を統合して扱うのかという違いとして整理できます。次章から、会計システムが基幹システムの中で果たす役割を具体的に見ていきます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:情報通信白書 用語解説(ERP)|総務省(リンク)
基幹システムの中で会計システムが担う役割
ここからは、基幹システムの中で会計システムがどんな役割を担い、他の業務システムとどうつながるのかを整理します。経理の業務がどこで発生し、どこに集約されるのかが見えると、システムを連携させる意味がつかみやすくなります。
基幹システムを構成する業務領域と会計システムの位置づけ
基幹システムは、業務ごとに次のような領域で構成されます。会計システムはその中で、各領域で発生した取引を金額の記録として集約する役割を担います。
- 販売管理:受注・売上・請求などの販売業務を管理する
- 在庫管理・購買管理:仕入れや在庫、発注を管理する
- 生産管理:製造業で、生産計画や工程を管理する
- 人事給与:勤怠や給与計算を管理する
- 会計管理:上記の各業務で発生した取引を記録し、帳簿・決算書を作成する
会計システムは、他の業務システムの「出口」に位置すると整理できます。販売で生まれた売上も、購買で生まれた仕入も、最終的には会計システムに記録されて帳簿や決算書につながります。だからこそ、販売や在庫の仕組みと会計システムをどうつなぐかが、経理の業務量を大きく左右します。
ここで挙げた販売管理・在庫管理・購買管理といった業務そのもの(基幹業務)が具体的に何を指すのか、業界ごとにどう違うのかをもう少し掘り下げたい場合は、次の記事で整理しています。
取引から仕訳へ——他業務のデータが会計に集約される流れ
会計システムの中核にあるのが「仕訳(しわけ)」です。仕訳とは、日々の取引を「どの勘定科目に、いくら」という形で記録する作業を指します。たとえば商品を販売すれば売上として、材料を仕入れれば仕入や原価として記録されます。
この「取引を記録し、その記録をもとに決算書を作る」という流れは、法律でも定められた会計の基本です。会社法では、会計帳簿の作成について次のように定めています。
株式会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。
会社法 第432条第1項(e-Gov法令検索)
取引を正規の簿記の原則に従って記録し、その記録にもとづいて貸借対照表や損益計算書を作成するという流れは、法人・個人を問わず会計に共通する一般原則です(法人は会社法、個人事業は所得税法で同様に定められています)。実務上は、記録した仕訳を集計する「仕訳帳」や「総勘定元帳」といった帳簿を経由して、決算書が作られます。

ここで重要なのは、販売管理や在庫管理といった他の基幹システムと会計システムが連携していれば、「販売→売上計上」「仕入→仕入・原価計上」といった取引から仕訳への流れが自動化されるという点です。連携していなければ、販売システムの数字を見ながら経理が会計システムに手入力することになり、同じデータを二重に入力する作業が発生します。
出典・参考資料(3件)
ERPと基幹システム(個別システム連携)は何が違うか
「基幹システム」と「ERP」は、どちらも販売・在庫・会計などの業務を扱う点では共通します。違いは、それぞれのシステムが独立していて必要に応じて連携させるか、最初から1つの基盤に統合されているかという、データの持ち方にあります。
| 観点 | 個別の基幹システム+連携 | ERP(統合基幹業務システム) |
|---|---|---|
| データの持ち方 | 販売・在庫・会計などが業務ごとに独立したシステムとデータを持つ | 共通のデータ基盤(マスタ)で全業務のデータを一元管理 |
| システム間の連携 | 必要な部分を個別に連携させる(連携していない部分は手作業になりやすい) | 最初からつながっているため受け渡しや再入力が少ない |
| 導入の仕方 | 既存のシステムを活かしつつ、不足する領域だけを追加・刷新しやすい | 全社の業務を1つの基盤に載せ替える前提で、規模が大きくなりやすい |
個別システムを連携させる方式は、すでに使っている販売管理や生産管理をそのまま活かし、会計など不足する領域だけを足していけるのが利点です。一方で、連携していない部分では部門間のデータの突き合わせや再入力が残りやすくなります。
ERPは、販売・在庫・購買・会計などを共通のデータ基盤でつなぐため、二重入力やマスタの不一致が起きにくいのが特徴です。代表的な製品にはSAPのクラウドERPなどがあり、大企業だけでなく中堅・中小企業向けのクラウド型ERPも広がっています。ただし全社の業務を1つの基盤に載せ替える前提になるため、導入の範囲やコストは大きくなりやすい傾向があります。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:SAP S/4HANA Cloud、2024 Gartner Magic Quadrant のクラウドERP部門でリーダーに認定|SAPジャパン(リンク)
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基幹システムと会計システムの連携で経理業務はどう変わるか
基幹システムと会計システムがつながると、経理の日常業務は具体的にどう変わるのでしょうか。ここでは、連携前と連携後の違いを整理したうえで、実際に基幹システムと会計を刷新した企業の公開事例を見ていきます。
二重入力・消込・月次決算はどう変わるか(連携前と連携後)
連携の有無は、仕訳の入力・二重入力・消込(入金と支払の照合)・月次決算という4つの作業に表れます。
| 経理の作業 | 連携していない場合 | 連携した場合 |
|---|---|---|
| 仕訳の入力 | 販売・購買システムの数字を見ながら会計システムに手入力する | 販売・仕入などの取引データから仕訳が自動で起票される |
| 二重入力 | 同じ取引を各システムに入力し直す必要がある | 一度入力したデータが会計まで流れ、入力し直しが減る |
| 売掛金・買掛金の消込 | 入金・支払の照合を目視や手作業で行う | 入出金データと突き合わせて消込を効率化できる |
| 月次決算 | 各システムからデータを集めてから集計するため時間がかかる | データが集約されているため締めと集計を早められる |
とくに負担が大きいのが、同じ取引を複数のシステムに入力し直す二重入力と、入金・支払を一件ずつ照合する消込です。基幹システムと会計システムが連携していれば、これらの作業を自動化・効率化でき、月次決算の早期化にもつながります。
公開導入事例に見る効果
実際に基幹システムと会計システムを刷新した企業では、どのような効果が出ているのでしょうか。葬祭業の株式会社セレモ(従業員約60名)が、手書き中心だった経理をデジタル化した事例では、次のように説明されています。
従来は某ソフトで記帳代行し、全て手書きした後に税理士が取りに来て2〜3ヶ月遅れで記帳が回ってくる形でしたが、それらを全て変更。
基幹システムと会計システムの一新により経理業務の業務効率化を実現|株式会社ファーストアソシエイツ(リンク)
この事例では売掛金の管理・消込も一元管理できるようにし、繁忙期(お盆・8月)の残業について「約30時間も削減することができました」と報告されています。記帳が2〜3か月遅れる状態から脱し、処理スピードや他部署との連携が改善したとされています。
この事例で導入されたのは別の会計ソフトですが、「基幹システムと会計を連携・刷新すると、記帳の遅れや二重作業がどう解消されるか」という効果の方向性は、どの製品を選ぶ場合にも共通します。
手書き中心の企業に限った話ではありません。すでに販売・購買システムを使っていても、それらと会計が連携していなければ同じ二重入力や突合は発生します。連携でこうした定型作業を減らせる点は、企業の規模や既存の仕組みを問わず共通するメリットです。
出典・参考資料(1件)
- 出典:基幹システムと会計システムの一新により経理業務の業務効率化を実現(株式会社セレモ様 事例)|株式会社ファーストアソシエイツ(リンク)
自社に合う進め方の選び方【3択】
基幹システムと会計の関係を踏まえると、経理まわりのシステムを見直す進め方は、大きく次の3つに整理できます。どれが正解というわけではなく、既存の仕組み・規模・コスト・内部統制の要否によって適した進め方が変わります。

- 既存の基幹システムを活かし、会計を連携・刷新する:販売や生産などの基幹システムはそのまま使い、会計システムだけを連携・入れ替える進め方。既存の仕組みが機能している企業や、会計の内部統制だけを先に固めたい企業に向きます。
- 会計・請求・経費・給与を同じシリーズで一体化する:経理まわりの業務を同一ブランドの製品群でそろえ、データ連携を前提にまとめる進め方。経理業務全体を一括で効率化したい中小〜中堅企業に向きます。
- ERPで全社を統合する:販売・在庫・購買・会計などを1つの基盤に統合する進め方。部門ごとにシステムが分断されていて、全社のデータを一元化したい企業に向きます。
選ぶときの判断軸は、既存の基幹システムを活かすか/対象の業務範囲(会計だけか、経理まわり全体か、全社か)/規模とコスト/内部統制への対応の4つです。多くの企業では、まず既存の仕組みと規模・コストが分岐点になります。
販売・生産などの基幹システムが機能していて会計の負担だけを減らしたい場合は、進め方(1)が基本の目安です。経理まわりをまとめて効率化したい小規模〜中堅なら(2)、部門ごとにシステムが分断されていて全社のデータを一元化したいなら(3)が合います。初期費用や月額を抑えたい段階では、全社統合よりも会計の連携・刷新や同一シリーズでの一体化から始めるほうが、導入負荷とコストを抑えやすくなります。
一方、将来の上場(IPO)準備や連結決算を見据える企業では、これらに加えて内部統制への対応が分岐点になります。会計システムに「誰が入力・承認したか」を管理する仕組みが求められ、金融庁の実施基準では、業務を管理するシステムに組み込む内部統制について、次のように整理されています。
システムの利用に関する認証、操作範囲の限定などアクセスの管理
財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準|金融庁(リンク)
こうした仕訳の承認フローや権限管理、操作・変更の記録(ログ)に対応できるかは、将来の上場準備やJ-SOX(内部統制報告制度)への対応を見据える企業にとって重要な選定軸になります。
ただし、内部統制報告制度は金融商品取引法にもとづき上場企業などを対象とする制度であり、すべての企業に現時点の法的義務があるわけではありません。あくまで「将来の成長段階で求められる要件に耐えられるか」という観点で確認しておくとよいでしょう。
連結決算や内部統制への対応を重視する段階にある場合は、会計に特化したシステムとERPで統合する方式を、この観点で比較した次の記事が判断の助けになります。
進め方を決めるときの注意点
どの進め方を選ぶ場合でも、次の点は事前に確認しておくと検討がスムーズになります。
- コスト:初期費用・月額(ライセンス)費用だけでなく、データ移行や社内への定着にかかる費用も分けて見積もる
- 導入期間:会計だけの連携か、全社統合かで必要な期間は大きく変わる。業務の繁忙期を避けた計画が望ましい
- 移行時の一時的な負荷:新しい仕組みに慣れるまでは一時的に業務効率が下がることがある。並行稼働やサポート体制を確認しておく
出典・参考資料(2件)
進め方を実現するサービスの例
ここからは、3つの進め方それぞれについて、代表的なサービスを1つずつ取り上げます。いずれもその進め方の選択肢の一例で、同じ進め方のなかでの他の製品や、より多くのサービスの横断比較は、記事末尾で紹介する財務管理システムの比較記事にまとめています。
まずは、3サービスの位置づけを一覧で比較します。
| サービス名 | マネーフォワード クラウド会計Plus | 弥生会計 Next | Odoo導入・開発・業務統合支援 |
|---|---|---|---|
| 進め方(3択での位置づけ) | (1) 既存の基幹システムを活かし、会計を連携・刷新 | (2) 会計・請求・経費・給与を同一シリーズで一体化 | (3) ERPで全社を統合 |
| 対象企業規模 | IPO準備・中堅〜上場企業 (従業員50名超での導入が多い) | 法人専用 (1人〜300人未満。小規模〜中堅) | 中小企業が中心 (公式な規模の明記はなし) |
| 会計以外の連携範囲 | 経費・給与・債権・請求などクラウドシリーズ+公開API・iPaaSで既存システムと連携 | 請求・経費精算を内包。弥生請求/経費/給与 Nextとデータ連携 | 販売・在庫・購買・製造・CRM・ECなど80以上のアプリを1つの基盤で統合 |
| 内部統制(仕訳承認・権限・ログ) | ◎仕訳承認フロー・権限管理・操作ログ・仕訳更新履歴を標準搭載 | △仕訳承認・権限・ログの内部統制機能は公式に明示なし | △日本基準の内部統制対応は要確認(導入支援で個別対応) |
| 料金 | 要見積もり(利用ID数に応じる) 初期費用は要確認 無料トライアルなし | 初期費用0円 年額34,800〜84,000円(税抜) 無料体験あり(最大2か月) | Odoo本体 月22〜33ドル/ユーザー(2026年10月時点の公開情報) 導入支援は別途個別見積もり |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
※料金は各社で体系(月額・年額・ユーザー課金など)が異なるため横並びの目安です。最新の料金・機能は各社の公式情報をご確認ください。
1. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plusは、IPO準備・中堅〜上場企業向けに内部統制機能を備えたクラウド会計システムです。「進め方(1) 既存の基幹システムを活かし、会計を連携・刷新する」に向いた選択肢です。
中小企業向けの「マネーフォワード クラウド会計」で培った自動仕訳などの利便性を保ちつつ、仕訳の申請・承認フロー、権限管理、操作ログ(仕訳更新履歴)、月次締めといった内部統制機能を実装しています。上場やIPO準備に伴うJ-SOX対応を見据える企業に適しています。
公開APIやiPaaS(複数のシステムをつなぐ連携基盤)で既存システムと接続でき、経費・給与・債権・請求などマネーフォワード クラウドシリーズとも連携します。
導入実績は2,000社以上とされ、料金は利用ID数に応じた見積もり方式です。既存の基幹システムを残しながら、会計の内部統制を固めたい企業に向いた機能構成です。
公式の導入事例では、月次決算を7営業日に短縮した例や、業務時間を30%以上削減した例が公開されており、連携・刷新による経理業務の効率化が具体的な数値で示されています。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:導入事例(マネーフォワード クラウド会計Plus)|株式会社マネーフォワード(リンク)
どの範囲からシステムを見直すかについて、提供元の株式会社マネーフォワードは次のように説明しています。

『マネーフォワードクラウド』は、すべてを一度に入れ替えるのではなく、課題感の強い領域から段階的・部分的に導入していただくことができます。従業員数50名を超えるような企業では、既存の基幹システムを活かしつつ、不足している機能を補完する形で採用いただくケースが多いです。
2. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

会計ソフトで広く知られる弥生株式会社が、2025年4月に正式リリースした法人専用のクラウド会計サービスが弥生会計 Nextです。「進め方(2) 会計・請求・経費・給与を同じシリーズで一体化する」を実現しやすい点が特徴です。
弥生は「弥生 Next」ブランドのもとで、弥生会計 Next(会計)・弥生請求 Next(請求)・弥生経費 Next(経費精算)・弥生給与 Next(給与)の4製品を展開し、これらがデータ連携する構成をとっています。弥生会計 Nextのプラン内にも請求・経費精算の機能が含まれ、経理まわりを同一シリーズでまとめたい企業に向きます。
「知識ゼロでも迷わずカンタン」を掲げ、AIによる勘定科目の推測や仕訳入力支援など、会計の知識が浅くても使える機能を備えます。
料金は税抜で年額34,800円のエントリープランから、電話サポートや仕訳相談まで含むベーシックプラスプラン(年額84,000円)まで用意されています。法人登録数は20,000件を突破しており(2026年7月時点)、小規模から中堅まで幅広い規模で導入されています。
3. Odoo導入・開発・業務統合支援(株式会社マルウェブ)

「進め方(3) ERPで全社を統合する」を検討する企業に向くのが、株式会社マルウェブによるOdoo(オドゥー)の導入・開発・業務統合支援です。Odooはベルギー発のオープンソースERPで、販売・会計・在庫・購買・製造・CRM・Webサイト制作まで80種類以上のアプリを備え、自社で使うものだけを選んで導入できる仕組みが特徴です。
マルウェブはOdooのラーニングパートナーとして、要件定義とフィット&ギャップ分析から、開発・外部システム連携(会計ソフトへの仕訳連携など)・データ移行・運用後の保守までを一貫して支援します。日本とベトナムのハイブリッド体制でコストを抑えつつ、海外製ERPを日本の商習慣に合わせて調整するノウハウを強みとしています。
「販売・在庫・会計が部門ごとに分断されているので一元化したい」という相談が多く、まず販売・在庫・会計から始めて段階的にアプリを追加するスモールスタートにも対応します。部門ごとにバラバラなシステムを統合し、全社のデータをリアルタイムに把握したい企業に適した選択肢です。
どこまでの範囲を一度に統合し、どこから段階的に進めるかをどう決めるかについて、導入を支援する株式会社マルウェブは次のように説明しています。
判断の軸は大きく2点です。一つは、お客様が今どの業務をどのように運用していて、Odooのアプリで言えばどの領域を使うことになるのか。もう一つは、予算と優先順位です。この2点は要件定義とフィット&ギャップ分析の段階でお伝えしながら整理していきます。
ここで取り上げたのは、3つの進め方それぞれの代表例です。財務管理システムをより幅広く比較し、機能・料金・タイプ別の選び方まで確認したうえで導入を検討したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
基幹システム・会計システム・ERPの関係は、「会計システムは基幹システムの一領域、ERPはそれらを統合した上位の仕組み」という位置づけで整理できます。会計システムは、販売や購買など他の基幹システムで発生した取引を仕訳として記録し、帳簿・決算書につなぐ役割を担います。
基幹システムと会計システムを連携させれば、二重入力や消込の手作業が減り、月次決算の早期化につながります。自社の進め方は、既存の基幹システムを活かして会計を連携・刷新するか、経理まわりを同じシリーズで一体化するか、ERPで全社を統合するかの3つに整理できます。既存の仕組み・規模・コスト・内部統制の要否を踏まえ、自社に合った進め方を選びましょう。
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基幹システムと経理に関するよくある質問(FAQ)
Q. 基幹システムとは何ですか?
A. 基幹システムとは、販売・在庫・購買・生産・人事給与・会計など、止まると事業全体に影響する根幹業務を支えるシステムの総称です。このうち「お金の記録と報告」を担うのが会計システムで、会計システムは基幹システムを構成する一領域にあたります。
Q. 会計システムと基幹システムは違うものですか?
A. 会計システムと基幹システムは別物ではなく、会計システムは基幹システムを構成する一領域です。基幹システムという大きな枠の中に、販売管理や在庫管理と並んで「お金の記録と報告」を担う会計システムがある、という包含関係で整理できます。
Q. ERPに会計の機能は含まれますか?
A. ERPには会計管理が標準的な構成要素として含まれます。ERP(統合基幹業務システム)は、販売・在庫・購買・会計などの基幹システムを1つの基盤に統合して情報を一元管理する仕組みで、会計はその中核をなす領域です。会計を含む基幹システム群を統合した上位概念がERPだと考えると分かりやすいでしょう。
Q. 基幹システムとERPの違いは何ですか?
A. 両者の違いは、各システムが独立していて必要に応じて連携させるか(個別の基幹システム)、最初から1つの基盤に統合されているか(ERP)というデータの持ち方にあります。
個別連携はすでに使っている仕組みを活かして不足領域だけを足せる一方、連携していない部分で再入力が残りやすくなります。ERPは共通のデータ基盤でつながるため二重入力やマスタの不一致が起きにくい反面、導入範囲やコストは大きくなりやすい傾向があります。
Q. SAPは基幹システムですか、それともERPですか?
A. SAPは、基幹システムを統合して扱うERP(統合基幹業務システム)の代表的な製品です。販売・在庫・会計などを共通基盤で一元管理するクラウドERPを提供しており、大企業だけでなく中堅・中小企業向けの製品も広がっています。「会計だけのシステム」ではなく、会計を含む基幹業務全体を統合する位置づけになります。
Q. 経理(会計システム)だけ先に入れ替えてもよいですか?
A. 既存の基幹システムを活かしたまま、会計システムだけを先に連携・刷新する進め方は選べます。販売管理や生産管理が問題なく機能しているなら、それらはそのまま使い、課題の大きい会計まわりから段階的に入れ替えるのが現実的です。とくに会計の内部統制だけを先に固めたい企業に向く進め方です。
Q. 基幹システムと会計システムを連携させると経理業務は何が変わりますか?
A. 連携させると、販売・仕入などの取引データから仕訳が自動で起票され、二重入力・消込・月次決算の手作業が減ります。連携していないと販売システムの数字を見ながら会計システムへ手入力する二重入力が発生しますが、連携していれば一度入力したデータが会計まで流れ、入金・支払の照合(消込)や月次決算の締めも早められます。
Q. 中小企業にもERPは必要ですか?
A. すべての中小企業にERPが必要なわけではなく、課題と規模に応じて個別連携や会計まわりの一体化で足りる場合も多くあります。部門ごとにシステムが分断されていて全社のデータを一元化したい場合はERP統合が有力です。
一方、既存の基幹システムが機能しているなら、会計だけを連携・刷新する、経理まわりを同一シリーズでそろえるといった進め方のほうが、コストと導入負荷を抑えられることがあります。近年は中堅・中小向けのクラウドERPも増えているため、規模だけで決めず自社の課題から判断するとよいでしょう。
Q. 会計システムの内部統制機能は、すべての企業に必要ですか?
A. 仕訳の承認フローや権限管理・操作ログといった内部統制機能は、すべての企業に法的義務があるわけではありません。内部統制報告制度(J-SOX)は金融商品取引法にもとづき上場企業などを対象とする制度のため、現時点で未上場・非対象の企業に一律の義務はありません。
ただし将来の上場(IPO)準備や連結決算を見据える企業では、会計処理の信頼性を確保できる基盤かどうかが重要な選定軸になるため、「将来求められる要件に耐えられるか」という観点で確認しておくと安心です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















