サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

サービス比較の記事一覧

AIで顧客対応・サポート業務を自動化したい

不正利用・金融トラブルを未然に防ぎたい

コンプライアンス支援サービス
の関連情報


関連サービス資料を
無料で一括ダウンロード

ポジティブコンプライアンスとは?従来型との違い・進め方・企業事例を解説

ポジティブコンプライアンスとは?のサムネイル画像

毎年のコンプライアンス研修が「あれをするな、これをするな」という禁止事項の読み合わせになり、現場の社員が「やらされ感」で聞き流している。そんな手応えのなさを感じている法務・コンプライアンス・人事の担当者は少なくありません。ルールを増やし、罰則で縛るほど現場はコンプライアンスを「自分の仕事を邪魔するもの」と受け止め、かえって不正や不祥事の芽を見えにくくしてしまう側面があります。

こうした行き詰まりへの処方箋として語られるようになったのが「ポジティブコンプライアンス」という考え方です。守り一辺倒の姿勢から、社員が自ら正しい行動を選べる前向きな取り組みへと発想を転換するもので、「エモーショナルコンプライアンス」「ハピネス・コンプライアンス」など、論者によって異なる呼び名で論じられています。

本記事では、ポジティブコンプライアンスの意味と似た呼び名との関係を整理し、従来型のコンプライアンスとの違い、今この考え方が求められる背景、そして自社で進めるための具体的なステップと企業事例までを解説します。社内で研修や施策の見直しを検討するための材料としてご活用ください。

コンプライアンス支援サービスの関連サービス資料
PR
料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】コンプライアンス支援サービスの資料を
一括ダウンロードする
本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

ポジティブコンプライアンスとは

ポジティブコンプライアンスとは、違反をしないための禁止・規制としてコンプライアンスをとらえるのではなく、社員が自ら正しい行動を選び、前向きに取り組むものへと発想を転換する考え方です。「〜をしてはいけない」という守りの姿勢から、「正しいことをしよう」という自律的な姿勢へと軸足を移す点に特徴があります。

ポジティブコンプライアンスは、特定の個人が名付けた一つの理論ではありません。同じ問題意識を持つ複数の弁護士や研修機関が、それぞれの言葉で論じてきた考え方の総称です。論者によってはエモーショナルコンプライアンス、ハピネス・コンプライアンスなどとも呼ばれ、その関係は次節で整理します。

たとえば弁護士の増田英次氏は、旧来型の「管理支配型アプローチ」から「自律的発展成長型のアプローチ」への転換を提唱し、次のように説明しています。

エモーショナルコンプライアンスでは、法的知識の習得ではなく、むしろ法を活用する人間そのものに注目して、誇りある行動や正しいことを自らが主体的に行っていけるマインドの醸成に重きを置いています。

出典:「不正をするな」から「正しいことをしよう」へ 従業員マインドを変えるエモーショナルコンプライアンスの基礎(後編)|増田英次 弁護士(BUSINESS LAWYERS)

このように、呼び名は論者によって異なりますが、いずれも「ルールを守らせる」ことを目的化するのではなく、社員一人ひとりが納得して行動できる状態を目指す点で共通しています。まずは、よく使われる呼び名の関係から整理していきます。

「エモーショナル」「ハピネス」…似た呼び名との違いと共通点

ポジティブコンプライアンスの周辺には、似た問題意識から生まれた呼び名がいくつもあります。言葉は違っても、根にあるのは「守り・罰則型から、社員が自律的・前向きに取り組む形へ」という同じ転換です。代表的な呼び名と提唱者・組織を整理すると、次のようになります。

← 横にスクロールできます →
呼び名エモーショナルコンプライアンスハピネス・コンプライアンス「コンプライアンス」という語自体の問い直し
主な提唱者・組織増田英次 弁護士(増田パートナーズ法律事務所)日本能率協会総合研究所(JMAR)竹内朗 弁護士(プロアクト法律事務所)
特徴的な考え方法的知識の習得より、正しいことを主体的に行うマインドの醸成に重きを置く「べからず集」ではなく、お互いが幸せに社会生活を送るための共通概念ととらえるこの語の他人事感を問題視し、現場に自分事として響かせる発想(関連して「攻めのコンプライアンス」に言及する立場もある)

日本能率協会総合研究所(JMAR)は、コンプライアンスのとらえ方そのものを次のように言い換えています。

コンプライアンス=「○○をしてはいけない」という“NG・べからず集”ではなく、“お互いが「幸せに」社会生活を送るための共通概念である”という考え方です。

出典:前向きな意識醸成のためのコンプライアンス研修「ハピネス・コンプライアンス」の考え方によるアプローチ|日本能率協会総合研究所

一方で弁護士の竹内朗氏は、コンプライアンスという言葉自体が現場に浸透しづらい点を指摘します。事業部門の担当者にとってこの語は、商売の邪魔をするものという他人事の感覚が染み付いており、そのままでは自分事として響かせることが難しいという問題意識です。呼び名が分かれるのは、どう自分事にするかという問いへの答え方が論者ごとに違うためと言えます。

出典・参考資料(3件)

従来型コンプライアンスとの違い

ポジティブコンプライアンスは、従来型のコンプライアンスを否定するものではありません。法令や社内規程を守る土台は引き続き必要です。違うのは、その土台の上で社員にどう働きかけるか、という力点の置き方です。主な観点で両者を並べると、違いが見えやすくなります。

ポジティブコンプライアンスの構造図。下層に従来型コンプライアンス(法令・社内規程を守る守りの土台、「〜をしてはいけない」という禁止・規制)、その上の層にポジティブコンプライアンス(「正しいことをしよう」と社員が自ら正しい行動を選ぶ前向きな姿勢。自分事・納得・共感・自律的な判断)を重ねることを示す。
← 横にスクロールできます →
観点出発点社員の受け止め方研修の狙い動機づけ目指す状態
従来型のコンプライアンス違反を防ぐための禁止・規制(「〜をしてはいけない」)自分の仕事を縛る「他人事」になりやすいルールや違反事例の知識を一方向で伝える罰則・処分への不安(やらされ感が残りやすい)ルールを守らせ、違反を起こさせない
ポジティブコンプライアンス社員が自ら正しい行動を選ぶための共通の価値観(「正しいことをしよう」)自分の判断に関わる「自分事」として受け止めやすい事例への納得や共感を通じて行動の変化につなげる正しく行動することへの納得と前向きな姿勢社員が自律的に判断し、働きやすい風土を育てる

※上記は従来型とポジティブコンプライアンスの力点の違いを整理したものです。実際の取り組みは両者を組み合わせて設計されます。

この整理は、各論者の言葉とも重なります。増田英次氏は旧来型を管理支配型アプローチ、前向きな形を自律的発展成長型のアプローチと対比し、JMARはルールを守るだけという後ろ向きになりがちな考え方を前向きな共通概念へ転換させることが有効だとしています。いずれも、守りの土台の上に、社員が自ら動く層を重ねる発想です。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】コンプライアンス支援サービスの資料を
一括ダウンロードする

なぜ今ポジティブコンプライアンスが必要なのか

ここからは、前向きな取り組みへの転換がなぜ求められているのかを、従来型の限界と調査データの両面から整理します。

禁止・罰則型の研修が抱える限界

禁止事項を読み上げるだけの研修や、手続きを積み上げるだけの対策は、社員の行動を根本から変えにくいという課題があります。毎年同じ内容を聞かされる現場では「とりあえずこなす」意識が生まれ、研修の形は整っていても不正の防止につながらない、という状態に陥りがちです。ルールを増やすほど現場の負担感が増し、コンプライアンスへの反発や形骸化を招く面もあります。

弁護士の三浦悠佑氏も、コンプライアンスが自己目的化している点を問題視し、法令を守ったその先にある自社の将来像こそが本来のゴールだと指摘します。研修についても、知識を頭で理解してもらうだけでは「こなす」意識は減らず、事例による自分事化や情緒的な共感を伴う腹落ち感があって初めて効果があるとしています。

出典・参考資料(1件)

調査データが示す「形式的にこなす」意識の広がり

この問題は、調査データからも見えてきます。パーソル総合研究所が2023年に公表した「企業の不正・不祥事に関する定量調査」によると、全就業者の13.5%が不正に関与した、または見聞きした経験があると回答しました。職位別では「部長相当」の関与・目撃経験が22.4%で最も高くなっています。

さらに、不正を目撃した人のうち何らかの対応を行ったのは53.9%にとどまり、「特に何もしなかった」が46.1%を占めました。対応した内容では「社内の上司に報告した」が36.2%で最多です。不正を見かけても半数近くが動かない現状は、通報や相談のしやすさを含めた風土づくりの必要性を示しています。

同調査は、こうした状況の背景について次のように指摘しています。

企業がコンプライアンス対策として様々な施策を行っていても、大量の手続きや現場感の無い研修などは、対策を形式的に「こなす」意識を生み、不正防止につながっていないことが明らかになった。

出典:企業の不正・不祥事に関する定量調査|パーソル総合研究所(2023年4月28日)

こうした「形骸化」は、研修を提供する事業者側の調査からも見えてきます。コンプライアンス教育サービスを手がける株式会社リスキルは、研修の現場にどのような課題感があるのかを確かめるため人事担当者への意識調査を行い、次のように説明しています。

山田氏
株式会社リスキル ビジネスプロデューサー
山田氏
独自インタビューより

そこを確かめたくて、人事担当者413名を対象に「コンプライアンス教育に関する意識調査」を実施しました。対象は当社のお客様に限らない一般の人事担当者の方々です。その結果、約3割の企業様が現状の教育手法に「十分な効果を感じていない」と回答されました。要因を深掘りすると、「受講自体が作業化して形骸化している(62.8%)」「一時的な実施に留まり、内容を忘れてしまう(44.9%)」という声が上位を占めていたのです。

手続きや研修を増やすほど現場が「こなす」方向に流れるのであれば、量を積み増すだけでは不正は防げません。社員の納得と前向きな姿勢を引き出す方向へ舵を切る必要がある、というのがポジティブコンプライアンスが求められる理由です。

ポジティブコンプライアンスの進め方(実践ステップ)

ポジティブコンプライアンスは心構えだけでは根づきません。研修・評価・風土づくりを具体的に設計し直すことで、はじめて現場の行動が変わります。ここでは、社内での提案や設計に使える6つのステップを整理します。

ポジティブコンプライアンスの進め方を示す6ステップの図。STEP1 研修を自分事に変える(実際の不正事例で自分ならどう判断するかを考えさせる)、STEP2 行動基準をつくる(迷ったとき大切にする価値観を言語化し経営理念と結ぶ)、STEP3 正しい行動を評価する(相談・報告など前向きな行動を評価・表彰する仕組み)、STEP4 相談しやすい関係をつくる(不利益なく気軽に相談できる窓口と関係を築く)、STEP5 経営層が関与する(トップが自らの言葉で語り全社で推進する体制を整える)、STEP6 意識を可視化し見直す(アンケートで浸透度を定点観測し継続的に見直す)。

研修を「禁止の読み合わせ」から「自分事」へ変える

最初に見直したいのが研修の中身です。条文や禁止事項を一方的に伝えるだけでは、「こなす」意識は減りません。実際に起きた不正・不祥事の事例を題材に、自分だったらどう判断するかを考えさせる構成にすると、知識ではなく行動の変化につながりやすくなります。前述のとおり、研修の効果は情緒的な共感が伴って初めて生まれるという指摘もあり、腹落ち感を重視した設計が有効です。

判断の拠りどころとなる行動基準をつくる

禁止事項の一覧だけでは、判断に迷う場面をカバーしきれません。何をしてはいけないかに加えて、迷ったときに何を大切にすべきかという価値観・行動基準を言語化しておくと、社員が自分で判断する際の拠りどころになります。経営理念と結びつけて示すことで、ルール遵守が会社の目指す姿とつながっていると伝えやすくなります。

作り方としては、現場の社員を交えて、実際に判断に迷った場面を洗い出し、そこでどう行動してほしいかを一文で言語化していく進め方がおすすめです。たとえば「迷ったら、顧客や取引先に自信を持って説明できるかで判断する」「目先の数字より長期の信頼を優先する」といった形です。抽象的な心得ではなく具体的な場面に当てはめられる言葉にすると、現場で実際に使われる基準になります。

正しい行動を評価する仕組みを取り入れる

従来のコンプライアンスは「違反したら罰する」という減点の発想が中心でした。これに対し、相談・報告を適切に行った、周囲に声をかけたといった前向きな行動を評価する仕組みを加えると、正しく動くことが報われるというメッセージが現場に伝わります。人事評価や表彰制度と連携させると、取り組みが一過性で終わりにくくなります。

相談しやすい窓口と関係をつくる

不正を目撃しても半数近くが動かないという調査結果は、相談・通報のしやすさに課題があることを示しています。通報窓口を設置するだけでなく、相談しても不利益を受けないことを明確にし、日頃から気軽に質問できる関係を築くことが欠かせません。コンプライアンス部門が取り締まる側ではなく相談できる相手と受け止められることが、前向きな風土の土台になります。

経営層が関与し、推進体制を整える

前向きな取り組みは、担当部署だけで完結しません。経営層が自らの言葉でコンプライアンスの意義を語り、現場と同じ目線で関わる姿勢を示すことで、社員の受け止め方が変わります。各部門にも推進の役割を持たせ、コンプライアンスを一部署の業務ではなく全社の取り組みとして位置づけることが、形骸化を防ぐうえで重要です。

意識を可視化し、継続的に見直す

取り組みの効果は、感覚ではなく実態で確かめる必要があります。社員へのアンケートや意識調査でコンプライアンスの浸透度を可視化すると、どの部門・どの層に課題が残るかが見えてきます。後述するアドバンテストの事例のように、調査結果を地域別・部門別のデータとして示し、定点観測で変化を追う企業も増えています。一度整えて終わりにせず、定期的に見直すことが前向きな風土を保つ条件です。

ポジティブコンプライアンスに取り組む企業事例

前向きなコンプライアンスは、実際に取り組む企業も現れています。ここでは各社が公表している事例を、出所とともに紹介します。いずれも支援企業側が公表した内容で、効果は各社の自己評価による点に留意してください。

株式会社アドバンテスト:意識調査で「脱コンプラ警察」を可視化

半導体試験装置メーカーの株式会社アドバンテストは、PwC Japan有限責任監査法人の「コンプライアンス意識調査サービス」を活用し、社員の意識を可視化する取り組みを進めています。2021年に100を超える設問から約50問を選んで初回調査を多言語で実施し、2024年には定点観測として2回目の調査を行いました。

調査結果はダッシュボードやヒートマップで地域・部門別に可視化され、改善点の特定に用いられています。

同社のコンプライアンス担当者は、取り組みの考え方を次のように語っています。

コンプライアンス部署の目的は、取り締まることではなく会社をより良くすること。

出典:管理側も現場側も“自分事”として前向きに取り組めるコンプライアンス意識改革とは?|PwC Japanグループ

「取り締まる部署」から「会社をより良くする部署」へと役割を捉え直す姿勢は、ポジティブコンプライアンスの考え方を体現する一例と言えます。

日本電気株式会社(NEC):社内イベントで前向きな意識を醸成

日本電気株式会社(NEC)は、2020年にオンライン開催した社内イベント「NECビジネスエシックス2020」で、ハラスメント対策の専門家である岡田康子氏(株式会社クオレ・シー・キューブ)の講演を取り入れました。

クオレ・シー・キューブが公表した事例によると、事後アンケートでは聴講者の90%が講演を「とても良かった」「良かった」と回答し、自由記述には「内容が腹落ちした」「自らの行動を省みたい」といった、行動につながるコメントが目立ったとされています。

一方的な注意喚起ではなく、社員が納得し自分の行動を振り返るきっかけをつくる。こうした設計は、情緒的共感を重視するポジティブコンプライアンスの実践例として参考になります。

出典・参考資料(2件)

NECの事例のようにハラスメント対策を切り口に研修を見直したい場合は、ハラスメント研修に絞った比較記事も用意しています。eラーニング型・集合研修型それぞれの選び方や、2026年のハラスメント対策義務化への対応を整理しているので、テーマを絞って検討したい方は以下もご覧ください。

前向きな研修を続ける手段

前の章で見た打ち手は、それぞれ役割が異なります。意識調査は現状を可視化し、研修の設計は腹落ち(情緒的共感)を生み、評価や相談窓口は日々の行動を後押しします。そのうえで、前向きな意識を一度きりで終わらせないために欠かせないのが、学びを続けられる仕組みです。

禁止事項を一方的に読み上げる形と違い、社員が自分のペースで事例をもとに学べるようにすれば、自分事として考える機会を継続的に持てます。集合研修の内製は負担が大きく、担当者が少ない企業では法改正への更新も追いつきにくいため、こうした継続学習の担い手としてコンプライアンス領域に特化したeラーニングの活用が選択肢になります。

以下は、研修を続ける手段を手法別に整理した比較表です。

← 横にスクロールできます →
研修を続ける手段コンプライアンス特化型eラーニング(例:OneCompliance)汎用eラーニング(学び放題型)集合研修・自社内製
コンプライアンス領域の専門性法務・労務・情報セキュリティ等を横断して特化幅広い講座の一部としてコンプライアンスを収録自社の課題に合わせて設計できる
学習形式数分単位のマイクロラーニング(PC・スマホ対応)製品により動画・テキストなど対面・ライブ中心(都度実施)
受講管理(進捗・自動リマインド)●●×
法改正・社会変化への更新提供側が随時更新製品により異なる自社で都度見直しが必要
詳細情報公式資料を見る公式サイトをご覧ください公式サイトをご覧ください

※上記は手段ごとの一般的な傾向を整理したものです。個別の製品・サービスにおける実際の機能や提供形態は各社情報をご確認ください。

OneCompliance(株式会社Oyster)

OneCompliance(ワンコンプライアンス)の公式サイト

OneCompliance(ワンコンプライアンス)は、株式会社Oysterが運営する、コンプライアンス領域に特化したeラーニングサービスです。法務・労務・ハラスメント・情報セキュリティ・サステナビリティなどを横断する研修コースを備え、法改正や社会の変化に応じてコンテンツを随時更新していく方針を掲げています。

受講者側は、数分単位で学べるマイクロラーニング形式を採用し、PC・スマートフォンのどちらからでもブラウザで受講できます。学習セッションごとに確認テストが設けられ、理解したうえで次へ進む設計です。管理者側は、受講者ごとの進捗をダッシュボードで一元管理でき、CSVでの出力や、期限内に終わっていない受講者への自動リマインドにも対応しています。

コンテンツは弁護士や会計士などの専門家が作成・レビューしているとされ、イラストや図表を用いて理解しやすい形に整えられています。料金は受講者数に応じた体系で、具体額は要問い合わせですが、本契約前に機能やコンテンツを確認できる無料トライアルが用意されています。禁止事項の読み合わせから、社員が自分のペースで継続的に学ぶ形へ切り替えたい企業にとって、前向きな研修を続ける手段の一つになります。

同サービスを運営する株式会社Oysterの谷口氏は、コンプライアンス研修の設計で何を重視しているかについて、次のように話しています。

谷口氏
株式会社Oyster 代表取締役
谷口氏
独自インタビューより

コンプライアンス研修は、やらないといけない一方で後回しになりやすい領域です。だからこそ、研修の中身だけでなく、運用負担が少なく業務が回るか、受講者が続けられるかまで含めて設計することが大事だと思っています。

ここで取り上げたのは手段の一例です。コンプライアンス研修に使えるeラーニングを、教材テーマ・料金・受講管理機能まで横断して比べたい場合は、以下の記事で主要サービスを一覧で比較しています。前向きな研修をどの手段で続けるか、具体的に検討する際の材料としてご覧ください。

まとめ

ポジティブコンプライアンスは、違反を防ぐための禁止・規制という守りの発想から、社員が自ら正しい行動を選ぶ前向きな取り組みへと力点を移す考え方です。エモーショナルコンプライアンスやハピネス・コンプライアンスなど呼び名は分かれますが、根にあるのは「ルールを守らせる」ことの目的化からの脱却という共通の問題意識です。

調査データが示すように、手続きや研修を積み増すだけでは「形式的にこなす」意識を招き、不正の防止にはつながりにくいのが実情です。研修を自分事に変える、判断の拠りどころとなる行動基準をつくる、正しい行動を評価する、相談しやすい窓口と関係を整える、経営層が関与する、意識を可視化して見直す。これらを組み合わせて設計し、継続的に学べる仕組みで支えることが、前向きな風土を育てる近道になります。

自社の研修や施策を見直す第一歩として、本記事の内容を社内での検討にお役立てください。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】コンプライアンス支援サービスの資料を
一括ダウンロードする

よくある質問(FAQ)

Q. ポジティブコンプライアンスとは何ですか?

A. ポジティブコンプライアンスとは、「違反をしないための禁止・規制」としてではなく、社員が自ら正しい行動を選び前向きに取り組むものへとコンプライアンスをとらえ直す考え方です。「〜をしてはいけない」という守りの姿勢から、「正しいことをしよう」という自律的な姿勢へと軸足を移す点に特徴があります。

特定の個人が名付けた一つの理論ではなく、複数の弁護士や研修機関がそれぞれの言葉で論じてきた概念のまとまりで、法令や社内規程を守る従来の土台を否定するものではありません。その土台の上で、社員が納得して自ら動けるようにする点が中心にあります。

Q. ポジティブコンプライアンスは、普通のコンプライアンス研修と何が違うのですか?

A. ポジティブコンプライアンスが従来型の研修と違うのは、禁止事項や違反事例の知識を一方向で伝えることではなく、社員が事例に納得・共感して「自分事」として行動を変えることを狙う点です。従来型が罰則・処分への不安で動機づけるのに対し、ポジティブコンプライアンスは正しく行動することへの納得と前向きな姿勢を引き出そうとします。

ただし両者は対立するものではなく、法令・規程を守る従来の土台の上に「社員が自ら動く」層を重ねる発想です。実際の取り組みは、両者を組み合わせて設計されます。

Q. ポジティブコンプライアンスとエモーショナルコンプライアンス・ハピネス・コンプライアンスはどう関係していますか?

A. エモーショナルコンプライアンスやハピネス・コンプライアンスは、ポジティブコンプライアンスと別物ではなく、同じ問題意識から生まれた呼び名の違いです。いずれも「守り・罰則型から、社員が自律的・前向きに取り組む形へ」という同じ転換を根に持っています。

「エモーショナルコンプライアンス」は弁護士の増田英次氏が、「ハピネス・コンプライアンス」は日本能率協会総合研究所(JMAR)が用いる呼称です。呼び名が分かれるのは、「どうすれば現場が自分事として受け止めるか」という問いへの答え方が論者ごとに異なるためで、目指す方向はおおむね共通しています。

Q. ポジティブコンプライアンスは何から始めればよいですか?

A. ポジティブコンプライアンスは、「何のために取り組むのか」という目的を定めたうえで、研修を実際の事例で自分事として考える形に変えることと、社員の意識の現状を調査で可視化することから始めるのが現実的です。施策を増やすこと自体を目的化せず、自社が目指す状態を先に言語化しておくと、打ち手の優先順位を付けやすくなります。

そのうえで、判断の拠りどころとなる行動基準づくり、相談しやすい窓口や関係の整備、正しい行動を評価する仕組み、経営層の関与といった施策を、自社の課題に合わせて段階的に加えていくとよいでしょう。

Q. ポジティブコンプライアンスの効果はどのように測ればよいですか?

A. ポジティブコンプライアンスの効果は、社員への意識調査やアンケートで浸透度を定点観測し、相談・通報の状況や職場風土の変化を継続的に追うことで測ります。調査結果を地域別・部門別に可視化すれば、どの層に課題が残るかが見え、次の打ち手につなげられます。

測定を始める前に「何のために測るか」を定めておくことも大切です。たとえばパーソル総合研究所の調査では、不正を目撃した人のうち何らかの対応を行ったのは53.9%にとどまり、「特に何もしなかった」が46.1%を占めました。この種のデータを指標に据えれば、相談・通報のしやすさが改善しているかを継続的に確かめられます。

出典・参考資料(1件)

Q. ポジティブコンプライアンスに取り組む費用の目安はどのくらいですか?

A. ポジティブコンプライアンスにかかる費用は、選ぶ手段によって幅があり、集合研修の内製は担当者の工数が中心、外部研修やコンプライアンス特化型eラーニングは内容や受講者数に応じた料金体系が一般的です。研修そのものの費用だけでなく、意識調査や継続的な教育をどこまで行うかによっても総額は変わります。

具体的な金額は手段やサービスによって異なり、要問い合わせとなっているものが多い一方、本契約前に機能やコンテンツを確認できる無料トライアルを用意している製品もあります。自社の対象人数や更新頻度を前提に、複数の手段の資料を取り寄せて比較するとよいでしょう。

Q. ポジティブコンプライアンスに取り組めば、不正やハラスメントは減りますか?

A. ポジティブコンプライアンスは、それ自体が不正やハラスメントを直ちにゼロにするものではありませんが、社員が相談・報告しやすい風土を育てることで、問題の早期発見や抑止につながると考えられています。禁止事項や通報窓口といった従来の土台と組み合わせることで、はじめて効果が期待できます。

手続きや研修を量だけ積み増すと現場が「形式的にこなす」意識に流れ、かえって不正防止につながりにくくなるという指摘もあります。社員の納得と前向きな姿勢を引き出し、見かけた問題を声に出せる関係を日頃から築いておくことが、結果として不正・不祥事リスクを下げる土台になります。

コンプライアンス支援サービスの料金・資料を一括チェック

MCB FinTechカタログでは、コンプライアンス研修やeラーニングなど、前向きなコンプライアンスを支えるサービスの最新資料を無料で一括請求できます。対応領域・受講管理機能・料金体系を比べて、自社に合う手段を検討できます。

料金や機能は各社の資料でまとめて比較できます 【無料】コンプライアンス支援サービスの資料を
一括ダウンロードする

MCB FinTechカタログに掲載しませんか?

MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

関連記事

新着記事

コンプライアンス支援サービス
おすすめの診断サービス