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財管一致とは?財務会計と管理会計の数字がずれる原因とそろえ方・判断基準

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予算と実績を突き合わせる会議で「数字が噛み合わない」「部門と経理で金額が違う」という場面に心当たりはないでしょうか。システム導入の提案資料や経営会議で「財管一致」という言葉を見聞きし、意味と自社への当てはめ方を確かめたい経理・財務・経営企画の担当者や経営層が増えています。

財管一致とは、財務会計の数字と管理会計の数字をそろえる考え方です。ただ、どこまで・どうそろえるかは会社の目的によって変わり、無理に一致させるとかえって判断を誤らせる場面もあります。

本記事では、財管一致の意味と仕組みから、取り組みの要否・どこまで一致させるか・具体的な進め方までを整理します。Excelでの手集計や属人化を脱して実現する方法もあわせて解説するので、自社で取り組むかどうかを判断する材料としてご活用ください。

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財管一致とは?財務会計と管理会計の違いをわかりやすく解説

財管一致とは、財務会計で扱う数字と、管理会計で扱う数字をそろえる(整合させる)ことを指す考え方です。「財」は財務会計、「管」は管理会計を表します。たとえば、決算で確定した売上や費用の金額と、社内で部門別・事業別に集計している管理会計上の金額が同じ基準でつながっている状態が、財管一致ができている状態です。

両者の数字がそろっていないと、たとえば決算上の営業利益は1,000万円なのに、部門別の損益を積み上げると合計が950万円にしかならない、といった食い違いが起こります。こうなると経営会議で「どちらの数字が正しいのか」の説明に時間がかかります。財管一致は、この食い違いをなくし、社内の意思決定に使う数字と外部に報告する数字を同じ土台でつなぐための取り組みです。

財管一致の概念図。社外への報告のための財務会計と、社内の意思決定のための管理会計という目的の違う2つの会計を、同じ基準・同じ土台でつなぎ、社内で使う数字と外部へ報告する数字を整合させることを示す図。

財務会計と管理会計の違い

財管一致を理解するには、まず財務会計と管理会計がそれぞれ何のための会計かを押さえる必要があります。両者は目的も報告先も異なるため、同じ会社の数字でも集計の仕方が変わります。

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主な目的主な報告先拠り所となるルール集計の単位主に見る時間軸
財務会計出資者・債権者・税務当局など社外の利害関係者への報告株主・銀行・取引先・税務署など社外会社法・金融商品取引法・法人税法などの法令や会計基準に沿う勘定科目単位で、会社全体の決算をまとめる確定した過去の実績
管理会計経営者・各部門による社内の意思決定・業績管理経営層・事業部門・管理部門など社内法令上の定義や様式はなく、各社が自由に設計できる部門・事業・製品・プロジェクトなど、見たい切り口で細かく分ける予算・見込みなど将来の計画も含む

※財務会計と管理会計の一般的な役割の違いを整理したものです。

財務会計は、社外への報告のために法令や会計基準に沿って作られる会計です。誰が見ても同じ基準で比較できるよう、ルールが決まっています。一方の管理会計は、社内で経営判断をするための会計で、法令上の定義や決まった様式はありません。どの単位で損益を見るか、どこまで細かく分けるかは各社が自由に設計できます。

財管一致は、この「ルールに沿った外部向けの数字」と「社内向けに自由に組み立てた数字」を、同じ土台でつなぐ取り組みだといえます。

財務会計と管理会計の違いそのものをもう一段深く押さえておきたい場合は、目的・ルール・報告義務の有無から実務での使い分けまでを6つの軸で整理した以下の記事もあわせてご覧ください。

制管一致との違い

財管一致と似た言葉に「制管一致」があります。制管一致の「制」は制度会計を指します。制度会計とは、法令に基づいて行われる財務会計の総称で、株主・債権者の保護を目的とする会社法会計、投資家の保護を目的とする金融商品取引法会計、課税所得の計算を目的とする税務会計の3つに分かれます。

財務会計の中心にあるのがこの制度会計のため、財管一致と制管一致はほぼ同じ意味で使われます。厳密には、財管一致が「財務会計と管理会計をそろえる」ことを指すのに対し、制管一致は「そろえる相手が制度会計(法令に基づく会計)である」ことを明確にした言い方だと捉えておくと、両者の違いに迷わずに済みます。

出典・参考資料(3件)

なぜ財務会計と管理会計の数字はずれるのか

財管一致に取り組む前に、そもそもなぜ両者の数字がずれるのかを押さえておくと、自社のどこに原因があるかを特定しやすくなります。数字のずれは、主に次のような要因から生まれます。

  • 費目の括り方が違う:財務会計では「販売費及び一般管理費」としてまとめている費用を、管理会計では広告宣伝費・旅費交通費・採用費などに分けて見ます。分け方の境目が部門ごとに異なると、合計は合っても内訳がそろいません。
  • 配賦の基準が揃っていない:本社の家賃や管理部門の人件費など、複数の部門にまたがる共通費用を各部門へ割り振る(配賦する)基準が、担当者や部門ごとにばらばらだと、部門別損益の合計が全社の数字と一致しなくなります。
  • 部門ごとに別々のExcelで管理している:各部門が独自の様式で数字を集計していると、勘定科目名や集計単位がそろわず、経理が決算で使う数字と突き合わせられません。
  • 締めるタイミングがずれている:管理会計は速報性を重視して月中の速報値で動くのに対し、財務会計は月次決算を締めてから金額が確定します。見ている時点が違えば、同じ項目でも金額が食い違います。

これらは単独で起きることもあれば、重なって起きることもあります。自社の数字が合わないときは、「費目の分け方」「配賦基準」「集計の仕組み」「締めのタイミング」のどこに原因があるかを切り分けると、対策を立てやすくなります。

財管一致のメリットと、無理に一致させる弊害

財管一致は「数字をそろえれば常に良い」というものではありません。得られるメリットと、無理に一致させたときの弊害の両面を理解したうえで、自社に必要な範囲を見極めることが大切です。

財管一致で得られるメリット

財務会計と管理会計の数字がそろっていると、経営会議で「どの数字が正しいのか」を議論する手間がなくなり、意思決定が速くなります。部門別・事業別の損益の合計が決算の数字とつながるため、どの事業が全社の利益にどれだけ寄与しているかを、根拠をもって説明できます。

月次決算の数字をそのまま管理会計の実績として使えるようになれば、集計や突き合わせの作業が減り、月次報告の早期化にもつながります。予算と実績を同じ基準で比べられるため、予実の差異がどこで生まれているかを正確につかめる点も、財管一致の大きな利点です。

無理に一致させることの弊害・注意点

一方で、財務会計の数字にすべてを合わせにいくと、社内の意思決定にとってかえって使いにくくなる場面があります。管理会計は本来、経営判断に役立つ形に数字を加工することに価値があるためです。

たとえば、すでに減価償却が終わった設備を多く使う事業は、財務会計上は減価償却費が計上されないため利益が大きく見えます。しかし、設備の更新投資まで織り込んで事業の実力を評価したい場面では、財務会計の数字をそのまま使うと判断を誤りかねません。事業の買収や撤退を検討するときや、事業ポートフォリオを評価するときも、会計上の数字より実態に即した数字が必要になることがあります。

このように、財管一致は全項目を完全に一致させることが目的ではありません。どの数字をそろえ、どの数字はあえて分けて管理するかの線引きが実務では重要になります。その具体的な判断軸は、次の章で整理します。

財管一致に取り組むべきか・どこまで一致させるか

財管一致にどこまで取り組むかは、会社の規模や管理したい粒度によって変わります。ここでは、自社が取り組むべきか・どこまで一致させるかを判断するための考え方を整理します。

一致させるべきか・どこまで一致させるかの判断軸

判断の起点は、「社内の意思決定を速く・正確にするために、その数字をそろえる必要があるか」という目的です。経営会議で説明に使う数字、予算と実績を比べる数字、事業ごとの採算を見る数字など、意思決定に直結する部分はそろえる価値が高い部分です。

逆に、事業の実力を評価するために減価償却の影響を除いて見たい、あるいは将来の投資判断のために独自の基準で試算したい、といった管理会計ならではの分析は、無理に財務会計へ合わせる必要はありません。「決算とつながっていないと説明責任を果たせない数字か、それとも社内で判断するための分析用の数字か」で切り分けると、どこまで一致させるかの線引きがしやすくなります。

財管一致でどこまでそろえるかの線引きを示す図。経営会議で説明する数字・予実の比較・事業別の採算など意思決定に直結する数字はそろえる価値が高く、事業の実力評価や将来の投資判断のための分析用の数字は無理に財務会計へ合わせずあえて分ける、という2つの区分を対比した図。

社内の意思決定のために財管一致に取り組む場合は、最初から全項目をそろえようとせず、まず自社の経営判断に必要な範囲から整えれば十分です。事業や部門が増えて数字の切り口が複雑になるほど、そろえておく価値は大きくなります。

財管一致が必要な会社・そこまで要らない会社

事業部や拠点が複数あり、部門別・事業別の損益を見ながら経営判断をしている会社ほど、財管一致の必要性は高くなります。数字の切り口が増えるほど財務会計との食い違いが起きやすく、そろっていないと意思決定のたびに数字の確認作業が発生するためです。グループ会社があり、親会社と子会社で数字の基準を合わせたい会社でも、財管一致の取り組みは効果を発揮します。

一方、事業が単一で部門数も少なく、決算の数字だけで経営状況を十分に把握できている会社では、厳密な財管一致に手間をかける優先度は高くありません。まずは予算と実績を同じ基準で比べられる状態を整え、事業や部門が増えて数字の切り口が複雑になってきた段階で、本格的な財管一致に取り組むという順序でも遅くはありません。

財管一致の進め方(手順)

財管一致を進めるときは、どのレベルの数字をそろえるのかを決めてから、具体的な作業に移ると混乱を避けられます。ここでは、そろえる対象のレイヤーと、実際の進め方の手順に分けて解説します。

対象レイヤー別のそろえ方

財管一致で「数字をそろえる」と言っても、そろえる対象にはいくつかのレイヤーがあります。どこまでそろえるかを決めるために、まずは対象を切り分けて考えます。

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勘定科目集計単位(部門・事業)配賦基準会計期間・締めのタイミング
そろえる内容管理会計で使う費目と、財務会計の勘定科目の対応関係を決める部門・事業・プロジェクトなど、損益を見る切り口を財務会計と共通化する共通費用を各部門へ割り振る基準を全社で統一する管理会計で使う数字と財務会計の確定値の時点を合わせる
ポイント管理会計で細かく分ける費目が、財務会計のどの勘定科目に集約されるかを対応表で定義しておく管理会計の部門区分の合計が、全社の決算と一致するように区分を設計する配賦基準を部門任せにせず、全社で同じルールにすることで部門別損益の合計が決算と合う速報値で動かす部分と確定値でそろえる部分を分け、どの時点の数字を比較するかを決めておく

※財管一致でそろえる対象を一般的なレイヤーごとに整理したものです。

すべてのレイヤーを一度に完璧にそろえる必要はありません。自社で特に食い違いが大きい対象から優先的に手をつけると、効果を実感しながら進められます。

財管一致を進める手順

対象レイヤーを踏まえたうえで、財管一致は次の4つのステップで進めるのが基本です。対象の整理(前項の表)が「何をそろえるか」なら、この手順は「どの順で進めるか」にあたります。

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1. 現状把握2. そろえるルールの設計3. データ連携4. 運用・モニタリング
やること自社の財務会計と管理会計で、数字がどこで食い違っているかを洗い出す(費目の括り方・配賦基準・集計単位・締めのタイミング)前項のレイヤーごとに、勘定科目の対応関係・部門区分・配賦基準をそろえるルールを決める財務会計と管理会計のデータを連携させ、同じ基準で突き合わせられる状態をつくる。Excelの手作業で続けると工数がかさみ属人化しやすく、システムの活用が効く部分決めたルールに沿って予算と実績を定期的に突き合わせ、ずれが出た箇所を見直しながら運用を定着させる

この最後のステップにあたる予算と実績の突き合わせを具体的にどう回すかは、5ステップの進め方・差異分析のやり方・Excel予実管理表の作り方まで、以下の記事で手を動かせる粒度で解説しています。

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Excel手集計・属人化を脱して財管一致を実現する方法

財管一致の実務でつまずきやすいのが、財務会計のデータと管理会計のデータを突き合わせる作業です。Excelやスプレッドシートで部門ごとに集計していると、勘定科目の対応づけや配賦計算を手作業で行うことになり、工数がかさみ、担当者しか分からない属人的な運用になりがちです。

この部分は、管理会計システム(予実管理・経営管理のクラウドサービス)を使うことで仕組み化できます。会計システムと連携して財務会計の実績を自動で取り込み、勘定科目より細かい粒度で部門別・事業別に損益を組み立て、予算と実績を同じ基準で突き合わせられるため、財管一致を支える土台になります。ここでは、財管一致に効く機能を持つ管理会計システムを紹介します。

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サービス名DIGGLE(ディグル)Scale Cloud(スケールクラウド)
提供形態クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)
会計システム連携freee会計・マネーフォワード クラウド会計・勘定奉行クラウド・弥生などとAPI/CSVで連携勘定奉行クラウド・freee・Salesforce(API)・Googleスプレッドシート・CSV明細で連携
予実突合・予実管理予算策定・予実突合・見込管理を一元管理(予実管理特化)予算策定・予実管理・着地見込みの更新に対応
財務・非財務指標(KPI)の一元化財務・非財務指標の可視化に対応(Standardプラン)PL/BS/CFと先行・結果指標のKPIを関連づけてモデリング(中心機能)
部門別・親子会社の数字整合勘定科目より細かい粒度で部門別・事業別に損益管理。グループ会社管理はEnterpriseプラン部門間の数字の定義統一・親会社と子会社の数字整合を公式に掲げる
初期費用要問い合わせ要問い合わせ(見積制)
月額費用要問い合わせ(Standard / Enterpriseの2プラン、いずれも見積制)月額15万円〜(公式サイト。詳細は要問い合わせ)
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約

1. DIGGLE(ディグル株式会社)

DIGGLE(ディグル)の公式サイト

DIGGLEは、予算・実績・見込みをクラウド上で一元管理する予実管理特化のサービスです。freee会計・マネーフォワード クラウド会計・勘定奉行クラウド・弥生といった会計システムとAPIやCSVで連携し、財務会計の実績データを取り込んで予算と自動で突き合わせられます。

勘定科目より細かい粒度での損益管理に対応しているため、財務会計の確定値を土台にしながら、社内で見たい切り口での管理会計をつなぐ使い方に向いています。

Excel中心の予実管理で起こりがちな属人化や集計の手間を解消することをねらいとしており、計画・見込み・実績を対比する分析や、複数年にわたる分析にも対応します。料金はStandard・Enterpriseの2プラン構成で、金額は要問い合わせです。

出典・参考資料(1件)

2. Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)

Scale Cloud(スケールクラウド)の公式サイト

財務数値(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書)と、売上や契約数といった事業のKPIを関連づけて一元管理できるのが、経営管理クラウドのScale Cloudです。勘定奉行クラウドやfreee、SalesforceとのAPI連携、Googleスプレッドシート連携などで各部門のデータを集約し、予算・実績・見込みをまとめて管理できます。

財管一致の観点で特徴的なのは、部門間で数字の定義を統一したり、親会社と子会社で異なるフォーマットや定義を整理してグループ全体で比較・把握しやすくしたりする機能を公式に掲げている点です。部門や子会社ごとに数字がばらつきやすい会社でも、同じ基準でそろえた経営管理を行いやすくなります。料金は公式サイトで月額15万円からと案内されており、詳細は要問い合わせです。

出典・参考資料(1件)

手作業による集計やデータの突き合わせをシステムに置き換えると、実際の運用工数はどの程度変わるのでしょうか。Scale Cloudを提供する株式会社Scale Cloudの広瀬氏は、導入企業での工数の変化について次のように述べています。

広瀬氏
株式会社Scale Cloud 代表取締役
広瀬氏
独自インタビューより

数値的な効果で申し上げると、他社システムからの乗り換えでは、工数が約40%削減できたとおっしゃっていただいているケースがあります。Excelやスプレッドシートからのリプレースに関しても、工数が6分の1程度になったという声をいただいています。

財管一致に効く機能を持つ管理会計システムは、ほかにも数多くあります。目的や会社の規模から自社に合うものを、タイプ別の違いや選び方まで含めて広く比較検討したい方は、以下の比較記事もあわせてご覧ください。

まとめ

財管一致とは、財務会計の数字と管理会計の数字をそろえ、社内の意思決定に使う数字と外部に報告する数字を同じ土台でつなぐ取り組みです。数字がずれる原因は、費目の括り方・配賦基準・部門別の集計・締めのタイミングなどにあり、自社のどこに原因があるかを切り分けることが出発点になります。

ただし、取り組みの要否や範囲は会社によって異なります。事業部や拠点が複数あり部門別・事業別の損益で経営判断をする会社ほど必要性が高く、事業が単一で決算の数字だけで状況を把握できる会社では急ぐ必要はありません。全項目をそろえることを目指すのではなく、意思決定に効く部分から取り組むのが現実的です。

勘定科目・集計単位・配賦基準・会計期間のどのレイヤーをそろえるかを決め、食い違いの大きい対象から取り組むと、無理なく進められます。財務会計のデータ連携や予実突合を手作業で続けると属人化しやすいため、管理会計システムの活用もあわせてご検討ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 財管一致とは何ですか?

A. 財管一致とは、財務会計で扱う数字と管理会計で扱う数字を、同じ基準でそろえる(整合させる)ことを指す考え方です。「財」は社外への報告のための財務会計、「管」は社内の意思決定のための管理会計を表します。決算で確定した売上や費用の金額と、部門別・事業別に集計した社内の金額が同じ土台でつながっている状態が、財管一致ができている状態です。

Q. 財管一致と制管一致の違いは何ですか?

A. 財管一致と制管一致はほぼ同じ意味で使われ、違いは「そろえる相手」をどう呼ぶかにあります。財管一致が財務会計と管理会計をそろえることを指すのに対し、制管一致はそろえる相手が制度会計(会社法会計・金融商品取引法会計・税務会計など法令に基づく会計)であることを明確にした言い方です。財務会計の中心にあるのが制度会計のため、実務ではほぼ同義と捉えて差し支えありません。

Q. 財管一致ができていないと、どのような問題が起きますか?

A. 財管一致ができていないと、全社の決算と部門別・事業別の損益の合計が合わず、経営会議で「どの数字が正しいのか」を確認する手間が生じます。意思決定のたびに数字の突き合わせ作業が発生するため、月次報告も遅れやすくなります。

部門ごとに別々のExcelで集計していたり、共通費用の配賦基準がそろっていなかったりするほど食い違いは大きくなり、どの事業が全社の利益にどれだけ寄与しているかを根拠をもって説明しにくくなります。

Q. 財管一致は必ず全項目をそろえる必要がありますか?

A. 財管一致は、全項目を完全に一致させることが目的ではありません。経営会議で説明に使う数字や予実比較、事業ごとの採算など、意思決定に直結する部分はそろえる価値が高い部分です。一方、減価償却が終わった設備の影響を除いて事業の実力を評価したい場合や、M&A・事業の撤退を検討する場面では、あえて財務会計と別の基準で管理したほうが判断を誤らずに済みます。

「決算とつながっていないと説明責任を果たせない数字か、社内で判断するための分析用の数字か」で切り分けると、どこまで一致させるかの線引きがしやすくなります。

Q. 中小企業や単一事業の会社でも財管一致に取り組むべきですか?

A. 財管一致の優先度は会社によって異なり、事業が単一で部門数も少なく、決算の数字だけで経営状況を十分に把握できている会社では、厳密な財管一致を急ぐ必要はありません。まずは予算と実績を同じ基準で比べられる状態を整え、事業部や拠点が増えて数字の切り口が複雑になってきた段階で本格的に取り組む順序でも遅くはありません。

逆に、部門別・事業別の損益を見ながら経営判断をしている会社やグループ会社を持つ会社ほど、財管一致の必要性は高くなります。

Q. 財管一致はExcelでも実現できますか?

A. 財管一致はExcelでも実現できますが、部門ごとの集計・勘定科目の対応づけ・配賦計算を手作業で続けると工数がかさみ、担当者しか分からない属人的な運用になりがちです。数字の食い違いの洗い出しやそろえるルールの設計はExcelでも進められますが、財務会計と管理会計のデータ連携や予実の突き合わせを毎月繰り返す段階になると、管理会計システムで仕組み化したほうが負荷を大きく減らせます。

Q. 財管一致にはどんなシステムを使えばよいですか?

A. 財管一致を支えるには、会計システムと連携できる管理会計システム(予実管理・経営管理のクラウドサービス)が向いています。財務会計の実績を自動で取り込み、勘定科目より細かい粒度で部門別・事業別に損益を組み立て、予算と実績を同じ基準で突き合わせられる機能があると、財管一致を無理なく支えられます。

本記事で紹介したDIGGLEのように会計システムとAPI連携して予実を突き合わせられるサービスや、Scale Cloudのように部門間・親子会社で数字の定義をそろえる機能を備えたサービスが代表例です。自社でそろえたいレイヤー(勘定科目・集計単位・配賦基準など)に合う機能を基準に比較するとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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