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労働保険の年度更新を社労士に頼むといくら?従業員数別の料金相場と頼める業務範囲

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給与計算アウトソーシング比較表(2026年版)

毎年6月になると、労働局から労働保険の年度更新の書類(概算・確定保険料申告書)が事業所に届きます。賃金の集計や保険料の計算に自信が持てず、今年は社労士に任せようかと検討する事業者は少なくありません。

頼むかどうかを決める前に、まず気になるのが「自社の従業員数だと、いくらかかるのか」という費用ではないでしょうか。相場が分からないままだと、自分でやるか依頼するかの判断もつきません。

本記事では、労働保険の年度更新を社労士に頼んだときのスポット料金の相場を従業員数別の実額で示し、顧問契約なしの単発でも頼めるのか、どこまでの業務が料金に含まれるのか、自分でやる場合の手順との違いまで整理します。自社で進めるか社労士に任せるかを判断する材料としてご活用ください。

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労働保険の年度更新を社労士に頼むといくら?従業員数別のスポット料金相場

労働保険の年度更新を社労士にスポット(単発)で頼む場合、料金の目安は従業員10人前後でおおむね2万5,000円〜3万円台です(事務所により税別・税込の別があります)。料金は従業員数で段階的に上がり、賃金集計から申告書の作成、電子申請までを含みます。

まず、料金を公表している複数の事務所・税理士法人の実額を、同じ従業員数の軸で並べてみましょう(2026年10月時点)。

事務所(税区分)10名20名30名加算ルール・注記
たきしま社労士事務所(税別)31,000円37,000円45,000円1〜9人は25,000円。40人以上は45,000円+1人ごと600円。二元適用の建設業等は別見積もり
スポット社労士くん(税込)28,600円34,100円39,600円11名以上は10名ごと5,500円を加算。freee人事労務の利用者向けの割安プランは10名まで18,700円。建設業は下請35,200円・元請57,200円、7月以降・紙申請は5,500円加算
税理士法人YFPクレア(税別)20,000円20,000円20,000円年度更新単体ではなく給与計算フルサポートの例示額(1名から・各2万円/年)。算定基礎届も同額の例示
料金を公表している社労士事務所・税理士法人の年度更新スポット料金の例(2026年10月時点。社労士報酬は自由化され一律の基準がないため各社で異なる)

税別表記の事務所を税込で見た概算(税別×1.1の算術)も示しておきます。たきしま社労士事務所は税込概算で10名が約3万4,100円、20名が約4万700円、30名が約4万9,500円、YFPクレアの例示額は税込概算で各2万2,000円です。実額は各事務所にご確認ください。

金額に幅があるのは、社労士の報酬には法律や会則で定められた一律の基準がなく、各事務所が自由に設定しているためです。かつて社労士会の会則に置かれていた報酬規定は、規制改革の方針で記載事項から外されました。だからこそ、複数の事務所の公表価格を見比べて自社の人数での当たりを付けることに意味があります。

出典・参考資料(5件)

建設業・7月以降の依頼・紙申請で料金が加算されるケース

表の金額はあくまで基本料金で、条件によっては加算されます。社労士に見積もりを取る前に、自社が次のどれかに当てはまるかを確認しておくと、想定より高くなって驚くことを避けられます。

第一に、建設業などの二元適用事業です。建設業は労災保険と雇用保険を別々に申告する必要があるため、通常の事業より手続きが増え、別料金・別見積もりになります。スポット社労士くんの場合、建設業は下請で3万5,200円、元請で5万7,200円(いずれも税込)と、通常より高い料金が設定されています。たきしま社労士事務所も、二元適用の建設業などは別途見積もりとしています。

第二に、提出期限の直前や7月以降に依頼する場合、または電子申請ではなく紙での申請を希望する場合です。スポット社労士くんでは、7月以降の依頼または紙申請で5,500円(税込)が加算されます。期限ぎりぎりの駆け込み依頼は料金が上がりやすいので、早めの相談が結果的に安く済みます。

出典・参考資料(2件)

顧問契約なしのスポット単発でも頼める?依頼の申し込みの流れ

ここでは、顧問契約を結ばなくても単発で頼めるのか、顧問と単発のどちらが自社に向くのか、そして実際の申し込みの流れを見ていきます。

顧問契約は不要で、年度更新だけの単発依頼ができる

年度更新は、顧問契約を結ばなくても年に1回のスポットで依頼できます。スポット社労士くんやたきしま社労士事務所など、年度更新・算定基礎届の単発依頼を専門に受け付ける事務所があり、継続的な契約を前提とせずに申し込めます。毎月の給与計算や労務相談までは必要なく、年度更新の計算と申告だけを任せたい事業者に向いた頼み方です。

顧問の月額目安と、スポットが得なケース・顧問が得なケース

一方、社労士と顧問契約を結ぶ場合の月額は、任せる手続きの範囲によって幅があります。料金を公表している社労士事務所の例では、10名規模の社会保険・労働保険手続きで月2万円台〜3万円台が一つの目安です(税込・税別の別あり)。毎月の給与計算や社会保険手続きまで含めてまとめて任せる形もあります。

どちらが有利かは、年間で何をどれだけ頼むかで変わります。年度更新だけ、あるいは年度更新と算定基礎届を年1回頼むだけなら、必要なときだけ払うスポットのほうが割安です。

これに対して、毎月の給与計算や入退社のたびの社会保険手続き、随時の月額変更届など、年間を通じて手続きが継続的に発生するなら、その都度スポットで頼むより月額で任せたほうがトータルの負担を抑えられる場合があります。

ざっくりした目安としては、年度更新だけ、あるいは入退社が年に数件程度で手続きが散発的なら、必要なときだけ払うスポットが向きます。毎月の給与計算や社会保険手続きまで外注したいなら、月額の顧問でまとめて任せるほうが向いています。

出典・参考資料(3件)

申し込みから電子申請完了までの一般的な流れ

スポット依頼の申し込みは、多くの事務所で次のような流れになります。まずWebフォームや電話で申し込むと担当者から折り返しの連絡が入り、計算に必要な資料(賃金台帳や前年度の申告書の控えなど)の案内を受けて賃金データを渡します。その後は社労士が確定保険料と概算保険料を計算し、申告書を作成して電子申請で提出します。来所不要でオンライン完結できる事務所もあります。

具体的な資料の受け渡し方法や納期は事務所によって異なるため、申し込み時に提出期限(7月10日)に間に合うスケジュールかどうかをあわせて確認しておくと安心です。

社労士に頼める業務の範囲|どこまで込みで、どこからが別料金か

ここからは、社労士に年度更新を頼むと具体的に何をやってくれるのか、そしてどこまでが基本料金に含まれ、どこからが別料金になるのかを整理します。

基本料金に含まれる業務(賃金集計・申告書作成・計算・提出代行・問い合わせ対応)

年度更新のスポット料金に通常含まれるのは、前年度の確定賃金の集計、確定保険料と当年度の概算保険料の計算、概算・確定保険料申告書の作成、そして電子申請または窓口への提出代行です。多くの事務所では、申告後に労働局などから問い合わせがあった場合の対応も、基本の範囲に含めています。賃金データを渡せば、計算から申告・納付書の案内までを一通り任せられるのが基本形です。

別料金になりやすい境目(建設業・7月以降・紙申請・調査対応)

別料金になりやすいのは、前半で触れた加算条件とほぼ重なります。建設業など二元適用事業の申告は別見積もり、7月以降の依頼や紙申請は加算、というのが代表的な境目です。

さらに、年度更新の提出そのものとは別に、後日の調査(算定基礎調査・労働保険の調査など)への立ち会いや追加の書類作成を求められた場合は、別途の見積もりになるのが一般的です。顧問契約がない単発依頼では、どこまでが今回の料金に含まれ、何が発生したら追加になるのかを、申し込み時に見積書で確認しておくと行き違いを防げます。

申告書の作成・提出代行は社労士の独占業務(税理士には頼めない)

年度更新の申告書を作成し、代わりに提出する業務は、社会保険労務士(社労士)の独占業務です。社会保険労務士法は、労働・社会保険に関する法令にもとづく申請書等の作成と、その提出手続きの代行を社労士の業務と定めています。

  • 一 別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(略)に基づいて申請書等(行政機関等に提出する申請書、届出書、報告書(略)をいう。以下同じ。)を作成すること。
  • 一の二 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。
出典:社会保険労務士法 第2条第1項|e-Gov法令検索

そして同法は、社労士・社労士法人でない者が、報酬を得てこれらの業務を行うことを禁じています。

社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。

出典:社会保険労務士法 第27条第1項|e-Gov法令検索

このため、税理士が税務の顧問であっても、年度更新の申告書の作成・提出代行を報酬を得て引き受けることはできません。独占の対象は申請書等の作成と提出代行であり、一般的な相談や指導はこの範囲の外にあたります。年度更新の手続きそのものを任せたいなら、依頼先は社労士になります。

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労働保険の年度更新を自分でやる場合の手順と、社労士に頼む場合の違い

ここでは、年度更新とはそもそも何かを押さえたうえで、自分で手続きする場合の流れと、社労士に頼むと減る手間を見ていきます。

そもそも労働保険の年度更新とは(対象期間・提出期限は6月1日〜7月10日)

労働保険の年度更新とは、労災保険と雇用保険をあわせた労働保険料について、前年度の確定した保険料を精算し、当年度の概算保険料を申告・納付する、毎年6月1日から7月10日までの手続きです。都道府県労働局は、この仕組みを次のように説明しています。

労働保険料は、毎年6月1日から7月10日までの間に、概算で申告・納付を行い、翌年度の6月1日から7月10日までの間に、確定申告の上、精算することになっており、事業主の方々には、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付していただきます。 これを、 「年度更新」 といいます。

出典:労働保険料の申告と納付|兵庫労働局

6月ごろに労働局から届く「緑の封筒」の中身が、この概算・確定保険料申告書と納付書です。年に1度の手続きのため、毎年とまどう担当者が多いのもこの作業の特徴といえます。

自分でやる手順(緑の封筒の確認から申告・納付まで)

自分で年度更新を行う場合は、おおまかに次の順で進めます。まず届いた緑の封筒の中の申告書と記入の手引きを確認し、前年度に全従業員へ支払った賃金総額を集計して保険料率を掛け、前年度の確定保険料を計算します。続いて当年度の賃金見込みから概算保険料を計算し、確定保険料との差額を加減して申告書に記入します。最後に、6月1日から7月10日までの間に申告書を提出し、保険料を納付します。

さらに、概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険の一方のみ成立している場合は20万円)以上の事業や、労働保険事務組合に事務を委託している事業は、保険料を3回に分けて納める延納(分割納付)ができます。都道府県労働局は延納の要件を次のように示しています。

概算保険料額が 40万円 (労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は 20万円 )以上の場合または 労働保険事務組合 に労働保険事務を委託している場合は、労働保険料を 延納(分割納付) することができます。

出典:労働保険料の申告と納付|兵庫労働局

延納する場合の各期の納期限は、第1期が7月10日、第2期が10月31日、第3期が翌年1月31日です。まとまった保険料を一度に納めるのが難しいときは、この分割を使えます。

労働保険の年度更新のスケジュール図。申告・納付期間は毎年6月1日から7月10日。延納(分割納付)する場合の各期の納期限は、第1期が7月10日、第2期が10月31日、第3期が翌年1月31日。
出典・参考資料(1件)

自分で用意する資料と、社労士に頼むと減る手間

自分でやる場合に手元で用意するのは、主に賃金台帳、出勤簿、労働者名簿、雇用保険の加入状況が分かる資料、前年度の申告書の控えなどです。これらから、誰のどの賃金を労災保険・雇用保険それぞれの対象に含めるかを判断しながら集計していく必要があります。

社労士に頼んだ場合、賃金データを渡すところまでは自社の作業ですが、集計の対象範囲の判断、保険料率の適用、申告書への記入、電子申請での提出は社労士が担います。

社労士に年度更新を頼んだ場合の業務分担図。自社がやることは、賃金台帳・出勤簿・労働者名簿・雇用保険の加入状況が分かる資料・前年度の申告書の控えなどの賃金データと資料を渡すこと。社労士がやることは、集計の対象範囲の判断、保険料率の適用、申告書への記入、電子申請での提出。

自分で用意する資料自体は、社労士に頼んでもしなくても大きくは変わりません。違いは、年に1度しかやらない計算の正確さや、賃金集計にかかる時間、そして計算と申告の責任を自社の外に出せるかどうかにあります。

社労士に年度更新を頼むメリットと、頼まない場合の期限・追徴リスク

ここでは、社労士に頼むことで得られるメリットと、反対に申告しなかった・遅れた場合に生じるリスクを整理します。

社労士に頼むメリット(計算ミス・過不足の回避、法改正への対応、本業に集中)

社労士に頼む最大のメリットは、賃金集計や保険料計算の誤りを防げることです。対象となる賃金の範囲を取り違えると、保険料を払いすぎたり、逆に不足して後から追加で求められたりします。専門家が計算することで、こうした過不足を避けられます。

加えて、保険料率の改定や様式の変更といった毎年の変化に、担当者が自分で追いかけなくても対応してもらえます。年度更新の時期は他の業務とも重なりやすいため、計算と申告を任せて本業に時間を使えることも、依頼する実務上の利点です。

申告しない・遅れた場合のリスク(認定決定・追徴金・延滞金)

年度更新を申告しなかったり、記載に誤りがあったりすると、政府(国)が保険料の額を決めて事業主に通知します。これを認定決定といい、自分で申告する場合の利点を失うことになります。労働保険徴収法は次のように定めています。

政府は、事業主が第一項又は第二項の申告書を提出しないとき、又はその申告書の記載に誤りがあると認めるときは、労働保険料の額を決定し、これを事業主に通知する。

出典:労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第19条第4項|e-Gov法令検索

この認定決定を受けて保険料や不足額を納めることになった場合には、原則としてその額の10%にあたる追徴金が課されます。これは認定決定にともなうもので、単なる納付の遅れとは別の負担です。

さらに、保険料を納めず督促を受けると、納期限の翌日から完納までの日数に応じた年率の延滞金がかかります。追徴金が「申告しない・誤りがある場合の認定決定にともなう10%」であるのに対し、延滞金は「納付の遅れに対して期間に応じてかかる」もので、両者は別の制度です。

延滞金の率は、法律では年14.6%(納期限の翌日から2か月間は年7.3%)と定められています。ただし徴収法の特例でこれより低い率が適用される年が多く、率は年ごとに変わるため、実際の率と金額は当年の労働局の案内で確認してください。

いずれにしても、期限内に正しく申告・納付することが、こうした負担を避ける基本になります。

出典・参考資料(1件)

提出期限の直前は混み合うので、早めの相談と電子申請を

7月10日の提出期限が近づくと、社労士事務所も労働局の窓口も混み合います。前半で見たとおり、7月以降の依頼は料金が加算される事務所もあるため、頼むと決めているなら6月のうちに相談しておくのが得策です。

提出は電子申請を使えば、窓口に出向かずに完結できます。社労士に依頼すれば電子申請まで代行してもらえるため、窓口の混雑を避けつつ、期限に余裕を持って手続きを終えられます。

年度更新から毎月の労務までまとめて任せられる給与計算アウトソーシング

はじめに、頼み方の切り分けを整理します。年度更新だけを単発で頼みたいなら、この記事の前半で挙げた料金公表済みの社労士事務所(たきしま社労士事務所・スポット社労士くんなど)に、直接スポットで相談するのが早い方法です。

一方、年度更新に加えて、毎月の給与計算や入退社のたびの社会保険手続きまでまとめて任せたい場合は、次に挙げる給与計算アウトソーシングや社労士連携サービスが候補になります。「単発で頼みたいのに月額のサービスを勧められた」とならないよう、自社がどちらを求めているかを先に決めておくとスムーズです。

年度更新のスポット料金は、人数による加算や建設業の別料金、調査対応の追加見積もりなど、頼んでみないと総額が読みにくい面があります。毎月の手続きも継続的に発生するなら、個別に単発で頼むより、まとめて任せたほうが見通しを立てやすくなります。ここでは、そうした委託先を紹介します。

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サービス名Wheat AccountingYFPクレア 給与計算代行An-field(アンフィールド)小林労務
運営主体経理代行会社
(社労士・税理士と連携)
税理士法人
(社労士法人を併設)
社会保険労務士法人社会保険労務士法人
初期費用初月のみ発生
(金額は見積時に提示)
0円50名まで初月のみ顧問料1.5か月分
(51名〜はテストラン費用)
要相談
月額費用30,000円〜
(定額プラン)
1〜5名 月10,000円/6〜20名 1名1,700円
(税別)
10名まで33,000円/11〜50名 27,500円+770円×人数
(税込)
1〜19名 20,000円〜
(税別)
給与計算●●●●
社会保険・労働保険手続き△連携社労士が対応●フルサポートで追加◎社労士法人が一体対応◎社会保険手続きが専門
年度更新の対応要お問い合わせ
(公式に明記なし)
各2万円/年〜
(フルサポートの例示・税別)
社保等手続き顧問で対応
(550円/人・月・税込)
要お問い合わせ
(公式に明記なし)
対応規模従業員1〜100名目安
(法人のみ)
1名〜
(100名以上も対応)
1名〜
(101名以上も対応)
1名〜1万人以上
特徴業務フローをゼロベースで再設計し、運用まで代行給与計算は1名から。年末調整まで一元化できる社労士法人として給与計算と社会保険手続きを一体で対応電子申請主体。労働保険事務組合を併設し延納の委託先にも
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

ここで取り上げた4サービスは、年度更新や毎月の労務をまとめて任せたい場合に候補となる一例です。給与計算アウトソーシング全体から、料金体系や対応できる業務範囲、従業員規模ごとの選び方まで見比べて検討したい場合は、以下の比較記事もあわせてご覧ください。

1. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

Wheat Accountingのウェブサイト

経理の実務をまるごと外部に預けたい中小企業・スタートアップにとって、株式会社Wheatの経理アウトソーシング「Wheat Accounting」は有力な選択肢です。記帳や請求書発行、振込対応に加えて給与計算まで月次の継続業務として代行し、税務申告は連携する税理士、社会保険や労働保険の代理申請は連携する社労士とあわせて対応する体制をとっています。

特徴は、既存の業務フローにクラウド会計を後付けするのではなく、業務の流れそのものをゼロベースで設計し直し、その運用まで担う点です。料金は月額3万円〜の定額プランが基本で、freeeやマネーフォワード クラウドに対応し、全国の法人にオンラインで対応します。

公式には、派遣社員3名体制で月約80万円かかっていたバックオフィス業務を引き継ぎ、業務フローの見直しで月20万円以下にした事例が示されています。労働保険の年度更新そのものを単体で受けるかどうかや、連携社労士が担う範囲・費用は公式サイトに明記がないため、年度更新を含めて任せたい場合は資料請求や問い合わせで確認するのが確実です。

2. 税理士法人YFPクレア 給与計算アウトソーシング(税理士法人YFPクレア)

税理士法人YFPクレアの給与計算アウトソーシングのウェブサイト

税理士法人YFPクレアの給与計算アウトソーシングは、基礎情報の入力から税金・保険料の計算、給与明細の発行までを代行します。給与計算は1名から頼め、社会保険・労働保険の手続きまで必要な分だけ足せるほか、勤怠管理システムの指定もありません。

料金は初期費用・基本料金が0円で、1〜5名は月1万円一律、6〜20名は1名あたり1,700円(いずれも税別)と、小規模から使いやすい設計です。給与計算とあわせて使う「フルサポート」では、資格取得・喪失届や、算定基礎届・年度更新(例示で各2万円/年)といった手続きを選んで追加できます。

給与計算を依頼すると年末調整の基本料金が0円になるなど、給与まわりを一元化したい事業者に向いています。同じグループに社会保険労務士法人があり、事例には従業員373名・102名の企業も挙げられています。

3. An-field(社会保険労務士法人An-field)

An-field(アンフィールド)給与計算アウトソーシングのウェブサイト

An-field(アンフィールド)の給与計算アウトソーシングは、社会保険労務士法人が運営しています。社労士法人のため、給与計算と社会保険手続きを一体で任せられ、年度更新を含む労働保険・社会保険の手続きを給与計算と切り離さずに扱える点が、給与計算専業のサービスとの違いになります。

料金は公式に公開されており、10名までで月3万3,000円(税込)、11〜50名は月2万7,500円に1名あたり770円を加えた額です。社会保険などの各種手続きを含める場合は、社保等手続き顧問を1名あたり月550円(税込)で追加できます。企業規模ごとに料金の目安がはっきりしているため、月額でいくらになるかを見積もりやすいサービスです。

4. 小林労務(社会保険労務士法人小林労務)

社会保険労務士法人小林労務のウェブサイト

社会保険労務士法人小林労務(KBRグループ)は、電子申請を主体に社会保険手続きと給与計算を処理します。入退社や扶養異動のたびの書類作成・申請代行、産休・育休の給付金申請、適用事業の開始・廃止手続きまでを代行し、電子申請特化型のシステムも自社で提供しています。

社会保険手続きアウトソーシングの料金は、1〜19名の小規模プランで月2万円〜(税別)が公表されています。受託従業員数20万人以上の手続き実績を掲げ、労働保険事務組合を併設しているため、延納(分割納付)を使うための事務委託先としても検討できます。ただし、労働保険の年度更新や算定基礎届を単体で頼む場合の料金は公式に明記がないため、年度更新だけを依頼したい場合の費用は要お問い合わせです。

まとめ

労働保険の年度更新を社労士にスポットで頼むと、従業員10人前後で2万5,000円〜3万円台が目安で、人数に応じて段階的に上がります。建設業などの二元適用事業や、7月以降の依頼・紙申請では加算されるため、見積もりの際に自社の条件を伝えておくことが大切です。

顧問契約がなくても単発で頼め、申告書の作成・提出代行は社労士の独占業務のため依頼先は社労士になります。年度更新だけなら単発、毎月の給与計算や社会保険手続きまで続くならまとめて任せる、という切り分けで考えると、自社に合った頼み方が見えてきます。計算ミスや期限超過による追徴・延滞を避けるためにも、7月10日の期限に余裕を持って相談を始めてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 労働保険の年度更新とは何ですか?

A. 労働保険の年度更新とは、前年度の確定保険料を精算し、当年度の概算保険料を申告・納付する手続きです。期間は毎年6月1日から7月10日までで、労災保険と雇用保険をあわせた保険料が対象です。6月ごろに労働局から届く「緑の封筒」の中の概算・確定保険料申告書を使って手続きします。年に1度しか行わないため、賃金集計や保険料計算に自信が持てず社労士に任せる事業者も多い手続きです。

出典・参考資料(1件)

Q. 労働保険の年度更新を社労士にスポットで頼むと料金はいくらですか?

A. 労働保険の年度更新を社労士に単発で頼む料金は、従業員10人前後で2万5,000円〜3万円台が目安で、人数が増えるほど段階的に上がります。これは賃金集計から申告書の作成、電子申請までを含む基本料金です。建設業などの二元適用事業や、7月以降の依頼・紙申請では加算されるため、自社の人数と条件を伝えて見積もりを取るのが確実です。

Q. 労働保険の年度更新は顧問契約なしでも社労士に頼めますか?

A. 顧問契約を結ばなくても、年度更新だけを単発で社労士に依頼できます。年に1回のスポットで申し込め、単発依頼を専門に受け付ける事務所もあります。毎月の給与計算や労務相談までは必要とせず、年度更新の計算と申告だけを任せたい事業者に向いた頼み方です。ただし、毎月の給与計算や社会保険手続きが継続的に発生するなら、月額の顧問でまとめて任せたほうがトータルで割安になる場合もあります。

Q. 労働保険の年度更新の提出期限はいつですか?

A. 労働保険の年度更新の提出期限は、毎年6月1日から7月10日までです。社労士に頼む場合も、この期限に間に合うよう、できれば6月のうちに相談を始めると安心です。提出期限の直前は社労士事務所も労働局の窓口も混み合い、7月以降の依頼には料金を加算する事務所もあるため、早めの相談が結果的に安く済みます。

出典・参考資料(1件)

Q. 労働保険の年度更新を申告しないとどうなりますか?

A. 年度更新を申告しなかったり記載に誤りがあったりすると、政府が保険料額を決める「認定決定」を受け、原則としてその額の10%にあたる追徴金が課されます。さらに、保険料を納めず督促を受けると、納期限の翌日から完納までの期間に応じた延滞金もかかります。追徴金と延滞金は別の制度で、どちらも期限内に正しく申告・納付すれば避けられます。

出典・参考資料(1件)

Q. 建設業でも労働保険の年度更新を社労士に頼めますか?

A. 建設業でも依頼できますが、料金は通常より高く、別見積もりが一般的です。労災保険と雇用保険を別々に申告する二元適用事業にあたるためで、事務所によっては下請と元請で料金が分かれています。見積もりの際に、建設業であることと元請・下請の別を伝えておくと、金額の行き違いを防げます。

Q. 労働保険の年度更新は税理士にも頼めますか?

A. 年度更新の申告書の作成と提出代行は、社会保険労務士(社労士)の独占業務です。税理士が報酬を得て引き受けることはできず、顧問の税理士がいても、労働保険の手続きそのものを任せる相手は社労士になります。一般的な相談・指導は独占業務の範囲外ですが、申告書の作成・提出代行を頼むのであれば社労士に依頼してください。

出典・参考資料(1件)

Q. 労働保険の年度更新と一緒に算定基礎届も社労士に頼めますか?

A. 年度更新と算定基礎届は、両方をまとめて社労士に依頼できる事務所が多くあります。年度更新(6月1日〜7月10日)と算定基礎届(7月1日〜7月10日)は提出時期が重なるためです。同時期の手続きを一度に任せれば、賃金データなど資料のやり取りも一本化できます。算定基礎届そのものの料金や進め方は年度更新とは別に確認が必要ですが、年度更新とあわせてスポットで受け付ける事務所が一般的です。

算定基礎届を社労士に頼むときの費用の相場や、スポット単発で頼めるか・依頼の流れは、以下の記事で従業員の人数帯別に整理しています。年度更新とあわせて算定基礎届の依頼も考えている場合の参考にしてください。

Q. パートやアルバイトの賃金も年度更新の保険料計算に含めますか?

A. 労災保険は雇用形態を問わず、パート・アルバイトを含むすべての労働者の賃金が対象です。一方、雇用保険は、週の所定労働時間など一定の加入要件を満たす労働者が対象です。誰のどの賃金を労災保険・雇用保険それぞれの対象に含めるかの判断は間違えやすいところで、ここを任せられるのが社労士に依頼する利点の一つです。

Q. 遠方でも来所せずに労働保険の年度更新を社労士に頼めますか?

A. 多くの事務所が電子申請に対応しており、来所せずオンラインで年度更新の依頼を完結できます。全国対応をうたう事務所もあり、賃金台帳などのデータを渡せば、保険料の計算から電子申請での提出までを遠隔で任せられます。来所が必要かどうかや資料の受け渡し方法は事務所によって異なるため、申し込み時に確認しておくとよいでしょう。

Q. 労働保険料は分割して納められますか?

A. 一定の要件を満たせば、保険料を3回に分けて納める延納(分割納付)ができます。要件は、概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険の一方のみ成立している場合は20万円)以上の場合、または労働保険事務組合に事務を委託している場合です。各期の納期限は、第1期が7月10日、第2期が10月31日、第3期が翌年1月31日です。まとまった保険料を一度に納めるのが難しいときに使えます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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