東京で従業員にコンプライアンス研修を受けさせたいものの、研修を提供する会社も受け方も数多く、「どこに・どう頼めばよいのか」が分かりにくいと感じていませんか。講師に来てもらう集合研修、社員を会場に送り出す公開講座、場所を問わず受けられるオンライン・eラーニングと選択肢は幅広く、扱うテーマや対象となる階層によっても適した研修は変わります。
そこで本記事では、東京で受けられるコンプライアンス研修を、提供形態(受け方)・扱うテーマ・対象階層・費用の考え方から整理し、自社に合う研修の選び方を解説します。ハラスメントや情報管理、会計不正、取引の適正化といったテーマごとの考え方や、東京都が実施する無料のコンプライアンス講習会という選択肢まで取り上げます。
東京に拠点を持つ、または東京の企業向けに研修を提供している会社を比較・紹介しますので、資料請求や問い合わせの相手を絞り込むための検討材料としてご活用ください。
目次
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本記事で紹介する「東京で受けられるコンプライアンス研修」の範囲
コンプライアンス研修は、提供形態によって受けられる場所の考え方が変わります。本記事では「東京で受けられる」を次の3つの意味で捉え、東京の企業が実際に利用できる研修をまとめています。
- 東京に拠点を置く研修会社が、自社(受講企業)に講師を派遣して実施する研修
- 東京都内の会場で開催され、社員を送り出して受講できる公開講座・セミナー
- オンライン・eラーニングで、東京の企業が場所を問わず受講できる研修
コンプライアンス研修とは、法令や社内規程、企業倫理を従業員が理解し順守できるようにするための教育を指します。ハラスメント防止や情報管理、会計の適正といった幅広いテーマを扱い、研修会社や提供形態によって得意とする領域や進め方が異なります。自社がどのテーマを・どの階層に・どの受け方で受けさせたいかによって、適した研修は変わってきます。
東京という絞り込みにこだわらず、全社員に配信して受講状況まで管理できるeラーニング型のコンプライアンス研修を全国から幅広く見比べたい場合は、以下の記事で料金・教材テーマ・選び方を詳しく解説しています。
コンプライアンス研修eラーニングおすすめ比較29選!料金・教材テーマ・選び方を解説
コンプライアンス研修を全社員に行き渡らせたいのに、集合研修では日程調整や会場手配が追いつかず、受講記録の管理も煩雑になっていませんか。ハラスメント防止や情報セキュリティ、個人情報保護など扱うべきテーマは年々増え、法改正のたびに教材を作り直す…
東京でコンプライアンス研修を受ける3つの受け方(提供形態別)
ここからは、東京でコンプライアンス研修を受ける方法を提供形態別に整理します。どの受け方が自社に合うかは、受講人数・求める内容の作り込み・実施のしやすさによって変わります。

講師派遣(自社に講師を招いて実施する集合研修)
講師派遣は、研修会社の講師を自社のオフィスや指定会場に招き、自社の社員だけを対象に実施する形態です。研修内容を自社の業種・業務や過去の事例に合わせて設計できるため、「自社で起こりうる場面」に即した具体的な内容にしやすいのが特長です。東京に拠点を持つ研修会社の多くは、都内の企業への講師派遣に対応しています。
一定の受講人数がまとまる場合や、全社・部署単位で足並みをそろえて実施したい場合に向いています。近年は講師が会場に出向く対面形式に加え、オンラインでの講師派遣(同時双方向の集合研修)に対応する会社も増えています。
公開講座(社員を会場・オンライン講座に送り出す)
公開講座は、研修会社が日程・テーマを設定して開催する講座に、自社の社員を個別に申し込んで参加させる形態です。1名から申し込めることが多く、少人数の受講や特定の社員だけに受けさせたい場合に利用しやすい方法です。
都内に会場を構える研修会社・団体では、東京で開催される公開講座やセミナーが用意されています。ただし、会場受講かオンライン受講か、また会場が都内のどこかは講座ごとに異なるため、申し込み時に開催地と形式を確認しましょう。
自社向けに内容を作り込む講師派遣とは異なり、あらかじめ用意されたプログラムを受講する形になります。他社の受講者と一緒に学ぶため、自社内だけでは得にくい視点に触れられる点も特徴です。
オンライン・eラーニング(場所を問わず全社員に配信する)
オンライン・eラーニングは、動画教材やオンライン講座を通じて、受講者が時間や場所を選ばずに学べる形態です。東京の企業が拠点の所在地を問わず受講でき、全社員に同じ内容を配信して受講状況や理解度を管理しやすいのが利点です。拠点が分散している企業や、新入社員から全従業員まで同一内容を徹底したい場合に適しています。
一方で、自社の事例に踏み込んだ討議や、その場での質疑を重ねるような双方向性は、講師派遣や公開講座に比べると限られます。基礎知識の全社徹底はeラーニング、応用・討議は講師派遣、というように受け方を組み合わせる企業もあります。
コンプライアンス研修は、社員が自発的に学ぶというより、会社が受講を求めて全員に徹底する性格が強く、この点もeラーニングが選ばれる背景にあります。

扱うテーマ・対象階層で絞り込む
コンプライアンス研修は扱うテーマが幅広く、同じ「コンプライアンス研修」でも内容は大きく異なります。自社が受けさせたいテーマと、対象となる階層の両面から絞り込むと、適した研修を見つけやすくなります。
扱うテーマで選ぶ
研修で扱う主なテーマには、次のような領域があります。いずれも背景となる法令が異なり、自社の業種やリスクに応じて優先度が変わります。

ハラスメント防止は、多くの企業で優先度の高いテーマです。職場のパワーハラスメント防止については、労働施策総合推進法が事業主に雇用管理上の措置を義務づけています。セクシュアルハラスメントや妊娠・出産等に関するハラスメント(マタニティハラスメント)防止については、男女雇用機会均等法が同様の措置を求めています。管理職向けと一般社員向けで重点が変わるテーマでもあります。
ハラスメント防止に絞って、eラーニングや集合研修といった受け方ごとの選び方や法改正への対応まで詳しく比較したい場合は、『ハラスメント研修おすすめ25選を比較』もあわせてご覧ください。
情報管理・情報セキュリティは、個人情報の取り扱いや情報漏えい対策を扱う領域です。個人情報保護法は、事業者に安全管理措置や従業者の監督を求めており、全従業員が守るべき基本ルールの徹底が研修の目的になります。業種によっては営業秘密の管理や各種セキュリティガイドラインへの対応も含まれます。
会計不正・内部統制は、財務報告の信頼性や不正の防止を扱うテーマです。上場企業等では金融商品取引法が内部統制報告制度を、会社法が大会社等に内部統制システムの整備を定めており、こうした仕組みを背景に経理・財務部門や管理職を対象とした研修が行われます。
取引の適正化(取適法・独占禁止法など)は、取引先との公正な取引を扱う領域です。2026年1月1日に施行された改称により、従来の下請法は「取適法(中小受託取引適正化法、旧・下請代金支払遅延等防止法)」となりました。あわせて独占禁止法が禁じるカルテルや優越的地位の濫用、業務委託の相手を守るフリーランス法なども、購買・調達部門や取引担当者向けの研修テーマになります。
出典・参考資料(5件)
受講する対象階層で選ぶ
同じテーマでも、対象となる階層によって必要な内容は変わります。誰に受けさせるかを決めてから研修を選ぶと、内容のミスマッチを避けやすくなります。
新入社員・若手には、社会人として守るべき基本ルールや、情報の取り扱い・SNS利用の注意点など、土台となる知識の習得が中心になります。管理職には、部下の指導やハラスメントの防止・相談対応、職場で問題が起きたときの初動など、マネジメントの立場で求められる役割が加わります。
経営層・役員には、企業倫理やガバナンス、全社的なリスク管理といった、経営判断に直結するテーマが重点になります。階層別にプログラムを分けて提供している研修会社も多く、自社で優先したい階層から検討すると選びやすくなります。
自社に合うコンプライアンス研修の選定診断
受け方(提供形態)・テーマ・対象階層のどれを重視するかによって、適した研修は変わります。自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しました。ぜひこちらもご活用ください。
コンプライアンス研修には、全社員にまとめて配信して受講状況まで管理できるeラーニング型のサービスもあります。
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東京対応のコンプライアンス研修サービスを比較
ここからは、東京で受けられるコンプライアンス研修サービスを、提供形態・扱うテーマ・対象階層・講師や実績・費用の考え方で比較します。自社の受け方やテーマに合う会社を見比べる際の目安としてご覧ください。
| サービス名 | TOMAコンサルタンツグループ | インソース 公開講座・講師派遣 | SMBCビジネスセミナー 「みんなの研修」 | コンプライアンス推進機構 (OCOD) | 日本生産性本部 | 東京海上ディーアール |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | 講師派遣(企業内研修) 対面・オンライン対応 公開講座の記載はなし | 公開講座(1名から)+講師派遣 対面・オンライン対応 | 来場セミナー・ライブ配信・ アーカイブ動画・講師派遣 | 講師派遣+オンライン・ オンデマンド研修 | 企業内研修(集合・オンライン) +eラーニング | セミナー(講義)・ ワークショップ(討議) ※対面/オンラインの別・会場は公式に記載なし |
| 主な扱うテーマ | ハラスメント/情報管理・生成AI/ 不正会計・内部統制/ 下請法(取適法)・独占禁止法・ フリーランス法 | コンプライアンスを含む 5,000種類以上の幅広いテーマ | 個人情報保護法/取適法/ 契約書の基礎/ビジネス法務 ほか | コンプライアンス基礎・企業倫理 (診断・規程作成・通報窓口も対応) | ハラスメント防止 (心理的安全性・アンコンシャス バイアス等の周辺テーマも) | 独占禁止法・取適法/製造物責任/ 情報漏洩/贈収賄・インサイダー ほか |
| 対象階層 | 新入社員〜管理職〜経営層 (階層別・職種別に設計) | 1名から申込可 (階層を問わず受講可) | 役員・幹部/管理職/ 中堅/若手・新入社員 | 新入社員〜管理職 (基礎〜企業倫理まで) | 管理職向け・一般社員向け (基礎研修を階層別に用意) | 役員/管理職/ 一般従業員/新入社員 |
| 自社事例の反映(オーダーメイド) | ●事前ヒアリングで業界事例を反映 | ●講師派遣型はオーダーメイド(公開講座は既製) | ●講師派遣はヒアリングで個別設計 | ●テーラーメイド型に対応 | ●企業の課題に応じて設計 | △目的・対象者に合わせ内容を検討(事例反映は公式に記載なし) |
| 講師の専門性・実績 | 社労士・公認会計士・税理士・ 提携弁護士などの専門家 研修の導入社数は非公表 | 公開講座を月平均700回以上開催 5,000種類以上のカリキュラム (東証プライム上場) | 延べ100万人以上の受講実績 三井住友銀行グループ | 体制支援・研修先350社超(公式掲載値) コンプラ資格認定を運営する一般社団法人 | 1955年設立の公益財団法人 講師の資格・実績は非公表 | 導入実績・講師情報は公表なし 1996年設立のリスクコンサル会社 |
| 費用の考え方 | 要お問い合わせ (個別見積もり・無料相談あり) | 公開講座:1日26,400〜36,600円(税込) 講師派遣:個別見積もり | 講師派遣:1日60〜70万円/半日45〜50万円 サブスク型:初期費用+月額定額制 | 要お問い合わせ (内容に応じた個別対応) | 要お問い合わせ (内容に応じた見積もり) | 要お問い合わせ (内容・形式に応じて検討) |
| 本社所在地 | 東京都千代田区丸の内 | 東京都千代田区神田小川町 | 東京都中央区八重洲 | 東京都港区西新橋 | 東京都(詳細は公式サイト参照) | 東京都千代田区大手町 |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上記は各社公式サイトの公表情報にもとづく2026年10月時点の内容です。料金・提供形態・対象などは変更される場合があるため、最新情報は各社にご確認ください。
東京対応のコンプライアンス研修サービスの特徴
比較表で取り上げた各サービスについて、提供形態や扱うテーマ、強みを個別に紹介します。いずれも東京に拠点を置き、企業向けに講師派遣や公開講座などの形で研修を提供している会社・団体です。
1. TOMAコンサルタンツグループ コンプライアンス研修(TOMAコンサルタンツグループ株式会社)

東京都千代田区丸の内に拠点を置くTOMAコンサルタンツグループ株式会社が、企業ごとに内容を設計するオーダーメイド型のコンプライアンス研修として提供しています。事前ヒアリングで業界特有のリスクや課題を反映し、オリジナルのプログラムを組み立てます。
講師は社会保険労務士・公認会計士・税理士・提携弁護士など職種の異なる専門家がつとめ、ハラスメント防止や情報セキュリティ、不正会計・内部統制、取適法(旧・下請法)や独占禁止法といった法務分野まで、複数のテーマを同じ窓口で組み合わせられるのが特徴です。新入社員・管理職・経営層といった階層別の設計にも対応します。
企画から講師手配、当日運営、研修後のフォローまでを一貫して支援する「研修コンシェルジュサービス」の一環で、研修後3〜6か月のフォロー研修や理解度テストも用意されています。料金は企業規模・支援内容に応じた個別見積もりで、無料相談を受け付けています。実施会場や形式は相談時に決める流れです。
2. インソースの公開講座・講師派遣型研修(株式会社インソース)

株式会社インソースの公開講座は、1名から申し込める異業種交流型の研修です。東証プライムに上場し本社を東京都千代田区に置く同社は、対面に加えてZoomを使ったオンライン開催にも対応しています。
公開講座は月平均700回以上開催され、ビジネス基礎からコンプライアンス関連まで5,000種類以上のカリキュラムから選べます。演習を6割・講義を4割とする双方向設計を掲げ、御茶ノ水の配信専用スタジオからオンライン配信時のトラブルにも対応します。少人数や特定の社員だけに受けさせたい場合に利用しやすい受け方です。
自社の社員だけで実施したい場合は、内容を個別に設計する講師派遣型研修も選べ、最短2週間後の実施を掲げています。公開講座の受講料は1日研修で26,400〜36,600円(税込)が目安で、月曜開催の人気テーマを一律14,300円(税込)とするマンデー割引などの制度もあります。講師派遣型は個別見積もりです。
3. SMBCビジネスセミナー「みんなの研修」(SMBCコンサルティング株式会社)

三井住友銀行グループのSMBCコンサルティング株式会社が運営する法人向け研修サービスで、本社は東京都中央区八重洲にあります。2026年3月に「みんなの研修」へ再編され、来場型セミナーやライブ配信、アーカイブ動画、講師派遣を4つの区分で提供しています。
コンプライアンス分野では、個人情報保護法や取適法(中小受託取引適正化法)、契約書の基礎、ビジネス法務といったテーマを扱います。自社の課題に合わせて設計したい場合は講師派遣を選べ、訪問ヒアリングを経て個別にプログラムを組み立てます。同社は延べ100万人以上の受講実績を公表しています。
料金は、アーカイブ動画が見放題の「ライブラリ」が初期費用165,000円(税込)と契約人数別の月額で利用できます。来場・ライブ配信の「ベーシック」サブスクは、初期費用330,000円(税込)と月額の定額制です。講師派遣は1日(4時間超)60〜70万円、半日45〜50万円が目安で、内容により変動します。
4. コンプライアンス・サポートサービス(一般社団法人コンプライアンス推進機構)

コンプライアンス推進機構(OCOD)は、2004年に設立され東京都港区に事務局を置く一般社団法人です。コンプライアンス分野の資格認定や調査研究を手がける団体で、企業向けには診断・規程作成から研修、内部通報窓口の受託までを一貫して支援しています。
研修面では、講師派遣に加えてオンライン研修やオンデマンド型の教材にも対応します。コンプライアンス基礎から管理職向けの企業倫理まで扱う通信教育や、認定コンプライアンス・オフィサー(CCO)などの資格認定制度も運営しており、教育と資格を組み合わせて活用できます。
公式サイトは、体制支援・研修先が350社を超えると掲載しています(集計時点の記載はなし)。研修単体の料金はページに明示されておらず、内容に応じた個別対応となるため、受けたいテーマや対象を伝えて問い合わせる形になります。
5. 日本生産性本部の企業内研修・eラーニング(公益財団法人日本生産性本部)

企業・労働組合向けにオーダーメイドの企業内研修を提供する公益財団法人日本生産性本部は、1955年の設立以来、生産性向上の運動を進めてきました。複数の研修メニューを並立して用意しており、eラーニング(動画研修)にも対応しています。
メニューの一つである「ハラスメント対策×生産性向上」研修は、ハラスメント防止を目的そのものではなく生産性やエンゲージメント向上の手段と位置づけ、4ステップのプログラムとして構成しています。基礎研修に加え、アンコンシャスバイアスや心理的安全性、アサーティブコミュニケーションなど周辺のテーマまで、企業の課題に応じて選べます。
管理職向け・一般社員向けに分けた「ハラスメント基礎研修」も並立して提供し、オンライン開催・集合研修・eラーニングから選べます。料金は公式サイトに記載がなく、内容に応じた見積もりとなります。
6. コンプライアンス研修支援(東京海上ディーアール株式会社)

法令遵守と企業倫理の浸透、コンプライアンス問題への対応力の向上を目的に、東京海上ディーアール株式会社がコンプライアンス研修支援を提供しています。本社は東京都千代田区大手町にあり、1996年に設立された、東京海上グループでリスクマネジメントを専門とするコンサルティング会社です。実際の企業リスクに即したテーマを扱える点が、研修を選ぶうえでの特徴といえます。
研修は、事例解説を交えた講義形式の「セミナー」と、5〜10名程度のグループで話し合う討議形式の「ワークショップ」の2つの形式で提供されます。扱うテーマは、独占禁止法(談合・カルテル・取適法違反)や製造物責任、情報漏洩、贈収賄・インサイダー取引など幅広く、役員から新入社員まで対象者に合わせて内容を検討します。
料金や導入実績は公式サイトに公表されておらず、問い合わせ窓口であるビジネスリスク本部を通じて相談する形です。実施の形式や対象者は、研修の目的に合わせて個別に検討するとされています。
コンプライアンス研修の費用相場と費用を左右する要因
コンプライアンス研修の費用は、提供形態や内容によって大きく変わり、多くの研修会社が「内容・対象・時間に応じて個別見積もり」としています。そのため一律の相場を示すことは難しいものの、費用がどの要因で動くかを押さえておくと、見積もりを比較しやすくなり、社内での予算検討の根拠にもなります。
料金を公表している会社の例では、1名から参加できる公開講座は1日あたり26,400〜36,600円(税込)程度、自社に講師を招く講師派遣は1日あたり60〜70万円・半日45〜50万円程度としている会社もあります。多くの会社は内容・対象・時間に応じた個別見積もりのため、下記の要因を押さえて複数社から見積もりを取ると比較しやすくなります。
出典・参考資料(2件)
費用を左右する主な要因は、次のとおりです。
- 提供形態:講師派遣(1回あたりの講師料で設定されることが多い)、公開講座(受講者1名あたりの受講料)、eラーニング(利用するアカウント数に応じたライセンス料)で費用の決まり方が異なります
- 受講人数・開催回数:講師派遣は人数が増えても1回あたりの費用は変わりにくい一方、公開講座・eラーニングは人数に比例して費用が増える傾向があります
- 講師のランク・専門性:弁護士や公認会計士など有資格の専門家が登壇する場合、費用が上がることがあります
- 内容の作り込み:自社の業種・事例に合わせてプログラムを設計するオーダーメイド型は、既製の講座より費用がかかる傾向があります
- 教材・付帯サービス:理解度テストやフォロー研修、教材の提供などが含まれるかどうかで総額が変わります
見積もりを取る際は、これらの条件をそろえて複数社を比較すると、費用の違いが何に由来するのかを把握しやすくなります。資料請求や問い合わせの段階で、受講人数・希望する形態・扱いたいテーマを伝えると、より具体的な見積もりを得られます。
東京都の無料コンプライアンス講習会という選択肢
有償の研修サービスとは別に、東京都が事業者向けに無料のコンプライアンス講習会を実施しています。費用をかけずに受けられる選択肢として、使い分けを知っておくと役立ちます。
この講習会は、東京都生活文化局消費生活部取引指導課が「ネット販売や訪問販売など事業者向けコンプライアンス講習会」として毎年度実施しているもので、参加費は無料、WEB配信で受講できます。扱うテーマは特定商取引法、景品表示法(ステルスマーケティング規制など)、東京都消費生活条例、ネット広告に関わる薬機法・健康増進法・食品表示法といった、消費者向けの取引に関わる法令が中心です。
対象は、都内で事業活動を行いコンプライアンス向上に関心のある事業者とされています。
出典・参考資料(1件)
ただし、この講習会が扱うのは消費者取引に関わる法令が中心で、ハラスメント防止や情報管理、会計不正といった社内向けの一般的なコンプライアンス研修とは射程が異なります。通信販売・訪問販売やネット広告を行う事業者が、消費者取引のルールを押さえる目的には適していますが、全社的なコンプライアンス教育をこの講習会だけでまかなうことはできません。
社内向けのテーマは有償の講師派遣・公開講座・eラーニングで、消費者取引のルールは東京都の無料講習会で、というように補完的に使い分けるのが現実的です。募集時期は年度ごとに決まるため、受講を検討する際は東京都の最新の案内で申込期間を確認してください。
東京で失敗しないコンプライアンス研修の選び方
受け方・テーマ・対象階層で候補を絞ったら、最後に次の観点で各社を見比べると、発注後のミスマッチを防ぎやすくなります。
講師の専門性・実績は十分か
扱うテーマによっては、法令の解釈や実務に踏み込んだ内容が求められます。たとえばハラスメントや取引の適正化、会計不正といったテーマでは、弁護士・社会保険労務士・公認会計士など有資格の専門家や、その分野の実務経験を持つ講師が登壇するかを確認しましょう。研修会社の導入社数や、自社と近い業種・規模での実績があるかも、内容の信頼性を見極める手がかりになります。
自社の業種・事例を反映したプログラムにできるか
自社で起こりうる場面に即した研修にするには、事前のヒアリングをもとに内容を設計してくれるかが重要です。講師派遣やオーダーメイド型の研修では、自社の業務や過去に実際に起きた事例を題材に組み込めるかを確認しましょう。既製のプログラムをそのまま使う場合でも、自社の業種に近い事例が含まれているかで、受講者の納得感は変わります。
東京で希望する受け方に対応できるか
自社のオフィスへ講師に来てもらいたいのか、社員を会場へ送り出したいのか、全社にオンラインで配信したいのかによって、選ぶべき会社は変わります。都内への講師派遣に対応しているか、東京で開催される公開講座があるか、オンライン・eラーニングで受講管理まで行えるか——希望する受け方に対応できるかを、問い合わせの段階で確認しておくと安心です。
戒めるだけでなく、職場の風土改善につながるか
「やってはいけないこと」を伝えるだけの研修は、受講者の行動変容につながりにくい場合があります。なぜそのルールが必要なのかを理解させ、職場で判断に迷ったときの考え方や相談の仕方まで扱う研修は、実務での再発防止や風土改善に結びつきやすくなります。受講後に理解度テストやフォロー研修があるかも、学びを定着させるうえでの判断材料になります。
まとめ
東京で受けられるコンプライアンス研修は、講師派遣・公開講座・オンライン/eラーニングという受け方の違いと、扱うテーマ・対象階層によって適した選択肢が変わります。まず「誰に・どのテーマを・どの受け方で受けさせたいか」を整理し、講師の専門性や自社事例の反映可否、希望する受け方への対応を確認して比較すると、ミスマッチを避けられます。
消費者取引に関わる法令であれば、東京都の無料講習会という選択肢も補完的に活用できます。
自社に合う研修を効率よく探すには、気になる研修会社の公式情報を取り寄せて、提供形態・テーマ・費用の考え方を見比べるのが近道です。全社員への配信を前提にeラーニング型も候補に入れる場合は、MCB FinTechカタログで対象となるサービスの資料をまとめて請求して比較できます。
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よくあるご質問(FAQ)
Q. コンプライアンス研修とは何ですか?
A. コンプライアンス研修とは、法令や社内規程、企業倫理を従業員が理解し、順守できるようにするための教育です。ハラスメント防止、情報管理・情報セキュリティ、会計不正の防止、取引の適正化など幅広いテーマを扱い、研修会社や提供形態によって得意とする領域や進め方が異なります。東京では、講師派遣・公開講座・オンライン/eラーニングといった複数の受け方から、自社に合うものを選べます。
Q. 東京でコンプライアンス研修を受けるにはどんな方法がありますか?
A. 東京でコンプライアンス研修を受ける方法は、講師を自社に招く「講師派遣」、社員を会場やオンライン講座に送り出す「公開講座」、場所を問わず配信する「オンライン・eラーニング」の3つが基本です。加えて、東京都が事業者向けに実施する無料のコンプライアンス講習会も選択肢になります。受講人数や内容の作り込みの必要性に応じて、自社に合う受け方を選びます。
Q. コンプライアンス研修の講師派遣と公開講座はどう使い分ければよいですか?
A. 講師派遣は自社の社員だけを対象に内容を作り込みたい場合、公開講座は少人数や特定の社員だけに受けさせたい場合に向きます。講師派遣は一定の人数がまとまる場合に1回あたりの費用で実施でき、自社の業種・事例を反映しやすいのが利点です。一方、公開講座は1名から申し込め、他社の受講者とともに学ぶことで、社内だけでは得にくい視点に触れられます。
Q. コンプライアンス研修はオンライン・eラーニングでも受けられますか?
A. コンプライアンス研修はオンライン・eラーニングでも受けられ、東京の企業が拠点の所在地を問わず全社員に同じ内容を配信できます。受講状況や理解度を管理しやすく、拠点が分散している企業や、全従業員への基礎知識の徹底に向いています。
ただし、自社事例に踏み込んだ討議やその場での質疑は講師派遣・公開講座に比べると限られるため、基礎はeラーニング、応用は講師派遣というように受け方を組み合わせる企業もあります。
Q. コンプライアンス研修の費用はどのくらいが目安ですか?
A. コンプライアンス研修の費用は、内容・対象・時間に応じた個別見積もりが中心で、提供形態によって決まり方が異なります。
公開講座は受講者1名あたりの受講料(1日研修で数万円程度が目安)、講師派遣は1回あたりの講師料、eラーニングは利用するアカウント数に応じたライセンス料で設定されるのが一般的です。受講人数・希望する形態・扱いたいテーマを伝えて複数社から見積もりを取ると、費用の違いが何に由来するのかを比較しやすくなります。
Q. ハラスメントや情報管理など特定のテーマだけ依頼できますか?
A. 多くの研修会社では、ハラスメント防止や情報管理・情報セキュリティ、会計不正、取引の適正化など、特定のテーマに絞って依頼できます。たとえば職場のパワーハラスメント防止は労働施策総合推進法で事業主に雇用管理上の措置が義務づけられており、こうした法令を踏まえた専門の研修が用意されています。自社の業種やリスクに応じて、優先度の高いテーマから選ぶとよいでしょう。
出典・参考資料(1件)
Q. コンプライアンス研修は新入社員から経営層まで全員同じ内容ですか?
A. 必ずしも同じではなく、対象となる階層に応じて重点を変えるのが一般的です。
新入社員・若手には情報の取り扱いやSNS利用の注意点など土台となる基本ルール、管理職には部下指導やハラスメントの相談対応・問題発生時の初動、経営層・役員には企業倫理やガバナンス・全社的なリスク管理が、それぞれ重点になります。多くの研修会社が階層別にプログラムを分けて提供しているため、自社で優先したい階層から検討すると選びやすくなります。
Q. コンプライアンス研修に自社の業種や事例を反映してもらえますか?
A. 講師派遣やオーダーメイド型の研修では、事前ヒアリングをもとに自社の業種・業務や過去に起きた事例を反映したプログラムを設計できます。「自社で起こりうる場面」に即した内容にすることで、受講者の納得感が高まります。既製の公開講座を利用する場合でも、自社の業種に近い事例が含まれているかを確認すると、学びの実感が変わります。
Q. 研修後に実際に行動が変わるか不安です。効果はどう測定・定着させますか?
A. 受講前後の理解度テストやアンケート、研修後のフォロー研修を取り入れることで、知識の定着度と行動変容を測り、定着を促すことができます。「やってはいけないこと」を伝えるだけでなく、なぜそのルールが必要なのか、判断に迷ったときの考え方や相談の仕方まで扱う研修は、実務での再発防止や職場の風土改善につながりやすくなります。受講後のフォロー体制があるかを、発注前に確認しておくとよいでしょう。
Q. 東京都の無料コンプライアンス講習会と研修会社の有償研修はどう使い分ければよいですか?
A. 東京都の無料講習会は消費者取引に関わる法令が中心のため、社内向けのコンプライアンス教育は有償研修と補完的に使い分けるのが現実的です。
東京都生活文化局が実施する事業者向けの講習会は、特定商取引法・景品表示法など消費者取引のルールをWEB配信で無料で学べます。一方、ハラスメント防止や情報管理、会計不正といった社内向けのテーマは、講師派遣・公開講座・eラーニングで補う必要があります。募集時期は年度ごとに決まるため、受講を検討する際は東京都の最新の案内で申込期間を確認してください。
出典・参考資料(1件)
Q. コンプライアンス研修とリスクマネジメント研修はどう違いますか?
A. コンプライアンス研修は法令・社内規程・企業倫理の順守を中心に扱うのに対し、リスクマネジメント研修は法令違反に限らず事業上のリスク全般の管理を扱います。両者は重なる部分が多く、コンプライアンス違反は企業が管理すべきリスクの一つでもあります。自社が「法令順守の徹底」を主眼に置くのか、「幅広いリスクへの備え」まで広げたいのかによって、どちらに重点を置くかを選ぶとよいでしょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















