学校・保育園・学習塾など教育機関の給与計算は、私立の私学共済、公立の俸給表、非常勤講師のコマ給や時給、保育のシフト制といった教育ならではの事情が重なり、手計算やExcelではミスや手間が生じやすい業務です。制度を取り違えたまま計算すると、控除や割増の誤りが未払いや職員とのトラブルにつながりかねません。
こうした負担を減らす手段が給与計算ソフトですが、自校・自園の種別や雇用形態に合う一本を選ぶには、どのような観点で比べればよいのでしょうか。
本記事では、教育機関に向く給与計算ソフトを、私学共済・俸給表への対応、非常勤のコマ給・時給の計算、勤怠・シフト連携、教育機関での導入実績、導入形態と規模という5つの観点で比較・解説します。料金もあわせて比較表で確認できます。私立学校から保育園・学習塾・専門学校まで、自校・自園に合うソフトを判断する材料としてご活用ください。
また、自校・自園の種別や勤務形態に合わせて候補を絞り込めるよう、30秒で終わる選定診断ツールも用意しています。あわせてご活用ください。
目次
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本記事の対象範囲
本記事は、私立学校・学校法人、保育園・こども園、学習塾・予備校、専門学校・各種学校といった教育機関で、私学共済・非常勤のコマ給・シフト制に対応できる給与計算ソフトを比較する記事です。自校・自園で導入するソフトを選ぶ判断材料として、教育ならではの論点を踏まえ、選び方とおすすめを整理しました。
公立学校の教員の給与は、学校ごとではなく自治体(都道府県・市区町村の教育委員会)が条例で定める俸給表に基づいて一括処理するのが一般的です。そのため、個々の公立学校が給与計算ソフトを単独で選ぶ場面は限られます。
本記事は主に私立学校・保育園・学習塾などを対象とし、公立学校については給与計算の仕組み(俸給表・教職調整額)を私立との違いとして解説します。学校法人が運営する学校や、一部業務を自校で処理するケースでは、以降の選び方も参考になります。
給与計算の業務そのものを外部に委託したい場合(アウトソーシングや社会保険労務士への委託)や、業種を限定せず給与計算ソフト全般をフラットに比較したい場合は、それぞれ別の記事で扱っています。教育機関という切り口で候補を絞り込みたい読者に向けて、以降は教育固有の論点から順に解説します。
ソフトで内製するのではなく、給与計算そのものを社外に任せる選択肢も検討したい場合は、委託できる業務範囲・料金体系・規模別の選び方をまとめた次の記事が参考になります。
業種を問わず給与計算ソフト全般を横並びで比較して選びたい場合は、カテゴリ全体を対象にした次の比較記事もあわせてご覧ください。
教育業界の給与計算が抱える課題と特性
教育機関の給与計算は、一般企業にはない制度が関わる点に特徴があります。とくに私立と公立で適用される仕組みが大きく異なり、さらに非常勤講師やパート職員のコマ給・時給が加わることで計算が複雑になります。自校・自園にどれが当てはまるかを確認しながら、教育に固有の3つの論点を見ていきましょう。

私立学校は私学共済への対応が必要
私立学校の教職員は、一般企業の健康保険・厚生年金ではなく、私立学校教職員共済制度(私学共済)に加入します。私立学校教職員共済法は、この制度の目的を次のように定めています。
この法律は、私立学校教職員の相互扶助事業として、私立学校教職員の病気、負傷、出産、休業、災害、退職、障害若しくは死亡又はその被扶養者の病気、負傷、出産、死亡若しくは災害に関する給付及び福祉事業を行う共済制度(以下「私立学校教職員共済制度」という。)を設け、私立学校教職員の福利厚生を図り、もつて私立学校教育の振興に資することを目的とする。
出典:私立学校教職員共済法 第1条(目的)|e-Gov法令検索
この制度を運営するのは日本私立学校振興・共済事業団で、医療給付にあたる短期給付、退職等年金給付、福祉事業を担います。掛金は加入者である教職員と学校法人等が折半して負担し、事業団が厚生年金保険料とあわせて徴収します。協会けんぽや組合健保とは加入先も控除の仕組みも異なるため、私立学校向けの給与計算では、この私学共済掛金の控除計算に対応できることが前提になります。
出典・参考資料(1件)
公立学校は俸給表と教職調整額で給与が決まる
公立学校の教員は地方公務員にあたり、給与は各自治体の条例で定める給料表(俸給表)に基づいて支給されます。地方公務員法は、給与を条例で定めること、その給料表に等級ごとの給料額の幅を定めることを求めています。
職員の給与は、前条第五項の規定による給与に関する条例に基づいて支給されなければならず、また、これに基づかずには、いかなる金銭又は有価物も職員に支給してはならない。(略)前項第一号の給料表には、職員の職務の複雑、困難及び責任の度に基づく等級ごとに明確な給料額の幅を定めていなければならない。
出典:地方公務員法 第25条(給与の支給)|e-Gov法令検索
さらに公立学校の教員には、残業代にあたる時間外勤務手当・休日勤務手当を支給しない代わりに、給料月額に一定率を乗じた教職調整額が支給されます。この仕組みは「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)」で定められています。
教育職員(略)には、その者の給料月額の百分の十(幼稚園の教育職員にあっては、百分の四)に相当する額を基準として、条例で定めるところにより、教職調整額を支給しなければならない。(略)教育職員については、時間外勤務手当及び休日勤務手当は、支給しない。
出典:公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法 第3条|e-Gov法令検索
この教職調整額の率は、2025年の給特法改正で本則が給料月額の10%に引き上げられ、附則の経過措置により段階的に適用されます。
2026年は5%で、以後2027年6%、2028年7%、2029年8%、2030年9%と毎年引き上げられ、2031年1月以降に本則どおり10%となります(幼稚園の教育職員は経過措置の対象外で4%のままです)。公立学校向けの給与計算では、等級・号給に基づく俸給表と、この教職調整額の計算に対応できることが求められます。

出典・参考資料(2件)
非常勤講師・パートのコマ給や時給に割増が重なる
学校・学習塾・保育園には、常勤の職員だけでなく、非常勤講師や時間講師、シフト勤務のパート職員が多く在籍します。私立学校の教職員や、学習塾・保育園などの民間の職員は、公立学校の教員と違って労働基準法が適用されます。そのため、時間外労働には割増賃金が発生し、教職調整額の仕組みはありません。この点は公立学校と真逆であり、取り違えると計算を誤ります。
労働基準法は、時間外・休日・深夜の労働に対する割増賃金を次のように定めています。
使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
出典:労働基準法 第37条第1項(時間外・休日の割増賃金)|e-Gov法令検索
コマ給や時給で働く講師・パートでは、授業のコマ数や実働時間に、時間外の割増、深夜(午後10時〜午前5時)の割増、各種手当が重なります。
保育園のシフト制のように勤務時間が変動する職場では、1か月単位や1年単位の変形労働時間制を就業規則や労使協定で導入して対応することもあり、所定労働時間の変動と割増の両方を正しく集計する必要があります。給与計算ソフトには、こうした時給・コマ給ベースの割増計算と勤怠データの取り込みに対応できることが求められます。
出典・参考資料(1件)
教育機関が給与計算ソフトを導入するメリット
ここまで見た教育固有の論点は、手作業では負担が大きく、誤りも起きやすいものです。給与計算ソフトを導入すると、こうした負担を次の3つの面で軽減できます。
計算と集計の手間を減らしミスを防げる
私学共済掛金の控除、俸給表や教職調整額の反映、非常勤のコマ給・割増の計算は、項目が多く手計算では転記ミスが起きやすい作業です。給与計算ソフトは勤怠データや職員ごとの設定をもとにこれらを自動計算し、毎月の給与・賞与と年末調整までを一貫して処理できます。担当者が一人で兼務することの多い教育機関では、作業時間の短縮効果が大きくなります。
給与明細の配布をペーパーレス化できる
多くのソフトは、給与明細をWebやスマートフォンで配信する機能を備えています。常勤・非常勤を問わず在籍者が多い学校や、複数の園・教室を運営する法人では、紙の明細を印刷・封入・配布する手間と郵送コストを削減できます。退職者や非常勤講師への明細交付も、オンラインで完結しやすくなります。
法改正や制度変更に追従しやすい
社会保険料率や所得税、労働基準法の割増率、さらに教職調整額のように段階的に引き上げられる制度は、改正のたびに計算の前提が変わります。クラウド型のソフトは、こうした改正に合わせて税率テーブルや計算ロジックが自動更新されるため、担当者が改正内容を追い切れなくても計算の正確性を保ちやすくなります。
教育機関向け給与計算ソフトの選び方
ここからは、教育機関が給与計算ソフトを選ぶときに確認したい観点を解説します。自校・自園の種別(私立・公立・保育・塾・専門学校)と雇用形態に照らして、どの観点を重視すべきかを見ていきましょう。
私学共済・俸給表に対応しているか
自校の種別で必要になる制度に対応できるかは、最初に確認すべき観点です。私立学校なら私学共済掛金の控除計算、公立学校なら条例で定める俸給表(等級・号給)と教職調整額の反映が必要になります。
多くの汎用の給与計算ソフトは健康保険・厚生年金を前提に作られているため、私学共済や俸給表への対応は標準機能か、計算式のカスタマイズで対応するか、個別の問い合わせが必要かが製品によって分かれます。資料請求や問い合わせの段階で、自校の制度に実際に対応できるかを具体的に確認することが重要です。
非常勤講師のコマ給・時給と多様な手当に対応できるか
非常勤講師や時間講師が多い学校・塾では、コマ単価や時給に、担当科目・役職・交通費などの手当が加わります。給与計算ソフトを選ぶ際は、こうした独自の支給項目を計算式として柔軟に設定できるか、職員ごとに異なる単価・手当を登録して自動計算できるかを確認しましょう。支給項目の自由度が低いソフトでは、結局手作業での補正が残り、導入効果が薄れてしまいます。
勤怠・シフト管理と連携できるか
保育園や学習塾のようにシフト勤務が中心の職場では、勤怠データをいかに正確に給与へ反映できるかが効率を左右します。勤怠管理システムと連携できるソフトなら、出退勤の打刻データから実働時間・残業・深夜勤務を自動で集計し、割増計算まで引き継げます。すでに勤怠システムを使っている場合は、その製品と連携できるか、連携の方法(API連携かCSV取り込みか)を確認しておくと、二重入力を避けられます。
教育機関での導入実績があるか
同じ学校法人や保育園・塾での導入実績があるソフトは、教育現場で起きやすい計算パターンや運用の勘所を踏まえている可能性が高く、導入後のミスマッチを避けやすくなります。公式サイトの導入事例や、学校法人・社会福祉法人向けの専用プラン・サポートの有無を確認すると、自校・自園の規模や制度に合うかを判断しやすくなります。
導入形態(クラウド型・インストール型)と規模で絞り込む
給与計算ソフトには、大きく分けてクラウド型とインストール(買い切り)型があります。クラウド型は初期費用を抑えやすく、法改正や税率変更に自動で追従し、Web明細やテレワークにも対応しやすい一方、月額・年額の利用料が継続して発生します。インストール型は買い切りで月額費用がかからず手元のPCで完結しますが、法改正時のアップデートや端末管理を自分で行う必要があります。
規模の面では、単独の学校・園・教室であれば低コストのクラウド型や買い切り型で足りることが多く、複数校・系列園を束ねる大規模な学校法人では、人事・勤怠・会計と統合できる人事給与システムやERPが向きます。自校・自園の規模と、将来の校数・職員数の見通しもあわせて絞り込むとよいでしょう。
ここまでの観点を踏まえ、自校・自園の種別と勤務形態に合う候補を、まずは診断ツールで絞り込んでみましょう。
自校・自園に合う給与計算ソフトを30秒で診断
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教育機関向け給与計算ソフト比較表
教育機関に向く給与計算ソフト26製品を、料金・導入形態・規模に加えて、私学共済・俸給表・非常勤のコマ給の計算式・勤怠/シフト連携という教育固有の論点で比較します。各製品が標準機能で対応するか、計算式のカスタマイズで対応するか、個別の問い合わせが必要かは、資料請求時に自校の条件で確認することをおすすめします。
| サービス名 | 弥生給与 Next | マネーフォワード クラウド給与 | 給与奉行クラウド | freee人事労務 | SmartHR 給与計算 | HRMOS労務・給与 | One人事[給与] | バクラク給与 | Gozal(ゴウザル) | SuperStream-NX | PROSRV(プロサーブ) | SmileWorks | SMILE V 2nd Edition 人事給与 | COMPANY | POSITIVE | GrowOne 人事SX・給与SX | PCAクラウド給与 | CYBER XEED給与 | KING OF TIME 給与 | ジョブカン給与計算 | ジンジャー給与 | レコル(RecoRu) | 給料王 | かるがるできる給料 | フリーウェイ給与計算 | 給与計算くん |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 料金 | 初期0円/月1,700円〜(税抜・年契約時の月あたり) | 初期0円/月2,480円〜(税抜) | 初期0円〜7万円/月5,500円〜(規模別5プラン) | 初期なし/月2,000円〜(5名・ミニマム) | 初期無料/月額は要問い合わせ(従業員数で見積り) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(アカウント数で変動) | 要問い合わせ | 1人700円(年契約590円)/初期費用は要確認 | 要問い合わせ(オンプレは参考500万円〜) | 要問い合わせ | 初期30,000円/月10,000円〜(税別・標準プラン) | 要問い合わせ(クラウド版は30日無料体験) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ(対象者数で変動) | 月16,200円〜(クラウド標準版)/サブスク版3,900円〜(税抜) | 初期50万円〜/月2万円〜 | 初期0円/月300円/人(給与機能は追加料金なし) | 無料プラン0円(5名まで)/有料1名400円〜(税抜・最低2,000円) | 月300円〜(税別)/初期費用は要問い合わせ | 初期なし/勤怠1人110円+給与1人300円 | パッケージ版 初年度82,500円/クラウド版 月3,278円〜5,478円 | 買い切り5,500円(税込・現行版)/法改正対応は有償保守 | 5名まで無期限無料/有料プランあり | 要問い合わせ(二次情報で月1,420円/人〜) |
| 導入形態 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | 両方(オンプレ・クラウド) | クラウド型 | クラウド型 | 両方(オンプレ・クラウド) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 両方(クラウド・オンプレ) | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | クラウド型 | 両方(買い切り・クラウド) | インストール型 | クラウド型 | クラウド型 |
| 対象規模 | 中小規模 | 中小規模 | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 | 中小〜大企業 | 中小〜中堅 | 中堅〜大規模 | 中小規模 | 中小規模 | 中堅〜大企業 | 中小〜大企業 | 中小〜中堅 | 中堅(101〜1,000名) | 大企業(3,000名〜) | 大企業 | 中堅〜大規模 | 中小〜中堅 | 中堅〜大企業 | 中小〜中堅 | 小〜中規模 | 中小〜中堅 | 中小規模 | 小規模 | 小規模(〜20名) | ごく小規模〜 | 小〜中規模 |
| 教育機関での導入実績 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 学校法人帝京大学 | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 学校法人の実績多数(公式記載・具体名なし) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 大学・学校法人に多数(神戸大・明星学苑ほか) | 公式に記載なし | 公式に記載なし(給料表管理機能あり。文教向けは別製品) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |
| 私学共済対応 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | ○ 私立学校法人の導入実績あり(掛金計算対応は要確認) | 要確認 | 要確認 | 要確認 | ○ 私立学校法人の導入実績あり(掛金計算対応は要確認) | 要確認 | 要確認 | ○ 私立学校法人の導入実績あり(掛金計算対応は要確認) | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 |
| 俸給表対応 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | ○ 国公立大学法人の実績 | 要確認 | ●給料表管理機能(公式) | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 |
| コマ給・時給の計算式 | ●計算単価・カスタム計算式(上位プラン) | ●カスタム計算式 | ●計算式テーブル・条件式 | ●複数時給(曜日・時間帯別) | ●時給対応・計算式カスタマイズ | 要確認 | 要確認 | ●カスタム計算式 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | ●自在な計算式設定 | 要確認 | 要確認 | 要確認 | ●自由な計算式設定 | ●雇用区分別の計算式 | 要確認 | 要確認 | ●月給・日給・時給(基本機能) | ●月給・時給・日給 | △個社カスタマイズ相談可 |
| 勤怠・シフト連携 | ●弥生勤怠Next等と連携 | ●自社・他社勤怠とAPI連携 | ●奉行APIコネクトで連携 | ●労務一体(勤怠含む) | ●SmartHR勤怠と自動連携 | ●HRMOS勤怠と連携 | ●One人事[勤怠]と連携 | 要確認 | 要確認 | ●勤怠モジュールを統合 | △提携勤怠と連携 | ●勤怠管理を内包 | ●外部勤怠と連携 | ●COMPANY勤怠と自動連携 | ●就業管理と連携 | ●勤怠システムと連携 | △外部勤怠と連携(一部有償) | ●就業(勤怠)と同一DB | ●KING OF TIME勤怠と一体 | ●ジョブカン勤怠と連携(API連携は有料) | ●ジンジャー勤怠と連携 | ●勤怠起点で給与まで一体 | △自社勤怠と同期/外部はCSV | 要確認 | △姉妹製品の勤怠と連携 | ●自社勤怠機能を内包 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※ 料金・対応内容は2026年10月時点の各社公式情報等にもとづく編集部調べ。私学共済・俸給表・コマ給の計算式などの対応可否は、資料請求時に自校・自園の勤務条件でご確認ください。
教育機関向け給与計算ソフトおすすめ26選(タイプ別)
ここからは、比較表で取り上げた26製品を、規模と製品タイプで4つのグループに分けて個別に紹介します。製品は複数の学校種別で使えるため、学校種別ではなく「どんな規模・タイプの教育機関に向くか」でグループ分けし、各製品が私立・公立・保育・塾のどの現場に強いかは紹介文のなかで触れます。自校・自園の規模感に近いグループから読み進めてください。
中小規模の学校・園・塾向けクラウド給与(低コストで導入しやすい)
まずは、単独の学校・園・教室や中小規模の法人が、低コストで導入しやすいクラウド型の給与計算ソフトです。勤怠や会計との連携、Web明細、法改正への自動対応を備え、担当者が兼務でも運用しやすい製品がそろいます。
1. 弥生給与 Next(弥生株式会社)

弥生給与 Next は、会計ソフトで知られる弥生株式会社が2023年に提供を始めたクラウド型の給与計算サービスです。給与・賞与計算やWeb明細の配信、年末調整に加え、勤怠(弥生勤怠 Next)・労務(弥生労務 Next)をプランに応じて組み合わせて使えます。
料金は年契約時の月あたりでエントリープランの1,700円(税抜)から始められ、初期費用は0円です。公式サイトは「20名以上」「20名未満」で導線を分けており、職員20名前後までの学校・園・塾が主な対象になります。
弥生は公式に学校・教育関係の方へ向けた案内ページを設けています。非常勤講師の時給は、1時間あたりの単価を自動計算する「計算単価」の機能で設定して残業手当とあわせて計算できるため、コマ給・時給のパート職員を抱える小規模校・教室に向きます。
2. マネーフォワード クラウド給与(株式会社マネーフォワード)

東証プライム上場の株式会社マネーフォワードが展開する「マネーフォワード クラウド」シリーズの給与計算サービスです。会計・勤怠・人事管理など同シリーズとデータ連携し、勤怠から給与、会計までの転記作業を減らせる設計になっています。
料金はひとり法人プランが年払いで月2,480円、利用者3名までのスモールビジネスプランが月4,480円、4名以上のビジネスプランが月6,480円(いずれも税抜)。初期費用は0円で、ビジネスプラン相当の機能を1か月無料で試せます。
支給・控除項目のカスタム設定と独自計算式に対応し、KING OF TIME やジョブカンなど外部の勤怠管理システムともAPI・CSVで連携できます。既存の勤怠システムを変えずに給与計算だけを切り替えたい中小の園・塾に向く選択肢です。
3. 給与奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

「奉行シリーズ」で知られる株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)のクラウド型給与計算システムが、給与奉行クラウドです。給与・賞与計算から年末調整の計算、社会保険11種の電子申請までを扱えます。
従業員規模に応じた5段階のプランがあり、20名までの「iEシステム」は月5,500円・初期費用0円から利用できます(上位プランは50名まで・100名まで・300名まで・1,000名までと続きます)。賞与支払届・算定基礎届・月額変更届といった社会保険の届出を電子申請できる点が、職員数の多い学校法人の事務負担軽減につながります。
規模が増えても同じ製品で段階的にプランを上げられるため、職員20名ほどの単独校から50〜300名規模の中堅学校法人まで広くカバーします。
4. freee人事労務(フリー株式会社)

freee人事労務は、フリー株式会社が提供するクラウド労務管理システムで、勤怠・給与計算・年末調整・入退社手続き・マイナンバー管理を1つのIDで一元化します。給与明細の電子化もその一機能として利用できます。
料金はミニマムプランが月2,000円から(5名利用時)、スタンダードプランが月3,000円からで、初期費用はかかりません。従業員はスマホアプリやLINEから打刻・明細確認・各種申請まで行えます。
時給制に対応し、曜日・時間帯別に異なる複数の時給を設定したうえで、割増賃金(深夜22〜5時の25%など)を勤怠データから自動計算できます。授業時間帯によって単価が変わる非常勤講師のコマ給・時給を扱う塾・予備校に向きます。
5. SmartHR 給与計算(株式会社SmartHR)

SmartHR は株式会社SmartHRが提供する労務管理クラウドで、ここで取り上げる「給与計算」は2025年6月に加わったその一機能です(給与専用ソフトとして単体で販売されるものではありません)。労務・勤怠機能で集めた従業員データ・勤怠データを、転記なしで給与計算に引き継げます。
月給・日給・時給など複数の給与体系に対応し、自社ルールに合わせて計算式をカスタマイズできます。初期費用は無料ですが、給与計算は有料オプションのため、月額は従業員数に応じた見積もり制です。15日間の無料トライアル(クレジットカード登録不要)が用意されています。
月給の専任教職員と時給の非常勤を同じ基盤でまとめて計算できるため、雇用形態が入り混じる学校・園に向きます。
6. HRMOS(ハーモス)労務・給与(株式会社ビズリーチ)

HRMOS労務・給与は、株式会社ビズリーチが展開する人事プラットフォーム「HRMOS」シリーズの労務・給与サービスです。雇用契約のWeb締結や社会保険の電子申請(e-Gov連携)、給与・賞与計算までを同じ従業員データベースで扱えます。
雇用形態ごとに計算ロジックを設定でき、月額変更届・算定基礎届は社会保険の手続きとして自動作成されます。料金は利用計画に応じたプランの要問い合わせ制(Web明細・年末調整は追加費用なし)で、シリーズ累計の導入社数は12万社を超えます(集計時点は非公開)。
年末調整機能は移行期にあり、令和8年(2026年)分の税額計算・法定調書の作成機能は2026年10月以降に順次提供開始とされています。年末調整まで任せたい場合は提供状況を確認したうえで、中小〜中堅規模の学校・園での利用を検討するとよいでしょう。
7. One人事[給与](One人事株式会社)
![One人事[給与] の公式サイト](https://i0.wp.com/wpcatalog.cryptobk.jp/wp-content/uploads/2026/08/one-jinji-kyuyo-sitecapture.png?resize=1200%2C517&ssl=1)
One人事[給与]は、One人事株式会社の「One人事」シリーズのうち給与計算を担うモジュールです。公式のうたい文句は「勤怠と給与が一体で、API連携作業は不要。」で、勤怠・労務・給与を共通データベース(One DB)で連携します。
給与・賞与計算、所得税・保険料の自動計算、年末調整、定時決定・随時改定までをカバーします。料金はアカウント数に応じて変動する要問い合わせ制で、全機能を30日間無料で試せます。
公式の導入事例には学校法人帝京大学(5,000〜9,999名規模)が挙がっており、大規模な教育機関での利用実績が確認できます。勤怠と給与が一体で動くため、職員数が多く勤務形態も多様な学校・大学に向きます。
8. バクラク給与(株式会社LayerX)

バクラク給与は、株式会社LayerXが2026年3月に正式提供を始めたクラウド型の給与システムです。経費精算・請求書処理などの「バクラク」シリーズと連携し、給与計算とWeb給与明細の発行を一体で行えます。
カスタム計算式での給与計算に加え、昇給・異動などの変動情報を指定日に自動反映する予約登録や、住民税の徴収形態が変わったときのアラートで、計算ミスや反映漏れを未然に防ぎます。料金は要問い合わせです。
2026年に設計された新しいシステムのため、年度替わりで異動や手当変更が集中する中小の学校・園・塾の給与計算に組み込みやすい一本です。
9. Gozal(ゴウザル)(株式会社BEC)

Gozal(ゴウザル)は、株式会社BECが提供するクラウド労務管理サービスです。雇用・勤怠・給与計算・退職までの労務業務を1つのサービスで自動化し、給与明細のオンライン発行にも対応します。国内導入実績は2,000社以上とされています。
料金は1人あたり月700円(年間プランは1人あたり590円)です。あらかじめ自社の賃金規程に沿ったチェック内容を設定しておくと、月次の給与計算の誤りや懸念点をワンクリックで洗い出せる給与計算チェック機能を備えます。
賃金規程に沿った給与計算チェックが強みのため、私学共済の控除や非常勤のコマ給など独自の賃金規程を持つ学校・園で、計算結果の検証に役立ちます。
中堅〜大規模の学校法人・大学向け統合人事給与・ERP(私学共済・俸給表・多様な雇用形態に強い)
次に、複数校・系列園を束ねる学校法人や大学など、職員数が多く雇用形態も多様な大規模法人に向く統合人事給与システム・ERPです。人事・勤怠・会計と一体で運用でき、複雑な手当体系を扱える製品が中心です。
私学共済掛金や公立学校の俸給表への実対応を公式に明記する製品は限られ、多くは資料請求時に自校・自法人の制度での対応可否を確認する必要があります。教育機関での導入実績が公式に確認できる製品は、以下の紹介と比較表の「教育機関での導入実績」列で見分けられます。
10. SuperStream-NX(キヤノンITソリューションズ株式会社)

キヤノングループで30年以上提供されてきた国産の統合バックオフィス基盤が、SuperStream-NX(提供はキヤノンITソリューションズ株式会社)です。財務会計から人事・給与・勤怠までを一連のモジュールとして組み合わせ、会計データと共有マスタを一元管理する構成を取ります。
人事給与ソリューションは人事管理・給与管理・人事諸届/照会・勤怠管理で構成され、公式サイトでは多様な雇用形態・賃金体系に対応すると説明されています。導入は11,000社以上(公式表記、時点の明示なし)で、対象は中堅〜大企業・上場企業が中心。提供形態はオンプレミスとクラウド(SuperStream-NX Cloud)の両方から選べます。
料金は公開されておらず、販売パートナーまたはキヤノンITソリューションズへの見積もり依頼が前提です。教育機関での具体的な導入事例は公式には見当たりません。
11. PROSRV(プロサーブ)(三菱総研DCS株式会社)

PROSRV(プロサーブ)は、1970年の創業以来、給与計算サービスを主力事業として続けてきた三菱総研DCS株式会社のサービスです。クラウド型の人事給与システム「PROSRV on Cloud」と、年末調整や社会保険事務などを代行するアウトソーシングを組み合わせて提供します。
システムでは給与・賞与・年末調整・社会保険の計算に対応し、従業員はWebポータルから給与明細の閲覧や年末調整の申請ができます。導入は約2,000社、給与処理は月間55万人規模(いずれも公式サイト記載)。システムだけを使うか、人事給与の事務作業までまとめて委託するかを、予算や検討段階に応じて選べる点が特徴です。
大規模な学校法人で、給与計算から社会保険事務までの負担を抑えたい場合に候補になります。公式のBPO案内では、非常勤職員を含め多様な雇用形態をもつ学校法人の導入実績が多いと示されています。料金は要問い合わせで、私学共済掛金の計算に個別対応できるかは資料請求時に確かめるとよいでしょう。
12. SmileWorks(スマイルワークス)(株式会社スマイルワークス)

販売管理から会計・給与・勤怠までを1つにまとめた中小企業向けのクラウドERPが、株式会社スマイルワークスのSmileWorks(スマイルワークス)です。給与計算は「給与ワークス」というモジュールが担い、勤怠管理・給与計算・賞与計算・年末調整・賃金台帳・社会保険・マイナンバー管理に対応します。
必要な機能だけをモジュール単位で選べる「カフェテリア方式」が採られています。販売管理に特化した販売ERPプランは月額5,000円から、給与計算を含められる標準プランは初期30,000円・月額10,000円から(いずれも税別の基本料金)で、機能の追加に応じて金額は増減します。社会福祉法人や小〜中規模の法人のバックオフィスを一本化したい場合に向きます。
会計や勤怠とまとめて運用したい中小法人の候補になります。私学共済・俸給表といった教育固有の制度への対応は、公式サイトには明記されていません。
13. SMILE V 2nd Edition 人事給与(株式会社大塚商会)

統合型基幹業務システム「SMILE V 2nd Edition」の人事給与モジュールで、販売は株式会社大塚商会、開発は子会社の株式会社OSKが担います。給与・賞与計算、年末調整、社会保険・雇用保険・税の電子申請、マイナンバー管理、人事管理を一体で扱える国産ERPの給与機能です。
マイナポータルAPIによる社会保険・雇用保険・所得税・住民税の電子申請や、SMILE会計との仕訳連携に対応します。勤怠はSMILE V内蔵ではなく、勤革時(API連携)やUniversal勤次郎などの外部システムからデータを取り込む設計です。提供形態はオンプレミス版とクラウド版「SMILE V Air」があり、クラウド版は30日間の無料体験を用意しています。
公式サイトには社会福祉法人(従業員101〜1,000名規模)の導入事例が掲載されており、保育・介護を運営する法人や中堅規模の法人に向きます。料金は要問い合わせで、私学共済や俸給表への対応は公式に明記がありません。
14. COMPANY(株式会社Works Human Intelligence)

従業員3,000人以上の大手法人を主な対象に据えた統合人事システムが、株式会社Works Human IntelligenceのCOMPANYです。人事管理・勤怠管理・給与計算・タレントマネジメントを1つのシステムに統合し、給与計算モジュールは大手法人の複雑な給与・賞与計算を標準機能で自動化すると訴求しています。
公式サイトによると、大手約1,200法人グループが導入し、従業員3,000人以上の法人の3社に1社に選ばれているとされます。年間継続率は98%(2025年度、金額ベース)。COMPANY勤怠管理を併用すると勤怠情報が給与計算側へ自動で連携され、別途のデータ取り込みが不要になります。
複数の学部・附属校を抱える大学や大規模な学校法人など、職員数が多く給与体系が複雑な組織に向きます。公式の導入事例には国公立・私立を含む大学や学校法人(明星学苑など)が多数挙がっており、教育機関での実績は本記事で紹介する製品のなかでも豊富です。料金は要問い合わせで、私学共済掛金の計算への個別対応は資料請求時に確認してください。
15. POSITIVE(株式会社電通総研)

POSITIVEは、電通総研(株式会社電通総研)が「統合HCMソリューション」と位置づける大規模組織向けの人事システムです。人事・給与・就業管理・ワークフローといった基幹機能に、タレントマネジメントやデータ分析まで加えて1つのシステムで提供します。
給与計算では「4万名を10分以内」という処理性能を公式サイトで掲げ(測定条件は非公開)、10万人超の従業員規模にも対応できるとしています。導入実績は3,000社超。システムの提供だけでなく、コンサルティングから導入・運用保守・クラウド提供までを一体で担う体制も訴求しています。
大人数の給与を安定して処理したい大規模組織に向く選択肢です。公式サイトでは大企業向けの統合HCMと位置づけられ、教育機関の導入事例は公式には確認できませんでした。料金は要問い合わせで、私学共済や俸給表への対応可否は資料請求時に確認してください。
16. GrowOne 人事SX・給与SX(株式会社ニッセイコム)

人事情報を管理する「人事SX」と給与計算を担う「給与SX」を組み合わせて使う構成が、株式会社ニッセイコムのGrowOne 人事SX・給与SXです。異動・昇給・手当変更などの人事情報を、給与計算へそのまま反映できる設計になっています。
給与SXは給与・賞与計算に加え、項目・計算式を自在に設定でき、給料表管理・通勤費管理・労働保険・グロスアップ計算・退職金管理にも対応します。法人コード機能で複数法人を一元管理でき、グループ内の学校・施設をまとめて運用したい法人に向きます。提供形態はクラウド(月額のサブスクリプション)とオンプレミスの両方があります。
料金は管理対象者数に応じて変わる見積もり制で、公開されていません。給料表の管理機能はありますが、公立学校の俸給表や私学共済に固有の計算にそのまま対応できるかは、公式サイトには記載がありません。
17. PCAクラウド給与(旧PCA給与DX)(ピー・シー・エー株式会社)

会計ソフトで知られる東証プライム上場のピー・シー・エー株式会社が手がける給与計算ソフトです。買い切りパッケージ版の「PCA給与DX」は2024年3月末で新規販売を終え、現在はクラウド型の「PCAクラウド 給与」とサブスクリプション版「PCAサブスク 給与」が後継となっています。
勤怠20・支給50・控除30という項目数で多様な給与体系に対応し、社会保険のe-Gov直接連動による電子申請、算定基礎届・月額変更届の作成、年末調整、PCA会計シリーズとの連携を備えます。料金はクラウド標準版が月額16,200円(税抜)から、サブスク版が月額3,900円(税抜)から。2ヶ月の無料体験が用意されています。
導入実績は25,000法人超(公式表記、集計時点の明示なし)で、中小〜中堅規模が主な対象です。勤怠はジョブカン勤怠管理やKING OF TIMEなどの外部システムと連携する設計です。私学共済・俸給表への対応可否は、公式サイトには記載がありません。
勤怠・シフト一体型(シフト・コマ給の多い保育園・学習塾向け)
保育園や学習塾のように、シフト勤務やコマ給のパート・非常勤が多い職場では、勤怠管理と給与計算が一体になった製品が力を発揮します。出退勤データから実働時間・割増を自動集計し、給与計算まで引き継げるタイプをまとめました。
18. CYBER XEED給与(アマノビジネスソリューションズ株式会社)

アマノビジネスソリューションズが提供する勤怠・人事・給与クラウド「CYBER XEED」シリーズの給与計算製品です。給与計算・Web給与明細・年末調整といった給与に関わる一連の機能をクラウドで利用できます。
同シリーズの勤怠管理「CYBER XEED就業」や人事と同一のデータベース上で運用でき、就業をあわせて使うと勤務データが自動連携されるため、シフト勤務の実働集計から給与計算までを一元管理できます。法改正時のアップデートは無償で提供されます。
給与・勤怠データの入力やマスター保守を専任オペレーターが代行する給与アウトソーシングオプションも、フル・部分から選んで追加できます。料金は初期設定費用50万円〜・月次使用料2万円〜で、事務体制を外部に頼りたい園・学校にも向く構成です。
19. KING OF TIME 給与(株式会社ヒューマンテクノロジーズ)

株式会社ヒューマンテクノロジーズの勤怠管理システム「KING OF TIME」に、給与計算モジュールとして加わるサービスです。KING OF TIME上の勤怠・人事労務データが自動連携し、二重入力なしで給与計算まで引き継げます。
料金は初期費用0円、1人あたり月額300円の従量課金で、勤怠などKING OF TIMEシリーズの他機能を使っていれば給与機能は追加料金なしで利用できます(税込・税別の区分は公式に記載がありません)。30日間の無料体験も用意されています。
勤怠の締めが未処理の従業員はエラー表示となり、締め後の集計値をもとにワンクリックで給与を計算できます。シフト勤務の多い保育園・学習塾で勤怠と給与をまとめて運用したい場合の候補になり、年末調整も申告書のWeb収集から税額計算・給与支払報告書の出力まで対応します。
20. ジョブカン給与計算(株式会社DONUTS)

「ジョブカン」シリーズを展開する株式会社DONUTSのクラウド給与計算ソフトです。月例給与・賞与の自動計算、Web給与明細・源泉徴収票の配布、年末調整、社会保険・労働保険の書類作成までをカバーします。
ジョブカン勤怠管理から勤務データを自動で取得でき(取り込めるデータは50種類以上)、支給項目・控除項目に自由な計算式を設定できます。残業代や手当のルールを制限なく組めるため、シフト勤務やコマ給・時給で働く保育園・学習塾の職員の給与集計に向きます(勤怠とのAPI連携は有料プランが前提です)。
料金は、従業員5名以下なら無料プランを期限なく使い続けられ、有料プランは1ユーザー月額400円(税抜、最低利用料金2,000円)です。1ユーザーあたりの単価を抑えて、少人数の教室・園から導入できます。
21. ジンジャー給与(jinjer株式会社)

jinjer株式会社のクラウド型給与計算ソフトです。正社員・アルバイトなど雇用区分ごとに複数の計算式パターンを設定でき、企業独自の手当や計算方法にも対応します。
給与・賞与計算に加え、Web給与明細の配信、年末調整の自動計算、社会保険の月額変更・算定、給与改定時の遡及計算まで扱えます。勤怠管理の「ジンジャー勤怠」や「ジンジャー人事労務」と共通のデータベースで連携し、1つのIDでまとめて利用できます。
料金は月額300円〜(税別)で、初期費用や1名あたりの単価、最低利用料金は問い合わせで確認する方式です。1ヶ月の無料トライアルがあり、常勤・非常勤が混在する学校・園・塾で雇用形態ごとに計算を分けたい場合の候補になります。
22. レコル(RecoRu)(中央システム株式会社)

中央システム株式会社のクラウド勤怠管理システム「レコル」と、その給与計算オプション「レコル給与」を組み合わせて使うサービスです。打刻・勤務集計・休暇管理・36協定管理といった勤怠機能を土台に、給与計算まで拡張できます。
出退勤の打刻データをもとに実働時間や残業代・手当・社会保険料を計算し、Web給与明細・年末調整まで一体で処理できます。シフト勤務の勤怠を起点に給与・明細までつなげたい保育園・学習塾に向く構成です。
料金は、勤怠が1人あたり月110円(税込)、給与計算はオプションとして1人あたり月300円を追加する形で、初期費用はかかりません。全機能を30日間無料で試せ、期間経過後も自動では課金されません。
買い切り・小規模/無料向け(ごく小規模の教室・園)
最後に、職員数の少ないごく小規模の教室・園や、月額費用を抑えたい場合に向く、買い切り型や無料枠のある製品です。手元のPCで完結するインストール型や、低コストで始められるクラウド型を集めました。
23. 給料王(ソリマチ株式会社)

給料王は、会計ソフト「会計王」などを手がけるソリマチ株式会社の給与計算ソフトです。給与・賞与計算から年末調整、マイナンバー管理、社会保険・労働保険の書類作成までを一本で処理できます。
従来の買い切り型パッケージ版は初年度82,500円で、2年目以降は保守サービス「バリューサポート」(年額38,500円・税込)に加入して法改正に追従します。2026年4月からは月額3,278円〜5,478円のクラウド版も加わり、担当者が1名なら買い切り、複数担当者や会計事務所・社労士と連携するならクラウドという選び分けができます。
勤怠は自社のクラウド勤怠「安心データバンク de 勤怠」と同期でき、外部の勤怠システムとはCSVで連携します。職員数が少なく、顧問の会計事務所とデータを共有したい小規模の学校・園・教室に向く一本です。
24. かるがるできる給料(株式会社ビーエスエルシステム研究所)

かるがるできる給料は、BSLシステム研究所(株式会社ビーエスエルシステム研究所)が年1回更新する買い切り型のインストールソフトです。現行版「かるがるできる給料26」の本体価格は5,500円(税込)で、月額費用はかかりません。
月給・日給・時給の給与計算と明細発行、賃金台帳の作成に機能を絞っており、登録できる社員は30名まで(20名程度までが目安)です。年末調整額の自動計算には対応せず、源泉徴収票への金額の手入力と印刷のみとなるため、年末調整は別途計算する前提になります。
法改正への追従は、購入後1年の無償保守のあと、有償の年間保守サービスへの加入か翌年版への買い替えで続けます。職員が数名で、まずは費用を抑えて給与計算だけを自動化したいごく小規模の教室・園に合う選択肢です。
25. フリーウェイ給与計算(株式会社フリーウェイジャパン)

フリーウェイ給与計算は、従業員5人までを無期限・無料で使えるクラウド型の給与計算ソフトです。クレジットカードの登録なしで申込当日から利用でき、6人以上になった時点で月額1,980円(税抜・年間23,760円)の有料プランに切り替えます。
月給・時給・日給の給与・賞与計算、所得税や社会保険料の自動計算、年末調整、Web給与明細のメール配信、全銀データ出力に対応します。無料・有料で計算や帳票の機能は共通で、違いは従業員数・登録会社数と、電話・メール・リモートのサポートを使えるかどうかにあります。
一方で、社会保険関連の電子申請には製品として対応していません。職員が5人までのごく小規模な教室・個人塾であれば、費用をかけずに給与計算を始められます。
26. 給与計算くん(株式会社グッドウェーブ)

給与計算くんは、株式会社グッドウェーブが提供する給与計算システムです。打刻・有給申請・半休申請といった勤怠機能を自社で内包し、打刻データをもとに給与・賞与を自動計算します。シフト勤務や休日出勤など、勤務条件が一様でない職場を想定した作りです。
個社の給与計算ルールに合わせてワークフローや複数の計算方式を調整する「機能コンサルティング」を掲げ、カスタマイズなしであれば1週間以内に納品するとしています。サポートはチャットで、受付は平日10時〜19時です。
料金は公式サイトで公開されておらず、問い合わせで見積もりを取る方式です。勤怠から給与明細までを1つのサービスでまかないたい、シフト勤務の多い小規模の教室・園が、要件を伝えて相談する候補になります。
まとめ
教育機関の給与計算ソフト選びは、まず自校・自園の種別で必要な制度を押さえることから始まります。私立学校なら私学共済、公立学校なら俸給表と教職調整額、学習塾・保育園なら非常勤のコマ給・時給と割増、シフト制なら勤怠連携が、それぞれ重視すべき観点です。
そのうえで、単独の学校・園なら低コストのクラウド型や買い切り型、複数校・系列園を束ねる大規模法人なら統合人事給与システムやERP、というように規模で候補を絞り込むと選びやすくなります。気になる製品が見つかったら、自校の制度に実際に対応できるか、料金とあわせて資料で確認してください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 教育機関向け給与計算ソフトとは何ですか?
A. 教育機関向け給与計算ソフトとは、私立の私学共済掛金、公立の俸給表・教職調整額、非常勤講師のコマ給・時給といった教育ならではの給与計算に対応できる給与計算ソフトです。一般企業向けの汎用ソフトは健康保険・厚生年金を前提に作られているため、学校・保育園・学習塾などでは、これらの教育固有の制度や雇用形態を正しく扱えるかが選定の軸になります。
Q. 私学共済に対応した給与計算ソフトは?
A. 私立学校向けの給与計算ソフトは、私学共済(私立学校教職員共済制度)の掛金控除を計算できることが前提になります。私立学校の教職員は健康保険・厚生年金ではなく私学共済に加入し、掛金を教職員と学校法人が折半で負担します。
協会けんぽや組合健保とは控除の仕組みが異なるため、標準機能で対応するか、計算式のカスタマイズや個別対応が必要かは製品によって分かれます。資料請求や問い合わせの段階で、自校の私学共済掛金の計算に実際に対応できるかを確認してください。
Q. 公立学校の俸給表や教職調整額に対応した給与計算ソフトは?
A. 公立学校向けの給与計算ソフトは、各自治体の条例で定める俸給表(等級・号給)と、教職調整額の計算に対応できることが必要です。公立学校の教員は地方公務員にあたり、給与は条例の給料表に基づいて支給されます。また残業代にあたる時間外勤務手当の代わりに、給料月額に一定率を乗じた教職調整額が支給されます。
この率は2025年の給特法改正で本則10%に引き上げられ、経過措置により2026年は5%、以後毎年1%ずつ上がり2031年1月に10%となります(幼稚園の教育職員は経過措置の対象外で4%のままです)。段階的に変わる率に追従できるかもあわせて確認しておくと安心です。
Q. 私立と公立で給与計算ソフトの選び方は違いますか?
A. 私立と公立では、残業代と教職調整額の扱いが真逆になるため、確認すべき点が大きく異なります。公立学校の教員は給特法が適用され、時間外勤務手当(残業代)は支給されず、代わりに教職調整額が支給されます。
一方、私立学校の教職員や保育園・学習塾の職員は労働基準法が適用され、時間外労働には割増賃金(残業代)が発生し、教職調整額はありません。公立なら俸給表+教職調整額、私立なら私学共済+割増賃金という前提の違いを取り違えずに計算できるソフトを選ぶことが重要です。
Q. 非常勤講師のコマ給計算は給与計算ソフトで自動化できますか?
A. 非常勤講師のコマ給計算は、コマ単価や時給、担当科目・役職などの手当を計算式として柔軟に設定できる給与計算ソフトであれば自動化できます。
コマ給・時給には時間外や深夜(午後10時〜午前5時)の割増が重なるため、職員ごとに異なる単価・手当を登録して自動計算できるかがポイントです。支給項目の自由度が低いソフトでは手作業での補正が残り導入効果が薄れるため、独自の支給項目に対応できるかを確認してください。
Q. 保育園のシフト制パート職員の給与計算に対応できますか?
A. 保育園のシフト制パートの給与は、勤怠・シフト管理と連携し、変形労働時間制の集計に対応できる給与計算ソフトが向いています。
保育園は勤務時間が変動しやすく、1か月単位や1年単位の変形労働時間制を就業規則・労使協定で導入して対応することがあり、所定労働時間の変動と割増の両方を正しく集計する必要があります。出退勤データから実働時間・残業・深夜勤務を自動集計できる勤怠連携型を選ぶと、二重入力を避けられます。
Q. 学習塾のアルバイト講師(時給・コマ給)の給与計算はできますか?
A. 学習塾のアルバイト講師の給与も、時給・コマ給ベースの割増計算と多様な手当に対応できる給与計算ソフトであれば計算できます。学習塾の講師は労働基準法が適用され、時間外は2割5分以上、月60時間超の時間外は5割以上、深夜勤務は2割5分以上の割増賃金が必要です。授業のコマ数や実働時間に手当・割増が重なるため、勤怠データの取り込みと柔軟な計算式設定ができる製品が実務に向きます。
Q. 学校法人の複数校をまとめて給与計算できますか?
A. 複数校・系列園を束ねる学校法人は、人事・勤怠・会計と統合できる人事給与システムやERPタイプの給与計算ソフトが向いています。
職員数が多く雇用形態も多様な大規模法人では、私学共済・俸給表や複雑な手当体系に対応しつつ、校・園をまたいで一体で運用できる製品が適しています。単独の学校・園であれば低コストのクラウド型や買い切り型で足りることも多いため、現在の校数・職員数と将来の見通しをあわせて規模で絞り込むとよいでしょう。
Q. 教育機関にはクラウド型と買い切り(インストール)型のどちらがよいですか?
A. 教育機関向けの給与計算ソフトは、法改正への自動対応やWeb明細を重視するならクラウド型、月額費用を抑えたいならインストール(買い切り)型が向きます。クラウド型は初期費用を抑えやすく、社会保険料率や教職調整額の段階的な引き上げなどの改正に自動で追従しますが、利用料が継続して発生します。
インストール型は買い切りで月額費用がかからず手元のPCで完結する一方、法改正時のアップデートや端末管理を自分で行う必要があります。兼務の担当者が運用するなら自動更新のクラウド型、職員数の少ないごく小規模の教室・園なら買い切り型や無料枠が選びやすいです。
Q. 教育機関向け給与計算ソフトの料金はどのくらいですか?
A. 教育機関向け給与計算ソフトの料金は、導入形態・職員数・必要な機能によって幅があり、一律の相場では示しにくいのが実情です。一般にクラウド型は職員数に応じた月額・年額、インストール型は買い切りの製品代が中心となります。
私学共済・俸給表への対応や、統合人事給与・ERPまで含めるかによっても費用は変わるため、自校・自園の人数と必要な制度対応を伝えたうえで、各製品の資料請求や見積もりで確認することをおすすめします。
Q. すでに使っている勤怠・シフト管理システムと連携できますか?
A. 多くの給与計算ソフトは勤怠・シフト管理システムと連携でき、出退勤の打刻データから実働時間・残業・深夜勤務を自動集計して給与計算に引き継げます。ただし連携の可否や方法(API連携かCSV取り込みか)は製品ごとに異なります。保育園・学習塾のようにシフト勤務が中心の職場ほど連携の効果が大きいため、既存の勤怠システムとつながるかを事前に確認すると、二重入力を避けられます。
Q. 汎用の給与計算ソフトでも教育機関で使えますか?
A. 汎用の給与計算ソフトも教育機関で使えますが、私学共済や俸給表への対応は、標準機能か、計算式のカスタマイズや個別対応が必要かが製品によって分かれる点に注意が必要です。
多くの汎用ソフトは健康保険・厚生年金を前提に作られているため、私立の私学共済掛金や公立の俸給表・教職調整額をそのまま扱えないことがあります。非常勤のコマ給・時給や手当の計算式の自由度とあわせて、自校の制度に実際に対応できるかを資料や問い合わせで確かめてください。
Q. 給与計算ソフトで教育機関の給与明細をペーパーレス化できますか?
A. 多くの給与計算ソフトは、給与明細をWebやスマートフォンで配信でき、紙の印刷・封入・配布や郵送の手間を削減できます。常勤・非常勤を問わず在籍者が多い学校や、複数の園・教室を運営する法人ほど効果が大きく、退職者や非常勤講師への明細交付もオンラインで完結しやすくなります。
Q. 専門学校や各種学校でも給与計算ソフトは使えますか?
A. 専門学校・各種学校でも給与計算ソフトは使え、学校法人が運営する学校であれば私立学校として私学共済の対象になる点を踏まえて選ぶことが大切です。専門学校は常勤教員に加えて、実務家による非常勤講師が多く、コマ給・時給の計算や多様な手当が発生しやすい傾向があります。そのため、支給項目を柔軟に設定でき、勤怠データと連携できる製品が向きます。自校の運営形態と雇用構成に合うかを確認して選んでください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

















