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案件ごとの収支管理のやり方|売上・原価の集計から案件別収支表の作り方まで

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管理会計システム比較表(2026年版)

システム開発や制作、コンサルティングのように案件(プロジェクト)単位で仕事を請ける企業では、決算を締めれば会社全体の損益はわかります。それでも「どの案件で稼ぎ、どの案件で薄利だったのか」までは、売上と原価を案件ごとに積み上げてみないと見えてきません。

案件ごとの収支は、1件の案件にひもづく売上から、その案件にかかった人件費・外注費・経費などの原価を差し引いて求めます。言葉にすると単純ですが、工数をどう金額に直すか、全社の共通費をどう各案件に割り振るかといった点でつまずきがちです。

そこでまず、案件ごとの収支を作るための計算式と費目の分け方、1案件を1行で並べる収支表の形を具体的に示します。そのうえで、会社として収支管理を回す進め方、Excelで管理するときの限界、専用システムで仕組み化する選択肢までを順に見ていきます。

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案件ごとの収支の作り方|計算式・費目・1案件1行の収支表

収支管理とは、売上(収入)とそれに対応する原価・費用(支出)を把握し、どれだけ利益が残るかを管理することです。会社全体ではなく案件ごとに収支を見るのが「案件別収支管理」で、受注生産を行う企業で広く使われています。ここからは、案件ごとの収支をどう作るのかを、計算式・費目・収支表の順に具体的に見ていきます。

案件ごとに売上と原価を集計して損益を出すやり方は、思いつきの管理方法ではありません。会計の実務で「個別原価計算」と呼ばれ、受注生産に適用される計算形態として原価計算基準に定められています。

個別原価計算は、種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する。個別原価計算にあつては、特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計し、製品原価は、これを当該指図書に含まれる製品の生産完了時に算定する。

出典:原価計算基準(企業会計審議会、昭和37年11月8日)三一 個別原価計算|企業会計基準委員会

システム開発の1案件、制作の1プロジェクトを「1つの指図書(オーダー)」とみなせば、案件ごとに直接費と間接費を集計して案件利益を出すことは、この個別原価計算の考え方に沿った管理です。

案件利益の計算式

案件ごとの利益は、その案件の売上から、案件にかかった原価を差し引いて求めます。原価は性質ごとに費目に分けて積み上げるため、計算式は次のように書けます。

案件利益 = 売上 −(人件費 + 外注費 + 材料費・経費 + 間接費の配賦)

原価計算では、原価をまず材料費・労務費・経費という形態で分け、さらに特定の案件に直接ひもづけられる「直接費」と、直接ひもづけられず一定の基準で割り振る「間接費」とに大別します(原価計算基準 八・一〇)。人件費や外注費のように案件へ直課できるものは直接費、全社で共通してかかる費用は間接費として配賦する、という考え方が計算式の土台です。

案件利益を売上で割れば、その案件の利益率が出ます。利益額だけでなく利益率まで出しておくと、規模の違う案件どうしを同じ物差しで比べられます。

案件利益の計算式を示した図解。1案件の売上から、直接費(人件費・外注費・材料費や経費)と間接費の配賦を差し引いて案件利益を求め、売上で割ると利益率が出ることを表している。

各費目に何が入るか

計算式の各費目には、次のような費用が入ります。費目の切り方をそろえておくと、案件ごとの比較や、過去案件との見比べがしやすくなります。

人件費(直接労務費)は、その案件に携わった社員の作業時間を金額に換算したものです。計算方法は原価計算基準でも定められており、作業時間に時間あたりの単価(賃率)を掛けて求めます。

直接賃金等であつて、作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は、実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。

出典:原価計算基準(企業会計審議会、昭和37年11月8日)一二 労務費計算|企業会計基準委員会

「誰が・どの案件に・何時間使ったか」という工数を記録しておくことが、人件費を正しく案件に乗せる出発点になります。

時間単価(賃率)は、その社員にかかる費用を年間の総労働時間で割って求めるのが基本です。分子には給与のほか、賞与や社会保険料の会社負担分まで含めると実態に近づきます。どこまでを単価に含めるかは、社内で基準をそろえておきます。

たとえば年間人件費が600万円、年間の労働時間が1,800時間の社員なら、時間単価はおよそ3,300円です。この単価に案件ごとの作業時間を掛ければ、その案件の人件費が求められます。

外注費は、案件のために外部の協力会社へ発注した費用です。原価計算基準では外注加工費が直接経費に位置づけられており、案件に直接ひもづけて計上できます。材料費・経費には、案件専用に購入した物品や、交通費・システム利用料など案件に直接かかった費用が入ります。

間接費の配賦は、管理部門の人件費やオフィスの賃料のように、特定の案件に直接ひもづけられない全社共通の費用を、一定の基準で各案件に割り振ることです。配賦の基準には、案件ごとの作業時間の比率や売上の比率などが使われます。

たとえば全社の間接費が月100万円で、ある案件がその月の総作業時間の2割を占めるなら、作業時間を基準にした配賦額は100万円×20%で20万円です。どの基準で配るかは、費用の性質に合わせて決めます。

間接費まで乗せると案件の「本当の採算」に近づく一方、直接費だけで見ると現場で動かしやすい指標になります。まずは直接費で案件の粗利を押さえ、慣れてから間接費まで配賦する、と段階的に広げる方法もあります。

案件別収支表の管理項目(1案件1行で並べる)

費目が決まったら、1案件を1行にして横に費目を並べた「案件別収支表」を作ります。案件ごとの利益と利益率が一覧で並ぶため、どの案件が稼ぎ頭で、どの案件が薄利なのかが一目で見えるようになります。

基本の管理項目は、案件名/売上/人件費/外注費/材料費・経費/間接費/案件利益/利益率です。次は数値を入れた例です(金額は説明のための例示です)。

案件名売上人件費外注費材料費・経費間接費案件利益利益率
A社サイト制作3,000,0001,200,000600,000100,000300,000800,00026.7%
B社システム開発5,000,0002,800,0001,500,000150,000500,00050,0001.0%
C社コンサル支援2,000,000700,000050,000200,0001,050,00052.5%
案件別収支表の例(金額は説明のための例示)

この例では、売上が最も大きいB社案件が、外注費と人件費のかさみで利益はわずかしか残っていないことがわかります。売上の大きさと利益の大きさは必ずしも一致しないため、案件ごとに原価まで積み上げて初めて、採算の良し悪しが判断できます。

自社の案件を当てはめてみる

仕組みを理解したら、まずは直近で完了した案件を1〜2件選び、実際に当てはめて試算してみることをおすすめします。売上はすぐにわかるので、人件費(担当者の作業時間×時間単価)、外注費、経費を拾い、案件利益と利益率を出してみます。

このとき、工数の記録が残っていないと人件費が埋まらず、試算が止まりがちです。どの費目のデータが取れて、どこが抜けているのかを確かめること自体が、収支管理の仕組みづくりの第一歩になります。

案件別収支管理の進め方(計画→実績入力→予実差異→改善)

案件別収支は、一度作って終わりではなく、計画と実績を回し続けて初めて採算改善につながります。ここからは、会社として収支管理を運用するための進め方を、4つのステップで見ていきます。

案件別収支管理の進め方を4ステップで示した図解。計画(予算を立てる)、実績の入力(工数と経費を記録)、予実差異の確認(計画と実績のずれを把握)、原因分析・改善(次の案件に反映)を順に回して採算を改善する流れ。

1. 計画:見積と予算を立てる

受注前または着手時に、案件の売上見込みと、必要な工数・外注費・経費の予算を立てます。ここで立てた予算が、あとで実績と突き合わせるときの基準になります。見積の段階で想定利益率まで出しておくと、受注してよい案件かどうかの判断材料にもなります。

2. 実績の入力:工数と経費をタイムリーに記録する

案件の進行中は、担当者が「どの案件に何時間使ったか」という工数と、発生した外注費・経費を、案件にひもづけて記録します。入力が遅れると実績が古いまま残り、採算が見えなくなるため、誰がいつ入力するかを運用ルールとして決めておくことが重要です。日次または週次でこまめに入力する運用が、形骸化を防ぎます。

3. 予実差異を確認する

計画(予算)と実績を突き合わせ、どの費目がどれだけ計画からずれているかを確認します。工数が予定を超えている、外注費がふくらんでいるといったずれを、案件が完了する前に把握できれば、途中での軌道修正が可能になります。

4. 差異の原因を分析し、次に生かす

差異が出た案件について、なぜ予定からずれたのかを振り返ります。見積が甘かったのか、仕様変更が重なったのか、特定の工程に工数がかかりすぎたのか。原因を次の案件の見積や進め方に反映することで、同じ赤字を繰り返さない体制に近づきます。

ここで触れた「計画と実績を突き合わせて差異を見る」予実管理は、案件別収支を回すうえで肝になる工程です。差異分析の具体的な手順や、予実を一覧で管理するための表の作り方をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事で5つのステップに分けて解説しています。

案件別で収支を見ると何が変わるか

会社全体の損益だけを見ていると、黒字の裏に隠れた赤字案件に気づけません。案件ごとに収支を見ると、経営判断に使える情報が増えます。ここでは、案件別で収支を見る主なメリットを3つの観点から整理します。

赤字案件を早期に見つけられる

全社では黒字でも、個別に見れば赤字の案件が混ざっていることは珍しくありません。案件ごとに収支を追うと、採算の悪い案件を早い段階で特定でき、追加の工数投入を止める、条件を見直すといった対応が取れます。完了後に赤字だったと気づくのと、進行中に気づくのとでは、打てる手の幅が大きく変わります。

案件利益率の目安をどう読むか

「利益率が何%あれば健全か」を一律の数字で言い切るのは難しく、適正な水準は業態によって大きく異なります。自社の利益率が高いか低いかは、同じ業種の平均と比べるのが現実的な読み方です。中小企業庁の中小企業実態基本調査(令和7年確報)の売上高・売上総利益から算出すると、業種別の売上総利益率(粗利率)はおおむね次の水準です。

業種(中小企業)売上総利益率(粗利率)営業利益率
情報通信業(システム開発・IT)約45%約5.4%
学術研究・専門技術サービス業(コンサル・設計・広告など)約55〜60%約11〜14%
建設業約26%約5.2%
全産業(中小企業)計約26%約4.1%
中小企業実態基本調査(令和7年確報・令和6年度決算実績)の売上高・売上総利益・営業利益から算出した概算値

比べるときは、利益率の種類をそろえることに注意します。本記事の案件利益は間接費まで差し引いた後の利益なので、間接費を含まない売上総利益率(粗利率)とそのまま並べると自社が低く見えます。間接費まで引いた案件利益率は表の営業利益率(情報通信業で約5.4%など)と、間接費を引く前の案件粗利で見るなら粗利率と、同じ土俵どうしで比べます。

粗利率は業種で倍以上の開きがあります。自社の案件利益率を同業の平均と見比べ、平均より低い案件が多いようなら、原価の見直しや価格交渉、受注する案件の選別を検討する余地があると読めます。特定の数値を「この%を下回ると危険」という絶対的な基準として扱うのではなく、あくまで比較の物差しとして使うのが実態に合っています。

出典・参考資料(1件)

見積の精度が上がり、受注時点で利益を確保しやすい

案件ごとの実績を蓄積していくと、「この種類の案件は工数がこれくらいかかる」という社内の相場観が育ちます。次の見積にその実績を反映すれば、工数や外注費を過小に見積もって受注後に赤字になる、という失敗を減らせます。収支管理は過去を振り返るだけでなく、受注時点で利益を確保するための見積精度の向上にもつながります。

案件別収支がうまく回らない原因とExcelの限界

案件別収支管理は、多くの企業がまずExcelで始めます。少数の案件なら十分に機能しますが、案件数や関わる人数が増えるにつれ、次のような壁にぶつかりがちです。収支管理がうまく回らない企業には、共通した原因があります。

管理が属人化し、担当者以外が触れない

Excelで作り込んだ収支表は、関数やシート構成が複雑になるほど、作成した担当者しかメンテナンスできなくなります。その担当者が不在になると更新が止まり、異動や退職でファイルの作り方がわからなくなる、という事態も起こります。

二重入力と転記ミスが増える

工数は勤怠表、経費は別の申請書、請求は会計ソフトと、データが別々の場所に散らばっていると、収支表へ手作業で転記する必要が生じます。転記の過程で入力ミスや漏れが起こり、数字の信頼性が下がります。同じ数字を何度も入力する手間も、運用を重くします。

数字がリアルタイムに更新されない

手作業での集計は、月末にまとめて行われることが多く、案件の採算が見えるのは完了後、という状態になりがちです。これでは赤字に気づいたときには手遅れで、進行中の軌道修正に使えません。

工数と原価が結びつかない

案件別収支でつまずく最大の原因は、工数(作業時間)が人件費(原価)に結びつかないことです。工数を記録していても、それを時間単価で金額に換算して案件へ乗せる作業が手作業だと負担が大きく、結局人件費を抜きにした不正確な収支になりがちです。原価の大半を人件費が占める受注案件型ビジネスでは、ここが抜けると収支管理そのものが成り立ちません。

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案件別収支管理を仕組み化する選択肢(システム化)

ここまでで、自分の手で案件別収支を作る方法は押さえられます。そのうえでExcelでの管理に限界を感じたら、工数入力から原価計算までを一気通貫で扱える専用システムの導入が選択肢になります。ここからは、システム化の選択肢の型と選び方、代表的なサービスを見ていきます。

システム化の選択肢の型

案件別に売上と原価を積み上げられる製品は、成り立ちによっていくつかの型に分かれます。選ぶときの大まかな見取り図として、次の型を押さえておくと検討しやすくなります。

  • 収支管理特化型:案件ごとの予算・実績・原価の管理に機能を絞った製品。導入しやすく、プロジェクト型ビジネスの収支管理に最短で対応できます(例: プロカン、プロジェクト収支管理Rebo)。
  • 販売管理・ERP一体型:販売・購買・勤怠・経費・会計までを一つの基盤で扱う製品。収支管理に加え、基幹業務全体をまとめて効率化したい企業に向きます(例: Oracle NetSuite、SMILE V 2nd Edition Project Director、HUE Classic Project Management)。
  • 工数管理起点型:工数入力を軸に、作業時間から人件費・原価を積み上げる製品。原価の大半が人件費の業態と相性が良い型です(例: MA-EYES、Reforma PSA、マネーフォワード クラウド個別原価)。

自社に合うシステムの選び方

型の見取り図を踏まえたうえで、自社に合うかどうかは次の観点で確かめます。いずれも、案件別収支を正確に・手間なく回せるかどうかを左右するポイントです。

  • 対応できる費目:自社の原価の中心(人件費か、仕入・外注費か)を、その製品がどこまで案件原価として扱えるか。工数からの人件費算出や間接費の配賦に対応しているかを確認します。
  • 工数との連携:工数入力の機能を持つか、既存の勤怠・工数管理と連携できるか。工数が自動で人件費に反映される仕組みがあると、運用負担が大きく下がります。
  • 会計との連携:経費や仕訳のデータを会計システムと連携できるか。二重入力を避け、収支の数字を実際の会計データとそろえられます。
  • 料金と提供形態:月額のクラウド型か、買い切りのパッケージ型か。自社の規模や予算に合うか、スモールスタートできるかを見ます。

案件別の収支管理は、管理会計の一領域です。予実管理や原価管理、経営ダッシュボードなども含めて、管理会計システム全体として比較検討したい場合は、タイプ別の違いや目的・規模別の選び方を整理した以下の記事もあわせてご覧ください。

案件別収支を管理できる主なサービスの比較

案件・プロジェクト単位で売上と原価を積み上げて採算を管理できる主なサービスを、対応範囲や提供形態の観点で比較します。自社の原価の中心や規模に照らして見比べてみてください。

料金を公開している製品は一部で、多くは利用人数や機能に応じた個別見積です。正確な費用は各社の資料で確認する前提でご覧ください。

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サービス名Oracle NetSuiteプロカンMA-EYESReforma PSAHUE Classic Project ManagementSMILE V 2nd Edition Project Directorマネーフォワード クラウド個別原価プロジェクト収支管理Rebo
提供形態クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)
※SaaS+・一括も選択可
クラウド(SaaS)オンプレミス(パッケージ)
※クラウド運用代行も提供
公式に記載なしクラウド(SaaS)オンプレミス(パッケージ)
買い切り型(クライアントサーバ)
対象規模・主な業種中堅〜大企業
(海外展開・IPO準備など、業種問わず)
中小〜中堅
(IT・制作・建設など業種別)
中小〜大企業
(開発・SES・コンサル等)
小〜中規模(目安〜50名)
IT・広告・制作・コンサル等
中堅〜大企業
(SI・工事・コンサル・研究開発)
公式に記載なし
(IT・広告制作・その他サービス)
中堅〜上場企業・IPO準備
(IT・SaaS・クリエイティブ・コンサル)
中小〜上場企業
(広告・TV・映像・コンテンツ制作等)
工数から人件費を算出●プロジェクト管理(SuiteProjects)で対応●工数×労務単価で原価換算●基準単価×作業時間で労務費を算出●労務費配賦計算(工数登録が前提)●勤怠等を集約し人件費を算出(方式は非公開)●社員別単価×工数で労務費を自動更新●勘定科目ごとに従業員別単価で労務費を按分公式に記載なし
間接費の配賦●SuiteProjectsで直接費・間接費を案件に配賦●間接費を案件原価へ按分◎工数・人数・売上高・面積など柔軟に設定●共通費配賦計算(工数登録が前提)●月次決算で配賦処理(基準は非公開)公式に記載なし◎工数比率・人数比率などカスタム基準で多段階配賦公式に記載なし
会計システム連携会計機能を標準搭載
(ERPに一体)
●弥生・freee・勘定奉行・マネーフォワード●勘定奉行クラウドとAPI連携●勘定奉行・弥生・マネーフォワード等へ仕訳出力●原価算出から仕訳作成・会計連携●SMILE V 2nd Edition 会計と連携●クラウド会計Plusと共通マスタ連携●勘定奉行・大蔵大臣と連携(アドオン版)
初期費用要問い合わせ150,000円〜
(税込165,000円〜)
要問い合わせ0円要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
(買い切り型)
月額費用要問い合わせ
(年間ライセンス制)
30,000円〜
(税込33,000円〜、人数で変動)
要問い合わせ
(人数・機能で変動)
30,000円〜(税抜)
(ライセンス従量制)
要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
(人数・契約で変動)
月額課金なし
(買い切り+年間サポート)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

ここからは、比較表で取り上げた各サービスの特徴を個別に見ていきます。

1. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

Oracle NetSuiteのウェブサイト

Oracle NetSuiteは、財務会計・販売・購買・在庫管理からSFA・CRMまでを一つの基盤にまとめた統合型のクラウドERPです。世界200か国以上・44,000社以上の導入実績を持ち、多通貨・多言語に対応するため、海外拠点を含めて一つの基盤で業務を扱えます。

プロジェクト管理の機能で案件別の収益・コストの予算と実績を比較でき、直接費・間接費を案件へ配賦し、タイムシートで記録した作業時間を案件に割り当てられます。基幹業務全体を統合しながら案件採算も見たい中堅〜大企業や、内部統制を整えたいIPO準備企業に向く選択肢です。

2. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカンのウェブサイト

プロジェクト型ビジネス向けのクラウド型プロジェクト収支管理システムが、プロカンです。案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、経営分析・ダッシュボードで収支をリアルタイムに可視化することを主眼にしています。

IT・システム開発向けの「プロカンIT」、制作・広告向けの「プロカン制作」、建設・工事向けの「プロカン建設工事」と、業種別のラインナップをそろえている点が特徴です。中小〜中堅企業を主な対象としており、収支管理に機能を絞って導入したい企業に向きます。

3. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYESのウェブサイト

MA-EYESを提供するのは、東証グロース上場のビーブレイクシステムズです。システム開発・SES(システムエンジニアリングサービス)・受託開発・コンサルティングなどのプロジェクト型ビジネスに特化したクラウド型ERPで、日々の工数登録から人件費・外注費・経費を案件原価へ反映します。

人件費は、社員ごとに設定した基準単価に実際の作業時間を掛けて算出する仕組みで、部門別・案件別・顧客別など複数の切り口で損益を可視化できます。工事進行基準にも対応し、予算超過の要因が経費か外注費かを分析して、締め後の赤字を事前に察知する使い方も想定されています。

4. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSA(リフォルマ PSA)のウェブサイト

Reforma PSAは、東証プライム上場の株式会社オロが提供するクラウド型ERPです。IT・広告・制作・コンサルティングなど、案件単位で業務が進む業界向けに、販売管理・購買管理・勤怠工数管理・経費管理を一元化します。

工数の予定と実績を対比して労務費の上振れをタイムリーに把握でき、労務費配賦や共通費配賦により、仕掛中でも案件別の損益を確認できます。同社はより大規模向けのクラウドERP「ZAC」も提供しており、Reforma PSAはその機能を50名規模までの企業向けに絞ったパッケージという位置づけです。初期費用0円・月額3万円(税抜)からという料金も公開されています。

5. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

HUE Classic Project Managementのウェブサイト

ワークスアプリケーションズが手がけるプロジェクト収支管理システムが、HUE Classic Project Managementです。公式サイトでは「案件毎の採算を可視化し、原価計上まで統合する」製品と位置づけられています。

SI・工事・コンサルティング・研究開発など幅広いプロジェクト型の業態に対応し、請負・準委任・保守など複数の契約形態を扱えます。オンプレミス型のパッケージを基本とし、クラウド基盤上での運用を代行する「HUE Classic Cloud」も提供されています。導入事例は大手〜中堅の情報サービス業・製造業が中心で、中堅〜大企業向けの製品といえます。料金は公式サイトでは非公開で、問い合わせが必要です。

6. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK/販売元 株式会社大塚商会)

SMILE V 2nd Edition Project Directorのウェブサイト

SMILE V 2nd Edition Project Directorは、大塚商会の子会社である株式会社OSKが開発し、大塚商会が販売するサービス業向けのプロジェクト収支管理システムです。案件ごとに、見込みの発生から受注・発注・仕入・売上・請求・入金・支払までを一元管理します。

案件ポータル(コックピット画面)で進捗と収支を一画面で確認でき、収支管理帳票はプロジェクト別・部門別・サービスカテゴリー別など複数の切り口で出力できます。社員ごとに設定した単価と工数を掛け合わせて案件ごとの労務費を自動更新する仕組みを持ち、勤怠管理システムとの連携で工数データを原価に反映できます。

7. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド個別原価のウェブサイト

プロジェクト単位の工数・原価・間接費の配賦を一連で扱えるのが、マネーフォワード クラウド個別原価です。公式では「IPO準備・中堅〜上場企業向け」とされ、IT・SaaS・クリエイティブ・コンサルティングなど、プロジェクト単位で収益と原価を管理する事業を対象にしています。

工数入力と費用データの連携をもとに、労務費・外注費・経費からワンクリックで原価を算出します。間接費は、工数比率や従業員数比率などのカスタム基準で部門・プロジェクトへ多段階に配賦でき、原価推移表で直接費・間接費の内訳まで確認できます。マネーフォワード クラウド会計Plusと共通マスタで連携する点も特徴です。

8. プロジェクト収支管理Rebo(株式会社ディータイド)

プロジェクト収支管理Reboのウェブサイト

プロジェクト収支管理Reboは、株式会社ディータイドが提供する企画・制作業向けのプロジェクト収支管理パッケージです。案件ごとに売上と、仕入費用・外注費などの原価を紐づけ、受注金額に対する原価・利益額・利益率を「案件収支管理表」で把握できます。

売上予算・原価予算を月単位で登録して予実対比を行い、予算シミュレーションで早期に損益を試算する機能も備えます。提供形態はクラウドのSaaSではなくクライアントサーバ型のパッケージで、月額課金ではなく買い切り(本体価格+パッケージ価格の10%の年間サポート)である点が、他のクラウド製品と異なります。

ここでは案件別収支を管理できる代表的なサービスを取り上げましたが、より多くの製品を型・料金・会計連携の観点で広く見比べたい方もいるでしょう。案件別・プロジェクト別の原価の作り方とあわせて、プロジェクト収支管理システムを幅広く比較した以下の記事も参考になります。

まとめ

案件ごとの収支は、1件の案件の売上から、人件費・外注費・経費・間接費の配賦を差し引いて求めます。人件費は作業時間に時間単価を掛けて算出し、1案件を1行に並べた収支表にすれば、どの案件が稼ぎ頭でどの案件が薄利かが一目で見えるようになります。

計画と実績を回し続けることで、赤字案件の早期発見や見積精度の向上につながります。Excel管理が属人化や工数と原価の非連動で限界を迎えたら、工数入力から原価計算までを一気通貫で扱える専用システムへの切り替えが有効です。自社の原価の中心や規模に合う製品を、資料で見比べて検討してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 案件別収支管理とは何ですか?

A. 案件別収支管理とは、会社全体ではなく案件(プロジェクト)ごとに売上と原価を集計し、どれだけ利益が残るかを管理する手法です。会計実務では個別原価計算と呼ばれ、受注生産に適用される計算形態として原価計算基準に定められています。システム開発・制作・コンサルティングのように案件単位で仕事を請ける企業で広く使われ、全社決算だけでは見えない「どの案件で稼ぎ、どの案件が薄利だったのか」を明らかにできます。

Q. 案件ごとの収支はどうやって作りますか?

A. 案件ごとの収支は、その案件の売上から、人件費・外注費・材料費や経費・間接費の配賦を差し引いて案件利益を求めます。人件費は作業時間に時間単価を掛けて金額に換算し、1案件を1行にして費目を横に並べた「案件別収支表」にまとめると、案件ごとの利益と利益率が一覧で見えるようになります。まずは直近で完了した案件を1〜2件選び、実際に数字を当てはめて試算してみるのが、仕組みづくりの第一歩になります。

Q. 案件別収支管理で工数はどのように人件費へ反映しますか?

A. 案件別収支管理では、工数(作業時間)に時間あたりの単価(賃率)を掛けて金額に換算し、その案件の人件費として計上します。原価計算基準でも、作業時間を測定する労務費は実際の作業時間に賃率を乗じて計算すると定められています。そのため「誰が・どの案件に・何時間使ったか」を記録しておくことが、人件費を正しく案件へ乗せる出発点です。工数の記録が抜けると人件費が埋まらず、収支が不正確になります。

Q. 案件別収支管理で間接費はどう配賦すればよいですか?

A. 間接費は、管理部門の人件費やオフィス賃料のように特定の案件に直接ひもづけられない全社共通の費用を、作業時間の比率や売上の比率といった一定の基準で各案件へ割り振ります。間接費まで乗せるかどうかは管理の目的によりますが、乗せると案件の「本当の採算」に近づきます。ただし配賦の基準が曖昧なままだと案件間で不公平が生じるため、社内で基準をそろえて運用することが大切です。

Q. 案件別収支管理はExcelと専用システムのどちらで行うべきですか?

A. 案件数や関わる人数が少ないうちはExcelでも十分に管理できますが、規模が増えると属人化・二重入力・工数と原価の非連動といった壁にぶつかるため、専用システムへの切り替えが有効です。

とくに、工数を時間単価で人件費に換算する作業が手作業だと負担が大きく、人件費を抜いた不正確な収支になりがちです。原価の大半を人件費が占める受注案件型ビジネスでは、工数入力から原価計算までを一気通貫で扱えるシステムが運用を軽くします。

Q. 案件の利益率はどのくらいあれば健全といえますか?

A. 案件の利益率は、「何%あれば健全」と一律には言えず、適正な水準は業態によって大きく異なります。中小企業実態基本調査(令和7年確報)から算出すると、売上総利益率(粗利率)は情報通信業で約45%、コンサルなど専門技術サービス業で約55〜60%、建設業で約26%と倍以上の開きがあります。

特定の数値を絶対的な基準とするのではなく、自社の案件利益率を同じ業種の平均と見比べ、平均より低い案件が多ければ原価の見直しや価格交渉を検討する、という比較の物差しとして使うのが実態に合っています。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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