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個別原価計算システム比較|デモ・無料体験で選ぶ案件・工番別の原価管理

個別原価計算システム比較 デモ・無料体験で選ぶ案件・工番別の原価管理のサムネイル画像
管理会計システム比較表(2026年版)のプレビュー

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管理会計システム比較表(2026年版)

案件や工番ごとの利益は、月次が締まるまで見えないままになっていないでしょうか。個別受注の製造やプロジェクト型の事業では、同じ会社でも案件ごとに原価の積み上がり方が違い、Excelや会計ソフトだけでは材料費・労務費・外注費の配賦や仕掛の状況を案件単位で追いきれません。見積と実績がずれても、どこで差が出たのかを次の見積に活かせない、という悩みにつながります。

こうした課題に応えるのが、案件・受注・工番ごとに原価を集計する「個別原価計算」に対応した業務システムです。ただし製品ごとに対応する原価の単位や配賦の考え方は異なり、カタログの機能説明だけでは自社の運用に合うかを判断しづらいため、デモや無料体験で実際に手を動かして確かめたいという声が多く聞かれます。

本記事では、個別原価計算に対応した業務システム13製品を、対応する原価の単位・配賦や仕掛の扱い・デモや無料体験の有無・料金という観点で横断的に比較します。プロジェクト・案件型/製造業の個別受注型/会計システム一体型の3タイプ別に整理し、デモで何を確認すれば自社に合う製品を見極められるかまで解説します。経理・経営企画・情報システムの担当者が、資料請求やデモ申込の判断材料として活用できる内容です。

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本記事の対象範囲|案件・受注・工番別の個別原価計算に対応した業務システムに絞る

本記事が比較するのは、管理会計システム全般ではなく、案件・受注・工番・工事といった個別の単位で原価を集計する「個別原価計算」を中核に備えた業務システムです。全社や部門単位で予算と実績を管理する予実管理ツールや、工数の記録だけを担うツールは、案件ごとの原価が積み上がる過程までは追えないため、本記事の対象ではありません。

個別受注の製造業、IT・制作・建設などのプロジェクト型事業では、原価を案件単位で正確に把握できるかどうかが利益管理の精度を左右します。ここからは、まず個別原価計算の基本的な仕組みを押さえたうえで、業態別のタイプと選び方、13製品の比較、デモで確認すべき観点の順に解説します。

個別原価計算に絞らず、予算・実績の管理や経営分析まで含めて管理会計システム全般を目的・規模別に比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

個別原価計算とは|総合原価計算との違いと、案件・工番別に原価を持つ仕組み

ここでは、製品を比べる前の土台として、個別原価計算と総合原価計算の違いを押さえます。原価計算の方法は、1962年に企業会計審議会が公表した「原価計算基準」が、生産形態に応じて複数の類型に区分しています。

個別原価計算は、原価計算基準で「種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する」ものと位置づけられ、「特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計」すると定められています(基準三一)。受注した案件や工番ごとに製造指図書を立て、その単位で原価を積み上げる方法で、一品一様の個別受注生産やプロジェクト型の事業に向きます。

これに対し、総合原価計算(代表例は単純総合原価計算)は「同種製品を反復連続的に生産する生産形態に適用」し、一定期間の製造費用を集計して「製品単位に均分して単位原価を計算」します(基準二一)。

個別原価計算では、特定の案件に直接ひもづく直接費(直接材料費・直接労務費・直接経費)はその指図書にそのまま賦課(直課)し、複数の案件にまたがる間接費は一定の基準で各指図書に割り当てます(配賦。基準八・三二・三三)。この「直課」と「配賦」をどこまで自動化できるかが、システム選びの要点になります。

個別原価計算の仕組みを示した図解。特定の案件に直接ひもづく直接費(直接材料費・直接労務費・直接経費)はその案件へ直課し、複数の案件にまたがる間接費は工数比などの基準で各案件に配賦する。受注・工番ごとの製造指図書に集計して、案件別の原価・損益を把握する流れを表している。

個別原価計算対応システムのタイプと業態別の選び方

ここからは、個別原価計算に対応したシステムを業態・用途の観点で3つのタイプに分け、自社がどのタイプに当てはまるかを判断できるように整理します。扱う案件の単位や、既存の会計システムとの関係によって、適した製品の方向性が変わります。建設・工事業の工事別原価は「プロジェクト・案件型」に含めて扱います(このあとの選定診断では「工事別(建設・工事業)」として選べます)。

個別原価計算対応システムの3タイプを比較した図解。プロジェクト・案件型はIT・制作・受託・建設工事など案件単位で、工数を労務費に換算して案件へ直課し共通費を配賦する。製造業の個別受注型は一品一様・少量多品種の製造向けで工番・製番単位に材料費・外注費・労務費・製造経費を集計し現場はQR・タブレットで工数入力する。会計システム一体型は会計ソフト・基幹ERPの延長で原価報告書・配賦・仕訳計上まで一体で行い経理の二重入力を抑える。

プロジェクト・案件型(IT・制作・受託など案件単位で原価を集計したい)

IT・ソフトウェア開発、広告・制作、コンサルティング、建設工事など、受注した案件(プロジェクト)単位で損益を管理したい事業に向くタイプです。販売・購買・工数を案件にひもづけ、人が動いた工数から労務費を計算して案件へ直課し、共通費や間接部門のコストを配賦基準で割り当てて、案件別の原価と利益を把握します。

自社で案件ごとに人件費の比重が大きい場合は、工数入力から労務費への換算と配賦のしやすさが判断の分かれ目になります。見積段階の予定原価と実績を突き合わせ、仕掛中の案件でも損益の着地を予測できるかどうかも確認したい点です。

案件単位で損益を管理するこのタイプは、案件別の収支・原価の作り方に焦点を当てた製品がほかにも多くあります。より多くの収支管理システムを横断して比べたい場合は、以下の記事もご覧ください。

製造業の個別受注型(工番・製番単位で製造原価を集計したい)

金属加工や機械・装置の製造など、受注ごとに仕様が変わる一品一様・少量多品種の製造業に向くタイプです。工番や製番の単位で、材料費・外注費・労務費・製造経費を集計し、仕掛中の原価を把握しながら、見積原価と実績原価の差異を確認します。作業日報やタブレット・QRコードでの現場の工数入力を、そのまま案件別の労務費に反映できる製品が中心です。

自社の製造が、材料の消費や外注加工をどの単位で把握しているかによって、相性が変わります。現場が入力を続けられる画面か、製造経費を何を基準に配賦するかを、デモで自社の製品に当てはめて確かめると判断しやすくなります。

会計システム一体型(会計処理と一緒に個別原価管理まで行いたい)

会計ソフトや基幹ERPの上で、案件別の原価報告書の作成・配賦・原価の仕訳計上までを一体で完結したいタイプです。原価計算のために別のシステムを立てず、会計処理の延長で個別原価管理まで行えるため、経理の二重入力を抑えられます。既に特定の会計製品を使っている場合は、その延長で導入できるかが選定の軸になります。

既存の会計・販売システムと別の製品を組み合わせる場合は、どのデータをどの単位で連携できるかが実務の負担を左右します。自社が会計の一体性を優先するのか、現場の原価把握の細かさを優先するのかで、このタイプと他タイプのどちらを選ぶかが分かれます。

自社に合うタイプと製品を手早く絞り込みたい場合は、次の診断ツールもご利用ください。

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【比較表】個別原価計算対応システムを対応範囲・デモ/無料体験の有無・料金で比較

ここでは、個別原価計算に対応した13製品を、対応する原価の単位・原価の持ち方(直課と配賦)・仕掛と見積実績の把握・現場の工数入力・デモや無料体験の有無・料金・提供形態で横断的に比較します。各製品の詳細は、このあとのサービス個別紹介で解説します。

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サービス名クラウドERP ZACマネーフォワード クラウド個別原価プロカンReforma PSAMA-EYESHUE Classic Project ManagementSMILE V 2nd Edition Project Directorプロジェクト収支管理Reboレッツ原価管理Go2クラウドCosmilFactory AdvanceOracle NetSuite勘定奉行iクラウド[個別原価管理編]
対応する原価の単位案件・プロジェクト案件・プロジェクト案件・プロジェクト案件・プロジェクト案件・プロジェクト
(製品・ジョブ単位も可)
案件・プロジェクト案件・プロジェクト案件・プロジェクト工事
(個別受注型製造業・企画制作などの案件別原価も対象)
案件(ロット)工番案件・プロジェクト案件・プロジェクト
(サブプロジェクトで工程単位も)
原価の持ち方工数を案件へ直課+間接作業・共通費を配賦労務費を按分+間接費を部門・プロジェクトへ多段階配賦(配賦基準を選択・カスタム可)工数×労務単価で原価換算+外注費・間接費を按分(配賦基準の詳細は公式記載なし)労務費配賦+共通費配賦(いずれも工数登録が前提)工数×基準時間単価で労務費+配賦基準を自由設定(面積・机数など非システム情報も可)工程・配属人員の積み上げで予定原価+人件費算出・配賦(配賦基準は公式未明示)社員別単価×工数で労務費を自動更新(配賦は公式記載なし)案件の売上に仕入・外注費などを紐づけ(配賦・工数の人件費化は公式記載なし)工事別に3階層の工種で実行予算を管理(費目別集計は公式記載なし)材料・労務・外注・経費の4費目を案件別に集計+製造経費を工数比で配賦工番別に材料費・外注費・労務費・機械費を自動集計(労務費=作業時間×アワーレート)会計基盤と一体。購買発注を案件に紐づけ、直接費・間接費を案件予算に配賦会計と一体。プロジェクト別の労務費計上+基準に基づく自動配賦+進捗度原価振替(計算方法は公式未記載)
仕掛・見積実績の把握●仕掛中の予定・実績労務費を把握、予実対比に対応△原価を月別に可視化(予算対実績の予実管理は公式機能ページに記載なし)●収支をリアルタイム可視化、予算実績対比表に対応●仕掛中でも案件別損益を把握、工数の予実対比に対応●原価の予算・実績をグラフ比較、着地予測に対応●予実を月次・勘定科目別に把握、赤字見込み案件を自動抽出△受注残含む収支見通し、予定と工数実績の差異を把握●確定前の見込み原価も紐づけ、予算実績対比に対応△工事別に予算と実績をグラフで対比●見積原価と実績原価の差異を確認(仕掛品評価にも言及)●完成前でも投入原価を確認、見積と実績を費目別に比較●仕掛・完了率・実績コストを監視、見積を実取引と突合●発生額・入金・粗利・予算を同一画面で確認
現場の工数入力●工数入力、打刻システムとAPI/CSV連携●日次・月次入力、外部インポート、勤怠連携4種●Googleカレンダー連携で工数入力●工数・日報登録●打刻連動・工数のみ・一括取込の3経路△月次決算時に勤怠・経費・売上を集約(工数入力の仕様は公式未明示)●Web画面で工数入力、勤怠連携×工数・人件費の原価計上は公式記載なし△労務費は別売「レッツ現場日報forWeb」と連動●共用タブレットの2タップ打刻を労務費に反映●作業指示書のQRコードをスマホで読み取り記録●タイムシートで工数を記録(モバイル対応)△給与データ等から労務費を計上(現場の工数入力は公式記載なし)
デモ・無料体験製品デモ・無料相談
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資料DL・問い合わせ
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無料デモ
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無料デモ・商談
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45日間無料お試し+Zoomオンラインデモオンラインデモ
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デモの依頼
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製品デモ・資料ダウンロード30日間無料体験+オンラインデモ
料金初期費用10万円
月額は要問い合わせ(モジュール課金+保守6万円〜/月)
初期・月額とも要問い合わせ(公式非公開)初期15万円〜(税込16.5万円〜)
月額3万円〜(税込3.3万円〜、人数で変動)
初期費用0円
月額3万円(税抜)〜(ライセンス従量制)
初期・月額とも要問い合わせ(公式非公開)初期・月額とも要問い合わせ(公式非公開)初期・月額とも要問い合わせ(公式非公開)要問い合わせ(買い切り型、年間サポートはパッケージ価格の10%)初期費用1.1万円〜(税込)
年額26.4万円〜(1ユーザー・税込、契約は1年単位)
初期費用198万円
月額5万円(税抜、1拠点・人数無制限)
初期50万円〜
月額3万〜8万円(税抜、3プラン)
年間ライセンス+初期費用
(金額は個別見積もり)
初期費用は別途(非公開)
月額27,500円〜(年額33万円〜、1ユーザー)
提供形態クラウドクラウドクラウドクラウドクラウド(SaaS)
※一括導入型も選択可
オンプレミス
(クラウド運用代行も選択可)
公式に記載なし(要確認)オンプレミス(クライアントサーバ型)
※クラウド環境での利用も可
クラウド専用環境で提供(クラウド/オンプレの別は公式記載なし)クラウド
(プレミアムはオンプレミス可)
クラウドクラウド
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原価の持ち方で選ぶ|直課と配賦・仕掛把握・見積実績突合・現場工数入力の定着

比較表で全体像をつかんだら、次は「どう原価が積み上がるか」を自社の運用に照らして選びます。個別原価計算対応システムは、直課と配賦・仕掛の把握・見積と実績の突合・現場の工数入力という実務の論点で差が出ます。ここでは、それぞれの観点で何を見ればよいかを整理します。

直課と配賦をどこまで自動化できるか

個別原価計算では、案件に直接ひもづく直接費はその案件へ賦課し、複数案件にまたがる間接費は配賦基準で割り当てます(原価計算基準 八・三二・三三)。直接費の直課は多くの製品で対応しますが、差が出るのは間接費の配賦です。工数比・人数比・売上比など、自社が使いたい配賦基準を設定でき、製造経費や共通費を案件へ自動で割り当てられるかを確認するとよいでしょう。

配賦基準を自由に設定できる製品もあれば、工数比など特定の方式が中心の製品もあります。自社が現在どんな基準で間接費を各案件に割り振っているかを整理したうえで、その考え方をシステム上で再現できるかを見ると、導入後のギャップを防げます。

仕掛中の原価を把握できるか

案件や工番が完了する前の段階で、どこまで原価が積み上がっているかを見られるかどうかは、長期の案件を抱える事業ほど重要です。仕掛中の原価がリアルタイムに見えれば、赤字になりそうな案件を早期に察知し、追加の手配や価格交渉に動けます。月締めを待たないと原価が見えない運用から脱したい場合は、仕掛原価の可視化を優先的に確認するとよいでしょう。

見積原価と実績原価を突き合わせられるか

見積のときに想定した原価と、実際にかかった原価を案件単位で突き合わせられると、差異がどこで生まれたかを次の見積に反映できます。見積と実績の差異分析まで備える製品なら、原価管理が「結果の記録」で終わらず、受注価格の精度を高める運用につながります。過去の案件データを次の見積の根拠にしたい場合は、この突合機能の有無を確認するとよいでしょう。

現場の工数入力が続く仕組みか

案件別の労務費は、現場が入力した工数から計算されるため、入力が続かなければ原価の精度は上がりません。作業日報・タイムシート・タブレット打刻・QRコードなど、自社の現場が無理なく続けられる入力方法があるかを確かめるとよいでしょう。入力の手間が大きい仕組みは定着せず、結局Excelに戻ってしまうため、現場の使い勝手は原価管理の成否を分ける観点です。

ここで挙げた直課と配賦・差異分析といった観点は、個別原価計算に限らず原価管理システム全般に共通する選定軸です。原価計算の方式や差異分析・配賦のしかたを軸に、個別原価計算以外の方式も含めて幅広く製品を比べたい場合は、以下の記事が参考になります。

デモ・無料体験で確認すべきポイント

個別原価計算のシステムは、自社の案件の採り方や配賦の考え方に合うかどうかが、カタログの機能一覧だけでは判断しにくい領域です。多くの製品がオンラインデモや無料体験を用意しているので、前の章で挙げた選定軸を、デモで実際に手を動かして確かめるのが近道です。

この章では観点の説明は繰り返さず、デモの場で具体的に何を操作して確かめるかに絞ります。デモや無料体験の前にざっと押さえておきたい4つの確認ポイントを示します。

個別原価計算システムのデモ・無料体験で確認したい4つのポイントを示した図解。1つ目は原価の集計単位で、自社の案件・工番・工事の単位を再現し受注から損益まで通して試す。2つ目は配賦と仕掛で、自社の配賦基準を設定し仕掛中の原価がどの画面で見えるかを確かめる。3つ目は現場の工数入力で、担当者目線でパソコン・タブレット・スマホで毎日続けられる画面かを確かめる。4つ目は会計・既存システム連携で、連携方式(API・CSV)と連携できるデータの単位を確認する。

自社の案件・工番の採り方で原価を集計できるか

最初に確認したいのは、自社が普段使っている案件・工番・工事の単位を、そのままシステム上で再現できるかです。デモでは、実際の案件を1件想定し、受注から原価の入力、案件別の損益が出るところまでを通して試すと、自社の運用に乗るかが見えます。案件コードの桁数や枝番の持ち方が自社のルールに合うかも、この段階で確認できます。

配賦と仕掛の扱いが自社の運用に乗るか

自社が使っている配賦基準をデモ環境で設定し、間接費が意図どおり各案件に割り当てられるかを試すとよいでしょう。あわせて、仕掛中の案件の原価がどの画面で、どのタイミングで見えるかも確認しておきたいところです。配賦の設定が柔軟な製品ほど自由度は高い一方で、設定の手間もかかるため、自社の運用に対して過不足のないバランスかを、実際の画面で見極めると判断しやすくなります。

現場担当の目線でデモを操作してみる

原価の精度を支えるのは現場の入力なので、実際に入力する担当者の目線でデモを見ることが大切です。日報やタイムシートの入力画面が、現場のパソコンやタブレット、スマートフォンで無理なく操作できるかを確かめるとよいでしょう。入力項目が多すぎないか、よく使う案件を呼び出しやすいかなど、毎日続けられる設計かどうかが定着の分かれ目です。

会計・既存システムとの連携を確かめる

原価計算の結果を会計の仕訳につなげたり、既存の販売・生産管理システムとデータを受け渡したりする場面では、連携の方式が実務の負担を左右します。デモや無料体験の際に、自社が使っている会計ソフトや基幹システムとの連携方法(API・CSVなど)と、連携できるデータの単位を確認するとよいでしょう。

無料体験が用意されている製品では、サンプルデータだけでなく自社の案件に近いデータで試せると、連携のイメージがつかみやすくなります。

個別原価計算対応システムのサービス個別紹介

ここからは、比較表で取り上げた13製品を、3つのタイプ別に個別に紹介します。各製品が対応する原価の単位・配賦や仕掛の扱い・デモや無料体験の導線・料金を、公式情報にもとづいて整理しています。

プロジェクト・案件型の個別原価計算システム

案件(プロジェクト)単位で販売・購買・工数を集計し、労務費の直課と間接費の配賦で案件別の損益を把握するタイプの製品です。

1. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

クラウドERP ZACの公式サイト

クラウドERP ZACは、東証プライム上場の株式会社オロが提供する、案件・プロジェクト単位で業務が進む業種向けの統合型ERPです。工数管理で入力した作業時間は案件別の労務費として自動集計され、直接作業は指定案件へ直課、間接作業は部門配下の案件へ再配賦されます。

共通費や販管費の配賦にも対応し、仕掛中の案件でも予定と実績の労務費を同一画面で把握できます。料金はモジュール×ライセンス数の課金に初期設定費用10万円と保守費(データセンター利用料6万円〜/月)が加わる形で、各モジュールの単価は製品資料での開示となります。

無料トライアルは公開されていませんが、無料相談と製品デモが用意されています。IT・広告・コンサル・士業などプロジェクト型の業種で、電子承認ワークフローや操作ログによる内部統制・決算早期化まで含めて検討する企業に向いた製品です。

2. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド個別原価の公式サイト

マネーフォワード クラウド個別原価は、株式会社マネーフォワードがIPO準備・中堅〜上場企業向けに提供するプロジェクト型の原価管理システムです。プロジェクトを原価の基本単位とし、労務費・外注費・経費のデータからワンクリックで原価を算出します。

間接費は会計システムの仕訳帳を取り込んで部門・勘定科目ごとに集計し、部門・プロジェクトへ多段階で配賦します。配賦基準はプロジェクト工数比率や部門の従業員数比率に加え、売上予算比率・面積比率・任意のカスタム基準を費用の性質に応じて設定できます。

料金は利用人数や契約内容により変わる個別見積もりで、公式サイトでは金額を公開していません(無料トライアルの記載もありません)。日次・月次の工数入力や勤怠システム連携に対応し、月次決算で個別原価計算を求められるIPO準備企業などが主な対象です。

3. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカンの公式サイト

プロカンは、株式会社PROCANが提供するプロジェクト型ビジネス向けのクラウド収支管理システムです。IT・システム開発向けの「プロカンIT」、制作・広告向けの「プロカン制作」、建設・工事向けの「プロカン建設工事」の3ラインナップを展開し、案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約して収支をリアルタイムに可視化します。

Googleカレンダーと連携した工数入力を支援し、社内人員の工数を工数×労務単価で原価に換算して、外注費などの社外コストと合わせ案件ごとの粗利を把握できます。見積・請求・経費精算・稟議承認までを一つの入力データから処理でき、予算実績対比表で予実の差異も確認できます。

料金は初期費用150,000円〜(税込165,000円〜)、月額30,000円〜(税込33,000円〜)で、利用人数(ID数)に応じて変動します。IT導入補助金の対象で、無料トライアルの記載はありませんが無料デモンストレーションの申込導線が用意されています。中小〜中堅規模の受託型ビジネスが主な対象です。

4. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAの公式サイト

Reforma PSAは、クラウドERP「ZAC」と同じ株式会社オロが提供する案件管理システムで、ZACの機能のうち案件・プロジェクト型ビジネス向けの標準機能に絞ってパッケージ化した製品です。初期費用0円・月額30,000円(税抜)から、導入期間1〜2か月程度で、公式比較では従業員50名以下を目安としています。

案件ごとに外注費と労務費を管理し、工数登録を前提とした労務費配賦・共通費配賦に対応します。実行予算(利益計画)の入力と原価の自動計算により、仕掛中でも案件別の損益をタイムリーに把握でき、プロジェクト別に予定工数と実績工数を対比して労務費の上振れを確認できます。

月額料金は販売管理6,000円・購買管理2,000円・勤怠管理300円・経費管理300円などの機能別ライセンスを人数分積み上げる方式です。合計が月額30,000円(税抜)を下回る場合は、最低利用料金が適用されます(最低契約期間6ヶ月)。無料トライアルの記載はなく、無料のデモ・商談が用意されています。

5. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYESの公式サイト

MA-EYESは、株式会社ビーブレイクシステムズが提供するプロジェクト型ビジネス向けのクラウドERPです。システム開発・SES・コンサルティング向けの「V ver.」と広告業向けの「A ver.」があり、SaaS・SaaS+・一括の3つの導入形態から選べます。本記事では案件収支管理が中心のV ver.を取り上げます。

作業実績は、打刻から算出した総作業時間を案件へ割り当てる方法・工数のみの入力・ファイル一括取込の3経路に対応し、マスタの基準時間単価(個人別・ジョブグレード別)と作業時間を掛けて労務費を算出します。配賦基準は工数・人数・売上高・人件費比率に加え、面積や机の数などの非システム情報も設定できます。

標準のプロジェクト単位に加え、製品・ジョブなど別単位での原価管理や工事進行基準にも対応し、月別に原価の予算と実績をグラフで比較できます。料金は提供形態・利用人数・機能により変わる個別見積もりで公式には非公開ですが、30日間の無料トライアルが用意されています。製品やジョブといった細かい単位まで原価を把握したい企業に向いています。

6. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

HUE Classic Project Managementの公式サイト

HUE Classic Project Managementは、株式会社ワークスアプリケーションズが提供するプロジェクト収支管理システムです。SI・工事・コンサルティング・研究開発などプロジェクト型の業種を対象とし、オンプレミス型のパッケージに加え、AWSやOCI上で運用を代行する「HUE Classic Cloud」も選べます。導入事例はTDKや株式会社NSDなど中堅〜大企業が中心です。

案件別の原価策定では、必要な工程と配属人員を積み上げて予定原価を作成します。月次決算時には勤怠・経費・売上といった情報を集約して人件費算出や配賦処理を行い、予算と実績を月次・勘定科目別に比較して、事前に設定した基準値で赤字見込みの案件を自動で抽出します。原価の算出から仕訳作成、会計システムへの連携までを一連で処理できます。

料金は公式サイトで公開されておらず、要問い合わせです(無料トライアルの記載もなく、デモのリクエスト導線が用意されています)。見積・受注から発注・仕入・支払まで案件に関わる取引を一括管理したい、中堅〜大企業のプロジェクト型事業に向いた製品です。

7. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK)

SMILE V 2nd Edition Project Directorの公式サイト

SMILE V 2nd Edition Project Directorは、大塚商会の完全子会社である株式会社OSKが開発し、大塚商会が販売するサービス業向けのプロジェクト収支管理システムです。案件単位で見込み発生から受注・発注・仕入・売上・請求入金・支払までを一元管理し、案件ポータル(コックピット画面)で進捗と収支を一画面で確認できます。

案件ごとの原価を捉えて収支を管理し、Web画面で入力した工数は案件別に自動集計されます。社員別に設定した単価と工数を掛け合わせてJOBごとの労務費が自動更新され、受注時のアサイン予定と工数実績の差異も把握できます。勤怠管理「Universal 勤次郎」や会計「SMILE V 2nd Edition 会計」と連携して原価・仕訳に反映できます。

料金は公式に料金表がなく、大塚商会のコンタクトセンターへの問い合わせとなります。実機でのデモンストレーションに対応し、OSKの製品ページには無料体験版の申込リンクがあります。ソフトウェア・IT、広告・コンテンツ制作、その他サービス業で案件収支を管理したい企業が対象です。

8. プロジェクト収支管理Rebo(株式会社ディータイド)

プロジェクト収支管理Reboの公式サイト

プロジェクト収支管理Reboは、株式会社ディータイドが提供する企画・制作業向けの収支管理パッケージソフトウェアです。広告制作・TV番組制作・ソフトウェア開発などを対象とし、提供形態はクライアントサーバ型のパッケージで、クラウドSaaSではありません(クラウド環境での利用も案内されています)。

案件ごとに、売上に対して仕入・外注費・社内発注分・仮払・未払などの原価を紐づけ、受注金額に対する原価・利益額・利益率を「案件収支管理表」で確認できます。売上予算・原価予算を月単位で登録して予実を対比でき、予算シミュレーションで早期に損益を試算できます。ただし、工数実績から人件費を原価化する機能や配賦については公式サイトに記載がありません。

料金は買い切り型で製品価格は非公開、別途パッケージ価格の10%の年間サポート(加入必須)とSQL Serverが必要です。無料トライアルの記載はなく、無料のデモ対応があります。一部上場企業から中小企業まで、案件単位で売上と原価を管理したい企画・制作業が対象です。

9. レッツ原価管理Go2クラウド(株式会社レッツ)

レッツ原価管理Go2クラウドの公式サイト

レッツ原価管理Go2クラウドは、株式会社レッツが提供する、見積から実行予算・発注・原価管理・支払管理・回収管理まで建設業の業務をトータルサポートする「Go2」のクラウド版です。工事コード10桁+枝番2桁で工事を登録し、3階層までの工種で実行予算を管理します。

工事ごとの請求・入金や、予算と実績の対比をグラフで表示でき、労務費は別売の「レッツ現場日報forWeb」と連動して管理します。対象は総合・設備・職別などの建設業全般に加え、個別受注型製造業・企画制作業・ソフトウエア業など、公式が「個別原価管理が必要な業種」として挙げる業態も含みます。

料金は税込の年額で、1ユーザー264,000円・5ユーザー660,000円・10ユーザー924,000円・20ユーザー1,452,000円、初期費用は1ユーザー11,000円からで、契約は1年単位です(公式表の月額は参考値)。全機能を45日間無料で試せるほか、Zoomによるオンラインデモにも対応しています。

製造業の個別受注型の個別原価計算システム

工番・製番の単位で材料費・外注費・労務費・製造経費を集計し、仕掛把握や見積実績の突合、現場の工数入力に対応する、個別受注の製造業向けの製品です。

10. Cosmil(株式会社Whitebell)

Cosmil(コスミル)の公式サイト

株式会社Whitebellが提供するCosmilは、中小製造業向けの原価管理システムです。受注した案件(ロット)単位で採算を把握する設計で、顧客ごとに専用のデータベースと専用URLを用意します。

案件ごとに受注金額・材料費・工数を入力すると、材料費・労務費・外注費・経費の4費目を集計し、原価・利益・利益率を自動で計算します。建屋・設備や水道光熱などの月次の製造経費は、工数比で各案件へ自動配賦します。

共用タブレットの2タップ打刻は、承認後に案件別の労務費へ反映されます。見積原価と実績原価の差異は原価分析ページで確認でき、オンラインでのデモ依頼や製品資料のダウンロードにも対応します。料金は税抜で、初期費用198万円・月額5万円、1拠点あたりの料金で利用人数は無制限です。

11. Factory Advance(株式会社イーポート)

Factory Advance(ファクトリーアドバンス)の公式サイト

一品一様・少量多品種の工場を主な対象とする、個別受注生産型の製造業向け生産管理・収益管理クラウドです。提供元は株式会社イーポートで、受発注・在庫・工程管理・原価管理・集計分析を一つの環境で扱えます。

工番単位で材料費・外注費・労務費・機械費を自動集計し、労務費は作業時間×アワーレート、機械費は稼働時間×チャージレートで算出します。完成前の工番でも投入済みの原価を確認でき、見積も同じ4費目で積み上げて差異を項目別に比較できます。

現場の工数は、作業指示書のQRコードをスマホで読み取り、開始・停止ボタンで記録します。案件別・製品別の粗利率の自動算出や予実レポートにも対応し、デモの依頼や資料請求の導線が用意されています。

料金は税抜で、スモールが初期50万円〜・月額3万円、スタンダードが初期50万円〜・月額5万円、プレミアムが初期200万円〜・月額8万円の3プラン構成で、全プランに20アカウントが標準付属します。プレミアムは買切り版でオンプレミスにも対応します。

会計システム一体型の個別原価計算システム

会計ソフトや基幹ERPの上で、案件別の原価報告書・配賦・原価の仕訳計上まで一体で行える製品です。会計処理の延長で個別原価管理まで完結したい事業に向きます。

12. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

Oracle NetSuite の公式サイト

Oracle NetSuite は、会計・財務管理を中核に、受発注・在庫・CRMを単一のクラウド基盤へ統合したERPです。原価計算のために別のシステムを立てず、会計処理の延長で案件別の原価管理まで一体で扱えます。

個別原価は、プロジェクト管理・プロジェクト会計の機能で扱います。購買発注を特定の案件に紐づけて集計し、直接費・間接費を案件予算に対して配賦します。タイムシートで記録した工数は総勘定元帳に転記されて自動で会計処理され、プロジェクト360ダッシュボードで仕掛・完了率・実績コストを監視できます。

収益・コスト予算を作成してマージンを予測し、見積を実際の取引と突き合わせられます。料金は年間ライセンス料(コア・プラットフォーム+オプション・モジュール+ユーザー数)に初期費用を加えた構成で、金額は個別見積もりです。資料ダウンロードと製品デモに対応し、中堅〜大企業や海外拠点を含むグループ経営、IPO準備・M&A後の統合を進める企業に向きます。

13. 勘定奉行iクラウド[個別原価管理編](株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行iクラウド[個別原価管理編]の公式サイト

株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供する勘定奉行iクラウドに、個別原価管理を組み込んだ編です。会計システム上で原価計算から仕訳、会計までを一体で完結できる点が特徴です。公式は奉行シリーズのクラウド会計[個別原価管理]サービスとして、累計導入数86万(2026年8月末時点のユーザー登録数で、奉行シリーズ全体の数値)を超えると案内しています。

プロジェクトごとに請負金額・進捗・予定期間を一元管理し、サブプロジェクトで工程単位の原価も追えます。プロジェクト別原価報告書では、発生額に加えて入金・粗利・予算を同一画面で確認できます。製品サイトでは、プロジェクトごとの労務費計上・基準に基づく自動配賦・進捗度を基準にした原価振替を自動化すると説明されています。

料金はAシステム・1ユーザー・1年の場合で月額27,500円(年額330,000円)から、初期費用は別途(金額は非公開)です。OBCは直接販売を行わず、取り扱いパートナー経由での提供となります。30日間の無料体験とオンラインデモが用意され、すでに奉行シリーズを利用している企業や、会計と一体で個別原価管理を完結したい企業に向きます。

個別原価計算システムの料金・費用相場

ここでは、稟議や予算取りの参考になるよう、個別原価計算システムの費用相場を整理します。料金は提供形態や対象企業の規模によって幅が大きく、公式に金額を公開する製品と、個別見積もりを基本とする製品に分かれます。各製品の具体的な料金は、前掲の比較表で確認してください。

クラウド型(SaaS)は、ユーザー数や機能に応じた月額・年額が中心です。2026年10月時点では、プロジェクト型のクラウド製品で月額3万円前後から、公式に料金を明示する製品では年額26万円程度からといった水準が見られます。会計一体型のクラウド製品でも、1ユーザー・1年あたり月額2万円台からの料金を公開する製品があります。

一方、現場の製造原価まで扱う製造業向けの製品や、自社専用の環境を構築する製品では、初期費用が数十万円から数百万円規模となるケースもあります。オンプレミス型のパッケージや、企業ごとに要件が変わる製品では、料金を公開せず個別見積もりとするベンダーが多いため、デモや資料請求の段階で自社の規模に合わせた見積もりを取るのが確実です。

導入費用の負担を抑えたい場合は、補助金の活用も選択肢になります。中小企業を対象とするデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象として案内する製品もあるため、デモや商談の際に補助金の利用可否を確認しておくとよいでしょう。

個別原価計算システム導入の流れ

ここからは、デモや資料請求のあと、実際に稼働するまでの一般的な流れを示します。製品や企業規模によって期間は変わりますが、おおまかな段階を把握しておくと、社内の検討を進めやすくなります。

  1. 要件の整理:自社がどの単位(案件・工番・工事)で原価を把握したいか、どんな配賦基準を使っているか、どの会計・基幹システムと連携したいかを整理します。
  2. デモ・無料体験:候補製品のデモや無料体験で、自社の案件を想定して原価の入力から損益の確認までを試し、運用に乗るかを検証します。
  3. 契約・初期設定:案件コードの体系・配賦基準・ユーザー権限などを設定し、自社の原価計算のルールをシステム上に反映します。
  4. データ移行・連携設定:既存のExcelや会計・販売システムから、マスタや進行中の案件データを移行し、連携を設定します。
  5. 工数入力の定着支援・稼働:現場での工数入力の運用を定着させ、試験運用を経て本稼働に移ります。

導入期間は、会計一体型の製品で準備からおよそ2か月程度を目安とする例があり、要件の複雑さやデータ移行の量によって前後します。現場の工数入力の定着には、稼働後も一定の期間がかかるため、導入支援のメニューがある製品かどうかも確認しておくと安心です。

個別原価計算システムに関するよくある質問

Q. 個別原価計算とは何ですか?

A. 個別原価計算とは、案件・受注・工番・工事といった個別の単位ごとに、材料費・労務費・外注費などの原価を集計する原価計算の方法です。原価計算基準では「特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計」する方法と定められ、受注ごとに中身が変わる個別受注生産やプロジェクト型の事業に向きます。同じ製品を大量に作り続ける事業で使う総合原価計算と対になる考え方です。

Q. 個別原価計算と総合原価計算は何が違いますか?

A. 個別原価計算と総合原価計算の違いは、原価を「案件・指図書ごと」に集計するか、「一定期間で集計して製品単位に均分」するかにあります。個別原価計算は一品一様の個別受注生産やプロジェクト型事業に、総合原価計算は同種製品を反復連続生産する事業に適します(原価計算基準 二〇・二一・三一)。自社が受注ごとに仕様が変わる事業なら個別原価計算が、同じ製品を作り続ける事業なら総合原価計算が合います。

Q. 原価管理システムと原価計算システムは何が違いますか?

A. 一般に、原価計算が「いくらかかったかを正しく算出する」会計寄りの機能、原価管理は算出した原価の差異を分解し、次の見積や工程改善まで活かす範囲まで含むとされます。製品によって呼び方や対応範囲は異なるため、デモや資料で、見積原価と実績原価の差異分析まで対応するかを確認するとよいでしょう。

Q. 個別原価計算システムは会計ソフトや工数管理ツールと何が違いますか?

A. 個別原価計算システムは、会計ソフトや工数管理ツールだけでは追いきれない「案件・工番ごとに原価が積み上がる過程」を集計できる点が異なります。会計ソフトは全社や部門単位の損益把握が中心で、工数の記録だけを担うツールは工数から案件別の労務費・原価までは結びつけません。案件単位で直接費の直課と間接費の配賦、仕掛の把握まで行いたい場合に、個別原価計算に対応したシステムが選択肢になります。

Q. 個別原価計算のデモ・無料体験では何を確認すればよいですか?

A. 個別原価計算のデモ・無料体験では、自社の案件・工番の単位で原価を集計できるか、配賦と仕掛の扱いが自社の運用に乗るか、現場が工数を入力し続けられるか、会計・既存システムと連携できるかの4点を確認するのがおすすめです。実際の案件を1件想定し、受注から原価入力、案件別の損益が出るところまでを通して試すと、カタログだけでは見えない相性が判断できます。

Q. 個別原価計算システムのデモを試すのに登録やインストールは必要ですか?

A. 個別原価計算システムのデモは、製品によって、登録やインストールなしでブラウザから触れる体験デモと、申し込みのうえ担当者の説明を受けるオンラインデモに分かれます。どちらの形式か、どこまでの機能を試せるかは製品ごとに異なるため、資料請求やデモ申込の際に確認するとよいでしょう。

Q. 個別原価計算システムに無料体験や無料トライアルはありますか?

A. 個別原価計算システムには、一定期間の無料体験や無料トライアルを用意する製品と、オンラインデモでの説明を基本とする製品があります。無料体験が使える製品では、サンプルデータだけでなく自社の案件に近いデータで試せると、配賦や連携のイメージがつかみやすくなります。各製品の有無は本記事の比較表で確認してください。

Q. 個別原価計算システムは個別受注・多品種少量生産の製造業でも使えますか?

A. 個別原価計算システムには、工番・製番の単位で材料費・外注費・労務費・製造経費を集計し、個別受注・多品種少量生産の製造業に対応した製品があります。仕掛中の原価把握や見積原価と実績原価の突合、作業日報やQRコードでの現場の工数入力に対応する製品が中心です。本記事では「製造業の個別受注型」として整理しています。

Q. 建設業の工事別原価にも個別原価計算システムは対応できますか?

A. 個別原価計算の考え方は工事番号(工番)単位で原価を集計する建設業の工事別原価にも当てはまり、工事進行基準や工事別の原価管理に対応した製品があります。建設・工事業に特化した製品もあるため、自社の工事の採り方や原価の単位に合うかを、デモや資料で確認するとよいでしょう。

Q. 個別原価計算システムは既存の会計・販売システムと連携できますか?

A. 多くの個別原価計算システムは、APIやCSVを通じて、既存の会計ソフトや販売・生産管理システムとデータを連携できます。ただし連携できるデータの単位や方式は製品ごとに異なるため、自社が使っているシステムと、どのデータをどの単位で受け渡せるかをデモや商談で確認すると、導入後の二重入力を防げます。

Q. 個別原価計算システムの料金相場はどのくらいですか?

A. 個別原価計算システムの料金は提供形態や企業規模で幅が大きく、クラウド型は月額数万円程度から、製造原価まで扱う製品や自社専用の環境を構築する製品では初期費用が数十万円から数百万円規模になる場合もあります。オンプレミス型や要件が企業ごとに変わる製品は個別見積もりが多いため、デモや資料請求の段階で自社規模に合わせた見積もりを取るのが確実です。具体的な料金は本記事の比較表で確認してください。

Q. 個別原価計算システムはクラウドとオンプレミスのどちらを選ぶべきですか?

A. 一般には導入のしやすさや運用負担の軽さからクラウド型が有力な選択肢ですが、社外に出せないデータや既存設備との連携要件がある場合はオンプレミス型も検討します。自社のセキュリティ方針や既存システムの構成、初期費用と月額費用のバランスを踏まえて選ぶとよいでしょう。

Q. 個別原価計算システムの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. 個別原価計算システムの導入期間は対象業務の範囲やデータ移行の量によって変わり、会計一体型の製品では準備から稼働まで2か月程度を目安とする例があります。現場の工数入力の定着には稼働後も一定の期間がかかるため、導入支援や定着支援のメニューがある製品かもあわせて確認しておくと安心です。

Q. 個別原価計算システムの工数入力は現場に定着しますか?

A. 個別原価計算システムには、入力項目を絞ったり、作業日報・タイムシート・タブレット打刻・QRコードなど現場が無理なく続けられる入力方法を用意したりして、工数入力の定着を支える製品があります。案件別の労務費は現場の工数入力から計算されるため、実際に入力する担当者の目線で、毎日続けられる画面かどうかをデモで確かめることが定着の分かれ目になります。

Q. 個別原価計算システムの導入に補助金は使えますか?

A. 個別原価計算システムの導入では、中小企業を対象とするデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の対象として案内する製品があります。対象となるかは製品や年度の公募要件によって変わるため、デモや商談の際に補助金の利用可否を確認しておくとよいでしょう。

まとめ|デモで自社の原価の持ち方に合う製品を見極める

個別原価計算に対応した業務システムは、案件単位のプロジェクト・案件型、工番単位の製造業の個別受注型、会計処理と一体の会計システム一体型の3タイプに整理できます。自社がどの単位で原価を把握したいか、既存の会計システムとどうつなぎたいかを起点に、候補のタイプを絞るのが第一歩です。

そのうえで、直課と配賦・仕掛の把握・見積実績の突合・現場の工数入力という観点を、デモや無料体験で自社の案件に当てはめて確かめると、カタログだけでは見えなかった相性が判断できます。気になる製品の資料をまとめて取り寄せ、デモで手を動かして比べることが、自社に合う一台を見極める近道です。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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