Excelや個別のシステムで原価を集計していて、材料費・外注費・労務費・経費が案件ごとにいくらかかったのか、見積と実績がどれだけずれたのかを月内に把握しきれず、負担を感じていないでしょうか。製造・建設・受託開発など原価が収益を左右する事業では、販売管理や生産管理、会計といった既存の基幹システム・業務システムと原価管理がつながらず、転記や二重入力が発生しがちです。
原価管理は専用の原価管理システムだけでなく、生産管理システムやERP、販売管理システムといった基幹・業務システムの機能としても担えます。自社の業種・原価計算の方式・すでに使っているシステムに合わせて、どの製品を選べばよいのでしょうか。
本記事では、原価管理に対応した製品を、業界特化型(製造業向け・建設業向け)・プロジェクト管理型(案件別)・汎用型の4タイプに分けて比較・解説します。各製品が対応する原価計算の方式(実際・標準・個別・総合)、間接費の配賦、既存の基幹・業務システムとの連携を横断でそろえ、経理・経営企画・情報システムの担当者が自社に合う製品を判断するための材料として整理しました。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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基幹システム・業務システムで原価管理を行うとは
ここでは、原価管理を担うシステムにどのような形があり、原価管理システムで何ができるのかを整理します。原価管理という言葉の意味は、企業会計審議会が定めた原価計算基準(昭和37年11月8日)でも、次のように定義されています。
ここに原価管理とは、原価の標準を設定してこれを指示し、原価の実際の発生額を計算記録し、これを標準と比較して、その差異の原因を分析し、これに関する資料を経営管理者に報告し、原価能率を増進する措置を講ずることをいう。
(企業会計審議会「原価計算基準」第一章 一 原価計算の目的(三))
つまり原価管理とは、あらかじめ目標となる原価(標準)を定め、実際にかかった原価を記録して標準と比べ、差が出た原因を分析して改善につなげる一連の活動です。この「標準と実際を比べて差異を把握する」という流れを、手作業のExcelではなくシステムで回せるようにするのが、原価管理に対応した製品の役割になります。
原価管理を担うのは「専用システム」「生産管理・ERP統合型」「販売管理連携型」
原価管理の機能は、大きく3つの形で提供されています。1つ目は、原価の集計・配賦・原価計算を中心機能として設計された専用の原価管理システムです。2つ目は、生産管理システムやERP(基幹業務システム)の一部として原価管理モジュールを備えるもので、受発注・在庫・会計と同じ基盤の上で原価を扱えます。3つ目は、販売管理システムに案件ごとの原価を集計する機能を足した販売管理連携型です。
どの形でも「原価を集計し、配賦し、標準や予算と実績を比べる」という原価管理の本質は変わりません。違いは、原価管理だけを担うのか、生産・販売・会計まで含めて1つの基盤で担うのか、という守備範囲にあります。自社が原価管理のどこまでをシステム化したいかが、この3つの選び分けの出発点になります。
原価管理システムでできること
原価管理に対応した製品は、製品や案件ごとに材料費・外注費・労務費・経費を集計します。労務費は作業時間(工数)に単価を掛けて換算し、特定の製品・案件に直接ひもづかない間接費は一定の基準で割り振ります。この割り振りが配賦です。原価計算基準は配賦の基準を、直接作業時間・機械運転時間・生産数量など間接費の発生と関連のある物量基準で表示するとしています(原価計算基準 三三)。
集計した実際の原価は、あらかじめ設定した標準原価や予算と比較され、その差額(原価差異)が算定・分析されます。原価計算基準は原価差異を、標準原価や予定価格と実際発生額との間に生じる差額と定めています(原価計算基準 四四)。差異の原因を分析し、採算の改善につなげるところまでを含めて原価管理です。製品によっては、受注前にコストを試算する原価シミュレーションや、会計システムへの仕訳連携までを備えます。
基幹・業務システムで原価管理を行うメリット
Excelや個別のシステムで原価を管理すると、案件数や品目が増えるほど集計と転記に時間がかかり、入力ミスや更新漏れが起きやすくなります。基幹・業務システムで原価管理を行う最大のメリットは、受発注・工数・会計といった原価のもとになるデータを同じ基盤で扱い、実際原価の集計を自動化できる点にあります。
原価計算基準は、標準原価を設定する最も重要な目的を「原価管理を効率的にするため」と位置づけています(原価計算基準 四〇)。見積(標準)と実績(実際)の差を案件の途中や月内に把握できれば、赤字になりそうな案件に早く手を打てます。手作業では月次決算を待っていた差異の把握を、日々の入力の延長で行えるようにするのが、システム化の価値です。
原価管理に対応した製品のタイプ(業種・用途別)
原価管理に対応した製品は、想定する業種や用途によって原価の捉え方が異なります。自社が「製造業か・建設業か・案件単位で採算を見る事業か・業種を問わず幅広く使いたいか」のどれに近いかで、まず大きく当たりを付けられます。以下に、業種・用途別の4タイプと、それぞれに向く企業・原価管理の特徴を整理します。
| タイプ | 業界特化型(製造業向け) | 業界特化型(建設業向け) | プロジェクト管理型(案件別) | 汎用型(業種問わず) |
|---|---|---|---|---|
| 向く企業 | 部品・製品を製造するメーカー、加工・組立を行う工場 | 建設・設備工事・工事業 | IT・開発・広告・コンサルなど案件単位で採算を見る事業 | 業種を問わず、既存の販売・会計に原価管理を足したい企業 |
| 原価管理の特徴 | 製造原価を工程別に積み上げ、個別原価計算(受注生産)と総合原価計算(量産)に対応。標準原価と実際原価の差異分析、BOM(部品構成表)と連携した材料費の集計を得意とします。 | 工事・現場ごとに実行予算を組み、材料費・外注費・労務費(出面)・経費を工事台帳で集計。完成工事原価と未成工事支出金の区分、出来高や工事進行基準に対応します。 | 工数(作業時間)に単価を掛けて労務費を算出し、外注費・経費とあわせて案件別の原価・収支を管理。間接費の配賦や予実対比を備え、会計システムと連携する製品もあります。 | 販売管理や会計の機能をベースに、案件単位で発注原価・人件費を集計し、見積原価と実績の予実を管理。特定業種の専用計算よりも、幅広い業務への適用しやすさを重視します。 |
| 該当する主なサービス | MCFrame XA 原価管理、J-CCOREs、スマートF など | どっと原価シリーズ、レッツ原価管理Go2クラウド、PROCES.S など | マネーフォワード クラウド個別原価、Oracle NetSuite、クラウドERP ZAC、OBIC7 など | 楽楽販売、freee販売、アラジンオフィス、Biz∫ など |
※上記は各タイプにおける一般的な傾向です。個別の製品における機能の有無や提供形態は各社情報をご確認ください。
専用の原価管理システムとERP・生産管理統合型の違いと選び分け
ここからは、原価管理を「どのシステムで担うか」という選び分けを整理します。専用の原価管理システム、生産管理・ERP統合型、販売管理連携型は、それぞれ守備範囲とコストが異なります。

専用の原価管理システムは、原価の集計・配賦・差異分析に機能を絞っているため、原価計算の方式や配賦基準を細かく設定できる製品が多く、原価管理だけを先に高度化したい場合に向きます。一方で、受発注や在庫、会計は既存システムに残るため、データ連携の設計が必要です。
生産管理・ERP統合型は、受発注・在庫・生産・会計と同じ基盤で原価を扱えるため、転記や二重入力が減り、実際原価の集計を自動化しやすいのが利点です。基幹システムをまとめて刷新したい企業に向きますが、導入範囲が広く、費用と期間は専用型より大きくなる傾向があります。
販売管理連携型は、すでに販売管理を使っている企業が案件別の原価集計を無理なく足せる点が強みで、専用型ほどの細かい配賦計算は求めない場合に適します。
自社で開発するパッケージ製品ではなく、業務に合わせて原価管理の仕組みを一から作りたい場合は、受託開発会社に発注する選択肢もあります。ただし費用と期間の見通しが立てにくいため、まず既製品で要件を満たせないかを確認してから検討するのが現実的です。既存の会計・販売・生産システムで何を残し、原価管理のどこを強化したいかを起点に、専用型・統合型・連携型のどれが自社に合うかを見極めましょう。
基幹システムをまとめて刷新するERP統合型を選択肢に入れるべきか迷う場合は、ERPと会計ソフト・管理会計専用システムの違いや、導入にかかる費用と期間の目安を次の記事で確認できます。
自社に合う原価管理製品の選び方
ここからは、原価管理に対応した製品を比較するときに確認したいポイントを整理します。業種タイプで当たりを付けたあとは、次の観点から自社に合うかを見極めましょう。
業種・用途タイプ(何の原価を扱うか)と担い方(専用システム/生産管理・ERP統合型/販売管理連携型のどれで担うか)は別の切り口なので、両方を見比べて自社に合う製品を絞り込みます。案件単位の採算そのものを主役にするなら案件別、既存の販売・会計に原価集計を足す程度でよければ汎用型が目安です。
自社の原価計算の方式に対応しているか
原価計算の方式は、自社の生産・受注の形で決まります。原価計算基準では、実際原価を「財貨の実際消費量をもって計算した原価」、標準原価を「科学的・統計的調査に基づいて能率の尺度となるよう予定した原価」と定義しています(原価計算基準 四)。実際にかかった原価を集計するのが実際原価、目標値をあらかじめ設定して実績と比べるのが標準原価です。
また、種類の異なる製品を個別に生産する形態には個別原価計算(指図書・案件単位で直接費と間接費を集計)、同種の製品を連続生産する形態には総合原価計算(期間の製造費用を完成品と仕掛品に分ける)が対応します(原価計算基準 三一・二一)。
受注生産やプロジェクト型なら個別原価計算、量産型なら総合原価計算への対応が分岐点です。標準原価で差異分析まで行いたいか、実際原価の集計で十分かを決めてから確認しておくと安心です。

既存の基幹・業務システムと連携できるか、原価管理だけ先に導入できるか
原価のもとになるデータは、販売管理(受発注・売上)、生産管理(工程・在庫)、勤怠・工数(労務費)、会計(仕訳)に分散しています。これらと連携できないと、原価管理システムへの入力が二重作業になり、かえって負担が増えます。自社がすでに使っているシステムと、CSV連携やアドオン、API連携のいずれで接続できるかを確認しておくことが重要です。
あわせて、原価管理だけを先に導入できるかも重要な判断軸です。会計やERPごと入れ替えるとなると費用も期間も大きくなりますが、原価管理の部分だけを既存システムに連携させて先行導入できる製品なら、投資を抑えて段階的に始められます。全社の基幹システムの刷新計画と、原価管理の緊急度がずれている場合は、この先行導入のしやすさが選定を左右します。
配賦や運用を自社に合わせられるか
残りの比較ポイントも確認します。間接費の配賦では、工数比率・人数比率・売上比率・面積比率など、自社の実態に合った配賦基準を設定できるかを確認しておきます。配賦基準の自由度が低いと、実態と合わない原価しか出せません。
カスタマイズやアドオンで自社の業務に合わせられるか、使い慣れたExcelのデータを取り込めるか、受注前のコストを試算する原価シミュレーションがあるかも、運用のしやすさを左右します。提供形態がクラウド型かオンプレミス型(自社サーバーに導入する形態)かも、社内のIT方針に合わせて確認しておきましょう。
原価管理システムの費用相場
原価管理に対応した製品の費用は、提供形態と対象企業規模によって幅があります。案件別の原価・収支管理に対応するクラウド型では、中小規模向けで月額数万円規模から利用できる製品が多く見られます。一方、生産・会計まで含む生産管理・ERP統合型や大企業向けの製品では、導入範囲が広く、初期費用が数十万円から数百万円規模に及びます。
タイプ別の傾向としては、案件別・汎用のクラウド型は月額数万円規模から始めやすく、製造業・建設業向けの業種特化パッケージや生産管理・ERP統合型、オンプレミス型は個別見積もりが中心で、初期費用が数十万円から数百万円規模になりやすい傾向です。
原価管理の製品は、企業規模や要件に応じた個別見積もりを基本とし、料金を公開していないものが少なくありません。本記事の比較表でも、実額を公開していない製品は「要問い合わせ」として記載しています。費用は導入範囲・利用人数・必要なモジュールで変わるため、候補を絞り込んだうえで各社の見積もりを取り、総額で比較することをおすすめします。
製品ごとの実額は、後掲の比較表と個別紹介を参照してください。料金を公開している製品は、そこに具体的な初期費用・月額を記載しています。
自社に合う原価管理製品を診断
自社がどのタイプに適しているかの判断が難しいケースもあります。そのような場合でも最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
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【比較表】原価管理に対応した製品を比較
ここからは、原価管理に対応した製品を業種・用途別の4タイプに分けて比較します。対応する原価計算の方式・既存システムとの連携・提供形態・料金目安を横断でそろえ、自社の要件に合う製品を見比べられるようにしました。表で「公式に明記なし」「未確認」とした方式や項目は、資料請求や問い合わせで必ず確認してください。
業界特化型(製造業向け)の比較
| サービス名 | MCFrame XA 原価管理 | J-CCOREs | ProSee | スマートF(SmartF) | ACROSS(アクロス) | A’s Style(エースタイル) | STRAMMIC(ストラミック) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ(業種・用途) | 製造業向け(ERP・生産管理統合型) | 製造業向け(プロセス型製造に強み) | 製造業向け(中堅・中小) | 製造業向け(クラウド生産管理、モジュール選択型) | 製造業向け(個別受注型) | 製造業向け(クラウドERP、セミオーダー型) | 製造業向け(ERPパッケージ、バッチ・プロセス/加工組立) |
| 対応する原価計算方式 | 標準・予算・実際・速報の4方式、個別・総合の両方に対応。直接・相互・階梯式の多段階配賦 | 実際・標準・個別に対応(ころがし計算)。総合原価は公式に明示なし。配賦機能あり | 実際・実績・標準、個別・総合の両方、工程別積み上げ3方式。製造間接費の配賦に対応 | 製品・ロット別の個別原価(原価管理モジュール) | 製番(案件)・工程別の個別原価(材料費・外注費・労務費・経費)と実際原価・差異分析。標準・総合は公式未確認 | 製番別の個別原価管理が基本。標準・実際・総合は公式に明記なし | 複数の原価種別を並行管理・比較、予算原価シミュレーション、ABCベースの配賦。標準・実際・個別・総合の用語での明示は公式になし |
| 既存システムとの連携 | MCFrame XA 生産管理・販売物流と一体導入、他社生産管理ともWebサービス連携 | 生産・会計・販売システムの種類を問わず連携、SAP S/4HANA連携 | 既存の生産管理システムにアドオンで連携 | 在庫・工程・品質など生産管理モジュールと一体、外部とCSV連携 | CAD部品データ取込など設計〜調達データと連携 | 生産・販売・購買・在庫を一元管理、SAP等大手ERPと連携実績 | 現行の会計・生産管理システムとデータ連携、STRAMMIC内モジュールと統合 |
| 提供形態 | オンプレミス(パッケージ) | クラウド/オンプレミス | オンプレミス(クラウド運用可) | クラウド(SaaS) | クラウド/オンプレミス | クラウド(SaaS) | クラウド/オンプレミス |
| 料金目安 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
業界特化型(建設業向け)の比較
| サービス名 | どっと原価シリーズ | レッツ原価管理Go2クラウド | PROCES.S | e2-movE | 要〜KANAME〜 |
|---|---|---|---|---|---|
| タイプ(業種・用途) | 建設業向け(工事別原価管理) | 建設業向け(工事別原価管理) | 建設業向け(統合型ERP、15モジュール) | 建設・建材販売業向け(ERPパッケージ) | 建設業向け(電気・水道・空調・設備・塗装工事)、工事台帳ベース |
| 対応する原価計算方式 | 工事(案件)別の原価集計と実行予算対比。工数から人件費への原価化は公式機能になし | 工事(現場)別の個別原価(材料費・外注費・労務費・経費)と実行予算対比。配賦の具体仕様は公式に明記なし | 工事番号・現場単位の原価積み上げ、実行予算、完成工事原価/未成工事支出金の自動判定、工事進行基準対応、共通経費の配賦 | 工事台帳単位の原価積み上げ、実行予算・予算実績対比、共通原価配賦 | 工事台帳単位の個別原価・利益管理、日報から労務費を自動計算。配賦・標準原価は公式に記載なし |
| 既存システムとの連携 | 財務会計ソフトと仕訳データを双方向連携 | 勘定奉行・PCA・弥生・会計王・大蔵大臣、TKC FX2クラウドと仕訳連携 | 財務会計・給与をモジュールとして内包(一体運用)。外部会計連携は公式に明記なし | 同一ERP内の建設会計モジュールと統合。外部会計連携は公式に明記なし | 外部の会計・給与ソフトとの連携は公式に記載なし(KANAME内で完結) |
| 提供形態 | クラウド/オンプレミス | クラウド/オンプレミス | クラウド/オンプレミス | クラウド/オンプレミス | Windowsパッケージ |
| 料金目安 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
プロジェクト管理型(案件別)の比較
| サービス名 | Oracle NetSuite | マネーフォワード クラウド個別原価 | プロカン | Reforma PSA | MA-EYES | HUE Classic Project Management | SMILE V 2nd Edition Project Director | プロジェクト収支管理Rebo | クラウドERP ZAC | OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション | 勘定奉行クラウド[個別原価管理編] |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ(業種・用途) | 案件別(クラウドERP・SuiteProjects) | 案件別(プロジェクト型ビジネス、IPO準備・中堅〜上場) | 案件別(IT・制作・建設などの受託型、中小〜中堅) | 案件別(IT・広告・制作・コンサル等、〜50名規模) | 案件別(システム開発・SES・コンサル等のプロジェクト型) | 案件別(SI・工事・コンサル・研究開発、中堅〜大企業) | 案件別(ソフトウェア・IT/広告・制作/その他サービス) | 案件別(広告・TV番組・映像・ソフトウェア開発など企画制作業) | 案件別(IT・広告・コンサル・士業等のプロジェクト型ERP) | 案件別(IT・コンサル・設備工事・広告関連業向けERP) | 案件別(プロジェクト個別原価+会計一体、受注生産・工事・案件型) |
| 対応する原価計算方式 | 案件(プロジェクト)単位の原価・収支管理、直接費・間接費を案件予算に配賦(SuiteProjects)。標準・製造原価は公式に記載なし | プロジェクト単位の個別原価、労務費按分、間接費の多段階配賦(工数比率・人数比率・売上予算比率・面積比率・カスタム) | 案件(プロジェクト)単位の予算・実績・原価、工数×労務単価で人件費換算、間接費按分、予実対比 | 案件(プロジェクト)別の原価・損益、労務費配賦・共通費配賦(工数登録が前提)、予実対比 | プロジェクト/製品/ジョブ単位の原価、工数×基準単価で労務費算出、配賦基準を自由設定(工数・人数・売上高・人件費比率ほか)、工事進行基準対応 | 案件別の予定原価(工程・人員の積み上げ)と予実管理、人件費算出・配賦。個別・標準原価の手法名は公式に明記なし | 案件別の原価・収支管理、社員別単価×工数で労務費を自動算出。標準原価・配賦は公式に記載なし | 案件単位で売上・原価(仕入・外注費)を紐づけ予実対比、原価按分計上。配賦・標準原価・工数人件費は公式に記載なし | プロジェクト・案件単位の個別原価計算、工数から労務費を直課、間接費を配賦基準で自動配賦、工事進行基準対応 | 案件(プロジェクト)単位の収支把握と開発工数管理。原価計算の細目(実行予算・配賦・標準原価等)は公式に明記なし | プロジェクト別の個別原価管理、労務費計上・自動配賦・進捗度基準の原価振替、プロジェクト別原価報告書 |
| 既存システムとの連携 | 会計・販売・在庫・CRMを単一クラウド基盤に統合 | マネーフォワード クラウド会計Plus、勤怠・工数システム4種と連携 | 弥生会計・freee・勘定奉行・マネーフォワードと会計連携、楽楽精算連携 | 勘定奉行クラウド・弥生会計・マネーフォワード クラウド会計へ仕訳ファイル連携 | 勘定奉行クラウドとAPI連携、案件・工数・仕訳等をAPI連携 | 月次決算で原価計算→仕訳→会計システムへ自動連携 | SMILE V 2nd Edition 会計、eValue V ワークフロー、Universal 勤次郎と連携 | 勘定奉行・大蔵大臣とアドオン連携(仕訳自動作成)、CSV連携 | 仕訳インポート機能のある会計システムと連携、勤怠打刻とAPI/CSV連携、FBデータ出力 | OBIC7会計情報・人事給与情報ソリューションとシームレス連携 | 勘定奉行クラウド(会計基盤と一体)、固定資産奉行・申告奉行・API/CSV連携 |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS/一括) | オンプレミス(クラウド運用代行も可) | 要問い合わせ(公式に記載なし) | オンプレミス(クライアントサーバ型パッケージ) | クラウド(SaaS) | オンプレミス/プライベートクラウド | クラウド(SaaS) |
| 料金目安 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 初期150,000円〜・月額30,000円〜(いずれも税抜) | 初期0円・月額30,000円〜(税抜、ライセンス従量) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 買い切り型(要問い合わせ) | 初期10万円+月額要問い合わせ(モジュール×ライセンス課金、保守6万円〜/月) | 要問い合わせ | 月額27,500円〜(iAシステム、初期50,000円〜) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
IT・広告・開発などプロジェクト単位で採算を見る事業で、案件別の収支管理に絞って製品のタイプ別の選び方や、工数から人件費原価を組み立てる仕組みまで詳しく知りたい場合は、以下の記事もご覧ください。
プロジェクト収支管理システム比較20選|タイプ別の選び方と料金、案件別原価の作り方を解説
案件が終わって締めてみるまで、その仕事が黒字だったのか赤字だったのか分からない状態になっていませんか。受託でビジネスを回している企業では、珍しくありません。売上は請求書で追えても、そこにぶつける原価は、メンバーの作業時間と外注費と経費に散ら…
汎用型(業種問わず)の比較
| サービス名 | 楽楽販売 | freee販売 | アラジンオフィス | Biz∫(ビズインテグラル) |
|---|---|---|---|---|
| タイプ(業種・用途) | 汎用(販売管理ベース、ノーコード業務管理) | 汎用(販売管理ベース、案件別の原価・粗利) | 汎用(販売・在庫・購買統合パッケージ、業種特化多数) | 汎用(国産ERP、大手企業中心。会計・販売購買・人事給与) |
| 対応する原価計算方式 | 案件単位で売上(受注)・原価(発注)・間接費を紐づけ収支を自動集計。品目別個別原価計算や配賦専用の仕組みは公式に記載なし | 案件(プロジェクト)単位の売上・原価・粗利。人件費原価はfreee工数管理(別契約)連携が前提。配賦はfreee会計側の機能 | プロジェクト管理オプションで案件×原価商品単位の仕掛原価管理、日報ベースの労務費計上、案件への諸経費付け替え。配賦基準の細設定・予実差異レポートは公式に記載なし | Biz∫会計にプロジェクト原価管理(プロジェクト番号キーの案件収支)、多段階間接費配賦、管理会計の予実管理 |
| 既存システムとの連携 | 勘定奉行(CSV)・freee会計(API)ほか会計連携、Salesforce・kintone、CSV/API | freee会計と連携、他社会計ソフトはデータ抽出で取込 | 勘定奉行・マネーフォワード クラウド会計・弥生・PCA等の会計、EDI/流通BMS、EC・WMS・POS | 会計・販売購買・人事給与・経費精算を統合、intra-mart基盤のワークフロー、EAIで他システム連携 |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS) | オンプレミス/クラウド(アラジンクラウド) | オンプレミス/クラウド(Biz∫Optima)/ハイブリッド |
| 料金目安 | 初期200,000円・月額70,000円〜(税抜) | スターター約5,000円/月〜・スタンダード約40,000円/月〜(年払・税抜、ユーザー数課金) | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
原価管理製品の個別紹介
ここからは、比較表で取り上げた各製品を個別に紹介します。原価管理の面で何ができるか、対応する原価計算の方式や連携を中心に整理します。
業界特化型(製造業向け)の製品
1. MCFrame XA 原価管理(ビジネスエンジニアリング株式会社)

ビジネスエンジニアリング株式会社のERP・SCMパッケージ「MCFrame XA」シリーズの原価管理モジュールです。MCFrame XA 生産管理との一体導入のほか、他社の生産管理システムと連携させて原価管理だけを単体で導入することもできます。
標準原価・予算原価・実際原価・速報原価の4方式に対応し、製造指図書別の個別原価計算と総合原価計算の両方を扱えます。間接費の配賦は直接配賦法・相互配賦法・階梯式配賦法の3方式から選べ、作業時間や出来高数などの配賦基準を部門・品群・品目ごとに設定できます。
複数会社・複数拠点をまたぐ一元管理とIFRS(国際財務報告基準)対応を備え、グループ経営規模での原価管理を想定した設計です。導入実績は250社を超えると公式サイトに記載されています。
2. J-CCOREs(JFEシステムズ株式会社)

鉄鋼業向けに培われた原価計算のノウハウを基盤に、JFEシステムズ株式会社が提供する原価管理・採算管理システムです。食品・石油化学・医薬品・鉄鋼・自動車部品など幅広い製造業に対応し、連続生産や多品種少量生産で工程が複雑なプロセス型製造業への適合を訴求しています。
実際原価・標準原価・個別原価など複数の原価計算制度に対応し、プロセス型・組立型の両方に対応する「ころがし計算」を特長に掲げます。新製品原価や原材料価格の変動の影響を試算する高速シミュレーション、最終製品から部品・原材料までコストを遡る原価トレーサビリティ分析を備えます。
生産管理・会計・販売システムの有無や種類を問わず連携できる構成で、既存システムを大きく変えずに原価計算基盤を導入できます。基本機能を実際原価計算に絞った短期・低コスト導入向けの「J-CCOREs Basic」も選べ、提供形態はオンプレミス型とクラウド型(Microsoft Azure)に対応します。
3. ProSee(ソートウェア株式会社)

ProSeeは、工場経理出身の代表者と製造業システム部門出身のエンジニアが開発した、製造業向けの原価計算・管理会計システムです。固定のパッケージではなく、標準機能群をマスタ設定で各社の業務に合わせる「フレームワーク製品」と位置づけられています。
個別原価計算と総合原価計算の両方に対応し、工程別の原価積み上げは累加法・原価費目別累加法・非累加法の3方式を扱えます。既存の生産管理システムにアドオンで動く構成で、生産実績データを連携して標準原価の作成・実際原価の計算・差異分析に利用します。
対象は年商10億円から1,000億円超までの製造業で、中堅・中小でも導入しやすいことを開発コンセプトに掲げています。損益・キャッシュフロー結合計算書の自動生成や損益分岐点分析など、管理会計の機能も備えます。
4. スマートF(SmartF)(株式会社ネクスタ)

スマートF(SmartF)は、株式会社ネクスタが提供するクラウド型の製造業向け生産管理システムです。在庫・工程・原価・品質・設備・購買などの機能をモジュール単位で選び、必要なものだけを導入できる構成が特徴です。
原価管理は生産管理の1モジュールとして提供され、製品やロット単位の個別原価を、在庫・工程・購買など同一プラットフォーム上のデータと連動して集計します。対応業種は食品・化粧品・化学品・金属加工・自動車部品など、製造業に絞って展開しています。
在庫管理単体からのスモールスタートに対応し、必要な機能を選んで段階的に拡張できます。バーコードやハンディ端末を使ったロットトレース・期限管理、過去の出庫履歴から発注点を自動計算する機能も備えます。
5. ACROSS(アクロス)(株式会社インプローブ)

個別受注型(受注生産型)の製造業に向けた原価管理システムが、株式会社インプローブのACROSS(アクロス)です。見積作成から受注後の原価管理、発注・請求までを一元化し、製番(案件)・工程ごとに原価を細かく把握します。
材料費・外注費・労務費・経費の4要素から製品原価を算出・分析し、CAD部品データを取り込む部品表や部品発注残の確認、工数実績の集計を備えます。設計から調達までのデータを連携させ、二重入力を減らすことを訴求しています。
提供形態はオンプレミス(自社サーバー設置)とクラウドの両方から選べます(クラウド利用時はサーバー費用が別途かかります)。機械・電機・電子装置など、個別受注生産や類似品の繰り返し生産を行う工場に向くと紹介されています。
6. A’s Style(エースタイル)(株式会社ケーエムケーワールド)

販売・生産・購買・在庫・原価管理を1つに束ねるクラウド型のオールインワンERPパッケージが、株式会社ケーエムケーワールドのA’s Style(エースタイル)です。原価管理だけでなく、生産管理・販売管理を含むERP全体として位置づけられています。
独自の開発エンジンによる高速開発を特徴とし、業務機能・パーツを組み合わせて各社向けに構成する「セミオーダー型」を掲げています。計画・実績と連動した製番別の個別原価管理に対応し、受注前のコストシミュレーションも行えます。
量産・連続生産・受注設計生産・見込生産・個別受注生産など幅広い生産形態に対応し、中小・中堅製造業を中心に自動車・航空部品や切削製造業などの事例が公式に紹介されています。AI-OCRとRPA連携、IoT/Beacon対応による現場の実績収集も標準機能として備えます。
7. STRAMMIC(ストラミック)(株式会社アミック)

STRAMMICは、株式会社アミックが開発・販売する製造業向けの基幹業務システム(ERPパッケージ)です。販売物流管理・生産管理・調達管理・原価管理の4モジュールで構成され、単体導入と複数モジュールの統合導入のいずれにも対応します。
原価管理モジュール「STRA CA」は、必要とする複数の原価種別(評価計算手法)を定義して比較・分析でき、予算原価と実績原価のシミュレーション・比較機能を備えます。間接費の配賦はABC(活動基準原価計算)を採用し、コストドライバーに各種の配賦基準を設定できます。
食品・医薬品・化学品を中心としたバッチ・プロセス型製造と、加工組立型(ディスクリート)製造の両方に対応します。提供形態はクラウド(AWS・Azure・OCI・GCP対応のIaaS構築)・オンプレミス・データセンター型から選べます。
業界特化型(建設業向け)の製品
8. どっと原価シリーズ(株式会社建設ドットウェブ)

株式会社建設ドットウェブが提供する、建設・工事業向けの工事別原価管理パッケージです。見積・実行予算・発注・原価集計・支払・会計連動を一連で扱い、工事(案件)単位で売上・原価・利益を管理します。
サーバー不要のクラウド版「どっと原価3」と、小規模から中規模まで同時接続人数で選べるオンプレミス版「NEOシリーズ」を用意しています。見積は6階層、実行予算は4階層まで設定でき、80種以上の帳票出力と、財務会計ソフトとの仕訳伝票の双方向連携に対応します。
建設業向け原価管理パッケージ市場で、2015〜2023年度の9年連続で導入企業数第1位とされています(東京商工リサーチ調べ、2025年2月)。料金は公式サイトで公開しておらず、同時接続人数分のライセンスで契約する個別見積もりです。導入前に約30分の無料オンライン相談を利用できます。
9. レッツ原価管理Go2クラウド(株式会社レッツ)

見積から発注・仕入・出面(労務)・支払・請求・入金までを一元管理し、工事(現場)単位で原価を集計するクラウドサービスです。提供元は株式会社レッツで、オンプレミス版もあわせて用意しています。
入力画面を納品書などの証憑に近い見た目にし、複式簿記を使わない方式で入力したデータを財務会計ソフトへ連動させます。勘定奉行・PCA会計・弥生会計などとの仕訳連動に対応し、TKCの「FX2クラウドシリーズ」とは2023年にAPI連携を開始しました。
見積から発注、発注から仕入へデータを引き継ぐリレー機能で二重入力を減らせるほか、Excelクリエートで自社様式の帳票を設計できます。クラウド版は45日間の無料お試しを利用でき、料金は個別見積もりです。導入時は全国の公認インストラクターによる訪問指導を受けられます。
10. PROCES.S(株式会社内田洋行ITソリューションズ)

建設業の基幹業務を15のモジュールで広くカバーする統合型ERPです。株式会社内田洋行ITソリューションズが開発し、財務会計・原価管理・支払管理・JV(共同企業体)管理・給与労務費管理などから、必要なものだけを組み合わせて導入できます。
原価は工事番号・現場単位で積み上げます。積算データを取り込んで実行予算を作成でき、現場で承認された出来高はそのまま仕訳データへ反映されます。工事登録時の完成振替日と伝票日付を比較し、完成工事原価と未成工事支出金を自動で判別して仕訳を作成します。
完成工事高10億円規模から100億円超の企業まで、全国370社以上の導入実績があります。クラウド対応版とオンプレミス版の両方を提供し、料金は要問い合わせです。
11. e2-movE(三谷商事株式会社)

建設資材商社である三谷商事株式会社が、自社の建材・建設業界での知見をもとに開発したERPパッケージです。工事原価管理・販売管理・建設会計を中心に、支払管理や出面管理などのモジュールで構成されます。
原価管理を担うのは「e2-movE 工事管理」で、工事登録(工事台帳)を起点に実行予算・工事原価・出来高・外注業者への支払・予定利益を一元管理します。実行予算は工種別に登録して原価実績と照合でき、予算改定履歴や消化率、予算実績対比表にも対応します。
共通原価を配賦する専用機能を備え、建材販売・卸売業から総合工事業・職別工事業・設備工事業までを対象業種に挙げています。クラウド版「e2クラウド」とオンプレミス版の両方を提供し、建材・工事業界で400社以上の導入実績があります。料金は要問い合わせです。
12. 要〜KANAME〜(株式会社プラスバイプラス)

工事台帳を軸に原価と利益を管理するソフトで、株式会社プラスバイプラスが提供しています。電気・水道・空調・設備・塗装などの工事会社を対象とし、一人親方から数十名規模の会社までを想定しています。
見積書・注文書・請求書・日報・作業員名簿を工事(案件)単位で紐づけて一元管理し、工事ごとの収支・粗利をリアルタイムに確認できます。日報の入力内容から労務費(人工代)を自動計算し、顧客別・工種別でも売上や利益率を把握できます。工事の進行中に予算と原価、利益の状況を確認できるため、原価が増えている工事を早めに把握できます。
Windows対応のパッケージソフトで、現場からの入力には出退勤・日報・材料費などに対応するスマートフォンアプリ(本体の購入が前提)を利用できます。サポートは訪問・電話・オンライン・LINEに対応し、永年無償とされています。料金は業務内容に応じた個別見積もりで、要問い合わせです。
プロジェクト管理型(案件別)の製品
13. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

Oracle NetSuiteは、会計・販売・在庫・CRMを単一のクラウド基盤に統合したERPで、日本では日本オラクル株式会社が提供・サポートを担います。公式サイトでは200か国以上で利用され、44,000社以上が導入していると記載しています(2026年10月時点)。
案件別の原価管理は、アドオンモジュールのSuiteProjectsが担います。タイム・アンド・マテリアルや固定価格など複数のタイプのプロジェクトについて、予算・見積・実績コスト・請求を管理できます。購買発注を案件に紐づけ、直接費・間接費を案件予算に対して配賦できると公式ページは説明しています。
料金は年間ライセンス料と初期費用で構成され、コア・プラットフォーム、オプションモジュール、ユーザー数で決まる個別見積もりです(金額は公式サイトに記載なし)。基幹システム全体を1つの基盤に統合したい中堅〜大企業やグループ経営企業が主な対象です。
原価のもとになる会計・販売・在庫のデータを1つの基盤に統合するという設計の背景について、日本オラクルの担当者はインタビューで次のように説明しています。
会計は会計のシステム、在庫は在庫のシステム、というように業務ごとにシステムが分かれていると、データが分断されてしまって、経営者が全体を見ようとしてもなかなか正確な数字がつかめません。そこで、あらゆる業務を一つの基盤で一元管理して、経営者がどこからでもリアルタイムにデータを確認できるようにしたい、という発想からクラウドERPという形にたどり着きました。
14. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

株式会社マネーフォワードが2023年に提供を開始した、プロジェクト単位の個別原価管理システムです。IPO準備・中堅〜上場企業向けで、IT・システム開発業、SaaS業、クリエイティブ業、コンサルティング業など、案件単位で収益・原価を管理する事業を対象としています。
工数入力から労務費の按分、間接費の多段階配賦、資産振替仕訳までをプロジェクト単位で扱います。間接費の配賦基準は、プロジェクト工数比率・部門の従業員数比率・売上予算比率・面積比率のほか、任意のカスタム基準を設定できます。勤怠・工数管理システム4種と連携し、実労働時間データを工数入力へ反映できます。
料金は初期の導入支援費用と利用人数に応じた月額で、いずれも個別見積もりです(公式サイトに金額の記載なし)。会計システムとの連携は、共通マスタを使うマネーフォワード クラウド会計Plusとの費用収集・資産振替が中心です。
15. プロカン(株式会社PROCAN)

株式会社PROCANが提供する、案件単位で予算・実績・原価・工数を集約するクラウド型のプロジェクト収支管理システムです。IT・システム開発、イベント・映像制作、広告・PR、デザイン・Web制作、建設・工事の各業種に向けて、「プロカンIT」「プロカン制作」「プロカン建設工事」の3ラインナップを展開しています。
案件ごとに売上・原価・外注費・経費・工数を紐づけ、工数に労務単価を掛けて人件費を原価に換算します。見積書・請求書・発注書などの帳票作成やデジタル稟議・承認ワークフロー、会計ソフト(弥生会計・freee・勘定奉行・マネーフォワード)との連携にも対応します。
料金は初期費用150,000円(税込165,000円)から、月額30,000円(税込33,000円)からで、利用人数(ID数)に応じて変わります。IT導入補助金の対象として案内されており、中小企業を主な対象としています。
16. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAは、株式会社オロがクラウドERP「ZAC」の機能を案件・プロジェクト型ビジネス向けの標準機能に絞ってパッケージ化した案件管理システムです。IT業・広告業・イベント業・コンサルティング業・制作業・設計業など、案件単位で業務が進む業種を対象とします。
販売管理・購買管理・勤怠工数管理・経費管理を一元化し、プロジェクト別の予実・損益を可視化します。従業員が入力した工数を労務費配賦計算で案件原価に反映し、共通費の配賦にも対応します。仕掛中の案件でも損益をタイムリーに把握できると公式は説明しています。
料金は初期費用0円、月額30,000円(税抜)からで、販売管理・購買管理・勤怠・経費などの機能別ライセンスを利用人数分だけ選ぶ従量制です。導入期間は1〜2か月程度を目安としています。
17. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

株式会社ビーブレイクシステムズが提供する、プロジェクト型ビジネス向けのクラウド型ERPです。システム開発業・SES事業・受託開発・コンサルティングなど、人件費が主なコストとなる事業を対象に、工数・原価を集約してプロジェクト単位の損益を管理します。
日々の工数登録から人件費・外注費・経費を案件原価へ反映し、メンバーのマスタに設定した基準時間単価と作業時間を掛けて労務費を算出します。間接費の配賦基準は工数・人数・売上高・人件費比率に加え、面積や机の数などの非システム情報も設定できます。標準のプロジェクト単位のほか、製品・ジョブなど別の単位でも原価を管理できます。
勘定奉行クラウドとのAPI連携で仕訳データの手入力を削減でき、工事進行基準にも対応します。料金は提供形態(SaaS/SaaS+/一括)や利用人数・機能で変わる個別見積もり(公式サイトに金額の記載なし)で、30日間の無料トライアルを用意しています。
18. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

HUE Classic Project Managementは、株式会社ワークスアプリケーションズが提供するプロジェクト収支管理システムです。SI・工事・コンサルティング・研究開発など、請負・準委任・保守・社内プロジェクトといった複数の契約形態に対応します。
必要工程と配属人員を積み上げて予定原価を作成し、案件別に予算と実績を月次・勘定科目別で対比します。月次決算では勤怠・経費・売上を集約して人件費算出と配賦を行い、原価計算から仕訳作成、会計システムへの連携までを処理します。事前に設定した基準値で赤字見込みの案件をアラート表示します。
提供形態は、オンプレミス型パッケージと、AWS/OCI上で運用を代行する「HUE Classic Cloud」を選べます。料金は公式サイトに記載がなく要お問い合わせです。導入事例は情報サービス業・製造業の中堅〜大企業が中心です。
19. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK)

株式会社OSKが開発し、親会社の株式会社大塚商会が販売する、サービス業向けのプロジェクト収支管理システムです。案件単位で見込み発生から受注・発注・仕入・売上・請求・入金・支払までを一元管理します。
案件ポータル(コックピット画面)で進捗と収支を一画面で確認でき、収支管理帳票はプロジェクト別・部門別・サービスカテゴリー別など複数の切り口で出力できます。Web画面で入力した工数は案件別に自動集計され、社員別に設定した単価を掛けて労務費を自動更新します。標準原価や配賦の対応可否は公式サイトに記載がありません。
会計「SMILE V 2nd Edition 会計」、ワークフロー「eValue V 2nd Edition」、勤怠「Universal 勤次郎」と連携できます。料金は公式サイトに料金表がなく要お問い合わせで、問い合わせ窓口は大塚商会のコンタクトセンターです。
20. プロジェクト収支管理Rebo(株式会社ディータイド)

プロジェクト収支管理Reboは、株式会社ディータイドが提供する企画・制作業向けのプロジェクト収支管理パッケージソフトウェアです。ソフトウェア開発、広告制作、TV番組・映画・コンテンツ制作、イベント企画運営など、案件単位で企画・制作を行う企業を対象とします。
案件ごとに売上と、仕入・外注費・社内発注・仮払などの原価を紐づけ、受注金額に対する利益額・利益率を把握します。売上予算・原価予算を月単位で登録し、予算実績対比表で予実差異を確認できます。工数から人件費を自動で原価化する機能は公式サイトに記載がありません。
提供形態はクライアントサーバ型のパッケージで、月額課金ではなく買い切り型です(年間サポートはパッケージ価格の10%)。会計システムは勘定奉行・大蔵大臣向けのアドオン版で仕訳を自動作成でき、価格は要お問い合わせです。
21. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

株式会社オロが提供する、案件・プロジェクト単位で業務が進む業種に特化した統合型クラウドERPです。IT・システム開発、広告・クリエイティブ、コンサルティング・士業などを対象に、販売管理・購買管理・勤怠工数管理・経費管理・管理会計を一元化します。
工数管理では、担当者が案件と作業項目を指定して入力した工数を、案件別の労務費として自動集計します。直接作業は指定案件に直課し、間接作業は部門配下の案件に再配賦するほか、共通費・販売費・一般管理費の配賦にも対応します。プロジェクト単位で予定・実績の労務費や作業時間、進捗率を同一画面で確認できます。
料金は初期設定費用10万円、保守費用は月額6万円からで、機能(モジュール)×ライセンス数の課金です(モジュール単価は要問い合わせ)。導入実績は公式サイトで1,100社超と記載しています。
22. OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション(株式会社オービック)

統合業務ソフトウェア「OBIC7」のうち、案件単位で収益を管理する業種向けのモジュールです。開発元は株式会社オービックで、IT関連業・コンサルティング業・設備工事業・広告関連業を対象とします。
引合いから受注・売上・開発工数・発注購買・外注支払・旅費経費まで、プロジェクトの全プロセスを案件ごとに管理し、進捗状況や収支の現状を把握します。同一ベンダー内のOBIC7会計情報ソリューション・人事給与情報ソリューションとシームレスに連携します。
提供形態はオンプレミス型と、自社個別のプライベートクラウド型を選べます。料金は公式サイトに記載がなく要お問い合わせです。また、開発元のオービックはITRの調査でERP市場のベンダー別売上金額シェア1位(2024年度・16.2%)と公式発表しています。
23. 勘定奉行クラウド[個別原価管理編](株式会社オービックビジネスコンサルタント)
![勘定奉行クラウド[個別原価管理編]の公式サイト](https://i0.wp.com/wpcatalog.cryptobk.jp/wp-content/uploads/2026/09/kanjo-bugyo-cloud-kobetsu-genka-sitecapture.png?resize=1200%2C517&ssl=1)
株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供する、勘定奉行クラウドにプロジェクト単位の個別原価管理を加えたクラウド会計です。財務会計の自動仕訳・帳票基盤の上で、請負金額・進捗・予定期間を案件ごとに一元管理します。
プロジェクトごとの労務費計上、設定した基準に基づく自動配賦、進捗度を基準にした原価振替を自動化します。プロジェクト別原価報告書をワンタッチで出力し、発生額・入金情報・粗利・予算を同一画面で確認できます。サブプロジェクト単位での個別原価にも対応します。
料金は月額27,500円(iAシステム)から、初期費用50,000円からの3プランで、30日間の無料体験を用意しています。会計本体と個別原価管理を一体で扱えるため、個別原価計算が必要な受注生産・工事・案件型の事業に向きます。
汎用型(業種問わず)の製品
24. 楽楽販売(株式会社ラクス)

株式会社ラクスが提供するクラウド型の販売管理システムで、見積・受注・請求から売上・発注・原価・収支までを一元管理できます。マウス操作中心のノンプログラミングで、管理画面や入力フォーム、承認ワークフローを自社の運用に合わせて設定できます。
原価管理の面では、受注(売上)と発注(原価)、間接費などの追加原価を案件単位で紐づけ、収支の予実を自動で集計します。品目別の個別原価計算や間接費配賦の専用機能は公式に示されておらず、専用の原価計算システムではなく販売管理の中で案件収支を把握する製品です。会計システムとは勘定奉行(CSV連携)やfreee会計(API連携)などと接続できます。
料金は初期費用200,000円(税抜)、月額70,000円〜(税抜)で、月額は利用ユーザー数などによって変わります。無料トライアルが用意されています。
25. freee販売(フリー株式会社)

見積から請求までの販売管理をクラウドで扱い、案件ごとの売上・原価・粗利を同じ画面で把握できるサービスです。フリー株式会社が提供し、同社のfreee会計と連携する設計になっています。
案件別の粗利管理はどちらのプランでも使えますが、進行中の案件の月別原価を追う原価推移レポートや、工数から人件費原価を反映する機能は、中小企業向けのスタンダードプランが対象です。人件費まで含めた案件原価を見るには、別契約のfreee工数管理をあわせて使う必要があります。配賦機能はfreee販売側には設けられていません。
料金はスタータープランが3名利用で参考価格 約5,000円/月、スタンダードプランが10名利用で参考価格 約40,000円/月(いずれも年払い・税抜)で、利用ID数に応じて変わります。無料でお試しできます。
26. アラジンオフィス(株式会社アイル)

販売・在庫・購買管理を中核とする統合型パッケージで、株式会社アイルが業種ごとの商習慣に合わせた構成を用意しています。オンプレミスとクラウド(アラジンクラウド)のどちらでも導入できます。
原価管理は、標準パッケージに追加する「プロジェクト管理」オプションが担います。受注に紐づく商品仕入・外注仕入・在庫出庫を売上計上までは仕掛原価として管理し、作業日報で記録した案件別の作業時間に単価を掛けて労務費として原価に反映します。案件間の原価の付け替えや、諸経費の各案件への割り当てにも対応します。
配賦基準の細かい設定や、予定原価と実績原価の差異分析の専用レポートについては公式に記載がなく、単独の原価計算製品ではありません。料金は初期費用・月額とも要問い合わせです。
27. Biz∫(ビズインテグラル)(株式会社NTTデータ・ビズインテグラル)

会計・販売購買・人事給与を一つの基盤にまとめた国産ERPパッケージです。開発・提供元は株式会社NTTデータ・ビズインテグラルで、オンプレミス、サブスクリプション型のクラウド(Biz∫Optima)、ハイブリッドから提供形態を選べます。
原価管理は会計モジュールのBiz∫会計が担い、プロジェクト番号をキーに案件収支を管理できます。あわせて予実管理や多段階の間接費配賦、最大7台帳の固定資産管理など、日本の経理実務に沿った会計機能を備えます。業務モジュール×指定ユーザー数のライセンス体系で、一般会計のみといった最小単位からの段階導入ができます。
NTTデータ公式のラインアップページでは年商500億円以上の大手企業を主な対象としており、Biz∫Optimaで中堅企業まで間口を広げています。料金は初期費用・月額とも要問い合わせです。
まとめ
原価管理は、専用の原価管理システム・生産管理やERPの統合型・販売管理連携型のいずれでも担えます。自社が製造・建設・案件型・汎用のどのタイプに近いかで当たりを付けます。対応する原価計算の方式(実際・標準・個別・総合)、間接費の配賦基準の自由度、既存の基幹・業務システムとの連携、原価管理だけを先行導入できるかを比較すれば、自社に合う製品を絞り込めます。
費用は個別見積もりが基本で、導入範囲によって幅があります。気になる製品の資料を取り寄せ、対応方式と連携範囲、総額を見比べて検討を進めてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 原価管理システムとは何ですか?
A. 原価管理システムとは、製品や案件ごとに材料費・外注費・労務費・経費を集計し、目標となる標準原価と実際にかかった原価を比べて差異の原因を分析する一連の活動を、システム化したものです。
専用の原価管理システムのほか、生産管理システムやERP、販売管理システムの機能としても提供されます。手作業のExcelでは月次決算を待たなければ見えなかった見積と実績の差を、日々の入力の延長で把握できるようにするのが役割です。
Q. 原価管理だけを先に導入できますか?
A. 原価管理の先行導入は、既存システムと連携できる製品を選べば可能です。
会計やERPごと入れ替えると費用も期間も大きくなりますが、原価管理の部分だけを既存の販売・生産・会計システムに連携させて先行導入できる製品なら、投資を抑えて段階的に始められます。ただし原価のもとになる受発注・工数・経費のデータがそろっている必要があるため、案件番号の付け方など原価を集計する前提を先に整えておくとスムーズです。
Q. 原価管理システムは既存の基幹・業務システムと連携できますか?
A. 原価管理システムは、多くの製品がCSV連携・API連携・アドオンのいずれかで、既存の販売管理・生産管理・勤怠・会計システムと連携できます。
原価のもとになるデータは複数のシステムに分散しているため、連携できないと原価管理システムへの入力が二重作業になり、かえって負担が増えます。自社が使っているシステムと、どの方式でどこまで接続できるかを、導入前に各社へ確認することが重要です。
Q. Excelで管理してきた原価のデータは移行できますか?
A. Excelのデータは、CSVなどの取り込み機能を使って多くの製品へ移行できます。
ただし、移行作業そのものよりも、品目名や取引先名の表記ゆれ・重複を整理する前準備のほうが時間がかかることが少なくありません。取り込めるファイル形式と移行の対象範囲を事前に確認しておくと、導入の見積もりがぶれにくくなります。
Q. 原価管理システムはクラウド型とオンプレミス型のどちらを選ぶべきですか?
A. 原価管理システムは、特別な制約がなければクラウド型が第一候補で、設備との連携やデータの保管場所に社内規程上の制約がある場合にオンプレミス型やハイブリッドを検討します。
クラウド型は自社サーバーの構築・保守が不要で初期費用を抑えやすく、オンプレミス型は自由度の高い設定やセキュリティ要件への対応に強みがあります。本記事で紹介した製品の多くは、両方の提供形態から選べます。
Q. 原価管理システムの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 導入期間は対象範囲と連携の多さで変わり、原価管理だけを既存システムに連携して先行導入する場合は比較的短く、受発注・在庫・会計まで含む生産管理・ERP統合型ほど長くなる傾向があります。
正確な期間は、製品・導入範囲・既存データの整備状況によって異なります。候補を絞り込んだうえで、自社の要件を伝えて標準的な導入スケジュールと準備作業を各社に確認してください。
Q. 原価管理システムの導入でつまずきやすいのはどこですか?
A. よくあるのは原価計算の前提となるマスタ(品目・工程・配賦基準)の整備と、工数や間接費をどの基準で配賦するかの設計です。ここが固まっていないと、導入しても実態と合わない原価しか出せません。
既存の販売・生産・会計データとの連携方法(CSV・API・アドオン)や、現場での日々の入力をどう定着させるかも、導入前に具体的な運用を思い描いて確認しておくと、つまずきを防げます。
Q. 導入後のサポート体制は何を確認すればよいですか?
A. 導入時の初期設定・データ移行の支援範囲と、稼働後の問い合わせ窓口(電話・メール・チャット)や対応時間、追加費用の有無を確認します。
原価計算や配賦の設定は自社の業務に深く関わるため、設定変更や運用の相談にどこまで伴走してもらえるか、導入事例や保守契約の内容もあわせて見ておくと安心です。
原価管理に対応した基幹・業務システムの資料を一括チェック
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















