受託開発や制作、コンサルティングのように案件(プロジェクト)単位で売上と費用が立つビジネスでは、どの案件が利益を生み、どの案件が赤字なのかを一件ずつ把握したいものです。ところがExcelでの収支管理は、工数の集計が追いつかず、数字が固まる頃には案件が終わっているという悩みがつきまといます。
案件ごとの損益を仕組みで管理するには、プロジェクト損益管理システム(案件別の収支・原価・予実を扱うツール)の導入が有力な選択肢になります。ただし製品は収支管理に特化したものから基幹業務と一体のERPまで幅があり、料金も初期費用の有無や課金単位でばらつきます。
本記事では、案件・プロジェクト単位で損益を管理できるシステム21製品を、対応業務範囲別の3タイプに整理して比較します。自社に合うタイプの選び方や、製品別の料金・費用相場まで、比較検討の材料として活用してください。自社に合う製品を素早く絞り込みたい方は、かんたん診断もあわせてご利用ください。
目次
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本記事の対象範囲
はじめに、本記事が扱うシステムの範囲を整理します。ここで取り上げるのは、案件(プロジェクト)単位で売上と原価を積み上げ、工数(労務費)や予実まで含めて採算を管理できる製品です。受託開発・システム開発、制作・広告、コンサルティング、士業など、案件ごとに人の稼働が主なコストになるプロジェクト型ビジネスを想定しています。
一方で、製造業の工程別・品目別原価や、建設業の工事原価は、原価の積み上げ方が案件型とは異なり、それぞれ専用のシステムが適します。全社・部門単位の予実管理(経営管理)を主目的とする製品も、案件ごとに原価を積み上げる用途とは性格が異なります。ここで取り上げるのは、案件単位で損益を見るという一点に機能が向いた製品です。
各製品の料金の実額(初期費用・月額・ユーザー単価)は、後半の比較表と個別紹介で確認できます。公開料金がある製品はおよそ半数で、残りは個別見積り(要問い合わせ)です。
製造業の工程別・品目別原価や建設業の工事原価まで含めて原価管理システムを広く比較したい場合は、原価計算の方式・差異分析・配賦の観点で整理した次の記事が参考になります。
予実管理を全社・部門の視点で広く見直したい場合は、管理会計システム全体を比較した記事もあわせて参考になります。
案件・プロジェクト別の損益管理とは
ここでは、製品を比較する前提として、案件別の損益管理の考え方を整理します。損益管理とは、事業活動で生じる損失と利益を把握し、望ましい状態へ改善していくことです。これを案件(プロジェクト)という単位で行うのが、プロジェクト型ビジネスの損益管理です。
Excel管理の限界と、システム化で解決できること
案件数が少ないうちは、Excelでも案件別の収支を管理できます。しかし案件が増え、関わるメンバーが多くなると、工数の入力漏れや集計ミス、ファイルの属人化といった問題が起きやすくなります。
とくに痛手になりやすいのが、数字が固まるまでの時間差です。月末にまとめて工数を集計する運用では、赤字の兆候に気づくのが案件の終盤になり、手を打てないまま損失が確定してしまいます。システム化の主な狙いは、こうした集計の遅れと属人化を解消し、進行中の案件の損益をリアルタイムに近い形で把握できるようにすることにあります。
案件別損益の出し方(売上−原価・工数=労務費・予実差異)
案件の損益は、その案件で得た売上から、案件にかかった原価を差し引いて求めます。個別の案件ごとに直接費と間接費を集計して原価を算定する考え方は、原価計算で「個別原価計算」と呼ばれるものにあたります。
プロジェクト型ビジネスで原価の中心になるのは、外注費と並んで「労務費」です。原価は材料費・労務費・経費に分けられ、このうち労務費は人の稼働によって生じる費用を指します。案件に関わったメンバーの作業時間(工数)に単価を掛けると、その案件の人件費が算出できます。工数を案件に正しく紐づけられるかどうかが、案件原価の精度を左右します。
さらに、案件の開始時に立てた予算(見込み)と実績を突き合わせる「予実差異」の管理も欠かせません。予算に対して原価がどれだけ超過しているかを早い段階で捉えられれば、赤字案件になる前に対策を打てます。
予実差異をどのように捉えて分析し、改善につなげるかの具体的な手順は、Excelでの予実管理表の作り方とあわせて次の記事で解説しています。
出典・参考資料(1件)
プロジェクト損益管理システムの主な機能
案件別の損益を管理するシステムは、製品によって得意領域が異なりますが、おおむね次のような機能を備えています。
- 収支管理:案件ごとに売上・原価・利益を集計し、予算と実績を対比する
- 工数管理:メンバーの作業時間を案件に紐づけ、単価を掛けて労務費(人件費)を算出する
- 請求・帳票発行:見積・発注・請求などの帳票を案件に連動させて作成する
- 会計システム連携:仕訳や実績原価を会計ソフトと連携し、二重入力を減らす
どこまでを1つのシステムで担うかは製品のタイプによって変わります。この違いが、次に見るタイプ分類と選び方の軸になります。
システム導入で得られること
案件ごとの採算が数字で見えると、効果は日々の集計の省力化にとどまりません。予実差異を進行中に追えれば赤字案件を早期に見つけて手を打て、蓄積した実績は見積もりの精度向上や、採算の良い案件への注力といった経営判断の材料になります。
対応業務範囲で選ぶ3つのタイプ
ここからは、プロジェクト損益管理システムを対応業務範囲で3つのタイプに分けて解説します。どこまでを1つのシステムで担うかによって、導入のしやすさや他システムとの連携のあり方が変わります。自社がどのタイプを選ぶべきかを見極める手がかりにしてください。
プロジェクト収支管理特化型
案件別の売上・原価・予実の管理に機能を絞った専用タイプです。導入が比較的軽く、まず案件損益を見える化したい企業に向きます。工数入力から人件費の算出、予実対比までを一気通貫で扱える製品が多く、プロジェクト型ビジネスの課題にまっすぐ応えられます。
統合ERP・基幹一体型
販売・購買・会計などの基幹業務と一体で案件別損益を管理するタイプです。案件の数字を全社の経営数値と連動させたい、基幹システムごと刷新したいという中堅以上の企業に向きます。対応範囲が広い分、導入の負荷やコストは大きくなる傾向があります。
工数・販売管理ベース型
工数管理や販売管理を起点に、案件別の収支を積み上げるタイプです。すでに勤怠・工数の記録基盤や販売管理の仕組みがある企業が、その延長で案件採算を把握したい場合に適します。収支を完結させるには会計や請求など他機能との組み合わせが前提になる製品もあるため、連携のしかたを確認して選ぶとよいでしょう。
自社に合うプロジェクト損益管理システムの選び方
タイプの違いを押さえたところで、製品を絞り込むための選び方を見ていきます。価格だけで決めると、必要な機能が足りなかったり、逆にオーバースペックになったりしがちです。次の観点を自社の状況に当てはめて判断してください。
自社の業務範囲と規模から適したタイプを見極める
まず、前の章の3タイプを自社に当てはめて考えます。案件損益の見える化をまず実現したいなら、導入が軽い収支管理特化型が候補です。販売・購買・会計まで一体で管理し、全社の経営数値と連動させたいなら統合ERP・基幹一体型が向きます。
すでに工数管理や販売管理の基盤があるなら、その延長で収支を積み上げる工数・販売管理ベース型も選択肢に入ります。対応範囲が広いほど導入負荷とコストは増えるため、自社の規模と必要な範囲を見極めることが出発点になります。
既存の会計・勤怠(工数)システムと連携できるか
案件原価の精度は、工数と実績がどれだけ正確に集まるかで決まります。すでに勤怠や工数の記録、会計ソフトを使っているなら、それらと連携できるかを確認しましょう。連携できれば二重入力を減らせて運用が定着しやすく、できなければ入力の手間が増えて数字の鮮度が落ちます。
とくに工数・販売管理ベース型では、売上や請求を扱う別システムとの組み合わせが前提になる製品もあるため、収支を完結させるために何が必要かを確認しておきます。
提供形態とコストが自社の規模に合うか
料金体系は製品やタイプによって異なるため、自社の人数規模・導入範囲に照らしてコスト感を確かめます。課金モデルや初期費用・提供形態による違いは後述の料金・費用相場で整理しているので、利用人数と導入範囲を仮に置いて、複数製品の見積りを同じ条件で並べて比較してください。
導入でつまずかないための注意点
システムは導入すれば自動的に数字が揃うわけではありません。案件の粒度(どこまでを1案件とするか)や工数の入力ルールを社内で標準化しないと、集計した数字の精度が安定しません。導入初期には設定やメンバーへの教育に一定の工数がかかることも見込んでおく必要があります。無料トライアルやデモを活用し、自社の運用に馴染むかを確かめてから本格導入すると、つまずきを減らせます。
ここまでの選び方をふまえ、自社に合うタイプと製品を手早く見つけたい場合は、次の診断もあわせて活用してください。
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【比較表】プロジェクト損益管理システムを比較
ここでは、本記事で取り上げる製品を3つのタイプ別に比較します。対応業務範囲・案件別損益の対応粒度・工数(労務費)連携・料金・提供形態の観点で並べています。気になる製品は、後半の各製品の個別紹介もあわせて確認してください。なお、料金・実績・想定規模は2026年10月時点の各社公式情報にもとづきます。
プロジェクト収支管理特化型の比較
| サービス名 | OBPM Neo | Reforma PSA | プロカン | MA-EYES | SMILE V Project Director | HUE Classic Project Management | Flagxs | LEEAD | Rebo |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 想定規模 | 要問い合わせ | 〜50名が目安 | 要問い合わせ | 中堅〜大企業 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 中堅〜大企業 | 要問い合わせ | 中小〜上場企業 |
| 案件別損益の対応 | 原価・収支・予実 (EVMで進捗を評価) | 原価・収支・予実 (仕掛中でも損益を把握) | 原価・収支・予実 (リアルタイムに可視化) | 原価・収支・予実 (工事進行基準に対応) | 原価・収支・予実 (予定/着地/実績を対比) | 原価・収支・予実 (赤字案件を自動抽出) | 原価・収支・予実 (損益をリアルタイム予実) | 収支・予実 (計画値と実績値で管理) | 収支・予実 (資金繰りも管理) |
| 工数→人件費の連携 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | △配賦ロジックは公式に記載なし | ×仕入・外注費が中心 |
| 料金 | 月額10万5千円〜(税抜) 初期費用は要問い合わせ | 初期費用0円 月額3万円〜(税抜) | 初期15万円〜 月額3万円〜(税抜) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ (買い切り型) |
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | 要問い合わせ | オンプレミス (クラウド運用代行も選択可) | クラウド | クラウド | オンプレミス |
| 詳細情報 | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
統合ERP・基幹一体型の比較
| サービス名 | Oracle NetSuite | クラウドERP ZAC | OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション | Biz∫ | SmileWorks | GRANDIT miraimil |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 想定規模 | 中堅〜大企業 (海外展開・IPO準備企業) | 50名以上が目安 | 大手・上場企業中心 | 年商500億円以上が目安 | 小規模〜大企業 | 要問い合わせ |
| 案件別損益の対応 | 原価・収支・予実 (SuiteProjectsで対応) | 原価・収支・予実 (粗利をリアルタイム可視化) | 収支 (案件別に進捗・収支を把握) | 原価・収支・予実 (間接費を多段階で配賦) | 収支・予実 (予算入力と実績対比) | 原価・収支 (11業務の一モジュール) |
| 工数→人件費の連携 | ●SuiteProjects(アドオン) | ● | △原価換算の細目は公式未確認 | △工数→人件費の自動換算は公式に明示なし | △配賦機能オプションが必要 | △工数連携の詳細は公式に明示なし |
| 料金 | 要問い合わせ | 初期10万円+月額保守6万円〜 利用料は要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 月額5,000円〜(税別) 標準プランは初期3万円+月額1万円〜 | 月額45万円〜 初期費用は個別見積 |
| 提供形態 | クラウド | クラウド | オンプレミス (プライベートクラウドも選択可) | オンプレミス/クラウド | クラウド | クラウド |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト |
工数・販売管理ベース型の比較
| サービス名 | マネーフォワード クラウド個別原価 | 楽楽販売 | freee販売 | TeamSpirit 工数 | TimeCrowd | Lychee Redmine |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 想定規模 | 中堅〜上場企業 (IPO準備企業向け) | 要問い合わせ | 個人・小規模〜中小企業 | 中堅〜大企業 | 要問い合わせ | 規模問わず |
| 案件別損益の対応 | 原価 (収支は会計連携が前提) | 収支・予実 (原価率の悪化を察知) | 収支 (案件別粗利・原価推移) | 工数管理が中心 (収支は別製品が前提) | 人件費集計が中心 (収支は外部連携が前提) | 収支・予実 (EVMで予算超過を検知) |
| 工数→人件費の連携 | ● | △計算仕様は公式非公開 | △別契約のfreee工数管理が必要 | △原価計算は別製品が前提 | ● | ●プレミアムプラン以上 |
| 料金 | 要問い合わせ | 初期20万円 月額7万円〜(税抜) | 月額約5,000円〜 (スタンダード10名で約4万円/月・税抜) | 月額18,000円〜(税抜) 初期費用は別途 | 要問い合わせ | 0〜2,100円/ユーザー(税別) 別途クラウド利用料 月5,000円〜 |
| 提供形態 | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド | クラウド/オンプレミス |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
プロジェクト損益管理システムの料金・費用相場
ここでは、導入時に気になる料金について、相場と料金体系の面から整理します。製品ごとの具体的な料金は上の比較表の料金欄と、後半の各製品の個別紹介で確認できます。
料金体系・課金モデルの考え方
プロジェクト損益管理システムの料金は、課金モデルによって見方が変わります。大きく分けると、利用人数に応じて課金するユーザー単価型と、人数にかかわらず一定の月額定額型があります。ユーザー単価型は少人数なら費用を抑えやすく、月額定額型は人数が増えても総額が一定の範囲に収まりやすいという特徴があります。
初期費用の有無や、提供形態による違いも押さえておきたい点です。クラウド型は初期費用を抑えて月額で利用でき、導入の負荷が小さい傾向があります。オンプレミス型や基幹一体型は初期の構築費用が大きくなりやすい一方、自社の業務に合わせた作り込みがしやすい違いがあります。統合ERP型は対応範囲が広く、料金を個別見積り(要問い合わせ)とする製品が中心です。
費用相場の目安と、総額が変わる理由
費用の総額は、利用人数と必要な機能範囲でおおきく変わります。ユーザー単価型では1ユーザーあたり月額数百円〜数千円が目安で、利用人数に比例して月額が増えます。少人数なら月数万円に収まる一方、数十人規模になると月額十数万円以上になることもあります。収支管理に機能を絞ったクラウド型では、月額数万円前後から利用できる製品が見られます。
本記事で公開料金を確認できた製品を見ると、収支管理特化型のクラウド製品はおおむね月額3万円台から、販売管理を起点とする製品は月額7万円前後、ユーザー単価型はフリープランから1ユーザー月額2,000円台と幅があります。残りのおよそ半数は個別見積り(要問い合わせ)で、資料請求で確認できます。
基幹業務まで一体で担う統合ERP型は、導入規模や必要なモジュールによって総額が大きく変わるため、相場を一律に示しにくい領域です。初期の構築費用を含めた総所有コストで捉え、複数社の見積りを同じ条件で取り寄せて比較するのが現実的です。自社の人数規模と、どこまでの業務をシステムで担いたいかを起点に料金を見比べるとよいでしょう。
【各製品の特徴】プロジェクト損益管理システムの個別紹介
ここからは、タイプ別に各製品の特徴を紹介します。自社の業務範囲・規模に照らして、候補を絞り込む参考にしてください。
プロジェクト収支管理特化型の製品
案件別の収支・原価・予実の管理に機能を絞った製品です。まず案件損益を見える化したい企業に向きます。
1. OBPM Neo(株式会社システムインテグレータ)

OBPM Neoは、株式会社システムインテグレータが2008年から提供するプロジェクト管理システムをクラウド対応させた製品で、2021年3月に現在の名称でリリースされました。PMBOK(プロジェクトマネジメントの知識体系)の10の知識エリアを一つのシステムでカバーし、品質・進捗・原価・要員を統合管理する設計をとっています。公式サイトによると導入実績は300社以上・約56,000ユーザーです。
原価管理に機能の軸があり、工数入力から原価・収支への反映や、EVM(出来高を使って予算と進捗を定量評価する手法)による進捗の把握に対応します。勤怠・販売管理・会計システムとデータ連携し、月次の仕掛原価や完成原価を会計システムへ出力できます。
料金は月額10万5千円(税抜)からで、原価管理が使えるのは3つのエディションのうち Enterprise です。ライセンスは社員・パートナー・顧客で係数を分ける課金で、最低10ライセンス・1年単位の契約となります。初期費用は要問い合わせです。
2. Reforma PSA(株式会社オロ)

株式会社オロが提供するクラウドERPで、IT業・広告業・制作業・コンサルティング業など、案件単位で業務が進む企業向けの製品です。同社はより大規模な企業向けの「ZAC」も展開しており、Reforma PSAはその機能を案件・プロジェクト型ビジネス向けの標準機能に絞ってパッケージ化したものと説明されています。
初期費用0円・月額3万円(税抜)から利用でき、導入期間は1〜2か月程度が目安とされています。販売管理・購買管理・勤怠工数管理・経費管理を一元化し、仕掛中の案件でも損益をタイムリーに確認できます。
工数登録を前提とした労務費配賦・共通費配賦で案件原価を積み上げ、勘定奉行クラウドやマネーフォワード クラウド会計などへ仕訳データをファイル連携できます。公式サイトは導入実績を500社以上としています。
3. プロカン(株式会社PROCAN)

案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイムに可視化するクラウド型のシステムです。提供元の株式会社PROCANは、2024年11月に株式会社シービーティーから社名を変更しました。「プロカンIT」「プロカン制作」「プロカン建設工事」と、業種別に3つのラインナップを用意しています。
見積・請求・発注・経費精算・稟議承認までを一つの入力データから続けて処理でき、弥生会計・freee・勘定奉行・マネーフォワードといった会計ソフトとも連携します。社内人員の工数を労務単価で原価に換算し、外注費と合わせて案件ごとの粗利を把握する設計です。
料金は初期費用150,000円(税込165,000円)から・月額30,000円(税込33,000円)からで、利用するID数や機能に応じて変動します。IT導入補助金の対象サービスとして案内されています。
4. MA-EYES(株式会社ビーブレイクシステムズ)

MA-EYES(エムエーアイズ)は、株式会社ビーブレイクシステムズが2005年から提供するクラウド型ERPです。システム開発・SES・コンサルティングなどプロジェクト型ビジネス向けの「V ver.」と広告業向けの「A ver.」があり、案件・顧客・部門など複数の切り口で損益を可視化します。
工数は、メンバーのマスタに設定した基準時間の単価と作業時間を掛けて労務費に換算し、案件原価に反映します。標準のプロジェクト単位に加え製品やジョブ単位での原価管理にも対応し、配賦の基準には工数・人数・売上高のほか、面積や机の数といった情報も設定できます。
提供形態はSaaS・SaaS+・一括の3種類から選べ、一括版は100名以上の利用が目安とされています。料金は利用人数と機能によって変わるため要問い合わせで、30日間の無料トライアルが用意されています。2025年3月にISO/IEC 27001とクラウドセキュリティ認証を取得しています。
5. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK/株式会社大塚商会)

サービス業向けのプロジェクト収支管理システムで、見込みの発生から受注・発注・仕入・売上・請求入金・支払までを案件単位で一元管理します。開発元は大塚商会の完全子会社である株式会社OSKで、販売とサポートは株式会社大塚商会が担います。
案件ポータル(コックピット画面)で進捗と収支を一画面にまとめて確認でき、プロジェクト別・部門別・サービスカテゴリー別など複数の切り口で収支管理帳票を出力できます。社員別に設定した単価と工数を掛け合わせ、JOBごとの労務費を自動で更新します。
勤怠管理「Universal 勤次郎」や会計「SMILE V 2nd Edition 会計」、ワークフローとの連携が公式に示されています。料金・提供形態は公開されておらず見積もりは問い合わせとなり、無料の体験版が用意されています。
6. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

案件ごとの採算を可視化し、原価計上から会計連携までを統合することを掲げるプロジェクト収支管理システムです。提供元は株式会社ワークスアプリケーションズで、SI・工事・コンサルティング・研究開発など、プロジェクト型の幅広い業種・業態を対象としています。
プロジェクト原価策定では必要な工程と配属人員を積み上げて予定原価を作成し、予実管理では月次・勘定科目別に予算と実績を比較します。事前に設定した基準値で赤字見込みの案件を自動で抽出できるほか、月次決算で原価計算から仕訳作成・会計連携までを処理します。
提供形態はオンプレミス型のパッケージで、AWSやOCI上で運用を代行する「HUE Classic Cloud」も別途選べます。料金は公開されておらず要問い合わせです。研究開発部門での導入事例では、月次の集計・分析が約1週間から1日に短縮したと公表されています。
7. Flagxs(フラッグス株式会社)

WBS(作業を成果物・工程・タスクに分解する構成図)を3階層で標準化し、計画立案から進捗管理、レポート作成までを一つの流れで扱うクラウド型のプラットフォームです。提供元はフラッグス株式会社です。
2024年10月から、複数プロジェクトを横断するプロジェクト損益管理とリソースアサイン管理を提供しています。人件費は要員グレード別に単価を設定し、工数実績から自動で金額に換算して、進行中プロジェクトの損益を予実で確認できます。複数の案件を掛け持つメンバーの過剰なアサインも特定できます。
料金は公開されておらず要問い合わせとなります。無料トライアルが用意され、ISO/IEC 27001とクラウドセキュリティ認証(ISO/IEC 27017)を取得しています。
8. LEEAD(株式会社ETVOX)

株式会社ETVOXが提供する、プロジェクト会計に機能を絞ったクラウドサービスです。案件ごとに売上・工数・費用の計画値と実績値を登録して予実を管理し、今後半年から1年の収支見通しや人員計画を見える化します。
部署横断・顧客別・独自グループ別といった複数の切り口でプロジェクトの収益性を分析できる点を備えています。2025年10月には日単位で実績工数を入力する「LEEAD工数管理」を追加し、工数データを本体へ自動連携する構成に拡張しました。
料金は公開されておらず、利用企業の状況に応じたプラン制とされています。利用開始後30日間の無料トライアルがあり、最短即日での導入に対応します。対応業種はクリエイティブ・広告/企画業、士業・コンサルティング業、IT・システム業です。
9. Rebo(株式会社ディータイド)

企画・制作業に特化したプロジェクト収支管理のパッケージソフトで、株式会社ディータイドが開発・提供しています。案件ごとに売上と仕入・外注費などの原価を紐づけ、受注金額に対する利益額・利益率を予算と実績で対比します。債権債務や資金繰りの予定管理にも対応します。
提供形態はクラウドのSaaSではなく、自社サーバーに構築するクライアントサーバ型のパッケージです。会計システムは勘定奉行・大蔵大臣向けのアドオン版で伝票から仕訳を自動作成でき、それ以外はCSV出力で連携します。
料金は買い切り型で公開されておらず、問い合わせでの見積もりとなります。パッケージ価格の10%にあたる年間サポートへの加入が必要です。広告制作・TV番組制作・映像/コンテンツ制作・イベント企画など、案件単位で企画・制作を行う企業が対象です。
統合ERP・基幹一体型の製品
販売・購買・会計などの基幹業務と一体で案件別損益を管理する製品です。全社の経営数値と連動させたい中堅以上の企業に向きます。
10. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

会計・販売・在庫・購買といった基幹業務を単一のクラウド基盤にまとめた統合ERPで、案件別の損益管理はプロジェクト管理モジュール「SuiteProjects」をアドオンで加えて担います。公式サイトでは200か国以上・44,000社を超える導入が示され(2026年10月1日時点)、27以上の言語と190以上の通貨に対応します。
SuiteProjects では、案件ごとの予算・見積り・実績コスト・請求・収益性を会計とシームレスに連携して管理できます。労働ベース・固定・完了率などのルールに沿った収益認識に対応し、購買発注を案件に紐付けて直接費・間接費を予算に配賦します。海外拠点を含む連結・多通貨での経営管理まで一つの基盤で扱える点が、規模の大きい企業に向く理由です。
料金は年間ライセンス(コア・プラットフォーム+オプションモジュール+ユーザー数)と初期費用で構成され、金額は公開されていません(プロジェクト会計の SuiteProjects もアドオンで料金は要問い合わせ)。中堅〜大企業や、海外展開・IPO準備・M&A後のグループ統合を控えた企業が主な対象で、導入はパートナー経由になることが多い製品です。
11. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

東証プライム上場の株式会社オロが提供する、プロジェクト単位で業務が進む業種に特化した統合型クラウドERPです。IT・システム開発や広告・クリエイティブ、コンサルティング・士業など、人の稼働が主なコストになる業種を対象に、販売・購買・勤怠/工数・経費・管理会計を一元化します。
担当者が案件と作業項目を指定して入力した工数は、自動で案件別の労務費として集計されます。直接作業は指定案件に直課し、間接作業は部門配下の案件へ再配賦する仕組みで、案件損益をリアルタイムに可視化できます。電子承認ワークフローや操作ログの自動保存など、内部統制・決算早期化に向けた機能も備えます。
料金は初期費用10万円に、データセンター利用料を含む月額保守6万円〜が加わり、機能(モジュール)×ライセンス数の利用料は要問い合わせです。公式では導入実績1,100社超(時点の明示なし)と示されています。
12. OBIC7 プロジェクト管理統合ソリューション(株式会社オービック)

株式会社オービックの統合業務ソフトウェア「OBIC7」のうち、案件単位で収益を管理する業種向けのモジュールです。引合いから受注・売上・開発・発注購買・外注支払・旅費経費まで、プロジェクトの全プロセスを案件ごとに一元管理します。IT関連業・コンサルティング業・設備工事業・広告関連業向けに機能セットが用意されています。
同じ OBIC7 の会計情報ソリューション・人事給与情報ソリューションとシームレスに連携し、案件ごとの進捗状況や収支を把握でき、同一ベンダー内で会計・人事給与まで業務を統合できる点が特徴です。提供形態はオンプレミス型と、自社専用のプライベートクラウド型から選べます。開発元のオービックは、ITRの調査でERP市場のベンダー別売上金額シェア1位(16.2%、2024年度)と公表しています。
料金は初期費用・月額とも公開されておらず、要問い合わせです。想定する企業規模は本モジュール単体では公表されていませんが、OBIC7全体としては基幹業務と経営管理を統合したい上場〜大手企業が対象像に挙げられています。
13. Biz∫(株式会社NTTデータ・ビズインテグラル)

株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが開発・販売する国産ERPパッケージ「Biz∫(ビズインテグラル)」です。ワークフロー基盤「intra-mart」の上に会計・販売購買・人事給与を載せた構成で、案件別の損益は会計モジュール内のプロジェクト原価管理が担い、プロジェクト番号をキーに案件収支を管理できます。
NTTデータの公式ラインアップでは年商500億円以上の大手企業を主な対象とし、2023年に提供を始めたサブスクリプション型クラウド「Biz∫Optima」で中堅企業まで間口を広げています。提供形態はオンプレミス・クラウド・ハイブリッドから選べ、業務モジュール×ユーザー数のライセンス体系で、一般会計のみといった最小単位から段階導入できます。
料金は初期費用・月額とも公開されておらず、要問い合わせです。採用社数は2025年12月時点で2,000社を突破したと公式が示しています。
14. SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

株式会社スマイルワークスが提供する中小企業向けの統合型クラウドERPで、販売管理・財務会計・給与計算・経費精算・勤怠を一つのシステムにまとめています。案件別の損益管理を主軸に据えており、販売管理モジュール「販売ワークス」配下の案件管理機能で、売上・仕入・経費・社内工数を案件単位に集約できます。
案件ごとの予算入力と実績対比、関連帳票の発行までを標準で提供します。ただし社内工数を案件別の人件費として自動で配賦するには、給与ワークスの契約に加えて配賦機能オプション(月額5,000円・税別)が必要です。稼働報告の入力自体は標準機能ですが、金額への換算はこのオプションが担います。
料金は販売管理に絞った販売ERPプランが月額5,000円〜(税別)、販売・会計・給与を機能単位で選べる標準プランが初期費用30,000円+月額10,000円〜(税別)です。必要な機能をモジュール単位で足していく段階導入に向く構成です。
15. GRANDIT miraimil(GRANDIT株式会社)

国産統合型ERP「GRANDIT」の知見を継いだ、中堅・中小企業向けのクラウドERPです。経理・債権・債務・販売・調達在庫・プロジェクト原価・経費・人事・給与など11の基幹業務を単一の共通マスタで連携させ、Webブラウザから利用します。案件別の損益は、11業務の一つであるプロジェクト原価管理が担います。
承認ワークフローを標準搭載し、経営分析レポートやIT統制(権限管理・変更履歴ログ)にも対応します。対象業種として商社・卸売業、サービス業、情報サービス業、製造業、設備工事業が挙げられ、導入作業の期間は3〜6か月が目安とされています。公式サイトでは国内約1,500社の実績が示されています(時点の記載なし)。
料金は月額45万円〜(利用者10名・月間1万伝票・財務管理+販売管理の想定条件)で、初期費用は個別見積です。恒久的な無料プランはなく、本番契約の前に1か月の無料トライアルで試せます。
工数・販売管理ベース型の製品
工数管理や販売管理を起点に、案件別の収支を積み上げる製品です。既存の記録基盤を活かして案件採算を把握したい企業に向きます。このタイプには、単体で損益まで見られる製品と、収支を完結させるには会計・請求などの別システムとの連携が前提になる製品が混在します。各製品の紹介で前提となる組み合わせを確認してください。
16. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

株式会社マネーフォワードが2023年に提供を開始した、プロジェクト単位の原価管理に特化したシステムです。工数の入力から労務費の按分、間接費の多段階配賦、原価の可視化までを、案件単位で一貫して扱えます。IPO準備中の企業や中堅〜上場企業のプロジェクト型ビジネスを対象に掲げています。
間接費の配賦基準は、プロジェクト工数比率や部門の従業員数比率に加え、売上予算比率・面積比率や任意のカスタム基準を、費用の性質に応じて設定できます。勤怠・工数管理システム4種と連携し、実労働時間のデータを工数入力に反映できる点も特徴です。
売上まで含めた案件収支を管理するには、同社のクラウド会計Plusなどと組み合わせる構成が前提です。予算と実績を対比する予実管理や進行基準による売上計上は、公式の機能ページには記載がありません。料金は利用人数や契約内容によって変わり、個別見積り(要問い合わせ)です。
17. 楽楽販売(株式会社ラクス)

株式会社ラクスが提供するクラウド型の販売管理システムで、見積・受注・請求から売上・発注・原価・収支までを一元管理します。マウス操作中心のノンプログラミングで、管理画面や入力フォーム、承認ワークフローを自社の運用に合わせて構築できます。
案件収支については、受注による売上と発注による原価、追加の間接費を案件単位で紐づけ、予実を自動で集計します。承認ワークフローは金額や値引き率、申請部署による条件分岐に対応し、スマートフォンやタブレットからの承認も可能です。
料金は初期費用200,000円(税抜)、月額70,000円〜(税抜)で、月額は利用ユーザー数などによって変動します。初期費用には、専任担当による3か月間の導入支援が含まれます。申込制の無料トライアルも用意されています。
18. freee販売(フリー株式会社)

見積から受注・売上・請求・入金までを案件単位で扱える、フリー株式会社のクラウド型販売管理システムです。案件ごとに売上と仕入を登録すると案件別の粗利が作成され、進行中の見込みも確認できます。会計はfreee会計と連携する設計です。
プランは、個人・小規模法人向けのスタータープランと、中小企業向けのスタンダードプランの2種類です。工数に基づく人件費原価を案件に反映するには、別契約のfreee工数管理との連携が必要で、対応はスタンダードプランに限られます。
料金はユーザー数に応じた月額です。公式の参考価格は、スタータープランが3名利用で約5,000円/月、スタンダードプランが10名利用で約40,000円/月(いずれも年払い・税抜)とされています。無料でのお試しも可能です。
19. TeamSpirit 工数(株式会社チームスピリット)

株式会社チームスピリットが提供する「チムスピ工数」は、Salesforce Platform上に構築された工数管理の製品です。勤怠と工数を1画面で入力して労働時間と工数時間を一致させる仕組みを備え、プロジェクトや作業分類を最大4階層で定義できます。
この製品が担うのは工数の入力・記録・集計です。標準単価と工数実績を用いた原価計算や、売上予定額・目標利益率を含む予実管理は、別製品「TeamSpirit プロジェクト原価管理」との組み合わせが前提になり、工数単体では案件の収支までは見えません。
チムスピ工数単体の料金は月額18,000円〜(税抜)です。各プランの最低月額に50ユーザー分のライセンスが含まれ、50名以下でも同額となります。初期費用は別途発生し、金額は要問い合わせです。
20. TimeCrowd(タイムクラウド株式会社)

打刻でチームの作業時間を記録し、誰が何にどれだけ時間を使ったかを可視化する工数管理ツールです。タイムクラウド株式会社が提供し、案件やカテゴリごとにメンバーの時間単価を設定すると、稼働時間に単価を掛けて人件費をリアルタイムに集計します。
単価はワークスペース単価とチーム単価の二階層で設定でき、昇給などを見越して将来日付での単価改定を事前に登録できます。打刻はChrome拡張機能やiOS・Androidアプリに対応し、Googleカレンダーなどの外部ツールとも連携します。
扱う範囲は人件費の集計が中心です。売上と突き合わせた案件ごとの収支・粗利を見るには、boardなど外部の請求・案件管理ツールとの連携が前提になります。料金は公式サイトで公開されていないため、要問い合わせです。
21. Lychee Redmine(株式会社アジャイルウェア)

Lychee Redmine(ライチ・レッドマイン)は、オープンソースのプロジェクト管理ツール「Redmine」をベースに、ガントチャートやカンバンなどの画面を拡張した有償ツールです。株式会社アジャイルウェアが開発し、クラウド版とオンプレミス版の両方を提供します。
プレミアムプラン以上では、工数の記録と見積・実績の比較、メンバーの稼働状況の可視化、出来高管理(EVM)、コスト管理の各機能が使えます。コスト管理では工数単価と作業時間から人件費を自動算出し、経費の入力と合わせて予算実績や収支予測を可視化できます。
クラウド版は1ユーザーあたり月額で、フリー0円・スタンダード900円・プレミアム1,400円・ビジネス2,100円(税別、10ユーザー単位)です。工数・原価・EVMの機能はプレミアムプラン以上で利用できます。別途クラウド利用料が月額5,000円〜かかり、全有料プランで30日間の無料トライアルを利用できます。
まとめ
案件・プロジェクト単位の損益管理は、売上から原価を差し引き、原価の中核である工数(労務費)を正しく案件に紐づけることが出発点です。システムを使えば、集計の遅れと属人化を解消し、赤字の兆候を進行中に捉えられます。
製品は収支管理特化型・統合ERP基幹一体型・工数販売管理ベース型の3タイプに分かれ、対応業務範囲と料金が異なります。自社がどこまでの業務をシステムで担いたいか、既存システムと連携できるか、人数規模にコストが合うかを軸に、気になる製品の資料を取り寄せて比較するところから始めてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. プロジェクト損益管理システムとは何ですか?
A. プロジェクト損益管理システムとは、案件(プロジェクト)単位で売上と原価を積み上げ、工数(労務費)や予実まで含めて採算を管理するシステムです。受託開発・制作・コンサルティングなど、人の稼働が主なコストになるプロジェクト型ビジネスで、どの案件が利益を生み、どの案件が赤字なのかを一件ごとに把握するために使います。
損益管理そのものは、事業活動で生じる損失と利益を把握して望ましい状態へ改善していくことを指し、これを案件という単位で行うのがプロジェクト損益管理です。
Q. プロジェクト損益管理システムの費用相場はどれくらいですか?
A. プロジェクト損益管理システムの費用相場は、課金方式によって幅があり、ユーザー単価型で1ユーザーあたり月額数百円〜数千円、収支管理に機能を絞ったクラウド型で月額数万円前後からが目安です。利用人数と必要な機能範囲で総額は大きく変わり、少人数なら月数万円に収まる一方、数十人規模になると月額十数万円以上になることもあります。
基幹業務まで一体で担う統合ERP型は導入規模や必要なモジュールによって総額が大きく変わるため、初期の構築費用を含めた総所有コストで捉え、複数社の見積りを同じ条件で取り寄せて比較するのが現実的です。
Q. プロジェクト損益管理システムは既存の会計・勤怠(工数)システムと連携できますか?
A. 多くの製品が会計ソフトや勤怠・工数システムとのデータ連携に対応しており、連携できれば二重入力を減らせて運用が定着しやすくなります。案件原価の精度は工数と実績がどれだけ正確に集まるかで決まるため、すでに使っているシステムと連携できるかは選定時の重要な確認点です。
とくに工数・販売管理ベース型では、売上や請求を扱う別システムとの組み合わせが前提になる製品もあるため、収支を完結させるために何が必要かを事前に確認しておくとよいでしょう。
Q. プロジェクト損益管理システムはどんなビジネスに向いていますか?
A. 受託開発・システム開発、制作・広告、コンサルティング、士業など、案件ごとに人の稼働が主なコストになるプロジェクト型ビジネスに向いています。一方で、製造業の工程別・品目別原価や建設業の工事原価は、原価の積み上げ方が案件型とは異なるため、それぞれ専用のシステムのほうが適します。案件単位で売上・原価・工数・予実を積み上げて採算を見たい企業が主な対象です。
Q. プロジェクト損益管理システムは導入すればすぐに案件別の損益が見えますか?
A. システムを導入しても自動的に数字が揃うわけではなく、案件の粒度や工数の入力ルールを社内で標準化することが前提になります。どこまでを1案件とするか、工数をどう入力するかを決めないと、集計した数字の精度が安定しません。導入初期には設定やメンバーへの教育に一定の工数がかかることも見込み、無料トライアルやデモで自社の運用に馴染むかを確かめてから本格導入すると、つまずきを減らせます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















