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イベント業の原価管理|案件ごとの外注費・会場費・人件費から粗利を出す方法と管理システム

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管理会計システム比較表(2026年版)のプレビュー

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管理会計システム比較表(2026年版)

イベント制作・運営の現場では、1つの案件に音響・照明・映像・設営などの外注費、会場費や機材レンタル費、設営スタッフや自社ディレクターの人件費が入り混じります。ところが案件が終わってみないと「この案件でいくら利益が残ったのか」がはっきりせず、見積もりはどんぶり勘定、実績はExcelで追いかけるうちに、案件が並行すると集計が追いつかなくなる——そんな状態になっていないでしょうか。

案件ごとの原価と粗利をはっきりさせる鍵は、イベント1件を「原価を集める単位」と決めて、外注費・会場費・人件費をその案件に紐づけて積み上げる考え方にあります。これは会計の世界で個別原価計算と呼ばれ、受注生産・プロジェクト型の事業で使われてきた方法です。

本記事では、イベント業の費目に即した案件別の原価・粗利の出し方を、収支項目の組み立て方や自社スタッフの人件費を工数から乗せる方法まで具体的に整理します。あわせて、手作業の限界と、それを仕組みに移すための原価管理・プロジェクト収支管理システムを紹介します。案件別の採算を見える化したい方が、次の一歩を選ぶための材料としてご活用ください。

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イベント業の原価管理とは|案件を単位に外注費・会場費・人件費を集める

イベント業の原価管理は、イベント1件(案件)を原価の集計単位と決め、その案件のために使った外注費・会場費・人件費などを1つずつ紐づけて積み上げるところから始まります。会社全体の費用をまとめて見るだけでは、どの案件で利益が出て、どの案件が赤字だったのかが分かりません。案件ごとに原価を集めて初めて、案件単位の粗利が見えてきます。

この「1件ごとに原価を積み上げる」やり方は、会計の世界では個別原価計算と呼ばれます。原価計算基準(企業会計審議会が1962年に定めた会計基準)は、個別原価計算を「種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する」ものと定め、「特定製造指図書について個別的に直接費および間接費を集計」すると説明しています。

原価計算基準はもともと製造業を想定した言葉(製品・製造指図書)で書かれていますが、同基準は「業種、経営規模その他当該企業の個々の条件に応じて、実情に即するように適用されるべき」ものとされています。製品を1種類ずつ受注して作る形態に向いた方法なので、製造業の「製品1つ」を「案件1件」に置き換えれば、1件ずつ内容の異なるイベントの受注・運営にも同じ考え方を当てはめられます。

案件ごとの原価と粗利の出し方|収支項目で組み立てる

ここからは、1つのイベント案件の収支をどの項目で組み立てるかを見ていきます。案件の売上から、その案件に紐づく原価を差し引くと粗利(売上総利益)が求められます。財務諸表等規則第83条は「売上高から売上原価を控除した額」を売上総利益金額として表示すると定めており、粗利はこの通称です。粗利率は、粗利を売上で割った割合(粗利÷売上×100)で、案件の採算を比べるときの目安になります。

イベント1案件の収支の流れを示す図。実際売上500万円から直接費(原価合計)370万円(外注240万円・経費60万円・工数70万円)を引いた粗利が130万円で粗利率26%、さらに間接費の配賦30万円を引いた配賦後の案件利益が100万円。架空の展示会ブース制作案件での例。

イベント1件の収支は、たとえば次のような項目で組み立てます(下表は架空の展示会ブース制作案件での例です)。

収支項目金額(例)内容
見積売上5,000,000円受注時に見積もった売上
実際売上5,000,000円実際に請求・計上した売上
外注原価2,400,000円音響・照明・映像・設営などの外注費
経費(直接費)600,000円会場費・機材レンタル費など
工数原価700,000円自社スタッフの人件費(工数×時間単価)
原価合計(直接費)3,700,000円案件に直接ひもづく原価の合計
粗利(売上総利益)1,300,000円実際売上 − 原価合計
粗利率26%粗利 ÷ 実際売上 × 100
(参考)間接費の配賦300,000円本社経費など案件に直接ひもづかない費用の割り当て
(参考)配賦後の案件利益1,000,000円粗利 − 配賦した間接費

ここでの粗利は、案件に直接ひもづく原価(外注費・経費・工数)を売上から引いた売上総利益にあたります。本社経費などの間接費は案件に直接ひもづかないため、さらに一定の基準で各案件に配賦すると、配賦後の案件利益まで見えます(配賦の考え方は後述します)。

見積売上と実際売上を並べておくと、受注時の見込みと実績のズレが分かります。原価も見積段階の予算と実績を対比できるようにしておくと、「どの費目が見込みより膨らんだのか」を案件ごとに振り返れます。

粗利の正確さは、原価をどれだけ漏れなく案件に乗せられるかで決まります。この積み上げを支えるのが、次に見る費目の分解と工数の扱いです。

イベント業の費目を直接費・間接費に分解する

案件に原価を乗せるときは、まず費目を直接費と間接費に分けて考えます。原価計算基準は、この区別を「原価の発生が一定単位の製品の生成に関して直接的に認識されるかどうか」で分類すると定めています。イベント業に置き換えると、ある案件のために使ったと明確に言える費用が直接費、複数の案件にまたがって発生し特定の案件にひもづけられない費用が間接費です。

  • 直接費:音響・照明・映像・設営などの外注費、会場費・機材レンタル費、その案件のために雇った設営アルバイトの人件費、案件専用に発注した備品費など、特定の案件に直接ひもづく費用
  • 間接費:複数案件を掛け持ちする自社ディレクターの人件費、本社家賃、通信費、管理部門の人件費など、1案件に直接ひもづけられない費用

原価計算基準では、原価を形態別に材料費・労務費・経費に分ける見方もあります。イベント業では、外注費や設営アルバイトの賃金、自社スタッフの人件費が労務費・外注加工費にあたり、会場費・機材レンタル費・旅費交通費などが経費にあたります。費用の性質を押さえておくと、どこまでを1案件に直接乗せ、どこからを間接費として扱うかの線引きがしやすくなります。

費目を集めるときは、外注費や会場費は発注書・請求書を案件番号で管理し、工数は日報やタイムシートで記録しておくと、それぞれを案件に紐づけて積み上げられます。

自社スタッフの人件費(工数)を案件原価に乗せる方法|工数×時間単価

イベント業の原価管理でつまずきやすいのが、自社ディレクターや制作スタッフの人件費です。給与は月単位でまとめて支払うため、どの案件にいくら分の人件費がかかったのかが見えにくくなります。これを案件原価に乗せる基本の考え方が、工数(その案件に費やした作業時間)に時間単価を掛ける方法です。原価計算基準も、直接労務費は「実際の作業時間又は作業量に、その賃率を乗じて計算する」と定めています。

時間単価(賃率)の作り方は会計基準が一律に定めているわけではなく、実務上はそのスタッフの人件費を稼働可能時間で割って求めるのが一般的な考え方の一例です。

たとえば、人件費が月45万円、月の稼働可能時間が150時間のスタッフなら、時間単価は3,000円です。このスタッフがあるイベント案件に80時間を費やしたなら、240,000円をその案件の工数原価として乗せます。日報やタイムシートで案件ごとの作業時間を記録しておくと、この計算ができるようになります。

工数を記録せずに人件費を案件に乗せないままでいると、外注費だけを原価と見てしまい、実際には赤字の案件を黒字と誤認する原因になります。自社スタッフが動いた分も原価に含めて初めて、案件の本当の粗利が見えます。

原価計算でつまずきやすい点(間接費の配賦・工数の取りこぼし)

案件別の原価計算でとくに判断に迷うのが、間接費の扱いです。本社家賃や管理部門の人件費のように1案件に直接ひもづけられない費用は、一定の基準で各案件に割り振ります。これを配賦といい、原価計算基準も間接費は「各指図書に配賦する」と定めています。

配賦の基準には、案件ごとの直接人件費の比率や工数の比率などが使われます。たとえば本社経費が月60万円で、その月に動いたA案件の直接人件費が40万円・B案件が20万円なら、人件費の比(2対1)でA案件に40万円・B案件に20万円を配賦します。どの基準が自社の実態に合うかは案件の性質によって変わるので、細かく配賦して運用が回らなくなるより、まずは分かりやすい基準で始めるのが現実的です。

もう1つのつまずきが、工数の取りこぼしです。繁忙期ほど日報の入力が後回しになり、案件に乗せるべき人件費が抜け落ちます。工数が正確に記録されないと、間接費の配賦基準にも実態とのズレが生じます。原価の精度は、現場が工数を入力し続けられる仕組みを保てるかどうかに大きく左右されます。

本記事が引用した原価計算基準は企業会計審議会が1962年に定めた会計基準です。粗利(売上総利益)の定義は、次の法令にもとづきます。

出典・参考資料(1件)

Excel・手作業での案件原価管理の限界|当てはまる症状をチェック

案件数が少ないうちは、Excelでも案件別の原価・粗利を管理できます。ただ、案件が並行して増え、外注先や自社スタッフの数が多くなると、手作業の管理は少しずつ回らなくなります。次のような症状に心当たりがあれば、仕組み化を検討する時期に来ているサインです。

  • 案件の原価が、請求書や支払いが出そろう月末以降にしか見えず、進行中に採算が分からない
  • 自社スタッフの工数を記録しておらず、人件費を案件原価に乗せられていない
  • 見積・発注・実績の数字が別々のファイルに散らばり、転記の際にミスが起きる
  • 案件別の収支表を作れるのが特定の担当者だけで、その人が不在だと集計が止まる
  • 案件が同時に何件も走ると、どの案件がどこまで黒字かをその場で答えられない
  • 赤字になりそうな案件に気づくのが、終わった後になってしまう

これらは、原価の集計を人の手と記憶に頼っていることから生まれる症状です。案件ごとに外注費・経費・工数を入力すれば自動で収支に集計され、誰が見ても同じ数字になる状態を作れば、こうした属人化や集計の遅れを減らせます。その役割を担うのが、次に紹介する原価管理・プロジェクト収支管理システムです。

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案件別の原価・収支を仕組み化する|原価管理・プロジェクト収支管理システム

ここからは、イベント業の案件別の原価・収支を仕組み化するためのシステムを見ていきます。こうしたシステムは、案件ごとに売上・外注費・経費・工数を入力すると、原価と粗利が自動で集計される仕組みを備えています。プロジェクト型ビジネス向けの原価管理システムやプロジェクト収支管理システム、クラウドERP(基幹業務システム)などと呼ばれます。

システムで原価管理を仕組み化するメリット

手作業をシステムに移すと、案件の数字を1か所に集めて自動で計算させられるため、原価管理が変わります。発注や工数を入力した時点で原価に反映され、案件が終わる前に粗利の着地見込みを把握できます。

スタッフが入力した作業時間は時間単価をもとに案件原価へ自動で換算され、決まった入力ルールで誰が入力しても同じ集計結果になるため、特定の担当者への依存も減ります。予算と実績を対比すれば、見込みより原価が膨らんだ案件や赤字になりそうな案件にも早い段階で気づけます。

イベント業(プロジェクト型)に効く機能

イベント業で原価管理システムを選ぶときは、案件を単位にして原価・粗利を積み上げられるかという観点で機能を確認します。とくに次の機能が、イベント業の案件別原価管理に効きます。

  • 案件別の収支ダッシュボード:案件ごとに売上・原価・粗利をまとめて表示し、一覧で採算を確認できる
  • 工数の入力と人件費への自動集計:日報やタイムシートで記録した作業時間を、案件の人件費原価へ自動で反映する
  • 見積〜発注〜請求の一元管理:見積・発注・支払・請求を同じ案件に紐づけ、転記や二重入力を減らす
  • 間接費の配賦:本社経費などを一定の基準で各案件に割り振り、案件原価に反映する
  • 会計ソフトとの連携:すでに使っている会計システムとデータを連携し、原価データの二重入力を避ける

以下は、イベント業をはじめとするプロジェクト型ビジネスの案件別原価・収支管理に対応したサービスの比較です。

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サービス名プロカンReforma PSAクラウドERP ZACマネーフォワード クラウド個別原価
対象業種(イベント業)●イベント・映像制作を明記●イベント業を明記●イベント・ディスプレイを明記△プロジェクト型全般(イベント業の明記はなし)
対象企業規模の目安中小企業が中心(目安)従業員50名まで(目安)従業員50名以上(目安)IPO準備〜中堅・上場企業が中心
案件別の収支・原価管理●案件別に予算・実績・原価を一元管理●仕掛中でも案件別損益を把握●個別原価計算を自動化●プロジェクト単位で個別原価計算
工数→人件費の原価反映●工数×労務単価で原価換算●労務費配賦計算(工数登録が前提)●日報工数を案件別原価へ自動集計●クラウド給与連携で労務費を突合
間接費の配賦●間接費を按分して案件原価に算出●共通費配賦計算(工数登録が前提)●間接費・共通費の配賦を自動化◎配賦基準を複数から選択、多段階配賦に対応
会計ソフト連携●弥生・freee・勘定奉行・マネーフォワード(オプション)●勘定奉行・弥生・マネーフォワード等へファイル連携●奉行・SuperStream・マネーフォワード等(連携先多数)△クラウドERPシリーズ内で連携(外部連携は非公開)
料金(初期/月額)初期150,000円〜
月額30,000円〜(税抜。税込は初期165,000円〜/月額33,000円〜)
初期0円
月額30,000円〜(税抜、ライセンス従量)
初期設定費10万円+導入支援費
月額6万円〜+ライセンス(単価は要見積)
要問い合わせ
(初期・月額とも非公開)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

イベント業の案件別原価・収支管理に対応した主なサービス

1. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカンの公式サイト

株式会社PROCANが提供する、案件単位で進むプロジェクト型ビジネス向けのクラウド型プロジェクト収支管理システムです。案件ごとに予算・実績・工数原価・外注費・経費を集約し、収支をリアルタイムに可視化することを主眼にしています。

公式サイトでは対応業種として「イベント・映像制作」を挙げており、ほかにIT・システム開発、広告・PR代理店、デザイン・Web制作、建設・工事向けのラインナップを展開しています。

案件ごとに予算計画から実績までを一元管理し、経営分析・ダッシュボードで案件別の収支を確認できます。IT導入補助金の対象にもなっており、中小企業を主な対象と読み取れる設計です。導入後の年間継続率は98%以上としています。料金は公式料金ページで初期費用150,000円(税込165,000円)から、月額30,000円(税込33,000円)からと示されており、利用人数(ID数)や機能に応じて変わります。

2. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAの公式サイト

東証プライム上場の株式会社オロが提供するクラウド型ERPで、IT業・広告業・イベント業・コンサルティング業・制作業・設計業など、案件・プロジェクト単位で業務が進む業種を対象としています。販売管理・購買管理・勤怠工数管理・経費管理を一元化し、プロジェクト別の予実・損益を可視化します。

工数の予定と実績を対比して労務費の上振れを把握でき、工数をもとにした労務費配賦や、本社経費などの共通費配賦にも対応します。仕掛中の案件でも案件別損益をタイムリーに把握できる点を訴求しています。

同社はより大規模な企業向けのクラウドERP「ZAC」も提供しており、Reforma PSAは従業員50名までを目安に、初期費用0円・月額3万円(税抜)からの価格体系で案内されています。導入実績は500社以上としています。

3. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

クラウドERP ZACの公式サイト

同じく株式会社オロが提供する、案件・契約・プロジェクト単位で業務を進める企業向けのクラウドERPです。公式サイトの対応業種に「イベント・ディスプレイ」を含み、プロジェクト別の損益管理を軸に、販売・購買・在庫・工程管理までを一元化します。前出のReforma PSAが従業員50名までを目安とするのに対し、ZACは50名以上の規模を目安に、機能や要件に合わせた設定ができる点を訴求しています。

個別原価計算の自動化に対応し、直接費は案件に紐づけ、間接費・共通費の配賦計算を自動で行います。日報(工数)入力を案件別原価へ自動集計し、受注見込み段階で予定売上・予定原価を登録しておけば、月中でも損益の着地見込みを把握できます。

会計パッケージとの連携先も多く公開されています。料金はライセンス制で、初期設定費用10万円(別途、要件に応じた導入支援費)、保守費用(データセンター利用料)が月額6万円から、月額のライセンス単価は見積での確認となります。

4. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド個別原価の公式サイト

「マネーフォワード クラウドERP」シリーズの一つとして2023年に提供が始まった、個別原価管理に特化したシステムです。プロジェクト(案件)単位で、プロジェクト登録・工数入力・費用配賦・個別原価計算・仕訳生成までを1つのシステムで完結させる設計で、すでに会計ソフトを使っている、やや規模の大きい企業が個別原価計算を仕組み化したい場合に向く選択肢です。

工数入力の締め機能を備え、マネーフォワード クラウド給与との連携で労務費データと突き合わせます。間接費・共通経費の配賦基準は、工数比率・従業員数比率・売上予算比率・面積比率といった複数の基準に加え、任意のカスタム基準を設定でき、部門からプロジェクトへの多段階配賦にも対応します。対象はIPO準備企業から中堅・上場企業が中心で、料金は利用内容により変動する非公開の体系です。

案件別の原価・収支の見える化は、予算管理や経営分析を含む管理会計の取り組みの一部でもあります。原価管理にとどまらず管理会計システム全体を、目的や会社規模から比較して選びたい場合は、次の記事でタイプごとの違いと選び方を整理しています。

システムの選び方と費用感の考え方

イベント業の案件別原価管理に使うシステムは、次の観点で、自社に合うものを見極めることが重要です。

  • 自社の業種・事業形態に合うか:イベント・制作などプロジェクト型の業務を想定した機能や、案件単位の収支管理に対応しているかを確認します。公式サイトで対応業種にイベント業や制作業が挙がっているかが目安になります
  • 企業規模に合うか:同じ提供元でも、対象とする従業員規模や価格体系が製品ごとに分かれていることがあります。自社の人数や案件数に見合う製品を選ぶと、過剰な機能やコストを避けられます
  • 工数管理が原価計算とつながっているか:工数の入力が人件費原価へ自動で反映される設計かを確認します。工数管理と原価計算が別々だと、手作業での突き合わせが残ります
  • 既存の会計ソフト・業務システムと連携できるか:すでに使っている会計システムとデータ連携できると、原価データの二重入力を避けられます。連携できる会計ソフトの名称が公開されているかを確認します
  • 導入時の支援があるか:初期設定やデータ移行の支援があると、運用開始までの負担を抑えられます

費用については、この分野のシステムは月額ライセンス料や初期費用を公式サイトで公開していないことが多く、利用人数や契約する機能によって変わります。

初期費用0円から、あるいは月額数万円からと料金を公式サイトで明示している製品もあれば、利用人数や契約する機能によって変わるため見積・問い合わせでの確認となる製品もあります。各製品の料金は本記事の比較表にまとめています。正確な費用感は、候補を絞ったうえで資料請求や問い合わせで確認するのが確実です。

イベント業に限らず、IT・広告・建設などプロジェクト単位で業務が進む事業の収支管理システムを、タイプ別の選び方や料金の目安まで含めて広く見比べたい場合は、次の記事で主要な20サービスを整理しています。

まとめ

イベント業の原価管理は、イベント1件を原価の集計単位と決め、外注費・会場費・人件費を案件に紐づけて積み上げる個別原価計算の考え方が基本です。直接費と間接費を分け、自社スタッフの人件費は工数×時間単価で案件原価に乗せることで、案件ごとの粗利が正確に見えてきます。

案件数が増えてExcel・手作業での集計が限界に近づいたら、案件別の収支を自動集計できる原価管理・プロジェクト収支管理システムの導入が選択肢になります。自社の業種・規模・既存システムとの連携を軸に候補を絞り、費用感は資料請求で確認して、案件別の採算を見える化する一歩につなげてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 個別原価計算とは何ですか?

個別原価計算とは、種類の異なる製品や案件を1件ずつ個別に、その生産・運営にかかった原価を集計する原価計算の方法です。原価計算基準では「種類を異にする製品を個別的に生産する生産形態に適用する」ものと定められており、1件ずつ内容の異なるイベントを受注・運営する事業と相性のよい考え方です。

イベント業では、イベント1件(案件)を原価の集計単位と決め、その案件のために使った外注費・会場費・人件費を紐づけて積み上げます。

Q. 原価計算基準はイベント業のようなサービス業にも使えますか?

原価計算基準はもともと製造業を想定した言葉(製品・製造指図書)で書かれていますが、同基準は業種や経営規模などの実情に即して適用されるべきものとされており、「製品1つ」を「イベント1件」に置き換えればイベントの受注・運営にも同じ考え方を当てはめられます。ただし、基準がサービス業への適用を名指しで定めているわけではないため、自社の費目や案件の実態に合わせて運用を組み立てることが前提になります。

Q. イベント業の原価管理システムの費用はどのくらいですか?

イベント業の原価管理・プロジェクト収支管理システムの費用は、利用人数や契約する機能によって変わり、公式サイトで料金を明示する製品と、見積・問い合わせでの確認となる製品があります。各製品の料金は本記事の比較表にまとめているので、あわせてご確認ください。

正確な費用感は、候補を絞ったうえで資料請求や問い合わせで確認するのが確実です。

Q. イベント業の原価管理システムはどう選べばよいですか?

イベント業の原価管理システムは、自社の業種・事業形態に合うか、企業規模に合うか、工数管理が原価計算とつながっているか、既存の会計ソフトと連携できるか、導入支援があるかという観点で見極めます。公式サイトで対応業種にイベント業や制作業が挙がっているか、工数の入力が人件費原価へ自動で反映される設計かが目安になります。

同じ提供元でも対象規模や価格体系が製品ごとに分かれていることがあるため、自社の人数や案件数に見合う製品を選ぶと過剰な機能やコストを避けられます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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