「バグバウンティ」という言葉を、ニュースやセキュリティ関連の資料、取引先との会話などで見聞きし、意味を正確に確かめたいと考えている方は少なくありません。日本語では「脆弱性報奨金制度」と呼ばれ、企業が自社のシステムの弱点を外部の専門家に見つけてもらう取り組みを指します。
一方で、「脆弱性診断やペネトレーションテストと何が違うのか」「自社で導入するとどんなメリットやリスクがあるのか」といった疑問も生まれやすいテーマです。似たように見える手法が複数あるため、全体像を押さえないまま検討を進めると、自社に合った順序で対策を組み立てにくくなります。
この記事では、バグバウンティ(脆弱性報奨金制度)の定義と仕組みを整理し、脆弱性診断・ペネトレーションテストとの違いを比較表で示します。そのうえで、企業が導入するメリット・リスク、自社で始めるときの準備、そして「まず脆弱性診断で自社の弱点を洗い出す」という現実的な進め方まで解説します。
目次
一括ダウンロードする
バグバウンティ(脆弱性報奨金制度)とは
バグバウンティ(脆弱性報奨金制度)とは、企業や組織が自社のシステム・サービスに潜む脆弱性を外部の専門家に見つけてもらい、報告の内容に応じて報奨金を支払う制度です。「bug(バグ)」に「bounty(報奨金)」を組み合わせた言葉で、脆弱性を報告する担当者はホワイトハッカーやセキュリティ研究者と呼ばれます。
情報処理推進機構(IPA)の「脆弱性診断内製化ガイド」は、バグバウンティプログラムを次のように定義しています。
企業や組織が自社のシステムやサービスに存在する脆弱性を発見してもらうために、外部のセキュリティ研究者やホワイトハッカーに報奨金を支払う制度。公募型の脆弱性診断とも言え、実際の攻撃者視点からの検証が可能になる。発見された脆弱性は修正に活かされ、セキュリティの向上に寄与する。
出典:脆弱性診断内製化ガイド|情報処理推進機構(IPA)
ポイントは「公募型の脆弱性診断」であり「実際の攻撃者視点からの検証が可能になる」という点です。社内や特定のベンダーだけでなく、不特定多数の外部のホワイトハッカーに広く参加を募ることで、あらかじめ想定していなかった角度からの弱点も見つかりやすくなります。
外部の専門家を活用した脆弱性対策が求められる背景
ここからは、外部の専門家を活用した脆弱性対策が求められる背景を整理します。公開されているWebサービスやソフトウェア製品の脆弱性は、継続的に報告され続けている課題です。
「情報セキュリティ早期警戒パートナーシップ」(官民連携の脆弱性届出制度)の受付は、2004年7月に始まりました。IPAの研究会報告書によると、2025年12月末までにソフトウェア製品6,392件・ウェブサイト13,467件の計19,859件(累計)の脆弱性関連情報が届け出られています。
自社の弱点は継続的に生まれ続けており、社内の担当者や特定のベンダーだけで追いきるのは容易ではありません。こうした状況では、外部のホワイトハッカーを広く活用するバグバウンティのような手法が、有力な選択肢の一つになります。
出典・参考資料(1件)
バグバウンティの仕組み
ここからは、バグバウンティでお金と情報がどのように動くのかを整理します。制度は、企業が範囲とルールを定め、外部の研究者が調査・報告し、企業が検証して報奨金を支払う、という流れで運用されます。

- 範囲・ルールの設定: 企業が、調査してよい対象(スコープ)と、テストの進め方・禁止事項・報奨金の基準を定めて公開します。
- 調査・報告: 外部のホワイトハッカーがルールの範囲内で脆弱性を調査し、問題の内容・影響・再現手順を記した報告書を提出します。
- 検証・修正: 企業が報告内容を確認し、実際の脆弱性であることを検証したうえで修正します。
- 報奨金の支払い: 検証できた脆弱性に対して、深刻度に応じた報奨金が支払われます。
報奨金の額は一律ではありません。大手バグバウンティプラットフォームのHackerOneの公式ドキュメントによると、報奨金は対象となる資産と脆弱性の深刻度(severity)にもとづいて算出され、最低額は50ドルと定められています。
影響の大きい脆弱性ほど高い報奨金が設定される運用が一般的で、報奨金は後から増額できる一方、いったん支払った報奨金は取り消せないとされています。「見つけた時間」ではなく「検証できた成果」に対して支払う、成果報酬型の仕組みです。
バグバウンティを支えるプラットフォーム
自社で一から運用の仕組みを作るのは負担が大きいため、企業はバグバウンティプラットフォームを利用するのが一般的です。これらは、ホワイトハッカーの募集・報告の受付・報奨金の管理といった運用を仲介するサービスです。
代表的なプラットフォームには、HackerOne、Bugcrowd、Synack、YesWeHackなどがあります。参加者を集めやすい公開プログラムのほか、招待した研究者だけが参加する非公開プログラムを選べるものもあり、自社の状況に応じて運用形態を選択できます。
大手の運用規模の例として、Googleは2010年から脆弱性報奨金制度(VRP)を続けており、公式ブログによると2024年には600名以上の研究者へ総額で1,200万ドル弱の報奨金を支払ったと公表しています。報奨金の規模は、対象とするサービスの範囲や設定する基準によって大きく変わります。
出典・参考資料(1件)
脆弱性診断・ペネトレーションテストとの違い
バグバウンティを検討する際に最もつまずきやすいのが、「脆弱性診断やペネトレーションテストと何が違うのか」という点です。いずれも自社システムの弱点を扱う手法ですが、目的も進め方も異なります。まずは3つの手法を横並びで比較します。
| 比較項目 | 脆弱性診断 | ペネトレーションテスト | バグバウンティ |
|---|---|---|---|
| 目的 | 既知の脆弱性や設定ミスを網羅的に把握し、修正項目を整理する | 攻撃シナリオを組み立て、侵入・権限昇格・情報奪取が成立するかを実証する(網羅ではない) | 不特定多数の外部研究者に攻撃者視点で脆弱性を発見してもらう(公募型) |
| 実施者 | 専門ベンダーまたは社内の診断担当 | 専門ベンダーまたは社内の担当 | 不特定多数の外部ホワイトハッカー |
| 費用の出方 | 事前契約・工数ベース(自動スキャン+手動診断) | 事前契約・工数ベース(スポット実施) | 成果報酬型(深刻度に応じた報奨金。最低50ドル〜、取り消し不可) |
| 発見できる弱点 | 既知の脆弱性を広く網羅的に | 特定シナリオの侵入可否を深く | 想定外を含む、実際の攻撃者視点での脆弱性 |
| 実施タイミング | リリース前・リリース後に定期的に | 大規模リリース前や年次など、要所でスポットで | プログラム公開中は継続的に |
脆弱性診断・ペネトレーションテストの各軸は脆弱性診断内製化ガイド(IPA)、バグバウンティの各軸はIPAの定義およびHackerOne公式ドキュメントにもとづく
IPAの「脆弱性診断内製化ガイド」は、脆弱性診断を次のように定義しています。既知の弱点を広く洗い出し、報告書として整理するプロセスである点が特徴です。
脆弱性診断とは、システムやアプリケーションに潜む脆弱性を洗い出すために、さまざまな手法を用いて診断を行い、その結果を報告書として提示するプロセスである。診断対象のシステムに対し、データベース化およびナレッジ化された脆弱性の検査リストに照らし合わせ、網羅的にチェックを行い、リスクを明確化することで、開発や運用の段階で適切な修正措置を講じられるよう支援する。
出典:脆弱性診断内製化ガイド|情報処理推進機構(IPA)
一方、ペネトレーションテストは「網羅的に脆弱性を発見する」ものではなく、攻撃者が実際に目的を達成できるかを実証する手法です。同ガイドは、脆弱性診断とペネトレーションテストの違いを次のように整理しています。
目的:攻撃シナリオを組み立て、侵入・権限昇格・情報奪取などの目的が成立するかを実証する。脆弱性診断とは異なり、網羅的に脆弱性を発見するわけではない。
出典:脆弱性診断内製化ガイド|情報処理推進機構(IPA)
費用の出方にも違いがあり、脆弱性診断とペネトレーションテストが事前契約・工数ベースであるのに対し、バグバウンティは発見された成果に応じて報奨金が発生する成果報酬型です。では、この3つをどう使い分ければよいのでしょうか。その現実的な順序は、記事の後半であらためて取り上げます。
一括ダウンロードする
バグバウンティを導入するメリット
ここからは、企業がバグバウンティを導入することで得られるメリットを整理します。社内やベンダーだけでは届きにくい視点を取り込める点が中心です。
- 実際の攻撃者視点で弱点を検証できる: IPAの定義にもあるとおり、バグバウンティは「実際の攻撃者視点からの検証」が可能です。定型の検査リストに沿った診断では拾いきれない、想定外の角度からの脆弱性が見つかることがあります。
- 多様な外部人材の視点を取り込める: 不特定多数のホワイトハッカーが参加するため、社内のリソースや特定ベンダーの手法に縛られず、幅広い知見を活用できます。
- 成果に応じた費用になりやすい: 報奨金は検証できた脆弱性に対して支払う成果報酬型のため、「成果が出たぶんだけ支払う」という費用構造を取りやすい特徴があります。
バグバウンティのリスク・注意点
一方で、バグバウンティには導入前に押さえておきたいリスク・注意点もあります。外部に広く調査を募る仕組みならではの運用負担が生じます。
- 報告を検証・対応する体制が必要: 寄せられた報告が実際の脆弱性かどうかを確認し、修正につなげる社内体制がないと、報告が積み上がるだけになってしまいます。
- 報奨金が想定以上に膨らむ場合がある: 報奨金は発見された脆弱性ごとに発生する成果報酬型です。基本的な弱点を事前に潰しておかないと、数多くの報告に対して支払いが重なり、想定を超えることがあります。
- 外部に調査を委ねることへの配慮が要る: 自社のシステムを外部の研究者に調査してもらう以上、調査してよい範囲・扱ってよい情報の線引きをルールとして明確にしておく必要があります。
自社でバグバウンティを始めるときの準備
ここからは、自社でバグバウンティを始める場合に用意しておきたい項目を整理します。いきなり公開プログラムを立ち上げるのではなく、範囲とルールを先に固めることが出発点です。
- 調査範囲(スコープ)の決定: どのサービス・システムを調査対象にするかを明確にします。HackerOneの解説でも、スコープは「研究者がどの資産をテストしてよいか、どのように進めるべきか」を定めるものと位置づけられています。
- ルール・禁止事項の明文化: テストの進め方や、やってはいけない行為を定めます。無許可でのアクセス検査は法的な問題につながりかねないため、企業側が範囲と許可を明示することが前提になります。
- 報奨金の基準と予算: 深刻度に応じた報奨金の基準と、全体の予算を決めておきます。
- 報告受付と修正の体制: 報告を受け付け、検証し、修正するまでの担当と流れを整えます。まずは招待制の非公開プログラムから始め、運用に慣れてから公開範囲を広げる進め方もあります。
スコープやルールを明確にすることが重要なのは、運用面だけの理由ではありません。不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)は、第三条で「何人も、不正アクセス行為をしてはならない」と定めています。さらに第十一条で、違反者に対する罰則(3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金)を規定しています。
バグバウンティや脆弱性診断は、調査対象の企業が許可とルールを明示してはじめて適法に実施できる取り組みであり、範囲・禁止事項の設定はその前提となります。
出典・参考資料(1件)
まず脆弱性診断で自社の弱点を洗い出す
ここまで見てきたとおり、バグバウンティは「実際の攻撃者視点で継続的に弱点を探してもらう」有力な手段です。ただし、いきなりバグバウンティから始めるのが最適とは限りません。IPAの「脆弱性診断内製化ガイド」は、まず脆弱性診断で網羅的に弱点を把握し、バグバウンティはそれを補完する位置づけとして組み合わせることが望ましいとしています。

一方、未知の攻撃手法や新技術に起因する「想定外の脆弱性(Ā:A以外の領域)」までを網羅的に検出することは難しいため、バグバウンティプログラムや脅威インテリジェンスの活用など、別途補完策を組み合わせることが望ましい。
出典:脆弱性診断内製化ガイド|情報処理推進機構(IPA)
先に触れたとおり、基本的な弱点を残したままでは報奨金の支払いがかさみやすく、いきなりバグバウンティに踏み出すのは得策ではありません。まずは自社が公開・運用しているWebアプリケーション・API・ソースコード・クラウド設定などを脆弱性診断で洗い出し、足元の弱点を修正しておくことが現実的な第一歩です。
ここからは、自社の弱点を洗い出す脆弱性診断サービスを紹介します。まず各サービスの対応範囲や提供形態を比較表で確認してください。
| サービス名 | Aikido Security | Hi AUDIT | CoWorker 脆弱性診断サービス | AeyeScan |
|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | SaaSツール(自動診断) | ツール自動診断+専門家の マニュアル診断(ハイブリッド) | 自社開発AI「Red Agent」+ 社内専門家の二段確認 | クラウド型SaaSツール(自動診断) |
| 主な診断対象 | ソースコード・依存ライブラリ クラウド設定・Webアプリ・API | Webアプリ・API スマートコントラクト(Web3)の監査が中核 | ソースコード・設計書 Webアプリ・API | Webアプリ・SPA(単一ページ型) API(オプション)・Androidアプリ |
| 費用の出方 | サブスクリプション型 (Basicプラン 年額3,780ドル〜) | 成果報酬型 (脆弱性の重大度・件数に応じて課金) | 診断メニュー別の固定料金 (ソースコードAI診断15万円〜) | 回数無制限の定額制 (料金は個別見積もり) |
| 無料で試せるか | 無料プランあり(Developer) | 見積もりまで無料 | 要問い合わせ | 無料トライアルあり(2サイト) |
| 特徴 | コード・クラウド・Webを1画面で検査 日本語窓口(AndGo)あり | 修正完了まで追加料金なしで並走 バグバウンティ基盤と提携 | AIで広く検出し専門家が精査 最短3営業日で報告書を納品 | 専門知識なしで診断を内製化 SaaS型Web診断市場でシェア1位(ITR) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る |
ここで取り上げるのは代表的な数サービスです。脆弱性診断サービスをより幅広く比較し、診断方法の種類や費用相場、自社に合った選び方まで詳しく確認したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
Aikido Security(株式会社AndGo)

Aikido Securityは、ソースコード・依存ライブラリ・クラウド設定・稼働中のWebアプリケーションを1つの管理画面でまとめて検査できる脆弱性診断のSaaSです。ソースコード解析やWebアプリの動的診断、クラウド設定の診断などに対応し、バグバウンティが狙う公開資産の弱点を事前に洗い出す用途に向いています。
専用サーバーの構築やソフトのインストールは不要で、無料で試せるDeveloperプランから有償プランまで段階が用意されています。日本国内では株式会社AndGoが販売・問い合わせの窓口を担い、日本円での請求書払いにも対応しています。アラートの自動トリアージによって誤検知を抑え、検出結果からの修正までを効率化できる点も特徴です。
Hi AUDIT(株式会社TECHFUND)

株式会社TECHFUNDが提供するHi AUDITは、Webアプリケーション・APIなどの脆弱性診断に対応するセキュリティ監査サービスです。スマートコントラクトなどWeb3領域の監査を中核として積み上げてきた実績があり、自動解析ツールと専門家によるマニュアル診断を組み合わせて検証します。
料金は、脆弱性が実際に見つかった場合にのみ、その重大度・件数に応じて課金する成果報酬型を採用しています。バグバウンティプラットフォームのHackenProofをはじめ、開発プロセス全体をカバーする体制づくりに向けた提携も進めており、診断とバグバウンティを含む運用までを視野に入れたい企業の選択肢となります。
脆弱性を事前に発見しておくことの意義について、同社はインタビューで、これまでの監査で得られた実績を次のように説明しています。
当社はこれまで6〜7年で約150社の監査を実施してきました。(中略)特に効果が大きかったのは、金融やフィンテックの領域です。脆弱性を放置したまま攻撃を受けていれば数千万円から数億円規模の被害になり得たものを、事前に発見できた事例が複数あります。
CoWorker 脆弱性診断サービス(CoWorker株式会社)

CoWorker株式会社の脆弱性診断サービスは、自社開発のAI「Red Agent」による自動解析と、社内のセキュリティ専門家による最終確認を組み合わせた二段構成が特徴です。AIで広く検出し、専門家が精査することで、検出結果の確からしさを高めています。
メニューは「ソースコードAI診断」「動的脆弱性診断(Web/API診断)」「実践攻撃シミュレーション診断(ペネトレーションテスト)」の3つで、ソースコード診断から段階的に選べます。最短3営業日での納品をうたっており、公開しているWebアプリケーションやAPIの弱点をスピーディに洗い出したい場合に適しています。
脆弱性診断を実施する頻度の考え方について、同社はインタビューで、近年の攻撃の変化を次のように述べています。

一方で、攻撃者側もAIを活用するようになり、新しく、しかもスピード感の早い攻撃が増えてきています。これまでは年に1回、あるいはサービスをリリースした直後にだけ脆弱性診断を行うという企業が多かったのですが、AIの発達によって攻撃側のスピードが上がっている以上、定期的に診断をしないと危険だという状況になってきました。
AeyeScan(株式会社エーアイセキュリティラボ)

AeyeScanは、株式会社エーアイセキュリティラボが開発・提供するクラウド型(SaaS)のWebアプリケーション脆弱性診断ツールです。専用サーバーの構築やソフトのインストールは不要で、ブラウザからログインして自動診断を実施できます。専門の診断ベンダーに外注しなくても、自社で脆弱性診断を内製化できる点を中心に訴求しています。
ITRの調査では、2024年度のSaaS型Webアプリケーション脆弱性診断・管理市場で売上金額シェア1位とされています。公式サイト(2026年10月時点)では有償契約500社以上の導入が公表されており、Webアプリケーションの弱点を継続的に確認したい企業に向いたツールです。
まとめ
バグバウンティ(脆弱性報奨金制度)は、外部のホワイトハッカーに自社の脆弱性を見つけてもらい、検証できた成果に応じて報奨金を支払う制度です。実際の攻撃者視点で継続的に弱点を探してもらえる一方、報告を検証・対応する体制や、報奨金が膨らむリスクへの備えが欠かせません。
脆弱性診断・ペネトレーションテストとの違いを押さえたうえで、自社に当てはめるなら、まず脆弱性診断で基本的な弱点を網羅的に洗い出し、修正プロセスを整えてからバグバウンティを補完策として組み合わせる進め方が現実的です。自社が公開・運用しているシステムの弱点をまず把握することが、安全にバグバウンティを活用するための出発点になります。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. バグバウンティとは何ですか?
A. バグバウンティ(脆弱性報奨金制度)とは、企業が自社のシステムやサービスの脆弱性を外部のホワイトハッカーに見つけてもらい、報告された脆弱性の深刻度に応じて報奨金を支払う制度です。「公募型の脆弱性診断」とも呼ばれ、不特定多数の外部研究者に広く参加を募ることで、社内や特定ベンダーだけでは気づきにくい、実際の攻撃者視点での弱点を発見できる点が特徴です。
Q. バグバウンティと脆弱性診断・ペネトレーションテストの違いは何ですか?
A. 弱点の探し方と対象範囲が異なります。脆弱性診断は既知の弱点を広く網羅的に洗い出すのに対し、ペネトレーションテストは特定の攻撃シナリオが成立するかを深く実証します。バグバウンティは、不特定多数の外部研究者に攻撃者視点で継続的に探してもらう公募型です。費用も、前の2つが事前契約・工数ベースであるのに対し、バグバウンティは成果報酬型という違いがあります。
目的・実施者・費用・発見できる弱点・実施タイミングの一覧は、本文の比較表をご確認ください。
Q. バグバウンティと脆弱性診断はどちらを先に導入すべきですか?
A. 多くの場合、まず脆弱性診断で基本的な弱点を網羅的に洗い出して修正プロセスを整え、そのうえでバグバウンティを補完策として組み合わせる順序が現実的です。IPAの「脆弱性診断内製化ガイド」も、脆弱性診断だけでは検出が難しい想定外の脆弱性を補う位置づけとしてバグバウンティを挙げています。
基本的な弱点を残したまま始めると、既知の脆弱性に対する報告が数多く寄せられ、報奨金の支払いが想定以上に膨らむおそれもあります。
出典・参考資料(1件)
Q. バグバウンティの報奨金はどのように決まりますか?
A. 報奨金は一律ではなく、対象となる資産と脆弱性の深刻度(severity)に応じて決まり、影響の大きい脆弱性ほど高額になります。大手プラットフォームのHackerOneでは最低額が50ドルと定められており、報奨金は後から増額できる一方、いったん支払った報奨金は取り消せないとされています。
「見つけた時間」ではなく「検証できた成果」に対して支払う成果報酬型のため、総額は発見される脆弱性の数と深刻度によって変動します。
Q. 中小企業でもバグバウンティを導入できますか?
A. 導入自体は可能ですが、体制や予算が限られる中小企業では、まず脆弱性診断から始めるのが現実的な選択肢です。バグバウンティは報告を検証・修正する社内体制と報奨金予算が前提になるため、整わないうちに公開プログラムを立ち上げると運用負担が大きくなりがちです。まず脆弱性診断で足元の弱点を洗い出して修正し、必要に応じて招待制の非公開プログラムから小さく試す進め方が無理がありません。
Q. 日本国内で使えるバグバウンティのプラットフォームはありますか?
A. 代表的な大手プラットフォームはHackerOne・Bugcrowd・Synack・YesWeHackなど海外発のものが中心ですが、いずれも日本企業が利用できます。参加者を広く集める公開プログラムのほか、招待した研究者だけが参加する非公開プログラムを選べるものもあるため、自社の運用体制に合わせて、小さく試してから対象を広げることもできます。
Q. 個人でもバグバウンティに参加できますか?
A. 個人でもホワイトハッカーとしてバグバウンティに参加できますが、報奨金を得るにはWebの仕組み・認証・アクセス制御などの知識が必要です。企業側から見ると、こうした多様なスキルを持つ外部の個人が参加することこそが、社内では気づきにくい脆弱性を実際の攻撃者視点で発見できる仕組みの源泉になっています。
Q. 自社でバグバウンティを始めるには何を準備すればよいですか?
A. 調査範囲(スコープ)、テストのルール・禁止事項、深刻度に応じた報奨金の基準と予算、報告を受け付けて検証・修正する体制の4点を、あらかじめ固めておく必要があります。特にスコープと禁止事項の明確化は欠かせません。無許可でのアクセス検査は不正アクセス禁止法に抵触するおそれがあり、企業側が調査してよい範囲と許可を明示してはじめて適法に実施できるためです。
まずは招待制の非公開プログラムから始め、運用に慣れてから公開範囲を広げる進め方もあります。
出典・参考資料(1件)
脆弱性診断サービスの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、Webアプリやソースコードの脆弱性診断サービスの最新資料を無料で一括請求できます。診断範囲・料金・サポート体制を見比べ、自社の弱点を洗い出す第一歩に役立てられます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















