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公的個人認証(JPKI)とは?仕組みと電子証明書、公的個人認証サービス・認証局の違いをわかりやすく解説

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マイナポータルへのログインやe-Taxでの確定申告、口座開設のオンライン本人確認で「公的個人認証」という言葉を見かけて、正体がわからないまま進めていませんか。公的個人認証(JPKI)とは、マイナンバーカードのICチップに記録された電子証明書を使い、インターネット上で「本人であること」と「データが改ざんされていないこと」を証明する仕組みです。

ただ、「公的個人認証」「公的個人認証サービス」「公的個人認証局」と似た言葉が並び、どれが何を指すのか掴みにくいのも事実です。本記事では、その違いから電子証明書の中身、仕組み、使われている場面までを整理します。

前半は制度の正体を知りたい個人の方に向けた解説、後半は自社サービスに本人確認を組み込みたい事業者に向けた内容です。2027年4月の犯罪収益移転防止法(犯収法)改正で公的個人認証の重要性が高まる背景と、対応するeKYCサービスの選び方まで扱います。

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公的個人認証(JPKI)とは

公的個人認証(JPKI:Japanese Public Key Infrastructure)とは、マイナンバーカードのICチップに記録された電子証明書を使って、オンラインで「本人であること」と「送信データが改ざんされていないこと」を確認する仕組みです。

正式なサービス名称は「公的個人認証サービス」で、行政手続きのオンライン化や各種サイトへのログインで、なりすまし申請やデータの改ざんを防ぐ役割を担います。

総務省は、この仕組みを次のように説明しています。専門的な制度ですが、要点は「ICカードに記録した電子証明書でオンラインの本人確認を行う」という一点に集約されます。

公的個人認証サービスとは、オンラインで(=インターネットを通じて)申請や届出といった行政手続などやインターネットサイトにログインを行う際に、他人による「なりすまし」やデータの改ざんを防ぐために用いられる本人確認の手段です。「電子証明書」と呼ばれるデータを外部から読み取られるおそれのないマイナンバーカード等のICカードに記録することで利用が可能となります。

総務省「公的個人認証サービスによる電子証明書」(soumu.go.jp)

制度の根拠は「電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律」(公的個人認証法、2002年〈平成14年〉法律第153号)です。サービスの提供は2004年(平成16年)1月に始まり、当初は行政手続き向けでしたが、後述するように民間サービスでも利用できるよう広がってきました。

出典・参考資料(3件)

「公的個人認証」「公的個人認証サービス」「公的個人認証局」の違い

ここでは、混同されやすい3つの言葉と、あわせて登場する「署名検証者」を整理します。いずれも同じ制度の別の側面を指す言葉で、指しているものを押さえると全体像が掴みやすくなります。

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公的個人認証公的個人認証サービス公的個人認証局署名検証者・利用者証明検証者
指しているものマイナンバーカードの電子証明書でオンライン本人確認を行う「仕組み・方式」全般を指す総称。JPKIと略される。その仕組みを制度として提供する正式なサービス名称。地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営する。電子証明書を発行・管理する「認証局」を指す通称。実体はJ-LISが運営する認証基盤で、独立した別組織があるわけではない。電子証明書が有効かをJ-LISに問い合わせて確認する側の役割。行政機関のほか、認定を受けた民間事業者もなれる。

「公的個人認証」は仕組みの総称、「公的個人認証サービス」はその公式なサービス名、「公的個人認証局」は電子証明書を発行する認証基盤の通称です。三者は別物ではなく、同じ制度を切り口を変えて呼んでいると捉えると混乱しません。

誰が運営しているのか

電子証明書を発行する主体――さきほどの「公的個人認証局」の実体――は、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)です。公的個人認証法第3条は、住民基本台帳に記録されている人が、住所地の市区町村長を経由してJ-LISに電子証明書の発行を申請できると定めています。実際の申請窓口は市区町村、発行と認証基盤の運営はJ-LISと、役割が分かれています。

制度を所管するのはデジタル庁と総務省です。電子証明書の有効性を確認する「署名検証者」には行政機関や裁判所のほか、認定を受けた民間事業者もなれます。この民間開放が、後述する事業者向けの本人確認サービスの土台になっています。

出典・参考資料(2件)

マイナンバーカードに入っている2種類の電子証明書

ここからは、公的個人認証の実体である電子証明書を見ていきます。マイナンバーカードのICチップには、用途の異なる2種類の電子証明書が記録されています。

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主な用途暗証番号記録される情報有効期限
署名用電子証明書電子文書の作成・送信(例:e-Taxでの電子申請)。「利用者が作成した本物の文書であること」を証明する。6桁〜16桁の英数字氏名・住所・生年月日・性別(基本4情報)発行の日後5回目の誕生日まで(住所・氏名・性別の変更やカード有効期間の満了でも失効)
利用者証明用電子証明書サイトやキオスク端末へのログイン(例:マイナポータルへのログイン、コンビニでの証明書交付)。「ログインした人が本人であること」を証明する。4桁の数字基本4情報は含まない発行の日後5回目の誕生日まで(カード有効期間の満了でも失効)

署名用電子証明書は「実印」、利用者証明用電子証明書は「ログイン用の鍵」とイメージするとわかりやすいでしょう。総務省は用途を次のように説明しています。

署名用電子証明書・・・インターネット等で電子文書を作成・送信する際に利用します(例 e-Tax等の電子申請)。
利用者証明用電子証明書・・・インターネットサイトやコンビニ等のキオスク端末等にログインする際に利用します(例 マイナポータルへのログイン、コンビニでの公的な証明書の交付)。

総務省「公的個人認証サービスによる電子証明書」(soumu.go.jp)

有効期限について、総務省は「原則として発行の日後5回目の誕生日まで有効」としています。さらに署名用電子証明書は、住所・氏名・性別が変更された場合に無効となります。引っ越しや結婚などで記載情報が変わったときは、市区町村での再発行手続きが必要になる点に注意してください。

出典・参考資料(1件)

公的個人認証はどこで使われている?

公的個人認証は、身近なオンライン手続きの背後で使われています。「名前は知らなくても、すでに使ったことがある」という人も少なくありません。代表的な利用場面を挙げます。

  • e-Taxでの確定申告・電子申請:署名用電子証明書で申告書に電子署名し、本人が作成・送信したことを証明します。
  • マイナポータルへのログイン:利用者証明用電子証明書で、行政サービスのポータルに本人としてログインします。
  • コンビニでの証明書交付:キオスク端末で住民票の写しや印鑑登録証明書を受け取る際に利用します。
  • 銀行口座や証券口座のオンライン開設:eKYC(オンライン本人確認)サービスを通じて、公的個人認証で厳格な本人確認を行います。

特に金融機関の口座開設では、後述する犯収法の本人確認手段として公的個人認証が使われる場面が増えています。個人にとっては「マイナンバーカードとスマートフォンだけで、郵送を待たずに手続きが完結する」ことが実感しやすいメリットです。

公的個人認証の仕組みと安全性

ここでは、なぜ公的個人認証が「安全な本人確認」といえるのか、仕組みの面から説明します。中心にあるのは、電子証明書と公開鍵暗号方式という2つの技術です。

電子証明書とは、いわば「デジタルの印鑑証明書」です。マイナンバーカードのICチップには、本人だけが使える秘密鍵と、その持ち主を証明する電子証明書が記録されています。オンラインで手続きするとき、この秘密鍵で電子署名を行い、相手側が電子証明書で「確かに本人の署名で、途中で改ざんされていない」ことを確認します。

この署名と検証を支えるのが公開鍵暗号方式です。秘密鍵と公開鍵はペアになっており、一方で暗号化したデータはもう一方でしか復号できません。秘密鍵はICチップの外に取り出せない設計のため、カードと暗証番号の両方がそろわなければ本人になりすませない点が、安全性の要になっています。

利用時には、証明書ごとに設定した暗証番号(桁数は前掲の表を参照)の入力が必要です。暗証番号を一定回数間違えるとロックがかかり、市区町村での再設定が必要になります。「カードの所持」と「暗証番号の知識」という2つの要素で本人性を担保する仕組みです。

公的個人認証による本人確認の流れを示す図。STEP1マイナンバーカードのICチップに本人だけが使う秘密鍵と電子証明書を記録、STEP2秘密鍵で手続きのデータに電子署名(鍵はカードの外に出せない)、STEP3署名検証者が電子証明書で本人の署名か・改ざんの有無を確認、STEP4電子証明書が有効かをJ-LISに問い合わせて本人確認が完了、の4ステップ。
出典・参考資料(1件)

公的個人認証を使うメリットと注意点

公的個人認証には、他の本人確認手段にはない強みがある一方で、利用者側が知っておくべき制約もあります。両面を整理します。

メリット

最大のメリットは、本人確認の確実性の高さです。国が発行するマイナンバーカードの電子証明書を用いるため、顔写真や書類画像を送る方式に比べて偽造・なりすましのリスクが低く抑えられます。氏名・住所などの最新情報を電子証明書から直接取得できるため、入力ミスや書類の読み取り誤りも起きにくくなります。

手続きがオンラインで完結する点も大きな利点です。従来の郵送による本人確認と異なり、書類のコピー提出や郵便のやり取りを待たずに、口座開設や契約をその場で進められます。

注意点

一方で、利用にはマイナンバーカードと暗証番号が必須です。カードを持っていない人や、暗証番号を忘れた・ロックした人は利用できず、その分だけ手続きの途中離脱が起きやすくなります。署名用電子証明書は住所・氏名・性別の変更で失効するため、引っ越しや改姓の後は再発行が必要です。

また、前掲のとおり電子証明書には有効期限(原則として発行の日後5回目の誕生日まで)があり、更新やカード自体の期限切れで使えなくなります。日常的にオンライン手続きで使う場合は、期限を意識しておくと慌てずに済みます。

【事業者向け】民間利用の広がりと2027年の犯収法改正

ここからは、自社のサービスに本人確認を組み込みたい事業者に向けた内容です。公的個人認証がなぜ今注目されているのか、そして自社でどう使えるのかを整理します。

民間利用の広がりと署名検証者制度

公的個人認証は、もともと行政手続き向けの仕組みでした。総務省によれば2016年(平成28年)1月から民間事業者も電子証明書の有効性を確認する「署名検証者」となり、公的個人認証を活用できるようになりました。これにより、銀行・証券・保険などの民間サービスでもマイナンバーカードによる本人確認が可能になっています。

民間事業者が署名検証者になるには、主務大臣(内閣総理大臣及び総務大臣)の認定が必要です。公的個人認証法第17条第1項第6号にもとづく認定を受け、J-LISへ届出をした事業者が署名検証者となります。ログイン用途で利用者証明用電子証明書を検証する「利用者証明検証者」も、同法第36条により同じ主体が担えます。

認定や届出のハードルがあるため、多くの事業者は次に述べるeKYCサービスを経由して公的個人認証を利用しています。

出典・参考資料(3件)

2027年の犯収法改正で高まる公的個人認証の重要性

公的個人認証が事業者にとって重要になっている最大の理由が、2027年(令和9年)4月1日に施行される犯罪収益移転防止法(犯収法)施行規則の改正です。この改正では、顧客の容貌(自撮り)と写真付き本人確認書類の画像を送信させる方式、いわゆる「ホ方式」が廃止されます。

廃止の背景には、画像は加工や偽変造が比較的容易で、なりすましを完全には防ぎきれないという課題があります。改正後は、マイナンバーカードのICチップを読み取る方式が本人確認の中心になります。具体的には、公的個人認証(現行の犯収法施行規則第6条第1項第1号「カ」方式)をはじめ、ICチップ情報を用いる方式へ移行していく見通しです。

2027年4月の犯収法改正による本人確認方式の移行を示す図。2027年3月までのホ方式(画像送信型)=顔写真(自撮り)と本人確認書類の画像を送信して確認する方式は2027年4月に廃止され、2027年4月以降はICチップ読取型が中心となり、マイナンバーカードのICチップを読み取る方式へ移行して公的個人認証(JPKI)が柱になる。

オンラインで本人確認を行う事業者にとって、公的個人認証への対応は「あれば望ましい」から「実務上避けて通れない」ものへと位置づけが変わりつつあります。

犯収法施行規則の各方式を指す号記号は改正の前後で振り直されるため、公的個人認証(JPKI)を指す号記号も参照する時点で変わります。現行の規則では「カ」方式、2027年施行の新しい規則では別の記号(資料によっては「ワ方式」とも記されます)ですが、いずれも同じ公的個人認証を指します。号記号よりも「画像送信型が廃止され、ICチップ読取型へ移行する」という中身で捉えるのが確実です。

出典・参考資料(2件)

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2025年・2027年の犯収法改正で本人確認の各方式がどう再編され、ホ方式の廃止や公的個人認証(JPKI)方式への移行がどんなスケジュールで進むのか、改正の全体像は以下の記事で詳しく解説しています。自社の本人確認フローを具体的に見直す方は、あわせてご確認ください。

公的個人認証とeKYCの違い・関係

公的個人認証と混同されやすいのがeKYC(electronic Know Your Customer/オンライン本人確認)です。eKYCは、オンラインで本人確認を完結させる手法の総称で、顔写真と身分証の照合、ICチップの読み取りなど複数の方式を含みます。公的個人認証は、そのeKYCの数ある方式のうち、マイナンバーカードの電子証明書を使う一方式という関係です。

eKYCという大きな枠の中に、公的個人認証が含まれる関係です。2027年の改正で画像送信型のeKYCが縮小し、ICチップ読取型――中でも公的個人認証を使う方式――の比重が高まる、という流れを押さえておくと、サービス選定の判断がぶれません。

eKYCと公的個人認証(JPKI)の包含関係を示す図。オンライン本人確認の総称であるeKYCの中に複数の方式が含まれ、顔写真と本人確認書類の画像を照合する画像送信型(2027年改正で縮小)と、マイナンバーカードのICチップを読み取るICチップ読取型があり、ICチップ読取型の中に公的個人認証(JPKI)=マイナンバーカードの電子証明書を使う方式(改正後に比重が高まる)が含まれる。

eKYCそのものの読み方や、公的個人認証以外の本人確認方式も含めた仕組みの全体像は、以下の記事で基礎から整理しています。

自社はどうする?自前で検証者になるかeKYCを使うか

事業者が公的個人認証を使う道は、大きく2つあります。1つは自社で署名検証者の認定を受け、J-LISと直接接続する方法です。認証基盤を自社で持てる一方、主務大臣の認定取得や運用体制の整備といったハードルがあり、多くの事業者には負担が大きくなります。

もう1つが、公的個人認証に対応したeKYCサービスを利用する方法です。すでに署名検証者となっている事業者のサービスを使えば、自社は認定取得なしで公的個人認証を組み込めます。開発の手間や運用負担を抑えられるため、現実的な選択肢として多くの事業者に採用されています。ここでは、公的個人認証(JPKI)に対応した代表的なeKYCサービスを紹介します。

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サービス名ネクスウェイの本人確認(eKYC)TRUSTDOCKLIQUID eKYCe-NINSHO
JPKI(公的個人認証)●アプリ・API提供の2系統●SDK・アプリ・券面撮影併用●署名用証明書で最新4情報を取得●JPKI専業プラットフォーム
JPKI以外の対応方式顔写真+書類画像送信
ICチップ読取+顔写真
郵送
SMS認証
顔写真+書類画像送信
ICチップ読取+顔写真
郵送・銀行API連携ほか
多くの方式に対応
ICチップ読取+顔写真
スマホ搭載マイナンバーカード+生体認証
顔写真+書類画像送信
JPKIに特化
(顔写真照合型eKYCは非提供)
実装方法API(ライブラリ)/アプリ提供型API/アップローダー/専用アプリAPI/JavaScript組込/SDKクラウド型(詳細は要問い合わせ)
BPO(目視確認代行)●●24時間365日対応●審査完了目標15分プランあり公式記載なし
法人確認(KYB)●●法人番号で謄本不要公式記載なし公式記載なし
初期費用50,000円〜要問い合わせ50,000円〜要問い合わせ
月額費用25,000円〜(従量課金制)要問い合わせ
(固定費用+従量課金)
30,000円〜要問い合わせ
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※顔写真+書類画像を送る方式(いわゆるホ方式)は、2027年4月の犯罪収益移転防止法(犯収法)改正で廃止される予定です。料金は2026年9月時点の各社公式情報にもとづきます。

1. ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューション(株式会社ネクスウェイ)

ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューションのウェブサイト

本人確認に必要な工程をひとまとめにできるのが、ネクスウェイの本人確認(eKYC)ソリューションです。犯収法に準拠したクラウド型で、公的個人認証(JPKI)に加えて、書類の目視確認・突合、法人確認、確認後工程のBPO、転送不要郵便の発送追跡までを1つのサービスでカバーします。公的個人認証は、デジタル庁のマイナアプリを使う方式と、自社システムへ組み込むAPI提供型の両方に対応しています。

導入実績は300社以上で、うち犯収法の特定事業者が100社以上を占めると公表しています。暗号資産交換業者や証券会社など、厳格な本人確認が求められる事業者での採用が多く、複数の確認手段を組み合わせて運用したい事業者に向いています。

2. TRUSTDOCK(株式会社TRUSTDOCK)

TRUSTDOCKのウェブサイト

TRUSTDOCKは、個人向けの本人確認と法人確認(KYB)の両方をカバーするeKYCプラットフォームです。マイナンバーカードを使う公的個人認証に対応し、JPKI専用サービスとしてSDK組み込み・アプリ連携・券面撮影とのハイブリッド運用の3パターンを用意しています。確認業務の一部または全部を専任スタッフに委託できるBPOを24時間365日体制で提供する点も特徴です。

実装はAPI・JavaScriptアップローダー・専用アプリの3系統から選べます。個人・法人の確認を1つのプラットフォームにまとめたい事業者や、目視確認の運用まで外部委託したい事業者に適しています。

3. LIQUID eKYC(株式会社Liquid)

LIQUID eKYCのウェブサイト

LIQUID eKYCは、2019年から提供されているオンライン本人確認サービスです。公的個人認証(JPKI)に対応し、マイナンバーカードの署名用電子証明書で有効性を確認したうえで氏名・住所などの最新情報を取得します。1本のAPIに接続するだけで、iOSのApp ClipやAndroidのスマホ用の読み取りチャネルを自動で振り分ける仕組みを備えています。

金融・通信・暗号資産取引など幅広い業種で導入されており、料金は公式サイトで公開されています。読み取りチャネルの使い分けを自社で作り込まず、まとめて任せたい事業者に向いた設計です。

4. e-NINSHO(公的個人認証サービスプラットフォーム)(株式会社野村総合研究所)

e-NINSHO(公的個人認証サービスプラットフォーム)のウェブサイト

野村総合研究所(NRI)が公的個人認証に特化して提供するクラウドサービスが、e-NINSHOです。マイナンバーカードの署名用・利用者証明用電子証明書と電子署名を活用し、オンラインで本人確認(署名検証)を行います。公的個人認証サービスへの接続に必要な認定を受けた事業者として、2017年からプラットフォームを提供しています。

マイナンバー法・犯収法上の本人確認要件を満たす設計で、金融機関の口座開設など厳格な本人確認が求められる場面で採用されています。証券・銀行・保険をはじめ幅広い業種での導入実績があり、公的個人認証を軸にした確実な本人確認基盤を求める事業者に適しています。

また、以下の記事ではeKYC・本人確認サービス全般について、対応する本人確認方式や導入費用、2027年の法改正を踏まえた失敗しない選び方まで詳しく解説しています。自社に合うサービスを幅広く比較検討したい方は、あわせてご覧ください。

まとめ

公的個人認証(JPKI)は、マイナンバーカードの電子証明書を使ってオンラインで本人確認と改ざん検知を行う仕組みです。「公的個人認証」は方式の総称、「公的個人認証サービス」は正式なサービス名、「公的個人認証局」は電子証明書を発行する認証基盤の通称であり、いずれもJ-LISが運営する同じ制度を指します。マイナンバーカードには署名用と利用者証明用の2種類の電子証明書があり、用途と暗証番号が異なります。

事業者にとっては、2027年4月の犯収法改正で画像送信型の本人確認が縮小し、公的個人認証を含むICチップ読取型への対応が実務上の前提になりつつあります。自前で署名検証者になる道もありますが、認定や運用の負担を考えると、公的個人認証に対応したeKYCサービスを活用する選択肢が現実的です。自社の確認フローや対象顧客に合わせて、対応方式・実装形態・サポート体制を比較し、最適なサービスを選んでください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 公的個人認証(JPKI)とは何ですか?

A. 公的個人認証(JPKI)とは、マイナンバーカードのICチップに記録された電子証明書を使い、オンラインで「本人であること」と「データが改ざんされていないこと」を証明する国の仕組みです。正式名称は「公的個人認証サービス」で、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営します。

行政手続きのオンライン申請や、民間サービスへのログイン・本人確認で、なりすまし申請やデータの改ざんを防ぐ役割を担います。

Q. 「公的個人認証」「公的個人認証サービス」「公的個人認証局」は何が違いますか?

A. 「公的個人認証」は仕組みの総称、「公的個人認証サービス」はその正式なサービス名、「公的個人認証局」は電子証明書を発行する認証基盤の通称であり、いずれもJ-LISが運営する同じ制度を別の切り口で呼んだものです。三者は別組織ではありません。あわせて、電子証明書が有効かをJ-LISに問い合わせて確認する側は「署名検証者・利用者証明検証者」と呼ばれ、行政機関のほか認定を受けた民間事業者もなれます。

Q. 公的個人認証の暗証番号を忘れた・ロックされたときはどうすればよいですか?

A. 暗証番号を忘れた場合やロックがかかった場合は、住所地の市区町村の窓口で再設定(初期化)の手続きを行う必要があります。公的個人認証では、署名用電子証明書に6桁〜16桁の英数字、利用者証明用電子証明書に4桁の数字の暗証番号を使い、一定回数続けて間違えるとロックされます。再設定にはマイナンバーカードと本人による窓口での手続きが必要です。

Q. 公的個人認証(電子証明書)の有効期限はいつまでで、更新は必要ですか?

A. 電子証明書の有効期限は、署名用・利用者証明用のいずれも原則として発行の日後5回目の誕生日までで、期限が切れる前に市区町村での更新手続きが必要です。また署名用電子証明書は、引っ越しや結婚などで住所・氏名・性別が変わると失効するため、その場合は再発行が必要になります。マイナンバーカード自体の有効期間が満了したときも、電子証明書は同時に失効します。

出典・参考資料(1件)

Q. 公的個人認証はマイナンバーカードがないと使えませんか?

A. 公的個人認証は電子証明書がマイナンバーカードのICチップに記録される仕組みのため、原則としてマイナンバーカードがないと利用できません。カードを持っていない人や、暗証番号を忘れた・ロックした人はその場では利用できません。事業者が本人確認手段として公的個人認証を採用する際は、カードを持たない利用者向けの代替フローもあわせて設計しておく必要があります。

Q. 公的個人認証とeKYCは何が違いますか?

A. eKYCはオンラインで本人確認を完結させる手法の総称で、公的個人認証はそのeKYCに含まれる一方式(マイナンバーカードの電子証明書を使う方式)です。eKYCには顔写真と本人確認書類を照合する方式などもありますが、2027年4月の犯収法改正で画像送信型が縮小し、公的個人認証を使うICチップ読取型の比重が高まる見通しです。

Q. 事業者が公的個人認証を自社サービスに導入するにはどうすればよいですか?

A. 事業者が公的個人認証を使う方法は、自社で署名検証者の認定を受けてJ-LISと直接接続する道と、公的個人認証に対応したeKYCサービスを利用する道の2つがあります。自前で署名検証者になるには主務大臣の認定取得や運用体制の整備が必要でハードルが高いため、多くの事業者は認定取得が不要なeKYCサービス経由で公的個人認証を導入しています。

Q. 2027年の犯収法改正で公的個人認証の位置づけはどう変わりますか?

A. 2027年4月施行の犯収法施行規則の改正で、顔写真と本人確認書類の画像を送る「ホ方式」が廃止され、マイナンバーカードのICチップを読み取る公的個人認証を中心としたICチップ読取型の本人確認へ移行します。これにより、オンラインで本人確認を行う事業者にとって、公的個人認証への対応は「あれば望ましい」から「実務上避けて通れない」ものへと位置づけが変わりつつあります。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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