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会計システムの選び方|種類の違いと判断基準を規模別に解説

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クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

手作業やExcel、古いソフトでの会計処理に限界を感じ、会計システムの導入や乗り換えを考え始めたものの、「何を基準に選べばよいのか」が分からず迷っている企業は少なくありません。会計システムは種類も価格も幅が広く、判断の物差しを持たないまま比較を始めると、自社に合わないものを選んでしまいがちです。

本記事では、会計システムの選び方を、確認すべき判断基準・種類の違い・規模別の優先順位という順で整理します。あわせて、電子帳簿保存法やインボイス制度で会計ソフトに求められる要件、導入でつまずきやすい点まで解説します。

記事後半では、選び方の軸に沿って候補になりやすい主要なクラウド会計ソフトも紹介します。自社に合う会計システムを絞り込み、資料請求や比較検討に進むための材料として活用してください。

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会計システムとは?会計ソフト・経理システムとの違い

会計システムとは、日々の仕訳入力から帳簿の作成、決算書の出力までを支援するソフトウェアです。銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、仕訳や集計を自動化することで、紙やExcel中心の経理を効率化します。「会計ソフト」とほぼ同じ意味で使われ、本記事でも両者を同じものとして扱います。

経理システムという言葉は、会計に加えて請求・経費精算・給与計算といった周辺業務まで含めて指すことがあります。会計システムはその中核にあたり、仕訳と決算を担う部分と考えると整理しやすくなります。まずは、どの会計システムを選ぶ場合でも共通して確認したい判断基準から見ていきます。

会計システムの選び方|確認すべき判断基準【チェックリスト】

ここからは、会計システムを選ぶときに確認したい判断基準を整理します。すべてを同じ重さで見る必要はなく、自社の課題に関わる軸から優先して確認すると、候補を絞り込みやすくなります。

確認したい軸は、機能・規模や業種への適合・操作性・費用・法改正対応・他システムとの連携・サポート体制・拡張性・セキュリティ・導入運用の体制(自社運用か外部委託か)の10点です。まず全体を見渡し、気になる軸の説明を読んでください。

  • 必要な機能が備わっているか:仕訳・帳簿・決算書作成という基本機能に加え、自社に要る機能(部門別会計、固定資産管理、見積・請求、経費精算など)がそろっているかが出発点です。使わない機能が多いと費用対効果が下がり、不足していると別ツールの併用が必要になります。
  • 自社の規模・業種に合っているか:想定している取引件数や従業員数に合うか、同業種での導入実績があるかが判断材料になります。規模によって優先すべき軸が変わるため、詳しくは後述の規模・課題別の選び方で解説します。
  • 操作性・使いやすさ:実際に入力・確認する担当者が無理なく使えるかどうかが大切です。簿記の知識が浅くても使える設計か、画面が分かりやすいかは、導入後の定着を左右します。無料トライアルで実際の入力を試すと、使い勝手を具体的に確かめられます。
  • 費用(初期費用・月額・追加料金):初期費用と月額料金に加え、利用人数の追加料金やオプション費用まで含めた総額で見比べるのがポイントです。クラウド型は初期費用がかからないことが多い一方、利用人数やプランで月額が変わります。目安として、自社で運用するクラウド型は月額数千円から、記帳代行まで含む型は月額数万円から、内部統制対応の高機能型は見積もり対応が中心です。
  • 法改正への対応:電子帳簿保存法やインボイス制度といった制度変更への対応は欠かせません。「対応」と書かれていても要件の範囲は製品で異なるため、具体的に何に対応しているかは後述の法改正対応で整理します。
  • 他システムとの連携:すでに使っている給与計算・販売管理・経費精算などと連携できるかが鍵になります。API連携やデータの取り込みに対応していれば、二重入力を減らせます。銀行口座・クレジットカードの明細を自動取得できるかも、記帳の自動化に直結します。
  • サポート体制:導入時や決算期に相談できる窓口があるかは見落とせません。チャット・メール・電話のどこまで対応するか、仕訳相談まで受けられるかはプランによって差があります。経理に不慣れな場合ほど、サポートの手厚さが安心材料になります。
  • 拡張性・成長への対応:事業が成長して取引件数や拠点が増えたときに、上位プランや機能追加で対応できるかも大切な視点です。将来の内部統制対応や連結決算まで視野に入るなら、同じシリーズで段階的に拡張できるかも見ておきたいところです。
  • セキュリティ:会計データは機密情報のため、通信の暗号化やアクセス権限の設定、バックアップ体制が気になる点です。クラウド型では提供事業者のセキュリティ対策や、第三者認証(ISO/IEC 27001など)の取得状況も確認の目安になります。
  • 導入・運用の体制(自社運用か外部委託か):自社で入力・運用するのか、記帳代行を含めて外部に任せるのかで選ぶ対象が変わります。経理の人手が足りない場合は、ソフトと代行をあわせて提供するサービスも選択肢に入ります。

会計システムの種類(クラウド型・インストール型・オンプレミス型)の違いと選び分け

会計システムは、提供・利用の形態で大きく「クラウド型」「インストール型(パッケージ型)」「オンプレミス型」の3つに分かれます。選定で最初に分かれる分岐のため、違いを一覧で押さえておきましょう。

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種類クラウド型インストール型(パッケージ型)オンプレミス型
初期費用の目安無料〜少額ソフト購入費が発生サーバー構築費などで高くなりやすい
アップデート・法改正対応提供事業者が自動で更新自社で更新版の購入・適用が必要自社で保守・改修
利用できる場所インターネット環境があればどこからでもインストールした端末自社ネットワーク内
カスタマイズ性標準機能中心(限定的)製品の範囲内高い(自社要件に合わせやすい)
セキュリティ管理の主体主に提供事業者自社自社

※上記は各種類の一般的な傾向です。実際の費用・対応範囲は製品によって異なります。

中小企業では、初期費用を抑えやすく、法改正対応や明細の自動取得を提供事業者に任せられるクラウド型が選ばれることが増えています。テレワークや複数拠点での同時作業が必要な場合も、場所を選ばないクラウド型が向きます。一方で、自社独自の会計処理を細かく作り込みたい、外部にデータを置きたくないといった要件が強い場合は、カスタマイズ性の高いオンプレミス型や、手元で完結するインストール型が候補になります。

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【規模・課題別】自社に合う会計システムの選び方

同じ判断基準でも、企業の規模や経理体制によって優先したい軸は変わります。自社に近い状況から、重視すべきポイントを確認してください。

企業規模ごとに優先したい会計システムの選び方の軸を3段階で示した図解。ひとり経理・専任がいない場合は操作のしやすさ・記帳の自動化・サポートを重視。従業員数名〜30名では他業務との連携・複数人利用・拡張性を重視。従業員30〜300名の中堅・成長期では内部統制対応・仕訳の申請承認や操作ログ・IPO要件を重視。規模が大きくなるほど優先する軸が変わることを示す。

ひとり経理・経理専任がいない場合に優先したい軸

経理の専任者がいない、あるいは一人で担っている段階では、操作のしやすさと記帳の自動化が最優先になります。簿記の知識が浅くても入力を進められる設計か、銀行口座・クレジットカードの明細を自動で取り込めるかを確認すると、日々の負担を抑えられます。困ったときに相談できるサポートの手厚さも、安心して続けられるかどうかを左右します。

従業員数名〜30名規模で優先したい軸

この規模では、会計だけでなく請求や経費精算といった周辺業務との連携や複数人での利用が重視されやすくなります。担当者が複数人になるため、同時に作業できるか、権限を分けられるかを確認します。あわせて、費用対効果と、事業の成長に応じてプランを広げられる拡張性も見ておくと、短期間での乗り換えを避けられます。

経理1〜数名の体制を前提に、中小企業向けの製品を年額や税理士連携まで含めて具体的に比較したい場合は、「中小企業向け会計ソフト比較16選|経理1〜数名の体制・年額・税理士連携で選ぶ」もあわせてご覧ください。

従業員30〜300名(中堅・成長期)が優先したい軸

組織が大きくなると、関連業務の自動化に加えて内部統制への対応が重要になります。仕訳の申請・承認フロー、操作ログの記録、権限管理といった機能があると、決算の正確性と監査対応を両立しやすくなります。IPO(新規上場)準備を見据える場合は、監査法人との共有や上場企業に求められる要件を満たせるかも確認の対象になります。

会計システムの法改正対応(電子帳簿保存法・インボイス制度)で確認すべきこと

「法改正に対応しているか」は選び方の重要な軸ですが、何に対応が必要かまで確認しないと製品を比べられません。ここでは電子帳簿保存法とインボイス制度について、会計ソフトに求められる要件を整理します。

電子帳簿保存法で会計ソフトに求められること

電子帳簿保存法で全事業者に義務づけられた電子取引データの保存について、満たすべき2つの要件を示した図解。真実性の確保はタイムスタンプの付与、または訂正・削除の履歴が残るかできないシステムでの保存のいずれか。可視性の確保は整然と出力できる環境と、取引年月日・金額・取引先での検索・範囲指定・組み合わせ検索の両方。会計ソフト選びでは訂正・削除履歴が残る保存機能と検索機能があるかを確認する。

電子帳簿保存法のうち、まず押さえたいのは義務と任意の区別です。メールやWebでやり取りした請求書・領収書などの電子取引データは、電子のまま保存することがすべての事業者に義務づけられています(電子帳簿保存法第7条)。令和4年度税制改正で設けられた紙出力による保存の宥恕措置は、令和5年(2023年)12月31日をもって廃止されました。

一方、紙の書類をスキャンして保存するスキャナ保存や、帳簿を電子データのまま保存する電子帳簿等保存は、紙保存に代えてもよい任意の方法です(同法第4条)。

電子取引データの保存では、「真実性の確保」と「可視性の確保」が求められます。真実性の確保では、タイムスタンプを付す方法のほか、訂正・削除の履歴が残る、または訂正・削除ができないシステムで保存する方法などのいずれかを満たす必要があります。会計ソフトを選ぶ際は、この訂正・削除の履歴に関する要件を満たす保存機能があるかが確認ポイントになります。

可視性の確保では、画面・書面に整然と出力できる環境(パソコン・ディスプレイ・プリンタと操作説明書の備付け)に加え、次の検索機能が求められます。

イ 取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先(ロ及びハにおいて「記録項目」という。)を検索の条件として設定することができること。
ロ 日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
ハ 二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。

出典:電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則 第2条第6項第5号|e-Gov 法令検索

具体的には、取引年月日・取引金額・取引先で検索でき、日付や金額の範囲指定、複数項目の組み合わせ検索ができることが要件です。なお、2課税年度前(基準期間、おおむね前々年度)の売上高が5,000万円以下の事業者などは、税務調査の際にデータのダウンロードの求めに応じられるようにしていれば、この検索機能の要件は不要とされています。

電子帳簿保存法そのものの全体像や、対応するメリット・導入の進め方を詳しく知りたい場合は、「電子帳簿保存法はデメリットしかない?メリットと導入のポイントを徹底解説」もあわせてご覧ください。

出典・参考資料(3件)

インボイス制度で会計ソフトに求められること

インボイス制度(適格請求書等保存方式)では、売り手が交付する適格請求書に次の記載事項が必要です。請求書発行機能を持つ会計ソフトを選ぶ場合、これらを出力できるかが確認ポイントになります。

① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 取引年月日
③ 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
④ 税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜き又は税込み)及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称

出典:適格請求書等保存方式の概要 -インボイス制度の理解のために-(令和8年4月)|国税庁

特に、登録番号、税率ごとに区分した対価の額と適用税率、税率ごとの消費税額を正しく出力できることが求められます。適格請求書は書面に代えて電子データ(電子インボイス)で提供することもでき、その場合の記載事項は書面と同じです。

買い手の側では、仕入税額控除を受けるために、一定の事項を記載した帳簿と適格請求書などの保存が要件になります。これらは原則として課税期間に係る確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存し、8%と10%の税率ごとに区分して経理する必要があります。会計ソフトがこの税率ごとの区分経理と保存に対応しているかを確認しておくと、申告時の手間を抑えられます。

出典・参考資料(1件)

会計システムの選定・導入でよくある失敗と注意点

選び方の軸が整理できても、導入の進め方でつまずくと、せっかくの会計システムが使われずに終わることがあります。検討段階で押さえておきたい注意点を挙げます。

第一に、機能の多さだけで選ばないことです。高機能でも、自社の業務に合わなかったり担当者が使いこなせなかったりすると定着しません。導入で解決したい課題を先に書き出し、その課題に効く機能があるかで判断すると、過不足のない選択につながります。

第二に、データ移行と初期設定を軽く見ないことです。乗り換えでは、既存の残高や取引データの引き継ぎ、勘定科目・口座連携・税区分の設定でつまずきやすくなります。移行の手順や対応範囲を事前に確認し、繁忙期を避けて移行時期を決めると、混乱を抑えられます。

第三に、現場の担当者を検討に巻き込むことです。実際に入力・確認する担当者の意見を聞かずに決めると、操作性が合わず運用が回らなくなることがあります。無料トライアルがある場合は、普段に近い取引を実際に入力して、操作感やサポートの対応を試しておくと安心です。

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会計システムの選び方に沿ったおすすめ比較とサービス紹介

ここまでの選び方の軸をふまえて、タイプの異なる主要なクラウド会計ソフトを紹介します。自社で運用する定番型、記帳から申告までを任せる外部委託型、内部統制に対応した高機能型という3つの方向から、自社に近いものを検討してください。

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サービス名弥生会計 NextTenbook(テンブック)マネーフォワード クラウド会計Plus
提供形態クラウド会計ソフト
(会計・請求・経費を一体化)
クラウド会計ソフト+
記帳・決算・申告の代行
クラウド会計ソフト
(内部統制対応の高機能型)
対象企業規模法人専用
(1人〜300人未満の導入事例)
創業期〜中小企業
(売上5億円以下が主対象)
IPO準備・中堅〜上場
初期費用0円0円要見積もり
月額費用2,900円〜7,000円
(税抜・年契約の月あたり換算)
29,500円〜43,500円
(記帳代行込み・決算料不要)
要見積もり
(利用ID数に応じる)
電子帳簿保存法・インボイス対応●電帳法はJIIMA認証取得●対応(JIIMA認証は非公表)●電帳法はJIIMA認証取得
無料トライアルあり
(最大2か月・決算書機能は対象外)
記帳代行は明記なし
(10bookソフト単体は30日間)
なし
(無料見積もり・相談あり)
サポート体制プランに内包
(チャット〜電話・仕訳相談)
専門家チームが代行
(原則3名体制・電話/メール)
セルフ/サクセス
(専任担当の伴走支援)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るミーティングを予約する

※「●」は各社が公表する対応状況を示します。料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報によります。

弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextのウェブサイト

弥生会計 Next は、弥生株式会社が2025年4月に提供を始めた法人向けのクラウド会計ソフトです。会計(帳簿・決算書作成)に加え、請求業務や経費精算、証憑の保存を同じシステム内で扱える点を打ち出しています。デスクトップ版の弥生会計や弥生会計 オンラインからのデータ移行にも対応しています。

2,500以上の金融機関と連携して明細を自動取得し、会話するように入力した取引からAIが仕訳を生成する機能など、記帳の自動化の幅が広い点が特徴です。料金は初期費用0円、年額34,800円(税抜)からで、サポートの範囲でプランを選べます。電話での操作サポートや仕訳相談まで必要なら上位プランが対象です。最大2か月の無料体験も用意されています(2026年10月時点)。

Tenbook(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)のウェブサイト

公認会計士・税理士が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社が提供する Tenbook(テンブック)は、クラウド会計ソフト「10book」と、記帳代行・決算・税務申告をひとまとめにしたサービスです。日々の記帳から月次処理、決算、法人税申告までを専門家チームがオンラインで一気通貫に代行・サポートします。

自社で入力するのではなく、経理業務そのものを任せられる点が、ソフトを自分で操作するタイプとの違いです。経理の人手が足りない新設法人や創業期の企業が、体制づくりごと相談できる選択肢になります。料金は初期費用0円で決算料は不要、月額29,500円(免税事業者)からの定額制です(2026年10月時点)。

経理を外部に委託する判断は、どのような状況で検討されることが多いのでしょうか。公認会計士・税理士でもあるシンアカウンティングサービス代表の上田氏は、相談につながりやすい現場の背景を次のように話しています。

上田氏
シンアカウンティングサービス株式会社 代表取締役
上田氏
独自インタビューより

分かりやすいのは、経理リソースが不足している企業です。特に新設法人だと、経理に時間も人も割けないですし、経理フローを構築する知識や経験も不足しがちです。それと、経理担当者の退職などで業務が不安定になるケースもよくあります。属人的なフローになっていると引き継ぎが大変ですし、退職に伴って経理が回らなくなるリスクが出てきます。

マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plusのウェブサイト

マネーフォワード クラウド会計Plus は、IPO準備や上場を見据える中堅〜上場企業向けに、内部統制の機能をそなえた会計ソフトです。明細の自動取得やAIによる科目提案といった使いやすさを保ちつつ、仕訳の申請・承認、権限管理、操作ログ、月次締めといった機能を実装しています。

監査法人とシステムを共有して証憑の照会などをWeb上で行えるため、監査対応の効率化まで見据えられる点が強みです。既存の基幹システムを活かしながら、不足する機能を補う形で段階的に導入する使い方もできます。導入実績は2,000社以上で、料金は利用する人数(ID数)によって変わるため見積もり制です(2026年10月時点)。

内部統制に対応した会計システムをどのような企業が検討するのか、提供元のマネーフォワードの栗本氏は導入相談の傾向を次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

最も多いのは、IPOや上場を目指していて内部統制をしっかり整えたい、J-SOX対応の必須要件に対応したいという中堅企業からのご相談です。導入の主導は経理の責任者が中心になることが多く、IPO準備など全社的な取り組みの文脈ではCFOが関与されるケースも少なくありません。

ここでは選び方の軸に沿って3つのサービスを取り上げましたが、クラウド会計ソフトにはこのほかにも多くの製品があります。規模・タイプ別の選び方や料金とあわせて、主要な製品を横並びで比較して候補を広げたい場合は、以下の記事もご覧ください。

まとめ

会計システムは、必要な機能・規模への適合・操作性・費用・法改正対応・連携・サポート・拡張性・セキュリティ、そして自社運用か外部委託かという軸で比較すると、自社に合うものを絞り込めます。まずはクラウド型・インストール型・オンプレミス型の違いを押さえ、自社の規模と課題から優先する軸を決めるのが近道です。

電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は、「対応」の一言ではなく、電子取引データの保存要件や適格請求書の記載事項といった中身まで確認すると安心です。気になる会計システムは資料を取り寄せ、無料トライアルで操作感を試したうえで比較検討を進めてください。

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会計システムの選び方に関するよくある質問(FAQ)

Q. 会計システムと会計ソフトの違いは何ですか?

A. 会計システムと会計ソフトは、ほぼ同じ意味で使われる言葉です。どちらも仕訳入力から帳簿の作成、決算書の出力までを支援するソフトウェアを指します。これに対して「経理システム」は、会計に加えて請求・経費精算・給与計算といった周辺業務まで含めて指すことがあり、会計システムはその中核(仕訳と決算を担う部分)にあたると整理すると分かりやすくなります。

Q. 会計システムはクラウド型とインストール型のどちらを選べばよいですか?

A. 初期費用を抑え、法改正対応や明細の自動取得を提供事業者に任せたい中小企業はクラウド型、自社独自の会計処理を作り込みたい・外部にデータを置きたくない場合はインストール型やオンプレミス型が候補です。費用・法改正対応の手間・利用場所・カスタマイズ性で判断します。種類ごとの違いは本文「種類の違いと選び分け」で整理しています。

Q. 無料で使える会計システムはありますか?

A. 無料で使える会計システムもありますが、多くは機能や登録できる仕訳件数、サポートの範囲に制限があります。有料プランを一定期間試せる「無料トライアル」と、機能を絞った「無料プラン」は別物です。

小規模なうちは無料でも足りることがありますが、取引が増えたり法改正対応やサポートが必要になったりすると有料プランが要る場合が多いため、まず無料トライアルで操作感を確かめ、将来の拡張性まで見て選ぶことをおすすめします。

法人・個人事業主それぞれでどこまで無料で使えるかを具体的に比べたい場合は、「無料で使える会計ソフト17選|法人・個人事業主別に「どこまで無料か」を比較」もあわせてご覧ください。

Q. ひとり経理や小規模な会社でも会計システムは使えますか?

A. ひとり経理や従業員数名の会社でも会計システムは使えます。操作のしやすさと記帳の自動化(明細の自動取り込み)、困ったときのサポートを重視して選ぶと、一人でも無理なく続けられます。規模別に優先したい軸は本文「規模・課題別の選び方」もあわせてご覧ください。

Q. 会計システムを乗り換えるタイミングはいつがよいですか?

A. 会計システムの乗り換えは、既存データの引き継ぎや初期設定に手間がかかるため、繁忙期や決算期を避けた時期に行うのが安全です。新しい会計年度の始まり(期首)に合わせると、年度の途中でデータが分断されず移行しやすくなります。乗り換えでは残高・取引データの引き継ぎ、勘定科目・口座連携・税区分の設定でつまずきやすいため、移行の手順や対応範囲を事前に確認し、余裕のあるスケジュールを組んでください。

Q. 会計システムで電子帳簿保存法への対応は必須ですか?

A. 電子取引データ(メールやWebで受け取った請求書・領収書など)を電子のまま保存することは全事業者の義務で、この対応は必須です(電子帳簿保存法第7条)。紙をスキャンして保存するスキャナ保存などは任意です。会計システムを選ぶ際は、訂正・削除の履歴が残る保存機能や、取引年月日・金額・取引先での検索機能を満たせるかを確認します。詳しい要件は本文「法改正対応」をご覧ください。

出典・参考資料(1件)

Q. クラウド型の会計システムはセキュリティ面で安全ですか?

A. クラウド型の会計システムの安全性は提供事業者の対策によって差がありますが、通信の暗号化・アクセス権限の設定・バックアップ体制・第三者認証の取得状況を確認すれば、安全性を見極められます。会計データは機密情報のため、ISO/IEC 27001 などの第三者認証を取得しているか、データのバックアップや障害時の復旧体制が整っているかが確認の目安になります。

自社の端末やサーバーで管理するインストール型・オンプレミス型はセキュリティ管理の主体が自社になる一方、クラウド型は主に提供事業者が担うため、事業者の対策内容を資料や公式情報で確かめることが大切です。

Q. 会計システムは顧問税理士や会計事務所と共有できますか?

A. クラウド型の会計システムは、顧問税理士や会計事務所とデータをリアルタイムで共有しやすく、やり取りを効率化できます。ただし、税理士側が同じ会計システムに対応しているか、専門家向けのアカウントが用意されているかは製品によって異なります。すでに顧問税理士がいる場合は、その税理士が使い慣れている・対応しているシステムかどうかを事前に確認しておくと、導入後の連携がスムーズになります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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