会計ソフトを導入したものの、画面を開いて「まず何をすればいいのか」「どこに何を入力すれば帳簿になるのか」がわからず、手が止まっていませんか。簿記に自信がないと、専門用語の多い解説を前に不安が募ります。
クラウド会計ソフトの多くは、初期設定を済ませたあと、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、仕訳の候補まで提示してくれます。操作の流れさえつかめば、簿記の知識がなくても日々の記帳を始められます。
本記事では、会計ソフトを開いてから帳簿・決算書ができるまでの使い方を、初期設定・取引入力と自動仕訳・帳簿の確認と保存・月次と決算の4ステップに分けて解説します。
代表的な取引がどの勘定科目になるかの仕訳例、簿記の知識がどこまで必要か、電子帳簿保存法への対応まで整理しました。これから会計ソフトを使い始める方が、今日から自分で操作できるようになるための手引きとしてご活用ください。
目次
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会計ソフトの使い方の全体像|開いてから帳簿・決算書ができるまでの4ステップ
会計ソフトは製品によって画面は異なりますが、導入してから帳簿・決算書ができるまでの操作は、大きく次の4つのステップに分かれます。まずこの全体像をつかんでおくと、いま自分がどの段階にいるのかを見失わずに進められます。

- 初期設定:事業所情報・勘定科目・開始残高を登録し、銀行口座やクレジットカードを連携する
- 取引入力と自動仕訳:連携した明細から自動で仕訳候補が作られる。手入力もできる
- 帳簿・残高の確認と保存:試算表や残高で記帳ミスを確認し、帳簿・決算書を保存する
- 月次・決算・確定申告:毎月の締めと、期末の決算書作成・申告にソフトを使う
この「設定して始める→日々入力する→月ごとに確認する→決算・申告で使う」という流れは、主要なクラウド会計ソフトの公式の使い方ガイドでも共通して案内されている段階です。次の章から、各ステップで具体的に何をするのかを順に見ていきます。
ステップ①初期設定|最初に登録する項目
ここからは、ステップ①の初期設定で登録する項目を解説します。初期設定は、案内に沿って質問に答えていくだけで完了する製品が多く、この段階でまとめて済ませておくと、あとの入力がスムーズになります。
事業所・会社情報の登録
最初に、会社名や屋号、事業所の所在地、決算月(事業年度の区切り)、消費税の課税・免税の区分といった、事業の基本情報を登録します。決算月や消費税の区分は、その後の帳簿の集計や申告に関わるため、登録時に間違いがないか確認しておきます。
勘定科目の設定
勘定科目(かんじょうかもく)とは、取引を売上高・消耗品費・普通預金などの種類に分けて記録するための分類名です。会計ソフトには標準的な勘定科目があらかじめ用意されているため、多くの場合は初期設定のまま使い始められます。自社でよく使う費目があれば、この段階で追加・調整しておくと、日々の入力で迷いにくくなります。
開始残高の入力
会計ソフトを使い始める時点で、すでに預金や現金、借入金などの残高がある場合は、それを「開始残高(期首残高)」として登録します。他社ソフトやExcelから乗り換える場合は、前の帳簿の期末残高を引き継ぐ形になります。開始残高が正しくないと、その後の試算表や決算書の数字がずれるため、通帳や前期の決算書と照らし合わせて入力します。
銀行・クレジットカードの連携
初期設定の締めくくりとして、事業で使う銀行口座やクレジットカードを会計ソフトに連携します。連携しておくと、入出金やカード利用の明細がソフトに自動で取り込まれ、次のステップの取引入力の多くを省けます。連携できる金融機関は製品によって異なりますが、主要なクラウド会計ソフトは多数の金融機関・カードに対応しています。
ステップ②取引入力と自動仕訳|明細の自動取得と手入力の2方式
ここからは、日々の記帳にあたるステップ②を解説します。取引の入力には、連携した口座・カードの明細から自動で仕訳する方法と、現金取引などを手入力する方法の2つがあります。実際にはこの2つを組み合わせて使います。
口座・カード連携による明細の自動取得と自動仕訳
ステップ①で銀行口座やクレジットカードを連携しておくと、入出金やカード利用の明細がソフトに自動で取り込まれます。取り込まれた明細には、内容に応じた勘定科目の候補が自動で提示され、利用者はその候補を確認して登録するだけで仕訳が完成します。日々発生する取引の多くをこの方法でまかなえるため、手入力の手間を減らせます。
この流れは、主要なクラウド会計ソフトの公式ガイドでも共通して案内されています。
取り込まれた明細を「自動で経理」から確認し、勘定科目を入力するだけで仕訳は完了です。
出典:freee会計 使い方ガイド[基本編]はじめての方向け|フリー株式会社
手入力での仕訳登録
現金でのやり取りや、口座・カードに明細が残らない取引は、手入力で登録します。手入力では、日付・金額・勘定科目・摘要(取引の内容メモ)を入力します。
多くのソフトは、簿記の借方・貸方を意識しなくても、「支出」「収入」といった分かりやすい形で入力でき、内部で複式簿記の仕訳に変換してくれます。同じような取引を繰り返し入力する場合は、登録した内容が次回の候補として提示されるため、入力するほど作業が速くなります。
代表的な取引の仕訳例|この取引はどの勘定科目になる?
「この取引を入力すると、どの勘定科目になるのか」がイメージできると、自動で提示された仕訳候補が正しいかを判断しやすくなります。日々よく発生する取引の、一般的な会計処理の例を挙げます。
下の表では、取引を借方(左)と貸方(右)に分けて示します。借方・貸方は簿記の考え方ですが、意味が分からなくてもソフトが自動でこの形に振り分けます。ここでは、どの取引がどの勘定科目になるかのイメージがつかめれば十分です(借方・貸方の意味は、後半の「簿記の知識がなくても使える?」であらためて説明します)。
| 取引の例 | 借方(左) | 貸方(右) |
|---|---|---|
| 売上代金が普通預金に入金された(掛売りの回収) | 普通預金 | 売掛金 |
| 消耗品を現金で購入した | 消耗品費 | 現金 |
| 振込手数料を負担した | 支払手数料 | 普通預金 |
たとえば、売掛金100,000円が振込手数料550円を差し引かれて普通預金に入金されたケースでは、次のように振込手数料を「支払手数料」として同時に記録します。
| 借方(左) | 金額 | 貸方(右) | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 99,450円 | 売掛金 | 100,000円 |
| 支払手数料 | 550円 |
振込手数料のように「取引で発生する手数料」は、支払手数料の勘定科目で処理するのが一般的です。口座を連携していれば、こうした入金や手数料の明細も自動で取り込まれ、仕訳候補として提示されます。
出典・参考は以下のとおりです。
出典・参考資料(1件)
ステップ③帳簿・残高の確認と保存|正しく記帳できているかのチェック
取引を入力したら、正しく記帳できているかを確認します。ステップ③では、入力したデータをもとにソフトが自動集計する帳簿・残高の見方と、帳簿・決算書の保存について解説します。
試算表・残高で記帳ミスを確認する
会計ソフトは、入力した仕訳をもとに、残高試算表や総勘定元帳を自動で集計します。残高試算表は、すべての勘定科目の残高を一覧できる表で、記帳の全体像を確認するのに役立ちます。たとえば、普通預金の残高が通帳と一致しているかを月に一度など定期的に照らし合わせると、入力漏れや二重計上に早く気づき、ずれが積み重なる前に修正できます。
帳簿・決算書の保存と電子帳簿保存法への対応
会計ソフトを使う分には、多くの製品が法定の保存要件に対応しているため、まずは入力を進めて問題ありません。ここでは、保存のルールを正しく理解しておきたい方に向けて、電子帳簿保存法のポイントを補足します。
作成した帳簿や決算書、取引に関する書類は、法律で定められた期間の保存が必要です。保存の方法については、電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)が、電子データでの保存を大きく3つの区分に分けて定めています。
- ①電子帳簿等保存:会計ソフトなどで電子的に作成した帳簿・書類を、データのまま保存する
- ②スキャナ保存:紙で受け取ったり作成したりした書類を、スキャンして画像データで保存する
- ③電子取引:電子的にやり取りした取引情報(メール添付の請求書、Web発行の領収書など)をデータで保存する
電子帳簿保存法上、電磁的記録による保存は、大きく右の3種類に区分されています。①電子帳簿等保存(電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存)
出典:電子帳簿保存法が改正されました(令和3年5月)|国税庁
このうち、会計ソフトで作成した帳簿・決算書をデータのまま保存すること(①電子帳簿等保存)は、一定の要件のもとで紙での保存に代えることができるとされており、電子保存にするかどうかは事業者が選べます。一方で、③電子取引でやり取りしたデータの電子保存は「しなければならない」義務です。
所得税(源泉徴収に係る所得税を除きます。)及び法人税に係る保存義務者は、電子取引を行った場合には、一定の要件の下で、その電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存しなければならないこととされています(電子帳簿保存法7)。
出典:電子帳簿保存法の概要|国税庁
電子取引データを保存する際の原則的なルールは、改ざん防止のための措置をとること、データを確認できるディスプレイやプリンタ等を備え付けること、「日付・金額・取引先」の3つの要素で検索できるようにすることの3点です。
会計ソフトの多くは、訂正・削除の履歴が残る仕組みや検索機能によって、これらの要件に対応する形で提供されています。自社の保存方法が要件を満たしているか不安な場合は、国税庁の案内で確認できます。
出典・参考資料(1件)
電子帳簿保存法に対応するメリットや、電子保存にするかどうかを判断する際のポイントは、以下の記事で詳しく整理しています。制度への対応方針を検討している場合の参考になります。
ステップ④月次・決算・確定申告での使い方
日々の入力と確認に慣れたら、月ごとの締めと、期末の決算・申告でもソフトを使います。毎月末には、その月の取引をすべて入力し終えたうえで、試算表で当月の売上・経費や主要な科目の残高を確認します。月ごとに数字を締めておくと、期末にまとめて処理する負担が減り、経営状況も早く把握できます。
事業年度の終わりには、1年間の仕訳をもとに、貸借対照表や損益計算書といった決算書をソフトが自動で集計します。多くのクラウド会計ソフトは、決算書の作成に加えて、確定申告や法人の申告に必要な書類の作成・出力にも対応しています。確定申告の時期にどこまでソフトで完結できるかは製品によって異なるため、申告方法にあわせて機能を確認しておくとよいでしょう。
簿記の知識がなくても使える?自動仕訳・AIがどこまでやってくれるか
「簿記が分からないと会計ソフトは使えないのでは」という不安は、多くの初心者が感じるところです。結論から言えば、日々の入力は簿記の専門知識がなくても始められますが、自動化される部分と人が確認・判断する部分の線引きを理解しておくと、より安心して使えます。
そもそも仕訳・勘定科目とは(簿記の基礎)
仕訳(しわけ)とは、1つの取引を「どの勘定科目が」「いくら」「増えた・減った」という形で記録することです。複式簿記では、1つの取引を借方(左)と貸方(右)の2つの面から記録します。たとえば「消耗品を現金で買った」なら、消耗品費という費用が増え、現金という資産が減った、と両面で捉えます。
会計ソフトでは、この借方・貸方を意識しなくても、「何にいくら使ったか」を入力すれば、内部で複式簿記の形式に自動で変換してくれます。仕組みを完全に理解していなくても記帳を始められるのは、この自動変換があるためです。
自動でできること・人が確認すること
会計ソフトが自動でやってくれるのは、主に明細の取り込み、勘定科目の候補の提示、複式簿記への変換、試算表や決算書の集計です。近年はAIが取引内容から勘定科目を推測し、使うほど精度が上がる機能を備えた製品も増えています。ただし、AIがどこまで自動で対応するかは製品によって差があります。
一方で、人が確認・判断する必要があるのは、提示された勘定科目の候補が取引の実態に合っているかのチェックと、その仕訳を登録(確定)する操作です。自動で提示される候補はあくまで推測であり、内容の正確性が保証されているわけではありません。
たとえば、同じ「振込」でも、仕入代金の支払いなのか、経費の支払いなのかで勘定科目は変わります。判断に迷う取引は、勘定科目の意味を確認したり、税理士など専門家に相談したりして確定させると安心です。簿記の知識は、この「候補が正しいかを見極める」場面で役立ちます。
入力を楽にするコツ・つまずきやすい点
会計ソフトを使い続けるうえで、日々の入力を楽にし、後からの手戻りを防ぐコツがあります。いずれも、なぜそれが効くのかを押さえておくと、自社の運用に取り入れやすくなります。
勘定科目の使い方を統一する。同じ内容の取引に、その都度違う勘定科目を当てていると、あとで集計したときに費用の内訳がぶれて、前月比や予算との比較がしにくくなります。「この費用はこの科目」と自社のルールを決めておくと、集計が安定し、経営判断にも使いやすい数字になります。
摘要(メモ)を具体的に書く。取引の入力時に、取引先名や内容を摘要欄に具体的に残しておくと、後から「これは何の支払いだったか」を思い出しやすく、確認や修正の手間が減ります。空欄のまま進めると、月末や決算時に取引の中身が分からず調べ直すことになりがちです。
残高を定期的にチェックする。普通預金や現金の残高が、実際の通帳・手元の金額と合っているかを月に一度など定期的に確認すると、入力漏れや二重計上に早く気づけます。ずれを放置すると、原因の特定に時間がかかるため、こまめな確認が結果的に近道になります。
同じ種類の取引はまとめて入力する。似た取引を続けて入力すると、前回の勘定科目や摘要が候補として提示され、判断が速くなります。日をまたいで少しずつ入力するより、まとめて処理するほうがリズムをつかみやすく、抜け漏れも防げます。
会計ソフトの使い方の学び方(公式ガイド・ヘルプ・入門書・セミナー)
操作に迷ったときは、独学で抱え込まずに、学べる手段を使い分けると解決が早まります。それぞれに向いている場面があります。
まず基本の操作を体系的に押さえたいなら、各ソフトが公式に用意している使い方ガイドやヘルプセンターが役立ちます。初期設定から日々の入力、確定申告までの流れが、自分の使っているソフトの画面に沿って解説されているため、実際の操作と結びつけて理解できます。個別の疑問は、公式のヘルプ内を検索するのが確実です。
会計や簿記の考え方から学びたい場合は、初心者向けの入門書が体系的な理解に向いています。その場で質問しながら覚えたいときは、各社や外部が開催する使い方セミナーに参加すると、疑問をすぐに解消できます。自社の状況に合わせて、これらを組み合わせて学ぶとよいでしょう。
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会計ソフトの使い方でつまずくときに検討したい選択肢
ここまでの手順を試しても操作につまずく、あるいは今使っているソフトが自社に合わないと感じるときは、使い方を変える2つの選択肢があります。1つは、初心者向けのサポートや自動仕訳が手厚い会計ソフトに切り替える方法。もう1つは、ソフトの利用と記帳・決算の代行をまとめて専門家に任せる方法です。それぞれに向いた製品を紹介します。
| サービス名 | Tenbook(テンブック) | 弥生会計 Next |
|---|---|---|
| 提供形態 | クラウド会計ソフト+記帳・決算・申告の代行(一体型) | クラウド会計ソフト(自分で操作・記帳) |
| 初期費用 | 0円 | 0円 |
| 月額費用 | 29,500円〜(免税事業者)/43,500円〜(課税事業者) | 2,900円〜(エントリー年契約・税抜の月額換算) |
| 自動仕訳・自動取得 | 金融機関・クレカ連携で明細を自動取得・自動仕訳 Excel入力による高速入力にも対応。記帳自体を専門家に任せることも可能 | AIが勘定科目を推定・学習する自動仕訳 2,500以上の金融機関連携、会話形式のAI取引入力(β) |
| サポート | 記帳〜決算・申告を専門家が代行 電話(平日9:30〜18:00)・メール・オンライン、原則3名のチーム制 | 電話・チャット・メール・画面共有 電話サポート・仕訳相談はベーシックプラス。年間100万件超対応の大規模カスタマーセンター |
| 無料トライアル | △10bookソフト単体は30日間(記帳代行込みの会計サービスは明記なし) | ●最大2か月(ベーシックプラス相当・決算書と達人連携を除く) |
| 対象 | 創業期〜中小企業(売上5億円以下が主対象) | 法人向け |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る |
Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)は、公認会計士・税理士が代表を務めるシンアカウンティングサービス株式会社が提供するサービスです。自社開発のクラウド会計ソフト「10book(テンブック)」を軸に、記帳代行・決算・税務申告のサポートをひとつにまとめて提供します(サービス名がTenbook、その中核で使うソフトが10bookという関係です)。
ソフト単体ではなく、日々の記帳から決算・申告までを専門チームが一貫して支援する点が特徴で、「自分で操作しても回らない」「経理に時間を割けない」という段階の事業者に向いています。
同社は設立当初から「簿記の知識がなくても決算書を作成できる」ことを目指してソフトを開発してきたとしており、契約者にはソフト「10book」を無料で提供します。記帳・支払い・請求書作成・給与計算といった日々の業務を整えたうえで、決算書・申告書の作成まで責任を持って対応する体制です。
会計サービスの料金は月額29,500円から(免税事業者の場合)で、決算時の追加料金(決算料)はかかりません。新設法人や、経理担当者の退職で業務が不安定になっている企業からの相談が多いサービスです。
簿記に不慣れな段階でも使えるソフトを目指した背景について、シンアカウンティングサービス代表取締役の上田氏は、当カタログのインタビューで次のように語っています。
会社設立当初から「簿記知識がなくても決算書を作成できるシステム」の開発を始めており、まさに現場で使い続けられるロジックを土台にして、サービス提供につなげています。
弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextは、会計ソフトを提供する弥生株式会社の法人向けクラウド会計サービスです。
「初めての会計ソフトに。知識ゼロでも迷わずカンタン。」を掲げ、初期設定は質問に答えていくだけで進められます。2,500以上の金融機関・クレジットカードと連携して明細を自動取得し、AIが勘定科目を推測して仕訳候補を提示します。使うほど推測の精度が上がる学習機能もあり、簿記に不慣れな段階でも入力を進めやすい設計です。
操作でつまずいたときのサポートが手厚い点も特徴です。弥生カスタマーセンターは年間100万件を超える問い合わせに対応し、繁忙期にはピーク時240名以上の体制で応じています。上位プランでは電話での操作サポートや仕訳相談も利用でき、「調べても分からない」場面で人に相談しながら進められます。初期費用は0円で、最大2か月の無料体験から始められます(法人向けのサービスで、個人事業主は対象外です)。
ここで挙げた2つのほかにも会計ソフトは数多くあります。個人事業主向けのプランがある製品や、事業規模・タイプ別の選び方、料金の目安を横並びで比べて自社に合う1本を見極めたい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【2026年】クラウド会計ソフト比較15選|規模・タイプ別の選び方と料金を解説
クラウド会計ソフトの導入を検討するとき、「製品が多すぎて自社に合うものが分からない」「インボイス制度や電子帳簿保存法に対応しているか不安」「手入力やExcelでの記帳から早く脱却したい」といった悩みに突き当たる担当者は少なくありません。 選…
まとめ
会計ソフトの使い方は、初期設定・取引入力と自動仕訳・帳簿の確認と保存・月次と決算という4つのステップに分けて捉えると、迷わずに進められます。銀行口座やカードを連携すれば、日々の取引の多くは明細の自動取得と仕訳候補の確認だけで記帳でき、簿記の専門知識がなくても始められます。提示された勘定科目が取引の実態に合っているかを確認し、月に一度は残高をチェックする習慣をつけておくと、記帳のずれを防げます。
操作につまずいたり、今のソフトが自社に合わないと感じたりしたときは、サポートや自動仕訳が手厚いソフトへの切り替えや、記帳代行を含めたサービスの利用も選択肢になります。まずは自分のソフトを開いて、初期設定と最初の取引入力から始めてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 会計ソフトの自動仕訳とは何ですか?
A. 会計ソフトの自動仕訳とは、連携した銀行口座やクレジットカードの明細をソフトが自動で取り込み、取引内容に応じた勘定科目の候補を提示してくれる機能です。利用者は提示された候補が取引の実態に合っているかを確認し、登録するだけで仕訳が完成します。
日々発生する取引の多くをこの方法でまかなえるため、手入力の手間を減らせます。ただし、最終的な確認と登録は人が行うため、候補が正しいかを見極める役割は利用者に残ります。
Q. 会計ソフトへの入力は毎日行う必要がありますか?
A. 会計ソフトへの入力は毎日行う必要はなく、取引量や自社のやりやすさに合わせて頻度を決めて問題ありません。ただし、月末にはその月の取引をすべて入力し終えたうえで残高を確認しておくと、月次の損益を早く把握でき、期末にまとめて処理する負担も減ります。
口座・カードを連携していれば明細は自動で取り込まれるため、週に一度など決まったタイミングで仕訳候補を確認・登録する運用にすると、入力漏れを防ぎやすくなります。
Q. 個人事業主でも会計ソフトの使い方は同じですか?
A. 個人事業主でも、初期設定→取引入力と自動仕訳→帳簿・残高の確認→決算・申告という基本的な使い方の流れは法人と同じです。違いが出るのは主に期末の手続きで、個人事業主は確定申告(青色申告決算書など)、法人は決算書と法人税の申告と、作成する書類が異なります。
多くのクラウド会計ソフトは個人事業主向けと法人向けで製品やプランが分かれているため、自分の事業形態に対応した製品を選べば、画面の案内に沿って同じ流れで進められます。
Q. Excelやほかのソフトから会計ソフトに乗り換えるときは何をすればいいですか?
A. 会計ソフトへ乗り換える際は、前の帳簿の期末残高を「開始残高(期首残高)」として新しいソフトに引き継ぐのが出発点です。預金・現金・借入金などの残高を、通帳や前期の決算書と照らし合わせて登録します。開始残高が正しくないと、その後の試算表や決算書の数字がずれるため、乗り換え時にはここを丁寧に確認します。
あわせて、事業所情報や勘定科目の設定、銀行口座・クレジットカードの連携も済ませておくと、乗り換え後の入力がスムーズになります。過去の仕訳データを取り込める製品もあるため、必要に応じて各ソフトの移行機能やヘルプを確認してください。
Q. 会計ソフトで作成した帳簿は電子データで保存しなければなりませんか?
A. 会計ソフトで作成した帳簿・決算書を電子データのまま保存するかどうかは、事業者が選べます(義務ではありません)。電子帳簿保存法では、電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存すること(電子帳簿等保存)は紙での保存に代えることができるとされており、任意の扱いです。
一方で、メール添付の請求書やWeb発行の領収書など、電子的にやり取りした取引データ(電子取引)は、電子データでの保存が義務づけられています。帳簿の電子保存は任意、電子取引データの電子保存は義務、という線引きを押さえておくと迷いません。
出典・参考資料(1件)
Q. 会計ソフトを導入すれば税理士は不要になりますか?
A. 会計ソフトを導入しても、税理士が完全に不要になるとは限りません。日々の記帳や試算表・決算書の集計はソフトで自動化できますが、勘定科目の判断が難しい取引の相談、決算・申告内容の最終確認、節税や資金繰りのアドバイスなどは、税理士の専門知識が役立つ場面です。
自分で記帳を進めてソフトで完結できる部分と、専門家に任せたい部分を切り分けて考えると、自社に必要な支援の範囲が見えてきます。記帳から決算・申告までまとめて任せたい場合は、会計ソフトと記帳代行を一体で提供するサービスを利用する方法もあります。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















