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着地見込とは?意味と計算方法、精度を上げるコツまでわかりやすく解説

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経営管理システム比較表(2026年版)のプレビュー

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経営管理システム比較表(2026年版)

月次や四半期の数字を追っていると、「このままいくと今期はいくらで着地しそうか」を問われる場面が必ず出てきます。このときに使うのが「着地見込」です。言葉は知っていても、どう計算し、予算や営業のヨミとどう違うのかを整理できているとは限りません。

着地見込は、すでに確定した実績に、これから見込める分を積み上げて、期の最終的な数字を予想する考え方です。経理・経営企画が当期の業績を見通すときにも、営業が売上目標の達成度を測るときにも使われ、呼び方や使う場面は少しずつ異なります。

本記事では、着地見込の意味と予算・ヨミ・フォーキャストとの違いを押さえたうえで、基本の計算式と3つの計算方法を同じ具体例で比べ、Excelでの出し方・精度を上げるコツ・業績管理での使い方までを解説します。自分の手元の数字から着地額を出せるようになることをゴールにしています。

そのうえで、Excelでの管理が属人化してきたと感じたときの次の一歩として、見込みを明細レベルで管理できる予実管理クラウドも紹介します。まずは考え方と計算から確認していきましょう。

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着地見込とは?意味をわかりやすく解説

着地見込とは、今の期間(多くは当期=今期)が最終的にどのくらいの数字で終わりそうかを、すでに確定した実績に、これから見込める分を積み上げて算出した予想のことです。飛行機が滑走路のどこに着くかを事前に読むように、期末の「着地点」を途中時点で見積もるイメージから、この呼び方が使われています。

ポイントは、単なる期待値や願望ではなく、確定分と、確度のある見込み分という裏づけをもとに計算する点にあります。「このくらいいきたい」という目標とは別に、「今の状況ならこのくらいで終わりそう」という現実的な予想を示すのが着地見込です。売上・利益・費用など、対象とする数字は場面によって変わります。

表記は「着地見込」と「着地見込み」の両方が実務で使われ、意味の違いはありません。英語由来の「フォーキャスト(forecast)」や、社内では「見通し」と呼ばれることもあり、いずれもほぼ同じものを指します。本記事では「着地見込」に統一して解説します。

着地見込と予算・ヨミ・フォーキャスト・見通しの違い

着地見込の周辺には、予算・ヨミ・フォーキャスト・見通しといった似た言葉が並びます。混同しやすいので、それぞれが指すものと、いつの時点の数字なのかを整理しておきましょう。

用語指すもの時点・更新
予算期の初めに立てた目標値。達成を目指す基準期初に確定し、原則として期中は動かさない
着地見込(見通し・フォーキャスト)今の実績を踏まえた、期末の現実的な予想値実績が積み上がるたびに随時更新する
ヨミ営業の案件ごとの受注確度の見立て(受注できそうかの読み)商談の進み具合に応じて更新。着地見込の材料になる

整理すると、予算は「目指す目標」、着地見込は「今の実力で届きそうな予想」という関係です。フォーキャストと見通しは着地見込とほぼ同義で、営業の「ヨミ」は着地見込を計算するための材料という位置づけになります。予算と着地見込のギャップを埋めるために、どこで何をするかを考えるのが、次に見る業績管理の出発点です。

着地見込の計算方法

ここからは、着地見込を実際にどう計算するかを見ていきます。まず基本となる考え方の式を確認し、次に場面に応じた3つの計算方法を同じ具体例で比べ、最後にExcelでの出し方を紹介します。

基本の計算式「確定分+見込み分(商談額×受注確度)」

着地見込の最も基本的な考え方は、次の式で表せます。すでに固まっている数字に、まだ確定していないが見込める数字を足す、という組み立てです。

着地見込 = 確定分(確定した実績・受注)+ 見込み分(各商談の金額 × 受注確度の合計)

売上を例に、月次の着地見込を出してみます。月間売上目標が1,000万円、月初時点で確定済みの受注が600万円あり、商談中の案件が次の3件あるとします。見込み分は、各商談の金額に受注確度を掛け、それを合計して求めます。

商談金額受注確度見込み分(金額×確度)
A社300万円80%240万円
B社200万円50%100万円
C社150万円20%30万円
見込み分 合計370万円

見込み分の合計は240万円+100万円+30万円=370万円です。これに確定分600万円を足すと、着地見込は970万円になります。月間目標1,000万円に対して30万円の不足が見込まれるため、「あと30万円をどの商談で埋めるか」という具体的な行動につなげられます。目標とのギャップを早い段階で数字にできることが、着地見込を出す大きな意味です。

着地見込の計算構造を示した図。確定分600万円に、見込み分370万円(A社300万円×80%=240万円、B社200万円×50%=100万円、C社150万円×20%=30万円の合計)を足すと、着地見込は970万円となり、月間目標1,000万円に対して30万円の不足となることを表している。

計算方法3パターンを具体例で比較(単純按分法・加重平均法・パイプライン積み上げ法)

着地見込の出し方は一つではありません。期の途中で期末を見通すときには、主に3つの方法が使われます。手間と精度にそれぞれ差があるため、同じ状況に3つの方法を当てはめて、出てくる数字がどう変わるかを比べてみます。

前提は次のとおりです。四半期(3か月)の売上目標が2,000万円で、1か月が経過した時点を想定します。1か月目の確定売上は600万円、2〜3か月目に計上予定の確定済み受注が500万円です。さらに、2〜3か月目の商談パイプラインとして、確度70%の400万円・確度40%の300万円・確度20%の250万円があるとします。

加えて、過去の四半期実績では、1か月目の売上が四半期全体のおよそ30%を占める傾向(季節性)があったとします。加重平均法ではこの構成比を使います。

計算方法考え方この例での着地見込手間向いている場面
単純按分法経過期間の実績を、残りの期間へそのまま引き延ばす600万円 × 3か月 = 1,800万円小月ごとの変動が小さく、ざっくり早く出したいとき
加重平均法過去の月別構成比(季節性)で割り戻す600万円 ÷ 30%(1か月目の構成比)= 2,000万円中月ごとの繁閑の差が大きいとき
パイプライン積み上げ法確定分+商談ごとの金額×受注確度を積み上げる1,100万円 + 450万円 = 1,550万円大案件単位で読め、精度を重視したいとき

パイプライン積み上げ法の見込み分は、400万円×70%+300万円×40%+250万円×20%=280万円+120万円+50万円=450万円です。これに確定分1,100万円(1か月目600万円+確定受注500万円)を足して1,550万円となります。

同じ状況でも、単純按分法では1,800万円、加重平均法では2,000万円、パイプライン積み上げ法では1,550万円と、方法によって数百万円の開きが出ます。

単純按分法は手早い反面、すでに分かっている確定済み受注や商談の情報を一切使わず、経過期間の実績だけを引き延ばすため、最も粗い概算になります。この例で1,800万円と低めに出るのも、2〜3か月目の確定受注500万円を織り込んでいないためです。

加重平均法は季節変動を取り込めますが、過去のパターンが今期も当てはまる前提に立ちます(この例で結果が目標の2,000万円とちょうど一致したのは、数値設定による偶然です)。パイプライン積み上げ法は確定分と案件ごとの確度を反映でき精度が高い一方、商談データの整備に手間がかかります。

月初は按分でざっくり出し、確定受注や商談が見えてきたらパイプライン積み上げに切り替える、といった使い分けが実務的です。

Excelで着地見込を計算する方法

パイプライン積み上げ法の見込み分「各商談の金額×受注確度の合計」は、ExcelのSUMPRODUCT関数を使うと一度に計算できます。商談額を並べた列と、受注確度を並べた列を用意し、両者を掛けて合計する関数です。

Microsoftの公式ドキュメントでは、SUMPRODUCT関数は次のように説明されています。

SUMPRODUCT 関数は、対応する範囲または配列の積の合計を返します。
=SUMPRODUCT(array1, [array2], [array3], …)

出典:SUMPRODUCT 関数|Microsoft サポート

たとえば商談額をB2:B4、受注確度をC2:C4に入力していれば、見込み分は =SUMPRODUCT(B2:B4,C2:C4) で求められます。先ほどの月次の例(300万円×80%、200万円×50%、150万円×20%)なら、この式で370万円が返ります。あとは確定分を足すセルを用意し、=確定分のセル+SUMPRODUCT(B2:B4,C2:C4) とすれば、着地見込が一発で出ます。

ただし、Excelでの運用では、受注確度の入れ方が担当者ごとにばらつくと着地見込の精度が下がります。「確度は何を基準に何%とするか」を社内で先に決めておくことが、関数以上に大切です。確度の決め方は次の章で詳しく見ていきます。

着地見込の精度を上げる運用のコツ

着地見込は「出して終わり」ではなく、実態に近づけるための運用が精度を左右します。ここでは、外さない着地見込にするための運用のポイントと、陥りやすい間違いを見ていきます。

受注確度の定義を統一する

見込み分の精度は、受注確度をどれだけ妥当に置けるかで決まります。確度を担当者の主観や意気込みで決めると、楽観的に振れて着地見込が実態から離れます。実務では、商談の状態と過去の受注率を対応づけ、ランクごとに確度を固定する方法が有効です。

確度ランク商談の状態の目安受注確度
S内示・発注書あり。受注はほぼ確実90%
A最終交渉・見積提出済みで前向き70%
B提案済み・他社と比較検討中40%
C初回接触・ニーズ確認の段階10%

確度の数値は、できるだけ自社の過去の受注実績(そのランクの商談が実際にどれだけ受注に至ったか)から逆算して設定すると、着地見込の精度が安定します。上の数値は一例なので、自社のデータがたまってきたら見直していくとよいでしょう。

先ほどの計算例で使った80%・50%といった確度は説明のための仮の値で、実務ではこのようにランクで基準をそろえます。全員が同じ基準でヨミを入れることが、着地見込を信頼できる数字にする前提になります。

更新頻度・持ち越し受注・売上と利益を分けて見る

着地見込は実績が動くたびに更新してこそ意味を持ちます。週次か隔週で見直し、商談の進捗や失注を反映させると、期末に近づくほど精度が上がっていきます。更新のたびに前回との差分を確認すると、どの商談が崩れたのか・積み上がったのかが見えます。

期をまたぐ持ち越し受注の扱いも、あらかじめルール化しておきます。今期に計上するのか翌期に送るのかが人によって変わると、着地見込がぶれる原因になります。また、売上の着地だけでなく、原価や経費を踏まえた利益の着地も分けて見ておくと、売上は届いても利益が足りないといった事態に早く気づけます。

利益の着地は、売上の着地見込に原価率や固定費の見込みを重ねて出します。たとえば売上の着地見込が970万円で原価率が60%なら、粗利の着地は970万円×(1−60%)=388万円です。ここから今期の固定費の見込み200万円を引くと、営業利益の着地は388万円−200万円=188万円と見積もれます。売上の着地だけを追っていると、原価や固定費の増加で利益が目標に届かない事態を見落としかねません。

着地見込はあくまで予想なので、1つの数字だけでなく、商談が総崩れした場合(最悪)・想定どおり(標準)・上振れした場合(最良)の3つのシナリオで幅を示しておくと、ぶれを前提にした経営判断がしやすくなります。確度の置き方を変えて複数パターンを出しておくイメージです。

この「実績が動くたびに見通しを更新する」考え方をさらに進め、常に一定期間先までの見通しを転がしながら予算そのものを見直し続ける手法が「ローリングフォーキャスト」です。期中の数字を機動的に更新したい場合のメリットや運用のコツは、次の記事で詳しく解説しています。

着地見込でよくある間違いと対処法

着地見込が実態とずれるときには、いくつか決まったパターンがあります。代表的な間違いと、その対処法を整理しておきましょう。

  • 確度を主観で置いてしまう:担当者の期待が入り、着地見込が高めに出ます。商談の状態と過去の受注率に紐づけたランクで確度を固定すると改善します。
  • 月初に按分だけで判断する:単純按分法は手早い反面、根拠が薄く粗い数字になります。商談が見えてきた段階でパイプライン積み上げ法に切り替えて補正します。
  • 一度出したまま更新しない:古い着地見込は判断を誤らせます。更新のタイミングを決め、実績の反映を習慣にします。

予実・業績管理での着地見込の使い方(営業と経理・経営企画)

着地見込は、営業の現場と、経理・経営企画の全社管理の両方で使われます。同じ着地見込でも、見る立場によって目的が少し異なります。ここでは、それぞれの使い方と、両者のつながりを整理します。

営業では、売上の着地見込を目標(予算)と比べ、不足が見込まれる分をどの商談で埋めるかを考えます。着地見込と予算のギャップを早期に把握できれば、期末の駆け込みではなく、余裕を持った受注活動につなげられます。先ほどの例のように「あと30万円」が見えていれば、打ち手を具体化できます。

一方、経理・経営企画では、各部門の着地見込を集約し、全社の当期業績がどこに着地しそうかを見通します。この数字は、経営会議の資料や、資金繰り・コスト調整の判断材料になります。営業が積み上げた売上の着地見込が、全社の業績見通しの土台になる、という関係です。

ただし、同じ「着地見込」でも両者で粒度とタイミングが異なります。営業は案件単位の売上を週次で、経理・経営企画は全社の売上・利益を月次や四半期で見るのが一般的です。このため、両者を突き合わせるときは、営業の確度の置き方や持ち越し受注の扱いが全社の数字と同じルールになっているかを確認する必要があります。

たとえば営業が「翌期に送る」とみなした受注を経理が今期に数えていると、全社の着地見込が実態より高く出ます。両者の数字が同じ前提でつながっていることが、精度の高い業績管理の条件になります。

上場企業では着地見込が業績予想の修正につながる

上場企業の場合、着地見込は公表している業績予想の修正と直接結びつきます。東京証券取引所の適時開示のルールでは、新たに算出した予想値(着地見込)や決算値が、直近の公表予想から一定割合以上ずれると見込まれた時点で、業績予想の修正を開示する義務があります。基準値は次のとおりです。

連結売上高にあっては1.1以上又は0.9以下
連結営業利益にあっては1.3以上又は0.7以下
連結経常利益にあっては1.3以上又は0.7以下
親会社株主に帰属する当期純利益にあっては1.3以上又は0.7以下

出典:業績予想の修正、予想値と決算値との差異等|日本取引所グループ(有価証券上場規程施行規則第407条)

つまり、売上高で約10%、各利益で約30%以上のずれが見込まれると、修正開示の対象になります(俗に「売上10%・利益30%ルール」と呼ばれます)。この基準は上場企業の開示義務であり、非上場の中小・中堅企業に直接適用されるものではありませんが、着地見込を精度高く把握することが、上場企業にとっては開示実務に直結することを示しています。

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Excel手作業の限界と予実管理クラウドという選択肢

ここまで見てきたように、着地見込はExcelでも計算できます。ただ、部門数や商談件数が増え、更新の頻度が上がってくると、Excelでの運用には限界が見えてきます。

各部門から集まるファイルの形式がばらばらで集計に時間がかかる、確度の入れ方が担当者ごとに違う、更新のたびに前回の数字が上書きされて後から追えない、といった課題です。とくに、着地見込は何度も更新するため、どの時点の見込みだったかを版として残せないことが、振り返りや経営会議での説明を難しくします。こうした手作業の属人化を解消する選択肢が、予実管理に特化したクラウドサービスです。

自社に必要なのが予実管理型なのか、連結会計やERPまで含めた経営管理システムなのかも含めて、タイプ別の選び方を広く見比べたい場合は、次のまとめ記事が参考になります。

予実管理クラウドは、会計システムや商談データと連携して予算・実績・見込みを一元管理し、着地見込を明細レベルで管理したり、見込みのバージョンを保存したりできます。ここでは、着地見込(見込み)の管理に対応する代表的なサービスを紹介します。

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サービス名DIGGLE(ディグル)X-KPI(クロスケーピーアイ)Scale Cloud(スケールクラウド)
着地見込・見込管理でできること見込(着地見込)を直接入力やExcel・スプレッドシート連携で明細レベルに管理。スナップショットで予算・見込のバージョンを保存し「いつ時点の見込か」を残して比較できる。会計システムとのAPI連携で予実突合も自動化予算と実績の差異・異常値を自動検知し、原因とともにチャットへ通知。部門・拠点・プロジェクト単位のKPIと予実をクラウドで集約し、Excel帳票による属人的な見込み管理を一元化できるPL/BS/CFと先行・結果指標のKPIを関連づけて管理。複数パターンでの予算作成と着地見込み(フォーキャスト)の更新に対応し、多軸分析や異常値の自動検知も行える
向いている企業・特徴予実管理特化型のクラウド。属人的なExcel業務をなくし、予算策定・予実突合・見込管理・レポーティングを一元化したい企業向け専門知識がなくてもKPI項目やダッシュボードを設計可能。複数部門のKPI・予実を一元把握したい中堅〜大企業向け。無料トライアルあり財務数値とKPIを統合管理したい企業向け。公認会計士である代表のコンサル知見を背景に設計。Excel・スプレッドシートからの乗り換えで工数を削減した事例を公表
料金の目安初期費用・月額ともに要問い合わせ(Standard/Enterpriseの2プラン、いずれも見積制)初期費用・月額ともに要問い合わせ月額15万円〜(公式サイト。連携ページ等に10万円〜の記載もあり、詳細は要問い合わせ)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約

※各社公式情報に基づく、2026年9月時点の内容です。料金・機能の詳細は各サービスの資料でご確認ください。

着地見込の管理に使える予実管理クラウド

1. DIGGLE(ディグル株式会社)

DIGGLEのウェブサイト

DIGGLEは、予算策定・予実突合・見込管理・レポーティングという予実管理の一連の業務をクラウド上で完結させる、予実管理特化型のサービスです。「属人的なエクセル業務をなくし、経営判断をより早くより正確に」を掲げ、Excel中心の予実管理に起こりがちな集計の非効率を解消することを狙いとしています。

着地見込は、直接入力やExcel・スプレッドシートからのデータ連携で、明細レベルで管理できます。スナップショット機能で予算・見込みのバージョンを保存でき、「いつ時点の着地見込だったか」を残して比較できる点が、Excel運用との大きな違いです。

会計システムとのAPI連携で予実突合を自動化し、勘定科目より細かい粒度での損益管理にも対応します。料金は初期費用・月額ともに要問い合わせで、Standard・Enterpriseの2プランが用意されています(2026年9月時点)。

2. X-KPI(株式会社パブリックアイデンティティ)

X-KPIのウェブサイト

日経グループの日本経済社を親会社に持つ株式会社パブリックアイデンティティが提供する、KPI・予実管理ツールがX-KPIです。複数の部門・拠点・プロジェクト単位のKPIと予実データをクラウド上で集約し、日次・月次・四半期の粒度で予実比較や見通し管理を行えます。

特徴は、予算と実績のズレや異常値を自動で検知し、原因とともにチャットツールへ通知する点です。専門知識がなくてもKPI項目やダッシュボードを設計できるため、管理部門から現場まで全社で使いやすい設計になっています。会計ソフト・グループウェアとのAPI連携にも対応します。

料金は要問い合わせですが、無料トライアルが用意されています(2026年9月時点)。親会社の日本経済社自身が、営業部員がExcelで属人的に売上・粗利の見込みを管理していた状態をX-KPIで一元化した事例を公開しています。

3. Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)

Scale Cloudのウェブサイト

Scale Cloudは、財務数値(PL=損益計算書・BS=貸借対照表・CF=キャッシュフロー計算書)と非財務のKPIを関連づけて一元管理する経営管理クラウドです。公認会計士である代表が、予算の達成度と再現性を高めるというコンサルティングの知見をもとに設計した点を中心的な価値として掲げています。

KPIを積み上げて予算を作れるため、複数パターンでの予算作成や着地見込み(フォーキャスト)の更新がしやすいのが特徴です。経営用・管理部用・事業部用など複数のダッシュボードを作成でき、多軸分析や異常値の自動検知にも対応します。勘定奉行クラウド・freee・Salesforce・Googleスプレッドシートなどと連携できます。

月額は公式サイトで15万円からと案内されています(2026年9月時点。連携ページなど一部で異なる料金の記載もあるため、詳細は要問い合わせ)。Excel・スプレッドシートからの乗り換えで予実管理の工数が約6分の1になったという事例を公表しています。

着地見込は、確定した結果の数字だけでなく、そこに至る商談や活動のプロセスをどう捉えるかで精度が左右されます。この結果とプロセスの関係について、開発元である株式会社Scale Cloudの広瀬氏は、インタビューで管理会計の課題として次のように話しています。

広瀬氏
株式会社Scale Cloud 代表取締役
広瀬氏
独自インタビューより

従来の管理会計では、財務データを部門別や得意先別など様々な切り口で分析するのですが、それだけでは「この結果にどうやって至ったのか」というプロセスがまったくわからないです。事業の状況を正しく理解するためには、結果だけでなくそこに至るプロセスも含めて把握しなければ、どこに問題があるのか見えてこない。これが管理会計の限界だと感じていました。

まとめ

着地見込とは、確定した実績に、商談額×受注確度などで見込める分を積み上げて、期末の数字を予想する考え方です。基本の式は「確定分+見込み分」で、期の途中では単純按分法・加重平均法・パイプライン積み上げ法を場面に応じて使い分けます。ExcelならSUMPRODUCT関数で見込み分を一度に計算できます。

精度を上げるには、受注確度を過去の受注率に紐づけて統一し、定期的に更新することが欠かせません。着地見込は、営業の目標管理から経理・経営企画の業績見通しまで幅広く使われ、上場企業では業績予想の修正開示にも直結します。Excelでの管理が属人化してきたと感じたら、見込みを明細レベルで管理し版を残せる予実管理クラウドを、各社の資料を見比べて検討してみてください。

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着地見込に関するよくある質問(FAQ)

Q. 着地見込とは何ですか?

A. 着地見込とは、すでに確定した実績に、これから見込める分を積み上げて、期末(当期)の最終的な数字を予想したものです。単なる願望や目標ではなく、確定分と確度のある見込み分という裏づけをもとに計算する点が特徴で、売上・利益・費用などを対象に、経理・経営企画の業績見通しにも営業の目標管理にも使われます。

Q. 着地見込は予算・フォーキャスト・ヨミと何が違いますか?

A. 着地見込と予算・フォーキャスト・ヨミの違いは、予算が「期初に立てた目指す目標」、着地見込が「今の実力で届きそうな現実的な予想」、ヨミが営業の案件ごとの受注確度の見立てという点にあります。フォーキャストや「見通し」は着地見込とほぼ同じ意味で、ヨミは着地見込を計算するための材料になります。予算が原則として期中は動かないのに対し、着地見込は実績が積み上がるたびに更新します。

Q. 着地見込と「着地見込み」に表記の違いはありますか?

A. 着地見込と「着地見込み」は送り仮名が違うだけで、意味に違いはありません。実務ではどちらの表記も使われ、英語由来の「フォーキャスト」や社内用語の「見通し」も、ほぼ同じものを指します。

Q. 着地見込の計算方法は?

A. 着地見込の基本の計算式は、「確定分(確定した実績・受注)+見込み分(各商談の金額×受注確度の合計)」です。たとえば確定分600万円に、商談A(300万円×80%)・B(200万円×50%)・C(150万円×20%)の見込み分370万円を足すと、着地見込は970万円になります。期の途中で期末を見通すときは、単純按分法・加重平均法・パイプライン積み上げ法を場面に応じて使い分けます。

Q. 着地見込はExcelでも計算できますか?

A. 着地見込はExcelでも計算でき、SUMPRODUCT関数を使えば「各商談の金額×受注確度の合計」を一度に求められます。商談額を並べた列と受注確度を並べた列を用意し、=SUMPRODUCT(B2:B4,C2:C4) のように組んで確定分を足すだけです。ただし担当者ごとに確度の入れ方がばらつくと精度が落ちるため、確度の基準を社内で先に統一しておくことが大切です。

Q. 着地見込を出すときに注意すべき点は何ですか?

A. 着地見込で最も注意すべきは、受注確度を担当者の主観や意気込みで置かず、商談の状態と過去の受注率に紐づけたランクで固定することです。確度が楽観的に振れると、着地見込が実態より高く出てしまいます。あわせて、期をまたぐ持ち越し受注の計上ルールを決め、売上だけでなく利益の着地も分けて見ると、数字が安定します。

Q. 着地見込の精度はどのくらい当たりますか?

A. 着地見込の精度は、確度ランクごとの過去受注率がどれだけ蓄積されているかと、商談データの入力の質に左右されます。確実な数字ではないため、最悪・標準・最良の3つのシナリオで幅を見せると、ぶれを前提にした経営判断がしやすくなります。期末に近づくほど確定分の割合が増えるため、精度は自然に上がっていきます。

Q. 着地見込はどのくらいの頻度で更新すべきですか?

A. 着地見込は、週次または隔週で更新するのが実務的な目安です。実績や商談の進捗・失注が動くたびに見直すことで、期末に近づくほど精度が高まります。更新のたびに前回との差分を確認すると、どの商談が崩れたのか・積み上がったのかが見え、次の打ち手につなげやすくなります。

Q. 非上場の中小企業でも着地見込は必要ですか?

A. 着地見込は、上場企業では業績予想の修正開示に直結する一方、非上場の中小企業でも予実管理や資金繰り・受注活動の判断に欠かせません。売上高で約10%・各利益で約30%以上のずれが見込まれると修正開示が求められる適時開示ルールは上場企業の義務ですが、目標と着地のギャップを早期につかんで対策を打つという着地見込の価値は、企業規模を問わず共通です。

Q. 着地見込の管理はExcelと予実管理クラウドのどちらがよいですか?

A. 着地見込の管理は、部門数や商談件数が少ないうちはExcelで十分ですが、集計の手間や版管理が負担になってきたら予実管理クラウドが向いています。着地見込は何度も更新するため、どの時点の見込みだったかを版として残せない点がExcelの弱点です。予実管理クラウドなら、見込みを明細レベルで管理し、バージョンを保存して比較できます。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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