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脱Excelが必要な理由とは?8つの課題と業務別の移行先を解説

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経営管理システム比較表(2026年版)のプレビュー

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経営管理システム比較表(2026年版)

売上の集計も、予算と実績の管理も、顧客台帳も、気づけば一つひとつが巨大なExcelファイルで回っている——多くの企業でそんな状態が当たり前になっています。長年使い込まれたExcelは便利な一方で、「作った本人しか中身が分からない」「ファイルが重くて落ちる」といった不便が積み重なり、脱Excelという言葉を目にする機会も増えました。

脱Excelとは、Excelで手作業に頼って続けてきた業務を、専用のツールやクラウドサービスに置き換えて効率化・標準化する取り組みを指します。ただ、いざ社内で進めようとすると「なぜ脱Excelが必要なのか」をうまく説明できず、上司や周囲を説得しきれないという声は少なくありません。

本記事では、脱Excelが必要だといわれる理由を具体的に整理し、放置した場合に何が起きるのか、Excelを残すべき業務と移すべき業務をどう線引きするのか、どの業務を何に移せばよいのかまでを解説します。社内でExcel運用の見直しを提案するための判断材料としてご活用ください。

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脱Excelすべき8つの理由

ここからは、脱Excelが必要だといわれる理由を8つに分けて解説します。自社のExcel運用に当てはまるものがないか、確認しながら読み進めてください。

1. 属人化・ブラックボックス化してしまう

複雑なExcelファイルほど、関数やマクロを組んだ担当者しか中身を把握できなくなりがちです。どのセルがどこを参照しているのか、なぜその数式になっているのかが共有されないまま運用が続くと、ファイルは「触ると壊れそうで誰も手を出せない」状態になります。

この属人化は、担当者が異動・退職した瞬間に表面化します。引き継ぎができず、修正も改善も止まってしまうため、業務の継続性そのものがリスクにさらされます。

2. 複数人で同時に編集できない

デスクトップ版のExcelファイルを共有フォルダで運用していると、一人が開いている間は他の人が読み取り専用でしか開けず、順番待ちで触る、各自がコピーを作って後でまとめる、といった運用になりがちです。

Microsoft 365やクラウド版のExcelには複数人で同時に編集できる共同編集機能もありますが、誰がどこまで編集・閲覧できるかの細かな権限管理や、大量データでの動作、集計ロジックの属人化といった課題までは解消しません。複数の部署・担当者が恒常的に関わる集計や予実管理では、これらの制約が作業全体のボトルネックになります。

3. バージョン管理が煩雑になる

メールやチャットでファイルをやり取りするうちに、「最終版」「最終版_修正2」といった似たファイルが増え、どれが最新なのか分からなくなります。古いファイルに上書きしてしまい、せっかくの修正が消えることも起こります。

どの数字が正なのかを確かめる作業に時間を取られるうえ、誤ったバージョンをもとに判断してしまうリスクも残ります。

4. 手作業によるヒューマンエラーが起きやすい

別のシステムからダウンロードした数字をExcelに貼り付ける、複数のファイルから手で転記する、といった手作業は、コピーのずれや貼り付け漏れ、数式の参照範囲の崩れを生みます。一度壊れた数式が気づかれないまま集計に使われると、誤りがそのまま報告されてしまいます。

人の手が介在する工程が多いほど、ミスの発生箇所も、原因を追う手間も増えていきます。

5. 大量データでは動作が重くなり、上限もある

扱うデータが増えるほど、ファイルの動作は重くなり、開くだけで時間がかかったり、計算の途中でフリーズしたりします。Excelのワークシートが扱える大きさには上限があり、1枚のワークシートは1,048,576行・16,384列までと定められています。データ量がこの規模に近づくと、Excelでの運用は現実的ではなくなります。

出典・参考資料(1件)

6. リアルタイムに共有できず、リモートワークに弱い

デスクトップ版のExcelでファイルをやり取りする運用では、誰かが更新し、保存し、共有して、ようやく最新の数字が伝わります。このタイムラグがあるため、今まさにどうなっているのかをリアルタイムに把握することには向いていません。

クラウド版のExcelを使えば共有そのものはしやすくなりますが、各部門の数字を集めて一つに統合する作業や、集計が特定の担当者に依存する状態は残ります。在宅勤務や拠点をまたいだ業務が増えるほど、ファイルのやり取りを前提とした運用は噛み合わなくなります。

7. セキュリティ・権限・変更履歴の管理が難しい

Excelファイルは、メールへの添付や共有フォルダ経由で簡単に持ち出せてしまう反面、誰がどこまで閲覧・編集できるかを細かく制御することには向いていません。宛先を誤って送ってしまえば、機密情報がそのまま外部に渡るリスクもあります。

さらに、いつ・誰が・どのセルを変更したのかという履歴が残りにくいため、数字が変わった経緯を後から追うことが困難です。ファイル単位で変更の証跡が残らない点は、内部統制や監査対応の面で弱みになります。

8. 内部統制・DXの足かせになる

属人化し、中身がブラックボックス化した仕組みは、組織全体のデジタル化を進めるうえでの足かせになります。経済産業省は2018年の「DXレポート」で、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システムを放置した場合のリスクを「2025年の崖」と呼び、次のように指摘しています。

複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残存した場合、2025 年までに予想される IT 人材の引退やサポート終了等によるリスクの高まり等に伴う経済損失は、2025 年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性がある

出典:DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省(2018年9月)

これは大規模な基幹システム全般について述べられたものですが、作った人しか分からず、中身が見えないまま使い続けられるという点で、属人化したExcel運用も地続きの課題だといえます。全社でデータを活用し、迅速に意思決定したい局面ほど、属人化したExcelはその妨げになります。

Excel運用を放置するとどうなるか

ここまでの理由は、放置するほど影響が大きくなります。時間が経つにつれてExcel運用がどう悪化していくのか、起こりがちな帰結を見ておきましょう。

担当者の退職で業務が止まる

Excelファイルは使い込むほど数式やマクロが積み重なり、特定の担当者が抱える範囲も年々広がっていきます。その状態で退職が起きると、残されたメンバーは中身を直せず、影響の及ぶ範囲も大きくなっているため、立て直しに多大な時間がかかります。先送りするほど、いざというときの痛手は深くなります。

集計の属人化で締めや意思決定が遅れる

月次の集計を特定の担当者の手作業に頼っていると、その人が不在の月は締めが滞ります。数字が出るのが遅れれば、経営判断もその分だけ後ろにずれ込み、打ち手のタイミングを逃しかねません。

誤送信や情報漏洩といった事故につながる

権限管理が緩いまま重要なデータをファイルでやり取りする状態を続けるほど、宛先の誤りや持ち出しによる漏洩のリスクは静かに積み上がっていきます。一度事故が起きれば、その復旧や信頼回復にかかるコストは、脱Excelの手間をはるかに上回ります。

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Excelを全部捨てる必要はない|「残す」と「脱する」の線引き

脱Excelは、Excelを全廃することではありません。Excelは手軽に表やグラフを作れる優れたツールであり、向いている業務ではこれからも活躍します。問題は「本来Excelに向かない業務まで、惰性でExcelで回し続けている」状態です。残すべき業務と移すべき業務を見極めることが、脱Excelの出発点になります。

Excelを残してよい業務

一時的な試算やシミュレーション、個人の作業メモ、その場限りの簡易な集計やグラフ作成などは、Excelの柔軟さが活きる領域です。共有や継続運用を前提とせず、自分の手元で素早く形にしたい作業は、無理に置き換える必要はありません。

Excelから脱した方がよい業務

複数人が同時に関わる業務、継続的に積み上げていく基幹的なデータ、全社の判断に使う経営数値などは、Excelから脱した方がよい領域です。共有性・継続性・重要度が高い業務ほど、属人化やミス、版の混乱といった問題の影響が大きくなるため、専用のツールに任せた方が安定して運用できます。

どの業務を何に移すか|業務別の移行先

脱すべきだと判断した業務は、その性質に合ったツールへ移すのが基本です。以下に、Excelで抱えがちな業務と、代表的な移行先の種類を整理しました。自社のどの業務から着手するかを考える目安としてご覧ください。

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業務別の移行先顧客管理・案件管理各種台帳・マスタ管理販売・在庫・受発注の管理勤怠・経費などのバックオフィス業務予実管理・経営数値の集計/経営会議資料の作成全社データの可視化・ダッシュボード基幹業務の統合管理
Excel運用で起きやすい問題同時編集できず、最新の商談状況が共有されないファイルが分散し、どれが最新か分からなくなる転記ミスや在庫の不整合が起きやすい集計や承認が手作業で、確認に手間がかかる各部門からの数字の転記と月次集計が属人化する手作業での作図に時間がかかり、更新が追いつかない業務ごとにファイルが分かれ、データがつながらない
主な移行先の種類CRM・SFA(顧客管理・営業支援ツール)クラウドデータベース・ノーコードツール販売管理・在庫管理などの業務特化型システム勤怠管理・経費精算などの専用クラウドサービス経営管理システム(予実管理クラウド)BIツールERP(統合基幹業務システム)

経理・経営管理(予実管理)こそExcelが限界を迎えやすい

移行先のなかでも、先ほど挙げた内部統制・監査の論点が最も重くのしかかり、Excelの限界が特に表れやすいのが、予実管理をはじめとする経営数値の管理です。ここでは、なぜExcelでの予実管理が立ち行かなくなりやすいのかを掘り下げ、その移行先となる経営管理システムを紹介します。

Excelでの予実管理が立ち行かなくなりやすい理由

予実管理は、各部門から集めた予算と実績を突き合わせ、差異を分析し、着地見込みを更新し続ける業務です。Excelで行うと、部門ごとにフォーマットの異なるファイルを集め、数字を転記し、全社分を一つのファイルに統合する——という手作業が毎月繰り返されます。この転記と集計の工程が、属人化とミスの大きな原因になります。

さらに、月の途中で実績が動くたびに着地見込みを手で引き直す必要があり、リアルタイムに最新の見込みを把握することが困難です。誰がどの数字をいつ変えたのかという変更履歴も残りにくいため、経営数値を扱ううえで求められる内部統制や監査対応の面でも不安が残ります。予実管理は、共有性・継続性・重要度のいずれも高く、まさに脱Excelの効果が大きい業務だといえます。

こうした課題を解決する手段が、予算・実績・見込をクラウド上で一元管理する経営管理システム(予実管理クラウド)です。会計システムとの連携でデータ取り込みを自動化し、差異分析や着地見込みの更新、経営会議資料の作成までを支援します。ここでは代表的なサービスを紹介します。

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予実管理クラウドの比較DIGGLE(ディグル)X-KPI(クロスケーピーアイ)Scale Cloud(スケールクラウド)
タイプ・特徴予実管理特化クラウド。予算策定から予実突合・着地見込管理・レポートまでを一元化し、会計連携で集計を自動化KPI・予実管理クラウド。部門・拠点・プロジェクトのKPIと予実を集約し、差異や異常値を自動検知してチャット通知経営管理クラウド。PLとKPIを接続し、KPIを積み上げて予算を作成。多軸分析にも対応
KPI管理△財務・非財務指標の可視化に対応●KPIツリーでノーコード設計・一元管理●PL・BS・CFとKPIを関連づけてモデリング
着地見込・予実差異分析●予実突合・着地見込管理・差異分析に対応●予実差・異常値を自動検知して通知●着地見込みの更新・多軸分析・異常値の自動検知
配賦(費用の部門配分)●多段階配賦に対応公式に記載なし公式に記載なし
会計システム連携freee会計・マネーフォワード クラウド会計・勘定奉行クラウド・弥生 ほか(API・CSV連携)会計ソフト・グループウェアとAPI連携勘定奉行クラウド・freee・Salesforce・Googleスプレッドシート・CSV
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1. DIGGLE(ディグル株式会社)

DIGGLE(ディグル)のウェブサイト

予実管理に特化したクラウドサービスで、「属人的なエクセル業務をなくし、経営判断をより早くより正確に。」を掲げています。予算策定から予実の突合、着地見込みの管理、レポーティングまでの一連の流れをクラウド上で完結でき、会計システムからのデータ取り込みと予実突合を自動化します。

勘定科目より細かい粒度での損益管理や、部門をまたぐ費用を割り振る多段階の配賦にも対応します。同社の発表によると、富士キメラ総研の調査で予実管理ソフトウェア(SaaS/PaaS区分、2024年度実績のベンダーシェア・金額ベース)1位とされており、予実管理を軸にExcelから移行したい企業にとって有力な選択肢です。

出典・参考資料(1件)

2. X-KPI(株式会社パブリックアイデンティティ)

X-KPI(クロスケーピーアイ)のウェブサイト

クラウド型のKPI・予実管理ツールで、複数の部門・拠点・プロジェクトにまたがるKPIと予実データをクラウド上に集約します。全体目標と個別目標の関係をKPIツリーで整理でき、ダッシュボードやレポートを専門知識がなくてもノーコードで設計できる点が特徴です。

予算と実績のズレや異常値を自動で検知し、原因とともにチャットツールへ通知する機能を備えるため、差異分析を担当者の手作業に頼らず回せます。会計ソフトやグループウェアとはAPI連携でき、既存のデータ基盤を活かしながら、部門や拠点ごとにバラバラだった数字を一つの画面に集めたい企業に向いています。

3. Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)

Scale Cloud(スケールクラウド)のウェブサイト

財務数値(PL・BS・CF)と非財務数値(KPI)を関連づけて一元管理し、予算の達成度とその再現性を高める経営管理クラウドです。KPIの数値をもとにPLをシミュレーションでき、複数パターンでの予算作成や着地見込み(フォーキャスト)の更新がしやすい設計になっています。

経営用・管理部用・事業部用など複数のダッシュボードを作成でき、多軸分析や異常値の自動検知にも対応します。料金は月額15万円からで(2026年9月時点)、子会社を含めたグループ全体の数字を整理して比較したい企業にも適しています。

ExcelやスプレッドシートからScale Cloudへ移行した企業で工数がどう変わったかについて、代表取締役の広瀬氏は独自インタビューで次のように述べています。

広瀬氏
株式会社Scale Cloud 代表取締役
広瀬氏
独自インタビューより

数値的な効果で申し上げると、他社システムからの乗り換えでは、工数が約40%削減できたとおっしゃっていただいているケースがあります。Excelやスプレッドシートからのリプレースに関しても、工数が6分の1程度になったという声をいただいています。効率化という目線では、それぐらいのインパクトが出ています。

ここで紹介したサービスを含め、経営管理システムは対応できる領域や会計システムとの連携範囲、料金体系がサービスごとに大きく異なります。以下の記事では、予実管理・連結会計・ERPといったタイプ別に経営管理システムの選び方や機能を比較・解説しています。移行先を全体から見比べて検討したい方は、あわせてご覧ください。

着地見込みを期初の予算に縛られず定期的に見直していく予算管理の手法として「ローリングフォーキャスト」があります。その考え方や運用のコツを知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

脱Excelの進め方

脱Excelは、一度にすべてを置き換えようとすると現場の負担が大きく、頓挫しやすくなります。次の段階を踏んで、無理なく進めるのが現実的です。

1. Excel業務を洗い出す

まず、社内でExcelを使っている業務を書き出し、誰が・何のために・どの頻度で使っているかを整理することから始めます。全体像が見えると、どこに属人化やミスのリスクが潜んでいるかが把握しやすくなります。

2. 残す業務と移す業務を見極める

洗い出した業務を、Excelを残してよいものと脱した方がよいものに仕分けていきます。判断の基準は前述のとおり、共有性・継続性・重要度の高さです。優先度の高い業務から移行対象を絞り込むのが現実的です。

3. 小さく試して成功体験を積む

いきなり全社展開せず、一つの業務や一部門から試験的に移行するのが効果的です。小さく始めて効果を実感できれば、現場の納得も得やすく、横展開の足がかりになります。

4. 全社へ展開する

試験導入で得た知見をもとに、対象業務や部門を段階的に広げていくとよいでしょう。運用ルールや定着のためのフォローを整えながら進めると、ツールが使われないまま形骸化する事態を防げます。

まとめ

脱Excelが必要だといわれる背景には、属人化・同時編集の限界・バージョンの混乱・ヒューマンエラー・大量データでの限界・リアルタイム共有の欠如・セキュリティや監査証跡の弱さ・内部統制やDXの足かせという、具体的な理由があります。これらはExcelを使い続けるほど影響が大きくなり、担当者の退職や締めの遅れといった実害につながります。

一方で、Excelを全廃する必要はありません。残すべき業務と脱すべき業務を見極め、共有性・継続性・重要度の高い業務から専用のツールへ移すことが、現実的な進め方です。なかでも予実管理をはじめとする経営数値の管理はExcelの限界が表れやすく、経営管理システム(予実管理クラウド)への移行は効果の大きい第一歩になります。本記事を、社内で脱Excelを提案する際の判断材料としてご活用ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 脱Excelとは何ですか?

A. 脱Excelとは、Excelでの手作業に頼ってきた業務を、専用のツールやクラウドサービスに置き換えて効率化・標準化する取り組みです。Excelを全廃することではなく、属人化やミスが起きやすい共有・継続・基幹の業務は適したツールに移し、一時的な試算など柔軟さが活きる作業はExcelに残す「使い分け」が基本になります。

Q. 脱Excelは具体的に何から始めればよいですか?

A. 脱Excelは、まず社内でExcelを使っている業務を洗い出し、残すべき業務と移すべき業務を仕分けることから始めます。誰が・何のために・どの頻度で使っているかを整理すると、属人化やミスのリスクが高い業務が見えてきます。いきなり全社で置き換えようとせず、優先度の高い一つの業務や一部門から小さく始めて効果を確かめると、現場の納得を得ながら無理なく広げられます。

Q. 脱Excelでは、すべての業務でExcelを廃止すべきですか?

A. 脱Excelでは、すべての業務でExcelを廃止する必要はありません。一時的な試算やシミュレーション、個人の作業メモ、その場限りの簡易な集計やグラフ作成など、Excelの柔軟さが活きる業務はそのまま残して問題ありません。一方で、複数人が同時に関わる業務、継続的に積み上げる基幹データ、全社の判断に使う経営数値など、共有性・継続性・重要度の高い業務は専用のツールへ移した方が安定して運用できます。

Q. 脱Excelのためにコストをかけてツールを導入する意味はありますか?

A. 脱Excelでツールを導入する意味は、属人化・集計ミス・締めの遅れといった「見えにくいコスト」を減らし、業務の継続性と意思決定の速さを確保できる点にあります。担当者の退職による業務停止や誤送信による漏洩が一度起きれば、復旧コストは導入費を上回りかねません。放置で積み上がるリスクと比べて判断することが大切です。

Q. 脱Excelでツールを導入しても、現場が使ってくれるか心配です。

A. 脱Excelのツールを現場に定着させるには、いきなり全社展開せず、一つの業務や一部門から小さく始めて成功体験を積むことが有効です。実際に使う人がメリットを実感できれば納得が自然に広がり、横展開の足がかりになります。あわせて運用ルールや定着のためのフォローを整えておくと、ツールが使われないまま形骸化する事態を防げます。

Q. 中小企業に向いた脱Excelの移行先はどれですか?

A. 中小企業の脱Excelは、まず課題の大きい特定業務に絞って専用ツールへ移すのが現実的です。顧客・案件管理ならCRM・SFA、バックオフィス業務なら専用クラウド、予実・経営数値なら経営管理システム(予実管理クラウド)というように、痛みの大きい業務から選ぶと失敗しにくくなります。全業務を統合するERPは負担も大きいため、段階導入を前提に検討するとよいでしょう。

Q. 予実管理や経営数値は、Excelから何に移せばよいですか?

A. 予実管理や経営数値の集計は、予算・実績・見込をクラウド上で一元管理する経営管理システム(予実管理クラウド)への移行が適しています。各部門からの数字の転記や月次集計が属人化しやすく、着地見込みをリアルタイムに把握しにくいなど、Excelの限界が表れやすい業務だからです。会計システムと連携して集計を自動化し、差異分析や会議資料の作成まで支援するサービスもあります。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
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監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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