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管理損益とは?財務会計の損益との違い・部門別の見方から作り方まで解説

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管理会計システム比較表(2026年版)

社内の会議資料や会計システムで「管理損益」という言葉を見て、「全社の損益計算書で見る損益と何が違うのか」「なぜ『管理』が付くのか」と戸惑ったことはないでしょうか。語順が逆の「損益管理」と混同されやすく、その意味の違いがつかみにくい言葉でもあります。

管理損益は、部門別・事業別・プロジェクト別など社内の切り口で見る損益で、経営判断のために使う数字です。制度上のルールに沿って外部へ報告する財務会計の損益とは、目的も見る単位も異なります。

本記事では、管理損益の意味と「損益管理」との違いから、財務会計の損益との比較、部門別・事業別などの切り口、作るときの肝になる共通費の配賦や着地見込みとの関係、そして実際の作り方までを順に解説します。自社で意思決定に使える損益を整えるための土台としてご活用ください。

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管理損益とは

管理損益とは、部門別・事業別・プロジェクト別・顧客別といった社内の切り口で区分して見る損益のことです。会社全体の損益だけでなく「どの事業が稼いでいるのか」「どのプロジェクトが赤字なのか」を把握し、経営判断に使うために組み立てた損益を指します。管理会計(社内の意思決定のために行う会計)の中心となる数字であり、「管理会計上の損益」とも言い換えられます。

たとえば決算書に載る損益計算書は、会社全体で「売上がいくら、利益がいくら」を示します。これに対して管理損益は、同じ会社の中を事業部別・拠点別・案件別といった切り口で分け、それぞれの売上・費用・利益を並べて見ます。全社では黒字でも、切り分けると赤字の事業が隠れている、といった実態が見えるのが管理損益の役割です。

「管理損益」と「損益管理」はどう違うか

「管理損益」と語順が逆の「損益管理」は、よく似ていて混同されがちですが、指しているものが異なります。管理損益は見る対象(社内の切り口で組んだ損益の数字そのもの)で、損益管理はその数字を使って利益・損失を把握し、改善を回していく活動を指します。

部門別・事業別に組み替えた損益の数字が「管理損益」、その数字を見ながら各部門・各事業の改善を進める営みが「損益管理」という関係です。管理損益は損益管理の土台となる材料であり、精度の高い管理損益がなければ、損益管理の判断も精度が上がりません。

管理損益と財務会計の損益は何が違うのか

「管理」が付く損益と、決算書で見る損益の違いは、どちらも「会計」の数字でありながら、目的と見る単位が根本的に異なる点にあります。

決算書の損益は、株式会社が会社法に基づいて作成する計算書類の一つで、損益計算書として外部に報告するための損益です(会社法第435条)。上場企業などはさらに金融商品取引法に基づき、有価証券報告書で経理の状況を投資家に開示します(金融商品取引法第24条)。こうした外部報告を目的とする会計を財務会計と呼びます。

一方の管理損益は、法律で様式が決められているわけではありません。社内で意思決定に使うために、自社が見たい切り口・粒度で自由に組み立てます。両者の違いを整理すると、次のようになります。

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目的主な読み手ルール対象期間見る単位
財務会計の損益(制度上の損益)株主・投資家・債権者・税務当局など社外への報告社外(投資家・金融機関・税務当局など)会社法・金融商品取引法・会計基準に沿う(制度)確定した過去の実績が中心会社全体(連結・単体)
管理損益(管理会計上の損益)経営者・管理部門による社内の意思決定社内(経営者・事業責任者・経営企画など)自社が決める(自由)実績に加え、予算・着地見込みなど未来も扱う部門別・事業別・プロジェクト別・顧客別など社内の切り口

※財務会計・管理会計の一般的な区分に基づく整理です。

財務会計の損益が「決められたルールで、会社全体の結果を、社外に正しく伝える」ための損益であるのに対し、管理損益は「自社で決めた切り口で、事業の実態を、社内の判断に活かす」ための損益だと整理できます。

出典・参考資料(2件)

財務会計の損益(損益計算書)で見る5つの利益

管理損益の前提として、財務会計の損益=損益計算書(P/L)の読み方も押さえておきましょう(P/Lに慣れている方は読み飛ばして構いません)。損益計算書では、売上から段階的に費用を差し引いて、5つの利益を順に示します。会社計算規則でも、この計算の順序が定められています(会社計算規則第89条〜第94条)。

  1. 売上総利益:売上高から売上原価を引いた、いわゆる粗利です。
  2. 営業利益:売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた、本業の利益です。
  3. 経常利益:営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を引いた、通常の事業活動全体の利益です。
  4. 税引前当期純利益:経常利益に特別利益を加え、特別損失を引いた利益です。
  5. 当期純利益:税引前当期純利益から法人税等を引いた、最終的に手元に残る利益です。

管理損益でも、この5段階の考え方を部門別・事業別に当てはめて、「この事業部の営業利益はいくらか」といった形で利益を把握します。

出典・参考資料(1件)

管理損益と財務会計の損益の違いを見てきましたが、そもそも管理会計と財務会計は目的・義務・ルールがどう違い、どう使い分けるのかをより多くの軸で整理したい場合は、以下の記事で6つの軸を比較表で解説しています。

管理損益はどんな切り口で見るのか

管理損益の価値は、会社全体の損益を「どの切り口で分解するか」で決まります。どの切り口で見るかによって、下せる経営判断が変わります。代表的な切り口と、その切り口が効く判断を見ていきましょう。

全社損益を社内の切り口で分解する図。全社損益を部門別・拠点別、事業別、プロジェクト別・案件別、顧客別・商品別の4つの切り口に分け、それぞれで下せる経営判断(人員配置の見直し・拠点の統廃合、投資配分・撤退縮小、赤字案件の早期把握・見積り精度、値決め・注力商品の選別)を示す。

部門別・拠点別

営業部・製造部・管理部といった部門ごと、あるいは東京・大阪といった拠点ごとに損益を分けて見る切り口です。どの部門・拠点が利益を生み、どこが負担になっているかが見えるため、人員配置の見直しや、拠点の統廃合・増強といった判断の材料になります。

事業別

複数の事業を抱える会社で、事業ごとに損益を区分する切り口です。全社では黒字でも、ある事業が赤字を垂れ流している、という実態がここで表面化します。どの事業に投資を厚くするか、あるいは撤退・縮小するかという、経営の根幹に関わる判断に直結します。

プロジェクト別・案件別

受注案件やプロジェクト単位で、売上と、それにかかった原価・人件費を突き合わせる切り口です。IT・制作・建設・専門サービスなど、案件ごとに採算が大きく変わる業種で特に重要になります。進行中の案件の採算を早めに把握できれば、赤字案件の傷が深くなる前に手を打てますし、次の受注可否や見積もりの精度も上がります。

顧客別・商品別

取引先ごと、あるいは商品・サービスごとに損益を見る切り口です。売上の大きい顧客が、値引きやサポートコストを加味すると実は利益が薄い、といったケースが見えてきます。値決めや取引条件の見直し、注力すべき商品の絞り込みに役立ちます。

管理損益はどう作るのか:配賦・着地見込み・Excelの限界

ここからは、管理損益を実際に作るときの要点を解説します。切り口を決めれば自動で損益が出るわけではなく、共通費をどう割り振るか(配賦)、未来をどう織り込むか(着地見込み)という工夫が必要になります。

作るときの最大の肝:共通費・間接費の配賦

管理損益を作るうえで最も悩ましいのが、配賦です。配賦とは、特定の部門や事業に直接ひも付かない共通費・間接費を、一定の基準で各部門・事業・プロジェクトに割り振ることを指します。

たとえば本社の管理部門の人件費、全社共通で借りているオフィスの家賃、全社で契約しているシステム利用料などは、どこか一つの事業だけのものではありません。これらを放置すると、各事業の損益が「売上とその事業の直接費だけ」になり、全社のコストを負担していない見かけ上の黒字になってしまいます。

そこで、共通費を何らかの基準で各事業に割り振ります。配賦の基準には、売上高の比率、従業員数の比率、使用面積の比率などがあり、どれを選ぶかによって各事業の損益は変わります。この「どの基準で、いくら割り振るか」に唯一の正解はなく、ここに恣意性が入り込みます。

基準選びの目安は、その費用が「何によって増減するか」に近い指標を選ぶことです。たとえば賃料や水道光熱費は使う面積に応じて増減するので使用面積の比率、人事・総務・労務にかかる費用は人数に連動するので従業員数の比率が、考えやすい基準になります。

発生原因を特定しにくい全般的な本社費については、規模の代理指標として売上高の比率で割り振ることもあります。こうした代理指標も含め、費用の発生原因に近い基準を選べるものほど現場が納得しやすく、恣意性も抑えやすくなります。

たとえば本社費が月100万円で、A事業の売上600万円・B事業400万円なら、売上比ではA事業60万円・B事業40万円を負担します。これを従業員数比(A事業20人・B事業30人)に変えると、A事業40万円・B事業60万円と逆転します。同じ共通費でも、どの基準を選ぶかで各事業の利益が変わってしまうのが配賦の難しさです。

共通費の配賦基準による負担額の違いを示す図。本社費月100万円を、売上高の比率で配賦するとA事業60万円・B事業40万円、従業員数の比率で配賦するとA事業40万円・B事業60万円となり、選ぶ基準によってA事業とB事業の負担額が逆転することを示す。

配賦の設計は管理損益の説得力を左右します。基準が曖昧だと「なぜうちの部門がこんなに本社費を負担するのか」と現場が納得せず、管理損益が意思決定に使われなくなります。配賦のルールが担当者の頭の中やExcelの複雑な数式に埋もれる属人化も起こりがちで、配賦の基準を明確にし、誰が見ても再現できる形にしておくことが管理損益を機能させる鍵になります。

着地見込み・予実管理と組み合わせる

管理損益は、確定した過去の実績を見るだけのものではありません。むしろ経営判断では、「今期はどこに着地しそうか」という未来の見通しが重要になります。期首に立てた予算(計画)と、足元の実績を突き合わせて差異を見るのが予実管理です。さらに、残りの期間の見通しを織り込んで期末の着地点を予測するのが着地見込み(フォーキャスト)です。

部門別・事業別の管理損益に予算と着地見込みを並べると、「この事業は予算に対して実績が遅れており、このままだと着地も未達になりそうだ」といった判断が、期末を待たずにできます。管理損益は、過去の実績・現在の予実差異・未来の着地見込みをセットで扱ってこそ、先手を打つ経営の材料になります。

予算と実績の差異をどう洗い出し、着地見込みをどう更新していくかという予実管理の具体的な進め方は、以下の記事で5ステップと差異分析のやり方、Excel予実管理表の作り方まで解説しています。

Excelで作る手順と限界、そして仕組み化へ

管理損益は、まずはExcelでも作れます。会計システムから部門別の試算表をエクスポートし、共通費を配賦する数式を組み、予算と実績を並べて差異を計算する、という手順です。事業や部門の数が少ないうちは、これで十分に回せます。

ただ、事業・部門・プロジェクトが増え、見たい切り口が多層になるほど、Excelでの運用は負担が重くなります。毎月、複数システムからデータを集めて貼り付け、配賦の数式を更新し、集計する作業に時間がかかり、経営会議に間に合わないこともあります。数式が壊れて数字が合わない、作成者しか中身が分からず属人化する、といった問題も起こりがちです。

こうした集計の手間や属人化、リアルタイム性の不足が課題になってきたら、管理会計システム(予実管理・経営管理のクラウドサービス)で仕組み化する選択肢があります。会計システムからのデータ取り込み、配賦、部門別・事業別・プロジェクト別の損益集計、予算・着地見込みとの比較までを自動化し、Excelの手作業から解放されます。次の章で、管理損益を仕組みで作れる代表的なサービスを紹介します。

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管理損益を手作業でなく仕組みで作るには

ここで紹介するサービスは、いずれも会計システムと連携して管理損益の集計・分析を支えるクラウドですが、強みは同じではありません。共通費の配賦まで仕組み化できるものもあれば、KPIと予実の一元管理に重きを置くものもあります。下の比較表と各サービスの紹介で、自社が何を重視するかと突き合わせて選んでください。

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サービス名DIGGLE(ディグル)X-KPI(クロスケーピーアイ)Scale Cloud(スケールクラウド)
損益を見られる単位部門別
(勘定科目より細かい粒度での損益管理・分析)
部門・拠点・プロジェクト別
(KPIと予実を単位別に集約)
部門・得意先・プロジェクト別
(PLとKPIを接続して管理)
予実・着地見込み●予算・予実突合・着地見込みを一元管理△予実の可視化・差異分析に対応●予算・予実・着地見込み更新に対応
共通費・間接費の配賦多段階配賦に対応
(配賦元・配賦先・配賦基準を設定)
—(記載なし)—(記載なし)
提供形態・特徴クラウド(SaaS)
予実管理特化。Excel中心の属人化・集計の手間を解消
クラウド(SaaS)
KPIと予実を一元化。非財務指標まで含めて可視化
クラウド(SaaS)
PLとKPIを接続。KPI積み上げで予算を作成
料金の目安要問い合わせ
(Standard / Enterprise の2プラン、見積制)
要問い合わせ
(金額は非公開)
要問い合わせ
(プランにより異なる)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約

1. DIGGLE(ディグル株式会社)

DIGGLE(ディグル)のウェブサイト

DIGGLEは、予算・実績・見込みをクラウド上で一元管理する予実管理特化のサービスです。会計システムからデータを取り込んで予実突合を自動化し、Excel中心の予実管理で起こりがちな属人化や集計の手間を解消することを狙っています。勘定科目よりも細かい粒度での損益管理・分析に対応しているのが特徴です。

管理損益づくりの肝である配賦については、配賦元・配賦先・配賦基準を柔軟に設定できる多段階配賦の機能を備えています。各配賦ルールをワンクリックでオン・オフでき、配賦を反映した後の数値をスナップショットとして保存して、損益分析画面で比較することも可能です。予算に対する着地見込みの管理機能もあり、配賦・見込みまで含めた管理損益を仕組みとして回したい企業に向いています。

2. X-KPI(株式会社パブリックアイデンティティ)

X-KPI(クロスケーピーアイ)のウェブサイト

日経グループの株式会社パブリックアイデンティティが開発したクラウド型のKPI・予実管理ツールがX-KPIです。部門・拠点・プロジェクトごとのKPIと予実データをクラウド上で集約し、リアルタイムに可視化します。会計データだけでなく、各部門が持つ指標まで含めて一元化できる点が持ち味です。

予算と実績の差異分析・共有を自動化できるため、部門別・拠点別・プロジェクト別の管理損益を、担当者ごとのExcelに散らばった状態から、全社で同じ数字を見る形へ整えられます。情報セキュリティマネジメントの国際規格であるISO/IEC 27001(ISMS)認証を取得しています。

3. Scale Cloud(株式会社Scale Cloud)

Scale Cloud(スケールクラウド)のウェブサイト

部門別・得意先別・プロジェクト別のPL(損益)管理と各部門のKPIを、一つのプラットフォームで接続して管理できるのがScale Cloudです。損益の結果だけでなく、その結果に至ったプロセス(KPI)まで同じ画面で見られるようにすることで、「同じ景色を見て議論する」ことを狙っている点が特徴です。

この「結果だけでなく、そこに至ったプロセスまで見る」という発想の背景について、Scale Cloudを提供する株式会社Scale Cloudの広瀬氏は、従来の管理会計への問題意識を次のように述べています。

広瀬氏
株式会社Scale Cloud 代表取締役
広瀬氏
独自インタビューより

従来の管理会計では、財務データを部門別や得意先別など様々な切り口で分析するのですが、それだけでは「この結果にどうやって至ったのか」というプロセスがまったくわからないです。事業の状況を正しく理解するためには、結果だけでなくそこに至るプロセスも含めて把握しなければ、どこに問題があるのか見えてこない。これが管理会計の限界だと感じていました。

商談数や成約率といったKPIを積み上げて予算を作る、といった計画の立て方にも対応し、予算と実績を同じ構造で扱えます。会計ソフトからのデータ取り込みに加え、Salesforceなど会計以外のデータとのAPI連携にも対応しています。導入相談は経営企画部やCFO、予実管理を担う管理部門から寄せられることが多いサービスです。

ここで取り上げた3サービス以外にも、管理会計システムには規模や目的によって多様な選択肢があります。配賦や予実管理への対応を含めて全体を比較し、自社に合うサービスを選びたい方は、以下の記事で目的・規模別の選び方とタイプ別の違いを解説しています。

まとめ

管理損益とは、部門別・事業別・プロジェクト別など社内の切り口で見る、経営判断のための損益です。外部報告のための財務会計の損益とは、目的・ルール・見る単位が異なります。混同されやすい「損益管理」は、その管理損益を使って改善を回す活動のことで、管理損益はその土台となる数字です。

管理損益を作るときは、共通費をどう割り振るかという配賦の設計と、予算・着地見込みとの組み合わせが肝になります。事業や切り口が増えてExcelでの集計が重くなってきたら、管理会計システムで仕組み化することで、配賦や部門別損益の集計、予実・着地見込みの管理を自動化できます。自社に合った進め方を検討する材料として、各サービスの資料もあわせてご確認ください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 管理損益とは何ですか?

A. 管理損益とは、部門別・事業別・プロジェクト別など社内の切り口で区分して見る、経営判断のための損益です。会社全体の結果を社外に報告する財務会計の損益とは異なり、管理会計上の損益として「どの事業が稼ぎ、どこが赤字なのか」を社内の意思決定のために把握する数字を指します。法律で様式が決まっているわけではなく、自社が見たい切り口・粒度で自由に組み立てられる点が特徴です。

Q. 管理損益と損益管理はどう違いますか?

A. 管理損益は社内の切り口で組んだ損益の数字そのものを指し、損益管理はその数字を使って利益・損失を把握し、改善を回していく活動を指します。語順が逆なだけに見えますが、管理損益が「見る対象」、損益管理が「その対象を使う営み」という関係です。精度の高い管理損益がなければ損益管理の判断も精度が上がらないため、まず土台となる管理損益を正しく組むことが出発点になります。

Q. 管理損益と収支は何が違いますか?

A. 管理損益と収支の違いは、管理損益が発生ベース(売上・費用が発生した時点)で利益を捉えるのに対し、収支は現金の入出金ベースで見る点にあります。たとえば売上が立っても入金が翌月なら、管理損益上は売上が発生した当月の利益になりますが、収支上は入金のあった月に計上されます。経営判断に使う管理損益は、現金の動きではなく事業活動の成果を映す発生ベースで組むのが基本です。

Q. 管理損益はどの部署が作るのですか?

A. 管理損益は、経理・財務部門や経営企画部門が中心となって作成するのが一般的です。会計システムから部門別・事業別のデータを集め、共通費を各部門に割り振る配賦ルールを設計し、予算・着地見込みと並べる作業を担います。ただし配賦のルールが担当者の頭の中やExcelの複雑な数式に埋もれ、属人化しやすい領域でもあるため、誰が見ても再現できる形に整えておくことが、管理損益を全社で活用する鍵になります。

Q. 管理損益はExcelと管理会計システムのどちらで作るべきですか?

A. 管理損益は、事業・部門の数が少ないうちはExcelでも作れますが、切り口が増えて集計が重くなってきたら管理会計システムで仕組み化するのが有効です。Excelは手軽に始められる一方、毎月のデータ集計や配賦数式の更新に手間がかかり、数式の破損や属人化が起こりがちです。

多層の切り口や予実・着地見込みまでリアルタイムに見たい段階になったら、会計システムとの連携・配賦・部門別損益の集計を自動化できる管理会計システムの導入を検討するとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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