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契約書の準拠法とは?条文例(和文・英文)と決め方・国際取引の注意点を解説

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契約書レビュー比較表(2026年版)

海外の企業と取引する契約書をレビューしていて、末尾の「準拠法」条項をどう書けばよいか迷ったことはないでしょうか。相手方から届いた英文契約に準拠法の定めがない、あるいは相手国の法律が指定されていて、このまま締結してよいのか判断がつかない場面は少なくありません。

準拠法条項は、契約の成立や効力をどの国の法律で判断するかを定める条項です。国内の当事者同士の契約でも準拠法を明記しておく意味はありますが、とくに海外企業との取引では、定め方を誤ると想定外の国の法律が適用されたり、どの法律で判断されるかが不明確なまま争いが長引いたりします。

国際取引では、ウィーン売買条約(CISG)が自動で適用される、消費者契約・労働契約には特則がある、といった見落としやすい論点もあります。

本記事では、そのまま契約書に使える準拠法条項の条文例(和文・英文)を示したうえで、準拠法の適用範囲、どの国の法律を選ぶか(法の適用に関する通則法7条・8条)、合意管轄とのセット設計、国際取引の注意点までを、条文の根拠とともに整理します。契約書の審査・作成に携わる方が、自社のひな形に準拠法条項を反映する判断材料としてご活用ください。

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契約書の準拠法条項の条文例(コピーして使える書き方)

まず、実際に契約書へ入れられる準拠法条項の条文例を示します。自社の契約類型や取引相手に合わせて調整してお使いください。条文例の後に、なぜその書き方になるのかを解説します。

和文の基本形(適用範囲の文言を含む)

国内の当事者同士、または日本法を準拠法とする契約であれば、次のように定めるのが基本形です。「成立」「効力」「解釈」「履行」まで適用範囲を明記すると、準拠法が契約のどの場面に及ぶかが明確になります。

第○条(準拠法)
本契約の成立、効力、解釈および履行については、日本法を準拠法とする。

「日本法に準拠する」とだけ書く例も見かけますが、適用範囲の文言を添えておくと、契約の解釈や履行をめぐる争いでも同じ法律で判断されることが読み取りやすくなります。

国際取引向けの和英対訳(日本法を準拠法とするパターン)

海外の当事者との契約で日本法を準拠法とする場合は、英文での定め方も押さえておきたいところです。和文と英文を併記する契約では、次のような対訳になります。

和文英文
第○条(準拠法) 本契約は日本法に準拠し、日本法に従って解釈されるものとする。Article ○ (Governing Law) This Agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of Japan.

英文契約では「governed by」(準拠する)と「construed in accordance with」(解釈される)をセットで書くのが一般的です。この表現は条文上は準拠と解釈を指しますが、実務上は契約の成立・効力・履行まで含めてその国の法律で判断する趣旨と解され、和文基本形の適用範囲(成立・効力・解釈・履行)と同じ意味で使われます。

和英を併記する契約で両者に食い違いがあると解釈の争いになるため、どちらを優先するかを定める言語条項とあわせて確認します。

外国法を選ぶパターン/CISG適用排除を入れるパターン

相手方の交渉力が強く外国法を準拠法とする場合や、第三国の中立的な法律を選ぶ場合は、対象の法域を具体的に書きます。州ごとに法律が異なる国では州名まで特定します。

和文英文
本契約は、アメリカ合衆国ニューヨーク州法に準拠し、同州法に従って解釈されるものとする。This Agreement shall be governed by and construed in accordance with the laws of the State of New York, U.S.A.

国際的な物品売買の契約では、準拠法を日本法などとしても、ウィーン売買条約(CISG)が自動で適用される場合があります。CISGの適用を望まないときは、準拠法条項とあわせて適用排除の一文を入れます。

和文英文
本契約には、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)を適用しない。The United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods (CISG) shall not apply to this Agreement.

CISGを適用排除できる根拠は、CISG第6条が当事者の合意による適用排除を認めている点にあります。適用排除の実務的な理由は、本記事後半の国際取引で見落としやすい準拠法の注意点で解説します。

合意管轄・仲裁条項とセットで定める(条文例)

準拠法はどの法律で判断するかを定めるだけで、どこで争うか(管轄)は別の条項で定めます。準拠法と合意管轄はセットで置くのが実務なので、準拠法に続けて次のような条項を入れます。裁判所で争う場合は、専属的合意管轄を定めるのが一般的です。

和文英文
第○条(合意管轄) 本契約に関する一切の紛争については、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。Any dispute arising out of or in connection with this Agreement shall be subject to the exclusive jurisdiction of the Tokyo District Court as the court of first instance.

外国の当事者との取引で、判決の執行可能性を重視する場合は、裁判ではなく仲裁を選ぶこともあります。仲裁条項は、仲裁機関・仲裁地・使用言語を明記します。

和文英文
第○条(仲裁) 本契約に関する一切の紛争は、一般社団法人日本商事仲裁協会の商事仲裁規則に従い、東京において仲裁により最終的に解決される。仲裁の言語は日本語とする。All disputes arising out of or in connection with this Agreement shall be finally settled by arbitration in Tokyo in accordance with the Commercial Arbitration Rules of the Japan Commercial Arbitration Association. The language of the arbitration shall be Japanese.

和文・英文を併記する契約では、どちらの言語を正文とするかを定める言語条項も置きます。たとえば「本契約は日本語および英語で作成され、両者に相違があるときは日本語版を優先する」のように、優先する言語を明確にしておきます。準拠法・管轄・仲裁の条項は、どこで・どの法律で・どの言語で解決するかを一体で設計すると、紛争時の見通しが立ちやすくなります。

自社ひな形の準拠法条項 見直しチェック

すでに自社のひな形に準拠法条項がある場合は、次の観点で見直すと見落としを防げます。

  • 適用範囲(成立・効力・解釈・履行)が書かれているか。「日本法に準拠する」だけになっていないか
  • 準拠法と合意管轄(どの国の裁判所で争うか)が両方定められているか。片方だけになっていないか
  • 国際的な物品売買を含む契約で、CISGの適用排除の要否を検討したか
  • 相手方が消費者や従業員にあたる契約で、準拠法を選んでも特則(後述)が及ぶ余地を確認したか

準拠法とは|契約のどこに適用され、国際私法・国際法と何が違うか

ここからは、条文例を正しく使うために、準拠法の意味と適用範囲を整理します。準拠法とは、契約の成立や効力をどの国(法域)の法律で判断するかを定めるものです。日本では「法の適用に関する通則法」が、どの国の法律を適用するかのルールを定めています。

準拠法が及ぶ範囲(成立・効力・履行・解釈)

準拠法は、契約の成立と効力に適用されます。通則法7条は、法律行為の成立および効力について、当事者が選択した地の法律によると定めています。

第七条 法律行為の成立及び効力は、当事者が当該法律行為の当時に選択した地の法による。

法の適用に関する通則法(平成十八年法律第七十八号)第七条(e-Gov法令検索)

「法律行為」には契約が含まれます。条文が定めるのは「成立及び効力」ですが、契約の解釈や履行も契約の準拠法に従うと解されており、選んだ準拠法は、契約が有効に成立したか、どのような効力を持つか、条項をどう解釈するか、債務をどう履行するかといった実質的な中身の判断に及びます。条文例で適用範囲の文言を添えるのは、この範囲を契約上も明確にするためです。

国際私法・国際法との違い

準拠法の話をするとき、国際私法や国際法という言葉と混同されがちですが、指すものが異なります。

  • 準拠法:個別の契約に適用される、ある国の実質的な法律(例:日本法、ニューヨーク州法)
  • 国際私法:複数の国が関わる私人間の法律関係について、どの国の法律を準拠法とするかを決めるルール。日本では「法の適用に関する通則法」がこれにあたる
  • 国際法:国家間の関係を規律する法(条約・国際慣習法など)。私人間の契約の準拠法とは別の枠組み

どの国の裁判所で争うか(管轄)は、準拠法とは別の論点です。両者の違いとセット設計については準拠法と合意管轄・紛争解決条項はセットで設計するで解説します。

どの国の法律を準拠法に選ぶか(通則法7条・8条)

ここからは、準拠法の選び方を根拠条文に紐づけて解説します。日本の通則法は、当事者が選べること(7条)と、選ばなかった場合のルール(8条)を分けて定めています。準拠法は、合意があるかどうかで次のように決まります。

準拠法の決まり方を示す図。契約当事者が準拠法を合意していれば当事者自治(通則法7条)により当事者が選んだ地の法が適用され、日本法・外国法・第三国法も選べる。合意がなければ最密接関係地法(通則法8条)により契約に最も密接な関係がある地の法が適用される。合意がない場合は、特徴的給付を一方だけが行う契約ではその当事者の常居所地法、不動産を目的物とする契約では不動産所在地法が推定される。

当事者自治の原則(通則法7条)

契約の準拠法は、当事者が自由に選べるのが原則です。これを当事者自治といい、前掲の通則法7条がその根拠です。日本法でも外国法でも、取引と関係のない第三国の法律でも、合意すれば準拠法にできます。だからこそ、契約書に準拠法条項を置いて、自社にとって不利でない法律を明記しておくことが重要になります。

当事者は、いったん定めた準拠法を後から変更することもできます(通則法9条。ただし第三者の権利を害する変更はその第三者に対抗できません)。

出典・参考資料(1件)

合意がない場合の最密接関係地法(通則法8条)

準拠法を合意しないとどうなるのか。通則法8条は、選択がないときは、その契約に最も密接な関係がある地の法律によると定めています。

第八条 前条の規定による選択がないときは、法律行為の成立及び効力は、当該法律行為の当時において当該法律行為に最も密接な関係がある地の法による。

法の適用に関する通則法(平成十八年法律第七十八号)第八条(e-Gov法令検索)

同条2項は、契約で特徴的な給付を当事者の一方だけが行う場合に、その給付を行う当事者の常居所地法(事業所があればその所在地法)を最も密接な関係がある地の法と推定するとしています。3項では、不動産を目的物とする契約について、その不動産の所在地法が推定されます。

このように、合意がないと「どこの法律が適用されるか」を相手と争う余地が残り、紛争が長引く原因になります。準拠法条項を置く実務上の意味は、この不確実性を避ける点にあります。

執行可能性から逆算した選び方の手順

では実際に、どの国の法律を選ぶべきでしょうか。多くの解説は「当事者が選べる」で止まりますが、選ぶ際は、勝訴判決を相手の財産に対して実際に執行できるかまで見据えると判断しやすくなります。次の順で検討します。

  1. 自国法(日本法)を第一候補にする:社内で内容を理解でき、専門家にも相談しやすい。自社に有利に進めやすい
  2. 相手国法になる場合の負担を見積もる:相手国の弁護士への確認コストや、想定外の強行法規が及ぶリスクを織り込む
  3. 執行可能性を確認する:相手の主な財産がある国で、自社が得た判決や仲裁判断が実際に執行できるか。執行が難しい国が相手なら、仲裁を選ぶなど紛争解決条項とあわせて設計する

執行可能性は準拠法だけでは決まらず、管轄・紛争解決条項とセットで考える必要があります。この点は次章で詳しく扱います。

準拠法合意そのものの有効性(錯誤・詐欺・強迫)

準拠法を選ぶ合意それ自体も、ひとつの意思表示です。錯誤・詐欺・強迫といった事情で準拠法の合意が争われる余地はあります。相手方から一方的に外国法を押し付けられた、条項の意味を誤解していた、といった場面では、準拠法条項の有効性が問題になり得ます。交渉の経緯を記録し、準拠法条項の内容を双方が理解したうえで合意することが、後の争いを防ぐ基本になります。

準拠法と合意管轄・紛争解決条項はセットで設計する

準拠法を定めても、どの国の裁判所で争うか(管轄)を決めていなければ、紛争解決の見通しは立ちません。準拠法と合意管轄はセットで設計するのが実務です。

準拠法と管轄・紛争解決の役割の違い(対比表)

準拠法と管轄は、どちらも紛争に備える条項ですが、役割が異なります。

項目準拠法合意管轄・紛争解決
定めるもの契約の内容を判断する法律(どの国の法で判断するか)紛争を解決する場所・方法(どの国の裁判所/仲裁で争うか)
根拠法の適用に関する通則法7条・8条裁判管轄の合意、仲裁法(仲裁合意)
両方必要か両方を定めるのが実務。片方だけだと、適用法は決まっても争う場所が不明確(またはその逆)になる

準拠法を日本法としても、管轄を相手国の裁判所にしてしまうと、相手国の裁判所が日本法を適用して審理することになり、立証や手続の負担が重くなります。準拠法と管轄はできるだけ揃えて設計するのが基本です。

裁判管轄・仲裁・外国判決の執行までの設計フロー

紛争解決の手段は、大きく裁判所での訴訟と仲裁に分かれます。国際取引では、外国判決が相手国で執行できるとは限らないため、どちらを選ぶかは次の手順で考えると整理できます。

  1. 訴訟か仲裁かを決める:相手国で日本の判決が執行できそうか(下記②)を見て、執行に不安があれば仲裁を選ぶ
  2. 執行可能性を確認する:外国判決は民事訴訟法118条の4要件を満たさないと日本で効力を持たず、相互の保証がない国では執行が難しい。仲裁判断は執行しやすい傾向がある
  3. 仲裁を選ぶなら条項を具体化する:仲裁合意は書面で行い(仲裁法13条)、仲裁機関・仲裁地・使用言語を条項に明記する

以下で各手順の根拠となる条文を確認します。

仲裁を選ぶ場合、仲裁合意は書面で行う必要があります(仲裁法13条)。仲裁条項は、本体の契約が無効になっても当然には効力を失わないとされており(同条)、独立した合意として扱われます。仲裁判断は、確定判決と同一の効力を持ちます。

第四十五条 仲裁判断(仲裁地が日本国内にあるかどうかを問わない。以下この章において同じ。)は、確定判決と同一の効力を有する。ただし、当該仲裁判断に基づく民事執行をするには、次条の規定による執行決定がなければならない。

仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第四十五条第1項(e-Gov法令検索)

一方、外国の裁判所の確定判決が日本で効力を持つには、民事訴訟法118条の4要件(裁判権が認められること、敗訴被告への適切な送達または応訴、判決内容・手続が公序良俗に反しないこと、相互の保証があること)をすべて満たす必要があります。

相互の保証がない国の判決は日本で承認されにくく、その裏返しとして、日本の判決も相手国で執行できないことがあります。仲裁判断は、多くの国が加盟する条約のもとで裁判所の判決より執行しやすい傾向があるため、執行可能性を重視するなら仲裁条項を検討します。

出典・参考資料(2件)

国際取引で見落としやすい準拠法の注意点

国際取引の契約では、準拠法を日本法と定めても、それだけでは片付かない論点があります。見落としやすい4点を解説します。

ウィーン売買条約(CISG)の自動適用と適用排除

国際的な物品売買の契約では、ウィーン売買条約(CISG、国際物品売買契約に関する国際連合条約)が自動で適用される場合があります。CISGは、営業所が異なる国にある当事者間の物品売買契約で、両国が締約国であるとき、または国際私法のルールにより締約国の法律が適用されるときに適用されます(CISG第1条)。日本は2009年8月にCISGが発効した締約国です。

そのため、準拠法を日本法と定めても、物品売買であればCISGが優先して適用され得ます。CISGの適用を望まない場合は、当事者の合意で適用を排除できます(CISG第6条)。先に示したCISG適用排除の条文例は、この第6条が根拠です。排除するかどうかは、CISGと日本の民法・商法のどちらが自社に有利かを個別に検討して判断します。

出典・参考資料(2件)

当事者自治で排除できない強行法規・公序

準拠法を自由に選べるといっても、すべてを当事者の合意で動かせるわけではありません。選んだ準拠法にかかわらず、取引地の強行法規(当事者の合意で排除できない規定)や公序が及ぶことがあります。

たとえば消費者契約では、準拠法を外国法としても、消費者の常居所地法の強行規定が適用されることがあります(通則法11条。後述)。競争法・輸出管理などの分野でも、各国が自国に関係する取引に適用を及ぼす強行法規(国際的強行法規)が、準拠法にかかわらず適用される場面があります。準拠法条項を置けば万全ではない点に注意が必要です。

契約類型別の特則(消費者契約=通則法11条/労働契約=通則法12条1〜3項)

相手方が消費者や従業員にあたる契約では、準拠法を選んでも特則が及びます。通則法は、消費者契約と労働契約について、当事者自治を一部制限する特例を置いています。

契約類型特則の内容根拠
消費者契約準拠法を消費者の常居所地法以外にしても、消費者が自分の常居所地法の特定の強行規定の適用を求めれば、その規定も適用される(11条1項)。準拠法の選択がなければ、消費者の常居所地法による(11条2項)通則法11条
労働契約準拠法を最密接関係地法以外にしても、労働者が最密接関係地法の特定の強行規定の適用を求めれば、その規定も適用される(12条1項)。最密接関係地は、原則として労務提供地法と推定される(12条2項・3項)通則法12条1〜3項

このように、消費者や従業員を相手とする契約では、準拠法を自社に有利な法律に定めても、相手方の常居所地(労働契約では労務提供地)の強行規定が及ぶ余地があります。越境ECの利用規約や、海外で働く従業員の雇用契約を作る際は、この特則を前提に設計します。

特則の条文は、消費者契約・労働契約それぞれ次のとおり定められています。

第十一条 消費者(個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。以下この条において同じ。)と事業者(法人その他の社団又は財団及び事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人をいう。以下この条において同じ。)との間で締結される契約(労働契約を除く。以下この条において「消費者契約」という。)の成立及び効力について第七条又は第九条の規定による選択又は変更により適用すべき法が消費者の常居所地法以外の法である場合であっても、消費者がその常居所地法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思を事業者に対し表示したときは、当該消費者契約の成立及び効力に関しその強行規定の定める事項については、その強行規定をも適用する。

法の適用に関する通則法(平成十八年法律第七十八号)第十一条第一項(e-Gov法令検索)

第十二条 労働契約の成立及び効力について第七条又は第九条の規定による選択又は変更により適用すべき法が当該労働契約に最も密接な関係がある地の法以外の法である場合であっても、労働者が当該労働契約に最も密接な関係がある地の法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思を使用者に対し表示したときは、当該労働契約の成立及び効力に関しその強行規定の定める事項については、その強行規定をも適用する。

法の適用に関する通則法(平成十八年法律第七十八号)第十二条第一項(e-Gov法令検索)

出典・参考資料(1件)

出典・参考資料(1件)

時効など国ごとに異なる扱い

時効の期間や起算点は国によって異なり、どの準拠法を選ぶかで結論が変わることがあります。消滅時効は、契約の効力に関する事項として契約の準拠法の適用範囲に含まれると解されているため、外国法を準拠法とすると、日本の民法とは異なる時効期間が適用される可能性があります。

損害賠償の範囲や契約解除の要件なども準拠法によって差が出ます。外国法を選ぶ場合は、主要な論点について相手国の弁護士に確認しておくと安全です。

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契約書レビューで準拠法・国際条項の確認精度を高める

準拠法条項の条文例は本記事のとおりですが、英文契約や外国法が絡む契約では、自社の確認だけでは準拠法・管轄・CISGといった国際条項を見落とすリスクが残ります。契約書レビューサービスを使うと、弁護士監修のAIや弁護士による審査で、条項の抜け漏れやリスクを短時間で洗い出せます。ここでは、準拠法・英文契約の確認に強いサービスを紹介します。

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サービス名CLOUD LEGAL(クラウドリーガル)法務オートメーション「OLGA」LegalOn CloudLeCHECK(リチェック)
レビュー体制弁護士監修AI+弁護士審査(法務BPaaS)AIレビュー(自社基準型)AIレビュー(弁護士監修基準+自社プレイブック)AIレビュー(弁護士監修)
英文契約への対応●複数の弁護士が英語対応●英文契約の台帳作成・NDAレビュー対応●送付側・受領側別のプレイブックで対応●弁護士監修+機械翻訳を同時実施
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料金の目安月額11,000円〜(税込)
弁護士審査プランは33万円〜
要問い合わせ
中小企業向けは月額1万円〜(税別)
要問い合わせ(モジュール選択型)要問い合わせ(個別見積もり制)
参考: 2023年4月公表の英文プランは月額55,000円(税別)
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見る
CLOUD LEGAL(クラウドリーガル)のウェブサイト

CLOUD LEGALは、弁護士監修のリーガルAIと、弁護士・司法書士・税理士などの専門家体制を組み合わせた企業法務のアウトソーシングサービス(ALSP)です。契約書の作成・レビュー、法務相談までをWebサービスとして提供し、法務専任者や顧問弁護士がいない企業でも専門家に頼める点が特徴です。

準拠法や国際条項の確認では、弁護士審査による契約書レビュープランが用意され、複数の弁護士が英語に対応するため、日本語・英語いずれの契約書もレビューできます。AIの一次チェックにとどめず、準拠法の選び方のような実務判断まで弁護士に相談したい場面に向きます。情報管理では国際規格ISO/IEC 27001(ISMS)認証を取得しています。

2. 法務オートメーション「OLGA」(GVA TECH株式会社)

法務オートメーション「OLGA」のウェブサイト

自社の審査基準(プレイブック)を登録し、その基準に沿ってAIが契約書をレビューするのが、GVA TECH株式会社の法務オートメーション「OLGA」です。レビューを依頼する事業部門のアカウントを無料で提供し、メールやSlack、ワークフローといった既存の環境から法務の知見を使えます。

英文契約への対応では、AIによる台帳作成が英文契約にも対応しています。また、自社の審査基準を使った契約レビューで、英文NDAのレビュー時間を2時間から10分に短縮した導入事例(伯東株式会社)が公表されています。自社基準で国際契約のチェック品質を揃えたい法務部門に適した選択肢です。

3. LegalOn Cloud(株式会社LegalOn Technologies)

LegalOn Cloudのウェブサイト

AIによる契約審査を軸に契約業務を一元管理できるのが、株式会社LegalOn Technologiesの「LegalOn Cloud」です。弁護士などの専門家が作成したレビュー基準(プレイブック)に沿って、契約書のリスクや抜け漏れを指摘します。

英文契約では、送付側・受領側それぞれの立場に応じたプレイブックでレビューできる機能が公式に案内されています。準拠法条項を含む定型的な契約を、自社の立場に沿って効率的にチェックしたい場合の候補になります。料金は資料請求・デモで確認する形です。

4. LeCHECK(リチェック)(株式会社リセ)

LeCHECK(リチェック)のウェブサイト

契約書ファイルをアップロードすると、弁護士監修のAIがリスク箇所・欠落条文・修正案を提示します。これが株式会社リセの法務特化型サービス「LeCHECK(リチェック)」で、和文・英文の両方に対応し、中小企業から上場企業、法律事務所まで導入されています。

英文契約書レビューでは、海外取引に精通した弁護士監修のもとでリスクチェックと修正文案の提示を行い、機械翻訳も同時に実施します。料金は個別見積もり制で要問い合わせです(2023年4月公表の料金では英文プランが月額55,000円・税別)。準拠法・管轄を含む英文契約を日常的に扱う企業に適しています。

ここで取り上げたのは、準拠法や英文契約の確認に強いサービスの一部です。料金や対応範囲、タイプ別の選び方まで含めて契約書レビューサービスを広く比較したい場合は、以下の記事で主要サービスを解説しています。

まとめ

契約書の準拠法条項は、「本契約の成立、効力、解釈および履行については、日本法を準拠法とする」のように、適用範囲まで明記して定めるのが基本です。国際取引では英文や外国法のパターン、CISGの適用排除も検討します。準拠法は当事者が自由に選べますが(通則法7条)、合意がないと最も密接な関係がある地の法律による(8条)ため、条項を置いて不確実性を避けることが重要です。

あわせて、準拠法だけでなく合意管轄・紛争解決条項をセットで設計し、CISG・強行法規・消費者/労働契約の特則といった国際取引特有の論点も確認します。英文・外国法の契約を自社だけで確認しきれないときは、契約書レビューサービスを活用すると、準拠法・国際条項の確認精度を高められます。

自社の契約書ひな形を見直したうえで、必要に応じて各社の資料を取り寄せ、自社に合うレビュー手段を比較検討してください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 契約書の準拠法とは何ですか?

A. 準拠法とは、契約の成立・効力・解釈・履行をどの国(法域)の法律で判断するかを定めるものです。日本では「法の適用に関する通則法」が、複数の国が関わる契約でどの国の法律を適用するかのルールを定めており、契約の準拠法は当事者が合意で自由に選べます(通則法7条)。契約書に準拠法条項を置くことで、紛争が起きたときにどの法律で判断されるかをあらかじめ明確にできます。

出典・参考資料(1件)

Q. 契約書に準拠法を定めずに取引を進めるとどうなりますか?

A. 準拠法を定めなくても契約が無効になるわけではありませんが、紛争時にどの国の法律で判断するかを相手と争う余地が残り、解決が長引く原因になります。

準拠法の合意がない場合は、その契約に最も密接な関係がある地の法律が適用されます(通則法8条)。特徴的な給付を当事者の一方だけが行うときは、その給付を行う当事者の常居所地法(事業所があればその所在地法)が最密接関係地法と推定されます。この不確実性を避けるために、契約書に準拠法条項を置くのが実務です。

出典・参考資料(1件)

Q. 契約書の準拠法と合意管轄は何が違い、準拠法だけ決めれば十分ですか?

A. 準拠法は契約の内容を判断する法律を、合意管轄は紛争を解決する場所(どの国の裁判所・仲裁で争うか)を定めるもので、役割が異なるため両方を定めるのが実務であり、準拠法だけでは不十分です。

準拠法だけ決めて管轄を放置すると、適用される法律は決まっても争う場所が不明確なまま残ります。準拠法を日本法としながら管轄を相手国の裁判所にすると、相手国の裁判所が日本法を適用して審理することになり、立証や手続の負担が重くなります。準拠法と管轄はできるだけ揃えて設計します。

Q. 準拠法条項は日本語と英語のどちらで書くべきですか?

A. 契約書の使用言語に合わせて書くのが基本で、海外の当事者と和文・英文を併記する契約では両方の準拠法条項を置き、どちらを優先するかを言語条項で定めます。

英文では「governed by」(準拠する)と「construed in accordance with」(解釈される)をセットで書くのが一般的です。和文と英文で内容に食い違いがあると解釈の争いになるため、対訳を突き合わせて一致させ、優先する言語を明確にしておきます。

Q. 契約書で準拠法を日本法と定めればCISG(ウィーン売買条約)は適用されませんか?

A. いいえ、準拠法を日本法と定めても、国際的な物品売買契約ではCISGが優先して自動適用され得ます。CISGは、営業所が異なる国にある当事者間の物品売買契約で、両国が締約国であるとき等に適用され、日本も2009年にCISGが発効した締約国です(CISG第1条)。

適用を望まない場合は、当事者の合意で「本契約には国際物品売買契約に関する国際連合条約(CISG)を適用しない」と明記して排除できます(CISG第6条)。CISGと日本の民法・商法のどちらが自社に有利かを個別に検討して判断します。

出典・参考資料(2件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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