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IoTセキュリティのおすすめサービスは?守る対象別のタイプと選び方・費用を解説

IoTセキュリティのおすすめサービスのサムネイル画像

オフィスの入退室管理や防犯カメラ、工場や倉庫に置いたセンサー、複合機など、ネットワークにつながる機器(IoT機器)は年々増えています。業務が便利になる一方で、こうした機器が外部から乗っ取られたり、情報が抜き取られたりしないか不安を感じる担当者は少なくありません。

本記事では、IoT機器のセキュリティに使えるおすすめのサービスを、守る対象のタイプ別に具体的なサービス名で紹介します。あわせて、自社の環境に合うタイプの選び方、費用の考え方、そしてそもそもなぜIoT機器を一般的なパソコンと分けて守る必要があるのかまで整理します。

自社に合う候補を2〜3社に絞り込む材料として、まずはおすすめのサービスから確認してみてください。

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本セクションにはプロモーションが含まれており、表示順は当社独自の基準や提携状況に基づいています。

IoTセキュリティのおすすめサービス(守る対象タイプ別)

ここからは、IoT機器を守るためのおすすめサービスを紹介します。IoTセキュリティのサービスは、守る対象や守り方によっていくつかのタイプに分かれます。自社の環境に合うタイプを見つけやすいよう、守る対象のタイプ別に整理しました。

ご紹介するサービスの比較表

以下は、ご紹介するIoTセキュリティのおすすめサービスを、守る対象や導入形態などの観点で比較した表です。気になるサービス名をクリックすると、各サービスの個別紹介に移動できます。

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サービス名Network BlackboxDarktraceVectra AIKATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージNozomi NetworksEnterprise IoT Security/Enterprise Device Security
提供会社株式会社クワッドマイナージャパンダークトレース・ジャパン株式会社Vectra AI, Inc.
(国内代理店: マクニカ)
株式会社SYNCHRONozomi Networks Inc.
(三菱電機子会社)
パロアルトネットワークス株式会社
守る対象・導入形態汎用ネットワーク監視型
ネットワーク全体を監視(EDR非対応の機器も含む)
汎用ネットワーク監視型
ネットワーク起点にメール・クラウド・OT等も横断
汎用ネットワーク監視型
オンプレ・クラウド・ID・IoT/OTを横断
総合対策パッケージ
オフィスの機器を予防・復旧・補償で一括
IoT・OT特化型
工場・プラント等の制御機器(OT)中心
IoT・OT特化型
IoT・OT機器を可視化(NGFWと併用)
主な仕組み・機能NDR(全パケットを収集)。収集・検知・ハンティング・フォレンジック・対応の5機能を内包自己学習型AIによる異常検知(NDR中心)。検知から自律的な封じ込めまでAIによる行動分析で脅威を検知(NDR)。大量のアラートを絞り込み優先度付け月次の脆弱性診断+隔離経路へのバックアップ+サイバー保険(常時監視型の製品ではない)受動監視センサー(Guardian)とクラウド管理(Vantage)で資産を可視化し異常を検知機械学習でIoT・OT機器を検出・可視化し、リスクに応じたポリシーを適用。NGFWと組み合わせて提供
エージェント要否不要
(ミラーリングで監視)
不要
(ネットワーク監視の場合)
不要
(ネットワーク監視)
不要
(ソフト非対応機器はKATABAMI Boxで接続)
不要
(受動監視センサー)
不要
(機器側にソフト不要/NGFWが前提)
費用形態要お問い合わせ要お問い合わせ
(監視デバイス数に応じた個別見積もり)
要お問い合わせ月額1台1,250円〜
(100ノード以下は年額90万〜150万円)
要お問い合わせ
(サブスクリプション)
要お問い合わせ
(NGFWサブスクリプション)
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るオンライン相談を予約公式サイト公式サイト

どのタイプが自社に向くか(早見)

守るべき機器がどこにあるかによって、選ぶサービスのタイプは変わります。自社の環境を次の表に当てはめると、続く個別紹介のどこを読めばよいか見当がつきます。

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自社の環境オフィスの防犯カメラ・スマートロック・各種センサーが中心工場の制御機器・OT(制御技術)が中心IoT機器を自社で開発・製造している
向いているタイプ汎用ネットワーク監視型/総合対策パッケージIoT・OT特化型(+汎用ネットワーク監視型も横断で有効)機器メーカー向け開発セキュリティ(別分野)
該当する主なサービスNetwork Blackbox・Darktrace・Vectra AI/KATABAMINozomi Networks・Enterprise IoT Security(パロアルト)/Network Blackbox など本記事の対象外

機器が数台規模の小さなオフィスであれば、本格的な監視製品を導入するより、点検・復旧・補償をまとめた総合対策パッケージ型から始める方が負担の軽い場合があります。社内ネットワーク全体を本格的に見張りたいなら、汎用ネットワーク監視型が軸になります。

汎用ネットワーク監視型はオフィス・工場のどちらにも横断して効くため、全体を監視したうえで、工場の制御機器など専用の守りが要る部分を特化型で補う組み合わせも可能です。

汎用ネットワーク監視型(ネットワーク側からIoT機器の通信を監視)

IoT機器の多くは、セキュリティソフトを後から入れられません。そこで、機器そのものに手を入れる代わりに、ネットワークを流れる通信を監視して不審な動きを見つけるのが、汎用ネットワーク監視型です。NDR(Network Detection and Response)やAIによる異常検知と呼ばれる仕組みで、カメラやセンサーを含めネットワークにつながる機器の通信をまとめて捉えられます。

ソフトを入れられない防犯カメラ・スマートロック・複合機のような機器も、この方式ならまとめて見張れます。

ネットワーク監視型がIoT機器の通信をまとめて監視する仕組みを示した図。防犯カメラ・スマートロック・複合機・センサーなどソフトを入れられない機器の通信を、社内ネットワークのミラーポートやネットワークタップで複製して取り出し、NDRやAIによる異常検知を行うネットワーク監視型がまとめて監視して不審な動きを検知する流れを表す。

1. Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

Network Blackboxのウェブサイト

株式会社クワッドマイナージャパンが提供する、ネットワークを流れる全パケットを収集して脅威を検知・分析するNDR製品です。公式サイトでは「フルパケットキャプチャベースのトラフィック全数検査」を基盤とすると説明されています。

ミラーリング方式で導入するため、監視したい機器の側にソフトを入れる必要がありません。セキュリティソフトを入れられない防犯カメラや制御機器などの通信も、ネットワーク側から捉えられる点が特徴です。

収集・検知・ハンティング・フォレンジック(事後の通信調査)・対応の5つの機能を1つの製品で備えます。既存のEDR(端末の不審な動きを検知・対応する仕組み)やSIEM(各種ログを集めて分析する仕組み)とは置き換えではなく、連携して使います。料金は公開されておらず、要お問い合わせです。

全パケットを保存して通信をさかのぼれるため、問題が起きた後に「いつ・何が起きたか」を詳しく調べたい企業に向いています。

2. Darktrace(ダークトレース・ジャパン株式会社)

Darktraceのウェブサイト

自己学習型のAIを中核に据えたセキュリティプラットフォーム「Darktrace ActiveAI Security Platform」です。組織ごとの「普段の通信」をAIが学習し、そこからの逸脱を手がかりに、既知・未知を問わず脅威を検知します。

あらかじめ登録した攻撃パターン(シグネチャ)に頼らないため、新種の攻撃や内部での不審な通信も捉えやすい設計です。ネットワークを起点に、メール・クラウド・OT・エンドポイントまでを横断して相関分析し、検知した脅威をAIが調査して自律的に封じ込める機能も備えます。料金は監視するデバイス数に応じた個別見積もりで、定価は公開されていません。

ネットワークだけでなくメールやクラウドまで、一つのAIでまとめて見張りたい企業に適しています。

3. Vectra AI(Vectra AI, Inc.)

Vectra AIのウェブサイト

ネットワークトラフィックの振る舞いをAIで分析し、社内ネットワークに侵入した脅威を検知・優先順位付けするNDR製品です。国内ではマクニカ株式会社が代理店として販売しています。

検知エンジン「Attack Signal Intelligence」が、攻撃者の実際の振る舞いから学習したAIモデルで大量のアラートを絞り込み、対処すべき箇所を示します。対象範囲はオンプレミスのほか、マルチクラウド・ID基盤・Microsoft 365、そしてIoT/OTまで広がり、他社のEDRやSIEMとも連携できます。

第三者評価では、2026年版のGartner® Magic Quadrant™ for Network Detection and Response(レポートは2026年5月18日付)でLeader(リーダー)に位置づけられたと、同社が公式に発表しています。料金は要お問い合わせです。

出典・参考資料(1件)

大量のアラートを自動で絞り込む設計のため、限られた人数で運用したいチームが導入しやすい構成です。

オフィスのIoT機器向け総合対策パッケージ

専任のセキュリティ担当者がいない企業では、監視だけでなく、脆弱性の点検から万一の復旧・補償までをまとめて任せられる総合型のパッケージが選択肢になります。

4. KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ(株式会社SYNCHRO)

KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージのウェブサイト

株式会社SYNCHROが提供する、予防・復旧・補償の3つを1つにまとめたパッケージ型のサービスです。EDRやNDRのような常時監視の製品そのものではなく、既存の対策を点検・補完する立ち位置にあります。

予防では、ネットワークの内部から毎月(年12回)脆弱性を点検し、改善策を提示します。復旧では、隔離した通信経路を通じてデータを自動でバックアップし、万一の際に前日の状態まで戻せます。補償として、あいおいニッセイ同和損害保険のサイバー保険が付帯します。鍵から生成する特殊なIPv6アドレスで認証・暗号化を行い、ソフトを直接入れられない機器は「KATABAMI Box」を介して接続します。

ソフトとBoxの双方で、セキュアIoTプラットフォーム協議会の「セキュアIoT認定(Gold)」を2023年2月に取得しています。料金は1台あたり月額1,250円からで、最短2週間での利用開始を掲げています。

IoT・OT機器に特化した専用型(工場・制御機器向け)

工場やプラントの制御機器(OT)は、止められない・作り替えにくいという事情があり、汎用のセキュリティ製品では守りきれない場合があります。こうした機器を主な対象として設計された専用型のサービスもあります。

5. Nozomi Networks(Guardian/Vantage)

Nozomi Networksのウェブサイト

Nozomi Networksは、制御システム(OT)やIoT機器のセキュリティに特化したサービスです。ネットワークを監視するセンサー「Guardian」と、それらを一元管理するクラウド型の「Vantage」で構成されます。

Guardianはミラーポートやネットワークタップから通信を受動的に監視するため、監視対象の機器側にソフトを入れる必要がありません。ハードウェア・仮想環境・組み込み・コンテナといった形態で提供され、外部とつながらないエアギャップ環境にも対応します。工場・プラント・重要インフラなど、止めにくい現場での利用を想定しています。

2026年1月に三菱電機の完全子会社となりましたが、ブランドと運営体制は維持するとされています。国内では販売代理店を通じて提供され、料金は要お問い合わせです。

6. Enterprise IoT Security/Enterprise Device Security(パロアルトネットワークス株式会社)

Enterprise IoT Security(パロアルトネットワークス)のウェブサイト

パロアルトネットワークスが提供する、ネットワーク上の機器を可視化して守るサービスです。公式サイトではナビゲーション上は「Enterprise IoT Security」、製品ページでは「Enterprise Device Security」と表記されています。

機械学習を用いて、管理対象として把握できていないIoT・OT機器をネットワーク上から継続的に検出・可視化します。同社の次世代ファイアウォール(NGFW)と組み合わせて提供され、機器のリスクに応じたポリシーを構築できるとしています。2019年に買収したZingboxの技術を源流とします。料金はファイアウォールのサブスクリプションとして提供され、要お問い合わせです。

機器メーカー向けの開発セキュリティ(参考)

ここまでは、すでにある機器を「使う側・守る側」のためのサービスを紹介してきました。一方で、IoT機器を自社で開発・製造し、製品そのものに不正解析・改ざん対策を組み込みたい場合は、機器メーカー向けの開発セキュリティという別の分野になります。守りたいのが自社で使う機器なのか、自社が世に出す製品なのかで探す先が変わるため、本記事では前者を中心に扱っています。

選ぶときに見るべき観点

候補を絞り込めたら、自社で無理なく運用できるかを確かめることが大切です。IoTセキュリティのサービスを選ぶときに、特に見ておきたい観点を3つ挙げます。

自社のネットワーク構成で使えるか・既存の機器と連携できるか

ネットワーク監視型の製品は、通信を取り込むためにミラーポートやネットワークタップを使います。自社のネットワーク機器でこうした通信の複製を取り出せるか、複数拠点がある場合はどこに監視点を置くかを、導入前に確認しておくと齟齬が生じにくくなります。

すでにファイアウォールやEDRを導入している場合は、それらと連携できるかも重要です。多くのネットワーク監視型は既存の対策と置き換えるものではなく、通信の記録という別の面から補う役割を持ちます。既存のログ基盤やEDRと情報を受け渡せれば、検知から対応までの流れを一本化しやすくなります。

エージェントが要るか、運用にどれだけ手がかかるか

IoT機器はセキュリティソフト(エージェント)を入れられないものが多いため、機器にソフトを入れずに守れるかは大きな分かれ目です。ネットワークを流れる通信を監視する方式や、通信を受動的に見るセンサーを置く方式なら、機器そのものに手を入れずに監視できます。

検知した後の運用に人手がどれだけ要るかも見ておきたいところです。アラートを自動で絞り込む機能や、調査・封じ込めを支援する機能があると、専任の担当者が限られる組織でも回しやすくなります。監視・運用そのものを外部に任せられるサービスもあるため、自社で抱える範囲と任せる範囲を分けて考えるのがおすすめです。

導入実績や認証があるか

自社と近い業種・規模での導入実績があるか、公式サイトの事例や発表で確かめると、運用のイメージがつかみやすくなります。工場やプラントなど特殊な環境では、その領域での実績が特に参考になります。

第三者が与える認証も、客観的な手がかりになります。たとえばIoT機器やサービスの安全性を評価する「セキュアIoT認定」のような認証を取得しているかは、公式情報で確認できます。認証の有無だけで優劣は決まりませんが、何をどこまで満たしているかを読み解く材料になります。

費用感・課金の形(何で値段が決まるか)

IoTセキュリティのサービスは、料金を公開せず「要お問い合わせ」としているものが多く見られます。金額そのものは見積もりで確かめることになりますが、何によって値段が決まるのかを知っておくと、見積もりを読み解きやすくなります。

課金の形は、大きく2つに分かれます。機器やソフトを買い切るオンプレミス型と、月額・年額で使うクラウド(サブスクリプション)型です。買い切り型は初期費用がかかる一方で月々の負担は抑えやすく、サブスクリプション型は初期費用を抑えて始めやすい傾向があります。

金額を左右する主な要素は、守る範囲の大きさです。監視するネットワークの規模や拠点数、対象とする機器・端末の数(ノード数)が増えるほど費用は上がります。デバイス1台あたりの単価で積み上げる料金体系もあれば、ネットワーク全体をまとめて見積もる体系もあります。自社でいくつの機器・拠点を守りたいのかを先に整理しておくと、各サービスの見積もりを同じ土俵で比べられます。

桁感の手がかりとして、公開している例では1台あたり月額1,000円台から利用できるものもあります。具体的な価格は上の比較表にまとめているので、あわせて確認してください。

なぜIoT機器は一般的なパソコンと分けて守る必要があるのか

ここからは、ここまで見てきたサービスがなぜ必要なのか、その背景を整理します。導入を検討・判断する際の根拠としてご活用ください。

そもそもIoTセキュリティとは

IoTセキュリティとは、ネットワークにつながるさまざまな機器(IoT機器)を、サイバー攻撃や不正利用から守るための取り組みを指します。パソコンやサーバー向けの対策とは別に考える必要があるのは、IoT機器ならではの弱点があるためです。

総務省・経済産業省がまとめた「IoTセキュリティガイドライン」の概要では、IoT機器の性質がいくつか挙げられています。たとえば、10年以上にわたり長期間使われること、人手による監視が行き届きにくいこと、機能・性能が限られる機器もあることです。

こうした機器は、パソコンのように高機能なセキュリティソフトを入れて一台ずつ守るという方法が取りにくく、ネットワーク側からの監視など別のアプローチが必要になります。

出典・参考資料(1件)

IoT機器が狙われる仕組みと実被害

ネットワークにつながるIoT機器は、攻撃者にとって侵入の入り口になりやすい存在です。総務省の「令和7年版 情報通信白書」は、国の大規模な観測網でとらえたサイバー攻撃関連の通信について、次のように記しています。

NICTERでのサイバー攻撃関連の通信内容をみると、2023年と同様にIoT機器を狙った通信が最も多く観測され、サイバー攻撃関連通信全体の約3割を占めている。

出典:令和7年版 情報通信白書|総務省

狙われたIoT機器は、乗っ取られて他への攻撃の踏み台にされることがあります。情報通信研究機構(NICT)の「NICTER観測レポート2024」は、国内で観測されたIoT機器の感染について、その原因を次のように述べています。

いずれの機器も、機器のパスワードが工場出荷時から変更されずに運用されていたことが感染の原因でした。

出典:NICTER観測レポート2024|情報通信研究機構(NICT)

この初期パスワードの問題は、防犯カメラやセンサーだけでなく、オフィスの複合機やコピー機でも見られます。企業のネットワーク内部を診断する現場からは、次のような実態が語られています。

北口氏
株式会社SYNCHRO 取締役CMO
北口氏
独自インタビューより

工場出荷時の初期パスワードのまま使われているお客様がほとんどでして、大手メーカーの初期IDパスワードはインターネットで検索すればすぐ出てきてしまいます。そのままにしておくと、万が一ウイルスが内部に入り込んだ際に、簡単に遠隔操作で乗っ取られてしまうリスクがあります。

このように、初期設定のパスワードを変えないまま使うといった身近な運用の抜けが、乗っ取りの入り口になっています。被害は踏み台化にとどまりません。

IoTセキュリティガイドラインの概要は、セキュリティ対策が不十分な国内の多数の監視カメラの映像が海外のインターネット上に公開された事例を紹介しています。機器の乗っ取りは、情報の流出にも直結します。

出典・参考資料(1件)

自社のIoT機器にどんな脆弱性が潜んでいて、どれから手を付ければよいかを具体的に点検したい場合は、代表的な脆弱性の種類と実被害事例、対策の優先順位を整理した以下の記事も参考になります。

対策の全体像(総務省のIoTセキュリティガイドライン)

個別のサービスを選ぶ前に、対策全体の見取り図を押さえておくと判断がぶれません。総務省・経済産業省がまとめた「IoTセキュリティガイドライン」は、機器の企画から運用・保守までの各段階に沿って、5つの指針を示しています。

  • 指針1 IoTの性質を考慮した基本方針を定める
  • 指針2 IoTのリスクを認識する
  • 指針3 守るべきものを守る設計を考える
  • 指針4 ネットワーク上での対策を考える
  • 指針5 安全安心な状態を維持し、情報発信・共有を行う
出典:IoTセキュリティガイドライン ver1.0|IoT推進コンソーシアム・総務省・経済産業省

この指針の下には、「初期設定に留意する」「認証機能を導入する」といった具体的な要点が21項目にわたって整理されています。本記事で見てきた、初期パスワードを変える・ネットワーク側から機器の通信を監視するといった対策も、この全体像の一部に位置づけられます。

ただし、このガイドラインは取り組みの指針であり、一律に特定の対策を義務づけるものではありません。ガイドライン自身も、対象者に対し「一律に具体的なセキュリティ対策の実施を求めるものではなく」、守るべきものやリスクの大きさに応じて適切な対策を検討することを期待する、としています。自社の環境とリスクに照らして、どこまで守るかを判断する際の土台として活用できます。

また、国はIoT機器のセキュリティ対策を促すため、総務省・情報通信研究機構(NICT)などが連携し、危険性のある機器の利用者へ注意喚起を行う「NOTICE」という取り組みを2019年から実施しています。

出典・参考資料(2件)

まとめ

IoTセキュリティのサービスは、守る対象によって選ぶタイプが変わります。ネットワーク全体を機器を問わず見張りたいなら汎用ネットワーク監視型、専任の担当者がいない中小企業で点検から復旧・補償までをまとめたいなら総合対策パッケージ、工場の制御機器が中心ならIoT・OTに特化した専用型が軸になります。

汎用ネットワーク監視型はオフィス・工場のどちらにも横断して効くため、全体を監視したうえで特化型を足す組み合わせも検討できます。

多くのサービスは料金を公開していないため、守りたい機器・拠点の数を整理したうえで、気になる候補の資料を取り寄せて見積もりを比べるのが近道です。自社の環境に合う候補を2〜3社に絞り込む材料として、各サービスの資料をまとめて確認してみてください。

IoT機器の対策は、社内ネットワーク全体を守る取り組みの一部でもあります。端末・ネットワーク・ID・データなど守る対象ごとにどんなソリューションがあるかを横断して見比べ、自社の守り方を整理したい場合は、以下の記事が全体像をつかむ地図になります。

よくあるご質問(FAQ)

Q. IoTセキュリティとは何ですか?

A. IoTセキュリティとは、防犯カメラ・センサー・複合機・制御機器など、ネットワークにつながる機器(IoT機器)をサイバー攻撃や不正利用から守る取り組みです。パソコンやサーバー向けの対策とは分けて考える必要があり、機器そのものに手を入れにくいIoT機器では、ネットワーク側から通信を監視するなどの方法が中心になります。

自社で使う機器を守る取り組みと、自社が開発・製造する製品に対策を組み込む取り組みは別分野で、本記事は前者を扱っています。

Q. IoTセキュリティは、一般的なウイルス対策ソフトでは不十分なのですか?

A. IoT機器の多くはセキュリティソフト(エージェント)を後から入れられず、パソコンのように一台ずつ守る方式が使えないため、一般的なウイルス対策ソフトだけでは守りきれません。長期間使われる・人手による監視が行き届きにくい・機能が限られるといったIoT機器ならではの弱点もあります。そのため、ネットワークを流れる通信をまとめて監視して不審な動きを見つける、別のアプローチが必要になります。

Q. IoT機器にソフトを入れずにセキュリティ対策はできますか?

A. できます。ネットワークを流れる通信を監視する方式(NDR)や、通信を受動的に見るセンサーを置く方式なら、機器そのものにソフトを入れずに監視できます。ソフトを直接入れられない機器を、専用の中継機を介してネットワークにつなぐ方式もあります。どの製品がどの方式かは、上の比較表と各サービスの紹介を参照してください。

Q. IoTセキュリティは、専任の担当者がいない中小企業でも導入できますか?

A. できます。脆弱性の点検から万一の復旧・補償までをまとめて任せられる総合対策パッケージ型なら、専任のセキュリティ担当者がいなくても運用しやすいです。月額制で小規模から始められるものもあり、具体的な製品は上の比較表と各サービスの紹介を参照してください。

ネットワーク監視型でも、アラートを自動で絞り込む機能や、監視・運用そのものを外部に任せられるサービスを選べば、少人数でも回しやすくなります。

Q. 工場の制御機器(OT)には、どのタイプのIoTセキュリティが向きますか?

A. 工場やプラントの制御機器(OT)には、止めにくく作り替えにくいOT機器を主な対象として設計された「IoT・OT特化型」が向きます。受動的な監視でOT機器を可視化し、異常を検知します。全体を監視する汎用ネットワーク監視型と組み合わせることもでき、該当する製品は上の比較表を参照してください。

Q. すでにファイアウォールやEDRがあっても、IoTセキュリティは別に必要ですか?

A. 多くのネットワーク監視型は既存のファイアウォールやEDRを置き換えるものではなく、通信の記録という別の面から補う役割を持つため、併用する前提で考えます。EDRはソフトを入れられる端末を守りますが、カメラやセンサーなどソフトを入れられないIoT機器の通信はカバーしきれません。その空白をネットワーク側からの監視で埋める位置づけです。

既存のログ基盤やEDRと情報を受け渡せるサービスを選べば、検知から対応までの流れを一本化しやすくなります。

Q. IoTセキュリティの費用はどれくらいかかりますか?

A. 多くのサービスは料金を公開しておらず「要お問い合わせ」で、守る範囲(ネットワークの規模・拠点数・機器の台数)が大きいほど費用は上がります。課金の形は、買い切りのオンプレミス型と、月額・年額のクラウド(サブスクリプション)型に大きく分かれます。公開価格のある製品は上の比較表に記載しています。

守りたい機器・拠点の数を先に整理しておくと、各サービスの見積もりを同じ土俵で比べられます。

Q. 総務省のIoTセキュリティガイドラインへの対応は義務ですか?

A. 義務ではありません。総務省・経済産業省がまとめた「IoTセキュリティガイドライン」は取り組みの指針であり、ガイドライン自身が一律に特定の対策の実施を求めるものではないと明記しています。守るべきものやリスクの大きさに応じて、自社でどこまで対策するかを判断する際の土台として活用するものです。

また、国は危険性のある機器の利用者へ注意喚起を行う「NOTICE」という取り組みを2019年から実施しています。

出典・参考資料(1件)

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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