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契約書の押印ルールをわかりやすく解説|印鑑の種類・契印と割印の押し方、押印がない契約書の効力

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電子契約システム比較表(2026年版)

契約書を前にして、署名欄の横に印鑑を押すだけでよいのか、ページのとじ目や2部の契約書にまたがって押す印は必要なのか、会社として押すのは角印か代表者印かと、手が止まってしまうことがあります。収入印紙の消印や、書き損じたときの訂正印まで含めると、押す場所と押す印の組み合わせは意外と多く、1つでも間違えると契約書を作り直すことになりかねません。

本記事では、契約書のどこに・どの印鑑を・どう押すのかを押印箇所の一覧から整理し、印鑑の種類の使い分け、契印・割印の押し方、収入印紙の消印、押し間違えたときの直し方までを順に解説します。あわせて、「押印がないと契約は無効なのか」という疑問にも、法的な根拠とともに答えます。

さらに記事の後半では、押印・収入印紙・契印といった紙の契約に伴う手作業を、法的な効力を保ったまま電子契約で省く方法も紹介します。自社の契約実務を見直す際の検討材料としてご活用ください。

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契約書の押印箇所の全体像(どこに・誰が・必須か任意か)

まずは、契約書に登場する押印の種類を一覧で押さえます。押印には、署名欄に押す契約印のほか、ページのつながりを示す契印、2部以上の契約書の同一性を示す割印、収入印紙に押す消印などがあり、それぞれ押す位置・押す人・必須か任意かが異なります。

以下は、契約書で使われる主な押印を、押す位置・誰が押すか・必須か任意かで整理した一覧です。目の前の契約書と照らし合わせながら確認してください。

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押印の種類署名欄の押印(契約印)契印(けいいん)割印(わりいん)消印(けしいん)訂正印捨印(すていん)止印(とめいん)
押す位置署名・記名の横複数ページのとじ目・各ページの見開き部分2部以上の契約書にまたがって収入印紙と契約書の紙面の境目訂正した箇所欄外(上部や余白)契約書本文の末尾の余白
誰が押すか契約当事者(会社は代表者印または角印)契約当事者全員契約当事者全員作成者またはその従業者(署名でも可)訂正した契約当事者(契約印と同じ印)契約当事者作成者
必須か任意か慣行上はほぼ必須(ただし押印がなくても契約は有効)任意(ページの抜き取り・差し替えを防ぐ)任意(正本と副本などの同一性を示す)収入印紙を貼る課税文書では必須(印紙税法8条2項)記載を訂正するときに必要任意(訂正の手間を省く一方でリスクあり)任意(以下に文章がないことを示す)

※必須か任意かは一般的な契約実務の傾向です。契約の内容や相手方の求めにより扱いは変わります。

署名欄の押印以外は、必ず押さなければ契約が成立しないというものではありません。ただし契印や割印、消印には、文書の改ざんを防いだり法律上の義務を果たしたりする役割があるため、実務では多くの契約書で押されています。

表にある止印(とめいん)は、契約書の本文が終わる位置に押して以降に文章がないことを示すもので、必須ではありません。訂正印・捨印とあわせて、迷いやすい契印・割印・消印から順に、次の章で詳しく見ていきます。

契約書に押す印鑑の種類と使い分け

契約書の署名欄に押す印鑑は、契約の重要度と、後から「本人が押したものだ」と証明しやすいかどうかで選びます。まずは、種類ごとの違いと使い分けを押さえましょう。

個人が使う印鑑は、主に次の3種類に分かれます。

  • 実印:市区町村に印鑑登録した印鑑。印鑑登録証明書とセットで、本人が押したことを証明しやすい
  • 認印(みとめいん):印鑑登録していない印鑑。日常の確認や受け取りに使う
  • 銀行印:金融機関に届け出た、口座取引に使う印鑑

会社(法人)が使う印鑑は、主に次の2種類です。

  • 代表者印(会社実印・丸印):法務局に登録した会社の実印。重要な契約で使う
  • 社印(角印):会社名が刻まれた四角い印鑑。見積書・請求書や一般的な書類で使う

インク浸透印(シャチハタ)は、同じ印影を大量に複製でき、ゴム印のため経年で変形しやすいことから、同一性の証明が難しく、契約書への使用は避けるのが一般的です。

会社契約は角印でいいのか、代表者印・実印が要る場面

結論から言えば、法的な効力の面では、角印でも代表者印でも契約は有効に成立します。印鑑の種類によって契約の効力そのものが変わるわけではありません。

違いが出るのは、後から契約の有効性が争われたときの証明のしやすさです。代表者印は法務局に登録されており、印鑑証明書によって「会社の正式な印鑑である」ことを示せます。角印は登録されていないため、同じ印鑑であることを証明する手段が限られます。

そのため、取引金額が大きい契約、不動産や金融に関わる契約、相手方が印鑑証明書の提出を求める契約では、代表者印(と印鑑証明書)を使うのが一般的です。日常的な取引や定型的な書類では角印で足りることも多く、相手方との取り決めや社内規程に沿って使い分けます。

甲・乙が押す位置

契約書の末尾の署名欄は、縦に甲(契約書の作成者側)・乙(相手方)の順で並ぶのが一般的で、それぞれ記名・署名のすぐ下または右にある押印欄に印を押します。印は氏名の末尾に少し重ねても、横の空欄に押しても構いません。

甲乙の並び順は慣習であり、入れ替わっても契約の効力に影響はありません。どちらがどの立場かは契約書の前文で定義されるため、押す位置そのものが法的な意味を持つわけではないと理解しておくとよいでしょう。

記名押印と署名捺印の違い

契約書の署名欄での名前の書き方には、「署名」と「記名」の2つがあります。署名は本人が手書きで氏名を書くこと、記名はゴム印やパソコンで氏名を印字することを指します。

この2つに押印を組み合わせたものが「署名捺印」(手書きの氏名+押印)と「記名押印」(印字した氏名+押印)です。一般に、証明力の強さは「署名+押印」がもっとも高く、「記名+押印」がそれに次ぎ、押印のない「記名」のみがもっとも弱いとされます。

自筆の署名は筆跡から本人を確認できるため、押印と組み合わせることでより確実になるという考え方です。企業の契約実務では、効率とのバランスから記名押印が広く使われています。

契印・割印の押し方【図解】

名前が似ている契印と割印は、役割も押す場所もまったく異なります。ひとことで言えば、契印は「1つの契約書の中のつながり」を示し、割印は「別々の契約書どうしの関係」を示すものです。

契印と割印の押す位置の違いを比較した図。契印は同じ契約書の複数ページのとじ目にまたがって押し、ページの抜き取り・差し替えを防ぐ。割印は2部以上作った契約書を少しずらして重ね、両方の紙面にまたがって押し、正本・副本などの同一性を示す。

契印は同じ契約書のページ間に押す

契印は、1つの契約書が複数ページにわたるとき、ページが途中で抜き取られたり差し替えられたりしていないことを示すために押します。押す位置は、見開きにしたページのとじ目(境目)にまたがるように、各ページの継ぎ目へ順に押していきます。

製本テープで綴じてある契約書では、テープと紙面の境目にまたがって押せば、すべてのページに契印を押す必要はありません。契印は、署名欄に押したものと同じ印鑑で、契約当事者全員が押すのが基本です。

割印は2部以上の契約書にまたがって押す

割印は、同じ内容の契約書を2部以上作成したとき(当事者がそれぞれ1部ずつ保管する正本・副本など)に、それらが同時に作られた同一の契約書であることを示すために押します。2部の契約書を少しずらして重ね、両方の紙面にまたがるように印鑑を押すことで、後から一方だけが改ざんされていないかを確認できるようにします。

契約書の正本と写し、基本契約書と覚書など、関係する複数の文書どうしの同一性を示す場面で使われます。

契印も割印も、法律上の義務ではありません。押していなくても契約は有効ですが、文書の改ざんや差し替えを防ぎ、後からの紛争を避けるために実務では広く用いられています。

収入印紙の消印のやり方と貼り忘れ・消し忘れのリスク

一定の契約書(印紙税法上の課税文書)には収入印紙を貼る必要があり、貼った印紙には「消印」を押さなければなりません。ここでは、その消印のやり方と、怠ったときのリスクを見ていきます。

消印とは、収入印紙が使用済みであること(再利用できないこと)を示すために、印紙と契約書の紙面の境目にまたがって印章や署名を入れることです。2部の契約書どうしにまたがる割印と混同しやすいですが、消印は印紙と契約書の紙面にまたがって押す点が異なります。

印紙税法第8条第2項は、印紙を貼る場合には「当該課税文書と印紙の彩紋とにかけ、判明に印紙を消さなければならない」と定めています。

出典・参考資料(1件)

消印は誰の印鑑で押すか

消印に使う印は、契約書の署名欄に押した印鑑と同じである必要はありません。印紙税法施行令第5条は、印紙を消す方法について「自己又はその代理人(法人の代表者を含む。)、使用人その他の従業者の印章又は署名で消さなければならない」と定めています。この規定により、作成者本人でなくても従業者の印で消すことができ、印章ではなく署名(サイン)でも有効です。ボールペンで名前を書くだけでも消印として認められます。

出典・参考資料(1件)

収入印紙を貼り忘れ・消し忘れたときのリスク(過怠税)

収入印紙を貼らなかったり、貼っても消印をしなかったりすると、本来の印紙税に加えて「過怠税(かたいぜい)」というペナルティが課されます。過怠税の額は、状況によって次のように定められています(印紙税法第20条)。

  • 印紙を貼らなかった場合:本来の印紙税額と、その2倍に相当する金額との合計額(=本来の税額の3倍)
  • 調査を受ける前に自主的に申し出た場合:本来の印紙税額と、その10%に相当する金額との合計額(=1.1倍)
  • 印紙は貼ったが消印をしなかった場合:消していない印紙の額面金額に相当する金額
出典・参考資料(1件)

ただし、収入印紙を貼り忘れても、過怠税の対象になるだけで、契約そのものが無効になるわけではありません。印紙税の納付は契約の成立要件ではないためです。とはいえ、余計な税負担を避けるためにも、課税文書には正しく印紙を貼り、消印まで忘れずに行うことが大切です。

実際に貼る印紙の金額は、文書の種類と契約金額によって変わります。契約金額が大きくなりやすい工事請負契約書や注文請書、変更契約書について、金額ごとの印紙税額や軽減措置を具体的に確認したい場合は、以下の記事で一覧とともに解説しています。

押し間違えたときの直し方(訂正印・捨印の使い方と注意点)

契約書の記載を間違えたときや、押印し損じたときは、作り直すのが最も確実ですが、軽微な誤りであれば訂正印で直すこともできます。手順と注意点を見ていきましょう。

記載を訂正するときは、間違えた箇所に二重線を引き、その近くに正しい内容を書き、二重線に重ねて訂正印を押します。契約書では、署名欄に押したものと同じ印鑑を使い、訂正した当事者全員が押すのが基本です。あわせて「○字削除」「○字加入」のように変更した文字数を記しておくと、訂正の範囲が明確になります。印影がかすれるなど押印そのものに失敗したときは、失敗した印影に二重線を引いて訂正し、すぐ隣に押し直します。

捨印は便利だがリスクがある

捨印は、契約書の欄外にあらかじめ押しておく訂正用の印です。後から軽微な誤りが見つかったときに、当事者を再び集めずに訂正できるため、手続きを簡略にする目的で使われます。

一方で、捨印は相手方に「契約書を訂正してよい」という権限をあらかじめ与えることになります。悪用されれば、当事者の知らないうちに内容を書き換えられる恐れもあります。捨印は便利さと引き換えにリスクを伴うため、押せば安心という性質のものではありません。相手方や契約内容を十分に信頼できる場合に限って使い、重要な契約では使わないという判断も検討すべきです。

押印がなくても契約は有効か(二段の推定)

「押印を忘れた契約書は無効なのか」という不安を持つ方は少なくありません。結論から言えば、押印がなくても契約は有効に成立します。契約は当事者の意思が合致すれば成立し、書面の作成や押印は、法律で特別に定められた場合を除いて、成立の要件ではないためです。

この点は、内閣府・法務省・経済産業省が公表した「押印についてのQ&A」(令和2年6月19日)でも、次のように明確に示されています。

私法上、契約は当事者の意思の合致により、成立するものであり、書面の作成及びその書面への押印は、特段の定めがある場合を除き、必要な要件とはされていない。

内閣府・法務省・経済産業省「押印についてのQ&A」(令和2年6月19日)問1(法務省)

押印が持つ「二段の推定」という効果

では、なぜ多くの契約書で押印が行われているのでしょうか。それは、押印に、後から裁判などで争いになったときに「この文書は本人が作成したものだ」と示しやすくする効果があるためです。

民事訴訟法第228条第4項は、私文書の成立の真正について次のように定めています。

私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。

民事訴訟法(平成8年法律第109号)第228条第4項(e-Gov法令検索)

さらに、契約書の印影が本人の印鑑と一致することが立証されれば、その印影は本人の意思で押されたものと推定され、続いて上記の民事訴訟法第228条第4項により、文書そのものが本人の意思で作成されたと推定されます。この2段階の推定は「二段の推定」と呼ばれ、最高裁判所の判例(最判昭和39年5月12日 民集18巻4号597頁)で確立されています。

押印の二段の推定を示す図。まず契約書の印影が本人の印鑑と一致することを立証すると、第一段としてその印影は本人の意思で押されたものと推定され、第二段として民事訴訟法228条4項により文書が本人の意思で作成された(真正に成立した)ものと推定される。

押印には、こうして文書の真正を証明する負担を軽くする役割があります。

二段の推定は認印にも及ぶが、限界もある

二段の推定は、印鑑登録した実印だけでなく、認印にも及び得るとされています(最判昭和50年6月12日 裁判集民115号95頁)。ただし、これはあくまで「推定」であり、絶対的なものではありません。印鑑の盗用や冒用などの反証があれば、推定は覆されることがあります。

また、実印であれば印鑑登録証明書によって「印影と印鑑が一致すること」を比較的容易に立証できますが、認印の場合は一致を証明する手段が確保されていないと、立証は事実上難しくなります。前出の「押印についてのQ&A」でも、この点が指摘されています。契約の重要度に応じて実印や印鑑証明書を使い分けるのは、この証明のしやすさの差があるためです。

出典・参考資料(2件)
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押印・印紙・契印の手間を電子契約で省くには

ここまで見てきたように、紙の契約書では、印鑑の種類の選択、契印・割印、収入印紙の消印、訂正印と、押印に関する作業が数多く発生します。これらの手間を、法的な効力を保ったまま省けるのが電子契約です。最後に、電子契約で押印・印紙・契印の作業がどう変わるのかを解説します。

電子印鑑は紙の押印と同じ効力を持つのか

「電子印鑑」という言葉は、2つの異なるものを指して使われているため注意が必要です。1つは、印鑑の印影を画像として取り込み、PDFなどに貼り付けるもの。もう1つは、電子署名法にもとづく電子署名を付与するものです。

このうち、印影を画像として貼り付けただけのものには、紙の押印のような文書の真正を推定する効果はありません。法的な効力の面で紙の押印に相当するのは、後者の電子署名です。電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)第3条は、本人だけが行える電子署名について、次のように定めています。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第3条(e-Gov法令検索)

紙の押印と同等の推定効果を得るには、印影の画像ではなく、電子署名法の要件を満たす電子署名が必要です。電子契約サービスでは、この電子署名に加えて認定タイムスタンプが付与され、契印・割印に相当する改ざん防止の役割を果たします。

署名方式には、サービス提供事業者が契約当事者の指示にもとづいて署名する立会人型(事業者署名型)と、契約当事者本人が電子証明書で署名する当事者型があり、契約の重要度に応じて使い分けられます。

さらに、電子データで作成する電子契約は、紙の文書を作成しないため収入印紙も不要になります。印紙税は紙の「文書」に課される税であり、電磁的記録として作成・交付した契約には課税されないことが、政府の答弁書でも示されています。

出典・参考資料(2件)

以下は、押印や収入印紙の手間を電子契約で省けるサービスの比較です。

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サービス名クラウドサイン電子印鑑GMOサイン
署名方式立会人型(事業者署名型・標準)
当事者型(マイナンバーカード署名)
立会人型(契約印タイプ)
当事者型(実印タイプ)
ハイブリッド署名も可
実印相当の本人確認●マイナンバーカード署名(当事者型)で対応●電子証明書による実印タイプ(当事者型)で対応
認定タイムスタンプ●全プランで標準付与●全プランで標準付与
月額費用無料〜11,000円(有料Lightプラン、税抜)無料〜8,800円(有料ライトプラン・年間契約、税抜)
送信料220円/件(税抜)
※マイナンバーカード署名は別途200円/件
立会人型100円/件
当事者型300円/件(いずれも税抜)
収入印紙不要(電子データのため非課税)不要(電子データのため非課税)
無料プラン●フリープラン(1名・月2件まで)●お試しフリープラン(1名・月5件まで・立会人型のみ)
詳細情報公式資料を見る公式資料を見る

※2026年9月時点の各社公式情報による。最新の料金・機能は各社の公式サイト・資料をご確認ください。

1. クラウドサイン(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサインの公式サイト

クラウドサインは、弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約サービスです。書類のアップロードから電子署名・認定タイムスタンプの付与、締結後の保管・検索までをオンラインで完結でき、紙の契約で生じる印刷・押印・郵送の手間を省けます。

署名方式は、認証局での本人確認が不要で導入しやすい立会人型(事業者署名型)が標準です。実印相当の本人確認が必要な契約には、マイナンバーカードの電子証明書で契約当事者自身が署名する当事者型(マイナンバーカード署名)も選べます。全プランで総務大臣認定のタイムスタンプを標準付与し、電子帳簿保存法の改ざん防止(真実性)要件に対応している点も特徴です。

料金は、1名・月2件まで使えるフリープランが無料で、有料のLightプランは月額11,000円(税抜、2026年9月時点)から、送信料は1件220円(税抜)です。Salesforceやkintoneなど100以上の外部サービスと連携できるため、既存の業務システムと組み合わせた運用にも向いています。

2. 電子印鑑GMOサイン(GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)

電子印鑑GMOサインの公式サイト

電子印鑑GMOサインは、立会人型(契約印タイプ)と当事者型(実印タイプ)の2つの署名方式を使い分けられる電子契約サービスです。運営は、GMOインターネットグループのGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社です。

自社は実印タイプ(当事者型)で署名し、相手方には契約印タイプ(立会人型)で署名してもらう「ハイブリッド署名」に対応しており、相手方にアカウントや電子証明書を求めずに本人性の高い署名を残せます。

電子署名の適法性については、デジタル庁・法務省・財務省のグレーゾーン解消制度により、立会人型・当事者型ともに記名押印に代わる有効な電子署名であることが確認されています(2021年10月、GMOインターネットグループ公表)。

料金は、1名・月5件まで(立会人型のみ)使えるお試しフリープランが無料で、有料のライトプランは月額8,800円(税抜、2026年9月時点)から。送信料は、立会人型が1件100円(税抜)、当事者型が1件300円(税抜)で、用途に応じて署名方式を選べます。

ここで挙げた2社のほかにも電子契約システムは数多くあり、署名方式や料金、電子帳簿保存法への対応は各社で異なります。以下の記事では、タイプ別の選び方や料金を比較しながら自社に合う一社を選ぶ手順を解説しています。押印・印紙・契印の手間を電子契約で見直したい方は、あわせてご覧ください。

まとめ

契約書の押印は、署名欄の契約印のほか、ページのつながりを示す契印、2部以上の契約書の同一性を示す割印、収入印紙に押す消印、記載を直す訂正印など、押す場所と役割がそれぞれ異なります。会社の契約では、法的な効力の面では角印でも代表者印でも有効ですが、後から本人が押したと証明しやすいのは印鑑登録された代表者印です。

また、押印がなくても契約は有効に成立します。押印は、二段の推定によって「本人が作成した文書だ」と示しやすくするためのものであり、契約の成立そのものに必須のものではありません。

こうした押印に伴う手作業は、電子署名法の要件を満たす電子契約を使えば、法的な効力を保ったまま大きく減らせます。収入印紙も不要になるため、コストと手間の両面で見直す価値があります。自社の契約の重要度や件数に合わせて、紙と電子を使い分けていくとよいでしょう。

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よくある質問(FAQ)

Q. 契約書の押印とは何ですか?

A. 契約書の押印とは、契約書に印鑑を押して、当事者がその内容に合意した事実を残し、後から「本人が作成した文書だ」と示しやすくするための行為です。署名欄に押す契約印のほか、ページのつながりを示す契印、2部以上の契約書にまたいで押す割印、収入印紙に押す消印などがあり、押す位置・押す人・必須か任意かがそれぞれ異なります。

押印は契約成立の必須要件ではありませんが、文書の真正を証明しやすくする役割があります。

Q. 契約書にシャチハタ(スタンプ印)を使ってもよいですか?

A. 契約書の押印には、シャチハタ(インク浸透印)ではなく、朱肉を使う印鑑を用いるのが基本です。シャチハタはゴム製で押すたびに印影が変わりやすく、大量生産で同じ印面が多数存在するため、「本人の印鑑で押した」と証明しにくいためです。法律で禁じられているわけではなく、簡易な社内文書で使われることもありますが、取引先との契約書、とくに重要な契約では、実印や代表者印など朱肉で押す印鑑を使います。

Q. 契約書の押印は担当者や代理人が代わりに押してもよいですか?

A. 契約書の押印は、正当な権限を与えられていれば、代表者本人でなく担当者や代理人が押しても契約は有効に成立します。会社の契約では、代表者印を総務や法務などの部署が管理し、決裁を経て担当者が押すのが一般的です。ただし、権限のない人が無断で会社の印鑑を押すと後のトラブルの原因になるため、社内の押印ルール(申請・決裁の手続き)に沿って押すことが大切です。

Q. 1枚だけの契約書でも契印は必要ですか?

A. 契約書が用紙1枚に収まる場合は、ページのつながりを示す契印は不要です。契印は、契約書が複数ページにわたるときに、ページの抜き取りや差し替えを防ぐために押すものだからです。1枚で完結する契約書では、署名欄への押印だけで足ります。両面印刷や複数ページになる場合に、各ページのとじ目へ契印を押します。

Q. 収入印紙はどんな契約書にいくら貼ればよいですか?

A. 収入印紙は、印紙税法で定められた課税文書に当たる契約書に、文書の種類や記載された契約金額に応じた金額の印紙を貼ります。たとえば工事請負などの請負契約書、金銭の貸借に関する契約書、継続的取引の基本契約書などが課税対象です。該当するかどうかと具体的な税額は、国税庁の印紙税額の一覧表で確認できます。課税文書に当たらない契約書には、印紙は不要です。

出典・参考資料(2件)

Q. 電子契約で結んだ契約書にも収入印紙は必要ですか?

A. 電子契約で電磁的記録として作成・交付した契約書には、収入印紙は不要です。印紙税は紙で作成された文書に課される税であり、電子データとしてやり取りする契約には課税されないことが、政府の答弁書でも示されています。そのため、印紙代のかかる契約を電子契約に切り替えると、契約金額にかかわらず印紙代を0円にできます。

出典・参考資料(1件)

Q. 契約書に印鑑証明書はいつ必要になりますか?

A. 印鑑証明書は、実印で押印し、その印影が登録された印鑑と一致することを相手方に証明する必要がある契約で求められます。不動産取引や金融機関との契約、連帯保証など、後から「本人が押した」ことを確実に示したい重要な契約で添付を求められるのが一般的です。日常的な取引で認印や角印を使う場合は、印鑑証明書は通常必要ありません。相手方が提出を求めているかを、事前に確認しておくとよいでしょう。

Q. 契約書への押印以外に、本人が作成したと証明する方法はありますか?

A. 契約書に押印がなくても、契約の成立過程を示すメールのやり取りや本人確認の記録、電子署名などで、本人が作成したことを証明できます。内閣府・法務省・経済産業省「押印についてのQ&A」でも、取引先とのメール(送受信記録を含む)の保存、契約締結前の本人確認情報の記録、電子署名や電子認証サービスの活用などが、押印に代わる証明手段として挙げられています。

出典・参考資料(1件)

Q. 契約書に押印を忘れたまま相手に渡してしまった場合はどうなりますか?

A. 押印を忘れても、当事者の合意ができていれば契約は有効に成立しており、契約をやり直す必要はありません。押印は契約成立の要件ではないためです。ただし、後から文書の真正が争われたときに備え、必要に応じて改めて押印した契約書を取り交わしておくと安心です。収入印紙の貼り忘れも契約自体を無効にはしませんが、過怠税の対象になるため早めに対応します。

出典・参考資料(1件)

Q. 海外企業との契約書にも押印は必要ですか?

A. 海外企業との契約では、印鑑による押印ではなく、署名(サイン)で契約を締結するのが一般的です。欧米などには日本のような印鑑の文化がなく、契約の成立や本人性は手書きのサインで確保されます。日本国内でも、契約は当事者の合意で成立し、押印がなくても有効であるため、相手方の慣行に合わせてサイン方式で締結して差し支えありません。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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