毎月の給与計算が特定の担当者に属人化していて、社会保険料率や税制の改正に正しく追従できているか不安を感じていませんか。担当者の退職や異動で引き継げなくなるリスクも、小さくありません。こうした負担を外部に委ねる選択肢として、まず名前が挙がるのが社会保険労務士(社労士)です。
この記事では、給与計算を社労士に依頼できるのか、従業員数に応じた費用はどのくらいか、社労士・税理士・給与計算代行会社をどう使い分けるのかを整理します。あわせて、社労士に任せられる業務範囲、依頼の流れと選び方も解説します。
給与計算の委託先には、社労士事務所のほかに給与計算アウトソーシング(委託会社)という選択肢もあります。両者の違いと、自社に合った委託先の見つけ方まで確認していきましょう。
目次
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給与計算は社労士に依頼できる(可否の結論と独占業務の線引き)
結論から言えば、給与計算を社労士に依頼することはできます。給与計算そのものは特定の資格がなくても行える業務のため、社労士に限らず給与計算代行会社や会計事務所にも依頼でき、自社で行うことも可能です。そのうえで社労士に頼むと、給与計算と密接に関わる社会保険の手続きまで一体で任せられる点に意味があります。
給与計算そのものは資格不要、社会保険手続きは社労士の独占業務
社労士が業として行う事務は、社会保険労務士法第2条第1項に列挙されています。そこに挙げられているのは、労働社会保険諸法令にもとづく申請書等の作成や提出代行、帳簿書類の作成、労務管理などの相談・指導で、「給与計算」という語はどの号にも出てきません。
第二条 社会保険労務士は、次の各号に掲げる事務を行うことを業とする。
社会保険労務士法 第2条第1項(社会保険労務士の業務)|e-Gov 法令検索
一 別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令(以下「労働社会保険諸法令」という。)に基づいて申請書等(……)を作成すること。
一の二 申請書等について、その提出に関する手続を代わつてすること。
一の三 労働社会保険諸法令に基づく申請、届出、報告等について、代理すること(……「事務代理」という。)。
二 労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類(……)を作成すること。
三 事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について相談に応じ、又は指導すること(……)。
一方で、資格取得・喪失の届出や算定基礎届・月額変更届といった社会保険・労働保険の手続きは、同項第1号から第2号まで(申請書等の作成や提出代行、事務代理、帳簿書類の作成)にあたる社労士の業務です。これらは社会保険労務士法第27条により、社労士(または社労士法人)でない者が報酬を得て業として行うことを禁じられています。
これがいわゆる「独占業務」で、給与計算を外注するときに社労士が選ばれる根拠になります。
第二十七条 社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第二条第一項第一号から第二号までに掲げる事務を業として行つてはならない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び政令で定める業務に付随して行う場合は、この限りでない。
社会保険労務士法 第27条(業務の制限)|e-Gov 法令検索
このように、給与計算は誰に頼んでもよい業務ですが、その後ろにある社会保険手続きまで一元化したいなら、独占業務を担える社労士に頼むのが自然という整理になります。給与計算の結果は保険料や各種届出に直結するため、両者をまとめて任せられると手続き漏れや二重のやり取りを防ぎやすくなります。
給与計算だけを社労士に依頼することもできる
「社会保険手続きまでは不要で、給与計算だけを任せたい」という依頼も可能です。給与計算は資格を問わない業務なので、社労士に給与計算の代行だけを依頼しても問題はありません。実際に、顧問契約を前提とせず給与計算の代行だけを受け付けている社労士事務所もあります。
ただし、社労士に頼むメリットの多くは社会保険手続きとの一体対応にあります。給与計算だけを切り出す場合は、将来的に社会保険手続きも任せたくなったときに同じ依頼先で広げられるか、依頼範囲をあとから変えられるかを、契約前に確認しておくと安心です。対応できる範囲は事務所ごとに異なります。
社労士に給与計算を依頼する費用相場(従業員数別の目安)
ここからは、社労士に給与計算を依頼したときの費用を、料金の仕組みと従業員数別の目安に分けて見ていきます。金額は依頼範囲や事務所の方針で変わるため、料金の一例をもとに、自社の人数に当てはめられる形で示します。
「基本料金+1人あたり単価」という料金の仕組み
給与計算の委託料金は、毎月の基本料金に「従業員1人あたりの単価×人数」を加える形が一般的です。人数が増えるほど月額が上がる仕組みのため、自社の従業員数を単価に掛け合わせれば、おおよその金額を見積もれます。
たとえば社会保険労務士法人Nexill&Partnersは、給与計算の月額報酬を「16,500円+従業員数×1,100円」と公開しています。初期費用(従業員情報の登録費用)は月額報酬の1か月分、年末調整は「22,000円+従業員数×1,100円」です。
この料金体系に従うと、従業員10名なら月額27,500円、30名なら49,500円、50名なら71,500円が給与計算の目安になります(いずれも同社の公開料金にもとづく試算、2026年10月時点)。
出典・参考資料(1件)
小規模の例をもう一つ挙げると、社会保険労務士法人An-fieldは規模別の基本プラン料金を公開しています。10名までは月額33,000円、11〜50名は「27,500円+770円×人数」(いずれも税込、労務コンサルティング顧問と給与計算をあわせた基本プラン)で、この式では30名の場合に月額50,600円ほどになります。50名までの企業では初月のみ、顧問料の1.5か月分が初期登録費用として必要です。
出典・参考資料(1件)
従業員数別の費用目安
基本料金と単価を積み上げた月額のイメージは、次のとおりです。小規模のうちは月数万円に収まり、人数が増えると段階的に上がります。101名以上の中堅規模では、月額固定で料金を設定する事務所もあります。
| 従業員規模 | 〜10名 | 11〜30名 | 31〜50名 | 51〜100名 | 101名以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 月額費用の目安 | 2万〜3万円程度 | 3万〜5万円程度 | 5万〜7.5万円程度 | 7万〜10万円程度 | 9万〜29万円程度(税別) |
| 補足 | 基本料金+1人あたり単価の積み上げ | 人数に応じて段階的に上昇 | 賞与・年末調整は別料金が一般的 | 事務所により月額固定の設定も | DIG例:101名〜9万円/200名〜14万円/500名〜29万円 |
※上記は前述の「基本料金+1人あたり単価」の仕組みと、Nexill&Partners・An-field・DIGなど社労士法人の公開料金から導いた目安です。実額は依頼範囲・事務所により変動するため、自社規模で見積もりを取って確認してください。
101名以上の中堅・大手規模では、たとえばDIG社会保険労務士法人が従業員数別の月額料金を公開しており、101名〜で90,000円〜、200名〜で140,000円〜、500名〜で290,000円〜(いずれも税別)としています。
同社では、勤怠の集計結果や昇給などの情報を企業側から共有する前提で給与明細・給与振込データを作成する形のため、勤怠集計そのものは依頼企業側で行う運用です。委託範囲に勤怠集計を含めたいかどうかは、見積もり時に確認しておくとよいでしょう。
出典・参考資料(1件)
賞与・年末調整・初期費用などのオプション費用
毎月の給与計算の基本料金とは別に、次のような費用がかかるのが一般的です。見積もりを比べるときは、月額だけでなくこれらを含めた年間の総額で考えると判断しやすくなります。
- 初期費用(従業員情報の登録費用):契約開始時に、月額報酬の1か月分程度を設定する例があります。
- 賞与計算:毎月の給与計算とは別に、支給の都度の料金が発生することが多い項目です。
- 年末調整:年1回の対応として別料金が設定されます。前述のNexill&Partnersでは「22,000円+従業員数×1,100円」と公開しています。
- Web給与明細の発行・勤怠集計・急ぎ対応:オプションとして追加料金になる場合があります。
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社労士・税理士・給与計算代行会社の使い分け
給与計算の委託先は社労士だけではありません。税理士や給与計算代行会社にも依頼できます。どこに頼むべきかは、給与計算の前後にある「社会保険手続き」と「税務(年末調整など)」のどちらを一緒に任せたいかで分かれます。
まず、給与計算とその前後の業務が、それぞれ誰の領域なのかを整理しておきましょう。

得意領域と独占業務から見た使い分け
社労士は社会保険・労働保険の手続き、税理士は税務を、それぞれ独占業務として担います。給与計算自体はどちらにも代行会社にも頼めるため、違いは「前後の業務まで一元化できるか」に出ます。
| 委託先 | 社会保険労務士 | 税理士 | 給与計算代行会社・アウトソーシング |
|---|---|---|---|
| 得意領域 | 社会保険・労働保険、労務管理 | 税務(法人税・所得税・年末調整の税務書類など) | 給与計算の実務・効率化 |
| 独占業務 | 社会保険・労働保険の手続き(社労士法第2条第1項・第27条) | 税務代理・税務書類の作成・税務相談(税理士法第2条第1項・第52条) | なし(給与計算は資格不要) |
| 給与計算と一緒に頼めること | 社会保険手続き、就業規則、労務相談 | 年末調整に伴う税務書類の作成・提出、源泉所得税の相談 | 給与明細発行・振込データ作成など(社労士法人が母体なら社会保険手続きも) |
| 向いている会社 | 社会保険手続きまで一元化したい会社 | 顧問税理士がいて税務とまとめたい会社 | 給与計算の実務を切り出して任せたい会社 |
※独占業務の範囲は各法令にもとづきます。実際に依頼できる業務は各事務所・各社の対応範囲をご確認ください。
年末調整や源泉所得税まで含めたいかで判断する
判断の軸になるのは税務の扱いです。税理士が業として行うのは、税理士法第2条第1項の税務代理・税務書類の作成・税務相談で、これらは税理士法第52条により税理士(または税理士法人)でない者が行うことを禁じられています。
第二条 税理士は、他人の求めに応じ、租税(……)に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。
税理士法 第2条第1項(税理士の業務)|e-Gov 法令検索
一 税務代理(……)
二 税務書類の作成(……申告書、申請書、請求書……を作成することをいう。)
三 税務相談(……租税の課税標準等……の計算に関する事項について相談に応ずることをいう。)
そのため、年末調整に伴って税務署へ提出する源泉徴収票・法定調書などの税務書類の作成・提出や、税額についての相談は税理士の領域です。社労士や給与計算代行会社は、これらの税務書類の作成・提出を報酬を得て代行することはできません。
社労士や給与計算アウトソーシングが「年末調整」として行うのは、主に給与計算の一環としての年税額の計算・精算やそれに伴う事務です。税務署へ提出する税務書類の作成・提出や税務相談が必要な場合は、税理士が連携して対応します。本記事で扱う「年末調整」も、この範囲を指します。
年末調整や源泉所得税の相談までまとめて任せたいなら税理士、社会保険手続きとの一元化を重視するなら社労士、という使い分けになります。両方を求める場合は、税理士と社労士が連携している依頼先や、連携体制を確認したうえで分担する形が現実的です。
社労士に給与計算と一緒に任せられる業務範囲
社労士に給与計算を依頼する利点は、給与計算の前後にある労務・社会保険の業務まで一つの依頼先にまとめられる点にあります。代表的なものは次のとおりです。いずれも対応の可否や範囲は事務所ごとに異なるため、依頼前に確認しておきましょう。
- 社会保険・労働保険の手続き代行:資格の取得・喪失、算定基礎届、月額変更届、労働保険の年度更新など。給与計算の結果がそのまま保険料や届出に反映されるため、一体で任せると整合を取りやすくなります。
- 就業規則・労使協定の作成や届出:就業規則や賃金規程の作成・改定、36協定の届出など。給与計算のルールの土台になる部分です。
- 労務管理の相談・指導:法改正への対応、労働時間や賃金制度に関する相談など。社会保険労務士法第2条第1項第3号にあたる業務です。
- 助成金の申請サポート:雇用関連の助成金の相談・申請支援に対応する事務所もあります。
給与計算だけを任せるのか、社会保険手続きまで含めるのか、就業規則や労務相談まで広げるのかで、依頼先に求める体制も費用も変わります。自社が任せたい範囲を先に整理しておくと、見積もりや事務所選びがスムーズになります。
社労士に給与計算を依頼するメリット・デメリット
委託するかどうかは、得られる効果と手放すものを並べて判断します。自社の状況によってメリットが上回るかが変わるため、どんな会社に向くかも含めて整理します。
メリット:法改正対応・社会保険との一元化・負担の軽減
最大の利点は、社会保険料率や労働関連法規の改正に専門家が追従してくれることです。料率改定や制度変更を自社で追いかける負担が減り、計算ミスや手続き漏れのリスクも抑えられます。給与計算と社会保険手続きを一元化できるため、両者のあいだで生じる確認のやり取りも減ります。
担当者の採用・育成や専用ソフトの維持が不要になり、属人化や引き継ぎのリスクも下げられます。給与計算を担当者1人が抱えている、または経営者が兼任しているような中小企業ほど、本来の業務に時間を戻せる効果は大きくなります。
デメリットと対策:コスト・ノウハウ・情報漏洩・税務は不可
一方で、外部委託のため毎月の費用が発生します。自社で行う場合の人件費や作業時間と比べ、費用対効果が見合うかを確認する必要があります。業務を任せきりにすると社内に給与計算のノウハウが残りにくくなるため、将来の内製化を見据えるなら、計算基準や手順を自社でも把握できる形にしておくとよいでしょう。
勤怠・扶養・住所などの個人情報を外部に渡すため、情報漏洩への備えも欠かせません。対策としては、秘密保持契約の締結、データの受け渡し方法とアクセス権限の確認、プライバシーマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証の有無のチェックが挙げられます。詳しくは後述の選び方で触れます。
また、年末調整に伴う税務書類の作成・提出や税務相談は社労士では対応できないため、税務まで含めたい場合は税理士との連携が必要です。
社労士への依頼の流れと選び方
実際に依頼するときの手順と、依頼先を選ぶときに確認したいポイントを整理します。委託開始後のトラブルの多くは、範囲や責任分担のすり合わせ不足から生じるため、契約前の確認が重要です。
依頼の流れ(課題整理から契約まで)
- 自社の課題と依頼範囲を整理する:給与計算だけか、社会保険手続きや年末調整まで含めるかを決めます。
- 依頼先を探して比較する:対応範囲・実績・料金体系を複数の候補で比べます。地元の社労士事務所は各都道府県の社会保険労務士会の会員名簿や紹介窓口から、給与計算を代行するアウトソーシング会社は比較記事やサービスの資料請求から探せます。
- 依頼範囲と運用をすり合わせる:勤怠データの受け渡し方法、既存の勤怠・給与システムとの連携、納品形式を確認します。
- 見積内容を確認する:月額だけでなく、初期費用・賞与・年末調整・修正対応などの料金を含めて確認します。
- 契約を締結し、運用を開始する:責任分担や修正時の費用負担、データの保管ルールを契約書で明確にします。
選び方のポイント(実績・自社ルール対応・連携・料金の明確さ)
依頼先を選ぶときは、次の観点を確認すると失敗を避けやすくなります。
- 給与計算の実績と専門性:自社の業界や雇用形態(時給制・シフト制・歩合制など)に対応した実績があるか。
- 自社ルールへの対応力:独自の手当や勤怠ルールに合わせた運用ができるか、既存システムと連携できるか。
- コミュニケーションの取りやすさ:問い合わせへの返信の速さや、繁忙期・急ぎの対応体制。
- 料金体系の明確さ:基本料金・単価・オプションの区分が明示され、総額を見積もれるか。
契約・セキュリティの確認ポイント
給与計算では、従業員の氏名・住所・家族構成・口座情報といった個人情報を外部と共有します。情報の取り扱いについては、契約前に次の点を確認しておきましょう。
- 秘密保持契約と責任分担:秘密保持契約の締結、計算ミス発覚時の修正対応と費用負担、損害賠償の範囲を契約書で定めているか。
- データの管理体制:データの受け渡し方法(暗号化の有無)、アクセス権限の管理、保管期間、再委託の可否。
- 第三者認証:社労士事務所向けのSRPⅡ認証(全国社会保険労務士会連合会が運営する、社労士事務所の個人情報・特定個人情報の保護体制を認証する制度。士業で唯一の個人情報保護認証)のほか、プライバシーマークやISMS認証を取得しているかは、体制を客観的に判断する手がかりになります。
社労士とアウトソーシング会社、どちらに委託するか
「給与計算を外に出す」と決めたとき、依頼先は社労士事務所だけではありません。給与計算アウトソーシング(委託会社)という選択肢もあり、両者は性格が異なります。自社に合うほうを選べるよう、違いを整理します。
士業と委託会社の違い
社労士事務所(社労士法人)は、給与計算に加えて社会保険・労働保険の手続きという独占業務まで一体で担える点が強みです。社会保険手続きまで一元化したい、労務の相談もしたい、という場合に向きます。
給与計算アウトソーシングは、給与計算の実務を効率的に代行することに主眼を置いたサービスです。給与明細の発行や振込データの作成まで含め、毎月のルーティン業務を任せられます。
社会保険手続きが必要な場合は、社労士法人が母体のサービスを選ぶか、提携する社労士との連携体制を確認すると、手続きまでカバーできます。実際に、社労士法人が母体となって給与計算と社会保険手続きを一体で受託している委託先もあります。次に、そうしたサービスを紹介します。
以下は、社会保険手続きまで一体で任せやすい給与計算アウトソーシングの比較です。料金を公式に公開しているのはAn-field(前述の費用相場で紹介した規模別の基本プラン)で、ほかは要問い合わせです。前述の「基本料金+1人あたり単価」の相場を目安に、自社の従業員規模で複数社の見積もりを取って比べるとよいでしょう。
| サービス名 | エスペイロール | アクタス | An-field | シャノアス |
|---|---|---|---|---|
| 運営母体 | 社会保険労務士法人 | 社会保険労務士法人 | 社会保険労務士法人 | 社会保険労務士法人 |
| 社会保険手続き | ● | ● | ● | ● |
| 年末調整 | ● | ● | ● | △オプション |
| 対応従業員規模 | 中小〜中堅 | 小規模〜大規模 (100〜1,000名超の事例) | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 |
| 料金の示し方 | 要問い合わせ (3パッケージ別) | 要問い合わせ | 公式サイトに料金ページを公開 (規模別) | 要問い合わせ |
| 特徴 | 3つのパッケージで委託範囲を段階的に選べる | 業務単位の部分委託に対応 グループのIT会社が導入を伴走 | 給与計算の代行・委託に特化 | 給与項目・支給方法の変更に柔軟 Web明細などオプションが充実 |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※各社の対応範囲・料金は本記事作成時点で公式サイト等をもとに整理したものです。最新の提供形態(標準・オプション等)や料金は各社の公式情報・資料でご確認ください。
エスペイロール(社会保険労務士法人エスネットワークス)

社会保険労務士法人エスネットワークスが運営する給与計算アウトソーシングです。社労士法人が母体のため、給与計算と社会保険手続きを一体で対応できます。委託範囲を3つのパッケージから段階的に選べるのが特徴で、毎月の給与計算・賞与計算・年末調整・有給休暇管理を含む標準パッケージから、社内規程の構築支援や人事制度の企画まで踏み込む上位パッケージまで用意されています。
「給与計算だけを任せたい」段階から始め、必要に応じて社会保険手続きや労務の支援へ範囲を広げたい中小〜中堅企業に向いています。料金はパッケージ別で、詳細は問い合わせが必要です。
アクタス(アクタス社会保険労務士法人)

アクタス社会保険労務士法人が契約主体となる給与計算アウトソーシングです。給与計算・賞与計算に加え、社労士の独占業務である社会保険・労働保険の手続き代理、年末調整までを一元的に受託します。「給与計算だけでも、社会保険手続きだけでも承る」と公式に明示しており、業務単位での部分委託にも対応します。情報セキュリティの国際規格ISO/IEC 27001を取得しています。
給与計算と社会保険手続きの一元化を、社労士法人自身が担う形でわかりやすく実現したい企業に適しています。公開されている導入事例は従業員100名超の企業が中心のため、中小規模での委託可否は問い合わせで確認するとよいでしょう。
An-field(社会保険労務士法人An-field)

社会保険労務士法人An-fieldによる給与計算の代行・委託サービスです。給与計算と社会保険手続き、年末調整を社労士法人として一体で対応します。公式サイトに企業規模別の料金ページを設け、基本プランや初期登録費用などを提示している点が特徴で、費用感をあらかじめ把握したうえで相談したい企業に向いています。
シャノアス(シャノアス社会保険労務士法人)

シャノアス社会保険労務士法人が提供する、給与計算に特化した委託サービスです。社労士法人が母体のため社会保険手続きとの一体対応に強く、給与項目の変更や支給方法の調整にも柔軟に対応します。Web明細の発行、年末調整の代行、住民税の手続き支援などをオプションで用意しており、プライバシーマークの認定も受けています。
ここで取り上げた4社のほかにも、給与計算アウトソーシングは数多くあります。従業員規模や任せたい業務範囲から幅広く比較して委託先を絞り込みたい方は、次の記事で各社の特徴と規模別の選び方を確認できます。
給与計算アウトソーシングおすすめ34選を比較|業務範囲・料金体系・規模別の選び方
毎月の給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険の手続きに、特定の担当者が追われていないでしょうか。社会保険料率や税制は毎年のように改正され、その都度の確認作業まで含めると、経理や人事、総務の少人数体制では業務が属人化しやすくなります。担当者が…
まとめ
給与計算そのものは資格を問わない業務のため、社労士に依頼できます。社労士に頼む意味は、社会保険・労働保険の手続きという独占業務まで一体で任せられる点にあり、社会保険料率や法改正への追従、手続き漏れの防止、属人化の解消につながります。費用は「基本料金+1人あたり単価」が基本で、自社の従業員数に当てはめれば月額の目安を見積もれます。
年末調整に伴う税務書類の作成・提出や税務相談は税理士の領域のため、税務までまとめたい場合は税理士との連携を前提に考えます。委託先には社労士事務所のほか、社会保険手続きまで一体で担える社労士法人母体の給与計算アウトソーシングもあります。自社が任せたい範囲と規模に合わせて、資料を見比べながら選んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 社労士に給与計算を依頼するのは違法ではありませんか?
A. 違法ではありません。給与計算そのものは特定の資格を必要としない業務で、社労士に限らず給与計算代行会社や自社でも行えます。社労士が選ばれるのは、その後ろにある社会保険・労働保険の手続き(社労士の独占業務)まで一体で任せられるためです。
Q. 社労士に給与計算だけを頼むとき、顧問契約は必須ですか?
A. 顧問契約は必須ではなく、給与計算の代行だけをスポットで受け付けている社労士事務所もあります。給与計算は資格を問わない業務のため、社会保険手続きを含めず給与計算だけを依頼しても問題ありません。
ただし社労士に頼む利点の多くは社会保険手続きとの一体対応にあるため、将来的に手続きや労務相談まで広げる可能性があるなら、同じ依頼先で依頼範囲をあとから拡張できるかを契約前に確認しておくと安心です。対応範囲は事務所ごとに異なります。
Q. 社労士に給与計算を丸投げして、自社の作業をゼロにできますか?
A. 給与計算の実務はほぼ任せられますが、勤怠データの集計や確定情報の共有など、自社に残る作業は完全にはゼロになりません。多くの委託先は、勤怠の集計結果や昇給・手当の変更といった情報を企業側から共有してもらう前提で、給与明細や振込データを作成します。勤怠集計まで含めて任せたいかどうかで対応できる依頼先が変わるため、委託範囲に勤怠集計を含められるかを見積もり時に確認しておきましょう。
Q. 給与計算は社労士と税理士のどちらに頼むほうが安いですか?
A. 費用の安さだけでは決められず、年末調整などの税務まで含めたいか、社会保険手続きまで一元化したいかで選ぶのが基本です。給与計算自体はどちらに頼んでも「基本料金+1人あたり単価」という料金体系は似ており、金額は依頼範囲によって変わります。
社会保険手続きまで任せたいなら社労士、年末調整に伴う税務書類の作成・提出や税務相談まで含めたいなら税理士が適しています。税務書類の作成・提出や税務相談は税理士法第2条第1項・第52条で税理士の独占業務とされ、社労士は報酬を得て代行できません。
Q. 給与計算の委託先として、社労士事務所と給与計算アウトソーシング会社はどう違いますか?
A. 社労士事務所は社会保険・労働保険の手続きという独占業務まで一体で担える点が強みで、給与計算アウトソーシング会社は給与計算の実務を効率的に代行することに主眼があります。社会保険手続きまで一元化したい、労務の相談もしたいという場合は社労士(または社労士法人が母体のアウトソーシング)が向きます。
給与計算の実務だけを切り出したい場合は委託会社が合いますが、社会保険手続きまで任せたいなら、その委託会社が社労士法人を母体とするか、提携する社労士との連携体制があるかを確認しておきましょう。
Q. 社労士に依頼してから、実際に給与計算が始まるまでどのくらいかかりますか?
A. 開始までの期間は事務所や依頼範囲によって異なり、従業員情報の登録や勤怠データの連携の準備にかかる時間が目安になります。契約にあたっては、従業員情報の登録、勤怠データの受け渡し方法や既存の勤怠・給与システムとの連携、納品形式のすり合わせが必要です。初回の計算を給与の締め日・支給日に間に合わせるため、余裕をもって相談を始めることをおすすめします。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















