給与計算や年末調整、社会保険の手続きを担っていた担当者が退職・休職して業務が止まりそう、あるいは毎月の給与計算と毎年の法改正対応に追われてコア業務に手が回らない。そうした悩みから、人事・給与まわりの事務を外部に任せる「人事給与代行」を検討する企業が増えています。
人事給与代行とは、給与計算を中心に、年末調整・住民税の更新・社会保険や労働保険の手続きといった人事・労務の事務まで、外部の専門会社や社会保険労務士事務所に委託する仕組みです。「給与計算だけ」から「人事・労務の事務をまるごと」まで、任せられる範囲は委託先のタイプによって大きく変わります。
本記事では、給与計算を中心に人事・労務の事務まで任せられる代行先を、給与計算特化型・社労士事務所一体型・大手BPO型・クラウドシステム一体型・経理労務まとめ型の5タイプに分けて横断的に比較します。任せられる業務範囲・料金体系・自社規模への適合に加え、「社会保険の手続きは社労士の独占業務」といった委託先選びで外せない法律上の線引きまで整理しました。
人事給与代行の委託先を選ぶ担当者が、自社に合う代行先を絞り込むための判断材料としてご活用ください。
本記事は給与計算を中心に、年末調整や社会保険手続きまで任せられる代行先に絞って比較しています。委託する業務範囲ではなく、会社の規模を起点に給与計算アウトソーシング全体を幅広く見比べたい場合は、規模別の選び方まで解説した以下の総合比較もあわせてご覧ください。
給与計算アウトソーシングおすすめ34選を比較|業務範囲・料金体系・規模別の選び方
毎月の給与計算や賞与計算、年末調整、社会保険の手続きに、特定の担当者が追われていないでしょうか。社会保険料率や税制は毎年のように改正され、その都度の確認作業まで含めると、経理や人事、総務の少人数体制では業務が属人化しやすくなります。担当者が…
また、自社の状況に合う代行先のタイプと候補を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。あわせてご活用ください。
目次
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人事給与代行とは(給与計算を中心に人事・労務の事務まで任せる代行)
人事給与代行は、企業の給与計算を軸に、賞与計算・年末調整・住民税の更新・社会保険や労働保険の手続き・従業員からの問い合わせ対応までを、外部の専門会社や社会保険労務士事務所にまとめて委託する仕組みを指します。
「給与計算代行」「給与計算アウトソーシング」「人事給与BPO(BPO=業務プロセスを外部に委託すること)」などと呼ばれることもあり、言葉の使い分けよりも「どこまでの事務を任せるか」で実態が決まります。
委託が広がる背景には、いくつかの共通した事情があります。給与計算は毎月必ず発生し、締め日や支給日が決まっているため遅延が許されません。にもかかわらず担当者が1〜2名に偏り、退職や休職でたちまち業務が止まる「属人化」が起きやすい領域です。さらに、社会保険料率の改定や税制改正への追従、年末調整といった専門知識を要する作業が毎年重なり、少人数の管理部門では負担が集中します。
こうした負担を外部の専門家に移すことで、担当者をコア業務に振り向け、法改正への対応漏れや計算ミス・情報漏洩のリスクを抑えられるのが人事給与代行の狙いです。一方で、何を・どこまで任せられるかは委託先のタイプによって異なり、社会保険の手続きのように「資格を持つ人でなければ代行できない業務」もあります。次章から、任せられる業務の範囲と選び方を順に見ていきます。
代行先に任せられる業務の範囲
ここからは、人事給与代行で実際に任せられる業務を整理します。委託先によって対応範囲は変わりますが、代表的な業務は次のように分けられます。
- 給与・賞与計算:勤怠データの集計、各種手当・控除・社会保険料・所得税の計算、給与明細の発行、振込データの作成まで。人事給与代行の中心となる業務です。
- 年末調整:従業員からの申告書の回収・内容確認、過不足税額の精算、源泉徴収票や給与支払報告書の作成。税務判断を伴う部分には後述の線引きがあります。
- 住民税の更新:特別徴収税額通知にもとづく毎年6月の税額改定の反映、納付データの作成。
- 社会保険・労働保険の手続き:入退社に伴う資格取得・喪失届、算定基礎届、月額変更届、労働保険の年度更新など。これらは社会保険労務士の独占業務にあたり、委託先の資格の有無が関わります。
- 従業員からの問い合わせ対応:給与明細の見方や控除内容、年末調整の記入方法などに関する従業員窓口の代行。大手BPO型を中心に提供されます。
「給与計算だけを切り出して任せたい」のか、「年末調整や社会保険手続きまで含めて丸ごと任せたい」のかで、選ぶべき委託先のタイプは変わります。特に社会保険・労働保険の手続きまで任せたい場合は、社会保険労務士が関与しているタイプを選ぶ必要がある点を押さえておきましょう。
給与計算代行の費用相場・料金体系
ここからは、人事給与代行の料金体系の読み解き方を解説します。各社の具体的な料金は後半の比較表で横並びにしていますので、ここではまず料金の決まり方を押さえてください。
料金体系は、大きく次の3つに分かれます。1つめは従量課金型で、「基本料金+従業員1名あたり月額(数百円〜1,000円台)」の形が一般的です。人数に応じて費用が変わるため、従業員数が読みやすい企業や中小規模で見通しを立てやすい方式です。
2つめは人数帯別の月額固定型で、「〜50名まで月額○円」のように人数レンジごとに料金が設定されます。3つめは稼働時間制(工数ベース)で、オンライン労務代行やバックオフィス代行型に多く、「月○時間まで」といった形で契約します。給与計算に限らず労務全般を柔軟に任せたい場合に向きます。
これらの月額費用に加えて、初期費用(セットアップ費用)や、年末調整・住民税更新などのスポット業務の追加費用が発生することがあります。初期費用は数万円〜数十万円程度が一つの目安ですが、委託範囲や従業員数、既存データの移行量によって変わります。
料金を比較するときは、月額の数字だけでなく「どの業務まで基本料金に含まれるか」「年末調整や社会保険手続きが別料金か」まで確認することが重要です。月額も人数帯や任せる業務の広さで差が出るため、タイプごとの傾向をつかんだうえで、気になる数社から見積もりを取り、年間総額で比べると実態に近づきます。実際の各社料金は、次章以降の比較表で対応業務範囲とあわせて確認してください。
人事給与代行を導入するメリットと注意点
ここからは、人事給与代行を導入する判断材料として、メリットと、委託前に押さえておきたい注意点を対で整理します。
導入するメリット
最大のメリットは、担当者を採用・育成の負担から解放し、コア業務に集中させられることです。給与計算のように毎月必ず発生し、かつ専門知識を要する定型業務を外部に移すことで、管理部門の限られた人員を制度設計や経営支援といった付加価値の高い仕事に振り向けられます。
次に、属人化の解消です。担当者が1〜2名に偏っていると、退職や急な休職で給与計算が止まるリスクを常に抱えます。外部の専門会社に委託すれば、組織として業務を回す体制が確保され、担当者個人への依存から脱却できます。
さらに、法改正への追従と、ミス・情報漏洩リスクの軽減も見逃せません。社会保険料率の改定や税制改正は毎年発生しますが、専門会社は最新の制度にもとづいて処理するため、自社で情報を追い続ける負担が減ります。給与計算の専門体制とセキュリティ対策が整った委託先に任せることで、計算誤りや給与情報の漏洩リスクも抑えられます。
委託の注意点と、自社に残る業務(丸投げできない部分)
一方で、人事給与代行は「丸投げすれば何もしなくてよい」わけではありません。委託後も自社に残る業務があることを、導入前に理解しておく必要があります。
まず、勤怠データの締めや各種申請の承認、人事上の意思決定は自社に残ります。委託先に渡す勤怠データや人事情報の準備・確認は社内で行う必要があり、ここが遅れると給与計算全体が遅延します。また、従業員からの個別の相談のうち、制度にかかわる判断は自社で担うのが一般的です。
次に、責任分担(どこまでが委託先の責任で、どこからが自社の責任か)を契約時に明確にしておくことが欠かせません。計算ミスが起きたときの対応や、データ提供の期限と方法をあらかじめ取り決めておかないと、トラブル時に責任の所在が曖昧になります。
さらに、長期的には社内に給与計算のノウハウが蓄積されにくくなる点や、給与という機微な個人情報を外部に渡すことに伴う情報管理の確認(委託先のセキュリティ認証や再委託の有無)も、委託先を選ぶうえで押さえておきたい観点です。これらの注意点は、後述の「選び方」で具体的な確認項目に落とし込みます。
社労士に頼むべきか、給与計算代行会社でよいか(独占業務の線引き)
委託先を選ぶうえで最も重要なのが、「資格を持つ人でなければ代行できない業務(独占業務)」の線引きです。ここを理解していないと、本来は社会保険労務士や税理士しか行えない業務を無資格の代行会社に任せてしまい、委託先が法律に抵触するおそれがあります。給与計算そのものと、社会保険の手続き・年末調整の税務判断を分けて考えるのが出発点です。

社会保険・労働保険の手続きは社会保険労務士の独占業務
社会保険や労働保険の手続き(資格取得・喪失届、算定基礎届、労働保険の年度更新など)の代行は、社会保険労務士(以下、社労士)の独占業務です。社会保険労務士法は、労働社会保険諸法令にもとづく申請書等の作成(第2条第1項第1号)、提出代行(第1号の2)、事務代理(第1号の3)、帳簿書類の作成(第2号)を社労士の業務と定めています。厚生労働省は、この独占業務を次のように整理しています。
① 労働社会保険諸法令に基づく申請書等及び帳簿書類の作成
出典:社会保険労務士制度について|厚生労働省
② 申請書等の提出代行
③ 申請等についての事務代理
(中略)このうち、①~③の業務については、社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ、報酬を得て、業として行ってはならないこととされている。
社会保険労務士法第27条も、社労士・社労士法人でない者が報酬を得てこれらの事務(第2条第1項第1号から第2号まで)を業として行うことを禁じており、違反した場合は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています(同法第32条の2)。
したがって、社会保険・労働保険の手続きまで任せたい場合は、社労士または社労士法人が関与している委託先(社労士事務所一体型、または提携社労士を持つタイプ)を選ぶ必要があります。
労務管理や社会保険に関する相談・指導(同法第2条第1項第3号)は上記の制限の対象に含まれず、独占業務ではありません。手続きの代行と、相談・助言は区別して考えると線引きを理解しやすくなります。
年末調整のうち税務判断を伴う部分は税理士業務
年末調整についても注意が必要です。ただし、「年末調整の事務すべてが税理士業務」というわけではありません。税理士法第2条は、税理士業務を「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つに限定して定めています。このうち国税庁は、「税務書類の作成」と「税務相談」の意味を次のように公式に示しています。
(注2)「作成する」とは、申告書等を自己の判断に基づいて作成することをいい、単なる代書は含まれないこととされています(基通2−5)。
出典:税理士制度に関するQ&A 問6-1|国税庁
(注3)「相談に応ずる」とは、租税の課税標準等の計算に関する事項について、具体的な質問に対して答弁し、指示し又は意見を表明することをいいます(基通2−6)。
この定義から、年末調整のうち税理士業務に当たるのは、税務判断を伴う計算・調整、年末調整に関する税務相談、源泉徴収票などの税務書類を自己の判断にもとづいて作成する部分です。一方、給与計算の一環としての機械的な計算や、本人の判断にもとづく書類への単なる事務処理・代書は税理士業務には当たりません。
税理士・税理士法人でない者が税理士業務を行うことは税理士法第52条で禁じられ、違反には2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が定められています(同法第59条)。
整理すると、給与計算そのものは、社労士・税理士いずれの独占業務にも列挙されていないため、無資格の代行会社でも受託できます。社会保険・労働保険の手続きに踏み込むなら社労士、年末調整の税務判断に踏み込むなら税理士が関与する必要がある、という線引きです。委託したい業務範囲に応じて、提携する専門家を持つタイプかどうかを確認しましょう。
出典・参考資料(4件)
代行先の5タイプと特徴
ここからは、人事給与代行の委託先を、提供形態と任せられる業務範囲の観点で5つのタイプに分けて解説します。自社がどのタイプに向くかを見極めると、候補を効率的に絞り込めます。対応できる企業規模は各タイプ内でも幅があるため、目安として捉えてください。
| タイプ | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 給与計算特化型 | 給与・賞与計算・年末調整に集中。中小〜中堅で依頼しやすい | 給与計算を中心に切り出して任せたい中小〜中堅企業 |
| 社労士事務所一体型 | 社会保険・労働保険の手続き(独占業務)まで一体で対応 | 社保手続きまで含めて任せたい企業 |
| 大手・大企業向けBPO型 | 大量運用・複雑な給与体系・従業員窓口・公共対応に強い | 従業員数が多く、複雑な給与制度を持つ企業 |
| クラウドシステム一体型 | 自社の給与システムと運用代行をセットで提供 | システム刷新と委託を同時に進めたい企業 |
| 経理・労務まとめ型 | 経理BPOを起点に給与計算も含めて幅広く委託 | バックオフィス全般をまとめて任せたい企業 |
1. 給与計算に特化した代行会社
給与計算・賞与計算・年末調整を中心に請け負うタイプです。対応業務が明確で料金もわかりやすく、中小企業でも依頼しやすいのが特徴です。社会保険手続きは提携社労士が対応する会社もあり、どこまで任せられるかは各社で確認が必要です。「まずは給与計算の負担を減らしたい」企業に向きます。
2. 社会保険労務士事務所一体型
社労士法人や社労士事務所が母体となり、給与計算に加えて社会保険・労働保険の手続き(独占業務)まで一体で対応するタイプです。入退社手続きや算定基礎届まで含めて任せられるため、手続きの専門性を重視する企業や、法令遵守を徹底したい企業に適しています。
3. 大手・大企業向けBPO型
大企業グループや専門BPO事業者が提供する、大量運用に強いタイプです。従業員数が多く、複雑な給与体系や複数拠点を抱える企業でも対応でき、従業員からの問い合わせ窓口の代行まで引き受ける会社もあります。公共機関や上場企業での実績を持つ事業者が多いのも特徴です。
4. クラウドシステム一体型
自社の給与計算システム(クラウド)と、その運用代行をセットで提供するタイプです。システムの刷新と業務委託を同時に進められ、Web給与明細や従業員のセルフ入力など、システムならではの機能を活かせます。将来的に内製へ戻す際もシステムが残るため、外注と内製を切り替えやすい点も利点です。
5. 経理・労務まとめ型
経理代行・オンライン労務代行を起点に、給与計算も含めてバックオフィス全般を幅広く委託できるタイプです。記帳や支払業務とあわせて給与計算を任せられるため、管理部門が小規模で「経理も労務もまとめて外に出したい」企業に向きます。稼働時間制など柔軟な契約形態を採る会社が多いのも特徴です。
記帳や請求・支払といった経理業務まで含めて外部化を考えている場合は、給与計算よりも経理の委託範囲や料金が選定の中心になります。経理の代行先をタイプ別に比較した以下の記事もあわせてご確認ください。
自社に合う代行先の選び方(比較軸)
ここからは、代行先を比較するときに確認したい具体的な軸を解説します。次章の比較表では、これらのうち主要な軸(対応業務範囲・提供形態・対応企業規模・社労士の独占業務対応・既存システム連携・料金)を横並びにしています。従業員対応窓口やセキュリティ認証など表に載せきれない項目は、各社の個別紹介で確認してください。
任せたい業務範囲に対応しているか
最初に確認すべきは、自社が任せたい業務にその代行先が対応しているかです。給与計算だけでよいのか、年末調整・住民税・社会保険手続きまで含めたいのかを整理し、委託先の対応範囲と突き合わせることが重要です。特に社会保険・労働保険の手続きまで任せたい場合は、前章のとおり社労士が関与しているタイプに絞る必要があります。
自社特有の給与要件に対応できるか
変形労働時間制や複雑な手当体系、複数拠点・複数就業規則など、自社固有の給与計算ルールに対応できるかは重要な分岐点です。独自ルールが多い企業ほど、オーダーメイドで設計できる大手BPO型や、要件を吸収できる社労士事務所一体型が候補になります。初回のヒアリングで自社の要件を伝え、対応可否と追加費用を確認しましょう。
既存の給与・勤怠システムのまま移行できるか
すでに給与ソフトや勤怠システムを使っている場合、そのまま使い続けられるか、委託先指定のシステムへ移行が必要かを確認しましょう。既存システムのデータを引き継げる代行会社なら移行の負担が小さく、クラウドシステム一体型なら最新システムへの刷新を同時に進められます。どちらが自社に合うかは、現状のシステムへの満足度で判断するとよいでしょう。
委託ではなく自社の給与計算システムを入れ替えて内製を続ける選択肢もあります。クラウド給与ソフトを機能や料金で比較してから委託の要否を判断したい場合は、以下の記事が参考になります。
Web給与明細や従業員対応窓口まで任せられるか
Web給与明細の配信や、従業員からの問い合わせ対応まで任せられると、管理部門の負担はさらに軽くなります。従業員数が多い企業ほど問い合わせ対応の工数は無視できないため、窓口代行の有無は選定の差になります。これらが基本料金に含まれるか、追加オプションかもあわせて確認してください。
セキュリティ体制は十分か
給与情報は機微な個人情報のため、委託先のセキュリティ体制は必ず確認しましょう。プライバシーマークやISO/IEC 27001(ISMS)の取得状況、データの取り扱い・再委託の有無が確認の目安です。認証の取得は、第三者による管理体制の評価を受けている一つの証になります。
料金体系が自社の規模に合うか
最後に、料金体系が自社の人数規模に合うかを確認しましょう。従業員数が読みやすい企業は従量課金型、人員の増減が激しい企業は稼働時間制、人数が多い企業は人数帯別の月額固定型が見通しを立てやすい傾向があります。月額だけでなく、年末調整など年次業務のスポット費用まで含めた年間総額で比較することが大切です。
自社の対応範囲・規模・既存システム・予算などを入力すると、合うタイプと候補サービスを提案する診断ツールを用意しました。主要な候補を名指しで提案する入口なので、ここで当たりをつけたあとは、比較表と個別紹介で全サービスを見比べてみてください。
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【比較表】人事給与代行サービスを比較
ここからは、主要な人事給与代行サービスを5タイプ別に比較します。対応業務範囲・提供形態・対応企業規模・社労士の独占業務への対応・既存システム連携・料金を横並びにしました。サービス名をクリックすると、各社の詳しい紹介に移動できます。
「社労士の独占業務対応」列の記号は、◎=社労士法人が母体・契約主体、●=自社または提携の社労士が対応、△=要問い合わせ・別途契約、×=顧問社労士が別途必要、を表します。社会保険・労働保険の手続きまで任せたい場合は、◎または●のサービスが候補になります。
給与計算特化型の比較
| サービス名 | NOC給与計算アウトソーシング | NMPスペシャリスト | COMIT HR | さかえ経営 | メイソンコンサルタント |
|---|---|---|---|---|---|
| 対応業務範囲 | 給与・賞与計算/年末調整/住民税更新/社会保険・労働保険手続き (入退社対応・問い合わせ窓口はオプション) | 給与・賞与計算/年末調整/住民税処理 (社会保険手続きは要望に応じ対応) | 給与・賞与計算/年末調整/社会保険手続き/入退社/勤怠/従業員窓口 | 給与・賞与計算/社会保険手続き (手続きのみの部分委託も可) | 給与・賞与計算/年末調整/住民税手続き/社会保険関連手続き |
| 提供形態 | 代行のみ(給与計算特化) | 代行のみ(給与計算特化) | 代行のみ(給与計算特化) | 代行のみ(給与計算特化) | 代行のみ(給与計算特化) |
| 対応企業規模 | 主に300名以上 (300名以下も相談可) | 事例30〜700名規模 | 事例400〜1,100名規模 | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 |
| 社労士の独占業務対応 | ●NOC社労士法人・提携事務所が対応 | △要望に応じ提携社労士が対応 | ●提携社労士法人が対応 | ●社会保険手続きに対応 | ●社会保険関連手続きに対応 |
| 既存システム連携・Web申請 | CSV連携可/自社ASP「SMART LINK」でWeb明細 | 既存システムに手を加えて連携可 | ジョブカン・KING OF TIME等への移行支援/年末調整はWeb申請 | 要問い合わせ | Web給与明細を作成 |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ (料金シミュレーションあり) | 要問い合わせ (最短1か月で開始) | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
社労士事務所一体型の比較
| サービス名 | アクタス | エスペイロール | 小林労務 | An-field | つばさ会計事務所 | シャノアス | イージーネット |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応業務範囲 | 給与・賞与計算/年末調整/社会保険・労働保険手続き/マイナンバー管理 | 給与・賞与計算/年末調整/社会保険手続き/有休管理 (上位パッケージで人事制度企画まで) | 給与・賞与計算/社会保険手続き/労務相談 | 給与・賞与計算/年末調整/社会保険手続き | 勤怠集計/給与・賞与計算/年末調整 (社会保険手続きはオプション) | 給与・賞与計算 (年末調整・住民税・Web明細はオプション) | 給与・賞与計算/年末調整/住民税更新/社会保険手続き/助成金申請 |
| 提供形態 | 社労士法人が母体 | 社労士法人が母体 | 社労士法人が母体 | 社労士法人が母体 | 会計事務所+併設社労士 | 社労士法人が母体 | 社労士法人を併設 |
| 対応企業規模 | 100名〜1,000名超の事例 | 中小〜中堅 | 中小〜大手 | 中小〜中堅 (企業規模別の料金を公開) | 中小(従業員100名未満中心) | 中小〜中堅 | 100〜300名中心 (最大5,000名規模まで) |
| 社労士の独占業務対応 | ◎社労士法人が契約主体として対応 | ◎社労士法人が母体として対応 | ◎社労士法人が母体として対応 | ◎社労士法人が母体として対応 | ●併設社労士がオプションで対応 | ◎社労士法人が母体として対応 | ●併設の社労士法人が対応 |
| 既存システム連携・Web申請 | 給与奉行クラウド(BPaaS認定)に対応 | 要問い合わせ | 電子申請ソフトで社会保険手続きに対応 | KING OF TIME・マネーフォワードに対応 | Web給与明細を作成 | Web明細発行(オプション) | 勤怠データ連携/Web明細発行 |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ (3パッケージから選択) | 要問い合わせ | 規模別の基本プランを公開 (初期登録・テスト稼働費用あり) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
大手・大企業向けBPO型の比較
| サービス名 | ペイロール | BPOソリューション(日本郵政CS) | BBS 給与計算アウトソーシング | ラクラス | トライアンフ | MHCトリプルウィン | ジャパン・ビジネス・サービス |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応業務範囲 | 給与・賞与計算/年末調整補助/地方税特別徴収補助/マイナンバー管理/入退社手続き/従業員窓口 | 給与・賞与計算/社会保険手続き/年末調整/住民税/マイナンバー管理 (総務・経理など周辺業務も) | 給与・賞与計算 (会計・財務・決算まで横断) | 給与・賞与計算/年末調整/入退社手続き/勤怠管理/従業員窓口 | 給与・賞与計算/年末調整/社員窓口/マイナンバー管理 | 給与・賞与計算/年末調整/住民税処理/身上異動管理 | 給与計算実務/システム選定支援/業務改善コンサル (フルアウトソーシング) |
| 提供形態 | 大手BPO(代行) | 大手BPO(代行) | 大手BPO(代行) | システム+代行(人事BPaaS) | 大手BPO(代行) | 大手BPO(代行) | 大手BPO(代行) |
| 対応企業規模 | 大企業向け | 中堅〜大企業 | 中堅〜大企業 | 従業員1,000名以上中心 | 〜1,000名未満のフルアウトソーシングに対応 | 中堅〜大企業 | 中堅〜大企業 |
| 社労士の独占業務対応 | △社会保険手続きは要問い合わせ | ●社会保険手続きに対応 | △社会保険手続きは要問い合わせ | △提携社労士法人と別途契約で対応 | ●提携社労士法人が対応 | ●提携社労士が対応 | △社会保険手続きは要問い合わせ |
| 既存システム連携・Web申請 | コネクタ/API/個別開発で連携/Web明細配信 | Web明細配信に対応 | 要問い合わせ | 自社クラウド「Tokiwagi」で運用 | 既存の勤怠・マイナンバーシステムと連携 | POSITIVE・LYSITHEA等の既存システムを活用 | システム選定から対応 |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
クラウドシステム一体型の比較
| サービス名 | ジョブカンBPO | freee人事労務アウトソース | RoboRoboペイロール | CYBER XEED給与 | PROSRV | 給与DX(エムザス) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応業務範囲 | 勤怠データ確認/給与計算/Web給与明細/年末調整 | 給与・賞与計算/年末調整/入退社手続き/身上変更 | 給与・賞与計算/電子給与明細/人事情報管理 | 給与計算/年末調整/住民税更新/Web給与明細・Web源泉徴収票 (入力代行はオプション) | 給与計算/年末調整/住民税更新/社会保険事務/マイナンバー管理 | 給与・賞与計算 (DX診断・計画・企画支援も) |
| 提供形態 | システム+代行 | システム+代行(BPaaS) | システム+代行 | システム+代行 | システム+代行 | システム+代行 |
| 対応企業規模 | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 | 中小〜中堅 | 中堅〜大企業 | 中小〜大企業 | 中堅〜大企業(〜4,000名) |
| 社労士の独占業務対応 | ×顧問社労士が別途必要 | ×顧問社労士が別途必要 | ×顧問社労士が別途必要(社労士監修) | ×顧問社労士が別途必要 | ●社労士法人が社会保険事務を代行 | ×顧問社労士が別途必要 |
| 既存システム連携・Web申請 | ジョブカンシリーズと一体運用/Web明細発行 | freee人事労務上で運用(外注↔内製の切替が容易) | 人事・勤怠・会計システムと連携/電子給与明細 | CYBER XEEDシリーズと一体/給与ソフトとCSV連携 | マイナポータルAPIで社保5帳票を電子申請/Web明細・Web年末調整 | kintoneアプリ「EMクラウド」でデータ共有 |
| 料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 初期0円・基本料金なし 従業員1名あたり月額1,000円〜 | 初期費用50万円〜・月額2万円〜 (アウトソーシングは別途) | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
経理・労務まとめ型の比較
| サービス名 | Tenbook | Wheat Accounting | マネーフォワード おまかせ経理 | Remoba労務 | Chatwork労務アシスタント | StepBase |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応業務範囲 | 記帳・月次決算・税務申告が中心 (給与・賞与計算・年末調整は別途オプション) | 記帳・請求・経費精算・月次決算/給与計算 (賞与・年末調整は繁忙期オプション) | 記帳・請求・支払/給与・賞与計算・振込/各種税金納付 (決算・税務申告は対象外) | 入退社手続き/勤怠集計/給与・賞与計算/年末調整補助 | 給与計算/勤怠締め/年末調整補助/入退社・休職復職手続き/従業員窓口 | 給与計算/年末調整/勤怠管理/入退社手続き |
| 提供形態 | 経理BPO一体 | 経理BPO一体 | 経理BPO一体 | オンライン労務代行(稼働時間制) | オンライン労務代行(チケット制) | オンライン業務代行(総合バックオフィス) |
| 対応企業規模 | 中小企業 | スタートアップ〜中小 | 中小企業(1〜50名規模の事例) | 中小〜中堅(IPO準備企業等) | 中小〜中堅(50名規模の料金例) | 中小〜大手 |
| 社労士の独占業務対応 | ×顧問社労士が別途必要 | ●連携社労士が代理申請 | ×顧問社労士が別途必要 | ×顧問社労士が別途必要(連携を代行) | ×顧問社労士が別途必要(連携を集約) | △社会保険手続きは要問い合わせ |
| 既存システム連携・Web申請 | 自社クラウド会計「10book」を提供 | freee・マネーフォワード クラウドに対応 | マネーフォワード クラウドの導入から支援 | freee・SmartHR・マネーフォワード・KING OF TIME・AKASHIに対応 | freee・マネーフォワード・勘定奉行クラウド・SmartHR・KING OF TIMEに対応 | 要問い合わせ |
| 料金 | 初期0円/月額29,500円〜(免税)・43,500円〜(課税)※税別 給与計算はオプション | 月額30,000円〜(業務量に応じ個別見積もり) | 個別見積もり (例:従業員5名規模で月10万円・税抜) | 月30時間:年契約18万円/6か月契約20万円(いずれも月額) | 12か月契約・実働10時間で月額3.8万円〜(税抜) 給与計算のみは50名規模で月6万円〜 | 月10時間・最短3か月から (労務は要見積もり) |
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人事給与代行サービスの個別紹介
ここからは、比較表で取り上げた各サービスを、タイプ別に詳しく紹介します。対応業務範囲や料金、強みを整理していますので、気になるサービスの詳細を確認してください。
給与計算特化型のサービス
1. NOC給与計算アウトソーシング(芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社)

旧「NOC給与計算アウトソーシング」として知られ、現在は芙蓉アウトソーシング&コンサルティング株式会社(略称FOC)が提供しています。同社は、東証プライム上場の芙蓉総合リース株式会社の100%子会社です。
給与・賞与計算や住民税年度更新、年末調整(web申告)などの給与計算業務に加え、労働保険の年度更新処理や社会保険の算定、資格取得・喪失届の作成といった社会保険・労働保険業務にも対応します。これらの社会保険・労働保険業務は、NOC社会保険労務士法人または提携する社会保険労務士事務所が担います。
勤怠管理やWeb明細を含む自社ASP「SMART LINKシリーズ」との統合提供や、勤怠データをCSV出力できる既存システムとの連携に対応します。対応規模は従業員300名以上が目安で、300名以下も相談できます。料金は業務範囲・従業員規模に応じた要見積です。
2. NMPスペシャリスト(株式会社NMPスペシャリスト)

給与計算を中心に、社会保険手続きや財務会計まで一括して委託できるバックオフィスBPOサービスです。運営する株式会社NMPスペシャリストは、2023年12月にコンタクトセンター運営のCENTRIC株式会社の完全子会社となりました。
標準の委託範囲は給与・賞与計算、年末調整、住民税処理、昇給処理で、社会保険・労働保険の手続きは要望に応じて対応します。社会保険手続きでは社労士と連携し、既存の社会保険労務士事務所からの切り替えにも応じられます。
給与計算代行のみの契約では約3ヶ月の準備期間を設け、4ヶ月目から稼働する流れが目安です。公式の導入事例では従業員30〜700名規模の企業が紹介されており、料金は依頼内容や期間に応じた要見積りです。
3. COMIT HR(株式会社InfoDeliver)

株式会社InfoDeliverが運営する人事労務BPOサービスです。給与計算を基盤に、勤怠管理・社会保険・年末調整・入退社手続き・住民税までの業務を組み合わせ、フルアウトソーシングから一部業務だけの部分委託まで設計できます。
社会保険・労働保険の申請と手続き代理は提携する社会保険労務士法人(事務所)が、年末調整の法定調書・給与支払報告書の電子申告は提携税理士法人が担当します。従業員からの相談を受ける外部専用窓口も用意され、問い合わせ窓口はCOMIT HRに一本化されます。
ジョブカンやKING OF TIME(キングオブタイム)などのクラウド勤怠・給与システムへの移行支援に対応し、委託前にコストを試算できる価格シミュレーションも提供しています。公式の導入事例は従業員400〜1,100名規模が中心で、料金は要問い合わせです。
4. さかえ経営(株式会社さかえ経営)

社会保険手続きだけを外注して給与計算は自社で続けるなど、委託範囲を選べる給与・社会保険業務のアウトソーシングです。運営は株式会社さかえ経営です。
計算の代行にとどまらず、計算体制の見直しや業務フローの改善を含む「カイゼン給与計算」を掲げている点が特徴です。従業員への直接連絡や勤怠管理は、オプションとして必要に応じて追加できます。
導入を急ぐ企業向けの「お急ぎプラン」を用意しており、最短1か月で外注を開始できます。初期費用・月額費用はいずれも、業務範囲や企業規模に応じた要問い合わせです。
5. メイソンコンサルタント(メイソンコンサルタントグループ株式会社)

20年以上にわたり給与計算を代行してきた、メイソンコンサルタントグループ株式会社のサービスです。支給・控除計算や振込データの作成といった給与・賞与計算を中心に、年末調整・住民税手続き・社会保険関連手続きまでカバーします。
ISO/IEC 27001とISO 9001にもとづく情報セキュリティ管理・品質管理のもとで業務を行い、処理フローにはWeb給与明細の作成も含まれます。労務相談や規程サポート、人事業務の代行にも対応します。
記帳や仕訳などの経理業務は別のサービスとして分かれており、給与計算まわりに絞って委託できます。初期費用・月額費用は、委託する業務範囲に応じた要問い合わせです。
社労士事務所一体型のサービス
6. アクタス(アクタス社会保険労務士法人)

アクタス社会保険労務士法人が運営する給与計算アウトソーシングです。一般的な代行会社が社労士と提携する形とは異なり、社会保険労務士法人そのものが契約主体となり、給与・賞与計算から社会保険・労働保険の手続き代理、年末調整までを一元的に受託します。
「給与計算だけ」「社会保険手続きだけ」といった業務単位での部分委託にも対応します。導入時にはグループのアクタスITコンサルティング株式会社が伴走し、標準で約3か月での稼働開始を見込みます。
マイナンバー管理や外国人従業員の国際税務対応にも対応するほか、OBC「給与奉行クラウド」のBPaaS認定事業者として同システムを前提とした運用も受託します。情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO/IEC 27001を2015年に取得しています。
7. エスペイロール(社会保険労務士法人エスネットワークス)

委託したい範囲を標準・ビジネス・マネージメントの3つのパッケージから段階的に選べる給与計算アウトソーシングです。運営は社会保険労務士法人エスネットワークスで、社労士法人が母体のため社会保険手続きと一体で任せられます。
「標準」パッケージは毎月の給与・賞与計算、年末調整、有給休暇管理をカバーします。「ビジネス」では社内規程の構築・運用支援や、裁量労働・みなし労働などの残業体制支援、給与改訂シミュレーションが加わります。
さらに「マネージメント」パッケージでは、人事制度の企画やコンピテンシーモデル構築など、人事部長の役割に相当する業務まで委託できます。給与計算の代行にとどめるか、人事企画まで任せるかを、自社の規模や課題に応じて選べます。
8. 小林労務(社会保険労務士法人小林労務)

東京・大阪・埼玉・沖縄など全国7拠点を展開する社会保険労務士法人小林労務(KBRグループ)による、社会保険手続き・給与計算のアウトソーシングです。2022年に創業30年を迎えた社労士法人です。
給与・賞与計算に加え、社会保険手続きのアウトソーシングに専用サイトを設けるなど、手続き代行を強みとします。電子申請ソフトを用いた対応で、中小から大手まで対応すると案内しています。
労務相談やメンタルヘルスサポートといった労務管理・労働衛生のコンサルティングまで含め、給与計算の枠を超えた労務支援を提供します。
9. An-field(社会保険労務士法人An-field)

公式サイトに企業規模別の料金ページを公開している、社会保険労務士法人An-field による給与計算の代行・委託サービスです。給与・賞与計算と社会保険手続き、年末調整を社労士法人として一体で対応します。
料金ページでは基本プランのほか、初期登録費用やテスト稼働費用を企業規模別に提示しています。勤怠管理のKING OF TIMEやマネーフォワードのシステム利用にも対応します。
10. つばさ会計事務所(株式会社つばさ会計事務所)

従業員100人未満の法人を主な対象とする、株式会社つばさ会計事務所(東京・千代田区)による給与計算・社会保険業務のアウトソーシングです。
勤怠集計から給与・賞与計算、Web給与明細の作成、各種管理帳票や銀行振込・住民税納付データの作成までを受託します。年末調整では、申告書の整合性チェック、年税額計算、源泉徴収票や給与支払報告書の作成・提出まで対応します。
併設するつばさ社会保険労務士事務所と連携し、社会保険・労働保険の手続きはオプションとして社労士が担います。税理士・社労士と連携したフルサポートを中小企業向けに提供する体制です。
11. シャノアス(シャノアス社会保険労務士法人)

毎月の給与・賞与計算を基本に、給与項目の変更や支給方法の調整にも対応する、シャノアス社会保険労務士法人の給与計算アウトソーシングです。社労士法人が母体で、社会保険手続きと一体で任せられます。
Web明細の発行、年末調整の代行、住民税手続きの支援などをオプションとして用意しています。静岡を拠点とし、プライバシーマークの認定を受けています。
12. イージーネット(株式会社イージーネット)

100〜300人規模を中心に、最大5,000人規模までの勤怠管理から給与計算に対応する給与計算アウトソーシングです。運営は社会保険労務士法人を併設する株式会社イージーネットです。
勤怠データの吸い上げから月次給与・賞与計算、Web明細の発行までを一気通貫で代行します。年末調整・住民税の年度更新、入退社に伴う資格得喪や各種手当金申請などの社会保険手続き、マイナンバー管理、助成金申請まで対応します。
公式サイトでは、社員数と委託したい業務を選ぶと見積もりを取得できます。
大手・大企業向けBPO型のサービス
13. ペイロール(株式会社ペイロール)

1989年設立の株式会社ペイロールが運営する、従業員数の多い大企業向けの給与計算アウトソーシングです。給与・賞与計算を軸に、年末調整補助・地方税特別徴収補助・マイナンバー管理・入退社手続き・Web給与明細の配信まで請け負います。
給与計算に加えて、身上変更手続きや証明書発行など従業員からの問い合わせに応じるコールセンターまで一括して任せられるのが特徴です。既存の人事・勤怠システムとは、コネクタ連携・API連携・個別開発の3方式で接続できます。
公式サイトが公表する受託実績は279社・123万人を超え、プライバシーマークを取得しています。料金は従業員数や委託範囲に応じた個別見積りで、公式サイトに料金表の掲載はありません。
14. BPOソリューション(日本郵政コーポレートサービス株式会社)

日本郵政グループの日本郵政コーポレートサービス株式会社が提供する、給与計算業務アウトソーシングです。給与・賞与計算に加え、社会保険手続き・年末調整・住民税・マイナンバー管理まで対応します。
日本郵政グループ約40万名強の業務代行で培ったノウハウを背景に、「自動化」「二重化」「単純化」を徹底して処理品質を担保すると説明しています。給与計算にとどまらず、総務・経理など周辺業務まで委託範囲が広い点も挙げられます。
給与明細のWeb配信にも対応します。初期費用・月額費用はいずれも公表されておらず、委託したい業務範囲に応じた個別の問い合わせが必要です。
15. BBS 給与計算アウトソーシング(株式会社ビジネスブレイン太田昭和)

経営会計情報システムを手がける株式会社ビジネスブレイン太田昭和(BBS)が、国内10拠点・海外1拠点のBPOセンターで提供する給与計算アウトソーシングです。
給与・賞与計算にとどまらず、会計・財務や決算業務まで横断して請け負う点が特徴です。複数拠点のBPOセンター体制で事業継続性を確保しており、大手・上場企業での導入実績を挙げています。
料金は公表されておらず、初期費用・月額費用ともに委託範囲に応じた個別見積りとなります。会計と人事給与をまとめて外部に移したい中堅〜大企業が候補になります。
16. ラクラス(ラクラス株式会社)

従業員1,000名以上の企業を主な対象とする、パーソルグループのラクラス株式会社が提供する人事BPaaSです。自社開発のクラウド型人事システム「Tokiwagi(常盤木)」と、給与計算・年末調整・入退社手続き・勤怠管理の業務代行をセットで提供します。
クラウドシステムと運用代行を一体で任せられるため、給与計算から年末調整・入退社手続き・勤怠管理までをまとめて委託できます。従業員からの問い合わせを受けるコンタクトセンター機能も備えます。
社会保険・労働保険の手続きといった社労士の独占業務は、提携先の社会保険労務士法人と別途契約して対応する仕組みです。公式サイトが公表する受託実績は760社・86万人以上で、料金は利用人数や機能に応じた個別見積りとなります。
17. トライアンフ 給与計算アウトソーシング(株式会社トライアンフ)

組織・人事・採用領域のコンサルティングとアウトソーシングを手がける株式会社トライアンフ(PKSHA Technologyグループ)の給与計算アウトソーシングです。給与計算に加え、社員窓口・年末調整・マイナンバー管理までまとめて委託できます。
社会保険関連の手続きは、提携する社会保険労務士法人が対応します。顧客ごとに原則2名以上の担当者が固定でつき、運用プロセスを1社ずつ設計する体制を採っています。
給与計算システムの指定はなく、既存の勤怠システムやマイナンバーシステムと連携できます。公式サイトでは従業員1,000名未満の企業へのフルアウトソーシングにも対応するとしており、料金は要見積りです。
18. MHCトリプルウィン(MHCトリプルウィン株式会社)

三菱HCキャピタルグループのMHCトリプルウィン株式会社が手がける、給与計算・人事BPO専業のサービスです。給与・賞与計算を中心に、年末調整・住民税処理・身上異動管理まで対応します。
委託方式は、上流工程から請け負うオーダーメイド型、コア業務を標準化したパッケージ型「GrowAssist給与計算」、システム環境を提供するSaaS型の3つを用意し、要件と予算に応じて選べます。社会保険・労働保険の手続きは、提携する社会保険労務士と契約して対応します。
プライバシーマーク・ISO/IEC 27001・SOC1®Type2報告書を取得し、日立グループのデータセンターに専用サーバを設置して24時間365日監視しています。既存のPOSITIVEやLYSITHEAなどのシステムをそのまま活かした運用も可能で、導入期間は平均6か月程度を見込みます。料金は統一単価を設けず個別見積りです。
19. ジャパン・ビジネス・サービス(株式会社ジャパン・ビジネス・サービス)

人材サービスを手がけるキャリアリンクグループの一員として、株式会社ジャパン・ビジネス・サービス(JBS)が提供する人事・給与BPOです。
システム選定から給与計算の実務、業務改善コンサルティングまで一気通貫でフルアウトソーシングに対応します。東京・大阪・札幌の3拠点を構え、全国の企業を支援しています。
料金は初期費用・月額費用ともに公表されておらず、委託したい業務範囲に応じた個別の問い合わせが必要です。
クラウドシステム一体型のサービス
20. ジョブカンBPO(株式会社DONUTS)

勤怠管理や給与計算などのクラウドサービス「ジョブカン」シリーズを展開する株式会社DONUTSが、そのバックオフィス業務を代行するサービスです。累計導入5万社を突破した(2025年時点)給与計算システム「ジョブカン給与計算」をはじめとするシリーズのシステムを基盤に、システムの利用と業務代行を組み合わせて使えます。
公式サイトによると、受託する業務は勤怠データの確認から給与計算、給与明細のWeb発行、年末調整までをカバーします。勤怠・給与・労務HRといったジョブカンシリーズと一体で運用できるため、すでにジョブカンを利用していて業務の一部を外部に移したい企業が候補にしやすいサービスです。料金は委託範囲に応じた個別見積もりです。
21. freee人事労務アウトソース(フリー株式会社)

クラウド給与システム「freee人事労務」に付帯する業務を、提供元のフリー株式会社がそのまま引き受ける外部委託サービスです。2022年10月の提供開始で、月次の給与・賞与計算、年末調整、入退社手続き、身上変更まで、人事労務担当者の業務をまとめて委託できます。
委託した情報はfreee人事労務のシステム上に蓄積されるため、企業の成長に合わせて外部委託から自社運用(内製)へ切り替えやすい設計です。料金は委託範囲に応じた個別見積もりで、公式サービスページでは資料請求や見積もり依頼から相談する流れになっています。
22. RoboRoboペイロール(オープン株式会社)

給与計算の代行に、給与計算システム・電子給与明細の発行・人事情報管理を組み合わせて提供するサービスです。運営はオープン株式会社で、社会保険労務士の監修のもとで運用されます。毎月の勤怠情報をもとに給与計算を行い、結果をCSVデータや給与明細管理システムで納品する代行型です。
料金は初期費用・基本料金がかからず、従業員1名あたり月額1,000円からという体系を公式サイトで示しています(人数規模や委託範囲による単価は別途確認が必要です)。打刻エラーチェック機能を備え、人事・勤怠・会計システムとデータ連携できる点も特徴です。
RoboRoboシリーズ全体では導入企業が累計5,000社を超えています(2025年時点・公式サイト記載のシリーズ全体の数値)。
23. CYBER XEED給与(アマノビジネスソリューションズ株式会社)

タイムレコーダーなどで知られるアマノグループのアマノビジネスソリューションズ株式会社が提供する、給与計算のクラウド製品です。勤怠・人事・給与をそろえた「CYBER XEED」シリーズの一つで、給与計算・年末調整・住民税更新・Web給与明細やWeb源泉徴収票の発行に対応します。
同シリーズの「CYBER XEED就業」(勤怠管理)や「CYBER XEED人事」と同じデータベース上で運用でき、就業・給与・人事の情報を一元管理できます。給与・勤怠データの入力やマスター保守を専任オペレーターが代行する給与アウトソーシングのオプション(フル・部分から選択)も用意されています。
料金は初期費用50万円から、月額2万円からで、導入後のサポートは無料と公式料金ページに記載があります(アウトソーシングのオプション利用時は別途費用)。ISMS(ISO/IEC 27001・27017)を取得し、法改正時は無償でアップデートされます。
24. PROSRV(プロサーブ)(三菱総研DCS株式会社)

三菱総研DCS株式会社が1970年の創業以来、主力事業として提供してきた人事給与システムとアウトソーシングのサービスです。クラウド型の人事給与システム「PROSRV on Cloud」を軸に、年末調整などを代行するスポット事務サービス、月次の人事給与事務を代行する月例事務サービスの3つで構成されます。
システムだけの利用から人事給与業務全般の委託まで、予算や検討段階に応じて委託範囲を段階的に広げられる設計です。従業員向けWebポータルでは給与明細の閲覧や年末調整の申告ができ、マイナポータルAPI対応により算定基礎届・月額変更届・賞与支払届・資格取得届・資格喪失届の5帳票を電子申請できます(2021年9月発表)。
導入社数は約2,000社、給与処理人数は月間55万人(いずれも2021年時点の公式発表値)。料金は要問い合わせで、専門スタッフ400人以上による電話(平日9:00〜17:30)・メール・チャットのサポート体制を備えます。
25. 給与DX(エムザス)(株式会社エムザス)

給与業務の外部委託と、その業務のデジタル化を同時に進めることをコンセプトにしたアウトソーシングです。運営する株式会社エムザスは、給与BPOとシステム開発を本業として約20年の実績を持ち、4,000名規模までの給与・賞与計算に対応します。
kintoneアプリをベースにした「EMクラウド」で企業と委託先がデータを共有し、やり取りのロスやミスを抑えながら業務を進めます。給与計算の代行だけでなく、DXの診断・計画・企画の相談にも継続顧問型・プロジェクト型で応じるため、給与業務の見直しとあわせて社内のデジタル化を進めたい企業に向きます。料金は要問い合わせです。
経理・労務まとめ型のサービス
26. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

自社開発のクラウド会計ソフト「10book(テンブック)」を基盤に、記帳から決算・税務申告までをオンラインで代行する会計・経理アウトソーシングです。運営するシンアカウンティングサービス株式会社は、公認会計士・税理士の上田昌宏氏が代表を務め、記帳から申告までを自社内で一貫して対応します。
料金は初期費用0円で、月額費用は免税事業者が29,500円、課税事業者が43,500円(いずれも税別)です。記帳・月次処理・決算書作成・税務申告書の作成までが月額定額に含まれ、契約者は会計ソフト「10book」を追加費用なく利用できます。担当者の属人化を抑えるため、原則3名のチーム体制で処理します。
給与計算を任せる観点では、給与計算・賞与計算・年末調整は月額料金に含まれず、別途オプション扱いとなる点を押さえておきましょう。経理・会計をまとめて外部に出しつつ、給与計算もあわせて依頼したい中小企業に向きます。
27. Wheat Accounting(株式会社Wheat)

株式会社Wheatが運営する、スタートアップや中小企業向けの経理アウトソーシングです。記帳・請求書発行・経費精算・給与計算・月次決算など経理業務全般を月次の継続業務として代行し、税務申告は連携する税理士、社会保険・労働保険の代理申請は連携する社労士と対応します。
クラウド会計の導入と業務フローの再設計を初期に行い、その後の運用まで一貫して担う点が特徴です。freeeとマネーフォワード クラウドに対応し、申込から実務開始までは約1か月の立ち上げ期間を設けます。対象は法人のみで、全国の企業にオンラインで対応します。
料金は月額30,000円からの定額プランで、業務量に応じた個別見積もり方式です。給与計算は対応業務に含まれ、賞与計算・年末調整は繁忙期のオプションとして対応します。経理と給与計算をまとめて任せたい企業の選択肢になります。
給与計算を外部に移すと処理期間や工数がどう変わるのか、同社は自社の導入事例を次のように説明しています。

業務効率化の事例としては、従業員100名規模のお客様で、Excelを用いた手作業で、完了までに1週間を要していた給与計算業務の事例です。システムの最適化と人員配置の再設計を徹底した結果、2〜3日での完了を実現。コスト・工数ともに50%以上の削減に繋がりました。これは個人のスキルに頼るのではなく、業務プロセスを正しく組み立て直したことによる成果です。
28. マネーフォワード おまかせ経理(株式会社マネーフォワード)

株式会社マネーフォワードが2025年6月に提供を開始した経理アウトソーシングで、経理実務はグループ会社の株式会社キャシュモが担います。マネーフォワード クラウドの導入支援から、記帳・請求・支払・給与計算までの実務代行、業務フローの構築までを一括で引き受けます。
給与・賞与計算と振込、各種税金の納付まで対応し、記帳代行では最短5営業日で月次試算表を提供します。コミュニケーションはChatworkやSlack、ビデオ会議ツールで行い、無料相談から運用開始まで最短2か月を目安とします。なお決算申告などの税務業務は対象外で、必要な場合はマネーフォワード公認メンバーの税理士を紹介する形をとります。
料金は業務内容・業務量に応じた個別見積もりで、公式が示す料金例は従業員5名規模で月額10万円(税抜)です。使用する会計ソフトの導入から経理・給与の実務まで、まとめて委託したい中小企業に向きます。
29. Remoba労務(株式会社Enigol)

クラウドサービスに詳しいオンラインワーカーに労務業務をまるごと依頼できる、株式会社Enigolの労務アウトソーシングです。入退社手続き・勤怠データ集計・月次給与計算・賞与計算・年末調整の補助までを、月30時間単位のチーム体制で代行し、担当者の育休・退職による業務停止を避けやすい体制をとります。
既存の顧問社労士との契約変更は不要で、社労士とのやり取りや資料回収といった運用面をRemoba側が代行する立ち位置をとります。freee人事労務・SmartHR・マネーフォワード クラウド給与・KING OF TIME・AKASHIなど主要な労務クラウドに幅広く対応します。
料金は月30時間対応で、年間契約が月額180,000円、6か月契約が月額200,000円、土日・深夜対応は月額50,000円のオプションです。福祉施設の多拠点勤怠からIPO準備企業の労務まで導入実績があり、給与計算を含む労務全般を稼働時間ベースで任せたい企業に向きます。
30. Chatwork労務アシスタント(株式会社kubellパートナー)

株式会社kubellパートナーが運営する労務業務代行で、給与計算・勤怠締め・年末調整の補助に加え、入退社・休職復職の手続きや従業員からの問い合わせ対応までを代行します。従業員や顧問社労士とのやり取りをChatwork上に集約できる点が特徴です。
社会保険の手続きのうち社労士の独占業務にあたる部分は顧問社労士が担い、その連絡・連携をChatwork上で一元化する役割分担をとります。freee人事労務・マネーフォワード クラウド給与・勘定奉行クラウド・SmartHR・KING OF TIMEなどの人事労務クラウドと連携でき、ISO/IEC 27001・ISO/IEC 27701の認証を取得しています。
料金は契約期間を選べるチケット制で、12か月契約なら実働10時間から月額3.8万円(税抜)で利用でき、余った時間は翌月へ繰り越せます。業務別では給与計算のみが従業員50名規模で月額6万円から、勤怠締めと給与計算をあわせると同規模で月額9万円からが目安です。
31. StepBase(パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社)

給与計算をはじめとする人事労務を、経理・採用・総務などのバックオフィス業務と合わせて委託できるオンライン業務代行サービスです。運営はパーソルグループのパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社です。
人事・労務では、給与計算・年末調整・勤怠管理・入退社手続きに対応します。直雇用のアシスタントが担当し、社内に蓄積した7,000件以上の業務手順書を活用するため、依頼側でのマニュアル整備は不要と説明しています。
契約は月10時間・最短3か月から可能で、小規模な範囲から始められます。労務領域の料金は公式サイトに実額の掲載がなく、委託する業務量に応じた個別見積りとなります。
導入の流れと期間(既存システムのまま移行できるか)
ここからは、人事給与代行を導入するときの標準的な流れと期間を解説します。委託先によって差はありますが、大まかな進み方を知っておくと計画を立てやすくなります。
一般的には、まず問い合わせ・ヒアリングを行い、見積もり・契約を経て、現状業務の棚卸しと要件定義、マスタ登録とテスト計算(本番と並行して検算するパラレルラン)へと進み、最後に本番稼働へ移ります。自社の給与体系が複雑なほど要件定義とテスト計算に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールが安全です。
導入期間の目安は、給与計算特化型やシンプルな体系なら1〜2か月程度、大企業向けで要件が複雑な場合は数か月を見込むのが一般的です。給与計算は締め日・支給日が固定されているため、切り替えのタイミングは慎重に設計し、移行月は旧体制と並行して検算するのが定石です。
既存の給与・勤怠システムのまま移行できるかは、委託先によって異なります。既存データを引き継げる代行会社なら移行負担は小さく、クラウドシステム一体型では委託先のシステムへ移行するぶん初期設定の工数が発生します。初期費用やセットアップ費用の有無もこの段階で確認しておきましょう。
まとめ
人事給与代行は、給与計算を中心に人事・労務の事務まで外部に任せることで、属人化の解消・コア業務への集中・法改正対応の負担軽減を実現する仕組みです。委託先は給与計算特化型・社労士事務所一体型・大手BPO型・クラウドシステム一体型・経理労務まとめ型の5タイプに大別でき、任せたい業務範囲と自社規模に応じて選ぶのが基本です。
選ぶときは、社会保険・労働保険の手続きは社労士の独占業務、年末調整の税務判断を伴う部分は税理士業務という線引きを踏まえ、任せたい範囲に応じて専門家が関与するタイプかを確認してください。そのうえで、対応業務範囲・自社要件への対応・既存システム連携・セキュリティ・料金体系を比較表で横並びにすれば、自社に合う候補を2〜3社に絞り込めます。
まずは気になるサービスの資料を取り寄せ、具体的な対応範囲と見積もりを確認することをおすすめします。
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よくあるご質問(FAQ)
Q. 人事給与代行とは何ですか?
A. 人事給与代行とは、給与計算を中心に、賞与計算・年末調整・住民税の更新・社会保険や労働保険の手続きといった人事・労務の事務を、外部の専門会社や社会保険労務士事務所に委託する仕組みです。「給与計算代行」「給与計算アウトソーシング」「人事給与BPO」などと呼ばれることもあります。
任せられる範囲は委託先のタイプによって異なり、給与計算だけを切り出すことも、社会保険手続きまで含めて丸ごと任せることもできます。
Q. 人事給与代行の費用相場はどのくらいですか?
A. 人事給与代行の費用は料金体系によって決まり方が異なり、従量課金型では従業員1名あたり月額数百円〜1,000円台が目安です。料金体系は、基本料金に従業員1名あたりの月額を加える従量課金型、「〜50名まで月額○円」のように人数帯ごとに決まる月額固定型、「月○時間まで」で契約する稼働時間制の3つに大きく分かれます。
これらの月額費用に加え、初期費用(数万円〜数十万円程度)や、年末調整・住民税更新などのスポット業務の追加費用が発生することがあります。実額は委託範囲と従業員数で変わるため、本記事の比較表と各社の見積もりで確認してください。
Q. 人事給与代行に依頼すると違法になることはありませんか?
A. 人事給与代行そのものは違法ではありませんが、社会保険・労働保険の手続きは社会保険労務士、年末調整のうち税務判断を伴う部分は税理士しか報酬を得て代行できない独占業務です。給与計算そのものは資格が不要で、無資格の代行会社でも受託できます。
社会保険・労働保険の手続き(資格取得・喪失届、算定基礎届、労働保険の年度更新など)は社労士の独占業務、年末調整のうち税務判断を伴う計算・調整や税務書類を自己の判断で作成する部分は税理士業務にあたります。給与計算の一環としての機械的な計算や本人の判断にもとづく書類の代書は、これらの独占業務には含まれません。
社会保険手続きや年末調整の税務判断まで任せたい場合は、社労士や税理士が関与しているタイプを選べば適法に委託できます。
Q. 給与計算だけ、社会保険手続きだけなど一部の業務だけを委託できますか?
A. 多くの人事給与代行サービスが、給与計算だけ・社会保険手続きだけといった一部業務のみの委託(部分委託)に対応しています。 給与計算を中心に必要な範囲だけを切り出して任せられるため、「まずは毎月の給与計算の負担だけ減らしたい」「社会保険手続きだけを社労士に任せたい」といったニーズにも応えられます。委託範囲はあとから広げられる会社が多いため、小さく始めて段階的に任せる範囲を増やすことも可能です。
Q. 人事給与代行の導入からサービス開始までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 人事給与代行の導入には、準備期間として1〜3か月程度を見込むのが一般的です。委託範囲の擦り合わせ、給与規定や計算ロジックの引き継ぎ、テスト稼働を経て本稼働するため、給与計算のみの委託でも数か月を要する場合があります。導入を急ぐ企業向けに最短1か月で開始できるプランを用意する会社もあります。年末調整や保険料率改定の繁忙期を避け、余裕をもったスケジュールで準備を進めるとスムーズです。
Q. 中小企業や従業員数の少ない会社でも人事給与代行を利用できますか?
A. 中小企業や従業員数の少ない会社でも、人事給与代行は利用できます。 むしろ、管理部門が1〜2名で属人化しやすい中小〜中堅企業こそ委託の効果が大きい領域です。従業員100名未満の企業を主な対象とする代行会社や、給与計算に特化して中小企業でも依頼しやすいサービスがある一方、数百名〜数千名規模の大量運用や複雑な給与体系に強い大手BPO型もあります。自社の規模に合うタイプを選ぶことが大切です。
Q. 人事給与代行では、いま使っている給与・勤怠システムをそのまま使えますか?
A. 既存の給与・勤怠システムをそのまま使えるかは委託先によって異なり、現行システムのデータを引き継げる代行会社を選べば、新たなシステム導入なしで移行できます。 一方、委託先が指定するシステムや、クラウド給与システムとセットで運用するタイプでは、システムの移行や刷新を伴うことがあります。
システムを刷新したい場合はクラウドシステム一体型、いまのシステムを継続したい場合は既存システムに対応する代行会社、というように自社の方針に合わせて選びましょう。
Q. 人事給与代行は自社独自の給与体系や勤務形態にも対応してもらえますか?
A. 変形労働時間制や独自の手当体系、複数拠点・複数就業規則など、自社固有の給与計算ルールにもカスタマイズ対応できる委託先が多くあります。 ただし対応できる範囲や追加費用は会社ごとに差があり、独自ルールが多い企業ほど、オーダーメイドで設計できる大手BPO型や、要件を柔軟に吸収できる社労士事務所一体型が候補になります。初回のヒアリングで自社の要件を伝え、対応可否と費用を確認しておくと安心です。
Q. 従業員数が増減した場合、人事給与代行の料金も変わりますか?
A. 従量課金型や人数帯別の月額固定型を採る委託先では、従業員数の増減に応じて料金が変動します。 特に「従業員1名あたり月額○円」の従量課金型は、人数の増減がそのまま費用に反映されます。採用が活発で人員の増減が激しい企業は、人数に左右されにくい稼働時間制も選択肢になります。契約前に、繁忙期や採用計画を踏まえた年間総額で比較しておくとよいでしょう。
Q. 人事給与代行に給与情報を渡すとき、情報漏洩のリスクは大丈夫ですか?
A. 委託先のセキュリティ認証や管理体制を事前に確認すれば、情報漏洩のリスクは抑えられます。 給与情報は機微な個人情報のため、プライバシーマークやISO/IEC 27001(ISMS)の取得状況、データの取り扱い・保管方法、再委託の有無を確認するのが目安です。
これらの第三者認証を取得している委託先は、外部評価を受けた管理体制を備えている一つの証になります。属人化した社内処理より、専門体制のほうが漏洩リスクを下げられる場合もあります。
Q. 本社以外に事業所や支店がある場合も、人事給与代行に対応してもらえますか?
A. 本社以外に複数の事業所や支店がある場合でも、多くの人事給与代行サービスが対応しています。 拠点ごとに異なる就業規則や手当、勤怠の締め日が混在していても、委託先がまとめて給与計算を引き受けられます。拠点数や就業形態が多いほど自社での管理は煩雑になるため、複数拠点対応はむしろ委託のメリットが出やすい部分です。拠点ごとの要件は初回ヒアリングで伝え、対応可否を確認しましょう。
Q. 自社の担当者が給与計算の知識に乏しくても、人事給与代行に依頼できますか?
A. 自社の担当者に給与計算の専門知識がなくても、人事給与代行は依頼できます。 専門的な計算や法改正対応は委託先が担うため、担当者の退職や知識不足で業務が回らない企業ほど委託の効果が大きくなります。自社に残るのは、勤怠データの締めや各種申請の承認、委託先へのデータ提供といった作業が中心です。導入時には委託先が業務の引き継ぎやフロー整理を支援してくれるため、専門知識がない状態からでも始められます。
Q. 人事給与代行は税制改正や社会保険の制度改正にも対応してもらえますか?
A. 人事給与代行では、税制改正や社会保険料率の改定といった制度変更への対応も委託先が行います。 社会保険料率の改定や所得税・住民税の制度改正は毎年のように発生しますが、専門会社は最新の制度にもとづいて処理するため、自社で情報を追い続ける負担が減ります。法改正への対応漏れによる計算ミスを防げる点は、委託の大きなメリットの一つです。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。



















