契約書のリーガルチェックを、限られた人数の法務体制や、法務を兼任する担当者だけで回していませんか。取引量が増えるほど確認待ちの契約が積み上がり、専門知識に差がある担当者が見ると不利な条項や抜け漏れを見落とすリスクも高まります。こうした負担を軽くする手段として、契約書の内容をAIが自動で点検する契約書レビューサービスが数多く登場しています。
選択肢が増えた分、どのサービスが自社の契約実務に合うのかを短時間で見極めたいという声も増えています。そこで本記事では、契約書レビューサービス15件を、料金・対応する契約類型・導入実績・弁護士の監修体制・連携といった、公式に公表されていて誰でも確かめられる軸で横並びにしました。あわせて順位の見方と選び方も整理したので、上位候補を数件に絞り込む材料としてご活用ください。
タイプ選びに迷ったときのために、質問に答えるだけで候補を絞れる選定診断ツールも後半に用意しています。まずは比較の全体像からご覧ください。
目次
一括ダウンロードする
契約書レビュー(AI契約書レビュー)サービスとは
ここでは、契約書レビューサービスがどのようなもので、順位を見比べる際に何が比較の対象になるのかを押さえます。
契約書レビューサービスとは、締結前の契約書をAIが解析し、抜け漏れている条項や自社に不利な条文、リスクのある表現を検知して、修正案や解説を返すツールです。従来は法務担当者や弁護士が目視で行っていた一次チェックを支援し、確認の抜け漏れを減らしながらレビューの時間を短縮します。リーガルチェックやAI契約書レビューとも呼ばれます。
契約内容の点検は法律に関わる業務のため、こうしたサービスが弁護士法との関係で許されるのかが論点になってきました。弁護士法第72条は、弁護士でない者が「報酬を得る目的で」「その他一般の法律事件に関して鑑定……その他の法律事務を取り扱い」これを「業とする」ことを禁じています。
出典・参考資料(1件)
この点について法務省は、2023年(令和5年)8月に一つの整理を示し、2026年(令和8年)8月にこれを拡充しました。一定の体制が整っていれば、契約書の審査を支援するサービスは原則としてこの条文に抵触しないとの考え方です。契約書レビューサービスは、こうした公的な整理のもとで提供されています。
要件のあてはめなど、弁護士法との関係のより詳しい解説は本記事では深追いしません。ここでは、順位や比較を見るうえで前提となる基本像として、締結前の契約書をAIが点検するサービスであることを押さえておけば十分です。
契約書レビューサービスのランキングはどう見るべきか
ここからは、ランキングを自社の選定に役立てるために、順位を何で確かめるべきかを整理します。先に結論を述べると、本記事では独自の総合順位をあえて付けません。根拠をたどれる確かめられる軸で各社を横並びにし、どの軸を重視するかは読者に委ねる形にしています。
比較サイトやまとめ記事で見かけるランキングには、資料請求の件数や、各社が独自に付けた総合点、広告の掲載状況で並び順が決まっているものも少なくありません。これらは何を根拠に順位が付いたのかが読者からは見えにくく、自社の契約実務に本当に合うかどうかの判断材料にはなりにくい面があります。
そこで本記事では、公式に公表された事実で確かめられる軸だけで横並びにします。具体的には、料金、対応する契約類型と言語、弁護士の監修体制、他システムとの連携範囲、そして導入実績です。主な公表値の出典は比較表の下にまとめているので、読者が自分でたどって確かめられます。順位を鵜呑みにするのではなく、自社が重視する軸で並べ替えて読むのが、ランキング記事の正しい使い方です。
市場の顔ぶれを見ると、契約書レビューサービスは国内のベンダーが中心に提供しています。日本の契約慣行や日本語特有の言い回しに対応できる点が、その背景にあります。
レビューの方式にも違いがあり、あらかじめ用意された審査の観点(プレイブック)に沿って指摘するもの、自社の過去契約を学習して精度を高めるもの、対話しながら契約業務を進めるものなどに分かれます。どの方式が自社に合うかという視点を持つと、順位の並びだけに引きずられず、候補を絞り込みやすくなります。
契約書レビューサービスのタイプ別の特徴(5タイプ)
ここでは、自社の課題にどのタイプが合うかを見極められるよう、契約書レビューサービスを目的別に5つのタイプへ分けて整理します。
同じ契約書レビューといっても、レビュー機能そのものに強みを置くものから、契約業務全体の仕組み化(CLM=契約ライフサイクル管理)を重視するものまで幅があります。カバーする範囲と使い方の違いで、主に以下の5タイプに分けられます。
| タイプ | AIレビュー・リスク検知に強いタイプ | 契約業務全体を一元管理するタイプ(CLM・法務プラットフォーム) | 文書作成・編集・形式チェック統合タイプ(エディタ型) | 法務アウトソーシング(AI×弁護士)タイプ | オールインワン法務支援タイプ |
|---|---|---|---|---|---|
| 特徴 | 締結前の契約書をAIが解析し、抜け漏れ条項・自社に不利な条文・リスクのある表現を検知して修正案や解説を返す機能を中核に据えます。あらかじめ用意された審査の観点に沿って指摘するものや、自社の過去契約を学習するものなど方式に違いがあり、日々のリーガルチェックの質と速度を底上げしたい企業に向きます。 | 契約書の作成・審査・承認・締結・保管までの流れを一つの基盤でつなぎ、AIレビューをその中の一機能として組み込みます。契約の進捗やナレッジを組織で共有し、法務部門と事業部門の連携を仕組み化したい企業に向きます。 | Wordのような文書編集画面の中で、作成・修正とレビューを同時に進められるようにしたタイプです。普段の起案作業の延長でAIの指摘を受けられるため、編集と確認を行き来する手間を減らしたい担当者に向きます。 | AIによる一次チェックと弁護士によるレビューを組み合わせ、レビュー業務そのものを外部に委ねられるようにしたタイプです。法務の専任者がいない企業や、繁忙期だけ体制を補いたい企業に向きます。 | 契約書レビューに加え、契約管理・法務相談・ひな形整備などを一つのサービスにまとめ、低コストで始められるようにしたタイプです。法務機能をまとめて整えたい中小企業に向きます。 |
| 該当する主なサービス | LegalOn Cloud、LeCHECK(現 Lisse法務AI Cowork の契約書レビュー)、マネーフォワード クラウドAI契約書レビュー、クラウドサイン レビュー、LawFlow | 法務オートメーション「OLGA」、Hubble、ContractS(ContractS AI Agent Platform)、MNTSQ | LAWGUE、BoostDraft | CLOUD LEGAL | LegalBase |
※上記は各タイプにおける一般的な傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態については各社情報をご確認ください。
自社の課題が「レビューの精度と速度」なのか、「契約業務全体の一元管理」なのか、あるいは「低コストでの法務機能の整備」なのかによって、向くタイプは変わります。まずは自社がどのタイプを必要としているかを見定めると、順位の中から候補を絞り込みやすくなります。
自社がどのタイプに合うか判断が難しい場合は、以下の選定診断をご利用ください。3つの質問に答えるだけで、重視する目的・審査基準・対応範囲から自社に向くサービスを30秒で絞り込めます。
30秒でわかる契約書レビューサービス選定診断
一括ダウンロードする
【比較表】契約書レビューサービスを料金・対応契約・導入実績で比較
ここからは、契約書レビューサービス15件を同じ項目で横並びにした比較表です。
料金、対応する契約類型と言語、弁護士の監修体制、他システムとの連携、導入実績などを一覧で見比べられます。気になるサービスは、表の後の個別紹介で詳しく確認してください。各セルの値は、公表されている範囲で公式情報をもとに整理しています。
とくに導入実績は、各社で公表の有無・単位(社数/組織数/登録ユーザー数)・時点が異なり、そのまま横並びでは単純比較できません。公表値は単位と時点をつけてそのまま示し、公表のないものは「公表社数なし」と記しています。主な公表値の出典は、比較表のすぐ下にまとめました。
| サービス名 | LegalOn Cloud | LeCHECK | マネーフォワード クラウドAI契約書レビュー | クラウドサイン レビュー | LawFlow | 法務オートメーション「OLGA」 | Hubble | ContractS(ContractS AI Agent Platform) | MNTSQ | LAWGUE | BoostDraft | CLOUD LEGAL | LegalBase | GVA NDAチェック | ベンパル 契約書レビュー |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ | AIレビュー・リスク検知 | AIレビュー・リスク検知 | AIレビュー・リスク検知 | AIレビュー・リスク検知 | AIレビュー・リスク検知 | CLM・法務プラットフォーム | CLM・法務プラットフォーム | CLM・法務プラットフォーム | CLM・法務プラットフォーム | エディタ型(文書作成・編集統合) | エディタ型(文書作成・編集統合) | 法務アウトソーシング(AI×弁護士) | オールインワン法務支援 | AIレビュー(NDA特化) ※NDA限定 | AIレビュー特化(弁護士向け) ※弁護士・法律事務所向け |
| レビュー方式 | AI(弁護士監修基準+自社基準) | AI(弁護士監修) | AI(弁護士監修) | AI(弁護士監修) | AI(弁護士が開発) | AI(自社基準・ナレッジ学習型) | AI(自社基準・ナレッジ学習型) | AI(CLM連携・リスク区分で検出) | AI(弁護士監修基準+自社ナレッジ学習型) | AI(自社基準・ナレッジ学習型) | AI(弁護士の知見を反映) | AI+弁護士によるレビュー (ALSP) | AI+弁護士チャット相談 (相談は別機能) | AI(弁護士監修・NDA特化) | AI(生成AIネイティブ) |
| 対応契約類型 | 和文・英文対応 (英文リスクチェック41類型) | 和文・英文対応 (100種類以上) | 公表の対応類型数なし | 和文・英文対応 (類型数は非公開) | 約94種類(2023年10月時点) 英文対応を拡大 | 自社基準型(類型指定なし) 和文・英文に対応 | 和文中心 (英文レビュー対応は公式に記載なし) | 公表の対応類型数なし | 和文・英文ほか多言語対応 (中国語・タイ語等) | 自社基準型(類型指定なし) (英文は翻訳対応) | 日本語・英語・韓国語の解析 (対応類型は非公開) | 和文・英文の契約書レビュー | 公表の対応類型数なし (Word・PDF・OCR対応) | NDA(秘密保持契約書)のみ | 公表の対応類型数なし (弁護士向け・契約審査特化) |
| 弁護士監修体制 | 森・濱田松本法律事務所監修 (監修人数は非公開) | 専門弁護士30名以上が監修 | 弁護士30名以上が監修 (LeCHECKのOEM) | 大手法律事務所出身の弁護士監修 (人数は非公開) | 弁護士が開発 | GVA法律事務所を母体とする提供元 (監修人数は非公開) | 監修体制の公表なし | 監修体制の公表なし | 長島・大野・常松法律事務所が監修 | 監修体制の公表なし | 弁護士の知見を反映 (監修主体は非公開) | 弁護士監修AI+弁護士・士業体制(ALSP) | 弁護士チャット相談あり(THEMIL) (AI監修体制は非公開) | 弁護士監修AI (GVA法律事務所が母体) | GVA法律事務所を母体とする提供元 |
| 料金 | 初期・月額とも要お問い合わせ (モジュール選択型・最低1年) | 要お問い合わせ (無料トライアルあり) | 要お問い合わせ (3プラン制) | 要お問い合わせ (無料トライアルあり) | スターター無料 スタンダード月16,500円/法人月33,000円(税込) | 標準は要お問い合わせ 中小企業向けは月1万円〜(税別) | 要お問い合わせ (無料トライアルあり) | 要お問い合わせ (初期費用+月額+オプション) | 要お問い合わせ (案件管理/CLMの2プラン) | 要お問い合わせ (短期トライアルあり) | 要お問い合わせ (利用端末数×月額) | 初期0円・月額11,000円(税込)〜 弁護士対応は月55,000円〜 | 初期無料・月額5,000円(税抜)〜 (従業員規模別の定額) | 完全無料 (ユーザー登録のみ) | 要お問い合わせ (弁護士・法律事務所向け) |
| 連携 | Word/ブラウザ対応 電子契約・外部システムAPI連携 | Wordアドイン SSO・多要素認証 | Wordアドイン(別オプション) クラウド契約と連携 | Wordアドイン(オプション) クラウドサインと連携 | Word連携 OCR対応 | Slack/Teams・Salesforce 電子契約・MCP連携 | Word/Excel・Wordアドイン 電子契約・Slack/Teams | Salesforce・Slack/Teams 電子契約・API連携 | Wordアドイン 電子契約・Slack・SAML | Wordアドイン 電子契約・MCP連携 | Word完結(アドイン) 多形式の文書比較 | Word(AIエディター) 電子契約・SSO連携 | ブラウザ完結 (システム連携は非公表) | ブラウザ完結 (登録のみ) | Word上で動作 |
| 導入実績 | グローバル9,000社 (製品群合算・2026年7月末) | 累計5,000社突破 (2026年1月時点) | 公表社数なし (2025年8月提供開始) | 公表社数なし (レビュー単体は非公開) | 登録ユーザー4,000超 (2023年10月時点) | 公表社数なし (導入事例を多数公開) | シリーズ累計1,000社以上 (継続率99%) | 公表社数なし (上場企業の導入を公開) | 2,000社突破 (2026年5月・グループ含む) | 1,500超の組織 (OEM含む・2026年9月時点) | 累計1,000社以上 (2026年9月時点) | 公表社数なし | 公表社数なし (2026年3月提供開始) | 公表社数なし | 公表社数なし (2026年3月提供開始) |
※並び順はタイプ別で、評価順位(おすすめ度)ではありません。気になる軸の列で読み替えてください。
出典・参考資料(12件)
- 出典:LegalOn 導入実績(グローバル9,000社)|株式会社LegalOn Technologies 公式サイト
- 出典:LeCHECK 累計導入企業数5,000社突破|株式会社リセ プレスリリース(2026年2月3日)
- 出典:LawFlow 料金プラン(スターター無料・スタンダード月16,500円・法人月33,000円)|LawFlow株式会社 プレスリリース(2025年10月23日)
- 出典:LawFlow 登録ユーザー4,000突破(2023年10月時点)|LawFlow株式会社 プレスリリース
- 出典:OLGA 中小企業向けプラン(月額10,000円〜)|GVA TECH株式会社 公式お知らせ(2026年7月31日)
- 出典:Hubbleシリーズ 累計導入社数1,000社以上|株式会社Hubble プレスリリース(2026年9月29日)
- 出典:Hubble 利用継続率99%(2025年10月時点)|株式会社Hubble 公式サイト(導入事例)
- 出典:MNTSQ 採用企業2,000社突破(2026年5月時点・グループ含む)|MNTSQ株式会社 プレスリリース(2026年7月7日)
- 出典:LAWGUE 導入実績(OEM含め1,500超組織・2026年9月時点)|FRAIM株式会社 プレスリリース(2026年10月1日)
- 出典:BoostDraft 導入実績(累計1,000社以上・2026年9月時点)|株式会社BoostDraft 公式サイト
- 出典:CLOUD LEGAL(クラウドリーガル)料金プラン(月額11,000円〜・弁護士対応は月55,000円〜)|MOLTON株式会社 公式サイト
- 出典:LegalBase 料金プラン(月額5,000円〜・税抜)|株式会社アシロ 公式サイト
契約書レビューサービスおすすめの個別紹介(タイプ別・掲載順)
ここからは、比較表に挙げたサービスを、先ほどの5つのタイプごとに個別で紹介します。自社が必要とするタイプから読み進めてください。
番号は掲載順で、おすすめ順位ではありません。
AIレビュー・リスク検知に強いタイプ
締結前の契約書をAIが点検し、リスクのある条項や抜け漏れを検知するレビュー機能そのものに強みを置くサービスです。日々のリーガルチェックの精度と速度を高めたい企業向けの選択肢を紹介します。
1. LegalOn Cloud(株式会社LegalOn Technologies)

LegalOn Cloudは、AI契約審査「LegalForce」とAI契約管理「LegalForceキャビネ」の技術を土台に、株式会社LegalOn Technologiesが2024年4月に提供を開始した法務向けのAIプラットフォームです。案件受付・レビュー・契約管理・電子契約・ひな形を同一基盤のモジュール選択型で利用できます。
レビュー機能は、不利な条項や欠落条項の検出とあわせて、修正文案・交渉コメントとその理由を提示します。弁護士監修のチェックリストに加え、自社独自の基準(プレイブック)でも審査基準を設定できる点が特徴です。英文契約のリスクチェックは米国法30類型・英国法11類型の計41類型に対応します(2025年12月時点。利用にはユニバーサルアシストの契約が必要)。
料金は選択するモジュールと契約書ボリュームに応じた個別見積もりで、初期費用・月額とも要お問い合わせ、最低利用期間は1年です。契約データはGoogle Cloudの東京リージョンに保管され、外部のAIモデル提供事業者へ送信したデータが学習に利用されることはないと公式が明記しています。
2. LeCHECK(株式会社リセ)

株式会社リセが提供するLeCHECKは、弁護士監修のAIが和文・英文契約書のリスク箇所・欠落条文・修正案を提示する法務特化型のクラウドサービスです。現在の正式名称は「Lisse法務AI Cowork」の契約書レビュー機能で、旧称を LeCHECK(リチェック)といいます。後述するマネーフォワード クラウドAI契約書レビューは、同じ LeCHECK エンジンの OEM 提供です。
総勢30名以上の専門弁護士の知見をAIに反映し、和文・英文合わせて100種類以上の契約類型に対応します。自社のひな型を登録して社内基準との差分をチェックでき、1,300種類以上のひな型を使った契約書作成支援やWord上でのレビュー・条文生成にも対応します。累計導入企業数は5,000社を突破しています(2026年1月時点の公表値)。
料金は利用人数や法務課題に応じた個別見積もりで、初期費用・月額とも要お問い合わせです。弁護士監修AIのリスクチェックを試せる無料トライアルが用意されているため、導入前に指摘の精度を確かめられます。
3. マネーフォワード クラウドAI契約書レビュー(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウドAI契約書レビューは、株式会社マネーフォワードが2025年8月に提供を開始した、締結前の契約書レビューに特化したサービスです。契約書をアップロードすると、30名以上の弁護士が監修したAIがリスク箇所を指摘し、変更条文例や解説を表示します。
実体は株式会社リセのAI契約書レビュー「LeCHECK」のOEM提供で、同じAIエンジンを採用しています(公式FAQに明記)。提供元・料金プランは別建てで、契約管理やクラウド契約との連携という購入時の文脈が異なります。自社のひな形を登録して受領契約書との差分を画面上で確認でき、WordとPDFをまたいだ比較やスキャンPDFのOCR解析にも対応します。
料金はライト・スタンダード・アドバンスドの3プラン制で、AIチェック件数は年間30件・300件・無制限と分かれます。金額はいずれも非公開で要お問い合わせです。電子契約「マネーフォワード クラウド契約」と併用すると、作成から締結・管理までを同一ブランド内で連携できます。
4. クラウドサイン レビュー(弁護士ドットコム株式会社)

クラウドサイン レビューは、契約書ファイルをアップロードすると、自社の立場(買主・売主など)を踏まえて欠落条項や不利な条項をAIが検知するサービスです。電子契約で知られる弁護士ドットコム株式会社が、大手法律事務所出身の弁護士監修のもとで提供し、修正・追加が必要な箇所の解説と変更条文例を提示します。
和文・英文の両方に対応し、英文契約は機械翻訳のうえ国際取引特有のリスクを踏まえた指摘を返します。自社のひな型を登録した基準チェックや、変更前後の差分比較にも対応します。2025年11月には、条文案の自動生成・対話的なレビューサポート・契約書サマリーの生成AI機能が有償オプションで追加されました。
同社の電子契約サービス「クラウドサイン」とは契約・課金が別建てで、レビュー単体でも契約できます。締結への引き継ぎや締結済みデータの参照といった連携には、Wordアドインオプションと本体のCorporateプラン以上の契約が必要です。料金は公式サイトでは非公開で、無料トライアルが用意されています。
5. LawFlow(LawFlow株式会社)

LawFlow(ローフロー)は、契約書のリスクや不足条項の検出、バージョン間の差分比較を行うAI契約書チェックサービスです。開発・提供はLawFlow株式会社で、自社のひな形を登録した比較チェックや、OCRによる紙契約書・PDFの写真取り込みにも対応します。
弁護士が開発したサービスで、Word連携によるドラッグ&ドロップでの条項編集ができます。対応契約類型は公式発表(2023年10月)で約94種類とされ、同時点で登録ユーザー数は4,000を突破しています。自社・業界のノウハウを保存・共有するナレッジ共有機能は、法人向けのエンタープライズプランで提供されます。
2022年12月以降は無料で提供されていましたが、2025年10月の発表で一部が有償化されました。個人向けのスターターは無料を継続し、スタンダードは月額16,500円、法人向けのエンタープライズは月額33,000円です(いずれも税込。年間契約はエンタープライズ)。
契約業務全体を一元管理するタイプ(CLM・法務プラットフォーム)
契約書の作成から審査・承認・締結・保管までを一つの基盤でつなぎ、AIレビューをその一機能として組み込むサービスです。契約業務を組織全体で仕組み化したい企業向けの選択肢を紹介します。
6. 法務オートメーション「OLGA」(GVA TECH株式会社)

GVA TECH株式会社が提供する、契約書の作成から審査、締結後の管理までを一つの基盤でつなぐクラウド型の法務プラットフォームです。法務部門が受け付けた案件を、契約書や関連資料、やり取りの履歴とともに蓄積し、管理台帳を自動で生成します。
締結前のレビューは、自社のひな型やチェックリスト、過去契約から作った審査基準(プレイブック)に沿ってAIが点検する方式です。プレイブックの項目ごとに可否と根拠を示し、修正文と修正理由のコメント生成からWordへの反映までを自動で行います(2026年9月の刷新時点)。
事業部門は専用アカウントなしでメール・Slack・Teamsのまま依頼でき、SalesforceなどのSFA(営業支援システム)・CRMとも連携します。標準プランの料金は公表されておらず、導入する機能ごとの個別見積もりとなります。契約件数が多い企業や、Salesforceを業務で活用している企業に向く構成です。
契約業務を一つの基盤で一元管理すると、現場の工数がどう変わるのか。GVA TECHは独自インタビューで、導入企業における定量的な成果を次のように挙げています。

ある企業様では、法務相談の受付から回答までの工数が40%削減され、月間で数百時間の工数削減につながりました。また、数千件以上の契約更新管理を行っている企業様では、AIによる自動化によって、更新漏れによる不利益な契約更新やタイミングの失念がゼロになったという定量的な成果も出ています。
7. Hubble(株式会社Hubble)

Wordのバージョン管理ツールを起点に機能を広げてきた、株式会社Hubbleの契約業務・管理クラウドです。契約書の作成・審査・締結・締結後の管理を一つのクラウドで扱い、Microsoft Wordで保存するたびに版が自動で記録され、前の版との差分も自動で抽出されます。
締結前のレビューでは、自社の契約データやひな型からAIが審査基準(プレイブック)の草案を作り、レビューに適用します。Wordアドインを使えば、Word上でプレイブックの適用や類似契約の参照、条ズレ・誤字脱字の校正、修正提案までを行えます。締結そのものはクラウドサインやDocuSignなど外部の電子契約サービスと連携して進めます。
契約の依頼をメール・Slack・専用フォームから案件単位に集約し、やり取りを契約書に紐付けて残せます。法務部門だけでなく事業部門も使う前提で設計されており、公式サイトではサービス開始以来の利用継続率99%(2025年10月時点)を掲げています。料金はID数や契約書の格納件数などに応じて変わり、金額は問い合わせが必要です。
法務部門に閉じず事業部門まで対象に広げるという設計の考え方について、Hubbleは独自インタビューで、発行したIDの内訳とあわせて次のように説明しています。

リーガルテックというと法務部門の方を対象にしたサービスが多いのですが、Hubbleは法務に閉じず、契約書に関わるすべての部署を対象としています。実際、累計で約9万人にIDを発行させていただいておりますが、このうちの90%以上が法務部門以外の方です。法務の方だけを楽にするのであればAIレビュー機能だけでも成立するのですが、私たちは契約書を事業部門にも浸透させて、会社全体として効率を上げつつリスクを軽減し、現場のフローをあまり変えずに使っていただける状態にこだわっています。
8. ContractS(ContractS AI Agent Platform)(ContractS株式会社)

契約書の作成・承認・締結・台帳化・更新管理・全文検索までを1つのプラットフォームで扱う、ContractS株式会社(旧 株式会社Holmes)のCLMです。法務部門に限らず、営業・経理・人事など契約に関わる部門での利用を想定しています。
締結前のレビューは、2026年4月に発表した「ContractS AI Agent Platform」が担います。CLM上のレビュー対象の契約書をAIが取得し、過去契約や社内ルール、法令を参照しながら「要注意」「要確認」といったリスク区分で問題条項を検出し、変更履歴・コメント付きのWordファイルを自動で生成します。
このレビュー機能はContractS CLMとの連携が前提で、単独では利用できません。レビューにはClaude・ChatGPT・Gemini・Copilotの各生成AIをMCP(AIと外部ツールをつなぐ接続規格)で接続して使えます。締結は自社の電子締結機能「ContractS SIGN」と、クラウドサインなど外部サービスの両方に対応します。
9. MNTSQ(MNTSQ株式会社)

MNTSQ株式会社が提供する「MNTSQ CLM」は、契約の起案から審査・締結・管理までをカバーするCLMです。案件管理・契約管理・AI契約アシスタント・AIエージェント・契約データベースの5つの機能で構成されています。
締結前のレビューは「AI契約アシスタント」が担います。契約書をアップロードすると確認すべき論点とリスクの度合いを示し、法務相談の要否を判定します。審査基準には長島・大野・常松法律事務所が監修したプレイブックを標準で備え、導入初日から利用できます。
自社の過去契約やメールのやり取りを収集してレビュー提案に生かす設計で、日本語・英語に加え中国語やタイ語などの契約書にも対応します。導入実績は採用企業2,000社を突破し(2026年5月時点、グループ会社を含む)、国内売上上位10社のうち8社が導入しているとされています(同時点、日本経済新聞調べ)。
文書作成・編集・形式チェック統合タイプ(エディタ型)
文書の作成・編集画面の中でレビューまで完結できるようにしたサービスです。普段の起案作業の延長でAIの指摘を受けたい担当者向けの選択肢を紹介します。
10. LAWGUE(FRAIM株式会社)

LAWGUE(ローグ)は、FRAIM株式会社が提供するクラウド型の文書ワークスペースです。契約書の作成・編集から版ごとの差分管理、AIによるレビューまでを同じ編集画面の中で扱えるため、起案の延長でそのまま点検を進められます。
AIレビューは、一般的なリスクに加えて自社の基準や過去の契約をもとに論点を抽出し、類似条項の検索・比較では実際の過去の条項を根拠として示します。条項ごとのコメントや交渉の履歴が契約書と一緒に残るため、担当者が替わっても過去の判断をふまえた確認ができます。
2026年9月提供開始のMCPサーバーにより、ClaudeやMicrosoft 365 Copilotなど普段使う生成AIからLAWGUEの契約データを検索・レビューすることもできます。
料金は利用人数や利用シーンに応じた個別見積もりで、契約翌日から使える短期間のトライアルプランも用意されています。セキュリティ面ではISMS(ISO/IEC 27001)とプライバシーマークを取得しています。導入実績はOEMを含め1,500を超える組織です(2026年9月時点)。
11. BoostDraft(株式会社BoostDraft)

BoostDraft(ブーストドラフト)は、Microsoft WordのアドインとしてPCにインストールして使う法務文書エディタです。提供元は株式会社BoostDraftで、累計1,000社以上(2026年9月時点の概数)、五大法律事務所のすべてで利用されています。2026年8月にはmacOS版の提供も始まりました。
使い慣れたWordの画面上で、定義語や参照条項のポップアップ表示、条項番号のズレの自動検知・一括修正、表記ゆれの統一といった形式面の作業を自動化します。2026年提供開始のBoostDraft AIでは、Wordに常駐するチャットから要約・リスクレビュー・修正案の作成を指示でき、日本語・英語・韓国語の解析に対応します。
標準製品はインターネット接続を介さずローカル環境で動作し、AIレビュー機能は社名や取引条件などの機密情報を自動で匿名化したうえでAIに渡す設計です。料金は公式サイトで「利用端末数×月額費用」という仕組みのみが示され、具体的な金額は問い合わせで確認します。
法務アウトソーシング(AI×弁護士)タイプ
AIによる一次チェックと弁護士のレビューを組み合わせ、レビュー業務そのものを外部に委ねられるようにしたサービスです。法務の専任者がいない企業や、体制を一時的に補いたい企業向けの選択肢を紹介します。
12. CLOUD LEGAL(MOLTON株式会社)

弁護士監修のリーガルAIと、弁護士・司法書士などの専門家による対応体制を組み合わせた法務BPaaS(業務を仕組みごと外部に委ねる形態)型のサービス「クラウドリーガル」です。運営元のMOLTON株式会社は、これを企業法務アウトソーシングのALSP(代替法務サービスプロバイダー)と位置づけています。AIの一次チェックだけでなく、契約書のレビュー自体を弁護士に直接依頼できる点が特徴です。
契約書のレビューや作成は、チャット・オンライン面談・電話で弁護士へ依頼する運用が基本です。加えて、普段使うMicrosoft Word上でAIと対話しながらレビューを完結できる「CloudLegal AIエディター」を備え、Webサービスへファイルをアップロードせずに起案の延長で指摘を受けられます。
日本語と英語の契約書レビューに対応し、国際規格ISO/IEC 27001(ISMS)の認証も取得しています。
料金は初期費用0円で、AI機能のみを使う月額11,000円(税込)のプランから、弁護士の稼働時間を含む上位プランまで4段階があります。弁護士が対応するのは月額55,000円(税込)以上のプランで、最も安いプランの対象はAI機能のみです。恒久的な無料プランはなく、無料で試せるのは7日間・AI機能に限られます。
AIの一次チェックと弁護士のレビューを組み合わせる運用が、契約対応のスピードにどう表れるのか。運営元のMOLTONは独自インタビューで、顧問弁護士と併用した企業の例を次のように述べています。

特に分かりやすいのが対応スピードです。従来の顧問弁護士だと回答に1〜2週間かかることがありましたが、クラウドリーガルの弁護士相談や契約書レビュー・リーガチェックは1日、2日でお返しできています。また、クラウドリーガルで搭載しているリーガルAIも活用してさらに対応スピードを上げています。
オールインワン法務支援タイプ
契約書レビューに加え、契約管理や法務相談などの機能をまとめ、低コストで始められるようにしたサービスです。法務機能をまとめて整えたい中小企業向けの選択肢を紹介します。
13. LegalBase(リーガルベース)(株式会社アシロ)

LegalBaseは、東証グロース市場に上場する株式会社アシロが2026年3月に提供を開始した、契約書レビューを含む法務機能をまとめたオールインワンのリーガルテックです。AI契約書レビュー「LEGIEW」が、締結前の契約書の抜け漏れやリスクを自動で検出し、修正案を提示します。
LEGIEWはWord・PDF・OCRに対応し、全プランで回数の上限なく利用できます。契約書ひな形のダウンロード(1,000種以上)や反社チェックも無制限で、企業法務を扱う弁護士へのチャット相談「THEMIL」、契約管理まで月額の定額料金に含まれます。
料金は従業員規模に応じた定額制で、従業員10名未満なら月額10,000円(税抜)、個人事業主向けプランは月額5,000円(税抜)から利用でき、初期費用や契約期間の縛りはありません。法務の専任者を置きにくい中小企業や個人事業主が、契約書レビューを軸に法務機能をまとめて整えたい場合の選択肢になります。
契約書レビューサービスの料金と無料で使える範囲
ここでは、導入前に気になる料金の目安と、無料・低コストで始められる選択肢を整理します。
契約書レビューサービスの料金体系と費用の目安
契約書レビューサービスの料金は、月額のサブスクリプション型が中心です。レビューできる契約書の件数やユーザー数、利用できる契約類型の範囲でプランが分かれているケースが多く、和文に加えて英文契約に対応するプランは料金が上がる傾向があります。
中小企業向けに月額数千円から始められるものがある一方、大企業向けや契約業務全体を一元管理するタイプでは、利用規模に応じた個別見積もりとし、料金を公開していないベンダーも少なくありません。料金が非公開のサービスは「要お問い合わせ」として扱い、自社の契約件数や利用人数を伝えて見積もりを取るのが確実です。具体的な各社の料金は、比較表と個別紹介で公表値を確認してください。
「結局どれが安いのか」を確かめられる軸の一例として、公表されている月額料金の安い順に並べると次のようになります。金額を公表しているサービスだけを対象にしています。
- LegalBase:月額5,000円〜(税抜・個人事業主向けプラン)
- 法務オートメーション「OLGA」:月額10,000円〜(税別・中小企業向けプラン)
- CLOUD LEGAL:月額11,000円〜(税込・AI機能プラン)
- LawFlow:スタンダード月額16,500円(税込)
月額を公表していないサービスは要お問い合わせのため、この並びの対象外です。費用を抑えて始めたい場合は、NDAに絞って完全無料で使えるものや無料枠を設けるものもあり、次の見出しで整理します。
無料・低コストで始められる契約書レビューの選択肢
まずは費用を抑えて試したい場合にも、いくつかの選択肢があります。秘密保持契約(NDA)など特定の契約類型に絞って完全に無料で使えるもの、月あたり一定件数までを無料枠として提供するもの、月額5,000円程度からオールインワンで始められるものなどです。
無料・低額で始められる選択肢は、対応する契約類型やレビュー件数に上限が設けられていることが一般的です。自社で扱う契約の種類や件数がその範囲に収まるうちはスモールスタートし、業務が広がった段階で上位プランや別のサービスへ移行する、という進め方も現実的です。どのサービスがどこまで無料で使えるかは、比較表と個別紹介で確認できます。
失敗しない契約書レビューサービスの選び方
ここからは、順位の先で自社に合う上位候補を絞り込むために、確認しておきたい6つの観点を解説します。重視する軸は企業によって異なるため、自社の契約実務に照らして優先順位を付けながら読み進めてください。

対応する契約類型と言語(和文・英文)は自社の契約をカバーするか
契約書レビューサービスは、業務委託契約・売買契約・NDAなど、対応する契約類型の数とレビューの精度がサービスごとに異なります。自社が日常的に扱う契約の種類がカバーされていなければ、導入しても使える場面が限られます。
まず自社で発生頻度の高い契約類型を洗い出し、それらが対応範囲に含まれているかを確認しておきましょう。海外取引があり英文契約を扱う場合は、英文への対応可否と、対応する場合の追加料金もあわせて確認してください。対応類型が多いほど良いわけではなく、自社の契約に過不足なく対応できるかで判断するのが実務的です。
自社基準・ひな形をどこまで反映できるか
契約審査では、一般的なリスク指摘だけでなく、自社独自の審査方針やひな形に沿ったチェックができるかが実務の効率を左右します。あらかじめ用意された観点に沿って指摘する方式と、自社の過去契約やひな形を学習して自社基準でチェックする方式があります。
自社に確立した審査ルールやひな形がある場合は、それを登録・学習させて反映できるサービスを選ぶと、指摘の精度が自社の運用に近づきます。一方、審査基準がまだ固まっていない企業では、標準的な観点に沿って指摘してくれる方式のほうが導入しやすく、運用しながら基準を整えていけます。自社の法務の成熟度に合わせて選ぶのがポイントです。
弁護士監修・レビュー体制の厚みは十分か
AIによる指摘の信頼性は、その背後にある弁護士の監修体制に支えられます。どの程度の人数・体制で監修しているか、審査ロジックの更新に弁護士が関与しているかは、サービスを見極めるうえで重要な軸です。
加えて押さえておきたいのが、AIのレビューと弁護士によるレビューの役割分担です。監修体制を選定軸として見るときは、監修の人数や体制だけでなく、AIと弁護士がそれぞれどこまでを担うのかもあわせて確認することが重要です。
AIレビューは一次チェックを担うものであり、重要度の高い契約や最終判断には弁護士の確認を組み合わせる運用が基本です。社内に法務の専任者がいない企業では、AIに加えて弁護士のレビューまで受けられる体制が用意されているかどうかも、選定の分岐点になります。

AIレビューと弁護士レビューをどちらにどこまで任せ、どの契約で使い分けるのか。その違いと使い分けの考え方は、本記事では順位を読むうえでの前提として簡潔に触れるにとどめています。選定の軸として腰を据えて整理したい場合は、この論点を中心に据えて費用・選び方まで解説した以下の比較記事が役立ちます。
CLM・電子契約・Wordなど既存業務との連携はできるか
契約書レビューは、契約業務の一部に過ぎません。レビューの前後にある起案・承認・締結・保管の流れと、使い慣れたツールにどれだけ自然につながるかで、現場の手間が変わります。
多くの契約書をWordで作成している場合は、Wordのアドインとして編集画面の中でレビューできるかを確認しましょう。契約管理システムや電子契約サービスをすでに使っている、あるいは今後導入する予定があるなら、それらとの連携やデータの受け渡しができるかも重要です。既存の業務フローに組み込めないと、サービスを立ち上げるたびに作業が分断され、定着しにくくなります。
セキュリティと学習データの扱いは安心できるか
契約書には、取引条件や価格など機密性の高い情報が含まれます。アップロードした契約データがどこに保管され、どう保護されるか、AIの学習に利用されるのかどうかは、導入前に必ず確認したい点です。
通信やデータの暗号化、アクセス権限の管理、第三者認証の取得状況などのセキュリティ対策の確認が欠かせません。あわせて、入力した契約内容が他社向けのAI学習に使われないことが利用規約で明示されているかもチェックしてください。社内の情報管理規程や取引先との守秘義務に抵触しないかという観点から、稟議に通せる水準かを見極めます。
現場に定着する運用のしやすさはあるか
どれだけ高機能でも、現場の担当者が使いこなせなければレビューの質は上がりません。導入後に実際に使い続けられるかという視点も、選定では欠かせません。
操作画面の分かりやすさ、指摘内容が担当者に理解できる形で示されるか、導入時の設定や初期サポートが用意されているかを確認しておくと安心です。無料トライアルがあれば、実際の契約書を使って指摘の精度と使い勝手を試すのが確実です。法務以外の事業部門も使う場合は、専門知識がなくても扱えるかどうかが定着の分かれ目になります。
一括ダウンロードする
まとめ
本記事では、契約書レビューサービス15件を、料金・対応する契約類型・導入実績・弁護士の監修体制・連携といった公表された事実で横並びにし、順位の見方と選び方を整理しました。
ランキングは、何を根拠に並んでいるかを確かめたうえで、自社が重視する軸で読み替えるのが使い方のコツです。選定では、自社の課題がレビューの精度・速度なのか、契約業務全体の一元管理なのか、低コストでの法務整備なのかを見定め、適したタイプを最初に絞り込むのが近道です。
レビュー機能に強いタイプ、契約業務を一元管理するタイプ、編集画面で完結するエディタ型、AIと弁護士を組み合わせるアウトソーシング型、低コストのオールインワン型のうち、自社の体制と契約実務に合うものを、対応類型・自社基準の反映・監修体制・連携・セキュリティ・定着のしやすさの観点で見比べてください。
MCB FinTechカタログでは、これらの契約書レビューサービスの詳細な資料を無料で請求できます。各社の資料を見比べて、自社に最適なサービスの比較検討を進めてください。
一括ダウンロードする
契約書レビューサービスに関するよくある質問(FAQ)
Q. ランキングや比較サイトの順位は、そのまま信じてよいですか?
A. 順位をそのまま鵜呑みにするのは避けるのが安全です。比較サイトやまとめ記事の順位は、何を根拠に付いたのかが読者から見えにくいものも少なくないためです。確かめるべきは、料金・対応する契約類型・弁護士の監修体制・連携範囲・導入実績といった、公式に公表されていて誰でもたどれる軸です。順位は自社が重視する軸で読み替える前提で使うと、上位候補を絞り込む材料になります。
Q. 契約書レビューサービスだけで契約の締結判断まで任せられますか?
A. 契約書レビューサービスは、締結の最終判断までは代替せず、AIが担うのはリスク箇所の検知と修正案の提示という一次チェックの支援までです。検知された指摘をふまえ、自社にとって受け入れられる条件か、取引の背景を考慮してどう交渉するかは、人(法務担当者・弁護士)が判断する前提で使います。
定型条項の見落とし防止はAIが得意とする一方、取引ごとのビジネス上の事情をふまえた最終的な可否判断は、人の役割として残ります。
Q. 契約書レビューサービスを導入すれば、弁護士への相談は不要になりますか?
A. 契約書レビューサービスを導入しても、弁護士への相談が完全に不要になるわけではありません。法務省は2023年(令和5年)8月のガイドラインで、AI等を用いたサービスでも弁護士が自ら精査し必要に応じて修正して使う場合は弁護士法第72条に違反しないと整理し、2026年(令和8年)8月にこの整理を拡充しました。
①~③にかかわらず、弁護士が自ら精査し、必要に応じ修正する方法で使用する場合は違反しない。
出典:AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について(ガイドライン概要)|法務省(令和5年8月)
AIレビューは日常的な契約の一次チェックを効率化する手段であり、専門的な判断が必要な場面では弁護士のレビューと併用することで精度と安全性を両立できます。法務の専任者がいない企業では、AIに加えて弁護士のレビューまで受けられるサービス(AI×弁護士型)も選択肢になります。
出典・参考資料(3件)
Q. 契約書レビューサービスはどのような契約書で効果が出やすいですか?
A. 契約書レビューサービスは、秘密保持契約(NDA)や業務委託契約など、条項がある程度定型化している契約で効果が出やすいとされます。反復して発生し、確認すべき論点が共通する契約ほど、AIの一次チェックによる抜け漏れ防止と時短の恩恵が大きくなります。
一方、M&Aや投資契約のように個別性が高く、取引ごとに論点が大きく変わる契約は、人の関与が増えます。まず自社で発生頻度の高い契約類型を洗い出し、それが各サービスの対応範囲に含まれるかを確認するのが選び方の起点です。
Q. 契約書レビューサービスに自社のひな形や審査基準はどこまで反映できますか?
A. 契約書レビューサービスへの自社基準の反映は、あらかじめ用意された観点で指摘する方式と、自社の過去契約やひな形を登録・学習して自社基準でチェックする方式に分かれ、どこまで反映できるかはサービスごとに異なります。
確立した審査ルールやひな形がある企業は、それを登録・学習させて差分をチェックできるサービスを選ぶと、指摘が自社の運用に近づきます。審査基準がまだ固まっていない企業は、標準的な観点に沿う方式のほうが導入しやすく、運用しながら基準を育てていけます。
Q. 契約書レビューサービスは英文契約にも対応していますか?
A. 契約書レビューサービスの英文対応は、和文に加えて英文契約のレビューに対応する製品もありますが、対応可否やプラン・追加料金はサービスによって異なります。英文に対応する場合でも、準拠法が外国法のときは、その国の法律を踏まえた差異の確認が別途必要です。
海外取引があり英文契約を扱う場合は、英文への対応可否、対応する契約類型の範囲、追加料金の有無をあわせて確認してください。
Q. 契約書レビューサービスにアップロードした契約データは、AIの学習に使われますか?
A. 契約書レビューサービスにアップロードしたデータがAIの学習に使われるかは、サービスごとに扱いが異なり、他社向けの学習に利用しないことを利用規約で明示している製品もあります。契約書には取引条件や価格など機密性の高い情報が含まれるため、導入前に必ず確認したい点です。
学習利用の有無に加え、データの保管場所、通信・保管の暗号化、アクセス権限の管理、第三者認証(ISMS/ISO/IEC 27001など)の取得状況を確認し、社内の情報管理規程や取引先との守秘義務に抵触しない水準かを見極めます。
Q. 契約書レビューサービスは無料で使えますか?
A. 契約書レビューサービスには、NDAなど特定の契約類型に絞って無料で使えるもの、月あたり一定件数までの無料枠を設けるもの、導入前に試せる無料トライアルを用意するものがあり、完全無料で本格運用できる選択肢は限られます。月額5,000円程度からオールインワンで始められるサービスもあります。
無料・低額のプランは、対応契約類型やレビュー件数に上限が設けられているのが一般的です。自社で扱う契約の種類や件数がその範囲に収まるうちはスモールスタートし、業務が広がった段階で上位プランや別のサービスへ移行する進め方も現実的です。
Q. 法務の専任者がいない中小企業でも契約書レビューサービスを導入できますか?
A. 契約書レビューサービスは、法務の専任者がいない中小企業でも導入でき、低コストで始められるオールインワン型や、AIと弁護士のレビューを組み合わせて内製を代替できるアウトソーシング型があります。
契約書レビューに加えて契約管理・弁護士相談・ひな形整備までをまとめたオールインワン型は、法務機能をまとめて整えたい中小企業に向きます。レビュー業務そのものを外部に委ねたい場合は、AIの一次チェックと弁護士のレビューを組み合わせた法務アウトソーシング型が選択肢になります。
Q. 契約書レビューサービスの導入で失敗しないために、何を決めておくべきですか?
A. 契約書レビューサービスの成否は、ツールの機能そのものよりも、導入後の運用設計で決まります。AIと人の役割分担、レビュー依頼から締結までの業務フロー、担当者への教育、審査基準の継続的な更新を導入前に決めておくことが、失敗を防ぐ鍵です。
どれだけ高機能でも、現場の担当者が使いこなせなければレビューの質は上がりません。無料トライアルがあれば、実際の契約書で指摘の精度と使い勝手を試し、法務以外の事業部門も無理なく扱えるかを確かめておくと定着しやすくなります。
契約書レビューサービスの料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、契約書レビューサービスの最新資料を無料で一括請求できます。料金・対応する契約類型・弁護士の監修体制・連携範囲など、比較に必要な情報をまとめて確認できます。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















