EC-CUBEでECサイトを立ち上げたい、あるいは既存のEC-CUBEサイトを作り直したいものの、どの制作会社に頼めばよいか決めかねていませんか。EC-CUBEはカスタマイズの自由度が高い分、依頼先の技術力や実績によって仕上がりが大きく変わります。社内に開発者がいない場合はなおさら、各社の得意分野や費用感を見比べて絞り込む作業に手間取りがちです。
自社の商材や業務要件、そして「新規構築なのか・既存サイトの改修なのか」という前提に合った会社を選ぶには、どのような観点で各社を比べればよいのでしょうか。
本記事では、EC-CUBEでのECサイト構築・改修に対応する制作会社5社を、得意領域・対応バージョン・費用の公開状況・実績で比較します。あわせて、構築・カスタマイズの費用相場の見方、既存サイトの改修やバージョンアップの考え方、基幹システム連携やBtoB ECの技術要件、EC-CUBEとASP型サービスの選び分けまで整理しました。発注先を数社に絞り込むための判断材料としてご活用ください。
目次
一括ダウンロードする
本記事の対象範囲
本記事では、EC-CUBEでのECサイトの新規構築・カスタマイズ・リニューアル・改修を手がける制作会社5社を、得意領域・実績・対応範囲で比較します。
EC-CUBEは株式会社イーシーキューブが開発・提供するオープンソースのECパッケージで、ソースコードが公開されているため、制作会社ごとにカスタマイズの深さや得意な業種が分かれます。そこで、どの会社がどんな強みを持つのかを横並びで見られるようにしました。
EC-CUBEに限定せず、ASP型やモール型も含めたECサイトの構築方式全体から比較したい場合は、構築方法ごとの費用相場や選び方をまとめた記事が役立ちます。まずは構築方式そのものを決めたい段階の方は、そちらもあわせてご覧ください。
EC-CUBE制作会社の選び方(得意領域タイプ別の選び分け)
ここからは、自社がどんな会社に依頼すべきかを、制作会社の得意領域から選び分ける方法を解説します。EC-CUBE制作会社は、構築実績の豊富さ・システム連携の技術力・集客運用の支援・デザイン・上流工程からの伴走といった強みで性格が分かれます。自社の優先順位をこの軸に当てはめると、候補をすばやく絞り込めます。

構築・カスタマイズ実績で選ぶ
EC-CUBEは標準機能にプラグインや独自開発を重ねて作り込むため、似た規模・業種のサイトを何度も構築してきた会社ほど、要件定義から公開までの段取りが安定します。
実績を見るときは「公開した件数」だけでなく、自社に近い商材・販売形態(単品通販・定期購入・BtoBなど)の事例があるか、どのバージョンで作ったのかまで確認すると、仕上がりの見通しが立ちます。確実に動くサイトを堅実に作りたい企業は、この軸を最優先に考えるとよいでしょう。
基幹・在庫連携やBtoB・大規模で選ぶ
基幹システムや在庫・受発注の仕組みとデータをつなぎたい場合や、取引先ごとの掛け率・掛け払いを扱うBtoB ECを作りたい場合は、システム開発の経験が豊富な会社を選びます。会員数や商品点数が多い大規模サイトでは、表示速度やデータ移行の設計力も問われます。
EC-CUBEはこうした独自要件に対応しやすい一方、設計・開発の難度が上がるため、API連携や基幹接続の実績を公式の事例で確かめることが選定の決め手になります。
集客・運用改善まで任せるかで選ぶ
EC-CUBEには集客の仕組みが初めから備わっているわけではないため、公開後にアクセスを集め、購入率を高める施策まで見据えるなら、構築だけでなく運用・マーケティング支援まで手がける会社が向きます。構築で終わる会社に頼むと、公開後の改善は自社で抱えることになります。社内に運用リソースが乏しい企業は、保守・改善・集客まで一貫して任せられるかを早い段階で確認しておくと安心です。
デザイン・ブランド表現で選ぶ
ブランドの世界観を重視するD2C(メーカーが自社ECで消費者に直接販売する形態)やアパレルなどでは、テンプレートの流用ではなく、ブランドに合わせたデザイン・UI設計ができる会社が候補になります。EC-CUBEはフロントのテンプレートを自由に組めるため、デザインに強い会社なら表現の幅が広がります。制作実績のデザインの傾向が自社のブランドと合うか、ポートフォリオで見比べるとミスマッチを防げます。
要件定義・業務整理の上流支援で選ぶ
「何を作るべきか」がまだ固まっていない段階では、業務の棚卸しや要件定義から伴走してくれる会社が頼りになります。作りたい機能を指示できる状態になっていない場合、仕様を丸投げすると手戻りが増えがちです。上流から入る会社は費用がかかる傾向がありますが、業務プロセスごと見直したい企業や、社内にEC構築の知見がない企業では、結果的に失敗を避けやすくなります。
費用帯で選ぶ(横断の判断材料)
費用は得意領域と並ぶ現実的な判断材料です。料金を公式に公開している会社なら予算の見当をつけやすく、非公開で見積もり対応の会社は要件次第で幅が出ます。後述の費用相場もあわせて、自社の予算と照らし合わせてください。
自社がどのタイプに当てはまるか判断が難しい場合もあります。そのような場合でも自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。数問に答えると、自社に合う得意領域のタイプと、その領域に強い会社が分かります。ぜひこちらもご活用ください。
一括ダウンロードする
【比較表】EC-CUBE制作会社の総合比較
ここからは、本記事で紹介するEC-CUBE制作会社5社を、得意領域・対応バージョン・対応範囲・費用の公開状況・主な実績で横並びに比較します。自社の優先順位に合う会社を見つける手がかりとしてご覧ください。
| サービス名 | メテオリレイ | スプレッドワークス | エム・エー・ディー | ND&I | digrart |
|---|---|---|---|---|---|
| 得意領域(強み) | 幅広い業種の構築実績 集客・運用支援 | EC-CUBE認定パートナー 移行・上流支援に対応 | BtoB EC・大規模構築 要件定義からのDX支援 | 基幹連携・BtoB EC・大規模 複数カート対応 | デザイン・中小向け 越境EC対応 |
| 対応EC-CUBEバージョン | 2系・3系・4系 | 2系・3系・4系 (移行・バージョンアップ対応) | 公表なし | 公表なし | 公表なし |
| 新規構築・カスタマイズ | ● | ● | ● | ● | ● |
| 改修・移行・バージョンアップ | 公表なし | ● | ● | ● | △(サイトリニューアルに対応) |
| 基幹システム連携 | 公表なし | △(エンタープライズプランで対応) | 公表なし | ● | 公表なし |
| 費用(目安) | 100万円〜 (上位プラン200万・400万円〜) | 50万円〜 (ベーシック100万円・上位は見積り) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 137.5万円〜 (税込・参考価格) |
| 主な実績・事例 | 食品・美容・ギフト等 幅広い業種の構築事例 (累計3,000社超・EC以外含む) | 包装資材・ノベルティ等 EC-CUBE構築5件 ヘッドレスEC自社提供 | 崎陽軒・ドトール・ダスキン等 ダスキンでEC-CUBE Site Award最高賞 | パソコン工房・ASTRO PRODUCTS 会員50万規模のリニューアル | アパレル・インテリア等 累計1,000件超(EC以外含む) |
| 会社規模・拠点 | 2005年設立・東京(渋谷) グループ全体86名 | 1998年創業(2005年法人化)・東京(豊島区) 従業員数は公表なし | 2007年設立・東京(中央区) 奈良に開発拠点 | 2004年設立・大阪本社/東京 従業員数は公表なし | 2010年設立・大阪(全国対応) 従業員数は公表なし |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※上表は各社が公式サイトで公表している情報にもとづきます(2026年10月時点)。対応バージョンや基幹システム連携が「公表なし」の会社も、旧版サイトの改修可否を含め個別の問い合わせで確認できます。実績は各社で公表の範囲・単位が異なるため、件数の多寡だけで比べず、自社に近い事例があるかで見てください。
EC-CUBE制作会社の個別紹介
ここからは、各社の成り立ち・得意領域・EC-CUBEでの構築実績を個別に紹介します。比較表で気になった会社の詳細を確認し、問い合わせ候補を絞り込む材料としてください。
1. メテオリレイ(株式会社メテオリレイ)

株式会社メテオリレイは、2005年設立のシステム開発・Web制作会社で、EC-CUBE(2系・3系・4系)を主力にオープンソースCMSベースのECサイト構築を手がけています。
構築はプラン制で、ECベーシック100万円から、作り込みの度合いに応じてECプレミアム200万円以上、ECエンタープライズ400万円以上の価格帯を公式に提示しています。決済代行接続やAmazon・Yahoo!ショッピングとのモール連携、越境・多言語対応まで自社内で対応します。
実績紹介ページには、食品・美容・ギフト・アパレルなど幅広い業種のEC-CUBE構築事例を掲載しています。Web・システム開発を含む累計では3,000社以上の制作実績をうたっており、これはEC構築に限らない全社集計である点は確認しておくとよいでしょう。
2. スプレッドワークス(有限会社スプレッドワークス)

1998年の個人事務所設立を起点とする有限会社スプレッドワークスは、EC-CUBE認定パートナーおよびShopify認定パートナーの認定を受けた制作会社です。経済産業省のSmart SME Supporterにも登録しています。
EC-CUBE構築の料金は、エントリー50万円・ベーシック100万円、エンタープライズは見積りとして公開しています。EC-CUBE 2系〜4系のバージョンアップや他カートからの移行支援、構築費の20%からの導入コンサルティングも用意します。
自社開発のプラグインや独自デザインテンプレートを備え、ソースコードの改変・管理画面のカスタマイズに対応します。EC-CUBEの管理画面を引き継ぎつつフロントを分離した自社のヘッドレスEC(表示部分と購入・管理機能を切り離して構築する方式)パッケージ「SPREAD Commerce」も提供しています。
3. エム・エー・ディー(株式会社エム・エー・ディー)

BtoB-ECを主軸の一つに据える株式会社エム・エー・ディー(mad Inc.)は、EC-CUBEのインテグレートパートナー(プラチナ)であり、BtoB-ECの設計からカスタマイズまでを担うB2B認定制作会社です。事業戦略の立案から要件定義・開発・運用までを一貫して支援するDX支援を掲げています。
制作実績には、崎陽軒やドトールコーヒー、WEDGWOOD公式オンラインストアなどの構築・運用設計の支援があります。ダスキンでは200万人を超える会員を抱えるEC基盤を構築し、レンタル・役務・販売のカートを統合した取り組みで「EC-CUBE Site Award -20th Anniversary-」の最高賞を受けています。
支援領域はBtoC・BtoB・越境EC・OMO(店舗とオンラインを融合した購買体験)に及びます。料金やEC-CUBEの対応バージョンは公式サイトに記載がなく、具体的な費用は問い合わせが必要です。
4. ND&I(株式会社ND&I)

EC-CUBEに加えShopify・futureshop・makeshop・ecforceなど複数のカートに対応する株式会社ND&Iは、大阪本社・東京オフィスを構える制作会社です。EC-CUBE公式のパートナー一覧にも掲載されています。
実績は、会員50万人規模のASTRO PRODUCTS(株式会社ワールドツール)のサイトリニューアルやパソコン工房(株式会社ユニットコム)の継続支援といった大規模案件から、個店規模のEC構築まで幅があります。カート乗り換え・リニューアルから運用・保守までを支援範囲に掲げます。
BtoB ECでは、取引先ごとの掛け率設定・掛け払い決済・自動見積書発行・基幹システム連携の開発実績があります。構築費用は公式サイトに記載がなく、見積りは問い合わせが必要です。
5. digrart(ディグラート)

大阪市中央区を拠点に全国対応するdigrart(ディグラート)は、EC-CUBE・Shopify・makeshopなどの活用から独自開発まで、商材に合わせてプラットフォームを選定しECサイトを構築します。新規構築だけでなくサイトのリニューアルや、楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonへのモール出店サポートにも対応します。
EC-CUBE専業ではなく複数の構築手段を扱う制作会社ですが、公式にEC-CUBEを対応プラットフォームの一つとして掲げています。デザイン力と越境EC対応、参考価格の公開による料金の見通しやすさが、中小規模で予算感を把握したい事業者にとっての選択肢になります。
参考価格を税込で公開しており、ECサイト(TOP+10ページ)で1,375,000円(税込)からという目安を示しています。大規模な構築では2,832,500円(税込)といった参考価格も公開しており、いずれも制作ボリュームにより変動するとしています。
多言語対応・海外決済・通貨表示・国際配送設定を含む越境ECサイト構築を公式に掲げています。累計1,000件以上の制作実績(EC以外を含む)があり、運用・保守は有料オプションとして提供します。
EC-CUBE構築・カスタマイズの費用相場
ここからは、EC-CUBEで制作を依頼するときの費用の見方を整理します。EC-CUBEはパッケージ本体が無償のオープンソースのため、費用の大半は制作会社の設計・開発・デザインにかかる人件費です。要件の幅が広く一律の相場を示しにくいので、本記事では料金を公開している会社の価格帯を手がかりに、予算の見当をつける考え方を示します。
料金を公開している会社の例を見ると、標準的な機能での構築はおおむね数十万円台から100万円台が目安です。エントリー向けのプランを50万円前後、標準的な構築プランを100万円前後で公式に提示している会社があり、参考価格を130万円台(税込)から示す会社もあります。
商品点数が多い、独自デザインを作り込む、定期購入やBtoBの仕組みを入れるといった要件が加わると、200万円以上・400万円以上の価格帯が設定される例もあります。一方で、料金を非公開として要件に応じた見積もりで対応する会社も多く、その場合は相見積もりで水準を確かめることになります。各社の具体的な料金は、上記の比較表と個別紹介でご確認ください。
カスタマイズ費用は、標準機能やプラグインで賄える範囲か、独自開発が必要かで大きく変わります。既存のプラグインで実現できる機能追加は比較的安価に収まる一方、基幹システムとのAPI連携や独自の業務フローの作り込みは費用が上がります。見積もりでは総額だけでなく、どこまでが標準機能でどこからが追加開発かの内訳を確認すると、会社ごとの差を正しく比べられます。
各社の料金は本記事作成時点(2026年10月時点)で公式サイトに掲載されている内容にもとづきます。料金は改定されることがあるため、実際の依頼前には各社の最新の見積もりで確認してください。
既存EC-CUBEサイトの改修・移行・バージョンアップ
ここでは、すでにEC-CUBEで運用しているサイトを改修・移行したい場合に確認すべき点を解説します。新規構築とは異なり、既存サイトの状態を正しく引き継げるかが成否を分けます。
EC-CUBEは現在4系が現行版で、公式の動作要件や開発ドキュメントも4系を対象に整備されています。旧バージョン(2系・3系)で構築したサイトは、セキュリティや機能面の観点から、改修に合わせて現行系列へのバージョンアップや移行を前提に考えるのが基本です。旧版のまま使い続けると、新しいプラグインや決済サービスへの対応、脆弱性対応が難しくなっていきます。
他社が構築したEC-CUBEサイトの改修を依頼する場合、制作会社は現状の調査から入ります。見積もりの前に、使っているEC-CUBEのバージョン、過去に加えた独自カスタマイズやプラグインの範囲、サーバー環境を伝えられると、調査がスムーズに進みます。
独自改変が多いサイトほど改修の難度が上がるため、改修・移行の実績がある会社を選ぶことが大切です。本記事で紹介する会社の中には、バージョンアップや他カートからの移行支援をサービスとして明示している会社もあります。各社の改修・移行への対応は、比較表の「改修・移行・バージョンアップ」欄で確認できます。
公開後の保守・運用まで見据えると、改修して終わりではなく、EC-CUBE本体やプラグインのアップデート、セキュリティ対応を継続して任せられるかも確認しておきたい点です。改修を機に、保守の体制もあわせて相談しておくと安心です。
基幹・在庫・受発注システム連携とBtoB ECの技術要件
ここからは、ASP型サービスでは対応しきれない独自要件を、EC-CUBEでどう実現するかという技術面の論点を整理します。オープンソースであるEC-CUBEは、こうした作り込みの自由度の高さが選ばれる理由の一つです。
基幹システムや在庫管理、受発注システムとEC-CUBEをつなぐ場合、発注前に整理しておきたいのは連携の設計です。確認したいのは、連携の方式(APIによるリアルタイム連携か、CSVなどのバッチ連携か)、連携するデータの種類(在庫数・受注・会員・価格)、更新の頻度の3点。これらを整理しておくと、制作会社との認識合わせが早く進みます。
リアルタイムでの在庫同期が必要な業態では、連携の設計次第で運用の手間が大きく変わるため、同種の連携実績がある会社を選ぶのが安全です。
BtoB ECでは、取引先ごとの掛け率や専用価格の表示、掛け払い(請求書払い)への対応、承認フローや発注単位の制御など、BtoC向けのECとは異なる要件が加わります。EC-CUBEはこうした機能を独自開発で組み込めますが、その分、BtoB特有の商習慣を理解した設計力が問われます。
商品点数や会員数が多い大規模サイトでは、表示速度やデータベースの設計、将来の拡張を見据えた構成も重要な確認ポイントです。見積もり依頼の際は、こうした要件を具体的に伝え、どこまで標準で対応でき、どこからが追加開発になるのかを確認してください。
なお、取引先別の価格設定や掛け払い、基幹システム連携といったBtoBの要件を標準機能として備えた専用プラットフォームを使う選択肢もあります。EC-CUBEでの独自開発と、BtoB専用製品の導入とを費用や対応範囲で見比べたい場合は、主要製品を横並びにした以下の記事が判断材料になります。
BtoB向けECプラットフォーム比較25選|取引先別価格・掛け払い・基幹連携と費用で選ぶ
取引先から届くFAXと電話の注文を、担当者が基幹システムへ手入力していないでしょうか。繁忙期には入力が追いつかず、桁の打ち間違いや商品コードの取り違えが起きやすくなります。取引先ごとに掛け率も最低ロットも違うため、価格表を紙とExcelで管…
EC-CUBEとASP(Shopify等)はどちらが自社に合うか
制作会社を選ぶ前に、そもそもEC-CUBEで作るべきか、ShopifyなどのASP型サービスで作るべきかを迷っている方に向けて、両者の違いと選び分けの考え方を整理します。

EC-CUBEはオープンソースのECパッケージで、ソースコードが公開され、パッケージ本体は無償で利用できます。ソースを自由に改変できるため、独自の業務フローや他システムとの連携など、作り込みの自由度が高いことが最大の特徴です。公式には、国内で35,000店舗以上が稼働し、累計ダウンロードは180万を超えると公表されています。
一方で、サーバーの用意や保守、セキュリティ対応は自社または制作会社の責任で行う必要があり、公開後も一定の運用体制が求められます。
出典・参考資料(3件)
- 出典:EC-CUBE(README・動作確認環境)|株式会社イーシーキューブ(https://github.com/EC-CUBE/ec-cube)
- 出典:EC-CUBE 開発ドキュメント(動作環境)|株式会社イーシーキューブ(https://doc4.ec-cube.net/quickstart/requirement)
- 出典:EC-CUBEとは(導入実績)|株式会社イーシーキューブ(https://www.ec-cube.co.jp/)
ShopifyなどのASP型サービスは、月額料金を払ってクラウド上のサービスを利用する形で、サーバー管理やセキュリティ対応は提供元が担います。短期間・低コストで立ち上げやすく運用負荷も軽い反面、カスタマイズはサービスが用意した範囲に制約されます。独自の業務要件やBtoBの複雑な取引条件には対応しきれない場合があります。
選び分けの目安としては、独自の業務フローや基幹連携、BtoB対応など作り込みが必要で、運用体制を確保できるならEC-CUBEが向きます。逆に、まずは早く・手軽に始めたい、運用の手間を抑えたいという場合はASP型が候補になります。この判断は、構築方式全体を比較する記事でさらに詳しく整理しているので、手段がまだ固まっていない方はそちらもあわせてご検討ください。
比較検討の結果、EC-CUBEではなくShopifyなどのASP型で進めると決めた場合は、次に構築を任せる制作会社の選び方が論点になります。Shopifyの制作会社を得意領域や費用で比較したい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
失敗しないEC-CUBE制作会社への発注の進め方
最後に、制作会社を決めてから発注するまでの進め方を、実務の流れに沿って整理します。準備を整えてから相談に入ると、見積もりの精度が上がり、会社ごとの比較もしやすくなります。
EC-CUBE制作会社へ依頼した方がよいケース
EC-CUBEは自由度が高い反面、構築・運用には専門知識が必要です。社内に開発者がいない、独自のカスタマイズや基幹連携を実現したい、既存サイトのバージョンアップや移行が必要、といった場合は制作会社へ依頼するのが現実的です。逆に、標準機能だけで小規模に始めたい場合は、ASP型サービスで自社構築する選択肢も比較検討するとよいでしょう。
相談前に整理しておくこと(要件整理チェックリスト)
相談前に次の点を整理しておくと、各社から精度の高い見積もりを受け取れます。
- 新規構築か、既存サイトの改修・移行か(既存の場合はEC-CUBEのバージョンと独自カスタマイズの範囲)
- 扱う商材・販売形態(単品通販・定期購入・BtoBなど)と想定する商品点数・会員数
- 基幹・在庫・受発注システムとの連携の要否と、連携方式・データの種類
- デザインの要望(テンプレート活用か、ブランドに合わせた独自デザインか)
- 公開後の保守・運用・集客を自社で行うか、制作会社に任せるか
- 予算の上限と、公開の希望時期
公開・リニューアル切替時の注意点
既存サイトからのリニューアルでは、公開(切替)のタイミングに注意が必要です。切り替える際は、会員データや購入履歴の移行、URL変更にともなうリダイレクト設定、決済や外部連携の動作確認を事前に済ませます。繁忙期を避けて切り替える、切替直後は監視を強めるといった運用面の段取りも、制作会社と早めに打ち合わせておくと安心です。
まとめ
EC-CUBE制作会社は、構築・カスタマイズの実績、基幹連携やBtoBへの対応力、集客・運用支援、デザイン、上流工程からの伴走といった得意領域で性格が分かれます。自社が「何を・どのバージョンで・どこまで任せたいか」を整理し、その優先順位に合う得意領域を持つ会社から候補を絞り込むのが、失敗を避ける近道です。
費用は料金を公開している会社を手がかりに予算感をつかみ、見積もりでは標準機能と追加開発の内訳まで確認しましょう。
気になる会社が見つかったら、要件を整理したうえで複数社に資料請求・相談し、提案内容と費用を見比べて発注先を決めてください。
一括ダウンロードする
よくある質問(FAQ)
Q. EC-CUBEとは何ですか?
A. EC-CUBEは、株式会社イーシーキューブが開発・提供するオープンソースのECサイト構築パッケージです。ソースコードが公開されており、パッケージ本体は無償で利用できます。独自の業務フローや他システムとの連携など作り込みの自由度が高いことが特徴で、公式には国内で35,000店舗以上が稼働し、累計ダウンロードは180万を超えると公表されています。
Q. EC-CUBEの初期費用はいくらですか?
A. EC-CUBEはパッケージ本体を無償で利用できるため、ソフトウェアのライセンス費用としての初期費用はかかりません。実際にかかるのは、制作会社に支払う設計・開発・デザインの費用と、サーバーなどの環境を用意する費用です。自社で構築せず制作会社に依頼する場合は、この制作費が費用の中心になります。
Q. EC-CUBEの制作費用はいくらくらいですか?
A. 標準的な機能での構築はおおむね数十万円台から100万円台、独自デザインの作り込みや定期購入・BtoBの仕組みを加えると200万円以上、大規模・基幹連携では400万円以上になる例もあります。EC-CUBEは本体が無償のため、費用の大半は制作会社の設計・開発にかかる人件費です。要件の幅が広く一律の相場を示しにくいので、複数社の見積もりで水準を確かめるのが確実です。
Q. EC-CUBEのカスタマイズ料金はどのくらいですか?
A. 既存のプラグインで賄える機能追加なら比較的安価に収まり、基幹システムとのAPI連携や独自の業務フローの作り込みになると開発工数が増えて高額になります。カスタマイズ費用は、標準機能やプラグインで実現できる範囲か、独自開発が必要かで大きく変わります。見積もりを受け取ったら、総額だけでなく「どこまでが標準機能で、どこからが追加開発か」の内訳を確認すると、会社ごとの費用差を正しく比べられます。
Q. 他社が制作したEC-CUBEサイトでも改修を依頼できますか?
A. 他社が構築したEC-CUBEサイトでも、改修・移行の実績がある制作会社であれば依頼できます。ただし制作会社は現状の調査から入るため、使っているEC-CUBEのバージョン、過去に加えた独自カスタマイズやプラグインの範囲、サーバー環境を伝えられると見積もりがスムーズに進みます。独自改変が多いサイトほど改修の難度が上がるため、改修・移行の実績を明示している会社を選ぶと安心です。
Q. EC-CUBEのバージョンはどれを選べばよいですか?
A. 新規構築では、現行版である4系を選ぶのが基本です。EC-CUBEは4系が現行で、公式の動作要件や開発ドキュメントも4系を対象に整備されています。旧バージョン(2系・3系)で構築した既存サイトは、新しいプラグインや決済サービスへの対応、脆弱性対応が難しくなっていくため、改修に合わせて現行系列へのバージョンアップや移行を前提に考えるとよいでしょう。
Q. EC-CUBEとShopifyではどちらを選べばよいですか?
A. 独自の業務フローや基幹連携、BtoB対応など作り込みが必要で運用体制を確保できるならEC-CUBE、早く手軽に始めたい・運用の手間を抑えたいならShopifyなどのASP型が向きます。
EC-CUBEはソースを自由に改変できる一方、サーバーの保守やセキュリティ対応を自社または制作会社が担う必要があります。ASP型はサーバー管理やセキュリティ対応を提供元が担うため運用負荷が軽い反面、カスタマイズはサービスが用意した範囲に制約されます。
Q. EC-CUBEで基幹システム連携やBtoB ECはできますか?
A. いずれもEC-CUBEで対応できます。オープンソースのEC-CUBEは、基幹・在庫・受発注システムとのAPI連携や、取引先ごとの掛け率・掛け払い(請求書払い)・承認フローといったBtoB特有の要件を独自開発で組み込めます。ただし設計・開発の専門性が高いため、同種の連携実績やBtoB ECの構築実績がある制作会社を選ぶことが重要です。
Q. EC-CUBE制作会社を選ぶときに最も重要なポイントは何ですか?
A. 構築件数の多さだけでなく、自社に近い商材・販売形態・規模のEC-CUBE構築実績があるかを確認することです。似た要件の制作経験がある会社ほど、要件定義から公開までの段取りが安定します。あわせて、自社が優先する得意領域(実績・基幹連携やBtoB・集客運用・デザイン・上流支援)に強みがあるか、公開後の保守・運用まで任せられるかも見ておくと、ミスマッチを防げます。
Q. EC-CUBEでサイトを作れば集客もできますか?
A. EC-CUBEには集客の仕組みが初めから備わっているわけではないため、サイトを公開しただけでは集客は期待できません。公開後にアクセスを集め、購入率を高めるには別途マーケティング施策が必要です。社内に運用リソースが乏しい場合は、構築だけでなく集客・運用改善まで一貫して支援できる制作会社を選ぶと、公開後の施策まで任せられます。
EC-CUBE制作会社の料金・資料を一括チェック
MCB FinTechカタログでは、ECサイト構築に対応する法人向けサービスの最新資料を無料で一括請求できます。EC-CUBEでの構築・改修を検討する際の比較材料としてご活用ください。
一括ダウンロードする
MCB FinTechカタログに掲載しませんか?
MCB FinTechカタログでは、掲載企業様を募集しています。マネックスグループの金融実務ノウハウを活かした独自の評価軸と検索設計により、導入検討者が最適なサービスを効率的に発見できる法人向け比較プラットフォームです。掲載後は管理画面から料金表や導入事例を随時更新でき、常に最新の情報を訴求可能。まずは下記フォームより、お気軽にお問い合わせください。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。
















