決算は組み終えたものの、「法人税申告書はこちらで作ってください」と言われて手が止まっていませんか。目の前の決算書とは別に、別表と呼ばれる書類が何十種類もあると聞くと、どれが申告書の本体で、何から手をつければよいのか見えにくいものです。
法人税申告書は、確定申告書の本体である別表一と、所得金額や税額の計算過程を示す数多くの明細書(別表)で構成されます。別表は付表を含めると100種類以上ありますが、すべてを作成するわけではなく、会社の状況に応じて必要なものだけを提出します。作成の順序も別表一から始めるのではなく、明細の別表を先に埋めてから本体を確定させる独特の流れをたどります。
本記事では、法人税申告書とはどんな書類かという全体像から、別表の種類と役割、作成手順と別表どうしの転記の流れ、法人税の税率、提出方法・期限・部数、最新様式の入手先までを、国税庁の公開資料とあわせて整理します。自分で作成するか、会計・申告ソフトや税理士に任せるかを判断する材料も確認できます。
目次
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法人税申告書とは?本体の別表一と明細書で構成される書類
法人税申告書とは、法人が1年間の所得(もうけ)に対する法人税額を計算し、確定した決算にもとづいて税務署へ申告するための書類一式です。確定申告書の本体である「別表一」と、所得金額や税額の計算過程を示す「別表二」以降の明細書をまとめて法人税申告書と呼びます。
注意したいのは、申告の基礎になる「所得金額」は、決算書に出てくる「利益」とは一致しない点です。会計上の利益に対し、税務上は収益を「益金」、費用を「損金」として扱い、両者の範囲が異なります。この差を調整して所得金額を導く作業を申告調整と呼び、別表四を中心に行います。
別表は付表や明細書を含めると100種類以上ありますが、すべての法人がすべてを作成するわけではありません。会社の規模・業種・適用する税法の特例に応じて、必要な別表だけを選んで作成・提出します。まず押さえるべきは、どの別表が本体で、どれが明細なのかという全体の構造です。
別表の種類と、多くの法人が作成する主要な別表
ここからは、法人税申告書を構成する別表の種類と、その中でも中心になる別表を整理します。どの別表を作成するかは会社の状況によって変わりますが、所得金額と法人税額を確定させるうえで多くの法人が作成するのが、次の5つの別表です。別表名は国税庁が公開する令和8年4月以降提供分の別表一覧の正式名称にもとづきます。
| 別表 | 正式名称(国税庁様式) | 役割 |
|---|---|---|
| 別表一 | 各事業年度の所得に係る申告書−内国法人の分 | 申告書の本体。所得金額をもとに法人税額を確定させる |
| 別表二 | 同族会社等の判定に関する明細書 | 同族会社・特定同族会社に当たるかを判定する |
| 別表四 | 所得の金額の計算に関する明細書 | 会計上の利益に申告調整を加え、課税対象の所得金額を計算する |
| 別表五(一) | 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書 | 利益積立金額・資本金等の額を管理する |
| 別表五(二) | 租税公課の納付状況等に関する明細書 | 法人税・住民税などの納付状況を整理する |
これらの5つは、所得金額と税額を確定させるために多くの法人が作成します。別表二は、同族会社に当たらない場合も、その判定の結果を示すために作成します。表で別表三が飛んでいるのは、別表三(一)が特定同族会社の留保金課税など、該当する会社だけが使う別表のためです。
このほかは、適用する制度や取引に応じて別表を追加します。たとえば、次のような取引・特例があるときに、対応する別表を作成します。
- 減価償却費がある場合:別表十六
- 交際費等がある場合:別表十五
- 受取配当等がある場合:別表八(一)
- 貸倒引当金を繰り入れる場合:別表十一
- 所得税額の控除(利子・配当などの源泉所得税)を受ける場合:別表六(一)
- 欠損金を繰り越す場合:別表七(一)
該当する取引や特例がなければ作成しない別表も多く、実際に必要な別表は会社ごとに異なります。
別表の正式名称と様式は、国税庁の別表一覧で確認できます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:令和8年4月以降に提供した法人税等各種別表関係|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2026/01.htm)
令和8年4月1日以後に開始する事業年度からは、所得に対する法人税を課される法人に防衛特別法人税の申告義務も生じ、その申告は法人税申告書と一体の様式で行います。この新しい税については後半の提出の章で改めて触れます。
法人税申告書の作成手順と別表の転記の流れ
ここからは、別表を実際にどの順番で作成するかを確認します。法人税申告書は本体の別表一から書き始めるのではなく、所得金額と税額の計算を担う明細の別表を先に埋め、最後に別表一で法人税額を確定させるのが基本の流れです。別表どうしが数値を転記し合うため、順序を外すと計算が合わなくなります。全体像は次の図のとおりです。

- 確定した決算書(損益計算書・貸借対照表)と勘定科目内訳明細書など、計算の土台になる書類を用意する
- 別表二で同族会社・特定同族会社に当たるかを確認する(同族会社は、上位3順位の株主グループが発行済株式の50%超を保有するかなどで判定する)
- 税額控除や特例の明細(別表六以降)を作成し、その結果を別表四に集約する
- 別表四で会計上の利益に申告調整を加え、課税対象の所得金額を計算する
- 欠損金がある場合は別表七(一)で繰越・損金算入を処理し、別表四に反映する
- 別表五(一)で利益積立金額・資本金等の額の期首からの繰越を整理する
- 確定した所得金額をもとに、別表一で法人税額を確定させる
- 確定した法人税額を別表五(一)(二)に反映し、別表間の整合を確認する
所得金額を計算する別表四から別表一へ、さらに税額を別表五へ戻すという転記の往復があるため、別表一は全体のほぼ最後に確定します。別表の番号順ではなく、計算の流れに沿って埋めていくのがポイントです。
法人税の税率と地方法人税の整理
別表一で法人税額を確定させる際に使うのが法人税率です。所得金額に税率を乗じて税額を計算する部分は、別表一に付属する別表一次葉(次葉)で行います。税率は会社の区分と所得金額によって変わり、中小法人には軽減税率が設けられています。あわせて、法人税額を課税標準とする地方法人税も申告します。令和8年4月1日現在の主な税率は次のとおりです。
| 区分 | 所得金額など | 税率 |
|---|---|---|
| 資本金1億円以下の法人など(中小法人) | 年800万円以下の部分 | 15%(適用除外事業者は19%) |
| 同上 | 年800万円超の部分 | 23.20% |
| 上記以外の普通法人 | 所得金額 | 23.20% |
| 地方法人税(別税目) | 課税標準法人税額 | 10.3% |
地方法人税は、法人税額(課税標準法人税額)に10.3%を乗じて計算する国税で、法人税とは別の税目です。法人税申告書別表一と一体の様式で申告します。中小法人の軽減税率は、所得金額が年10億円を超える事業年度では年800万円以下の部分の税率が17%になるなどの例外もあります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:No.5759 法人税の税率|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5759.htm)
- 出典:地方法人税の税率の改正のお知らせ|国税庁(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/chihou_hojin/01.htm)
作成するときの注意点と添付書類
別表がそろったら、提出に向けて添付書類も準備します。作成にあたっては、自社に関係のない別表まで作る必要はなく、適用する特例や取引の有無から作成する別表を先に洗い出しておくと、抜け漏れと無駄の両方を防げます。
主な添付書類
法人税申告書には、別表のほかに決算の内容を示す書類を添付します。国税庁が様式を公開している主な添付書類は次のとおりです。
- 決算報告書(損益計算書・貸借対照表など。会社が作成)
- 勘定科目内訳明細書
- 法人事業概況説明書(税務署所管法人用)または会社事業概況書(調査課所管法人用)
- 適用額明細書(租税特別措置法の特例を適用する場合。適用を受けない法人は不要)
このほか、税理士が関与する場合は税務代理権限証書を添付します。勘定科目内訳明細書・法人事業概況説明書・適用額明細書の様式は、国税庁の申告書別表等のページからダウンロードできます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/01.htm)
提出方法・提出期限・提出部数
別表と添付書類がそろったら、税務署へ提出します。ここでは「どこへ・いつまでに・どうやって・何部」という手続きの基本を確認します。提出先は納税地を所轄する税務署長です。
提出方法の3通り
提出方法は、原則として電子申告(e-Tax)で、書面での提出も認められています。
- e-Taxで電子データとして提出する(原則)
- 書面を郵送または信書便で送付する(通信日付印の日が提出日)
- 書面を税務署へ直接持参する
提出期限は事業年度終了の翌日から2か月以内
確定申告書の提出期限は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。これは法人税法第74条第1項に定められています。
内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
出典:法人税法 第七十四条第一項|e-Gov法令検索
提出期限が土曜・日曜・祝日などに当たる場合は、これらの日の翌日が期限になります。期限の延長が認められている場合は、その延長された期限が適用されます。
提出部数と大法人の電子申告義務
書面で提出する場合は、通常、税務署へ提出する正本に加えて自社で保管する控えを用意します。提出する部数は資本金の規模によって変わる取り扱いがあるため、当期の資本金をもとに、税務署から送付される申告書用紙の案内で確認してください。部数は法令や国税庁ウェブで明示された公式の数値ではなく、送付用紙の案内にもとづく実務上の取り扱いです。なお、e-Taxで提出する場合は紙の部数は問題になりません。
また、事業年度開始時の資本金の額が1億円を超える大法人は、e-Taxによる電子申告が義務づけられており、書面での提出は原則できません。そのため大法人では、紙の部数そのものが問題になりません。
内国法人のうち、その事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額(以下「資本金の額等」といいます。)が1億円を超える法人
出典:大法人の電子申告の義務化について|e-Tax
出典・参考資料(1件)
- 出典:C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/01.htm)
令和8年新設の防衛特別法人税
令和8年4月1日以後に開始する事業年度からは、防衛特別法人税の申告も必要になります。所得に対する法人税を課される法人が納税義務者となり、課税標準法人税額に4%を乗じて計算します(年500万円の基礎控除あり)。申告書は法人税・地方法人税と一体の様式で、税額が0でも申告は必要です。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:防衛特別法人税が創設されました|国税庁(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0025004-109_1.pdf)
期限後申告のペナルティと申告期限の延長特例
提出期限を過ぎると、本来の税額に加えてペナルティが生じます。一方で、一定の事情がある法人は申告期限を延長できる制度もあります。それぞれの要点を確認します。
無申告加算税・延滞税・重加算税
期限までに申告しなかった場合、無申告加算税が課されます。原則は納付すべき税額の15%(50万円を超える部分は20%、300万円を超える部分は30%)で、税務調査の通知を受ける前に自主的に期限後申告をした場合は5%に軽減されます。仮装や隠蔽があった場合は、無申告加算税に代えて重加算税(40%)が課されます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:加算税制度(国税通則法)の改正のあらまし|国税庁(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/kasan.pdf)
加えて、納付が遅れた期間に応じて延滞税がかかります。延滞税の割合は年ごとに変動し、令和8年中は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、それ以降が年9.1%です(原則はそれぞれ年7.3%・年14.6%で、軽減特例が適用されています)。
出典・参考資料(1件)
- 出典:No.9205 延滞税について|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm)
申告期限の延長特例
定款の定めなどにより、決算日から2か月以内に決算が確定しない常況にある法人は、申請により申告期限を原則1か月延長できます。会計監査人を置き、定款などで3か月以内に定時総会が招集されない常況にある場合は、申請によりさらに長い期間(最長4か月)の延長が認められることもあります。延長はあくまで申告期限についてのもので、納税の期限は別に考える必要があります。
出典・参考資料(1件)
- 出典:法人税法 第七十五条の二|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034)
法人税申告書の様式の入手先
別表や添付書類の様式は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。注意したいのは、別表の様式は事業年度に応じて提供時期ごとに分かれている点です。国税庁の「法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)」のページでは、様式が次のように年度区分で並んでいます。
- 令和8年4月以降に提供した別表関係(令和8年4月1日以後終了事業年度等分)
- 令和7年4月から令和8年3月の間に提供した別表関係(令和7年4月1日以後終了事業年度等分)
- 以降、過去の年度区分が続く
自社の事業年度がどの区分に当たるかを確認したうえで、該当する年度の様式を選びましょう。古い年度の様式を使うと記載欄や様式が現在と異なる場合があるため、最新の提供分かどうかを必ず確かめてください。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:C1-1 法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告(法人税申告書別表等)|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/01.htm)
自分で作成・会計/申告ソフト・税理士依頼の選び方
法人税申告書は、自分で作成する、会計・申告ソフトを使う、税理士に依頼する、という3つの進め方があります。どれを選ぶかは、取引の複雑さと、ミスが生じたときの影響の大きさで判断します。
取引がシンプルで別表の数が少ない会社は、申告書作成ソフトを使えば自社で完結しやすくなります。別表どうしの転記や税額計算を自動で処理できるため、手計算より転記ミスを抑えられます。一方、特殊な取引や複数の特例が絡む場合、グループ通算制度(企業グループ全体で損益を通算する仕組み)を適用する場合などは、判断を誤ると税額やペナルティに直結するため、税理士への依頼が安心です。
申告書作成ソフトは、製品によって対応できる別表の範囲や、使っている会計ソフトとの連携のしやすさが異なります。どの製品がどの別表に対応し、自社の会計ソフトとつながるかを見比べたい場合は、以下の記事で対応別表・連携・料金から整理しています。
記帳から決算、申告までを一連の流れでとらえると、どの範囲を自社で担い、どこを専門家やソフトに任せるかを整理しやすくなります。次の章で、記帳・決算・申告を効率化するサービスを確認します。
記帳・決算・申告を効率化する会計/申告サービス
法人税申告書の作成は、記帳・決算・申告をどうつなぐかで負担が大きく変わります。会計ソフトは記帳・決算書の作成までを担い、別表の作成そのものは同じシリーズや外部の申告ソフトとの連携で行う製品が多いため、下の比較表では各サービスが別表作成・電子申告までどう到達するかを整理しました。進め方は次の3つに分かれます。自社の体制に近いものから検討するとよいでしょう。
- 同じシリーズの会計ソフトと申告ソフトで、記帳から別表作成・電子申告まで一貫して進める
- 会計ソフトで記帳・決算を整え、申告ソフト(達人シリーズなど)と連携して申告へ橋渡しする
- 記帳から決算書・申告書の作成までを会計サービスにまとめて任せる
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| サービス名 | Tenbook(テンブック) | 弥生会計 Next | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | 勘定奉行クラウド | PCAクラウド 会計 | ジョブカン会計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 提供形態 | 会計ソフト+記帳・決算・申告の代行(アウトソーシング型) | クラウド会計ソフト | クラウド会計ソフト | クラウド会計ソフト | クラウド会計ソフト | クラウド会計ソフト | クラウド会計ソフト |
| 決算書の作成 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
| 法人税申告書・別表の作成 | 専門家が代行(別表作成・法人税申告まで) | 達人シリーズ(法人税の達人等)と連携 | 同シリーズ「freee申告」と連携 | 申告ソフトと連携(消費税申告書は本体のビジネスプランで作成可) | 申告奉行iクラウド[法人税・地方税編]と連携 | 別製品「PCAクラウド 法人税」と連携 | 申告ソフトと連携(会計・決算書の作成まで) |
| 電子申告(e-Tax) | ●(代行で申告まで) | ●(達人連携で対応) | ●(freee申告で対応) | △(連携ソフト次第) | ●(申告奉行で対応/消費税は本体) | ●(PCA法人税で対応/消費税は本体) | △(連携ソフト次第) |
| 月額費用の目安 | 29,500円〜(免税事業者)/44,500円〜(課税事業者) | 2,900円〜(エントリー年契約・税抜の月額換算) | 2,980円〜(ひとり法人・年払い・税抜) | 2,480円〜(ひとり法人・年払い・税抜) | 7,750円〜(会計本体Eシステム・税抜の月額換算) | 16,200円〜(会計・税抜) | 2,500円〜(スタートアップ3ユーザー・税抜) |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 | 0円 | 0〜70,000円(エディションによる) | 0円 | 0円 |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※各サービスの内容・料金は各社公式サイトにもとづく2026年10月時点のものです。
ここで取り上げたのは、法人税申告書の作成につながる会計・申告サービスです。記帳や決算を担う会計ソフトそのものを、会社の規模やタイプから選びたい場合は、以下の記事で選び方と料金を詳しく解説しています。導入を検討される方はこちらもご覧ください。
1. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)は、記帳から決算書・申告書の作成までをまとめて任せられるクラウド型の会計・申告サービスです。自社で別表を作成する体制がない会社でも、専門家の支援を受けながら決算・申告まで進められます。申告書の作成そのものを外部に任せたい場合の選択肢になります。
申告書の作成まで外部に一括委託するかを検討する際、どこが判断の分かれ目になるのか。同サービスを提供するシンアカウンティングサービス株式会社の上田氏は、導入相談での決め手を次のように話します。
比較検討の中で決め手になりやすいのは、経理だけで終わらず、決算書・申告書の作成や経営会議の資料作成まで含めて一貫して委託できる点だと思っています。最後まで責任範囲がつながっていることは、判断材料として分かりやすいはずです。
2. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

長く使われてきた弥生ブランドのクラウド会計が弥生会計 Nextで、法人の記帳から決算書作成までを担います。日々の取引入力や決算の整えをソフト上で完結でき、顧問税理士と同じデータを共有しながら申告へ進める運用に向きます。従来の弥生会計の操作性を引き継いでいる点も、経理の実務担当者には扱いやすい要素です。
3. freee会計(freee株式会社)

銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込んで記帳を効率化するのがfreee会計で、決算書の作成まで対応します。同じfreeeの申告ソフトと組み合わせると、決算から法人税の申告まで一貫して進められます。簿記の知識が浅い担当者でも操作しやすい設計が特徴です。
4. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計は、記帳・決算をクラウドで一元管理し、給与・請求などの周辺業務とも連携できる会計ソフトです。決算書を整えたうえで、申告ソフトとの連携により法人税の申告へつなぐ使い方ができます。バックオフィス全体をまとめて効率化したい会社に向きます。
5. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

中堅企業を中心に導入実績を重ねてきたのが勘定奉行クラウドです。同じ奉行シリーズの申告奉行クラウドと組み合わせると、記帳・決算から法人税・地方税の申告書作成、電子申告までを一連で扱えます。内部統制や部門別管理など、規模が大きくなるほど求められる機能を備えます。
6. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 会計は、仕訳入力から決算書作成までを担うクラウド会計で、同じPCAシリーズのPCA法人税と連携して申告書作成・電子申告へつなげます。製品ごとに機能が分かれており、必要な業務に応じて組み合わせられる構成が特徴です。自社の業務範囲に合わせて導入したい会社に適します。
7. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

ジョブカン会計は、記帳・決算を担う会計ソフトで、申告ソフトと連携して決算データを申告へ引き継げます。ジョブカンシリーズの勤怠・経費などと組み合わせて使える点も、管理部門の業務をまとめたい会社には利点です。コストを抑えて会計基盤を整えたい場合の候補になります。
まとめ
法人税申告書は、本体の別表一と、所得金額・税額の計算を担う別表二以降の明細書で構成されます。すべての別表を作るわけではなく、会社の状況に応じて必要なものを選び、明細の別表を先に埋めてから別表一で法人税額を確定させる流れで作成します。
提出期限は事業年度終了の翌日から2か月以内で、様式は国税庁のサイトから事業年度に応じた年度区分で入手します。別表の転記や税額計算は手作業では負担が大きいため、記帳から申告までをつなぐ会計・申告ソフトや、作成そのものを任せられる会計サービスを活用すると、ミスを抑えながら効率的に進められます。自社の体制に合った進め方を、以下の比較や資料請求で見極めてみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 法人税申告書とは何ですか?
A. 法人税申告書とは、法人が1年間の所得に対する法人税額を計算し、確定した決算にもとづいて税務署へ申告するための書類一式です。確定申告書の本体である「別表一」と、所得金額や税額の計算過程を示す「別表二」以降の明細書をまとめた総称で、別表は付表を含めると100種類以上あります。ただし、すべての法人がすべてを作成するわけではなく、会社の状況に応じて必要な別表だけを選んで提出します。
Q. 法人税申告書と決算書は何が違うのですか?
A. 法人税申告書と決算書の違いは、決算書が会計上の「利益」を示す書類であるのに対し、法人税申告書は税務上の「所得」をもとに法人税額を計算・申告する書類である点です。会計上の利益と税務上の所得は範囲が異なり(所得=益金−損金)、両者の差を調整して所得金額を導く申告調整を別表四で行います。決算書(損益計算書・貸借対照表など)は法人税申告書の計算の土台になるとともに、申告書に添付して提出します。
Q. 法人税申告書で必ず提出する別表はどれですか?
A. 法人税申告書で多くの法人が必ず作成するのは、別表一・別表二・別表四・別表五(一)・別表五(二)の5つです。別表一が申告書の本体、別表四が所得金額の計算、別表五(一)(二)が利益積立金額・納付状況の管理を担い、別表二で同族会社の判定を行います。
これ以外の別表は、所得税額の控除を受ける場合の別表六(一)や欠損金を繰り越す場合の別表七(一)のように、適用する制度・取引があるときにだけ追加します。正式名称と様式は国税庁のページで確認できます。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:令和8年4月以降に提供した法人税等各種別表関係|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2026/01.htm)
Q. 法人税申告書はどの順番で作成しますか?
A. 法人税申告書は、本体の別表一からではなく、所得金額と税額を計算する明細の別表を先に埋め、最後に別表一で法人税額を確定させる順番で作成します。
具体的には、別表二で同族会社を判定し、別表六以降の明細を別表四に集約して所得金額を計算し、別表五(一)を整理したうえで別表一を確定、最後に別表五(一)(二)へ税額を転記します。別表どうしが数値を転記し合うため、番号順ではなく計算の流れに沿って進めるのがポイントです。
Q. 法人税申告書を期限までに提出しないとどうなりますか?
A. 法人税申告書の提出は法人税法第74条で義務づけられており、期限(事業年度終了の日の翌日から2か月以内)までに申告しないと、無申告加算税(原則15%、納付税額のうち50万円を超える部分は20%)や延滞税が課され、仮装・隠蔽があれば重加算税(40%)が生じます。税務調査の通知を受ける前に自主的に期限後申告をすれば、無申告加算税は5%に軽減されます。
出典・参考資料(2件)
- 出典:法人税法 第七十四条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034)
- 出典:No.9205 延滞税について|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/osirase/9205.htm)
Q. 法人税申告書の提出期限は延長できますか?
A. 法人税申告書の提出期限は、定款の定めなどにより決算が2か月以内に確定しない常況にある法人が申請すれば、原則1か月延長できます。会計監査人を置くなど一定の要件を満たす場合は、さらに長い期間(最長4か月)の延長が認められることもあります。ただし延長されるのは申告期限であり、納税の期限は別に考える必要がある点に注意してください。
出典・参考資料(1件)
- 出典:法人税法 第七十五条の二(確定申告書の提出期限の延長の特例)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000034)
Q. 法人税申告書は自分で作成できますか?
A. 法人税申告書は自分で作成することもできますが、取引がシンプルで作成する別表が少ない会社は申告ソフトの活用、特殊な取引や複数の特例が絡む会社は税理士への依頼が現実的です。別表は数値を相互に転記し、1か所の誤りが税額やペナルティに直結するため、手計算は負担とミスのリスクが大きくなります。申告ソフトを使えば別表の転記や税額計算を自動化でき、記帳から決算・電子申告までを一貫して進められます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















