学校法人の会計を、手書きの帳簿や古いパッケージソフト、表計算ソフトで続けていて、決算期のたびに資金収支計算書や事業活動収支計算書の作成に追われていないでしょうか。令和7年4月1日には改正学校法人会計基準が施行され、計算書類の様式やセグメント情報の扱いが変わりました。新基準に対応し、自法人の規模や業務に合う会計ソフトへ切り替えたいという声が増えています。
一方で、学校法人向けの会計ソフトは、学校法人会計基準に専用対応した製品から、幅広い業種で使われる汎用クラウド会計まで幅があり、どれが自法人に合うのか判断に迷いがちです。汎用のクラウド会計で足りるのか、それとも学校法人専用のソフトが要るのか。何を基準に比べれば失敗しないのでしょうか。
本記事では、学校法人向けの会計ソフトを「学校法人会計基準に対応した専用ソフト」「業種特化版を持つ会計ベンダーの製品」「汎用クラウド会計」の3タイプに分けて比較します。汎用会計ソフトと専用ソフトのどちらを選ぶべきかを自法人の形態から判断する考え方と、改正学校法人会計基準(令和7年4月施行)への各製品の対応状況を軸に整理しました。
学校法人の経理・財務・事務の担当者が、資料請求する候補を絞り込む材料としてご活用ください。
また、自法人の規模や現状に合うソフトのタイプを絞り込める選定診断ツールも本記事内に用意しています。
目次
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本記事の対象範囲
この記事では、幼稚園・認定こども園・保育所から高校・大学・専門学校まで、学校法人が自法人の会計に使う会計ソフトを対象に比較します。
学校法人会計基準にもとづく計算書類(資金収支計算書・事業活動収支計算書・貸借対照表)の作成に対応する専用ソフト、汎用の会計基盤に学校法人向けの版やオプションを備える会計ベンダーの製品、そして学校法人会計基準への標準対応は製品により異なる汎用クラウド会計の3タイプを取り上げます。
学校法人格ではなく、塾・スクールなどを運営する株式会社の会計ソフトを探している場合や、学校法人会計基準にこだわらず会計ソフト全般から比べたい場合は、クラウド会計ソフト全体を扱った次の記事のほうが選びやすいことがあります。規模やタイプ別の選び方・料金を横断的に比較しているので、本記事の絞り込みが自法人の要件と合わないと感じたときの出発点としてご覧ください。
学校法人会計とは?企業会計との違いと令和7年4月改正の要点
会計ソフトを選ぶ前提として、学校法人会計の特徴と、令和7年4月に施行された改正の要点を押さえます。
学校法人会計は、私立学校法第101条にもとづく文部科学省令「学校法人会計基準」に従って行う会計です。企業の会計が損益の計算を中心に据えるのに対し、学校法人会計は、学校法人が教育研究活動を継続するために必要な資産をどう維持し、資金をどう使ったかを明らかにすることに重きを置きます。学校法人会計基準では、作成すべき計算書類が次のように定められています。
法第百三条第二項の規定により学校法人が作成しなければならない各会計年度に係る計算書類は、次に掲げるものとする。一 貸借対照表 二 次に掲げる収支計算書 イ 事業活動収支計算書 ロ 資金収支計算書及び資金収支計算書に基づき作成する活動区分資金収支計算書
出典:学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)第16条|e-Gov法令検索
資金収支計算書は、現金やいつでも引き出せる預貯金といった支払資金の収入・支出のてん末を表します。事業活動収支計算書は、その年度に消費する資産の取得価額や用役の対価にもとづいて計算し、後述する基本金への組入額を控除したうえで収支の均衡を示します。資金の動きと、年度に対応する活動の収支という二つの面から財政状態を見るのが、学校法人会計の大きな特徴です。
企業会計には無い学校法人会計固有の概念が「基本金」です。学校法人会計基準は基本金を次のように定めています。
学校法人が、その諸活動の計画に基づき必要な資産を継続的に保持するために維持すべきものとして、その事業活動収入のうちから組み入れた金額を基本金とする。
出典:学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)第12条|e-Gov法令検索
基本金は、設立当初や規模拡大のために取得した固定資産に相当する第1号基本金から、文部科学大臣が別に定める額を恒常的に保持する第4号基本金まで、第13条で4つに区分されています。事業活動収入のうちから基本金を組み入れる処理は、企業会計の損益計算には無い学校法人会計特有のもので、会計ソフトがこの組入れや明細の管理に対応しているかが選定上の分かれ目になります。
ここまでに挙げた計算書類と、企業会計にない基本金の位置づけを整理すると、次のとおりです。

そして、令和7年4月1日には改正学校法人会計基準が施行されました。文部科学省は改正の背景を次のように説明しています。
私立学校法の一部を改正する法律(令和5年法律第21号)により、補助金の適正配分を主な目的として私立学校振興助成法に位置づけられていた学校法人会計基準は、ガバナンス強化の観点から、ステークホルダーへの情報開示を主な目的とする基準として、私立学校法に位置づけられたことを踏まえ、各種規定を整備する。
出典:学校法人会計基準の改正について(解説資料)|文部科学省
改正では、これまで計算書類として求めていた事業活動収支内訳表・資金収支内訳表・人件費支出内訳表が学校法人会計基準から外され、代わりに学校・附属施設などの部門別の状況を示すセグメント情報が注記として整理されました。令和7年度(2025年度)の計算書類から新基準が適用されるため、導入や乗り換えを検討するなら、候補のソフトが改正後の様式に対応しているか、いつ対応したかを確認しておく必要があります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:学校法人会計基準(昭和46年文部省令第18号)第12条・第13条・第16条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/346M50000080018)
- 出典:学校法人会計基準の改正について(解説資料)|文部科学省(https://www.mext.go.jp/content/20250626-mxt_sigsanji-000038973_01.pdf)
学校法人が専用の会計ソフトを導入するメリット
学校法人会計基準に対応した会計ソフトを使う最大の利点は、資金収支計算書・事業活動収支計算書・貸借対照表といった計算書類を、基準に沿った様式で作成できることです。基本金の組入れや取崩し、固定資産明細書・借入金明細書・基本金明細書といった附属明細書の作成まで、学校法人会計の型に沿って処理できます。
仕訳の自動化や証憑データの取り込みに対応した製品であれば、手入力の負担や転記ミスを減らせます。学校・学部・施設ごとの部門別管理や、補助金の対象・対象外の区分、共通費用の按分といった学校法人特有の実務を会計ソフト側で扱えると、決算や所轄庁への提出書類の作成も進めやすくなります。改正のような制度変更があっても、ベンダーが様式の更新に対応していれば、自法人で様式を作り直す手間を抑えられます。
汎用クラウド会計で足りるか、学校法人専用ソフトが必要か
ここからは、多くの担当者が最初に迷う「汎用のクラウド会計ソフトで足りるのか、学校法人専用のソフトが要るのか」という問いを、自法人の形態から整理します。
判断の分かれ目は、自法人が学校法人会計基準にもとづく計算書類の作成を求められるかどうかです。学校法人格を持ち、学校法人会計基準に沿った資金収支計算書・事業活動収支計算書・貸借対照表を作成する必要があるなら、これらの様式や基本金の組入れを標準で扱える専用ソフト、または会計ベンダーが用意する学校法人向けの版が現実的な選択肢になります。
汎用のクラウド会計ソフトは、複式簿記にもとづく仕訳から試算表・決算書を作る用途では広く使われています。ただし学校法人会計基準が定める計算書類は、基本金の組入れや事業活動収支の活動区分といった固有の構造を含むため、汎用の会計ソフトが標準でそのまま出力できるとは限りません。
学校法人会計基準への対応は製品や契約内容により異なり、対応していない場合もあるため、導入前に対応範囲を確認することが欠かせません。
一方で、学習塾やスクールなどを運営する株式会社で、学校法人会計基準による計算書類の作成が求められないのであれば、汎用のクラウド会計ソフトで日々の記帳から決算までを完結できるケースが多くなります。まずは自法人が学校法人会計基準の適用対象かどうかを確認し、そのうえで専用ソフトか汎用ソフトかを検討するのが、遠回りのない進め方です。
この判断の流れを図にすると、次のようになります。

学校法人向け会計ソフトの製品タイプ(3分類)
学校法人向けの会計ソフトは、学校法人会計基準への対応のしかたで大きく3つのタイプに分けられます。自法人がどのタイプを選ぶべきか、まず全体像を押さえておきましょう。
| タイプ | 特徴 | 向いている法人 | 該当する主なサービス |
|---|---|---|---|
| 学校法人会計基準に対応した専用ソフト | 学校法人会計基準にもとづく計算書類や基本金・按分・補助金管理を標準で扱える、学校法人専用に設計された製品。幼稚園から大学まで校種を問わず導入されている。 | 学校法人格を持ち、学校法人会計基準に沿った計算書類の作成が必要な法人 | レーザー学校会計、TOMAS-PS、パワフル会計「学校」、学校法人らくらく会計 |
| 業種特化版を持つ会計ベンダーの製品 | 汎用の会計システムを提供するベンダーが、学校法人向けの版やオプションを用意している製品。既存の会計基盤やサポート網を学校法人会計に広げている。 | 既存のベンダー製品やクラウド基盤を活かしつつ学校法人会計に対応したい法人 | TKC FX2学校法人会計クラウド、MJS 学校法人会計 |
| 汎用クラウド会計(学校法人会計基準は要確認) | 幅広い業種で使われるクラウド会計ソフト。簿記の知識が浅くても使いやすい一方、学校法人会計基準の計算書類への標準対応は製品により異なる。 | 学校法人会計基準の適用対象でない法人や、塾・スクール運営の株式会社など | 弥生会計 Next、freee会計、マネーフォワード クラウド会計 |
どのタイプに該当する製品があるかは、このあとの比較表と各製品の紹介で具体的に見ていきます。自法人が学校法人会計基準の適用対象なら上の2タイプ、そうでなければ汎用クラウド会計を中心に検討するのが出発点になります。
学校法人向け会計ソフトの費用相場
ここでは、学校法人向け会計ソフトの費用の考え方と、おおよその桁感を整理します。製品ごとの実額は、このあとの比較表と各製品の紹介で確認してください。
学校法人向けの会計ソフトは、提供形態によって費用のかかり方が変わります。パソコンにインストールして使う買い切り・年額型の製品では、小規模法人向けのものでおおむね年額数万円から、機能や対象規模が広がると年額数十万円規模になります。小規模向けの専用ソフトには、年額数万円台でバージョンアップやサポートを含むものもあります(具体額は比較表を参照してください)。
一方、専用ソフトや会計ベンダーの学校法人向け製品、クラウド型の製品では、料金を公表せず「要お問い合わせ」としているものが少なくありません。導入する学校の規模、部門数、必要なオプション、サポート内容によって見積りが変わるためです。
初期の導入費用や設定支援費用、保守料が別途かかる場合もあるので、年間の総額で比べることが大切です。費用は時期によって改定されるため、検討時に各製品の最新の料金を確認してください。
学校法人向け会計ソフトの選び方
ここからは、学校法人向けの会計ソフトを比べるときに押さえておきたい観点を、選定基準ごとに解説します。自法人の状況に当てはめて、候補を絞り込む手がかりにしてください。
改正学校法人会計基準(令和7年4月施行)に対応しているか
令和7年度の計算書類から改正学校法人会計基準が適用されるため、候補のソフトが改正後の様式に対応しているかは最優先で確認したい観点です。製品によっては「令和7年度版に対応済み」と明記しているものもあれば、対応時期をあらかじめ告知しているものもあります。いつの時点で、どの計算書類・様式の改正に対応するのかを、各提供元の公表情報やサポート窓口で確かめておくと、導入後の様式の作り直しを避けられます。
特に、改正への対応を公式に明記していない製品は、資料請求や問い合わせの際に「令和7年度(2025年度)の計算書類の様式に対応済みか」「対応の時期はいつか」を確認しておくと安心です。
按分・基本金・補助金・部門別管理(セグメント情報)など学校法人特有の処理に対応しているか
学校法人会計には、基本金の組入れ・取崩し、学校や学部・施設ごとの部門別管理、補助金の対象・対象外の区分、共通費用の按分といった固有の処理があります。これらを会計ソフト側で扱えるかどうかで、決算や所轄庁への提出書類づくりの手間が大きく変わります。
自法人で特に負担の重い処理(たとえば複数の学校・施設を持つ法人なら部門別管理とセグメント情報)を洗い出し、その処理に候補が対応しているかを軸に比べると、過不足のない選定につながります。
他の学校法人への導入実績があるか
学校法人会計は専門性が高いため、同じ規模・校種の学校法人での導入実績は、安心して任せられるかを測る目安になります。幼稚園・認定こども園が中心の製品もあれば、大学・専門学校を含む大規模法人での実績を訴求する製品もあります。自法人に近い法人での実績があるか、導入後のサポートや運用の事例が示されているかを確認しておくと、導入後のつまずきを減らせます。
提供形態(クラウド型・インストール型)はどちらが合うか
学校法人向けの会計ソフトには、パソコンにインストールして使うタイプと、クラウドで利用するタイプがあります。インストール型はローカルにデータを保持するため通信環境に左右されにくい一方、クラウド型は複数の拠点や担当者からアクセスしやすく、ソフトの更新やバックアップをベンダー側で担える利点があります。
複数キャンパスや在宅での作業があるか、情報システムの運用体制はどうかを踏まえて、自法人に合う形態を選びましょう。
操作性とサポート体制は十分か
経理の専任担当者が少ない学校法人では、簿記の知識が浅い担当者でも入力できる操作性や、導入時の初期設定支援・日常の問い合わせ対応が重要になります。電話・メール・リモート接続などのサポート手段と受付時間、導入時の訪問指導や研修の有無、保守契約に何が含まれるかを確認しましょう。担当者の異動が多い現場ほど、マニュアルや講習が整っているかが運用の定着を左右します。
既存システム(学費・給与・資産管理など)と連携できるか
学校法人では、会計のほかに学費管理・給与計算・固定資産管理といった業務システムを使っていることが多く、これらと会計ソフトが連携できると、二重入力やデータの突き合わせの手間を減らせます。同じベンダーが関連システムを揃えている製品もあれば、他社システムのデータ取り込みに対応する製品もあります。すでに使っているシステムや、今後そろえたい業務範囲を踏まえて、連携のしやすさを確認しておきましょう。
法人・園の形態(幼稚園・認定こども園・大学など)に合っているか
ひとくちに学校法人といっても、幼稚園のみを運営する小規模な法人から、認定こども園、専門学校、複数の大学・学部を持つ大規模法人まで形態はさまざまです。認定こども園のように、学校法人会計と社会福祉法人会計など複数の会計が関わる場合もあります。
自法人の形態で必要になる会計基準や管理単位をまず確かめ、その範囲に合う製品を選ぶことが、過不足のないソフト選びの前提になります。幼稚園・認定こども園を主対象にうたう製品と、大学・専門学校を含む大規模法人向けの製品では、得意とする規模が異なる点にも注意します。
認定こども園のように学校法人会計と社会福祉法人会計の両方が関わる場合は、社会福祉法人会計にも対応または連携できるかを候補ごとに確認するとよいでしょう。小規模向けの専用ソフトには、認定こども園への対応を明記しているものもあります。
学校法人向け会計ソフトの導入時の注意点
ここでは、製品を選んだ後、実際に導入・運用する段階でつまずきやすい点を整理します。選び方の観点とあわせて、導入計画を立てる際の参考にしてください。
まず、既存データの移行と初期設定に一定の工数がかかります。これまで使っていた帳簿やソフトの勘定科目・部門・基本金の残高を新しいソフトへ移す作業は、年度の区切りに合わせて計画的に進める必要があります。移行支援を提供するベンダーもあるため、どこまで自法人で行い、どこを支援に任せるかを導入前に取り決めておくと安心です。
次に、現場の担当者が操作に慣れるまでの時間と、運用の定着です。経理の担当者が少ない学校法人では、導入直後に操作が難しいと旧来のやり方に戻ってしまいがちです。初期の研修やマニュアル、問い合わせ対応を活用し、無理のない範囲で段階的に移行するのが現実的です。あわせて、改正学校法人会計基準のような制度変更に、ベンダーが継続して様式更新で対応していくかどうかも、長く使ううえで見落とせません。
ここまでの選び方をふまえても自法人にどのタイプが合うか迷うときは、いくつかの質問に答えるだけで適したタイプと製品を絞り込める診断ツールをご利用ください。
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【比較表】学校法人向け会計ソフトを比べる
ここまでの選び方の観点をふまえ、学校法人向けの会計ソフトを横並びで比較します。学校法人会計基準への対応、改正学校法人会計基準(令和7年4月施行)への対応状況、提供形態、料金、導入実績、基本金・按分・補助金といった特有処理への対応を一覧にまとめました。
| サービス名 | レーザー学校会計 | TOMAS-PS | パワフル会計「学校」 | 学校法人らくらく会計 | TKC FX2学校法人会計クラウド | MJS 学校法人会計 | 弥生会計 Next | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| タイプ | 専用ソフト | 専用ソフト | 専用ソフト | 専用ソフト | 会計ベンダーの学校法人版 | 会計ベンダーの学校法人版 | 汎用クラウド会計 | 汎用クラウド会計 | 汎用クラウド会計 |
| 学校法人会計基準対応 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | 要確認(標準対応の明示なし) | 要確認(標準対応の明示なし) | 要確認(標準対応の明示なし) |
| 改正学校法人会計基準(令和7年4月)対応 | 要確認(公式明示なし) | 要確認(公式明示なし) | 要確認(公式明示なし) | ●2026年に対応を告知 | ●令和7年4月1日施行に準拠 | △ACELINK NX-CEは対応/MJSLINK DXは令和8年1月頃予定 | 要確認(学校法人会計基準の標準対応は製品により異なる) | 要確認(学校法人会計基準の標準対応は製品により異なる) | 要確認(学校法人会計基準の標準対応は製品により異なる) |
| 提供形態 | インストール型 (クラウドオプションあり) | クラウド/インストール型 | クラウド/インストール型 | インストール型 (Windows) | クラウド | 要確認(公式記載なし) | クラウド | クラウド | クラウド |
| 料金 | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 77,000円/年(税込) | 要お問い合わせ | 要お問い合わせ | 年34,800円〜(税抜) 初期費用0円 | 月2,980円〜(年払い・税抜) 初期費用0円 | 月2,480円〜(年払い・税抜) 初期費用0円 |
| 導入実績 | 3,000校超 (公式訴求・時点記載なし) | 高校・大学で実績訴求 (具体数は非公表) | 全国180法人 (時点記載なし) | 公式記載なし | FXクラウドシリーズ累計33.5万社 (学校法人版単独は非公表) | 公式記載なし | 弥生シリーズ登録350万超 (学校法人実績は非公表) | 有料課金ユーザー71万超(個人含む) (学校法人実績は非公表) | クラウド累計10万社超 (学校法人実績は非公表) |
| 基本金・按分・補助金・部門別対応 | 個別機能の公式明示なし(要確認) | 基本金の自動計算・明細表、按分3種、補助金(実績報告)、部門別に対応 | 学部学科・行事・補助金対象/対象外の部門別管理に対応 按分はオプション、基本金は公式明示なし | 基本金明細表・部門登録・認定こども園に対応 按分は説明書に記載、補助金の専用機能は明示なし | 部門別管理(会計単位)・配賦(按分)・補助活動・予算に対応 基本金の明示は要確認 | 部門別管理(学部別等)・補正予算(最大14回)に対応 基本金・補助金は公式明示なし | 基本金・按分・補助金など学校法人特有の処理は標準では備えない(要確認) (汎用の部門管理に対応) | 基本金・按分・補助金など学校法人特有の処理は標準では備えない(要確認) (汎用の部門管理に対応) | 基本金・按分・補助金など学校法人特有の処理は標準では備えない(要確認) (部門別損益はビジネスプラン) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
※料金・機能・対応状況は2026年10月時点の各社公式サイトの公表情報にもとづきます。「要お問い合わせ」は公式が料金を公開していないもの、「要確認」は公式での明示が確認できなかったものです。料金の税抜・税込の別はセルに記載しています。改正学校法人会計基準欄の「●」は対応、「△」は製品により対応が分かれることを示します。最新の情報は各社公式サイトでご確認ください。
学校法人向け会計ソフトをタイプ別に紹介
3つのタイプごとに各製品の特徴を紹介します。自法人の形態や必要な機能と照らし合わせて、候補を絞り込んでください。
学校法人会計基準に対応した専用ソフト
まずは、学校法人専用に設計され、学校法人会計基準にもとづく計算書類の作成を標準で扱える製品です。
1. レーザー学校会計(メシウス株式会社)

レーザー学校会計は、メシウス株式会社(旧グレープシティ株式会社)が提供する学校法人向けの会計システムです。1983年の発売以来の製品で、公式ページでは3,000校を超える導入実績(時点の記載なし)を掲げています。
学校法人会計基準に準拠した財務計算書類・附表・予算書の作成と印刷に対応し、入金・出金・振替・未払の伝票入力から総勘定元帳・資金収支元帳への自動転記までを扱います。消費税区分の自動反映やインボイス登録番号の照合にも対応します。
システム本体はライセンスとインストールが必要なインストール型で、オプションの〈学校会計〉プラスを使うとAI-OCRによる伝票入力や証憑の電子保存、電子承認をクラウドで行えます。料金は公式に記載がなく要お問い合わせで、改正学校法人会計基準(令和7年4月施行)への対応は公式ページで明示されていないため、改正後の様式への対応状況は提供元への確認が必要です。
2. 学校法人会計管理システム TOMAS-PS(株式会社シティアスコム)

学校法人会計管理システム TOMAS-PS は、会計管理・給与計算・学費管理の3システムで構成する学校法人向けシリーズのうち、会計を担う製品です。提供元は株式会社シティアスコムで、学校法人会計基準に準拠した会計処理に対応し、予算書・計算書・固定資産明細表を作成できます。
振替伝票形式の仕訳入力を基本とし、部門按分・科目按分・複合按分の3種類の按分(2段階按分はオプション)や、基本金の自動計算と基本金明細表の作成に対応します。補助金は実績報告に活用でき、予算編成から執行までを同一システムで一貫して管理できます。
提供形態は、小規模法人向けのスタンドアロン、中〜大規模法人向けのクライアント・サーバー、利用者側でサーバー管理の要らないクラウドの3構成から選べ、法人規模に合わせられます。料金は公式に記載がなく要お問い合わせです。改正学校法人会計基準(令和7年4月施行)への対応は公式ページで確認できないため、対応状況は提供元にお問い合わせください。
3. パワフル会計「学校」(株式会社サクセス)

株式会社サクセスのパワフル会計「学校」は、幼稚園から大学・専門学校まで学校法人全般を対象とする会計ソフトです。製品ページでは「最新の学校法人会計基準に完全準拠」とうたい、新基準に準拠した各種帳票を自動作成できると記載しています。
この「最新の学校法人会計基準に準拠」は製品ページの表現で、令和7年4月施行の改正への対応時期までは公式に明示がありません。改正後の様式に対応済みかは、資料請求や問い合わせで確認するのが確実です。
8階層の科目階層管理や、学部・学科別・行事別・補助金の対象/対象外といった部門別・目的別の管理とグルーピング集計に対応します。決算書は自動作成してExcel形式で出力でき、提供形態はオンプレミス(スタンドアロン/ネットワーク)とクラウド(サクセスクラウド)の双方から選べます。
製品ページでは全国総数180法人(時点の記載なし)の導入を挙げています。料金は公式に記載がなく要お問い合わせで、予算書作成システムなどのオプションは個別見積りです。改正学校法人会計基準(令和7年4月施行)への対応時期は公式で明示されていないため、改正後の様式への対応は提供元に確認するのが確実です。
4. 学校法人らくらく会計(有限会社シンシステムデザイン)

学校法人らくらく会計は、学校法人会計基準に対応した会計ソフトで、有限会社シンシステムデザインが開発・販売しています。Windowsにインストールして使うデスクトップ型で、複式簿記の振替仕訳を入力することで、資金収支計算書をはじめとする帳票を作成できます。
改正学校法人会計基準(2025年4月施行)への対応を公式お知らせで表明しており(2026年4月27日付)、基本金明細表の作成や部門登録、認定こども園への対応を備えます。インボイス制度の経過措置(控除割合70%)にも最新版で対応しています。
料金は年間利用料77,000円(税込)で、ソフトのバージョンアップと電話・メール・リモートでのメンテナンスを含むと公表しています。契約は年単位で、ライセンスは登録した1法人に対して発行されます。購入前に全機能を試せる体験版も用意されています。
業種特化版を持つ会計ベンダーの製品
次に、幅広い業種で使われる会計システムのベンダーが、学校法人向けの版やオプションを用意している製品です。既存のクラウド基盤やサポート網を学校法人会計に広げています。
1. TKC FX2学校法人会計クラウド(株式会社TKC)

FX2学校法人会計クラウドは、株式会社TKCが2025年7月に提供を開始した学校法人向けのクラウド会計システムです。中小企業向けのFX2クラウドと開発資産を共通化しており、製品ページでは改正学校法人会計基準(令和7年4月1日施行)に完全に準拠したと案内しています。
貸借対照表・事業活動収支計算書・資金収支計算書を作成でき、スクールバスや給食などの補助活動ごとの収支報告書も印刷できます。証憑の読み取りデータや金融機関の取引データから仕訳を自動計上し、仕訳入力時には資金収支計算書用の仕訳もあわせて作成します。配賦基準に沿った共通費用の自動配賦や、法人全体・会計単位別・部門別での収支予算実績の把握にも対応します。
提供形態はTKCのデータセンターを使うクラウドで、TKC社員が24時間365日有人で常駐監視します。FXクラウドシリーズと同じく、TKC全国会に所属する会計事務所(税理士・公認会計士)を介した導入が基本で、一般には市販されていません。料金は公式サイトに記載がないため、TKC会員事務所への相談・資料請求で確認できます。
2. MJS 学校法人会計〔MJSLINK DX/ACELINK NX-CE〕(株式会社ミロク情報サービス)

株式会社ミロク情報サービスは、既存の会計製品に学校法人向けの様式・機能(学校法人決算書)を組み合わせる形で学校法人会計に対応しています。学校法人新会計基準対応の特設ページでは、中堅・中小企業向けERPの「MJSLINK DX」や中小企業向け業務パッケージの「ACELINK NX-CE」などを学校法人会計に対応する製品として案内しています。
一度の仕訳入力で資金収支計算書・事業活動計算書・貸借対照表への仕訳を自動生成し、活動区分資金収支計算書などの計算書類も作成できます。学校法人向けの勘定科目を標準で備え、法人全体や学部別、高等部・中等部・初等部別などの部門別(セグメント)での財務諸表作成や、最大14回の補正予算に対応します。内訳表は縦型5連・横型9連で、計算書類や附属明細表はEXCEL・PDF形式で出力できます。
令和7年4月施行の改正(学校法人新会計基準)への対応は製品によって時期が分かれます。「ACELINK NX-CE」は令和7年4月適用開始の学校法人新会計基準に準拠した会計処理に対応すると案内する一方、「MJSLINK DX 財務大将」の製品ページでは同基準への対応を令和8年1月頃予定としています(2026年10月時点)。料金は公式サイトに記載がないため、個別の問い合わせが必要です。
汎用クラウド会計(学校法人会計基準は要確認)
最後に、幅広い業種で使われる汎用のクラウド会計ソフトです。学校法人会計基準の計算書類への標準対応は製品により異なるため、学校法人格の法人が検討する場合は対応範囲の確認が前提になります。塾・スクール運営の株式会社など、学校法人会計基準の適用対象でない場合の選択肢としても取り上げます。
1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

2025年4月に正式リリースされた弥生会計 Nextは、弥生株式会社が弥生会計 オンラインの後継として提供する法人向けのクラウド会計サービスです。会計に請求書発行・経費精算・証憑管理を加え、これらのデータを自動で連携させる構成で、金融機関・クレジットカードなど2,500以上のサービスと連携して取引データを取り込みます。
料金は税抜で、エントリープランが年額34,800円(月額換算2,900円)、ベーシックプランが年額50,400円、ベーシックプラスプランが年額84,000円の3プランに分かれ、初期費用は0円です。ベーシックプラス相当の機能を最大2か月試せる無料体験も用意されています(決算書の作成・出力と達人連携は体験の対象外)。
ただし公式のよくある質問ではNPO法人会計基準に対応していないと明記されており、学校法人会計基準にもとづく計算書類の標準対応はうたわれていません。学校法人格を持つ法人が検討する場合は対応範囲の確認が前提になります。塾・スクールを運営する株式会社など、学校法人会計基準の適用対象でない場合の記帳から決算までを担う選択肢です。
2. freee会計(フリー株式会社)

freee会計は、個人事業主から新設法人・中小企業、IPO準備中・上場企業までを対象とする、フリー株式会社のクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードなど1,000を超える金融機関・サービスと連携し、取引データの自動取得から仕訳、決算書の作成までを一つの画面で進められます。
ガイドに沿って仕訳を確認・承認していく設計で、簿記の経験が浅い担当者でも記帳しやすい点を公式が訴求しています。非営利向けには、試算表をNPO法人向けの決算書に変換するテンプレートや勘定科目セット・使用ガイドを無償で公開しています。
料金は税抜で、法人向けはひとり法人が月額2,980円(年払い)から、スターターが月額5,480円(年払い、従量課金別)からで、初期費用は0円、30日間の無料お試しがあります。
NPO法人会計への対応は公式に示されていますが、学校法人会計基準にもとづく計算書類への対応は公式に記載がなく、要確認です。塾・スクールを運営する株式会社など、学校法人会計基準の適用対象でない場合に、記帳から決算まで自己完結しやすい選択肢です。
3. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計は、株式会社マネーフォワードが提供する、ひとり法人から50名以下の中小企業向けのクラウド会計ソフトです。2,300以上の金融関連サービスと連携して明細を自動取得し、AIが提案する勘定科目を確認しながら仕訳を進められます。
振替伝票入力・簡単入力・仕訳帳入力の3方式に対応し、複式簿記の借方・貸方を意識して記帳したい経理担当者が自由度高く扱える点が特徴です。貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの決算書を自動で作成でき、ビジネスプランでは部門別の損益管理にも対応します。
料金は税抜で、ひとり法人が年払いで月額2,480円、ビジネスが年払いで月額6,480円からで、初期費用は0円、1か月の無料トライアルがあります。学校法人会計基準にもとづく計算書類への対応は公式に示されておらず、要確認です。複式簿記を前提に記帳したい、塾・スクールを運営する株式会社などの選択肢になります。
まとめ
学校法人向けの会計ソフトは、学校法人会計基準にもとづく計算書類・基本金・按分・部門別管理といった固有の処理に対応できるかが選定の軸になります。まず自法人が学校法人会計基準の適用対象かを確かめ、対象なら学校法人専用ソフトか会計ベンダーの学校法人向け製品を、そうでなければ汎用クラウド会計を中心に検討するのが出発点です。
そのうえで、令和7年4月施行の改正学校法人会計基準への対応状況、自法人で負担の重い処理への対応、提供形態、導入実績、サポート、既存システムとの連携を比べ、資料請求やデモで具体的に確かめていくと、自法人に合うソフトを選びやすくなります。気になる製品の資料をまとめて取り寄せ、比較検討の材料にしてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 学校法人会計とは何ですか?企業会計と何が違いますか?
A. 学校法人会計とは、私立学校法にもとづく文部科学省令「学校法人会計基準」に従って行う、学校法人のための会計です。損益の計算を中心に据える企業会計と違い、教育研究活動を続けるために必要な資産の維持と資金の使い方を明らかにすることに重きを置きます。
資金収支計算書と事業活動収支計算書という二つの計算書で財政状態を見ることや、事業活動収入のうちから「基本金」を組み入れる処理があることが、企業会計には無い学校法人会計固有の特徴です。会計ソフトがこうした計算書類の様式や基本金の組入れに対応しているかが、選定の分かれ目になります。
Q. 学校法人でもfreeeやマネーフォワードなどの汎用クラウド会計は使えますか?
A. 学校法人が汎用クラウド会計を使えるかは、学校法人会計基準にもとづく計算書類の作成が必要かどうかで分かれ、基準への対応は製品により異なるため導入前の確認が欠かせません。汎用クラウド会計は日々の記帳から決算書の作成まで広く使われますが、基本金の組入れや事業活動収支の活動区分といった学校法人会計基準固有の計算書類に標準で対応するとは限りません。
学校法人格を持ち学校法人会計基準の計算書類が必要なら、専用ソフトか会計ベンダーの学校法人向け版が現実的な選択肢です。一方、学習塾・スクールなどを運営する株式会社で学校法人会計基準の適用対象でなければ、汎用クラウド会計で記帳から決算まで完結できるケースが多くなります。
Q. 幼稚園・認定こども園だけを運営する法人でも、学校法人会計基準対応の専用ソフトは必要ですか?
A. 幼稚園・認定こども園でも、学校法人格を持ち学校法人会計基準による計算書類の作成が求められるなら、基準に対応した専用ソフトまたは会計ベンダーの学校法人向け版が必要になります。規模が小さくても、資金収支計算書・事業活動収支計算書・貸借対照表の作成や基本金の処理は基準に沿う必要があるためです。
認定こども園のように、学校法人会計と社会福祉法人会計など複数の会計が関わる場合もあります。自法人で必要になる会計基準や管理単位をまず確かめ、その範囲に合う製品を選ぶことが大切です。幼稚園・認定こども園を主対象にうたう製品もあるため、自法人の形態に近い実績があるかもあわせて確認すると選びやすくなります。
Q. 改正学校法人会計基準(令和7年4月施行)には、いつまでに対応すればよいですか?
A. 改正学校法人会計基準は令和7年度(2025年度)の計算書類から適用されるため、令和7年度決算の計算書類を作成する時点までに新基準へ対応しておく必要があります。令和7年4月1日施行で、これまで計算書類としていた事業活動収支内訳表などが基準から外れ、代わりに部門別の状況を示すセグメント情報が注記として整理されました。
導入や乗り換えを検討するなら、候補のソフトが改正後の様式に対応しているか、いつ対応したかを各提供元の公表情報やサポート窓口で確認しておくと、導入後に様式を作り直す手間を避けられます。製品によって対応時期が分かれる点にも注意が必要です。
Q. 学校法人向け会計ソフトの料金相場はどれくらいですか?
A. 学校法人向け会計ソフトの料金は、インストール型の買い切り・年額型で小規模法人向けならおおむね年額数万円から、機能や対象規模が広がると年額数十万円規模になり、専用ソフトやクラウド型では「要お問い合わせ」として見積りによる製品も少なくありません。
小規模向けの専用ソフトには、年額数万円台でバージョンアップやサポートを含むものもあります。導入する学校の規模・部門数・必要なオプション・サポート内容によって見積りが変わり、初期の導入費用や保守料が別途かかる場合もあるため、年間の総額で比べることが大切です。料金は時期によって改定されるため、検討時に各製品の最新の料金を確認してください。
Q. 学校法人向け会計ソフトはクラウド型とインストール型のどちらを選ぶべきですか?
A. 学校法人向け会計ソフトのクラウド型とインストール型は、複数拠点や在宅での作業、更新・バックアップのしやすさを重視するならクラウド型、通信環境に左右されずローカルでデータを持ちたいならインストール型が向いています。
クラウド型は複数のキャンパスや担当者からアクセスしやすく、ソフトの更新やバックアップをベンダー側が担える利点があります。インストール型はローカルにデータを保持するため通信環境に左右されにくいのが特長です。複数キャンパスや在宅作業の有無、情報システムの運用体制を踏まえて、自法人に合う形態を選びましょう。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















