代表電話や問い合わせ窓口の電話対応を自動化しようと自動音声応答システム(IVR。着信を音声ガイダンスで受け、番号入力で担当や自動応答へ振り分ける仕組み)を検討し始めると、最初に引っかかるのが「結局いくらかかるのか」という費用の見えにくさではないでしょうか。
IVRの費用は、初期費用・月額費用・従量課金(通話料や転送料、SMS送信、AI応答などの使った分だけかかる料金)の3つで構成され、提供形態(クラウド型かオンプレミス型か)と規模で大きく変わります。クラウド型なら初期費用0円・月額3,000円前後から始められる製品がある一方、大規模なコールセンター向けやオンプレミス型では初期費用が数十万円〜数千万円規模になることもあります。
この記事では、IVRの費用相場を提供形態別・規模別にまず示したうえで、初期・月額・従量課金の内訳、製品別の実額比較、契約前に見落としがちな追加費用までを整理します。数千円〜数万円といったぼかした相場ではなく、自社の規模に当てはめて概算を作り、候補を2〜3社に絞れる状態を目指します。
目次
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自動音声応答システム(IVR)の費用相場【結論】
まず結論として、IVRの費用は提供形態で大きく2つに分かれます。クラウド型はインターネット経由でサービスを利用する形態で初期費用を抑えやすく、オンプレミス型は自社に機器やソフトウェアを構築する形態で初期費用が高くなります。中小規模の受付自動化であれば、多くはクラウド型が候補になります。
| 提供形態 | 初期費用の目安 | 月額費用の目安 | 主な追加費用 | 向いている規模 |
|---|---|---|---|---|
| クラウド型(SMB向け) | 0〜30,000円程度 | 2,728〜15,000円程度 | 通話料・転送料・SMSなどの従量課金 | 代表電話の一次受け・部署振り分け |
| クラウド型(大規模・コールセンター向け) | 150,000円〜 | 25,000円〜 | 席数・チャネル数に応じた月額、通話料 | 入電量の多いコールセンター |
| オンプレミス型 | 数百万〜数千万円規模とされる | 保守・運用のランニング費用 | 機器・ソフトウェアの更新、保守人件費 | 大企業・高い機密性が必要な業務 |
クラウド型の中でも、代表電話の一次受けや部署への振り分けが目的であれば、初期費用0円・月額2,728円(税込)〜3,000円程度で始められる製品が複数あります。入電量が多く座席数やチャネル数を増やすコールセンター用途になると、月額は数万円以上に上がっていきます。
オンプレミス型は自社サーバーに構築するため、機器やソフトウェアライセンスの購入で初期費用が大きくなり、一般に数百万円〜数千万円規模とされます。導入後も保守や運用の人件費が継続してかかるため、選ぶのは大量の入電を自社設備で処理したい大企業や、外部にデータを預けにくい高機密の業務が中心です。
IVRの費用の内訳|初期費用・月額・従量課金
ここからは、IVRの費用が何で構成されるのかを初期費用・月額費用・従量課金の3つに分けて解説します。相場のレンジが広く見えるのは、この3要素の組み合わせが製品ごとに違うためです。

初期費用は、番号発行や初期設定、音声ガイダンスの初期登録にかかる費用です。クラウド型では0円の製品もあれば、30,000円程度を設定する製品もあります。オンプレミス型では機器・ソフトウェアの導入費が中心となり、桁が大きく変わります。
月額費用は、システムの基本利用料です。クラウド型では利用できる番号数・内線数・同時通話チャネル数・録音時間などがプランで決まり、月額数千円のエントリープランから、席数やチャネル数に応じて上がる大規模プランまで幅があります。
従量課金は、使った分だけかかる料金です。自動応答の着信課金、電話をオペレーターへつなぐ転送料、SMS送信料、AIによる自動応答の利用料などが該当します。月額が安く見えても、入電量が多いと従量課金が積み上がって総額が変わるため、単価まで確認しておくことが欠かせません。
従量課金の単価一覧(自動応答・転送・SMS・AI応答・着信課金)
従量課金は「あり」とだけ書かれていることが多く、単価まで公開している製品は限られます。ここでは主な課金項目ごとに、代表的な公開単価を製品名つきで示します(いずれも2026年9月時点の公式料金、特記なき場合は税抜)。
| 課金項目 | 公開単価の例 | 補足 |
|---|---|---|
| 自動応答(着信) | fondesk IVR 3円/分、IVRy 3.3円/分、コールナビゲーター 1.65円/分(予約受付プランは1.1円/分、税込) | IVRが着信を受けて音声応答する分の課金 |
| 転送(オペレーターや別番号へつなぐ) | IVRy 14.3〜82.5円/分(回線種別による)、fondesk IVR 固定13円/分・携帯28円/分、トビラフォンCloud 固定電話宛7.5円/3分・携帯宛16円/分、コールナビゲーター 固定7.7円/携帯19.8円(1分・税込)、じゃんじゃんコール 固定3分ごと+10円・携帯1分ごと+18円 | 回線種別(固定/携帯)で単価が分かれる |
| SMS送信 | トビラフォンCloud 10円/通、fondesk IVR 13円/通、IVRy・コールナビゲーター 13.2円/通、VoiceMall 50円/通 | 不在時のフォローや本人確認に使う場合に発生 |
| AI応答 | fondesk IVR AIオペレーター22円/分、トビラフォンCloud AI要約500円/5時間 | AIによる自動応答・要約はオプション課金が多い |
| 着信課金番号の通話料 | ナビダイヤル(0570)は発信者負担、フリーダイヤル(0120/0800)は着信側(企業)負担 | 番号種別で「誰が通話料を払うか」が変わる |
着信課金番号を使う場合は、通話料の負担者に注意が必要です。フリーダイヤル(0120/0800)は着信側の企業が負担し、発信者は無料です。一方、ナビダイヤル(0570)は発信者(顧客)が負担する番号で、企業のランニングコストではありません。ナビダイヤルの現行通話料は全国一律で、一般回線から8.5円(税込9.35円)/180秒、携帯から10円(税込11円)/20秒です。
ナビダイヤルの携帯電話からの発信分の通話料は、2026年10月1日に22円(税抜20円)/30秒へ改定される予定です(固定電話からの発信分は改定対象外)。顧客が携帯からかけてくる比率が高い窓口では、番号種別の選択が顧客の通話料負担にも影響する点を押さえておくとよいでしょう。
出典・参考資料(3件)
- 参考資料:ナビダイヤル通話料の改定について|NTTドコモビジネス(2026年2月10日発表)
- 参考資料:ナビダイヤル|0570【公式】|NTTドコモビジネス(公式)
- 参考資料:フリーダイヤル|0120【公式】|NTTドコモビジネス(公式)
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【製品別】自動音声応答システムの費用を比較|初期費用・月額・従量課金・無料お試し
ここからは、受付自動化に使える主な自動音声応答システムの費用を製品別に比較します。初期費用・月額・従量課金・無料お試しの有無を横断で並べ、公開されていない項目は「要問い合わせ」としています(いずれも2026年9月時点の公式料金、特記なき場合は税抜)。月額の安い順に掲載しています。
| サービス名 | コールナビゲーター | fondesk IVR | トビラフォンCloud | IVRy(アイブリー) | ソクコム | DXでんわ | じゃんじゃんコール | VoiceMall(ボイスモール) | コールコール(CallCall-IVR) | commubo(コミュボ) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円(予約受付プランのみ13,200円・税込) | 0円 | 30,000円 | 0円 | 要問い合わせ | 0円 | 30,000円 | 150,000円〜(利用シーンにより異なる) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(個別見積り) |
| 月額費用(最小プラン) | 2,728円〜(税込、シンプルプラン) | 2,980円(専用番号込み) | 3,000円〜(基本セット)+通話料 | 0円〜(フリープラン、月30着電まで無料。有料版はスターター3,980円〜) | 1,480円〜(ユーザー単位。+チャネル2,000円・サーバー5,000円〜) | 10,000円〜(ライトプラン、月100件まで込み) | 14,800円〜(基本構成) | 25,000円〜(利用シーン・タイプで幅あり) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(従量課金制) |
| 従量課金(代表単価) | 自動応答着信1.65円/分(予約受付1.1円/分) 転送 固定7.7円・携帯19.8円(1分) SMS13.2円/通 (いずれも税込) | 着信3円/分 AIオペレーター22円/分 固定転送13円/分・携帯転送28円/分 SMS13円/通 | 固定宛7.5円/3分・携帯宛16円/分 SMS10円/通 AI自動要約500円/5時間 | 自動応答3.3円/分 転送14.3〜82.5円/分 SMS13.2円/通 電話番号維持費500円〜/月 | 要問い合わせ(通話料・SMSは単価非公開) | 着信超過100円/件(ライト)〜50円/件(プレミアム) 転送料・SMS等は要問い合わせ | 転送 固定3分ごと+10円 携帯1分ごと+18円 | SMS配信50円/通 フリーダイヤル等の通話料は通信事業者から別途請求 | 要問い合わせ(フリーダイヤルの通話料は実費請求) | 要問い合わせ(インスタンス数・利用時間帯に応じ個別見積り) |
| 無料お試し・無料プラン | あり(7日間) | 設定・テストコールは無料(期間の定めなし) | あり(5日間、内線通話のみ) | フリープランあり(月30着電まで無料) | 公式に記載なし(簡易デモの案内あり) | あり(14日間、全機能) | あり(特別価格モデル限定の無料デモ) | 公式に記載なし | あり(14日間) | トライアル(PoC)あり(費用の有無は要問い合わせ) |
| 詳細情報 | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る |
各製品の料金の考え方と特徴を、費用の観点から順に紹介します。自社の入電量や必要な機能に近いものから見ていくと、候補を絞りやすくなります。
本記事は費用の観点から各サービスを整理していますが、機能やタイプ、対応できる用途や選び方まで含めて自社に合うサービスを見極めたい場合は、主要な自動音声応答システム(IVR)を横断で比較した以下の記事もあわせてご覧ください。
IVR(電話自動音声応答システム)おすすめ25選を徹底比較|タイプ・費用・選び方から自社に合うサービスを解説
営業時間内に電話が集中して取りこぼしが発生したり、用件の取り次ぎや一次対応に人手を取られていませんか。問い合わせ窓口や予約受付、注文受付などで電話対応の負担が増えると、本来の業務に割ける時間が圧迫され、つながらない電話による機会損失も生まれ…
1. コールナビゲーター(コスモバリュー株式会社)

コスモバリューが提供するコールナビゲーターは、月額2,728円(税込)のシンプルプランから導入できます。上位はライト(4,378円)、スタンダード(7,678円)、予約受付機能つき(6,028円〜)と分かれています(いずれも税込)。予約受付機能つきプランのみ、自動応答メッセージ制作費込みの初期費用13,200円(税込)がかかります。
従量課金は各プランページで公開されており、自動応答の着信が1.65円/分(予約受付プランは1.1円/分)、転送が固定7.7円・携帯19.8円(いずれも1分)、SMSが13.2円/通です。従量単価まで見積もりなしで確認できるため、月額の安さだけでなく総額を試算しやすいサービスです。
2. fondesk IVR(株式会社うるる)

電話代行サービスのfondeskが提供するIVRで、専用番号込みで初期費用0円・月額2,980円という分かりやすい料金が特徴です。解約手数料もかからないため、まず低コストで自動応答を試したい企業に向いています。
従量課金は着信が3円/分、AIオペレーターによる応対が22円/分です。無料で設定やテストコールを試せる期間が用意されており(クレジットカード登録は不要)、導入前に動作を確認しやすい点も利点です。
3. トビラフォンCloud(トビラシステムズ株式会社)

トビラフォンCloudは、050番号を使えるクラウド電話にIVR機能を備えたサービスです。初期費用30,000円、月額3,000円の基本セットに、050番号1つ・内線2つ・同時通話2チャネル・録音約100時間が含まれます。
通話料は固定電話宛が7.5円/3分、携帯電話宛が16円/分、SMS自動送信が10円/通と単価が明確です。AIによる通話要約(500円/5時間、初月から翌月末まで無償)も用意されています。5日間の無料トライアルがあり、内線通話で使い勝手を確かめられます。
4. IVRy(アイブリー)(株式会社IVRy)

画面上の操作で電話の自動応答からAIによる応対まで設定できるクラウド型のIVR・AI電話サービスが、IVRyです。初期費用は0円で、月30着電まで使えるフリープランを備えます。有料版はスターター(月額3,980円〜)、スタンダード(同6,480円〜)、アドバンス(同10,480円〜)と、機能や規模に応じて選べます(年払いでさらに割引)。
従量課金は単価まで公開されており、自動応答が3.3円/分、転送が回線種別に応じて14.3〜82.5円/分、SMSが13.2円/通、電話番号の維持費が500円〜/月です。小さく無料から試し、必要に応じてプランを上げていける段階的な料金設計が特徴です。
5. ソクコム(Foonz株式会社)

ソクコムは、必要な機能を単位ごとに積み上げて契約するクラウド電話・IVRサービスです。月額はユーザー1,480円、チャネル2,000円、サーバー利用料5,000円〜、AIエージェント10,000円、電話番号は050番号500円・0120/0800番号1,600円と、要素ごとに単価が公開されています。
使う機能だけを選んで構成できるため、必要十分な範囲でコストを組み立てたい企業に向いています。初期費用と通話の従量単価は要問い合わせのため、構成が固まった段階で見積もりを取ると総額が把握しやすくなります。
6. DXでんわ(メディアリンク株式会社)

応答件数に応じてプランを選べるのがDXでんわの特徴です。公式の比較表では、ライト(月額10,000円・100件まで無料、超過100円/件)、スタンダード(同30,000円・500件、超過60円/件)、プレミアム(同50,000円・1,000件、超過50円/件)、カスタム(要相談)の4プランが案内されています。
件数が増えるほど1件あたりの単価が下がる設計で、入電量が読める窓口では総額を見積もりやすいのが利点です。全機能を試せる14日間の無料お試しが用意されています。料金体系は改定されることがあるため、契約前に最新のプラン内容を公式で確認しておくと安心です。
7. じゃんじゃんコール(株式会社メテム)

電話の振り分けや自動応答にオプションを積み上げて構成できるのが、じゃんじゃんコールです。初期費用30,000円・月額14,800円〜で導入でき、転送は固定電話宛が3分ごとに10円、携帯電話宛が1分ごとに18円の従量課金がかかります。
基本構成とは別に、用途を絞った電話振り分けモデル(月額19,800円〜)や留守番電話モデル(月額3,980円〜)も用意されています。中規模の窓口で、複数の振り分けルールやオプションを組み合わせたい場合に検討しやすいサービスです。
8. VoiceMall(ボイスモール)(NTTテクノクロス株式会社)

VoiceMallは、大規模なコールセンターや自動受付を想定したエンタープライズ向けのIVRです。公式に費用の目安が公開されている点が特徴で、初期費用150,000円〜・月額25,000円〜を目安に、利用タイプや利用シーン(アウトバウンド、ボイスボットなど)により大きく異なります(税抜)。
SMS配信は50円/通で、フリーダイヤルなどの通信料は通信事業者から別途請求されます。相場の上限側を実額で確認できるため、大規模な入電を処理する用途で予算感をつかむ際の目安になります。最低利用席数などは要問い合わせのため、要件を伝えて見積もりを取るとよいでしょう。
9. コールコール(CallCall-IVR)(ルーシッド株式会社)

ルーシッドが提供するコールコール(CallCall-IVR)は、電話の自動応答・振り分けに対応します。料金は公式サイトでは要問い合わせで、初期費用・月額・従量単価は問い合わせのうえ見積もりを取る形です。
公式FAQによると、14日間の無料お試しがあり、最低利用期間は6ヶ月、支払いは請求書による銀行振込です。フリーダイヤルの通話料は実費請求となります。料金が公開されていないぶん、必要な機能と入電量を整理してから相談すると、総額を把握しやすくなります。
10. commubo(コミュボ)(株式会社ソフトフロントジャパン)

commubo(コミュボ)は、AIが音声で応対するボイスボット型のサービスで、定型的な問い合わせの自動化に向いています。料金は公開されておらず、インスタンス数や利用時間帯に応じた個別見積もりとなります。
導入は検討・設計のフェーズ(おおむね0.5〜2ヶ月)を経て本格運用に進む流れで、公式では最短1ヶ月での稼働開始実績が示されています。AIによる高度な自動応答を検討する場合の候補として、要件を固めたうえで見積もりを取るのが現実的です。
見落としがちな追加費用チェックリスト
月額と初期費用だけで比較すると、導入後に「聞いていない費用」が出てくることがあります。ここでは、契約前に確認しておきたい追加費用を、いつ・どのくらい発生しうるかとあわせて整理します。金額は製品・契約によって変わるため、目安として捉えてください。
- 音声ガイダンスの収録・変更費用:プロのナレーターに収録を依頼する場合や、ガイダンス内容を変更するたびに費用がかかることがあります(1本あたり数千円〜数万円が目安)。
- 電話番号の取得・維持費:新たに番号を取得する場合の発行費や、番号の月額維持費が別途かかる製品があります(例:ソクコムは050番号500円/月、0120/0800番号1,600円/月)。
- 転送料・通話料:オペレーターや別番号へつなぐたびに従量課金が発生します。回線種別(固定/携帯)で単価が変わり、入電量が多いと総額に効いてきます。
- 録音容量の超過費用:通話録音の保存容量に上限がある製品では、超過分に追加費用がかかる場合があります。
- 外部システム連携の設定費用:CRMや基幹システムとAPI連携する場合、初期の設定費やオプション料金が発生することがあります。
- 最低利用期間・解約に関する条件:最低利用期間が定められている製品では、途中解約時の扱いを確認しておく必要があります(例:CallCall-IVRは最低利用期間6ヶ月)。
これらは製品ごとに有無や金額が異なります。見積もりを取る際に、月額・初期費用に加えて「想定入電量での従量課金」と「上記の追加費用」まで含めた総額を出してもらうと、社内での比較がぶれにくくなります。
クラウド型とオンプレミス型の費用はどれだけ違うか
ここまで見てきた製品はいずれもクラウド型です。IVRにはもう一つ、自社に機器を構築するオンプレミス型があり、費用構造が大きく異なります。どちらが自社に合うかを判断するために、両者の違いを整理します。
クラウド型は、サービス事業者の設備をインターネット経由で利用するため、初期費用を抑え、月額のサブスクリプションで使うのが基本です。初期0〜30,000円程度・月額数千円から始められる製品が多く、契約後すぐに使い始められます。設備の保守は事業者側が行うため、運用の手間も小さく済みます。
オンプレミス型は、自社サーバーに機器やソフトウェアを構築するため、機器・ライセンスの購入費として高額な初期費用が発生します。一般に初期費用は数百万円〜数千万円規模とされ、導入後も保守・運用の人件費や機器更新のランニング費用が継続してかかります。
どちらを選ぶかは、初期費用の負担だけでなく「自社の要件がクラウド型で満たせるか」で判断すると整理しやすくなります。次の条件を目安にしてください。
- クラウド型で十分なケース:代表電話や問い合わせ窓口の一次受け・振り分けが目的で、入電量が月数百〜数千件規模。初期費用を抑えて早く始めたい。
- オンプレミス型を検討するケース:大量の入電を自社設備で処理したい、顧客情報を外部に預けられない高い機密性が求められる、既存の構内交換機(PBX)と密に連携したい。
オンプレミス型は初期費用が大きいぶん、数年スパンで見ると保守・運用の人件費や機器更新費が積み上がります。クラウド型と比べるときは、初期費用だけでなく数年間のランニングを含めた総額で見ておくと、判断を誤りにくくなります。オンプレミス型の相場は公的な一次情報が乏しく、ここで示した数百万円〜数千万円という水準は業界メディアの解説による一般的な目安です。
出典・参考資料(1件)
- 参考資料:IVRの費用相場|NTT東日本(解説記事)
IVRの費用を抑えるコツと規模別の選び方
最後に、費用を抑えるための考え方と、規模別の総額イメージを紹介します。ここは断定的な結論ではなく、自社の状況に当てはめて判断するための材料として活用してください。
従量課金と固定料金の損益分岐|無料お試し・フリープランの活用
費用を左右する大きな要素が、入電量に対する従量課金と固定料金のバランスです。入電量が少ない窓口では、月額が安く従量課金で使った分だけ払う製品が総額を抑えやすくなります。一方、入電量が多く安定している窓口では、応答件数が月額に含まれるプランや、件数が増えるほど単価が下がるプランのほうが、従量課金の積み上がりを抑えられます。
どちらが得かは、想定する月間の入電量と各社の単価を突き合わせて試算するのが確実です。たとえば入電が月100件・平均通話2分なら、fondesk IVRは月額2,980円+着信料約600円で月3,600円程度、同じ条件をDXでんわのライトプラン(月額10,000円・月100件込み)で受けると月10,000円です。
この規模では従量型が割安ですが、入電量が増えるほど件数込みの定額型との差は縮まります。分岐点は各社の単価と自社の入電量で変わるため、想定件数で両方を試算するのが確実です。
判断に迷う場合は、無料お試しやフリープランで実際の入電量を計測してから本契約に進むと、過不足のないプランを選びやすくなります。IVRyは月30着電まで無料のフリープランを持ち、fondesk IVR・トビラフォンCloud・DXでんわ・CallCall-IVRは無料お試し期間を設けています。
規模別の費用総額イメージと選び方(小規模/中規模/コールセンター)
自社の規模に当てはめて総額をイメージできるよう、3つの規模別に費用の目安と考え方を示します。いずれも従量課金は入電量で変動するため、月額+想定入電量での従量を合算して試算してください。

- 小規模(代表電話の一次受け・簡単な振り分け):初期0〜30,000円+月額3,000〜5,000円程度が目安。fondesk IVR(初期0円・月額2,980円)、トビラフォンCloud(初期30,000円・月額3,000円)、コールナビゲーター(月額2,728円〜)などが候補です。試算例として、月100件・平均通話2分をfondesk IVRで受けると月額2,980円+着信料約600円で月3,600円程度になります。
- 中規模(部署振り分け・複数回線・SMS通知など):月額10,000〜30,000円程度+従量が目安。DXでんわ(月額10,000円〜)、じゃんじゃんコール(初期30,000円・月額14,800円〜)、ソクコム(機能ごとの積み上げ)などが選択肢です。試算例として、月500件をDXでんわのスタンダード(月額30,000円・500件込み)で受けると月30,000円程度、超過分は1件60円で加算されます。
- コールセンター・大規模:初期150,000円〜・月額25,000円〜、または要問い合わせが中心。VoiceMall(初期150,000円〜・月額25,000円〜)や、AI応答を含める場合のcommubo・CallCall-IVR(いずれも見積もり)などが候補です。大規模では席数・チャネル数で費用が変動するため、想定規模を伝えて見積もりを取るのが前提になります。
規模が上がるほど従量課金や席数・チャネル数の影響が大きくなるため、月額だけでなく「想定入電量での総額」で比較することが、導入判断の材料づくりにつながります。
まとめ|自社の入電量に当てはめて総額で比較する
自動音声応答システムの費用は、初期費用・月額・従量課金の3つで構成され、提供形態と規模で大きく変わります。中小規模の受付自動化であれば、初期0〜30,000円・月額2,728円〜から始められるクラウド型が現実的な候補です。月額の安さだけで選ばず、想定入電量での従量課金と見落としがちな追加費用まで含めた総額で比べることが、社内での比較検討で納得を得ることにつながります。
気になる製品が見つかったら、複数社の資料をまとめて取り寄せ、料金プランや機能を並べて比較するのが近道です。MCB FinTechカタログでは、掲載中の自動音声応答システムの資料を無料でまとめて請求できます。
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自動音声応答システムの費用に関するよくある質問(FAQ)
Q. 自動音声応答システム(IVR)とは何ですか?
A. 自動音声応答システム(IVR)とは、かかってきた電話に音声ガイダンスを自動で流し、発信者の番号入力に応じて担当部署や自動応答へ振り分ける仕組みです。代表電話や問い合わせ窓口の一次対応を自動化でき、営業時間外の取りこぼし防止や取次ぎ負担の軽減に使われます。近年は、AIが音声で応対するボイスボット型のサービスも広がっています。
Q. 自動音声応答システム(IVR)の費用相場はどれくらいですか?
A. 自動音声応答システム(IVR)の費用相場は、クラウド型で初期費用0〜30,000円程度・月額3,000〜15,000円程度、オンプレミス型で初期費用が数百万〜数千万円規模とされます。クラウド型は中小規模の受付自動化に向き、入電量の多いコールセンター用途になると月額は数万円以上に上がります。金額はいずれも2026年9月時点の各社の公開料金(税抜)と、一般的な目安に基づきます。
Q. 自動音声応答システム(IVR)の初期費用と月額費用の目安は?
A. クラウド型なら初期費用0円・月額2,728円(税込)程度から始められる製品があります。コールナビゲーターは月額2,728円(税込)、fondesk IVRは初期0円・月額2,980円、トビラフォンCloudは初期30,000円・月額3,000円からです。代表電話の一次受けなら月額3,000〜5,000円程度、中規模では10,000〜30,000円程度が目安です(2026年9月時点、税抜)。
Q. 自動音声応答システム(IVR)の従量課金はどう見ればよいですか?
A. 月額の安さだけでなく、自動応答・転送・SMS・AI応答の単価に想定入電量を掛けた「総額」で見るのが要点です。従量課金は使った分だけかかり、月額が安くても入電量が多いと総額が膨らみます。公開単価の例は自動応答1.65〜3.3円/分(コールナビゲーターの予約受付プランは1.1円/分)、転送は固定7.5円/3分〜・携帯16円/分〜、SMS10〜50円/通程度です(2026年9月時点)。
Q. 自動音声応答システム(IVR)に無料お試しやフリープランはありますか?
A. 月30着電まで使えるフリープランや、5〜14日間の無料お試しを設ける製品があります。IVRyは月30着電までのフリープランを持ち、fondesk IVR・トビラフォンCloud(5日間)・DXでんわ(14日間)・CallCall-IVR(14日間)が無料お試しを用意しています。本契約前に無料の範囲で実際の入電量を計測すると、過不足のないプランを選びやすくなります。
Q. 自動音声応答システム(IVR)はクラウド型とオンプレミス型でどれだけ費用が違いますか?
A. 初期費用の桁が異なり、クラウド型は初期0〜30,000円程度、オンプレミス型は数百万〜数千万円規模とされます。クラウド型は事業者の設備をネット経由で使うため初期を抑えられ、月額制で運用します。オンプレミス型は自社に機器を構築するため初期が高く、保守・運用費も継続します。中小規模の受付自動化ではクラウド型が第一候補です。
Q. 自動音声応答システム(IVR)で見落としがちな追加費用は何ですか?
A. 音声ガイダンスの収録・変更費、電話番号の取得・維持費、転送料・通話料、録音容量の超過費、外部連携の設定費、最低利用期間・解約条件が見落としやすい費用です。音声ガイダンス収録は1本数千円〜数万円、番号維持費は月数百円〜、最低利用期間6ヶ月といった例があります。見積もりでは月額・初期費用に加え、想定入電量での従量課金とこれらの追加費用まで含めた総額を出してもらうと安心です。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















