支払期日を過ぎても取引先や顧客から入金がないとき、相手にどう連絡を入れればよいか迷う場面は少なくありません。強く催促して関係を損ねたくない一方で、曖昧な連絡では支払ってもらえないという板挟みが、督促連絡を後回しにさせる大きな要因です。
督促連絡は、文面のトーン・送る手段(メール・電話・SMS・書面)・送るタイミングと段階の上げ方を押さえれば、角を立てずに回収へつなげられます。相手の状況に合わせて一手ずつ踏み込む設計が、関係維持と回収の両立を支えます。
本記事では、そのまま差し替えて使える督促連絡の例文を手段・段階別にそろえて解説します。どの手段をいつ・何回目に・どこまで使うかの一枚マップ、やってはいけない督促、払われないときの法的手段(内容証明・支払督促・少額訴訟)まで実務に沿って扱います。毎回の文面作成や督促の電話が負担になっている場合に、手間を仕組みで減らす選択肢も紹介します。
まずは自社のケースに近い例文から確認し、今日出す督促連絡の一本を仕上げていきましょう。
目次
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督促連絡とは?催促・督促・催告(催告書)の違い
督促連絡とは、支払期日を過ぎても入金されない相手に対して、支払いを求める連絡を入れることです。まず、自分がいまどの段階にいるのかを言葉の違いで整理すると、連絡のトーンを選びやすくなります。
「催促」「督促」「催告」は、支払いを求める点では同じですが、踏み込みの強さと意味合いが異なります。一般には、やわらかく支払いをうながすのが「催促」、履行を強くうながすのが「督促」、そして法的な効果を意識して正式に支払いを求めるのが「催告」と使い分けられます。
- 催促:期日前のリマインドや、期日直後のやわらかい確認。関係を保ちながら気づきをうながす段階です。
- 督促:期日を過ぎて入金がない状態で、支払いを明確に求める段階。文面も事務的・明確になります。
- 催告(催告書):支払いを正式に求める意思表示。内容証明郵便で送ると、催告した事実と内容を記録に残せます。催告には民法上の効果があり、くわしくは後半の「次の一手」で解説します。
自社のケースが、まだ気づいていないだけの行き違いなのか、期日後の明確な督促段階なのか、何度も無視されて正式な催告に進む場面なのかで、選ぶ手段と文面のトーンが変わります。次章では、段階ごとにそのまま使える例文をそろえました。
【段階・手段別】督促連絡の書き方とそのまま使える例文集
ここからは、督促連絡の書き方と、自社の情報を差し替えればそのまま送れる例文を段階・手段別に紹介します。送る前の確認と書き方のポイントを押さえてから、各段階の例文に進みます。
督促連絡を送る前に確認すること(行き違い・自社の記帳/送信ミス)
督促連絡を送る前に、未入金が本当に相手の未払いによるものかを確かめておきましょう。自社側の記帳漏れや確認漏れで督促してしまうと、関係を損ねる原因になります。
- 入金がすでに着金していないか、消込の漏れや別口座への入金がないかを確認する
- 請求書を正しく発行・送付できているか、送付先や宛名に誤りがないかを確認する
- 相手からの支払い連絡や質問のメールが、見落としや迷惑メールフォルダに埋もれていないかを確認する
角を立てずに督促連絡を書くポイント(件名・クッション言葉・催促理由)
督促連絡は、相手を責めるのではなく、事実を正確に伝えて支払いという行動をうながすことが目的です。次のポイントを押さえると、角を立てずに要件が伝わります。
- 件名で用件を一目で伝える:「【お支払いのご確認】請求書No.○○」のように、何の連絡かがすぐ分かる件名にします。
- 行き違いを前提にしたクッション言葉を添える:「本メールと行き違いでお手続き済みの際はご容赦ください」の一文で、相手の面子を保ちます。
- 請求内容と期日を具体的に書く:請求金額・支払期日・振込先・問い合わせ先を明記し、相手がすぐ行動に移せる状態にします。
初回のやわらかいリマインド(メール)
期日直後やその前後は、行き違いの可能性を前提にやわらかく確認します。相手がうっかり失念していただけのケースも多いため、まずは気づきをうながすトーンが適切です。
件名:【お支払いのご確認】請求書No.○○(○月分)
株式会社○○
△△ご担当者様
いつもお世話になっております。株式会社□□の△△でございます。
○月○日付でお送りした請求書No.○○(金額:○○○,○○○円、お支払期日:○月○日)につきまして、本日時点でご入金の確認ができておりませんでした。
お手続きの行き違いやご確認中の場合は、本メールをご容赦ください。ご不明点がございましたら、下記までお気軽にお問い合わせください。
お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
期日後の入金催促メール
初回のリマインドでも入金がない場合は、支払期日を過ぎている事実と、新たな支払期限を明確に伝えます。事務的でありながら、支払いを求める意思がはっきり伝わる文面にします。
件名:【再送】請求書No.○○のお支払いについて(○月○日期日)
株式会社○○
△△ご担当者様
お世話になっております。株式会社□□の△△でございます。
○月○日付・請求書No.○○(金額:○○○,○○○円)につきまして、お支払期日の○月○日を過ぎてもご入金の確認ができておりません。
つきましては、お手数ですが○月○日までに下記口座へお振り込みくださいますようお願い申し上げます。
振込先:□□銀行 △△支店 普通 ○○○○○○○
すでにお振り込み済みの場合は恐れ入りますがご一報ください。ご不明点があればご連絡をお願いいたします。
2回目以降の再督促メール
複数回連絡しても反応がない場合は、これまでの経緯を事実として示し、支払いがないと次の対応に進む旨を伝えます。感情的な表現は避け、淡々と事実と期限を並べます。
件名:【重要】請求書No.○○のお支払いに関するお願い
株式会社○○
△△ご担当者様
お世話になっております。株式会社□□の△△でございます。
○月○日付・請求書No.○○(金額:○○○,○○○円)につきまして、○月○日および○月○日にご連絡いたしましたが、本日時点でご入金・ご回答ともに確認できておりません。
○月○日までにご入金いただけない場合は、書面でのご連絡など、次の手続きを検討せざるを得ません。本意ではございませんので、まずはご状況をお知らせいただけますと幸いです。
電話で催促するときのトークスクリプト
電話はメールより相手の状況を直接確認でき、支払い意思や事情を聞き取れる手段です。一方で言い方次第で強く響くため、事実確認と依頼に徹するスクリプトを用意しておくと、担当者ごとのばらつきや精神的な負担を減らせます。
「お世話になっております。株式会社□□の△△と申します。経理のご担当者様はいらっしゃいますでしょうか。」
(担当者へ)「○月○日付でお送りした請求書No.○○、金額○○○,○○○円の件でご連絡いたしました。お支払期日の○月○日を過ぎているようでしたので、ご状況を確認させていただきたくお電話いたしました。」
(相手の事情を聞く)「承知いたしました。差し支えなければ、お支払いのめどを教えていただけますでしょうか。」
(着地)「それでは○月○日までにお振り込みをお願いできますでしょうか。行き違いでお支払い済みでしたら恐れ入ります。お忙しいところありがとうございました。」
通話後は、日時・相手の氏名・約束した支払予定日をメールやメモで記録し、言った・言わないのトラブルを防ぎます。
SMSで送る短い督促文
SMSは携帯電話番号あてに短文を送る手段で、メールより開封されやすく、電話より心理的な負担が軽いのが特徴です。文字数が限られるため、要件と連絡先を簡潔にまとめます。個人の携帯あてに送る場合は、相手に配慮した表現を選びます。
【□□株式会社】○月分のお支払い(○○○,○○○円)が確認できておりません。お手数ですが○月○日までにお振り込みをお願いいたします。ご不明点は○○-○○○○-○○○○まで。行き違いの際はご容赦ください。
SMSでの督促は、送ってよい時間帯の考え方や個人あてに送るときの配慮など、ほかの手段とは少し違う注意点があります。違法にならない送り方のルールや場面別の例文をまとめて確認したい場合は、次の記事が参考になります。
SMS督促のやり方とは?違法にならない送り方・時間帯のルールと使える例文を解説
支払い期日を過ぎても入金がなく、電話をかけてもつながらない、督促状を郵送しても開封された形跡がない。未収金がそのまま滞留し、担当者の手が回らなくなる場面は少なくありません。 こうした状況で使われているのが、携帯電話番号あてにショートメッセー…
最終催告・督促状の書面例(記載すべき項目)
メールや電話で反応がない場合は、書面で正式に支払いを求めます。書面は記録に残り、相手に本気度が伝わります。まずは督促状として送り、これが最後の通知であれば「支払いがなければ法的手段を検討する」旨を加えて最終催告とします。
送った事実と内容を確実に記録へ残したい場合は、内容証明郵便(催告書)で送る方法があります(くわしくは後述の「督促しても支払われないときの次の一手」で解説します)。督促状には次の項目を漏れなく記載します。
- 発行日、宛先(相手の会社名・担当者名)、差出人(自社名・連絡先)
- 請求の内容(取引日・請求書番号・請求金額)と、当初の支払期日
- 新たな支払期限と振込先
- 期限までに支払いがない場合に法的手段を検討する旨(最終催告の場合)
- 契約や法律にもとづく遅延損害金を請求する場合は、その旨と金額(または算定方法)
督促状
令和○年○月○日
株式会社○○ 御中
株式会社□□
東京都○○区○○ TEL ○○-○○○○-○○○○
下記のとおり、お支払期日を経過してもご入金が確認できておりません。つきましては、令和○年○月○日までに下記口座へお振り込みくださいますようお願い申し上げます。
なお、本状と行き違いにお支払い済みの場合は、何卒ご容赦ください。
(最終催告として送る場合)万一、上記期日までにお支払いが確認できないときは、やむを得ず法的手段を検討いたします。
記
一、請求書番号:No.○○(令和○年○月○日付)
一、請求金額:金○○○,○○○円
一、当初支払期日:令和○年○月○日
一、振込先:□□銀行 △△支店 普通 ○○○○○○○
以上
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督促連絡の手段と段階の使い分け(手段×段階の一枚マップ)
督促連絡は、手段ごとの特徴と、段階に応じた踏み込み方を組み合わせて使い分けると、関係を保ちながら回収につなげられます。ここでは手段の性質と、いつ・何回目にどの手段を使うかの目安を整理します。
段階ごとに使う手段と踏み込み方の全体像は、次のとおりです。

督促連絡の手段別の特徴(メール・電話・SMS・書面)
督促連絡の主な手段は、メール・電話・SMS・書面の4つです。到達のしやすさ、記録の残り方、コスト、相手への心理的な響き方が異なるため、段階や相手に合わせて選びます。
| メール | 電話 | SMS | 書面(督促状・催告書) | |
|---|---|---|---|---|
| 記録の残りやすさ | 文面が残る | 別途メモが必要 | 送信履歴が残る | 証拠として残せる |
| 相手への心理的な響き | やわらかい | 強く伝わる | 開封されやすい | 正式・強い |
| コストの目安 | ほぼ無料 | 通話料・手間 | 1通十数円〜 | 郵送費・手間 |
| 向いている段階 | 初回リマインド〜督促 | 督促(事情確認) | 初回リマインド〜督促 | 最終催告 |
各手段の特徴は一般的な実務の目安です。
いつ・何回目に・どこまで踏み込む?督促連絡の段階の上げ方
督促連絡は、一度で強く出るのではなく、反応がないたびに段階を一つずつ上げるのが基本です。次のマップは、段階ごとに使う手段とトーンの一般的な目安です。相手との関係や金額に応じて調整します。
| 初回リマインド | 督促 | 再督促 | 最終催告 | 法的手段 | |
|---|---|---|---|---|---|
| タイミングの目安 | 期日の前後〜翌日 | 数日後〜1週間後 | 1〜2週間後 | 2週間〜1か月後 | 催告後も支払いなし |
| 主な手段 | メール・SMS | メール・電話・SMS | 電話・メール | 書面(内容証明) | 支払督促・少額訴訟など |
| 伝えること | 行き違いを前提に、やわらかく入金を確認する | 期日超過の事実と新たな支払期限を明確に伝える | これまでの経緯を示し、状況の回答を求める | 最終期限と、法的手段を検討する旨を正式に伝える | 裁判所の手続きで回収を図る |
タイミングは一般的な実務の目安であり、相手や金額に応じて調整します。
督促連絡でやってはいけないこと(時間帯・頻度・第三者への告知・取立ての限度)
督促連絡は、正当な権利の行使であっても、やり方を誤ると相手との関係を壊し、場合によっては法的な問題になります。次の4点は避けるべき行為として押さえておきます。
常識を外れた時間帯の連絡は避けます。深夜や早朝に電話やSMSを送る、休日に何度も連絡するといった行為は、相手に威圧と受け取られます。連絡は相手の業務時間内を基本とし、社会通念上の常識的な時間帯に行います。
過度な頻度での連絡は控えます。反応がないからといって一日に何度も電話やメールを繰り返すと、嫌がらせと受け取られかねません。段階を踏んで一定の間隔を空け、記録に残る形で冷静に連絡します。
第三者に未払いの事実を知らせることは避けます。相手の取引先や家族など、支払義務のない第三者に借りや未払いの事実を伝える行為は、相手の信用やプライバシーを害します。連絡はあくまで支払義務のある相手本人(担当部署)に限ります。
威迫や脅しは行いません。大声で責める、害を加えるような言動をとるといった取立ては、度を越えれば脅迫罪・強要罪・恐喝罪など刑法上の犯罪に当たるおそれがあります(刑法第222条・第223条・第249条)。督促連絡は事実の提示と支払いの依頼にとどめます。
また、貸金業者による取立てには、貸金業法が深夜・早朝の連絡や第三者への告知などを明確に禁じています。この規制は貸金業を営む者の貸付債権を対象としたもので、事業者間の売掛金を自社で督促する場合に直接は適用されませんが、節度の目安として参考になります。
(取立て行為の規制)第二十一条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。出典:貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二十一条|e-Gov法令検索
出典・参考資料(2件)
- 参考資料:貸金業法 第二十一条(取立て行為の規制)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/358AC1000000032)
- 参考資料:刑法 第二百二十二条・第二百二十三条・第二百四十九条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045)
督促しても支払われないときの次の一手(内容証明=催告書・支払督促・少額訴訟)
督促連絡を重ねても支払われない場合は、正式な手続きへ進みます。ここでは、書面で正式に請求する内容証明郵便(催告書)と、裁判所を通じた支払督促・少額訴訟の3つを解説します。金額や相手の状況に応じて選びます。
内容証明郵便(催告書)で正式に請求する
催告書を内容証明郵便で送ると、いつ・どんな内容の文書を誰から誰あてに送ったかを郵便局が証明します。証明されるのは文書の存在であり、記載内容が正しいこと自体を証明するものではありません。配達証明を付ければ、相手に配達された事実も記録に残せます。
一般書留郵便物の内容文書について証明するサービスです。いつ、いかなる内容の文書を誰から誰あてに差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって当社が証明する制度です。当社が証明するものは内容文書の存在であり、文書の内容が真実であるかどうかを証明するものではありません。出典:内容証明|日本郵便
催告書を送る実務上の意味は、支払いを求めた事実を証拠として残せる点にあります。加えて、支払いを求める「催告」には民法上の効果があります。催告があったときは、その時から6か月を経過するまでの間は時効が完成しません。
ただし、これは時効の完成を一定期間先延ばしにする効果(完成猶予)であり、時効の進行をリセットするものではありません。猶予期間中に再び催告しても、重ねて効果が生じることはありません。
第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)第百五十条|e-Gov法令検索
出典・参考資料(3件)
- 出典:内容証明|日本郵便(https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html)
- 出典:配達証明|日本郵便(https://www.post.japanpost.jp/service/send/domestic/option/haitatsu/)
- 出典:民法 第百五十条(催告による時効の完成猶予)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
支払督促を申し立てる(裁判所)
支払督促は、裁判所を通じて支払いを求める手続きです。相手の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てます。通常の訴訟より手続きが簡易で、金額の上限もありません。
金銭、有価証券、その他の代替物の給付に係る請求について、債権者の申立てにより、その主張から請求に理由があると認められる場合に、支払督促を発する手続であり、債務者が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議の申立てをしなければ、裁判所は、債権者の申立てにより、支払督促に仮執行宣言を付さなければならず、債権者はこれに基づいて強制執行の申立てをすることができます。出典:支払督促|裁判所
相手が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てなければ、仮執行宣言を経て強制執行に進めます。一方、相手が異議を申し立てると、請求額に応じて通常の民事訴訟へ移行します。
出典・参考資料(2件)
- 出典:支払督促|裁判所(https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_22/index.html)
- 参考資料:民事訴訟法 第三百八十二条・第三百八十六条・第三百九十五条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109)
少額訴訟を起こす
少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に使える、簡易な裁判手続きです。原則として1回の審理で判決が出るため、少額の売掛金を早期に解決したい場面に向いています。
民事訴訟のうち、60万円以下の金銭の支払を求める訴えについて、原則として1回の審理で紛争解決を図る手続です。出典:少額訴訟|裁判所
同じ簡易裁判所で少額訴訟を利用できる回数は、1人につき年間10回までとされています(裁判所の案内)。また、相手の申立てや裁判所の判断で通常の訴訟に移行することもあります。金額が60万円を超える場合や、争いが複雑な場合は、通常訴訟や弁護士への相談を検討します。
出典・参考資料(2件)
- 出典:少額訴訟|裁判所(https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_02/index.html)
- 参考資料:民事訴訟法 第三百六十八条|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109)
督促連絡の手間と心理的負担を仕組みで減らす
督促連絡は、相手ごとに文面を作り、送り、入金を確認し、反応がなければ次の手段へ進める、という手間のかかる業務です。未入金先が増えるほど手作業は追いつかず、督促の電話は担当者の精神的な負担にもなります。
こうした負担は、SMSの一斉送信や自動架電、メール・電話・SMS・書面を段階に応じて自動実行する仕組みで軽減できます。ここでは、督促連絡のチャネルそのものを効率化・自動化するサービスを紹介します。自社がどの手段で滞っているか(文面作成か、架電か、多チャネルの運用か)を基準に選ぶと、合うサービスが絞り込めます。
| サービス名 | DHKクラウドオートコール | オーロラSMS by メディアSMS | KDDI Message Cast | SMSマルチPay | 債権回収ロボ | Lecto |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 督促の手段・タイプ | 自動架電(オートコール・IVR)+SMS | SMS一斉配信 | SMS+RCS一斉配信(フォールバック自動切替) | SMS通知+オンライン決済(請求・未収金回収) | 多チャネル段階自動実行(メール・SMS・オートコール・郵送) | 多チャネル督促自動化(メール・SMS・IVR・書面) |
| 主な機能 | 自動音声で未入金者へ一斉架電 応答結果に応じSMS・メール送信/転送 債権管理システムとAPI連携 | テンプレ一括登録・予約送信・再送信・短縮URL 双方向SMS 文面設計・運用改善まで伴走支援 | 共通番号0005でキャリア4社に直接接続 予約配信・双方向SMS Salesforce/ServiceNow連携 | 支払い通知SMS+ユーザー個別の決済URL発行 25種類のマルチ決済 督促連携(未入金リマインド)・入金ステータス管理 | 督促シナリオを設計し自動実行 督促状の印刷・封入・投函を自動化 催促スケジュール最適化(特許出願)・履歴一元管理 | 手段・頻度・文言をグループ別に自動送信 入金管理・消込・督促/交渉履歴の自動記録 ダッシュボード分析 |
| 料金の目安 | 初期・月額とも50,000円〜(月1,000件まで。超過分は応答課金) | 初期・月額0円+送信従量(単価は要問い合わせ) | 初期・月額0円+SMS到達課金(単価・RCSは要問い合わせ) | 初期20,000円〜・月額0円+送信20円〜/件(決済手数料別途) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(基本料+督促数の従量) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | 公式資料を見る | オンライン相談を予約 | サービス詳細を見る |
1. DHKクラウドオートコール(株式会社電話放送局)

DHKクラウドオートコールは、こちらから電話をかける業務を自動音声応答(IVR)で自動化する自動架電サービスです。未入金者への入金コールを無人で一斉に実行でき、オペレーターによる架電の手間と精神的な負担を軽減します。
自動音声での案内に加え、応答結果に応じたSMS送信やメール送信、コールセンターへの転送も組み合わせられます。料金は初期費用・月額費用ともに50,000円からで、月額には月間1,000件までの応答が含まれ、1,001件目からは固定電話21円・携帯電話32円の応答課金型です(2026年9月時点)。オペレーターやハガキによる督促と比べ、架電にかかる工程を効率化できます。
督促の架電を自動化するにあたっては、どこまでを自動化し、相手にどう届けるかの設計が欠かせません。この点について、提供元の電話放送局は次のように述べています。

入金案内や督促は、伝える内容が定型化しやすい一方で、案内の仕方によってはトラブルや苦情につながりやすい業務です。一方で、入金コールは人が案内する場合と比べて、トラブルや苦情を軽減できる側面もあります。だからこそ、まずは“自動化しても顧客体験を損ねにくい設計”をすることが大切だと考えています。
2. オーロラSMS by メディアSMS(株式会社メディア4u)

オーロラSMSを提供する株式会社メディア4uは、2011年のキャリア間相互通信の開始当初からSMS配信を手がけてきたパイオニアです。督促連絡を含む業務でのSMS活用を公式に用途として挙げており、7,000社以上の導入実績があります(2026年1月末時点)。
テンプレートの一括登録・予約送信・再送信・短縮URLといった運用機能に加え、文面設計や運用改善まで営業と技術サポートが伴走する体制が特徴です。初期費用・月額基本料はいずれも0円で、SMSの送信料は従量制(単価は要問い合わせ)、最大2か月の無料トライアルを用意しています(2026年9月時点)。金融機関や行政機関にも導入され、ISMS(ISO27001)を取得しています。
督促連絡でSMSが使われる背景には、ほかの連絡手段が相手に届きにくいという事情があります。導入企業が抱える連絡手段の課題について、提供元は次のように述べています。
連絡手段としては、メールが読まれない、電話に出てもらえない、郵送はコストも時間もかかるといった課題を抱える企業が非常に多いです。その中で、SMSはプッシュ通知で気づいてもらいやすく、最終連絡手段としての確実性が高い点を評価いただいています。
3. KDDI Message Cast(KDDI株式会社)

法人からSMSとRCS(SMSの進化版メッセージ)を一斉配信できるのが、KDDI Message Castです。公式のユースケースに「督促連絡」が挙げられており、締切日に料金未納者へSMSで通知して支払いをうながす使い方が想定されています。
共通番号でau・NTTドコモ・ソフトバンク・楽天モバイルの4キャリアに対応し、RCSに未対応の端末ではSMSへ自動で切り替えて配信します(SMSフォールバック利用時の到達率98%と公表)。予約配信や差し込み機能で、未納者への督促通知を効率的に送れます。
4. SMSマルチPay(株式会社ネクスウェイ)

SMSマルチPayは、支払い通知から決済までをオンラインで一連につなぐ、請求・未収金回収向けのサービスです。到達率の高いSMSで支払い通知を届け、ユーザーごとに生成した専用ページから複数の決済手段で支払ってもらう設計で、督促から入金までの動線を短くします。
未入金者へのリマインドを「督促連携」として機能に掲げており、通知・請求・決済を組み合わせて回収率の向上を狙えます。料金は初期費用20,000円から、月額費用0円、送信単価20円からです(2026年9月時点)。手動の入金催促メール運用が負担になっている事業者に向いています。
5. 債権回収ロボ(株式会社ROBOT PAYMENT)

債権回収ロボは、メール・SMS・IVR(自動音声)による督促を、あらかじめ設計したシナリオに沿って自動実行する、自社運用型の督促自動化サービスです。第三者が代わりに取り立てる回収代行会社ではなく、自社の督促業務を仕組みで回すためのものです。
未収債権に対して、どの手段で・いつ・どう督促するかを段階的に自動で実行し、督促漏れや二重連絡を防ぎます。継続課金のBtoC債権への導入実績もあります。料金は公式サイトに具体額の記載がなく、要問い合わせです(2026年9月時点)。複数手段を組み合わせた督促をまとめて自動化したい場合に向いています。
6. Lecto(Lecto株式会社)

Lectoは、債権管理・督促・回収業務に特化したデジタルプラットフォーム「Lectoプラットフォーム」を提供しています。保有する債務者データを連携し、メール・SMS・IVR(自動音声)・書面の4チャネルによる督促を、債務者グループごとに手段・頻度・文言をカスタマイズして自動送信できます。
督促の実行から入金確認・回収状況の管理・分析までを一つのプラットフォームで一元化し、督促履歴や交渉履歴も自動で記録します。料金は公式サイトに具体額の記載がなく、使用機能やデータ量に応じた要問い合わせです(2026年9月時点)。後払いやサブスクリプションなど、継続課金型のビジネスで督促を自動化したい事業者に向いています。
ここで紹介したのは督促のチャネルを効率化・自動化するサービスですが、督促や回収そのものを外部に委ねる回収代行も含めて、依頼先のタイプ別に費用相場や選び方を比較したい場合は、次の記事で詳しく解説しています。
売掛金回収代行サービスおすすめ21選を徹底比較|依頼先タイプ別の選び方・費用相場・督促自動化まで解説
取引先に商品やサービスを納めたのに、支払期日を過ぎても売掛金が入金されない。督促の電話やメールを送っても先延ばしにされ、自社の手間ばかりがかさんでいく。そんな未回収の売掛金を前に、どう動けばよいか判断しかねていませんか。回収にかけられる人手…
また、督促する相手が事業者ではなく個人(消費者)で、継続課金や後払いの未収が中心の場合は、SMS・オートコール・RCSなどBtoC債権に向いたチャネルの使い分けを比較した次の記事も参考になります。
まとめ
督促連絡は、相手の状況に合わせて手段と段階を使い分ければ、関係を保ちながら回収につなげられます。まずは行き違いを前提にやわらかく確認し、反応がなければメール・電話・SMS・書面と段階を一つずつ上げていくのが基本です。
文面は本記事の例文を自社の情報に差し替えて使い、深夜・早朝の連絡や過度な頻度、第三者への告知といった行為は避けます。催告しても支払われない場合は、内容証明郵便・支払督促・少額訴訟といった正式な手段に進みます。毎回の文面作成や架電が負担であれば、SMSの一斉送信や自動架電、多チャネルの督促を自動実行するサービスで手間を減らす選択肢も検討してみてください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 督促連絡とは何ですか?催促や催告とはどう違いますか?
A. 督促連絡とは、支払期日を過ぎても入金されない相手に対して支払いを求める連絡のことです。「催促」は期日前後のやわらかいうながし、「督促」は期日超過後に支払いを明確に求める段階、「催告」は法的な効果を意識した正式な意思表示という順で踏み込みが強くなります。自社がいまどの段階にいるかで、選ぶ手段と文面のトーンが変わります。
Q. 督促連絡は支払期日から何日後に送ればよいですか?
A. 督促連絡に「何日後」という決まったルールはなく、反応がないたびに段階を一つずつ上げていくのが基本です。一般的な目安は、期日の前後〜翌日にやわらかいリマインド、数日後〜1週間後に期日超過を伝える督促、1〜2週間後に再督促、2週間〜1か月後に書面での最終催告と、間隔を空けて進めます。相手との関係や金額に応じて調整します。
Q. 督促連絡はメール・電話・SMS・書面のどれで送るのがよいですか?
A. 督促連絡の手段は、段階が進むほど記録に残る正式な手段へ切り替えるのが基本です。初回は文面が残りやわらかいメールやSMS、事情を直接確認したいときは電話、何度も反応がない最終段階では証拠に残る書面(内容証明)が向いています。相手や金額に応じて、到達のしやすさ・記録の残り方・コスト・心理的な響きのバランスで選びます。
Q. 督促連絡をSMSで送ってもよいですか?
A. 督促連絡をSMSで送ることは問題なく、メールより開封されやすく、電話より心理的な負担が軽いのが利点です。携帯電話番号あてに短文で届くため、要件・新たな支払期限・連絡先を簡潔にまとめます。個人の携帯あてに送る場合は、行き違いへの配慮や表現のやわらかさに気をつけます。
Q. 督促連絡を無視された(反応がない)場合はどうすればよいですか?
A. 督促連絡を無視された場合は、これまでの経緯を事実として示す再督促を経て、書面(内容証明の催告書)や裁判所の手続きへ段階を上げます。感情的な表現は避け、連絡した日付・金額・新たな期限を淡々と記録に残す形で進めます。それでも支払われないときは、支払督促や少額訴訟といった法的手段を検討します。
Q. 督促連絡に法的な効力はありますか?内容証明で送る意味は何ですか?
A. 通常のメールや電話の督促連絡そのものに直接の法的効力はありませんが、催告を内容証明郵便で送ると、その時から6か月を経過するまで時効の完成が猶予されます(民法第150条)。ただしこれは時効の完成を一定期間先延ばしにする効果(完成猶予)で、進行をリセットするものではなく、猶予期間中に重ねて催告しても効力は生じません。
内容証明は「いつ・どんな内容の文書を誰から誰あてに送ったか」を郵便局が証明するため、請求した事実を証拠として残せる点でも意味があります。
出典・参考資料(2件)
- 出典:民法 第百五十条(催告による時効の完成猶予)|e-Gov法令検索(https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)
- 出典:内容証明|日本郵便(https://www.post.japanpost.jp/service/fuka_service/syomei/index.html)
Q. 督促連絡でやってはいけないことは何ですか?
A. 督促連絡では、深夜・早朝の連絡、一日に何度も繰り返す過度な頻度、支払義務のない第三者への未払いの告知、威迫や脅しは避けます。度を越えた取立ては脅迫罪・強要罪・恐喝罪など刑法上の犯罪に当たるおそれがあります。連絡は相手の業務時間内に、支払義務のある本人(担当部署)へ、事実の提示と支払いの依頼にとどめます。
Q. 督促連絡の手間や電話のストレスを減らす方法はありますか?
A. 督促連絡の負担は、SMSの一斉送信・自動音声による自動架電(IVR)・メールやSMS・書面を段階に応じて自動実行する仕組みで減らせます。未入金先が増えて手作業の督促が追いつかない、架電が精神的な負担になっているといった場合に、文面作成や架電の工程を自動化できます。自社がどの手段で滞っているか(文面作成か、架電か、多チャネルの運用か)を基準にサービスを選ぶと、合うものが絞り込めます。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。


















