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クラウド会計とは?しくみ・メリット・デメリットと主要クラウド会計ソフトの違いを比較

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クラウド会計ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

主要15サービスの料金・機能を無料で一覧比較

クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

「クラウド会計」という言葉はよく耳にするものの、これまでのインストール型の会計ソフトと何が違い、主要な製品が具体的にどう違うのかは、いざ選ぼうとすると分かりにくいものです。

クラウド会計のしくみとメリット・デメリットを押さえたうえで、主要な製品が「何を得意とし、どこが違うのか」を見比べるには、どの観点で比較すればよいのでしょうか。

本記事では、クラウド会計の基本的なしくみとインストール型との違いを解説したうえで、主要なクラウド会計ソフト15製品を、対象規模や税理士連携・業種対応といった同じ軸で比較します。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応、顧問税理士との連携のしくみまで整理したので、自社に合う候補を絞り込むための判断材料としてご活用ください。

紹介する15製品は、個人事業主・小規模〜中小向け/中堅〜大企業向け/会計事務所・税理士連携に強い型/業種特化型の4タイプに整理しています。製品名は聞いたことがあっても違いが分からない、という状態から、自社の規模と業務に合う製品を見極められるよう整理しています。

また、自社の事業形態や規模に合わせて候補を最短で絞り込めるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。製品の違いを読み進める前の当たりをつけるのにも、ぜひご活用ください。

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クラウド会計とは?しくみをわかりやすく解説

クラウド会計とは、インターネット経由で利用する会計ソフトのことです。自社のパソコンにソフトをインストールするのではなく、提供会社のサーバー上にある会計システムへ、ブラウザやアプリからログインして使います。銀行口座やクレジットカードの取引明細を自動で取り込み、内容をもとに仕訳を提案してくれるため、簿記の専門知識が浅くても帳簿づけを進めやすいのが特徴です。

データはクラウド上に保管されるので、経理担当者・経営者・顧問税理士が同じ会計データを離れた場所からでも共有できます。法改正や消費税率の変更があっても、ソフト側のアップデートで自動的に反映される点も、従来のインストール型との大きな違いです。

クラウド会計のしくみ(明細の自動取込から仕訳・クラウド保管までの流れ)

クラウド会計の中心にあるのは、取引データの自動取得と自動仕訳のしくみです。おおまかな流れは次のようになります。

クラウド会計のしくみを示す4ステップの図解。STEP1 明細の自動取込(銀行・カード・決済サービスと連携し取引明細を自動で読み込む)、STEP2 自動仕訳の提案(明細から勘定科目・税区分を推測し仕訳候補を提示)、STEP3 帳簿・レポートへ反映(総勘定元帳・試算表・各種レポートへ自動反映)、STEP4 クラウドで保管・共有(提供会社のサーバーに保管し税理士やメンバーと同じデータを共有)の順に矢印でつないでいる。
  1. 明細の自動取込:銀行口座・クレジットカード・電子マネー・決済サービスなどと連携し、取引明細を自動で読み込みます。連携しておけば、通帳や明細を見ながら手入力する必要がなくなります。
  2. 自動仕訳の提案:取り込んだ明細の内容から、勘定科目や税区分を推測して仕訳の候補を提示します。使い込むほど自社の仕訳パターンを学習し、提案の精度が上がる製品もあります。
  3. 帳簿・レポートへの反映:確定した仕訳が総勘定元帳や試算表、各種レポートへ自動で反映されます。入力した時点で経営状況をリアルタイムに把握できます。
  4. クラウド上での保管・共有:データは提供会社のサーバーに保管され、権限を付与したメンバーや顧問税理士が同じデータを参照できます。バックアップもサービス側で行われます。

この「取り込む・提案する・共有する」という一連の流れを自動化している点が、クラウド会計がもたらす効率化の土台になっています。

インストール型(オンプレ)との違い

これまで会計ソフトといえば、パッケージを購入してパソコンにインストールして使う「インストール型(オンプレミス型)」が主流でした。クラウド会計との主な違いは、導入方法・料金体系・データの保管場所・アップデートの4点に整理できます。

クラウド会計とインストール型(オンプレミス型)を4観点で対比した図解。導入方法はクラウドがブラウザで複数端末・場所から利用できるのに対しインストール型は特定PCのみ。料金体系はクラウドが月額・年額のサブスク、インストール型は買い切り(+保守契約)。データの保管はクラウドが提供会社のサーバーでバックアップも提供側、インストール型は手元の端末で管理は自社。アップデートはクラウドが自動で最新制度に対応、インストール型は更新版の購入や更新作業が必要なことがある。
  • 導入方法:インストール型は特定のパソコンにソフトを入れて使うため、その端末でしか作業できません。クラウド会計はブラウザさえあれば、オフィスでも自宅でも複数の端末から利用できます。
  • 料金体系:インストール型はソフトを買い切る形(または保守契約を追加する形)が中心です。クラウド会計は月額・年額で使い続けるサブスクリプション型が基本となります。
  • データの保管場所:インストール型はデータが手元の端末に残るため、バックアップや端末管理を自社で行う必要があります。クラウド会計は提供会社のサーバーに保管され、バックアップもサービス側が担います。
  • アップデート:法改正や税率変更への対応は、インストール型ではバージョンアップ版の購入や更新作業が必要になることがあります。クラウド会計は自動でアップデートされ、常に最新の制度に対応した状態で使えます。

本体は買い切り型(インストール型)でありながら、明細取込やデータ共有などのクラウド連携機能を備える製品もあります。「クラウドかインストールか」は完全な二者択一ではなく、両者の中間に位置する選択肢がある点も押さえておくとよいでしょう。

クラウド会計でできること(仕訳・帳簿・決算書/申告書の作成)

ここからは、クラウド会計で具体的にどこまでの業務ができるのかを見ていきます。明細の自動取込と自動仕訳はしくみの中核ですが、クラウド会計がカバーする業務の範囲はそれだけにとどまりません。

日常の記帳では、自動仕訳で作成した仕訳を確認・修正しながら、現金・預金・売掛金・買掛金といった各勘定の帳簿を整えていきます。入力されたデータは総勘定元帳・仕訳帳・試算表へ自動で集計され、損益計算書や貸借対照表の下地が常に最新の状態で保たれます。部門別やプロジェクト別の集計に対応する製品を使えば、経営判断に使える切り口でも数字を把握できます。

期末になれば、整えた帳簿をもとに決算書(貸借対照表・損益計算書など)を作成できます。製品によっては、法人税・消費税の申告書作成や、作成したデータのe-Tax連携による電子申告まで対応します。請求書の発行や経費精算、給与計算といった周辺業務を同じシリーズのサービスで揃え、会計と連動させられる製品も少なくありません。どこまでを1つのソフトで完結させたいかによって、選ぶべき製品は変わってきます。

一方で、法人税申告書の別表作成のように、会計ソフト単体ではカバーしきれず、別途専用の申告ソフトが必要になる領域もあります。対応する別表や会計ソフトとの連携、料金から申告ソフトを選びたい場合は、次の比較記事が参考になります。

クラウド会計のメリット・デメリット

クラウド会計は効率化の効果が大きい一方で、導入前に理解しておきたい注意点もあります。導入の可否を判断できるよう、メリットとデメリットを対で整理します。

クラウド会計を導入するメリット

最大のメリットは、記帳作業の効率化です。明細の自動取込と自動仕訳により、手入力の手間と転記ミスが大きく減ります。入力した時点で試算表や経営レポートに反映されるため、月次決算を待たずに資金繰りや損益の状況を把握できる点も、経営者にとって実務的な価値があります。

クラウド上でデータを共有できるので、経理担当者・経営者・顧問税理士が同じ数字を見ながら進められ、資料のやりとりや二重入力が減ります。法改正や税率変更への対応がソフト側で自動化される点も、担当者が制度改正を追い続ける負担を軽くします。初期費用を抑えて月額から始められるため、創業期や小規模の事業でも導入しやすいのも利点です。

クラウド会計のデメリット・注意点

注意点の一つは、使い続ける限り月額・年額の費用が発生することです。買い切り型と違い、利用をやめると使えなくなるため、長期で見たコストは事前に試算しておきたいところです。インターネット接続が前提のため、通信環境がない場所では利用しづらい点も把握しておきましょう。

導入初期には、口座やカードの連携設定、勘定科目の初期設定、自動仕訳ルールの調整といった準備が必要です。自動仕訳はあくまで提案であり、内容が正しいかの確認は利用者側の責任で行います。また、データを提供会社のサーバーに預ける形になるため、ログイン管理や権限設定といったセキュリティ対策を自社でも適切に運用することが求められます。これらは、次の章で主要製品を比較するときの確認ポイントにもなります。

30秒でわかる|自社に合うクラウド会計ソフト診断

しくみとメリット・デメリットを押さえたところで、自社の事業形態や規模から、どのタイプのクラウド会計ソフトが合いそうか当たりをつけてみましょう。いくつかの質問に答えるだけで、候補となる製品が絞り込めます。

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【比較表】主要クラウド会計ソフト15製品の違い

ここからは、主要なクラウド会計ソフト15製品を同じ軸で横並びに比較します。対象規模・提供形態・料金の目安・無料体験の有無・自動仕訳や明細取込・電子帳簿保存法/インボイスへの対応・税理士連携といった、製品選びで見比べたい観点を一覧にまとめました。気になる製品は、表の下の個別紹介で詳しく確認できます。

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サービス名弥生会計 Nextfreee会計マネーフォワード クラウド会計ジョブカン会計会計王かんたんクラウド会計(MJS)マネーフォワード クラウド会計Plus勘定奉行クラウドPCAクラウド 会計SmileWorksTenbook(テンブック)TKC FXクラウドシリーズクラウド発展会計勘定奉行クラウド 建設業編PCAクラウド 社会福祉法人会計
提供元弥生株式会社フリー株式会社株式会社マネーフォワード株式会社DONUTSソリマチ株式会社株式会社ミロク情報サービス(MJS)株式会社マネーフォワード株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)ピー・シー・エー株式会社株式会社スマイルワークスシンアカウンティングサービス株式会社株式会社TKC日本ビズアップ株式会社株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)ピー・シー・エー株式会社
対象規模・ユーザー法人向け(個人事業主は別製品)個人事業主〜上場企業ひとり法人〜中小企業(〜50名目安)中小企業・個人事業主中小企業・個人事業主小規模〜中小企業(法人・個人)IPO準備・中堅〜上場企業小規模〜中小企業(中堅・大企業は上位の奉行V ERPクラウド)中小〜中堅企業中小企業(統合ERP内の会計機能)創業期〜中小企業(売上5億円が目安)小規模〜上場企業(製品ラインで対応)会計事務所と顧問先企業建設業(中小企業)社会福祉法人
提供形態クラウドクラウドクラウドクラウド買い切り(インストール型)+クラウド連携クラウドクラウドクラウドクラウド(データセンター版/AWS版)クラウド(統合ERP内の会計ワークス)クラウド会計ソフト+記帳・決算・申告代行クラウド(会計事務所の月次関与が前提)クラウド(会計事務所向け)クラウドクラウド
月額料金(最小構成)月2,900円〜(税抜)
※エントリー年契約の月額換算・初期費用0円
月2,980円〜(税抜)
※ひとり法人・年払いの月額換算。スターター以上は従量課金別
月2,480円〜(税抜)
※ひとり法人・年払いの月額換算(月払い3,980円)
月2,500円〜(税抜)
※スタートアップ・3ユーザーまで
買い切り型(月額なし)
※本体44,000円(税込)+2年目以降は年間保守38,500円(税込・標準版)
月2,160円〜(税抜)
※Basic・年額21,600円
要見積もり
※利用ID数に応じる(公式に金額の記載なし)
月7,750円〜(税抜)
※Eシステム・年額93,000円の月額換算・初期費用0円
月16,200円〜(税抜)
※1ユーザー(hyper 19,200円)
月10,000円〜(税別)
※標準プランの会計ワークス・初期費用30,000円
月29,500円〜(免税事業者)/44,500円〜(課税事業者)
※記帳・決算・申告の代行込み
要問い合わせ
※会計事務所経由で導入(公式に料金の記載なし)
月8,000円〜/1ライセンス
※会計事務所経由・要問い合わせ(公式に料金表なし)
月27,500円〜(税抜)
※iAシステム・年額330,000円の月額換算・初期費用50,000円
月19,200円〜(税抜)
※シンプルプラン・1ユーザー
無料プラン・体験最大2か月の無料体験(決算書の作成・出力を除く)30日間の無料体験1か月の無料体験30日間の無料体験30日間の無料体験版2か月の無料試用なし(無料見積もり・オンライン相談)30日間の無料体験2か月の無料体験申込翌月末まで無料(公式表記「最大2か月」)10bookソフト単体は30日間(会計サービスは記載なし)なし(会計事務所経由で導入)無料体験版あり30日間の無料体験2か月の無料体験
自動仕訳・明細取込●●●●AI-OCR仕訳は有料オプション●MoneyLinkで明細取込(クラウド連携)●銀行・カード連携とレシートOCR●●AI-OCRはオプション●AI-OCRは上位のPCA Arch/オプション●販売・購買・給与データから自動仕訳●記帳は専門家が代行●銀行・信販データ自動受信、AI-OCRはオプション●AI-BANK(通帳OCR自動仕訳、有料オプション)●AI-OCRはオプション●銀行口座連携・クイック処理
電帳法・インボイス対応●●●●●●●●●●●●●●●
税理士・会計事務所連携●顧問税理士とリアルタイム共有(全プラン)●税理士を無料で招待可(認定アドバイザー)●税理士を招待可(公認メンバーは無料)●外部メンバーで税理士連携(課金対象外)△同一ソフト間のデータ共有(アカウント共有の仕組みはなし)●会計事務所と同一データを共有●監査法人連携・権限管理に対応●専門家ライセンス標準付帯●クラウドで税理士と共有△他社会計ソフトへ仕訳データを連携●記帳・決算・申告を専門家が代行●会計事務所の月次巡回監査が前提●会計事務所と顧問先が同一データを同時閲覧●専門家ライセンス標準付帯●クラウドで税理士と共有
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト

※2026年10月時点の各社公式情報にもとづく。最新の料金・仕様は各公式サイトでご確認ください。

主要クラウド会計ソフトの個別紹介

比較表で全体像をつかんだら、製品ごとに「何が得意で、どんな企業に向くのか」を確認しましょう。ここでは15製品を、対象とする企業規模や強みで4つのタイプに分けて紹介します。自社の状況に近いタイプから読み進めると、候補を絞りやすくなります。

個人事業主・小規模〜中小向け(低コストで導入しやすい製品)

まずは、個人事業主や小規模〜中小企業向けの、低コストで導入しやすい製品です。簿記の知識が浅くても使いやすく、月額を抑えて始めやすい点が共通しています(会計王のみ本体は買い切り型で、明細取込などのクラウド連携機能を備えます)。

1. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextの公式サイト

弥生会計 Nextは、会計ソフトを長年手がける弥生株式会社が2025年4月にリリースした法人向けのクラウド会計サービスです。帳簿・決算書の作成に、見積・請求書発行、経費精算、証憑管理を1つに統合し、これらのデータが自動で会計処理に連携します。

銀行口座やクレジットカードなど2,500以上の金融機関・サービスと連携し、取り込んだ明細の勘定科目をAIが提案します。顧問税理士とのリアルタイムなデータ共有は全3プランで利用でき、弥生と提携する全国の会計事務所と同じ画面で記帳状況を確認できます。

料金は年契約でエントリープラン年34,800円(月あたり2,900円)から、ベーシックプラン年50,400円、ベーシックプラスプラン年84,000円の3段階で、いずれも税抜・初期費用は0円です。導入前にベーシックプラス相当の機能を最大2か月間無料で試せます(決算書の作成・出力は体験の対象外)。

2. freee会計(フリー株式会社)

freee会計の公式サイト

freee会計は、簿記の知識が浅い担当者でも記帳を進めやすいことを重視したクラウド会計ソフトです。フリー株式会社が提供し、個人事業主から新設法人、中小企業、上場企業までをプラン別にカバーします。

銀行口座・クレジットカードなど1,000を超えるサービスと連携して取引データを自動で取得し、freeeが推測した仕訳をチェック・承認していく流れで帳簿を作成できます。領収書や請求書はAIが文字を読み取り、仕訳の候補まで自動で作成します。

料金は個人事業主向けが年払いで月980円から、法人向けはひとり法人プランの月2,980円(年払い・税抜)からで、スタータープラン以上は利用機能や人数に応じた従量課金が加わります。初期費用は0円で、30日間の無料トライアル(クレジットカード登録不要)を利用できます。電子帳簿保存法(JIIMA認証取得)とインボイス制度にも対応します。

3. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計の公式サイト

マネーフォワード クラウド会計は、ひとり法人から従業員50名程度までの中小企業を対象とするクラウド会計ソフトです。株式会社マネーフォワードが提供し、2,300以上の金融関連サービスと連携して、取得した明細の勘定科目をAIが提案します。

複式簿記に対応し、振替伝票入力・簡単入力・仕訳帳入力の3方式を使い分けられるため、簿記の知識がある経理担当者が勘定科目を自分で扱いながら記帳できる点が特徴です。請求書・経費・給与といった同社のクラウドシリーズと同一基盤で連携し、バックオフィス全体のデータを集約できます。

料金はひとり法人プランが年払いで月2,480円(月払い3,980円)、中小企業向けのビジネスプランが年払いで月6,480円(いずれも税抜)です。初期費用は0円で、1か月の無料トライアル(クレジットカード登録不要)を利用できます。インボイス制度・電子帳簿保存法に対応します。

4. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

ジョブカン会計の公式サイト

ジョブカン会計は、勤怠管理や給与計算などを展開するジョブカンシリーズの一つで、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の会計ソフトです。パッケージソフトのようなキーボード中心の入力をブラウザ上で行える操作性を掲げ、法人・個人事業主の双方に対応します。

料金は月額2,500円(税抜)からで、3ユーザーまでのスタートアップ、権限管理や承認機能が加わるビジネス、操作ログやIPアドレス制限に対応するエンタープライズの3プランがあり、初期費用は0円です。契約前に30日間の無料トライアルを利用できます。

銀行・クレジットカード明細の自動取込や部門別集計、決算書作成に対応し、インボイス制度・電子帳簿保存法への対応は無料のアップデートで提供されます。領収書をAIで読み取る機能は、有料オプションの「ジョブカン証憑管理」を契約すると利用できます。

5. 会計王(ソリマチ株式会社)

会計王の公式サイト

会計王は、ソリマチ株式会社が開発・販売する中小企業・個人事業主向けの会計ソフトです。他社のクラウド会計が月額課金のブラウザ型である一方、会計王の本体はWindowsにインストールして使う買い切り型で、銀行明細の取込(MoneyLink)やデータ保管などの一部機能にクラウドを組み合わせる構成です。

料金は本体44,000円(税込・1ライセンス)の買い切りで、初年度は最大15か月分の保守サポートが無償で付きます。2年目以降も使い続ける場合は、年間保守「バリューサポート」が標準版で年38,500円(税込)かかります。月額のサブスクリプション版は提供されていません。

取り込んだ明細の摘要からAIが過去の事例をもとに勘定科目や税率を提案し、決算書作成や消費税申告、インボイス制度・改正電子帳簿保存法にも対応します。対応OSはWindows 11のみで、Macには対応していません。導入前に30日間の無料体験版を試せます。

6. かんたんクラウド会計(MJS)(株式会社ミロク情報サービス)

かんたんクラウド会計(MJS)の公式サイト

かんたんクラウド会計は、会計事務所・中小企業向けの業務ソフトを長く手がける株式会社ミロク情報サービス(MJS)が提供するクラウド型の会計ソフトです。スタートアップや小規模事業者を主な対象とし、法人・個人事業主のどちらの記帳・決算書作成にも対応します。

あらかじめ登録された取引例から選んで入力でき、レシート画像から日付・金額・電話番号を読み取って仕訳に変換する機能も備えるため、簿記の経験が浅くても記帳を進められます。会計事務所が顧問先に導入し、遠隔でサポートする運用にも対応します。

料金は基本帳票と決算書出力に対応するBasicプランが月2,160円(税抜)、財務分析や資金繰りなどを加えたPlusプランが月3,000円(税抜)で、初期費用は無料です。標準で3アカウントまで利用でき、2か月間の無料試用(クレジットカード登録不要)を用意しています。インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応します。

中小〜中堅企業向け(内部統制・多部門・ERP連携)

続いて、仕訳承認や権限管理、部門別管理やERPとの連携など、組織的な運用に対応した製品です。内部統制を強めたい中小〜中堅企業や、上場準備を見据える企業で検討される型です。

7. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plus

無印の「マネーフォワード クラウド会計」に、上場準備で必要になる内部統制機能を加えた上位版の会計ソフトです。開発元は株式会社マネーフォワードで、IPO準備企業から中堅・上場企業、上場企業の子会社までを対象としています。明細の自動取得・自動仕訳といった無印版の利便性はそのまま引き継いでいます。

具体的には、すべての仕訳を申請・承認を経て記帳する仕訳承認フロー、業務分担に応じた権限設定、操作ログ・仕訳更新履歴、月次締めといった内部統制機能を備えます。監査法人とシステムを共有して証憑をWeb上で照会できるため、監査対応の効率化にもつながります。導入実績は2,000社以上です。

料金は利用ID数に応じた要見積もり方式で、監査法人・税理士法人など外部共有用のアカウントもID数に数えます。契約は年間契約で、無料トライアルはなく、無料見積もり・オンライン相談から検討を始める形です。年間10万件を超える仕訳量が想定される規模の企業に向く製品といえます。

どのような企業が導入を検討しているのか、開発元の株式会社マネーフォワードは相談の傾向を次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

最も多いのは、IPOや上場を目指していて内部統制をしっかり整えたい、J-SOX対応の必須要件に対応したいという中堅企業からのご相談です。導入の主導は経理の責任者が中心になることが多く、IPO準備など全社的な取り組みの文脈ではCFOが関与されるケースも少なくありません。

8. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行クラウド

株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)の奉行シリーズに属するクラウド会計ソフトで、現行世代の正式名称は勘定奉行iクラウドです。金融機関の入出金明細・領収書・Excelデータから仕訳を自動起票し、標準で50種類を超える帳票を備えます。

伝票明細の処理件数や管理会計機能に応じて、EシステムからSシステムまでエディションが段階的に分かれており、部門別管理やグループ企業の合算に対応するエディションもあります。税理士・会計事務所との無償リアルタイム共有ライセンスが標準で付き、給与・固定資産・申告など他の奉行シリーズとデータ連携できます。中堅・上場・グループ企業帯には、上位の奉行V ERPクラウドへ移行できる製品系列が用意されています。

料金は年額制で、小規模向けのEシステムが年額93,000円(月額換算7,750円)から、管理会計向けのSシステムが年額336,000円(月額換算28,000円)からです(いずれも税抜・1ユーザー+専門家1名の標準構成)。電子帳簿保存法のJIIMA認証4種を取得し、インボイス制度にも対応します。30日間の無料体験を利用できます。

9. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 会計

1980年設立のピー・シー・エー株式会社が、パッケージ会計ソフト「PCA会計」をクラウド形態で提供する財務会計システムです。日常の伝票入力から元帳・試算表・決算書、経営分析帳票までを作成でき、中堅・中小企業を主な対象としています。

標準グレードの「PCAクラウド 会計」に加え、グループ企業管理・セグメント管理・部門の階層管理に対応する中堅企業向けの上位グレード「PCAクラウド 会計 hyper」を用意します。仕訳の承認機能や予算管理を備え、担当者が入力し責任者が確認する組織的な運用に適します。提供基盤は、SLA保証のあるデータセンター版と、Web-APIを無償で使えるAWS版から選べます。

月額は「PCAクラウド 会計」が16,200円から、hyperが19,200円で、いずれも税抜・初期費用0円、2か月の無料体験があります。電子帳簿保存法のJIIMA認証を取得し、消費税申告書はPCA会計シリーズからe-Taxで電子送信できます(法人税・地方税は別製品のPCAクラウド 法人税が担当)。会計・給与・販売管理などを含むPCAクラウド全体での導入実績は25,000法人を突破しています。

グループ企業の会計をクラウドで統括する使い方について、提供元のピー・シー・エーは導入事例を次のように紹介しています。

田崎氏
ピー・シー・エー株式会社 事業戦略部 プロダクトマーケティングセンター
田崎氏
独自インタビューより

導入前は、グループ企業のデータ集計や確認作業に膨大な時間がかかり、月次決算が大幅に遅れていました。経営状況をリアルタイムに把握できないことが課題だったのです。導入後は、グループ全体の会計データをクラウドでリアルタイムに一元化・連携したことで、月次決算の期間を11日間短縮することに成功しました。これにより月初7営業日以内にグループ全体の正確な経営状況を可視化できるようになり、経営陣の意思決定スピードが大きく向上しています。

10. SmileWorks(株式会社スマイルワークス)

SmileWorks(スマイルワークス)

株式会社スマイルワークスが提供する、中小企業向けの統合型クラウドERPです。販売管理・仕入・在庫・財務会計・給与計算・勤怠などをひとつのシステムにまとめており、ここで扱う会計機能は、そのうちの「会計ワークス」というモジュールにあたります。

freee会計やマネーフォワード クラウド会計のような会計特化型とは設計が異なり、販売・購買・給与といった業務データから自動で会計仕訳を生成する点が特徴です。売上・仕入・経費・社内工数を案件単位で集計するプロジェクト別収支管理を主軸に据えています。会計ワークスは決算書や消費税申告書の作成、e-Taxデータ出力に対応し、電子帳簿保存法のJIIMA認証も取得しています。

料金は機能をモジュール単位で選ぶ構成で、販売管理に絞った販売ERPプランが月額5,000円から、販売・会計・給与を組み合わせられる標準プランが初期費用30,000円・月額10,000円から利用できます(いずれも税別・最初のモジュール分)。恒久的な無料プランはなく、申込月の翌月末まで(公式表記は「最大2か月無料」)の無料期間を利用できます。バックオフィス全体を一体で効率化したい企業に向く製品です。

会計事務所・税理士連携に強い型

顧問税理士や会計事務所との連携を前提とした製品や、記帳から決算・申告までを専門家に任せられるサービスです。経理の人手が足りない企業や、税理士と同じデータで進めたい企業に向きます。

11. Tenbook(テンブック)(シンアカウンティングサービス株式会社)

Tenbook(テンブック)公式サイトのスクリーンショット

公認会計士・税理士が代表を務めるシンアカウンティングサービスが提供する会計アウトソーシングサービスで、サービス名はTenbook、中核となる自社開発のクラウド会計ソフトが「10book」です。この10bookに記帳代行・決算・法人税申告を一体化しています。

ソフトに自社で入力していくのではなく、記帳から決算書・申告書の作成までを専門チームに任せられる、ソフトと専門家サポート一体型のサービスである点が特徴です。

会計ソフト「10book」は契約者に無料提供され、記帳・月次処理から決算・申告までを原則3名のチームがオンライン完結で対応します。税理士法第2条第1項各号に定める税務業務は、提携先のサン共同会計事務所が実施します。経理に人手を割きづらい創業期や中小企業が、経理体制づくりから申告までをまとめて委託できる構成です。

会計サービスの料金は公式表示で、免税事業者が月額29,500円、課税事業者が月額44,500円、初期費用は0円です。決算時に追加の決算料が発生しない月額定額制のため、年間の経理コストを見通しやすい設計といえます。

12. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

TKC FXクラウドシリーズ公式サイトのスクリーンショット

株式会社TKCが提供する、中堅・中小企業向けのクラウド会計システム群です。TKC全国会に所属する税理士・公認会計士が毎月訪問して会計帳簿を検証する「巡回監査」とセットで利用する前提で設計されており、市販はされず、顧問の会計事務所を通じて導入する点が汎用のクラウド会計との違いです。

小規模企業向けのFXまいスタークラウドから上場企業向けのFX5クラウドまで、企業規模に応じた製品を揃え、建設業・医業・社会福祉法人などの業種専用版もあります。銀行・信販データの自動受信と自動仕訳、限界利益を軸に業績を把握する「365日変動損益計算書」などを備えます。料金は会計事務所との契約内容で決まるため、公式には金額の記載がありません。

電子申告した決算書を金融機関へ自動開示する「TKCモニタリング情報サービス」や、記帳の適時性を第三者として証明する記帳適時性証明書など、決算書の信頼性を金融機関に示す仕組みを持つ点も特徴です。シリーズ累計の利用企業数は33.5万社(2026年3月31日現在)とされています。

13. クラウド発展会計(日本ビズアップ株式会社)

クラウド発展会計公式サイトのスクリーンショット

会計事務所と顧問先企業が同じデータを同時に閲覧しながら、記帳・決算を共同で進めることを前提にした会計事務所向けのクラウド会計システムです。開発元は日本ビズアップ株式会社で、顧問先企業は契約する会計事務所を通じて利用します。会計事務所の経営助言(財務MAS)や税理士業務まで含めて支援する製品です。

通帳をAI-OCRで読み取って自動仕訳するAI-BANKや、2025年12月公開の生成AIオプション(生成AI自動仕訳・AI業績分析)など、入力から分析までの自動化機能を備えます(いずれも有償オプション)。電子帳簿保存法・インボイスに対応する「発展ストレージ」や、書面添付(第9号様式)を自動作成する税理士向け機能も含みます。

1999年の設立以来、会計事務所向けのシステムを提供し、全国1,400件の会計事務所が利用しています(公式記載)。顧問先企業の料金は契約する会計事務所経由で決まるため、月額や初期費用は導入する会計事務所への問い合わせで確認する形になります。

業種特化型(建設業・社会福祉法人 など)

最後に、特定の業種の会計基準や実務に対応した製品です。工事別原価管理や社会福祉法人会計基準など、汎用のクラウド会計ではカバーしきれない要件を満たします。

14. 勘定奉行クラウド 建設業編(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行クラウド 建設業編の製品サイト画面

株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)の「勘定奉行iクラウド」に、建設業向けの機能を加えた業種特化エディションです。改正電子帳簿保存法やインボイス制度に対応した会計機能をベースに、工事ごとの原価を扱える点が汎用版との違いです。

建設業特有の会計処理として、工事ごとに仕訳を細分化し、間接費や労務費の配賦、工事別収支のリアルタイム集計までを自動化します。工事台帳や工事別原価報告書などの帳票で工事ごとの原価を見える化でき、不採算工事の早期把握にも活用できます。

料金は基本機能の「iAシステム」が月額27,500円(税抜)から、初期費用50,000円(税抜)で、30日間の無料体験があります。経営事項審査向けの書類作成や管理会計機能は、上位の「iSシステム」で利用できます。

15. PCAクラウド 社会福祉法人会計(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 社会福祉法人会計の製品サイト画面

介護・福祉施設などを運営する社会福祉法人向けに、ピー・シー・エー株式会社(PCA)が提供するクラウド会計です。社会福祉法人会計基準(平成28年改正社会福祉法対応)に準拠し、会計を事業区分・拠点区分・サービス区分の3階層で管理します。

資金収支計算書・事業活動計算書・貸借対照表といった法定の計算書類を、法人全体・区分別に作成できます。WAM NETの「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」への連携や、介護サービス事業者経営情報データの作成にも対応しています。

70カ所を超える拠点・80を超えるサービス区分を持つ法人での運用実績があります。クラウド版は初期費用0円・月額19,200円(税抜)から利用でき、2か月の無料体験が用意されています。

自社に合うクラウド会計ソフトの選び方(比較ポイント)

ここまでの比較を踏まえ、自社に合う1本へ絞り込むときに、特に優先して確認したい観点を整理します。

  • 対応する業務の範囲:記帳・決算書作成だけでよいのか、法人税・消費税の申告やe-Tax連携まで求めるのかを確認しておきたい点です。請求書発行・経費精算・給与計算まで同じシリーズで揃えたい場合は、連携できる製品を選ぶと二重入力を避けられます。
  • 連携できる金融機関・外部サービス:自社が使う銀行・クレジットカード・決済サービスと連携できるかは、自動取込の効果を左右します。既存の販売管理システム等とAPI連携できるかも確認しておきましょう。
  • 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応:電子取引データの保存要件や適格請求書への対応は、いまやクラウド会計を選ぶうえで欠かせない観点です(詳細は後述)。
  • サポート体制:チャット・電話・メールのどれに対応するか、導入時の初期設定支援があるかは、簿記に不慣れな担当者ほど重要になります。
  • 料金と利用人数・機能のバランス:最小プランの月額だけでなく、必要な機能や利用人数を満たすプランの料金で比較することが大切です。

企業規模別(個人・小規模/中小/中堅〜大)の選び方

自社の規模によって、重視すべき点は変わります。個人事業主や創業期・小規模の事業であれば、低コストで使いやすく、簿記知識が浅くても自動仕訳で記帳を進められる定番製品が第一候補になります。無料体験で操作感を確かめてから選ぶのが安心です。

どの製品が自社の規模に合うかは、本記事の診断ツールや比較表で絞り込めます。個人事業主・フリーランスの方は、青色申告の65万円控除やe-Tax対応まで含めて比較した個人事業主・フリーランス向け会計ソフトの比較記事もあわせてご覧ください。

中小企業では、部門別集計や請求・経費など周辺業務との連携、複数人での利用を想定し、プランと利用人数のバランスで選びます。経理1〜数名の体制での年額や税理士連携を軸にした選び方は、中小企業向け会計ソフトの比較記事でより詳しく解説しています。

中堅〜大企業や上場を見据える企業では、仕訳承認・権限管理・操作ログといった内部統制機能や、多拠点・多部門の運用に耐える高機能製品が選定対象になります。導入規模が大きいほど、要件に合わせたカスタマイズや導入支援の手厚さも判断材料になります。

業種特化(建設業・社会福祉法人 など)の選び方

建設業や社会福祉法人のように、業種固有の会計基準や帳票が求められる場合は、汎用のクラウド会計では対応しきれないことがあります。建設業であれば工事別の原価管理や完成工事原価報告書、社会福祉法人であれば社会福祉法人会計基準に準拠した計算書類といった要件を、標準で満たす業種特化型の製品を選ぶ必要があります。汎用製品を使う場合でも、業種特化のオプションや連携で要件を満たせるかを事前に確認しておきましょう。

クラウド会計ソフトの費用相場

クラウド会計ソフトの料金は、対象とする規模や機能によって幅があります。2026年10月時点での、タイプごとのおおまかな目安は次のとおりです。個別の正確な料金は各製品の比較表・公式サイトでご確認ください。

  • 個人事業主・小規模向け:月額1,000円台〜3,000円台(年払いで割安になるプランが中心)。無料プランや無料体験を用意する製品も多く、まず試してから有料プランへ移行できます。
  • 中小企業向け:月額3,000円台〜1万円台が目安です。利用人数・部門数・連携機能の範囲によって上下します。
  • 中堅〜大企業向け・業種特化型:要件やユーザー数に応じた個別見積り(要問い合わせ)となることが多く、初期費用が別途かかる製品もあります。

料金を比べるときは、最小プランの月額だけでなく、自社が必要とする機能・利用人数を満たすプランで総額を見ることが大切です。会計事務所と連携して記帳・決算を任せる場合は、ソフト利用料に加えて顧問料・記帳代行料がかかる点も見込んでおきましょう。

コストを最優先に考えるなら、無料プランや無料体験のある製品に絞って検討する方法もあります。法人・個人事業主それぞれで「どこまで無料で使えるか」を比較した次の記事もあわせてご覧ください。

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クラウド会計の制度対応(電子帳簿保存法・インボイス制度・e-Tax)

クラウド会計ソフトを選ぶうえで欠かせないのが、会計に関わる制度への対応です。ここでは、電子帳簿保存法・インボイス制度・e-Taxの3つについて、制度の内容と、クラウド会計ソフトが果たす役割を整理します。各製品が具体的に対応しているかは比較表・個別紹介で確認してください。

電子帳簿保存法への対応

電子帳簿保存法は、帳簿や書類を電子データで保存することに関する制度です。国税庁は、この制度を次の3区分で説明しています。

電子帳簿等保存制度とは、税法上保存等が必要な「帳簿」や「領収書・請求書・決算書など(国税関係書類)」を、紙ではなく電子データで保存することに関する制度をいい、3つの制度に区分されています。
① 電子帳簿等保存【希望者のみ】
② スキャナ保存【希望者のみ】
③ 電子取引データ保存【法人・個人事業者は対応が必要です】

出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁

このうち①電子帳簿等保存(会計ソフトで作成した帳簿を電子データのまま保存する)と②スキャナ保存(紙で受け取った領収書・請求書などをスマホやスキャナで読み取って保存する)は、いずれも「希望者のみ」の任意制度です。一方、③の電子取引データ保存は、法人・個人事業者が対応しなければならない義務とされています。

電子帳簿保存法の3区分を示した図解。①電子帳簿等保存(会計ソフトで作成した帳簿を電子データのまま保存する)と②スキャナ保存(紙で受け取った領収書・請求書などを読み取って保存する)は、いずれも希望者のみの任意制度。③電子取引データ保存(メールやWebでやりとりした請求書・領収書などの電子データを保存する)は、法人・個人事業者に対応が義務づけられている。

③ 電子取引データ保存【法人・個人事業者は対応が必要です】 申告所得税・法人税に関して帳簿・書類の保存義務が課されている者は、注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。

出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁

このため、メールやWebで受け取った請求書・領収書などの電子データは、紙に印刷して保存するだけでは要件を満たしません。国税庁は、電子取引データを保存する際の原則的なルールを次の3つとしています。

原則的な電子取引データ保存のルールは3つ!!
① 改ざん防止のための措置をとること
② 保存データを確認するためのディスプレイやプリンタ等を備え付けること
③ 「日付・金額・取引先」の3つの要素で検索できること

出典:電子帳簿保存法対応!令和6年1月以降の電子取引データの保存方法について(令和6年11月)|国税庁

クラウド会計ソフトの多くは、タイムスタンプの付与や訂正・削除履歴が残るしくみ(①改ざん防止)、日付・金額・取引先での検索機能(③検索要件)を備え、こうした要件を満たす形で電子取引データを保存できます。基準期間の売上高が一定額以下の事業者には検索要件の緩和もあるため、自社の状況に合わせて、どこまでの機能が必要かを確認するとよいでしょう。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:電子帳簿保存法の内容が改正されました(令和5年4月)|国税庁(PDF)
  • 出典:電子帳簿保存法対応!令和6年1月以降の電子取引データの保存方法について(令和6年11月)|国税庁(PDF)

インボイス制度への対応

インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、令和5年10月1日に始まった、消費税の仕入税額控除に関する制度です。国税庁は制度の概要を次のように説明しています。

適格請求書等保存方式とは…複数税率に対応した仕入税額控除の方式です。買手が仕入税額控除の適用を受けるためには、帳簿のほか、売手から交付を受けた「適格請求書」等の保存が必要となります。適格請求書を交付することができるのは、税務署長の登録を受けた「適格請求書発行事業者」に限られます。

出典:適格請求書等保存方式の概要|国税庁

適格請求書(インボイス)には、登録番号・適用税率・消費税額などの一定の記載事項が必要です。インボイスを交付するには、事前に適格請求書発行事業者の登録を受ける必要があります。

クラウド会計やそのシリーズの請求書発行機能では、登録番号や税率区分を含む適格請求書の作成・保存に対応し、受け取ったインボイスの税区分を踏まえた仕訳・集計を行えます。免税事業者からの仕入れには経過措置もあるため、自社の取引に合わせて対応状況を確認しましょう。

出典・参考資料(2件)
  • 出典:適格請求書等保存方式の概要|国税庁(PDF)
  • 出典:インボイス制度の概要|国税庁 消費税 インボイス制度特設サイト(リンク)

e-Tax(電子申告)への対応

e-Taxは、国税庁が運営する「国税電子申告・納税システム」です。所得税・法人税・消費税などの申告、納税、各種申請・届出をオンラインで行えます。クラウド会計ソフトで作成した申告データをe-Tax連携で送信できる製品を使えば、申告書の作成から電子申告までを一連の流れで進められます。

ただし、対応する税目は製品によって異なります。たとえば消費税申告は会計ソフトから直接e-Tax送信できても、法人税申告は別途専用の申告ソフトが必要な製品もあります。自社が電子申告したい税目に対応しているかを、各製品のe-Tax連携状況と照らして確認してください。

出典・参考資料(1件)
  • 参考資料:e-Tax 国税電子申告・納税システム|国税庁(リンク)

クラウド会計と税理士・顧問会計事務所の連携

クラウド会計を選ぶうえで見落とせないのが、顧問税理士や会計事務所との連携のしやすさです。データがクラウド上にあるため、企業側と税理士側が同じ会計データをリアルタイムで共有でき、資料の郵送やファイルのやりとりなしに、記帳状況の確認や決算・申告の相談を進められます。

連携のしかたは、大きく3つのパターンに分けて考えると選び分けやすくなります。1つ目は自社記帳+税理士招待型で、企業が自社で記帳しつつ、顧問税理士を招待して同じデータを見てもらう使い方です。多くの汎用クラウド会計がこの形に対応します。

2つ目は会計事務所連携前提型で、事務所側のシステムと顧問先企業の会計データが連動し、月次の巡回監査や経営助言とセットで使われます。会計事務所経由で導入するタイプが該当します。

3つ目は記帳代行一体型で、ソフトの提供と記帳・決算の代行を一体で担います。経理の人手が足りない新設法人や小規模事業では、専門家にまとめて任せられるこの形が合う場合もあります。自社でどこまで記帳し、どこから税理士に任せたいかを整理しておくと、連携の観点から見た製品選びがしやすくなります。

こうした記帳代行が必要とされる背景について、Tenbookを提供するシンアカウンティングサービスは、中小企業の経理体制が不安定になりやすい実態を次のように指摘しています。

上田氏
シンアカウンティングサービス株式会社 代表取締役
上田氏
独自インタビューより

それと、経理担当者の退職などで業務が不安定になるケースもよくあります。属人的なフローになっていると引き継ぎが大変ですし、退職に伴って経理が回らなくなるリスクが出てきます。そこを専門家に任せることで、経理業務の安定性を提供したいと考えています。

まとめ

クラウド会計は、明細の自動取込と自動仕訳を軸に、記帳から決算・申告、関係者とのデータ共有までを効率化するしくみです。インストール型と比べて、場所を選ばず使え、法改正に自動で対応し、初期費用を抑えて始められる点が強みである一方、継続的な利用料やセキュリティ運用といった注意点もあります。

主要な製品は、対象とする企業規模や、会計事務所連携・業種対応といった強みで違いがあります。本記事の比較表と個別紹介で自社に近いタイプの製品を見比べ、電子帳簿保存法・インボイス・e-Taxへの対応や税理士連携の観点も踏まえて、候補を2〜3製品に絞り込んでみてください。気になる製品は、無料体験で操作感を確かめたり、資料を取り寄せて機能・料金を比べたりすることで、自社に合う1本が見えてきます。

規模やタイプ別に「どの製品がおすすめか」をランキング形式で見比べて候補を絞り込みたい場合は、次の総合比較記事もあわせてご活用ください。

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クラウド会計ソフトに関するよくある質問

Q. クラウド会計とは何ですか?

A. クラウド会計とは、インターネット経由でブラウザから使い、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込んで仕訳まで進められる会計ソフト(サービス)です。データは提供会社のサーバーに保管されるため、経理担当者・経営者・顧問税理士が同じ会計データを離れた場所からでも共有できます。

法改正や消費税率の変更にもソフト側のアップデートで自動的に対応する点が、自社のパソコンにインストールして使う従来型との違いです。

Q. クラウド会計はセキュリティ面で安全ですか?

A. クラウド会計のセキュリティは、通信の暗号化やデータの分散保管・自動バックアップなどを提供会社が専門的に行っており、データを手元の端末に置くインストール型より安全な面もあります。「クラウドだから危険」というのは必ずしも正しくありません。

ただし、ログインID・パスワードの管理や利用者ごとの権限設定は自社側の責任で運用する必要があります。二段階認証やIPアドレス制限、操作ログに対応した製品を選び、適切に運用することで安全性をさらに高められます。

Q. クラウド会計を導入すると税理士はいらなくなりますか?

A. クラウド会計を導入しても、税理士が不要になるわけではありません。自動仕訳はあくまで提案であり、その内容が正しいかの最終判断や、決算・税務申告、節税や資金繰りの相談には専門家の知見が欠かせません。

むしろクラウド会計は、企業と税理士が同じデータをリアルタイムで共有できるためやりとりがスムーズになり、税理士・会計事務所との連携を前提に設計された製品も多くあります。クラウド会計と顧問税理士は、対立するものではなく補い合う関係だと考えるとよいでしょう。

Q. クラウド会計はインストール型より本当にコストが高いのですか?

A. クラウド会計が必ずしも割高とは限りません。月額・年額の利用料は使い続ける限り発生しますが、初期費用を抑えて始められ、法改正対応のアップデートやバックアップ・保守の費用が利用料に含まれるため、インストール型のバージョンアップ購入や保守契約まで含めた総額で見ると、かえって負担が小さくなる場合もあります。

手入力や転記作業の削減による人件費の圧縮も踏まえて、数年単位の総コストで比較するとよいでしょう。

Q. クラウド会計はインターネットがない環境(オフライン)でも使えますか?

A. クラウド会計はインターネット接続が前提のため、オフライン環境では基本的に利用できません。ブラウザから提供会社のサーバーにアクセスして使うしくみのため、通信環境がない場所では記帳や明細取込ができない点に注意が必要です。ネット接続が不安定な環境でも使いたい場合は、本体をパソコンにインストールして使う買い切り型(クラウド連携機能を備える製品もあります)を選択肢に含めるのも一つの方法です。

Q. 簿記の知識が浅くても使える会計ソフトと、経理担当者向けの会計ソフトは何が違いますか?

A. 主な違いは記帳の考え方です。取引内容を選びながら記帳を進められる入力補助重視型は簿記の知識が浅くても使いやすく、複式簿記に対応して勘定科目を自分で扱える型は経理経験者が自由度高く扱えます。

前者は簿記に不慣れな個人事業主・創業期に、後者は経理担当者がいて請求・経費・給与など他のバックオフィス業務もまとめて連携させたい企業に向きやすい傾向があります。具体的にどの製品がどちらの型かは、本記事の比較表・診断・個別紹介で確認してください。

Q. 今使っている会計ソフトからクラウド会計へデータ移行できますか?

A. 多くのクラウド会計ソフトは、他社ソフトの仕訳データや残高を、CSVなどの形式でインポートして移行できます。ただし、対応する取込形式や移行できる範囲(開始残高・過年度データなど)は製品によって異なります。期首や新年度の区切りで移行すると過年度との整合を取りやすく作業がスムーズなため、乗り換えを検討する際は、各製品の移行サポートや取込対応状況を事前に確認しておきましょう。

Q. 簿記の知識がなくてもクラウド会計で記帳できますか?

A. 簿記の知識が浅くても記帳を進められます。明細の自動取込と自動仕訳の提案により、勘定科目を一から覚えなくても候補から選んで記帳できるためです。ただし、提案された仕訳が正しいかの確認は利用者の責任で行う必要があります。

決算・申告まで正確に仕上げるには、サポートが手厚い製品を選ぶか、顧問税理士と連携すると安心です。簿記にまったく不慣れな場合は、入力のしやすさとサポート体制を重視して製品を選ぶとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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