取引先や自社を狙うサイバー攻撃の報道が続くなか、「何から手を付ければ自社を守れるのか」が見えずに悩んでいませんか。攻撃の入口も、狙われる資産も多様化し、対策製品やサービスの種類も増え続けています。
セキュリティ対策を外部の製品やサービスに任せたいと考えても、入口の防御だけで足りるのか、端末まで守るべきか、監視や対応まで委ねるべきか、判断の軸が定まらないまま検討が止まってしまうケースは少なくありません。自社の体制と守りたい範囲に合った対策を、どう選べばよいのでしょうか。
本記事では、サイバー攻撃対策サービスを守り方のタイプ(入口・通信の防御/端末の保護/ネットワークの監視・検知/脆弱性診断・コンサル/監視・対応の代行)で整理し、主要なサービスを横断的に比較します。各タイプが守る範囲と選び方、費用の見方、人手が足りないときの選択肢までを、導入判断の材料として整理しました。
また、自社の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。
目次
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サイバー攻撃対策サービスの守り方タイプ(入口・通信/端末/ネットワーク監視・検知/脆弱性診断・コンサル/マネージド)
サイバー攻撃対策サービスとは、企業への侵入やマルウェア感染、ランサムウェアによる被害などを、製品やサービスとして防御・検知・対応・診断する仕組みの総称です。攻撃は、Webサイトやメールといった入口から、社員が使う端末、社内ネットワークの奥へと段階的に進みます。
ランサムウェアや標的型攻撃、システムの脆弱性を突く攻撃などは、守る対象が入口・端末・ネットワークのどこかに偏っていると、別の経路から被害に至ります。そこで対策サービスは、「どの範囲を・どう守るか」という守り方で選ぶと、自社に欠けている部分を見つけやすくなります。守り方は、大きく次の5つのタイプに分けられます。
本記事は、何を守るか(守る対象)だけでなく、製品を導入する・運用まで任せる・診断を依頼するといった提供のかたちも含めて、攻撃をどう防ぎ・検知し・対応するかという守り方で分けます。端末やネットワークなど守る対象ごとに全体像を整理したい場合は、記事後半でそうした視点の関連記事も紹介します。
5つのタイプが守る範囲を、攻撃の進み方に沿って整理すると次のとおりです。

| 守り方タイプ | 守る対象・ねらい | 該当する主なサービス |
|---|---|---|
| 入口・通信をブロックして守る | Webサイトやメール、社内ネットワークの境界で、攻撃の侵入そのものを止める | Eye”247″ Safety Zone USAV Ⅵ、SmartConnect Network & Security クラウド型UTM、Check Point Quantum、攻撃遮断くん |
| 端末(エンドポイント)を守る | パソコンやサーバーなどの端末で、マルウェアの実行や不審な挙動を防御・検知する | Trend Vision One、CrowdStrike Falcon、SentinelOne、Microsoft Defender XDR ほか(端末タイプ全9サービスは後述) |
| ネットワークを監視して異常を検知する | 社内を流れる通信を監視し、侵入後の不審な動きや内部の脅威を見つける | Network Blackbox、Darktrace、Vectra AI |
| 脆弱性診断・コンサルで弱点を固める | 攻撃を受ける前に、システムや運用に潜む弱点を洗い出して塞ぐ | GMOサイバーセキュリティ byイエラエ、NRIセキュア |
| 監視・対応ごと任せる(マネージド・総合) | 監視からインシデント対応、復旧までを外部の専門家に伴走してもらう | KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ |
ここからは、それぞれのタイプがどのような攻撃から何を守るのか、順に見ていきます。
入口・通信をブロックして守る(WAF・UTM・ゲートウェイ)
攻撃の侵入経路になりやすいWebサイトやメール、社内ネットワークの境界で、不正な通信を遮断するタイプです。守る対象によって、大きく2つの考え方があります。
1つはWAF(Webアプリケーションファイアウォール)で、自社が公開するWebサイトやWebアプリケーションを狙う攻撃、たとえば入力フォームを悪用する不正アクセスを見分けて止めます。守る対象はWebアプリケーションそのものです。
もう1つがUTM(統合脅威管理)やNGFW(次世代ファイアウォール)で、社内ネットワークと外部の境界に置き、ウイルス対策・不正侵入防御・Webフィルタリングなどをまとめて担います。
WAFは「公開しているWebサービスへの攻撃」を、UTMやNGFWは「ネットワーク全体の出入り口」を守る、という違いがあります。自社がWebサービスを提供しているか、まず境界をまとめて固めたいかで、どちらを軸にするかが変わります。
端末(エンドポイント)を守る(EPP・EDR・XDR)
社員が使うパソコンやサーバーなど、実際に業務が動く端末を守るタイプです。入口をすり抜けた攻撃や、USBメモリ・持ち出し端末からの感染など、境界の内側で起きる脅威に備えます。
EPP(エンドポイント保護プラットフォーム)はマルウェアの実行を未然に防ぐ役割を担い、従来型のウイルス対策を高度化したものにあたります。EDR(エンドポイントでの検知と対応)は、防ぎきれずに侵入した後の不審な挙動を記録・検知し、感染端末の隔離や調査を支援します。XDR(拡張された検知と対応)は、端末を起点にネットワークやクラウド、メールなど複数の領域の情報を相関させ、攻撃の全体像をつかみます。
「侵入を防ぐ」段階だけでなく「侵入された後に素早く気づき対応する」段階まで備えたい場合は、EDRやXDRまで視野に入れて検討することになります。
ネットワークを監視して異常を検知する(NDR)
社内ネットワークを流れる通信そのものを監視し、侵入後に起きる不審な動きを見つけるタイプです。NDR(ネットワークでの検知と対応)と呼ばれ、端末に導入する対策だけでは見えにくい脅威を補います。
攻撃者は侵入後、社内の別のサーバーへ移動したり、外部へ情報を持ち出したりします。こうした通信の偏りや普段と異なる挙動を検知し、端末に対策ソフトを入れられない機器や、気づかないうちに広がる内部の脅威まで監視できる点が特徴です。被害の調査(フォレンジック)に使える通信記録を残す製品もあります。
脆弱性診断・コンサルで弱点を固める
攻撃を受けてから対応するのではなく、攻撃される前に自社システムや運用の弱点を洗い出すタイプです。守るための製品を導入する前段として、どこが狙われやすいかを把握する役割を担います。
専門家がWebアプリケーションやネットワークを調べ、悪用されうる弱点を報告する脆弱性診断や、実際の攻撃者の視点で侵入を試すペネトレーションテストが代表的です。外部に公開している資産を棚卸しして監視する手法を組み合わせるサービスもあり、対策の優先順位を決める判断材料になります。
監視・対応ごと任せる(マネージド・総合)
監視から異常の検知、インシデント対応、復旧までを外部の専門家に委ねるタイプです。製品を導入しても運用する人手が足りない、専門知識を持つ担当者がいない、という企業の受け皿になります。
24時間の監視や、攻撃を受けた際の対応支援、定期的な脆弱性診断、復旧のためのバックアップ、被害に備えた保険までをまとめて提供する形態があります。前述の端末対策サービスにも、監視・対応を代行するオプションが付くものがあり、自社でどこまで運用するかに応じて組み合わせられます。
5つのタイプのうち自社がどこから着手すべきか、判断が難しいケースもあります。いくつかの質問に答えるだけで、自社の状況に合った守り方タイプと候補サービスの見当をつけられるよう、以下に選定診断ツールを用意しました。
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【比較表】守り方タイプ別に主要サービスを比較
ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、主要なサイバー攻撃対策サービスを守り方タイプ・守る対象・提供形態・費用の目安の観点で一覧にまとめます。気になるサービスは、以下の表から個別の紹介へ進めます。
| サービス名 | Eye"247" Safety Zone USAV Ⅵ | SmartConnect クラウド型UTM | Check Point Quantum | 攻撃遮断くん | Eye"247" Safety Zone | Trend Vision One | CrowdStrike Falcon | SentinelOne | Microsoft Defender XDR | Palo Alto Cortex XDR | FFRI yarai | Deep Instinct | Acronis Cyber Protect Cloud | Network Blackbox | Darktrace | Vectra AI | GMOサイバーセキュリティ byイエラエ | NRIセキュア | KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 守り方タイプ | 入口・通信(統合UTM) | 入口・通信(クラウドUTM) | 入口・通信(次世代FW・IPS) | 入口・通信(クラウド型WAF) | 端末(EPP/EDR) | 端末(EDR/XDR) | 端末(EDR/XDR) | 端末(EDR/XDR) | 端末(EDR/XDR) | 端末(EDR/XDR) | 端末(NGAV+EDR) | 端末(予防特化・ディープラーニング) | 端末(EDR/XDR+バックアップ統合) | ネットワーク監視・検知(NDR) | ネットワーク監視・検知(NDR中心) | ネットワーク監視・検知(NDR) | 脆弱性診断・コンサル | 脆弱性診断・コンサル | 監視・対応ごと任せる(マネージド) |
| 守る対象・主な機能 | ネットワーク境界・端末・人を一括。Check Point製UTM(FW/IPS等)+EPP/EDR+標的型攻撃メール訓練を1パッケージ | ネットワーク境界。FW・IPS・アンチウイルス・Webフィルタ等(FortiGate採用)を拠点からDCに集約 | ネットワーク境界。NGFW・IPS・アンチボット・URLフィルタ・サンドボックスを統合。遮断/検知モード切替 | Webアプリへの攻撃を防御。SQLi・XSS等、DDoS/Bot対策(DDoSタイプ)、サイバー保険付帯 | PC・サーバー。Bitdefenderエンジンの振る舞い検知、ランサム対策・ファイル自動バックアップ、EDR | 端末起点に横断。エンドポイント・メール・クラウド・ネットワークを相関するXDR | 端末。NGAV+EDR、IOA振る舞い検知、24時間脅威ハンティング、MDR(Falcon Complete) | 端末。Behavioral AIの自律検知、1クリックロールバック、Storylineで攻撃を自動再構成 | 端末起点にID・メール・クラウドを横断。自動攻撃かく乱・自動デバイス隔離で横展開を遮断 | 端末起点に横断。NGAV・エクスプロイト対策、AI相関のEDR、WildFire連携で未知ファイル検査 | 端末。純国産・シグネチャ非依存の5エンジン振る舞い検知、EDRを標準搭載 | 端末・ファイルを実行前(20ミリ秒未満)に予測・阻止。既存EDRと併用する予防層 | 端末の検知・対応(EDR/XDR)と被害時の復旧(バックアップ)を1製品で | ネットワーク全体。フルパケットキャプチャで検知・ハンティング・フォレンジック。EDR/SIEM連携 | ネットワーク起点に横断。自己学習型AIの異常検知、Cyber AI Analyst、自律対処 | ネットワーク・ID・クラウド横断。AI行動分析(Attack Signal Intelligence)で侵害を優先表示 | ホワイトハッカーの脆弱性診断・ペネトレーションテスト(Web/スマホ/クラウド/IoT等)+ツール型ASM | 専門家による手動主体の脆弱性診断・ペネトレーションテスト(Web/API/クラウド/ソースコード/IoT・OT等) | 予防(月次の内部脆弱性診断)・復旧(隔離バックアップ)・補償(サイバー保険)を伴走で一体提供 |
| 提供形態 | 製品導入(UTM機器同梱パッケージ、代理店経由) | クラウド(拠点に機器を置かずDC集約) | 製品導入(アプライアンス/仮想/クラウド) | クラウド(DNS切り替え/エージェント連動) | 製品導入(ソフトウェア、クラウド管理コンソール) | クラウド(SaaS) | クラウド(SaaS、単一軽量エージェント) | クラウド(SaaS、単一エージェント) | クラウド(SaaS、Microsoft 365 E5等に同梱) | クラウド(SaaS、代理店見積) | オンプレミス/クラウド/マネージド | 製品導入(ソフトウェア) | クラウド(SaaS、MSP/代理店経由が中心) | 製品導入(ミラーリング方式) | 製品導入(オンプレ/クラウドのハイブリッド) | 製品導入(国内はマクニカ経由) | 手動診断(個別見積)+ツール型ASM(SaaS) | 受注型の専門家診断(個別見積) | 運用代行(伴走支援パッケージ) |
| 費用の目安 | 要問い合わせ | 初期110,000円〜/月額38,500円〜(税抜、帯域で変動) | 要問い合わせ | 月額10,000円〜(税抜、1サイトプラン) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(クレジット型、30日間無料体験) | 月額$7.99〜/台(約1,200円/台・1ドル150円換算の目安。グローバル公式価格、日本は要問い合わせ) | 要問い合わせ | Microsoft 365 E5に含む(8,995円/ユーザー/月・年払い) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(1年更新のライセンス) | 年額4,200円〜/ライセンス(税抜、代理店LANSCOPE価格) | 要問い合わせ(従量、無料トライアルあり) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(監視デバイス数で見積) | 要問い合わせ | 手動診断は個別見積/ネットde診断ASM 月額4万円〜 | 個別見積(ペネトレーションテストは800万円〜・税別) | 月額1台1,250円〜(100ノード以下で年額90万〜150万円) |
| 詳細情報 | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式資料を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | オンライン相談を予約 |
料金・仕様は2026年10月時点の各社公表情報にもとづきます(非公表は要問い合わせ)。各サービスの詳しい内容は、下の個別紹介で確認できます。
サービス個別紹介
ここからは、守り方タイプごとに主要なサイバー攻撃対策サービスを個別に紹介します。各サービスが守る対象や特徴、どのような企業に向くかを確認し、自社の候補を絞り込む材料としてご活用ください。
入口・通信をブロックして守るサービス
Webサイトやメール、ネットワークの境界で攻撃の侵入を止める、入口・通信タイプの主なサービスを紹介します。
1. Eye”247″ Safety Zone USAV Ⅵ(株式会社フーバーブレイン)

株式会社フーバーブレインが提供する、ネットワークの境界を守るCheck Point製UTM(統合脅威管理)を中核にしたハードウェア同梱パッケージです。端末を守るEye”247″ Safety Zone(EPP/EDR)、業務可視化・情報漏えい対策、年2回の標的型攻撃メール訓練までを1つに束ねています。
入口・通信の観点では、中核のUTMがファイアウォール・IPS・アンチウイルス・URLフィルタリングなどをネットワークの境界で担い、侵入そのものを止めます。クライアント数10〜200台の構成を想定し、専任のIT担当者を置きにくい中小企業が、ネットワーク・端末・人への対策を1契約でまとめて導入できる点が特徴です。
価格は販売代理店を経由した個別見積もりで、公式サイトに金額の記載はありません。取引先からセキュリティ対策を求められている企業や、複数拠点・テレワーク環境の守りをまとめて固めたい企業に向きます。
2. SmartConnect Network & Security クラウド型UTM(NTTスマートコネクト株式会社)

拠点ごとにUTM機器を購入・設置する代わりに、大阪のデータセンターに集約したUTM基盤に拠点の通信を集めて防御する、クラウド型のUTMサービスです。提供元はNTT西日本グループのNTTスマートコネクト株式会社で、採用製品はFortinet社のFortiGateです。
ファイアウォール、IPS(不正侵入防御)、アンチウイルス、Webフィルタリングなど複数の機能を統合し、拠点とインターネットの間を流れる通信を境界で守ります。顧客拠点にUTM機器を設置・保守する必要がなく、標準プランはサーバー・デバイス100台相当までに対応します。
オプションの「セキュリティ監視分析」を契約すると、同社の分析官が機器のログを分析し、インシデント発生時の早期通知や緊急遮断を代行します。料金は初期費用110,000円(税込121,000円)〜、月額38,500円(税込42,350円)〜、最低利用期間は1年で、帯域などのプランにより変動します。複数拠点を持ち、セキュリティ担当者を置きにくい企業に向きます。
3. Check Point Quantum(チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社)

「Quantum」は、Check Point の次世代ファイアウォール(NGFW)製品群のブランド名です。国内ではチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社が営業・サポート窓口を担い、ファイアウォールやアンチウイルス、URLフィルタリングなどと同じゲートウェイ上で、IPS(侵入防止)を「ソフトウェアブレード」として統合して動かします。
IPSはシグネチャに加え、振る舞い検知やプロトコル違反の検出を組み合わせて攻撃を見分け、パッチ提供前の脆弱性を補う仮想パッチにも対応します。検知のみのDetectモードと、通信を遮断するPreventモードを切り替えられるため、導入初期のチューニングを経てから本番の遮断運用へ移せます。
大企業・データセンター向けのQuantum Force、中小企業向けのQuantum Spark、仮想アプライアンス、クラウド向けまで、規模別のラインナップが揃います。料金は公式サイトに掲載がなく、国内の販売代理店を経由した見積もりとなります。
4. 攻撃遮断くん(株式会社サイバーセキュリティクラウド)

クラウド型のWAF(Webアプリケーションファイアウォール)として、公開中のWebサイトやWebアプリケーションを狙う攻撃を防ぐサービスで、提供元は株式会社サイバーセキュリティクラウドです。UTMやNGFWがネットワーク全体の境界を守るのに対し、本サービスはWebアプリケーションそのものを守ります。
SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング、ディレクトリトラバーサルなどの攻撃を、専門家が攻撃データをもとに作成・更新するシグネチャで検知・遮断します。Webセキュリティタイプ Neo はDNSを切り替えるだけで導入でき、1サイトプランは最短1営業日で始められます。
料金は1サイトプランが月額10,000円〜(税抜、トラフィック連動)で、別途初期導入費用が発生します。10Gbps以上の大規模なDDoS攻撃やゼロデイ攻撃による損害を条件付きで最大1,000万円まで補償するサイバー保険が付帯し、公式サイトでは20,000サイト以上への導入を掲げています。
端末(エンドポイント)を守るサービス
パソコンやサーバーなどの端末で、マルウェアの実行や侵入後の不審な挙動を防御・検知する、端末タイプの主なサービスを紹介します。
5. Eye”247″ Safety Zone(株式会社フーバーブレイン)

株式会社フーバーブレインが次世代エンドポイントセキュリティ製品と位置づける、EPP(端末での侵入前防御)とEDR(侵入後の検知・対応)を単一製品に搭載したソフトウェアです。グローバルベンダーのBitdefenderと共同開発した検知エンジンを採用しています。
EDR機能を別オプションとして追加契約する必要がなく、脅威の検知から端末の調査・駆除までを1つの製品でまかなえる構成です。ランサムウェアに対しては、不審な挙動を監視してファイルを自動的にバックアップし、検知時には直近のバックアップからクライアント側で復元できます。
本製品は端末保護の単体製品で、同社がCheck Point製のUTMなどネットワーク機器を組み合わせて提供する「Eye”247″ Safety Zone USAV Ⅵ」とは構成が異なります。料金は公開されておらず、導入規模に応じて要問い合わせとなります。
6. Trend Vision One(トレンドマイクロ株式会社)

トレンドマイクロ株式会社が提供する、XDR(複数領域の情報を相関させる拡張検知・対応)を中核とした統合セキュリティプラットフォームです。エンドポイントやサーバーに加え、クラウド・メール・ネットワーク・アカウントなど複数のレイヤーで集めた記録を相関分析し、攻撃の全体像を可視化します。
エンドポイント保護を起点に、必要なセキュリティ領域を同じ基盤上で追加していける構成で、既存のトレンドマイクロ製品も1つのコンソールから管理できます。
ライセンスは、複数のソリューションを1つの枠でまかなうクレジット型の「TrendAI Flex」に一本化されており、利用状況に応じてクレジットを消費します。価格は公開されておらず要問い合わせですが、全機能を30日間試せる無料体験が用意されています。
7. CrowdStrike Falcon(クラウドストライク合同会社)

クラウドストライク合同会社が国内で提供する、米CrowdStrikeのエンドポイント保護プラットフォームです。次世代アンチウイルス・EDR・脅威ハンティングなどの機能を、端末に常駐する単一の軽量エージェントから利用できる設計を採っています。
中核のアンチウイルス機能「Falcon Prevent」は、機械学習と攻撃の兆候(IOA)の分析を組み合わせ、パターンファイルの更新を待たずに既知・未知のマルウェアやファイルレス攻撃を実行前に止めます。上位プランでは、24時間365日体制の専門アナリストによる脅威ハンティング(Falcon OverWatch)も利用できます。
海外の公式価格はデバイス単位の月額・年額で段階的なプランが設けられていますが、日本国内向けの価格は公開されておらず、代理店経由の個別見積もりとなります。15日間の無料トライアル(クレジットカード登録不要)が用意されています。
8. SentinelOne(SentinelOne Japan株式会社)

端末に導入したエージェント側のAIが、ファイルやプロセスの挙動をリアルタイムに解析し、ランサムウェアの暗号化などの不審な動きを自律的に検知・隔離するエンドポイント保護基盤です。SentinelOne Japan株式会社が国内で提供しています。
特徴は、ランサムウェアで暗号化されたファイルを、OSの再インストールなしに攻撃前の状態へ戻せる自動復旧(ロールバック)機能です(EDR/XDRを含む上位パッケージで提供)。個々のイベントを時系列・因果関係で自動的に結びつけ、攻撃の全体像を再構成する「Storyline」も備えます。
料金はエンドポイント単位の年額ライセンスですが、公式サイトでは公開されておらず、国内代理店経由の見積もりとなります。
9. Microsoft Defender XDR(日本マイクロソフト株式会社)

ID・端末・メール・クラウドアプリを横断して脅威を検知・対応するXDRで、日本マイクロソフト株式会社が提供します。単独で購入する製品ではなく、複数のDefender製品を組み合わせて展開することで、各製品のシグナルを1つのインシデント画面に集約する統合レイヤーとして機能します。
進行中の攻撃を自動的に封じ込める「自動攻撃かく乱」や、侵害を検知した端末をネットワークから自動で切り離す機能により、ランサムウェアの横展開を遮断します。Microsoft 365やAzureと同じ基盤で運用でき、Microsoft 365 E5を利用中の企業は追加ライセンスなしでXDRを有効化できます。
XDRはDefender for Endpointなどの組み合わせ、またはMicrosoft 365 E5のバンドルで有効になり、E5は公式価格で月額8,995円(ユーザー単位、年払い・Teams込み)です。価格は改定されることがあるため、導入時に公式の最新料金を確認してください。
10. Palo Alto Cortex XDR(パロアルトネットワークス株式会社)

パロアルトネットワークス株式会社のCortex XDRは、エンドポイント保護(EPP/EDR)を起点としたXDRプラットフォームです。端末・ネットワーク・クラウド・アカウントの記録をネイティブに相関させ、マルウェア感染後の挙動や内部不正、侵入後の横移動などを検出します。
機械学習を使った行動分析が、利用者や端末の平常時の動きを学習し、そこからの逸脱を手がかりに隠れた攻撃者の活動を見つけます。関連する複数のアラートを1つのインシデントにまとめ、調査の起点を絞り込めます。
未知ファイルを隔離環境で実行して調べるサンドボックス検査は、同社のクラウド型サービス「WildFire」と組み合わせて実現します。料金は公開されておらず、販売代理店経由の見積もりとなります。
11. FFRI yarai(株式会社FFRIセキュリティ)

株式会社FFRIセキュリティが開発する、ウイルス定義ファイルに依存せずプログラムの挙動から脅威を見つける純国産の次世代エンドポイントセキュリティ製品です。5つの検知エンジンを組み合わせ、標的型攻撃やゼロデイ攻撃、亜種マルウェア、ランサムウェアなど、定義ファイル型では検知しにくい攻撃への対応を掲げています。
2018年のバージョン3.2以降はEDR機能を標準搭載しており、脅威ハンティングから端末隔離、レポート出力までを追加費用なしで利用できます。Microsoft Defenderやトレンドマイクロ製品など既存のウイルス対策ソフトと同居させ、振る舞い検知の層を足す形でも導入できます。
提供形態は、自社構築のオンプレミス、サーバー構築が不要なクラウド版、運用を委ねるマネージドサービスから選べます。オンプレミス・クラウド版は5ライセンスから、料金は1年更新のサブスクリプションで要問い合わせです。開発・サポート拠点が国内にある点も、純国産を求める組織の選択材料になります。
12. Deep Instinct(ディープインスティンクト株式会社)

マルウェア検知に特化したディープラーニング(深層学習)を用い、脅威をファイルの実行前に止める「予防ファースト」のエンドポイント製品です。侵入後の検知・対応に重点を置くEDRとは異なり、ファイルが動き出す前の段階での阻止に軸足を置いています。
独自の深層学習エンジンが、ファイルの実行前に20ミリ秒未満で悪性かどうかを判定し、既知・未知のマルウェアやランサムウェアを阻止します。シグネチャの更新に頼らない設計で、Microsoft Defenderなど他社のEDRと併用する予防層としての導入も想定されています。
国内では代理店経由で提供され、エムオーテックスのLANSCOPEブランドでは1ライセンスあたり年額4,200円(税抜、2025年8月1日改定、新規は5ライセンスから)で案内されています。30日間の無料体験版も利用できます。
13. Acronis Cyber Protect Cloud(Acronis International GmbH)

Acronis International GmbHが提供する、バックアップやディザスタリカバリといったデータ保護と、アンチマルウェア・EDR・XDRなどのセキュリティ機能を1つのコンソールに統合したプラットフォームです。ITサービス事業者(MSP)向けの製品として位置づけられ、利用企業はMSPや販売代理店を通じて導入します。
他の端末保護製品が検知・対応を主眼に置くのに対し、本製品はランサムウェア対策を「端末での防御」と「被害を受けた際のデータ復旧」の両面から1製品でまかなえます。バックアップファイルの改ざん防止や、バックアップ経由での悪意あるファイルの再侵入防止も同じ製品で扱えます。
EDR・XDR・MDR(監視・対応を外部に委託する形態)は段階的に選べ、メールやコラボレーションの保護まで同じ基盤に束ねられます。料金は保護対象や容量に応じた従量制で、公式には要問い合わせですが、クレジットカード登録なしで試せる無料トライアルが用意されています。
端末だけでなく、メールやクラウド、ネットワークのログまで束ねて攻撃の全体像をつかむXDRを、EDRとの違いや取り込める範囲・他社製品との連携で詳しく比べたい場合は、XDR製品に絞った以下の比較が参考になります。
ネットワークを監視して異常を検知するサービス
社内の通信を監視し、侵入後の不審な動きや内部の脅威を見つける、ネットワーク監視・検知タイプの主なサービスを紹介します。
14. Network Blackbox(株式会社クワッドマイナージャパン)

社内ネットワークを流れる通信をミラーリングで取り込み、やり取りされたパケットをそのまま保存して脅威を検知・調査するNDR(ネットワーク検知・対応)製品です。韓国のQuad Miners社が開発し、日本では日本法人の株式会社クワッドマイナージャパンが提供しています。
イベントの記録(ログ)ではなく通信そのものを保存するため、脅威を検知した後に、その通信をパケット単位でさかのぼって調査(フォレンジック)できる点が特徴です。検知は、既知の攻撃を見分けるシグネチャ、利用者の行為の記録に基づく検出、送受信データの内容を復元して調べるコンテンツ分析の3つの方式を併用します。
MITRE ATT&CKに基づく脅威ハンティングや、Syslog・REST APIによるEDR・SIEMとの連携にも対応します。端末に対策ソフトを導入できない機器も含めてネットワーク全体の通信を監視したい企業や、インシデント後に通信記録をさかのぼって調べたい企業に向きます。料金は公式サイトに記載がなく、要お問い合わせです(デモ申請の導線あり)。
15. Darktrace(ダークトレース・ジャパン株式会社)

Darktraceは、組織ごとの「正常な通信」をAIに学習させ、そこから外れた動きを手がかりに未知の脅威まで検知する、自己学習型AIを中核としたセキュリティ製品です。英国で2013年に設立されたDarktrace社が開発し、ネットワークの挙動分析(NDR)を起点とします。
あらかじめ用意した攻撃パターン(シグネチャ)に頼らず、組織固有の挙動からの逸脱で検知するため、内部不正やラテラルムーブメント、新種のランサムウェアなどを捉えやすい設計です。検知したアラートはAIが自動で調査・優先順位付けし、デバイスの隔離や再認証といった封じ込めまで自律的に実行できます。
ネットワークを起点に、メール・クラウド・エンドポイント・OT・アイデンティティまで横断して相関分析できる構成です。CrowdStrikeやMicrosoft Defender、Splunkなど他社のEDRやSIEM(ログを集約して相関分析する仕組み)とも連携します。
料金は監視対象のデバイス数に応じた個別見積もりで、公式には要お問い合わせです。シグネチャに依存しない検知で、侵入後の内部の動きまで監視したい企業に向きます。
16. Vectra AI(Vectra AI Japan株式会社)

米国のVectra AI社が開発するNDR(ネットワーク検知・対応)製品で、ネットワークトラフィックの挙動をAIで分析し、社内に侵入した脅威を検知して優先順位を付けます。日本では国内拠点のVectra AI Japan株式会社と、代理店のマクニカ株式会社が販売・サポートを担います。
検知エンジン「Attack Signal Intelligence」が、教師あり・教師なし学習と相関分析を組み合わせた150以上のAIモデルで攻撃者の振る舞いを分析し、大量のアラートを「いま侵害が起きている箇所」へ絞り込みます。ランサムウェアやラテラルムーブメント、認証情報の悪用など、侵入後の動きを振る舞いから捉えます。
監視範囲はオンプレミスのネットワークに加え、マルチクラウドやActive Directory、Microsoft 365などに及び、CrowdStrikeやMicrosoft Defenderといった他社のEDR、Splunkなどのスタックとも連携します。
料金は公式・代理店ともに非公開で、要お問い合わせです(マクニカがトライアル相談の窓口)。アラートの絞り込みでSOC(セキュリティ監視・対応を担う専門チーム)運用の負荷を抑えたい企業に向きます。
脆弱性診断・コンサルで弱点を固めるサービス
攻撃を受ける前に、システムや運用に潜む弱点を洗い出す、脆弱性診断・コンサルタイプの主なサービスを紹介します。
17. GMOサイバーセキュリティ byイエラエ(GMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社)

GMOインターネットグループのセキュリティ専門企業が運営する、ホワイトハッカーによる手動主体の脆弱性診断・ペネトレーションテストを中核としたサービスです。Web・スマホアプリ・クラウド・ネットワーク・IoTなど幅広い対象を診断し、ツールだけでは見つけにくい弱点を人の手で検証します。
手動診断に加えて、外部に公開したWebサイトやVPNなどの弱点を継続的に可視化するツール型の「GMOサイバー攻撃ネットde診断 ASM」も提供します。ASMは月額4万円からの自走プランと、専門家の運用サポートが付く月額12万円からの伴走プランを選べます。
専門家による手動診断は、診断したい画面数やAPI数、選んだ攻撃シナリオをもとにした個別見積もりで、料金は要問い合わせです。暗号資産・取引所システムやNFT・ブロックチェーンといった領域まで診断対象に含む点も特徴です。
18. NRIセキュア(NRIセキュアテクノロジーズ株式会社)

野村総合研究所(NRI)グループのセキュリティ専業会社が提供する、手動主体のセキュリティ診断・ペネトレーションテストです。SANSの専門トレーニング修了者や、CISSP・OSCPなどの国際資格を持つ専門家が診断を担当します。
Webアプリケーション診断は、専門家の手作業のみで行うプロフェッショナル方式と、ツールを補助的に併用するハイブリッド方式から選べます。公式サイトには銀行・証券など高度なセキュリティが求められるサイトでの診断実績が多いと記載され、報告書には過去の実績と比較した相対評価が付きます。
診断対象はWeb・プラットフォーム・スマホアプリ・API・クラウド・ソースコードから、ブロックチェーン・AI・IoT/OTまで広く、攻撃者視点のペネトレーションテストやレッドチームまで一貫して依頼できます。多くのメニューは個別見積もりで、ペネトレーションテストは800万円から(税別)と公式に示されています。
脆弱性診断やリスク評価を外部に依頼する場合、調査の進め方(担当者への聞き取り中心か、技術的な脆弱性診断か)や費用の幅はサービスによって大きく異なります。タイプ別の選び方と費用の目安を整理した以下の比較で、自社に合う依頼先を見極められます。
監視・対応ごと任せるサービス(マネージド・総合)
監視から対応、復旧までを外部の専門家に委ねられる、マネージド・総合タイプの主なサービスを紹介します。
19. KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージ(株式会社SYNCHRO)

KATABAMI サイバーセキュリティ対策パッケージは、脆弱性診断による予防・隔離バックアップによる復旧・サイバー保険による補償の3つを1つにまとめた国産のパッケージ型サービスです。開発・提供は、独自のネットワーク技術「KATABAMI」を手がける株式会社SYNCHROが担います。
中核となる脆弱性診断は、社内ネットワークの内部から機器や設定の弱点を月1回(年12回)のペースで洗い出し、検出した問題の対策案をレポートします。結果をもとにした相談会で改善を伴走する一方、パッチ適用などの対策の実装は原則として利用企業側で進める形で、希望する場合は別料金での委託にも対応します。
被害に備える側では、隔離した通信経路へのバックアップでデータ復旧を支援し、あいおいニッセイ同和損保のサイバー保険(賠償1億円・費用3,000万円)が付帯します。料金は1台あたり月額1,250円からで、初期費用や自社規模に応じたプランはミーティングで相談できます。専任のセキュリティ担当者を置きにくい企業が、監視から対応・復旧までを外部に委ねたい場合の選択肢です。
バックアップを通常のネットワークから切り離す構成を採る理由について、株式会社SYNCHROの北口氏は次のように説明しています。

現状、ランサムウェア攻撃を受けた企業のうち、約8割近くでバックアップデータも潰されていると、警察からも発表されています。バックアップ経路は通常のネットワーク上にあるため、ランサムウェアを仕掛けてきた攻撃者にもたどり着けてしまうものがほとんどだからです。そこで当社は、KATABAMIを使ってバックアップを見えない経路で隠す仕組みを取り入れています。
監視やインシデント対応を外部に任せる選択肢をさらに比べたい場合は、検知の通知だけか、調査・封じ込め・復旧支援まで含むのかという代行範囲や、課金単位でサービスを整理した以下の比較が参考になります。
多層防御の組み立て方(何から始めるか)
サイバー攻撃対策は、1つのタイプだけで完結するものではありません。攻撃は入口・端末・ネットワークの各段階を進むため、複数のタイプを重ねて守る多層防御の考え方が基本になります。ここでは、何から着手し、どう積み上げるかの順序を整理します。
まず押さえたいのは、攻撃の入口を塞ぐ入口・通信タイプです。Webサイトを公開しているならWebアプリケーションを守る対策を、社内ネットワークの境界が手薄ならネットワーク全体を守る対策を優先し、侵入の数そのものを減らします。
次に、入口をすり抜けた攻撃に備える端末タイプを重ねます。防御だけでなく、侵入後の挙動を検知して対応できる段階まで備えると、被害の拡大を抑えやすくなります。さらに、端末に対策を入れられない機器や内部の脅威まで見たい場合は、通信を監視するネットワーク監視・検知タイプを加えます。
これらを導入する前後で、脆弱性診断によって自社の弱点を把握しておくと、どのタイプから投資すべきかの優先順位が明確になります。そして、監視や対応を担う人手が社内にないなら、運用そのものを任せるマネージド・総合タイプを土台に据える選択肢もあります。自社の守りたい範囲と運用体制を照らし合わせ、欠けている層から順に埋めていくのが、過不足のない組み立て方です。
攻撃への守り方だけでなく、端末・ネットワーク・ID・データ・監視運用といった「守る対象」ごとに社内セキュリティ全体を見渡したい場合は、対象別に代表的なソリューションを整理した以下の比較が役立ちます。
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自社に合う対策サービスの選び方
守り方タイプの見当がついたら、具体的なサービスを絞り込みます。ここでは、比較の軸・費用の見方・自社運用か代行かという3つの観点から、自社に合うサービスを判断するための材料を整理します。
攻撃への対応範囲・既存環境との相性・サポートで選ぶ(比較軸)
同じタイプのサービスでも、守れる範囲や運用のしやすさには差があります。次の3つの軸で見ると、自社の要件との距離を測りやすくなります。
1つ目は、攻撃への対応範囲です。防御だけなのか、侵入後の検知・対応まで含むのか、どの経路の攻撃をカバーするのかが選定の起点になります。自社が守りたい脅威と、サービスが対応する脅威がずれていると、導入しても穴が残ります。
2つ目は、既存環境との相性です。利用中のパソコンやサーバーの種類、クラウドサービス、既存のセキュリティ製品と組み合わせられるかが判断材料になります。対応する機器や連携できる製品の範囲が合わないと、運用が複雑になり、かえって抜け漏れを招きます。
3つ目は、サポート体制です。導入時の設定支援や、攻撃を受けた際の対応支援、日本語での問い合わせ対応があるかは、社内に専門人材が少ない企業ほど重要になります。製品の機能だけでなく、運用を支える体制まで含めて見比べると、導入後のギャップを避けやすくなります。
この3軸をどの順で重視するかは、検討する守り方タイプによって変わります。入口・通信を守るWAF・UTMなら、どの経路・どの攻撃をカバーするかという対応範囲を特に確かめます。
端末を守るEPP・EDR・XDRなら、侵入後の検知・対応まで含むか、既存の端末・OSと相性がよいかを見ます。ネットワーク監視(NDR)や監視・対応を任せるマネージドなら、24時間監視や日本語でのインシデント対応までサポートに含まれるかが絞り込みの決め手になります。
費用・料金の見方(提供形態別)
サイバー攻撃対策サービスの費用は、提供形態によって見方が変わります。大きく、製品を導入して使う形態、運用まで代行してもらう形態、必要なときに診断を依頼する形態に分けて考えると整理しやすくなります。
製品を導入して使う形態では、端末やユーザーの数に応じた月額・年額が中心で、台数が増えるほど費用も増えます。端末保護は製品によって無料トライアルが用意されていることもあり、見積もりの前に自社環境で検知精度や運用負荷を試せます。
運用まで代行してもらう形態では、監視や対応の範囲に応じた月額が設定され、自社で人を雇う場合と比べた費用対効果で判断します。診断を依頼する形態は、対象の範囲や深さに応じた都度の見積もりが一般的です。
多くのサービスは、企業ごとの環境に合わせて料金を個別見積もりとしており、公式に金額を公表していないことも珍しくありません。公表されていない費用は「要お問い合わせ」として扱い、推定で金額を埋めないことが、見積もりの誤差を避けるうえで大切です。複数のサービスから見積もりを取り、守れる範囲あたりの費用で比べると、妥当性を判断しやすくなります。
自社運用か、監視・対応ごと任せるか
対策を選ぶうえで避けて通れないのが、導入後の運用を自社で担うか、外部に任せるかという判断です。検知の仕組みを入れても、警告に気づいて対応する人がいなければ被害は防ぎきれません。社内に監視や対応の人手が足りない場合は、運用を代行するマネージド・総合タイプが有力な選択肢になります。
中小企業向けには、公的な制度という道筋もあります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と経済産業省が推進する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」は、中小企業が必要とする対策をワンパッケージにまとめた民間事業者のサービスで、異常の監視(見守り)、インシデント対応の支援(駆け付け)、サイバー保険の付帯を基本構成とします。
監視の方式は、社内ネットワークをまとめて見る「ネットワーク監視」、端末を社外に持ち出しても見る「端末監視」、両者を組み合わせる「併用」の3種類があり、本記事の守り方タイプとも対応します。
出典・参考資料(1件)
利用料の負担を抑える支援制度もあります。2026年度(令和8年度)から「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」へ改称され、その中の「セキュリティ対策推進枠」で、お助け隊サービスの利用料(最大2年分)が支援対象となっています。
2026年度時点のチラシによると、補助額は5万円から150万円、補助率は中小企業が2分の1、小規模事業者が3分の2です。補助率や上限は年度で変わるため、最新の公募要領を公式サイトで確認したうえで検討してください。
出典・参考資料(2件)
- 出典:デジタル化・AI導入補助金(チラシ・令和8年8月時点版)|中小企業庁/中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局(mirasapo-plus 掲載PDF)
- 参考資料:デジタル化・AI導入補助金 公式サイト|中小企業庁
専任の担当者を置きにくい中小企業が、何からどの順で対策を進めればよいかを費用感とあわせて把握したい場合は、優先順位つきで取り組みを整理した以下の記事が出発点になります。
なぜ今サイバー攻撃対策が必要か(脅威動向・被害事例)
対策への投資を社内で判断するには、脅威の現状を示す根拠が欠かせません。ここでは、公的機関が公表した最新の統計をもとに、サイバー攻撃がどの程度の規模で起き、どのような被害につながっているかを整理します。
警察庁の報告によると、ランサムウェアの被害は依然として高い水準で続いています。
令和7年におけるランサムウェアの被害報告件数は226件であり、依然として高水準で推移しているところ、長期にわたり企業活動が阻害され、国民生活に影響を及ぼした被害も複数発生した。
出典:令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁
被害は大企業だけの問題ではありません。警察庁の同じ報告では、ランサムウェア攻撃の被害企業を規模別に見ると、前年と同様に中小企業が約6割を占めています。業種別では製造業が約4割を占め、卸売・小売業やサービス業、情報通信業が続きます。復旧に総額1,000万円以上を要した組織の割合は、全体の5割を超えています。
出典・参考資料(1件)
- 出典:令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について|警察庁(https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R7/R07_cyber_jousei.pdf)
中小企業の被害が目立つ背景には、出回った攻撃ツールで無差別に対象を広げる「ばらまき型」のランサムウェアの増加があります。自社がピンポイントで狙われていなくても、セキュリティに穴があれば網にかかるように被害へ巻き込まれるため、規模を問わず備えが求められます。
脅威の定点観測でも、ランサムウェアは最上位に位置づけられています。IPAが公表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」の組織向けの順位は、次のとおりです。
1位 ランサム攻撃による被害(11年連続11回目)/2位 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃/3位 AIの利用をめぐるサイバーリスク(2026年初選出)/4位 システムの脆弱性を悪用した攻撃/5位 機密情報を狙った標的型攻撃
出典:情報セキュリティ10大脅威 2026(組織向け)|独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
ランサムウェアに加え、取引先を経由する攻撃、システムの脆弱性を突く攻撃、特定の組織を狙う標的型攻撃が上位に並びます。これらはいずれも、入口・端末・ネットワークのどこかに弱点があると被害につながるもので、守り方タイプを組み合わせて備える必要性を示しています。被害規模や復旧費用の実態は、対策への投資を社内で説明する際の具体的な根拠として活用できます。
被害が最も多いランサムウェアについて、予防・バックアップ・感染したときの初動まで具体的な進め方を知りたい場合は、以下の解説で対策の全体像を確認できます。
まとめ
サイバー攻撃対策サービスは、守り方のタイプで整理すると、自社に欠けている部分が見えてきます。入口・通信で侵入を止め、端末で防御と検知を固め、ネットワークの監視で侵入後の動きをつかみ、脆弱性診断で弱点を把握し、必要なら監視・対応ごと外部に委ねる、という5つの守り方が基本の選択肢です。
重要なのは、1つのタイプに偏らず、自社の守りたい範囲と運用体制に合わせて欠けている層から積み上げることです。人手が足りないなら運用を代行するマネージド型や、中小企業向けの公的制度という道筋もあります。本記事の比較表と選定診断ツールを使い、自社に合うサービスの候補を絞り込んでください。
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よくある質問(FAQ)
Q. サイバー攻撃対策サービスとは何ですか?
A. サイバー攻撃対策サービスとは、企業への侵入・マルウェア感染・ランサムウェア被害などを、製品やサービスとして防御・検知・対応・診断する仕組みの総称です。
攻撃はWebサイトやメールといった入口から、社員が使う端末、社内ネットワークの奥へと段階的に進みます。そのため守り方は、「入口・通信の防御」「端末(エンドポイント)の保護」「ネットワークの監視・検知」「脆弱性診断・コンサル」「監視・対応の代行(マネージド)」の5つのタイプに整理できます。自社に欠けている守り方の層を見つける出発点として活用できます。
Q. サイバー攻撃対策は入口の対策だけで十分ですか?
A. サイバー攻撃対策は、入口の防御だけでは不十分で、端末やネットワークまで重ねる多層防御が基本です。
攻撃は入口をすり抜けて端末やネットワークの奥へ進むため、守る対象がどこか1か所に偏っていると、別の経路から被害に至ります。まず入口・通信の防御で侵入の数そのものを減らし、次に端末で侵入後の検知・対応まで固め、端末に対策を入れられない機器や内部の脅威まで見たい場合はネットワーク監視を加える、という順で欠けている層から埋めていくのが過不足のない進め方です。
Q. WAFとUTMはどう違い、どちらを選べばよいですか?
A. WAFは自社が公開しているWebサイト・Webアプリケーションへの攻撃を守り、UTMは社内ネットワークと外部の境界をまとめて守る点が異なります。
自社でWebサービスを公開していて、入力フォームを悪用するSQLインジェクションなどアプリそのものを狙う攻撃を止めたいならWAFを軸にします。一方、社内ネットワークの出入り口を、ウイルス対策・不正侵入防御・Webフィルタリングまでまとめて固めたいなら、UTM(統合脅威管理)やNGFW(次世代ファイアウォール)が向きます。守る対象が異なるため、両方を併用して互いの穴を補う構成もあります。
Q. EDRやSOCは導入したほうがよいですか?
A. EDRやSOCは、「侵入を防ぐ」だけでなく「侵入された後に素早く気づいて対応する」段階まで備えたい場合に有力な選択肢です。
EDR(エンドポイントでの検知と対応)は、防ぎきれずに侵入した後の不審な挙動を記録・検知し、感染端末の隔離や調査を支援する仕組みで、マルウェアの実行を未然に防ぐEPP(従来型のウイルス対策を高度化したもの)を補います。
SOCは監視・分析・対応を担う専門チームを指し、社内に運用の人手がなければ、外部のマネージドサービスとして利用できます。防御だけでは防ぎきれない侵入後の被害拡大を抑えたい企業ほど、検知・対応の仕組みが重要になります。
Q. 社内にセキュリティの専門人材がいなくても対策できますか?
A. 社内に専門人材がいなくても、監視から検知後の対応・復旧までを外部に委ねるマネージド・総合タイプのサービスを使えば対策できます。
検知の仕組みを導入しても、警告に気づいて対応する人がいなければ被害は防ぎきれません。端末対策サービスにも監視・対応を代行するオプションが付くものがあり、自社でどこまで運用するかに応じて組み合わせられます。中小企業向けには、IPA(情報処理推進機構)と経済産業省が推進する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」があり、異常の監視・インシデント対応の支援・サイバー保険をワンパッケージで提供します。
Q. サイバー攻撃対策サービスの費用の目安はどのくらいですか?
A. サイバー攻撃対策サービスの費用は、提供形態によって見方が変わり、多くは企業ごとの環境に合わせた個別見積もりです。
製品を導入して使う形態は端末・ユーザー数に応じた月額・年額、運用まで代行する形態は監視・対応の範囲に応じた月額、診断を依頼する形態は対象の範囲・深さに応じた都度見積もりが中心です。
本記事で取り上げたサービスでは、クラウド型UTMが初期110,000円(税込121,000円)〜・月額38,500円(税込42,350円)〜、クラウド型WAFが月額10,000円〜、マネージド型パッケージが1台あたり月額1,250円〜といった例があります。
公表されていない費用は「要お問い合わせ」として扱い、推定で金額を埋めず、複数社から見積もりを取って守れる範囲あたりの費用で比べると妥当性を判断しやすくなります。
Q. サイバー攻撃対策に使える補助金はありますか?
A. 中小企業・小規模事業者は、「デジタル化・AI導入補助金」のセキュリティ対策推進枠で、お助け隊サービスの利用料(最大2年分)の支援を受けられます。
この補助金は、2026年度(令和8年度)に従来の「IT導入補助金」から改称されたものです。2026年度時点のチラシによると、補助額は5万円から150万円、補助率は中小企業が2分の1、小規模事業者が3分の2です。補助率や上限は年度で変わるため、最新の公募要領を公式サイトで確認したうえで検討してください。
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松嶋真倫
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