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原価管理パッケージを比較|ERP統合型と専用型を原価の集計・配賦とカスタマイズ性で選ぶ

原価管理パッケージ を徹底比較のサムネイル画像
管理会計システム比較表(2026年版)のプレビュー

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管理会計システム比較表(2026年版)

原価の集計や配賦を、Excelや部門ごとの個別システムで続けていて、原価把握が属人化していませんか。配賦ルールが複雑で原価が実態とずれる、会計・販売・在庫・生産の各システムと原価データが分断して二重入力が生じる、といった課題は、製造業・建設業・プロジェクト型のビジネスで繰り返し起こります。

汎用的なクラウドサービスでは自社の原価計算方式や配賦ロジックに機能が合わず、カスタマイズやアドオンで作り込めるパッケージ製品を検討する企業は少なくありません。このとき最初の分かれ道になるのが、基幹業務と一体で原価を扱うERP統合型のパッケージで始めるか、原価の集計・配賦に特化した専用パッケージで始めるか、という選択です。

本記事では、原価の集計・配賦を担うパッケージ製品を、ERP統合型と専用型の両方から20製品取り上げて比較します。製品候補や機能・料金・対応業種に加え、原価の集計・配賦の実装粒度と、アドオン・カスタマイズでの作り込みやすさという、パッケージ選定で見落とされがちな観点を横並びにしました。自社の原価計算方式・配賦ロジック・既存システム連携に合う製品を見極める材料としてご活用ください。

また、自社の業種や作り込み要件に合う製品を最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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ERPの原価管理パッケージと専用パッケージの違い・使い分け

ここからは、原価管理をERP統合型のパッケージで始めるか、原価に特化した専用パッケージで始めるかを判断できるよう、両者の成り立ちと得意領域を整理します。

ERP統合型パッケージとは

ERP統合型パッケージは、会計・販売・購買・在庫・生産といった基幹業務を1つの基盤にまとめ、その中で原価の集計・配賦までを担うパッケージ製品です。購買データや工数、在庫の受払いが同じ基盤上にあるため、原価の構成要素である材料費・外注費・労務費・経費を、他システムへ二重入力することなく案件や製品へ集約できます。

多くのERP統合型パッケージは、標準機能だけで完結させるのではなく、アドオンやカスタマイズで自社の原価計算方式・配賦ルールに合わせて作り込むことを前提にしています。原価管理を起点に、将来は会計や購買まで基幹システムを統合していきたい企業に向いた選択肢です。

専用の原価管理パッケージとは

専用の原価管理パッケージは、原価の集計・配賦という業務に範囲を絞ったパッケージ製品です。案件・工事・製品といった単位で原価を積み上げ、間接費や労務費を配賦して実際原価や予実を把握する機能を中心に据えます。業種を問わず使える汎用型のほか、製造・建設・プロジェクトなど特定業種の原価要件に合わせた製品もあります。

基幹システム全体を入れ替えずに、既存の会計ソフトや販売管理と連携させて原価管理だけを強化できるのが特徴です。導入範囲が限定されるため、ERP統合型に比べて短期間・低コストで始めやすい一方、会計や在庫との連携は製品ごとの対応状況を確認する必要があります。

ERP統合型で原価管理するメリット・デメリット

ERP統合型で原価管理を行う主な利点は、原価データが基幹業務のデータと直接つながることです。購買の発注・入荷、工数の実績、在庫の払い出しがそのまま原価に反映されるため、月次の原価を締めるまでの手作業と転記ミスを減らせます。配賦に使う作業時間や数量といった基礎データも同じ基盤から取れるため、配賦計算の根拠が社内で一貫します。

一方で、導入範囲が基幹業務全体に及ぶため、専用パッケージより初期費用・導入期間・社内の運用負荷が大きくなりがちです。自社の原価計算方式に合わせるためのカスタマイズが前提になる製品も多く、要件定義と保守の体制を確保できるかが導入の成否を分けます。原価管理だけを早く軽く立ち上げたい段階では、過剰投資になる場合もあります。

そもそも自社にERPが必要かを先に見極めたい段階もあります。ERPと会計ソフト・管理会計システムの違いや、導入費用・期間の目安は以下の記事で整理しています。

ERP統合型と専用型、どちらを選ぶか

選択の目安は、原価管理に求める範囲と、既存システムをどこまで残すかにあります。会計・販売・在庫・生産まで含めて原価データを一元化したい、あるいは将来の基幹統合を見据えているなら、ERP統合型が候補になります。既存の会計ソフトや販売管理は残したまま、原価の集計・配賦だけを強化したいなら、専用パッケージが現実的です。

ただし、実際の絞り込みは「自社の業種・生産方式」「必要な原価計算方式」「配賦の粒度」「作り込みやすさ」といった複数の軸で変わります。これらの具体的な判断軸は記事後半の選び方で順に取り上げるため、ここでは大きな方向性の確認にとどめます。

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原価管理パッケージのタイプ

原価管理パッケージは、対象とする業種・生産方式と利用形態によって得意領域が分かれます。自社がどのタイプに当てはまるかを見極めると、候補製品を効率よく絞り込めます。ここでは主に次の5つのタイプに分けて整理します。

この5つのタイプは、前節の「ERP統合型か専用型か」とは別の軸です。ERP統合型/専用型は原価管理をどこまで基幹業務と一体で持つかの軸、以下の業種・利用形態のタイプはどの業種・案件の原価実務に合うかの軸で、実際の製品選びはこの2つを掛け合わせて考えます。

たとえば製造業向けにも、基幹業務と一体のERP統合型と、原価に寄せた専用型の両方があります。建設業向けもERP統合型から建設専用の製品まで揃います。まず「ERP統合型か専用型か」で持ち方を、次に業種・利用形態で合い方を見ると、自社に近い製品を絞れます。該当する製品名は下の概要表で確認できます。

持ち方(ERP統合型/専用型)と業種・利用形態を掛け合わせると、同じ業種でも製品が次のように分かれます。

原価管理パッケージを『持ち方(ERP統合型/専用型)』と『業種・利用形態』の2軸で整理した早見表。ERP統合型は基幹業務と一体で持つ、専用型は原価の集計・配賦に特化。プロジェクト型はERP統合型にクラウドERP ZAC・EAST2、専用型にマネーフォワード クラウド個別原価・Reforma PSA。製造業はERP統合型にmcframe・STRAMMIC・Ross ERP、専用型にJ-CCOREs。建設・工事はERP統合型にPROCES.S・e2-movE、専用型にレッツ原価管理Go2クラウド。業種横断・汎用はERP統合型にOracle NetSuite・SAP S/4HANA Cloud・GRANDIT、専用型にアラジンオフィス・楽楽販売。同じ業種でもERP統合型と専用型の両方がある。各セルは代表例。
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特徴該当する主なサービス詳細
ERP統合型パッケージ会計・販売・在庫・生産など基幹業務と一体で原価を集計・配賦するERPパッケージ。アドオン・カスタマイズで自社業務に作り込む前提。Oracle NetSuite、GRANDIT、SAP S/4HANA Cloud、クラウドERP ZAC、EAST2比較表を見る
プロジェクト原価管理型案件・工事・プロジェクト単位で個別原価を集計し、労務費や共通費を配賦する。案件別の予実・損益把握に強い。マネーフォワード クラウド個別原価、HUE Classic Project Management、SMILE V 2nd Edition Project Director、Reforma PSA、プロカン、プロジェクト収支管理Rebo比較表を見る
製造業向け(組立・プロセス)製造原価・工程別原価・標準/実際原価に対応。組立製造とプロセス製造で機能が分かれる。mcframe、J-CCOREs、STRAMMIC、Ross ERP比較表を見る
建設・工事原価型工事(現場)単位で材料費・外注費・労務費・経費を集計。工事台帳・実行予算・工事進行基準への対応が中心。レッツ原価管理Go2クラウド、PROCES.S、e2-movE比較表を見る
販売管理一体型(汎用)販売・在庫管理と一体で、業種を問わず案件別の原価・収支を集計する。自社業務に合わせて設定・拡張できる。アラジンオフィス、楽楽販売比較表を見る

※上記は各タイプにおける一般的な傾向です。個別のサービスにおける実際の機能搭載の有無や提供形態(標準・オプション等)については各社情報をご確認ください。

ここからは、それぞれのタイプがどのような製品群で、どのような企業に向いているかを順に解説します。

ERP統合型パッケージ

5つのタイプのうち、原価を単独で持たず基幹業務の一部として扱うのがこのタイプです。会計・販売・在庫・生産と同じ基盤で原価を集計・配賦する製品群で、本記事では5製品を取り上げます。複数の事業・拠点の原価を全社共通の基準でまとめたい企業や、将来は会計・購買まで基幹統合を見据える企業は、このタイプが自社に合う目安です。該当製品は上の概要表で確認できます。

プロジェクト原価管理型

案件・工事・プロジェクトを単位に原価を把握したい企業が当てはまります。IT・エンジニアリング・設備工事・コンサルティングなど、人件費が原価の大半を占め、工数から労務費を割り出す運用になっているかが、自社が当てはまるかの判断材料です。中小から中堅・大企業まで、規模に応じた製品が揃っています。

製造業向け(組立・プロセス製造)

工場で製造原価を扱う企業向けです。材料費・労務費・製造経費を工程別に集計し、標準原価と実際原価の差異分析まで求めるかが、見分ける目安になります。部品を組み立てる組立製造か、原料を連続的に加工するプロセス製造(化学・食品など)かで必要な機能が分かれるため、自社の生産方式を軸に候補を見ます。

建設・工事原価型

建設業・工事業で、工事(現場)ごとに採算を管理したい企業が当てはまります。工事台帳や実行予算との対比、完成工事原価・未成工事支出金の扱い、工事の進捗に応じて原価と収益を計上する工事進行基準への対応など、建設業固有の実務が必要かが、自社が当てはまるかの判断材料です。

販売管理一体型(汎用)

特定の業種や原価計算方式に縛られず、既存の販売・在庫管理を起点に原価の可視化まで広げたい企業向けです。案件単位で売上と発注原価・経費を紐づけ、原価率や利益を見たいが、専用の原価計算エンジンまでは要らない、という場合が見分ける目安になります。

ここまでで自社のタイプが絞りきれなければ、以下の選定診断ツールをお試しください。業種・原価管理の位置づけ(ERP統合型/専用型)・規模・作り込み要件の4問に答えると、条件に合う製品を数十秒で確認できます。

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【比較表】原価管理パッケージを比較

ここからは、自社の課題や要件に合わせて客観的に比較・選定できるよう、主要な原価管理パッケージ20製品をタイプ別に横並びにします。原価計算方式・配賦の粒度・カスタマイズ性・料金・対応業種を軸に、まずはタイプごとの比較表で全体像を俯瞰し、気になる製品の個別紹介へ進んでください。

ERP統合型と専用型のどちらを選ぶかという全体像は、前掲の違い・使い分けと選定診断ツールで示しました。ここからの比較表は同じタイプ内で製品を見比べるためのもので、異なるタイプ同士を1つの表に横並びにはしていません。

【比較表】ERP統合型パッケージ

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サービス名Oracle NetSuiteGRANDITSAP S/4HANA CloudクラウドERP ZACEAST2
提供形態クラウドERP(SaaS)統合ERP(国産)
提供形態は要問い合わせ
クラウドERP(外資・大規模)プロジェクト型クラウドERPプロジェクト原価管理型ERP
オンプレ/クラウド(要問い合わせ)
対応業種・生産方式業種横断
(流通・サービス・プロジェクト型等)
業種横断の統合ERP業種横断
中堅〜大企業
IT・広告・コンサル等のプロジェクト型プロジェクト(件名)型
原価計算方式在庫はFIFO・平均原価法等に対応
標準・製造原価は公式未明示
個別原価管理アドオン・工事進行基準に対応個別(プロジェクト別・PS/CPM)に対応
標準・製造原価の公式粒度は要確認
個別原価計算を自動化件名別の費用実績を発生時点入力で集計
標準・実際の原価計算エンジンは公式未明示
配賦・集計単位プロジェクト会計で購買を案件に紐付け、直接費・間接費を案件予算へ配賦部門別・プロジェクト別の管理会計配賦(経費配賦・社内金利配賦)を標準Universal Journalで財務・管理会計を統合し、プロジェクト別原価を把握工数から案件別労務費(直接作業は直課・間接作業は再配賦)、共通費・販管費を配賦、工事進行基準に対応人件費配賦・間接費配賦に対応
カスタマイズSuiteCloudでモジュール追加・拡張テンプレ・アドオンで作り込み可大規模・拡張前提機能(モジュール)別に選択作り込み前提のパッケージ
料金要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ初期設定100,000円
月額は要問い合わせ
要問い合わせ
詳細情報公式資料を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト

【比較表】プロジェクト原価管理型

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サービス名マネーフォワード クラウド個別原価HUE Classic Project ManagementSMILE V 2nd Edition Project DirectorReforma PSAプロカンプロジェクト収支管理Rebo
提供形態クラウド(専用)オンプレ型パッケージ
クラウド運用代行オプションあり
パッケージ
クラウド/オンプレは公式未明示
クラウド(専用)クラウド(専用)オンプレ型(クライアントサーバ型パッケージ)
対応業種・生産方式IT・開発・SaaS・クリエイティブ・コンサル(プロジェクト型)中堅〜大企業のプロジェクト型JOB(案件)単位のプロジェクト型中小〜成長企業のプロジェクト型中小〜中堅の案件型
業種別3ラインナップ
案件型
原価計算方式ワンクリック個別原価計算工程×配置人員の予定原価積み上げ(個別原価)
標準・製造原価は公式未明示
社員別単価×工数でJOBごとの労務費を自動更新(個別原価)
標準原価は公式未明示
案件別の原価積み上げ(個別原価)案件(JOB)単位で売上・原価・外注・経費・工数を集約(個別原価)案件単位で売上・原価(仕入・外注費)を紐づけ利益率を予実対比(個別原価)
工数→人件費配賦は公式未明示
配賦・集計単位勘定科目別の労務費按分、部門・プロジェクトへ多段階配賦。工数比率・従業員数比率・面積比率等のカスタム配賦基準勤怠・経費・売上を集約した人件費算出・配賦をプロジェクト単位案件別の原価把握・収支管理帳票
配賦は公式未明示
労務費配賦・共通費配賦(いずれも工数登録前提)工数×労務単価で人件費換算、間接費を按分
配賦基準の自社設定可否は公式未明示
原価按分計上機能
工数→人件費配賦は公式未明示
カスタマイズ配賦基準をカスタム作成可標準機能でのノンカスタマイズ利用を想定した設計要問い合わせ機能別ライセンスで選択業種別ラインナップから選択帳票変更・外貨対応等をカスタマイズ可(別見積)
料金要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ初期0円
月額30,000円(税抜)〜
初期150,000円〜
月額30,000円〜(税抜)
要問い合わせ
(買い切り型)
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

【比較表】製造業向け(組立・プロセス製造)

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サービス名mcframeJ-CCOREsSTRAMMICRoss ERP
提供形態製造業向けERP
提供形態は要問い合わせ
原価管理・採算管理パッケージ製造業ERPプロセス製造業向けERP
対応業種・生産方式組立〜プロセス製造プロセス型・組立型製造バッチ/プロセス・加工組立プロセス製造(化学・食品)
原価計算方式PCMで標準/実際原価・総合/個別原価に対応実際/標準/個別原価、ころがし計算に対応STRA CAで複数原価種別の定義・比較標準/実際原価、品目別・工程別原価
配賦・集計単位予算原価シミュレーションに対応複雑な配賦・差異分析に対応ABCベースの間接費配賦、予算原価シミュレーション原価シミュレーションに対応
カスタマイズ要問い合わせ要問い合わせ段階導入のライセンス体系(STRAMMIC 2.0)要問い合わせ
料金要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
詳細情報サービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト

【比較表】建設・工事原価型

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サービス名レッツ原価管理Go2クラウドPROCES.Se2-movE
提供形態建設業向けパッケージ建設業向け統合ERP建設・工事・建材販売業向けERP
クラウド/オンプレ
対応業種・生産方式建設業(工事別)建設業(工事番号・現場単位)建設・工事・建材販売
原価計算方式工事(現場)単位で材料費・外注費・労務費(出面)・経費を集計する工事別個別原価工事番号・現場単位の原価積み上げ(工事別個別原価)。完成工事原価/未成工事支出金の自動仕訳判定工事台帳単位で実行予算・工事原価を管理(工事別個別原価)
配賦・集計単位実行予算対比
共通費配賦は公式未明示
共通費の部門別配賦に対応共通原価配賦入力、予算実績対比
カスタマイズ必要な機能を選べる「チョイス・ザ」要問い合わせ要問い合わせ
料金要問い合わせ要問い合わせ要問い合わせ
詳細情報公式サイト公式サイト公式サイト

【比較表】販売管理一体型(汎用)

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サービス名アラジンオフィス楽楽販売
提供形態販売・在庫・購買統合パッケージクラウド(ノーコード販売管理)
対応業種・生産方式業種特化(食品・卸売等)業種横断(汎用)
原価計算方式プロジェクト管理オプションで案件×原価、食品生産管理オプションで原料ロット別の製品原価計算案件単位で売上・発注(原価)・間接費を紐づけ収支を自動集計
専用の原価計算エンジンは持たない
配賦・集計単位日報ベースの労務費計上、案件への諸経費付け替え間接費を案件に紐づけ
品目別個別原価・間接費配賦の専用機能は公式未明示
カスタマイズ業種特化で作り込めるパッケージ(オプション構成)ノーコードで作り込み可(カスタマイズ費用0円を訴求)
料金要問い合わせ初期200,000円
月額70,000円(税抜)〜
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る

原価管理パッケージのサービス個別紹介

ここからは、タイプ別に各製品の概要・特徴と、原価の集計・配賦・カスタマイズの具体を紹介します。自社に近いタイプから読み進めてください。

ERP統合型パッケージのサービス

以下は、基幹業務と一体で原価を扱うERP統合型の5製品です。

1. Oracle NetSuite(日本オラクル株式会社)

Oracle NetSuiteの公式サイト

米国で誕生し、現在は日本オラクル株式会社が国内提供とサポートを担うクラウドERPです。会計・財務管理を中核に、受発注・在庫・購買・CRM・プロジェクト管理を単一のクラウド基盤へ統合し、原価の構成要素を他システムへ二重入力することなく案件や製品へ集約できます。

在庫は原価計算方法(FIFO・平均原価法など)で評価でき、プロジェクト会計では購買発注を案件に紐付けて直接費・間接費を案件予算へ配賦できます。一方、標準原価や製造原価計算の具体的な対応範囲は公式サイトで明示されておらず、製造原価の集計を求める場合は個別の確認が必要です。

料金はベースライセンスに利用ユーザー数・データストレージ量を組み合わせた個別見積もりで、導入は認定パートナー経由になる場合があります。

NetSuiteが基幹業務を単一基盤へ統合する設計を採る背景について、提供元の日本オラクル株式会社は開発の経緯を次のように説明しています。

福宮氏
日本オラクル株式会社 理事 NetSuite事業統括 営業統括本部長
福宮氏
独自インタビューより

会計は会計のシステム、在庫は在庫のシステム、というように業務ごとにシステムが分かれていると、データが分断されてしまって、経営者が全体を見ようとしてもなかなか正確な数字がつかめません。そこで、あらゆる業務を一つの基盤で一元管理して、経営者がどこからでもリアルタイムにデータを確認できるようにしたい、という発想からクラウドERPという形にたどり着きました。

2. GRANDIT(インフォコム株式会社)

GRANDITの公式サイト

複数の企業が参画するコンソーシアム方式で開発された国産の統合型ERPです。開発・保守はインフォコム株式会社が担い、販売・カスタマイズは国内70社以上のパートナーが手がけます。販売・購買・在庫・生産から会計・人事給与までをモジュールで備えます。

原価面では、経費配賦・社内金利配賦など部門別・プロジェクト別の管理会計を標準で持ち、パートナー提供の個別原価管理アドオンやプロジェクト原価管理テンプレートで案件別の収支・個別原価を作り込めるのが特徴です。設備工事業向けには工事別の実行予算管理と工事進行基準に対応します。

公式サイトでは導入実績1,500社以上を掲げています。料金は公開されておらず要問い合わせで、アドオンの費用はパートナー経由で別途必要になる場合があります。

3. SAP S/4HANA Cloud(SAPジャパン株式会社)

SAP S/4HANA Cloudの公式サイト

ドイツのSAP SEが開発し、国内ではSAPジャパン株式会社が提供する統合基幹業務システムのクラウド版です。SAP HANAインメモリデータベースを基盤に、財務・調達・在庫・生産・販売・人事を単一のデータ基盤で統合します。

財務会計と管理会計を単一の仕訳テーブルに統合するUniversal Journalを中核に、プロジェクトシステム(PS)や商業プロジェクト管理(CPM)で工事・プロジェクト単位の原価をリアルタイムに把握できます。中堅・成長企業向けのGROW with SAPと、大企業向けのRISE with SAPという2つのパッケージから選べる点が導入規模の幅広さにつながります。

料金はエディション・利用ユーザー種別・モジュール構成による個別見積もりで、実額は非公開です。建設業など業種固有の要件はパートナーの業種テンプレートで実装される構成が中心です。

4. クラウドERP ZAC(株式会社オロ)

クラウドERP ZACの公式サイト

IT・広告・コンサル・士業など、案件・プロジェクト単位で業務が進む業種に特化した、株式会社オロのクラウドERPです。プロジェクト別の収支管理を軸に、販売・購買・勤怠工数・経費・管理会計を一元化します。

工数を案件・作業項目ごとに入力すると案件別の労務費として自動集計され、直接作業は指定案件へ直課、間接作業は部門配下の案件へ再配賦されます。共通費・販管費の配賦や、工事進行基準による原価比例法での売上計上にも対応します。

初期設定費用は100,000円、保守費は60,000円〜/月で、月額は機能(モジュール)×ライセンス数の課金となり単価は要問い合わせです。導入実績は公式サイトで1,100社超とされています。

5. EAST2(株式会社キューキエンジニアリング)

EAST2の公式サイト

株式会社キューキエンジニアリングが開発する、中堅・中小企業向けのプロジェクト原価管理型ERPです。受注・請求・工数・在庫・調達・人事を1つの基幹システムで扱いながら、案件(件名)単位で原価を集計することを主眼に置きます。

費用実績を発生時点入力で件名別に集計し、人件費配賦・間接費配賦で間接費・労務費を案件へ配賦します。機能を単独でも導入でき、他システムとの連係や自社固有業務への作り込みにも対応します。

標準原価・実際原価といった原価計算エンジンの専用機能名は公式サイトで特定できず、積み上げの原価計算方式は確認が必要です。料金は公開されておらず要問い合わせです。

プロジェクト原価管理型のサービス

案件単位で個別原価を積み上げるプロジェクト原価管理型のサービスを、6製品紹介します。

案件単位の原価把握は、工数をどう人件費原価に落とし込むか、販売管理や会計システムとどこまで連携するかで製品ごとの差が大きく出ます。プロジェクト型に特化した比較は、以下の記事でも扱っています。

6. マネーフォワード クラウド個別原価(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド個別原価の公式サイト

工数入力から労務費の按分、間接費の配賦、原価の可視化までをプロジェクト単位で一貫して扱える、株式会社マネーフォワードのクラウド型個別原価管理システムです。IPO準備・中堅〜上場企業のプロジェクト型ビジネスを対象としています。

労務費は勘定科目ごとに従業員別の単価を設定して按分し、間接費は部門・プロジェクトへ多段階で配賦します。配賦基準は工数比率・従業員数比率・売上予算比率・面積比率のほか任意のカスタム基準を作成でき、費用の性質に応じて使い分けられます。

予算原価と実績原価を対比する予実管理は公式の機能ページでは確認できません。料金は利用人数・契約内容により変動し、金額は非公開で要問い合わせです。

7. HUE Classic Project Management(株式会社ワークスアプリケーションズ)

HUE Classic Project Managementの公式サイト

株式会社ワークスアプリケーションズのプロジェクト収支管理システムです。SI・工事・コンサルティング・研究開発など、あらゆるプロジェクト型の業種・業態を対象に、案件ごとの採算の可視化から原価計上までを統合して扱います。

必要工程と配属人員を積み上げて予定原価を作成し、勤怠・経費・売上を集約して人件費の算出・配賦をプロジェクト単位で行います。月次・勘定科目別の予実対比に加え、設定した基準値で赤字見込み案件を自動抽出でき、原価計算から仕訳作成・会計連携までをまとめて処理します。

オンプレミスと、AWS/OCI上で運用を代行する「HUE Classic Cloud」のいずれかを選べます。料金は公式非公開で要問い合わせです。

8. SMILE V 2nd Edition Project Director(株式会社OSK)

SMILE V 2nd Edition Project Directorの公式サイト

株式会社OSKが開発し、大塚商会が販売するサービス業向けのプロジェクト収支管理システムです。案件単位で見込み発生から受注・発注・仕入・売上・請求入金・支払までを一元管理し、進捗と収支を一画面で把握します。

社員別に設定した単価と工数を掛け合わせてJOBごとの労務費を自動更新し、プロジェクト別・部門別・サービスカテゴリー別など複数の切り口で収支管理帳票を出力できます。受注残や見込案件を含めた見通しも出せます。

標準原価計算や間接費の配賦についての対応は公式サイトで明示されておらず、該当する場合は確認が必要です。料金は公式に料金表がなく要問い合わせです。

9. Reforma PSA(株式会社オロ)

Reforma PSAの公式サイト

株式会社オロが、クラウドERP「ZAC」の機能のうち案件・プロジェクト型ビジネス向けの標準機能に絞ってパッケージ化したクラウド型の案件管理システムです。IT・広告・イベント・コンサル・制作・設計など、中小〜成長企業を主な対象とします。

従業員がプロジェクト・作業内容ごとに工数を入力すると、労務費配賦・共通費配賦で案件原価に反映されます。実行予算の入力と原価の自動計算により、仕掛中でも案件別損益を把握できます。

料金は初期費用0円、月額30,000円(税抜)からで、利用機能と人数に応じて変動します。導入期間の目安は1〜2か月とされています。

10. プロカン(株式会社PROCAN)

プロカンの公式サイト

IT・制作・建設など案件単位で進行する受託型ビジネス向けの、株式会社PROCANが提供するクラウド型プロジェクト収支管理システムです。業種別に「プロカンIT」「プロカン制作」「プロカン建設工事」の3ラインナップを用意しています。

案件(JOB)ごとに売上・原価・外注・経費・工数を集約し、予算から実績までを一元管理します。社内人員の工数を工数×労務単価で原価に換算し、間接費を按分して案件原価を算出することで、外注費などの社外コストと合わせた案件ごとの粗利を可視化します。

料金は初期費用150,000円〜(税込165,000円〜)、月額30,000円〜(税込33,000円〜)で、利用人数(ID数)に応じて変動します。

11. プロジェクト収支管理Rebo(株式会社ディータイド)

プロジェクト収支管理Reboの公式サイト

株式会社ディータイドが提供する、企画・制作業向けのプロジェクト収支管理パッケージです。案件ごとに売上と仕入・外注費などの原価を紐づけ、受注金額に対する利益額・利益率を予算と対比して把握します。ソフトウェア開発・広告制作・TV番組制作・イベント企画などを対象とします。

売上予算・原価予算を月単位で登録して予実対比し、確定前の見込み原価も案件に紐づけられます。提供形態はクライアントサーバ型のパッケージで、クラウドSaaSではない点は、月額課金のクラウド型と分けて確認したいところです。

部門共通費の配賦や、工数実績から人件費への原価振替は公式サイトで確認できません。価格は非公開(買い切り型、年間サポートはパッケージ価格の10%)で、要問い合わせです。

製造業向け(組立・プロセス製造)のサービス

以下は、製造原価を工程別に扱う製造業向け(組立・プロセス製造)の4製品です。

12. mcframe(ビジネスエンジニアリング株式会社)

mcframeの公式サイト

ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G)が開発・販売する国産の製造業向け基幹業務パッケージです。生産管理・販売管理・原価管理を核に、組立加工からプロセス製造まで対応し、用途別の製品ファミリーとして提供されます。

原価管理モジュール(mcframe 7のPCM)は、標準原価・実際原価と、総合原価計算・個別原価計算の双方に対応し、予算原価シミュレーションを行えます。クラウドERPのmcframe Xでは、生産・販売・購買・在庫・品質・原価・会計を一つの基盤でカバーします。

料金は導入形態・モジュール・ユーザー数などで変わる個別見積もりで、公開価格はありません。基幹・PLM・IoT・海外会計・BIを必要範囲から導入できる構成です。

13. J-CCOREs(JFEシステムズ株式会社)

J-CCOREsの公式サイト

鉄鋼業向けに培われた原価計算のノウハウをベースに、JFEシステムズ株式会社が幅広い製造業へ展開する原価管理・採算管理パッケージです。生産・会計・販売システムの有無や種類を問わず連携でき、既存システムやExcelと組み合わせて原価計算業務を完結できる構成をとります。

実際原価・標準原価・個別原価など複数の原価計算制度に対応し、プロセス型・組立型の両方に対応する「ころがし計算」(工程を順に積み上げて原価を計算する方式)を特長とします。差異分析・原価トレーサビリティ分析・複雑な配賦計算にも対応します。基本機能に絞った「J-CCOREs Basic」は実際原価計算制度のみに限定されます。

差異の種類別の分解範囲や配賦基準の自社設定の自由度は公式サイトに具体的な記載がなく、確認が必要です。料金はライセンス体系・価格とも非公開で要問い合わせです。

14. STRAMMIC(株式会社アミック)

STRAMMICの公式サイト

株式会社アミックが開発・販売する製造業向けERPパッケージです。販売物流管理・生産管理・調達管理・原価管理の4モジュールで構成され、単体導入も統合導入もできます。食品・医薬品・化学品などのバッチ・プロセス製造と、加工組立型(ディスクリート)製造の両方を対象とします。

原価管理モジュール「STRA CA」は、必要とする原価種別(評価計算手法)を複数定義して比較・分析でき、予算原価と実績原価のシミュレーション・比較を行えます。間接費はABC(活動基準原価計算)を採用し、コストドライバーに各種の配賦基準を設定できます。

標準原価計算・実際原価計算という会計用語での明示的な対応表明は公式サイトになく、計算方式の詳細は資料や問い合わせでの確認が望まれます。料金は公式に料金ページがなく要問い合わせです。

15. Ross ERP(株式会社日立システムズ)

Ross ERPの公式サイト

化学・食品などのプロセス製造業向けに、生産管理・在庫管理・原価管理を標準搭載したERPパッケージです。開発元は米Apteanで、国内は株式会社日立システムズが販売・構築・運用保守と日本固有機能の開発を担います。レシピ・フォーミュラ基準で生産するメーカーを対象とします。

標準原価・実際原価に対応し、品目別・工程別の原価把握や原価シミュレーションを行えます。力価単位品(比重・濃度などの規格値で量を管理する品目)の換算・二単位管理に対応します。さらに、ロット別の規格・有効期限管理、原料から製品までの双方向ロットトレースなど、プロセス製造特有の要件を標準機能として備えます。

料金は公式に掲載がなく、同時接続ユーザー数ライセンスでの要問い合わせです。副産物の原価按分や歩留まり管理の国内版対応は公式ページで確認できず、該当する場合は確認が必要です。

建設・工事原価型のサービス

以下は、工事単位で原価を集計する建設・工事原価型の3製品です。

16. レッツ原価管理Go2クラウド(株式会社レッツ)

レッツ原価管理Go2クラウドの公式サイト

株式会社レッツが提供する建設業向けの原価管理クラウドサービスです。見積から実行予算・発注・仕入・出面(労務)・支払査定・請求・入金までを一元管理し、工事(現場)単位で原価を集計します。入力画面を実際の証憑に近い見た目にし、複式簿記を使わない入力方式をとります。

一度の入力で工事原価・在庫・未払金などの関連資料に自動反映し、見積から作成した実行予算との対比で原価の予実を管理します。勘定奉行・PCA会計・弥生会計などの他社製会計ソフトやTKC FX2クラウドとの仕訳連携に対応し、既存の会計環境を変えずに原価データを連動できます。

クラウド版は45日間の無料お試しを用意しています。共通費・間接費の配賦の具体仕様は公式サイトで明示されておらず、料金も実額は非公開で要問い合わせです。

17. PROCES.S(株式会社内田洋行ITソリューションズ)

PROCES.Sの公式サイト

工事単位の原価管理に強みを持つ、株式会社内田洋行ITソリューションズの建設業向け統合型ERPです。財務会計・原価管理・支払・請求回収・JV(共同企業体)管理・現場原価管理・販売管理など、建設業特有の基幹業務を15のモジュールでカバーし、必要なモジュールのみを組み合わせて導入できます。

工事番号・現場単位で原価を積み上げ、積算データの取り込みで実行予算を作成します。完成振替日と伝票日付を比較して完成工事原価・未成工事支出金を自動判別し、適切な仕入仕訳を作成します。複数工事で共通に発生する経費は、配賦基準比率に基づき部門別に配賦できます。

導入実績は全国370社以上で、完成工事高10億円規模から100億円超の企業まで導入されています。料金は公式に料金ページがなく要問い合わせです。

18. e2-movE(三谷商事株式会社)

e2-movEの公式サイト

建設資材商社の三谷商事株式会社が、自社の建材・建設業界のノウハウをもとに開発した、建設・工事・建材販売業向けのERPパッケージです。「工事管理」「販売」「建設会計」を中心に、支払管理・出面管理・ワークフロー・クラウド版などのモジュールで構成されます。

原価管理を担う「e2-movE 工事管理」は、工事台帳を起点に実行予算・工事原価・出来高・支払・予定利益を一元管理します。工種別に登録した実行予算と原価実績を照合し、共通原価配賦入力で共通経費を配賦、予算実績対比表で予実を確認できます。

導入実績は建材・工事・建材販売業界で400社以上と公式サイトに掲載されています。工事進行基準への対応や配賦基準の自社設定の詳細は公式サイトで確認できず、料金もクラウド版・オンプレミス版とも非公開で要問い合わせです。

販売管理一体型(汎用)のサービス

販売・在庫管理と一体で案件別の原価・収支を集計する販売管理一体型(汎用)のサービスは、次の2製品です。

19. アラジンオフィス(株式会社アイル)

アラジンオフィスの公式サイト

株式会社アイルが提供する、販売・在庫・購買管理を中核とする統合型パッケージです。標準パッケージに加えて業種・業態ごとの商習慣に合わせた業種特化パッケージを多数用意し、生産管理・貿易管理・プロジェクト管理などをオプションで追加できます。オンプレミスとクラウドの両形態を選べます。

原価管理はオプションの「プロジェクト管理」機能が担い、案件×原価商品単位で仕掛原価を管理します。受注に紐づく商品仕入・外注仕入・在庫出庫を売上計上まで仕掛原価として扱い、作業日報の作業時間に単価を掛けて労務費を原価に反映し、販管費など諸経費を各案件に付け替えて収支を確認できます。食品向けの構成では原料ロット別の製品原価計算にも対応します。

配賦基準の細かい設定や予実差異の専用レポートの有無は公式情報だけでは確認しきれません。料金は初期費用・月額とも非公開で要問い合わせです。

20. 楽楽販売(株式会社ラクス)

楽楽販売の公式サイト

ノンプログラミングで業務を仕組み化できる、株式会社ラクスのクラウド型販売管理システムです。見積・受注・請求から売上・発注・原価・収支までを一元管理し、管理画面・入力フォーム・ワークフローを自社業務に合わせて構築できます。

受注(売上)・発注(原価)・間接費などの追加原価を案件単位で紐づけて収支を自動集計し、原価率の悪化をリアルタイムに察知できます。工数管理機能も持ちますが、品目別個別原価計算や間接費配賦の専用機能は備えておらず、案件別の原価・収支を標準機能として扱う汎用型に位置づけられます。

料金は初期費用200,000円(税抜)、月額70,000円(税抜)からで、利用ユーザー数などによって変動します。無料トライアルが用意されています。

原価管理パッケージの選び方

タイプで候補を絞ったあと、自社に本当に合う製品かを見極めるための観点を6つに分けて解説します。機能一覧の有無だけでなく、原価の集計・配賦が自社の運用に耐えるか、どこまで作り込めるかまで確認してください。

自社の業種・生産方式に合うか

タイプで大枠を絞ったら、候補製品が自社業種固有の原価要件に実際に対応するかを確認することが重要です。業種によって原価の積み上げ単位と必要な機能が大きく異なるためです。

製造業では、組立製造かプロセス製造かで原価計算の方式が変わり、工程別原価や歩留まりの扱いへの対応が分かれます。建設業では、工事ごとの実行予算管理や工事台帳、工事進行基準に沿った原価計上が必要です。プロジェクト型では、工数から労務費を換算し案件へ配賦する仕組みが欠かせません。

自社の生産方式・業務フローを具体的に挙げ、その原価実務が標準機能で回るかを製品ごとに照らし合わせて見極めましょう。

必要な原価計算方式に対応しているか

自社が採用する原価計算方式に製品が対応しているかは、原価管理パッケージ選定の土台です。原価計算の方式は、原価計算基準(1962年に企業会計審議会が示した基準)が整理した区分が実務の共通言語になっており、主に次のように分かれます。

  • 個別原価計算:製品・案件・工事など個々の対象ごとに原価を集計する方法。受注生産や案件単位の原価把握に向きます
  • 総合原価計算:一定期間に生産した同種製品の原価を総額で集計し、生産量で割って単位原価を求める方法。大量生産・連続生産に向きます
  • 標準原価計算:あらかじめ定めた標準原価と実際原価を比較し、差異を分析して原価を管理する方法
  • 実際原価計算:実際に発生した原価を集計する方法。標準原価計算と組み合わせて差異分析に用います

製造業向けの製品では、標準/実際の両方と、個別/総合の原価計算に対応するものが多い一方、プロジェクト型や汎用型では個別原価計算が中心になります。自社が標準原価による差異分析まで行うのか、実際原価の集計で足りるのかを整理したうえで、製品の対応範囲を確認してください。

配賦ロジック・部門別/プロジェクト別計算の実装粒度は十分か

機能一覧に「配賦対応」と書かれていても、その配賦が自社の運用に耐えるかは実装の粒度によって変わります。配賦とは、複数の製品・部門・案件に共通して発生する間接費を、作業時間・数量・面積などの一定の基準で各対象に割り当てることを指します。部門別計算は、原価を発生部門ごとに集計し、補助部門の費用を製造部門へ振り替えてから製品へ割り当てる手続きで、これらの考え方も原価計算基準が整理しています。

確認したいのは、配賦基準を自社で自由に設定・追加できるか、工数比率や従業員数比率といった複数の基準を使い分けられるか、部門から製品・案件への多段階の配賦に対応するか、の3点です。配賦ルールが固定で自社の実態に合わないと、原価が実態からずれたまま運用することになります。自社で現在使っている配賦の基準と段階を書き出し、その通りに設定できるかを製品ごとに検証してください。

カスタマイズ・アドオンで自社業務に作り込めるか

パッケージ製品を選ぶ読者が最も気にするのが、標準機能に自社業務を合わせきれないときに、どこまで作り込めるかです。原価の集計単位や配賦ルール、帳票の様式は企業ごとに異なり、標準機能だけで過不足なく収まる例はむしろ少数だからです。

ERP統合型はアドオンや個別開発で自社の原価計算を作り込める製品が多く、建設業向けには工事進行基準対応のような業種特化機能を標準装備するものもあります。設定の範囲で対応できるか、アドオン開発が要るか、その費用と保守体制はどうかを確認しましょう。自由度が高いほど自社最適に近づく一方、導入期間と保守コストは増えるため、必要な作り込みの範囲を見極めて選びましょう。

既存システム連携・将来の基幹統合を見据えられるか

原価データは、会計・販売・在庫・生産など他システムのデータと連動して初めて正確になります。連携が弱いと、各システムからの手入力や二重入力が発生し、原価を締めるまでの工数と転記ミスが増えます。

専用パッケージを選ぶ場合は、自社が使う会計ソフトや販売管理との連携実績と連携方式(CSV連携・API連携・ネイティブ連携)を確認します。ERP統合型を選ぶ場合は、同じ基盤内で原価データが自動連携する範囲を確認します。あわせて、今は原価管理だけを導入するとしても、将来的に会計や購買まで統合していく構想があるなら、その拡張余地を持つ製品かどうかも判断材料になります。

会計ソフトとの連携実績や連携方式(CSV取込・API・ネイティブ連携)は製品ごとに異なります。既存の会計環境を残せるかは、各製品の比較表と個別紹介で具体的に確認してください。

導入形態と費用相場は自社に合うか

原価管理パッケージの導入形態は、クラウド型・オンプレミス型・パッケージ型に分かれ、費用構造も変わります。クラウド型は初期費用を抑えて月額で利用でき、オンプレミス型やカスタマイズ前提のパッケージ型は初期費用が大きくなる傾向があります。

料金の見せ方も製品で分かれます。Reforma PSA・プロカン・楽楽販売や、ZACの初期設定費用のように価格を公開している製品がある一方、ERP統合型や多くの製造業向け製品は要問い合わせで、要件次第の個別見積もりになります。公開価格は比較の出発点として役立ちますが、実額は見積もりで確かめてください。

原価管理パッケージは自社の原価要件に合わせた個別見積もりの製品が多く、料金非公開のケースも少なくありません。費用は利用ユーザー数、原価計算方式や配賦の複雑さ、アドオン開発の範囲、連携システム数で変わります。概算は、要件を整理して複数製品から見積もりを取り、初期費用と月額・保守費を含めた総額で比較するのが確実です。具体的な料金は前掲の比較表と各製品の資料で確認してください。

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まとめ

原価管理パッケージの選定は、まず基幹業務と一体で原価を扱うERP統合型か、原価の集計・配賦に特化した専用型かという方向性を定めることから始まります。会計・販売・在庫・生産まで含めて原価データを一元化したい、あるいは将来の基幹統合を見据えるならERP統合型、既存システムを残して原価管理だけを強化したいなら専用型が目安です。

そのうえで、業種・生産方式、必要な原価計算方式、配賦や部門別・プロジェクト別計算の粒度、カスタマイズ性、既存システム連携、導入形態と費用の観点で候補を絞り込みます。機能の有無だけでなく、原価の集計・配賦が自社の運用に耐え、必要な作り込みができるかまで確認することが、導入後のミスマッチを防ぎます。比較表と選定診断ツールで候補を絞り、資料を取り寄せて比較検討に進んでください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 原価管理パッケージとは何ですか?

原価管理パッケージとは、原価の集計・配賦を担う機能をあらかじめ備えた業務ソフトのパッケージ製品です。会計・販売・在庫・生産など基幹業務と一体で原価を扱うERP統合型と、原価の集計・配賦に範囲を絞った専用型に大きく分かれ、製造業・建設業・プロジェクト型といった業種ごとの原価要件に合わせた製品があります。

Q. ERP統合型パッケージと専用の原価管理パッケージは、どちらを選べばよいですか?

どちらを選ぶかは、原価管理に求める範囲と、既存システムをどこまで残すかで決まります。会計・販売・在庫・生産まで原価を一元化したい、将来の基幹統合も見据えるならERP統合型、既存システムを残して原価の集計・配賦だけ強化したいなら専用型が目安です。ERP統合型は導入範囲が広く初期費用・導入期間が大きくなりやすく、専用型は短期間・低コストで始めやすい反面、他システム連携は製品ごとに確認が要ります。

Q. 原価管理パッケージは既存の会計・販売システムと連携できますか?

原価管理パッケージの多くは、会計ソフトや販売管理と連携して原価データを取り込めますが、連携の方式と範囲は製品ごとに異なります。専用型では、自社が使う会計ソフトとの連携実績と、CSV連携・API連携・ネイティブ連携のいずれに対応するかを確認します。ERP統合型は同じ基盤上で原価・会計・購買・在庫のデータが自動連携するため、他システムへの二重入力を抑えやすいのが特徴です。

Q. 原価管理パッケージはカスタマイズなしでも使えますか?

標準機能だけで使える製品もありますが、自社固有の配賦ルールや原価計算方式に合わせるには、アドオン・カスタマイズを前提とする製品も多いです。建設業の工事進行基準対応のように業種特化の機能を標準で備える製品や、ノーコードで画面・帳票を作り込める製品もあります。作り込みの自由度が高いほど自社最適に近づけられる一方、導入期間と保守コストは増えるため、必要な作り込みの範囲を見極めてから製品を選びます。

Q. 原価管理パッケージはクラウド型とオンプレミス型のどちらがよいですか?

導入形態は、初期費用を抑えて早く始めたいならクラウド型、自社保有や大規模な作り込みを重視するならオンプレミス型が目安です。クラウド型は月額で利用でき、専用型には月額数万円から始められる製品もあります。オンプレミス型やカスタマイズ前提のパッケージ型は初期費用が大きくなる傾向があるため、自社のセキュリティ要件や保守体制もあわせて判断してください。

Q. 製造業の原価管理に対応したパッケージはどれですか?

製造業の原価管理には、製造原価・工程別原価や標準/実際原価に対応した製造業向けのパッケージが適します。部品を組み立てる組立製造と、原料を連続的に加工するプロセス製造(化学・食品など)では原価の積み上げ方や配賦の考え方が異なるため、自社の生産方式に合う対応かを製品ごとに確認してください。該当製品は本記事の「製造業向け(組立・プロセス製造)」の比較表で機能と料金を確認できます。

Q. 建設業の工事原価管理に使えるパッケージはありますか?

建設業には、工事(現場)単位で材料費・外注費・労務費・経費を集計し、工事台帳・実行予算・工事進行基準に対応した建設・工事原価型のパッケージがあります。完成工事原価と未成工事支出金の扱いや、共通費の部門別配賦など建設業固有の実務に標準で対応するかが選定のポイントです。該当製品は本記事の「建設・工事原価型」の比較表で機能と料金を確認できます。

Q. 原価管理パッケージの導入にはどれくらいの費用がかかりますか?

原価管理パッケージは、自社の原価要件に合わせた個別見積もりの製品が多く、料金非公開で要問い合わせとするケースも少なくありません。費用は利用ユーザー数、配賦の複雑さ、アドオン開発の範囲、連携システム数で変わります。クラウドの専用型には月額数万円から始められる製品もある一方、ERP統合型は導入範囲が広く初期費用・導入期間が大きくなりがちです。総額(初期費用+月額・保守費)で複数製品を比較しましょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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