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会計事務所向け基幹システムの口コミと選び方|顧問先共有・使い勝手で比較

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クラウド会計ソフト比較表(2026年版)のプレビュー

主要15サービスの料金・機能を無料で一覧比較

クラウド会計ソフト比較表(2026年版)

顧問先の記帳から決算・申告までを回す会計事務所の基幹システムを、そろそろ入れ替えたい、または新しく導入したいと考えていませんか。製品の数が多く、公式サイトの機能説明だけでは「自分の事務所の運用に本当に合うのか」「実際に使っている事務所はどう評価しているのか」が見えにくいのが実情です。

会計事務所の基幹システムは、一般的な会計ソフトとは選ぶ観点が異なります。顧問先を複数抱えてデータを共有し、記帳代行や自計化支援といった事務所ごとの業務スタイルで回すため、顧問先データのやり取りのしやすさや事務所向けの提供形態まで含めて見極める必要があります。

本記事では、会計事務所向けの基幹となる会計システムを、機能・料金・顧問先共有のしやすさに加え、導入後の使い勝手・サポート・乗り換えのしやすさといった観点から比較・解説します。業務スタイル別のタイプ分類や会計事務所ならではの選び方を整理したので、自事務所の規模や運用に合うシステムを見極める材料としてご活用ください。

また、自事務所の規模や業務スタイルに合うサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」をご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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本記事の対象範囲

本記事は、会計事務所・税理士法人が顧問先の記帳・決算・申告を回すための基幹システム(会計事務所向けの会計システム・会計ソフト)を対象に、17サービスを比較します。顧問先を複数抱えてデータを共有する事務所の運用を前提に、使い勝手や顧問先共有のしやすさまで含めて選びたい方に向けた内容です。

自社の経理のために会計ソフトを選びたい事業会社の方や、絞り込みを設けずに会計ソフト全般を広く比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

会計事務所の基幹システムとは

会計事務所の基幹システムとは、顧問先から預かった取引データの記帳・仕訳から、決算書の作成、法人税・所得税・消費税などの申告書作成までを一貫して処理する、事務所業務の中核を担う会計システムを指します。多くの顧問先を抱える事務所では、顧問先ごとのデータを一元的に管理し、顧問先とのデータ受け渡しや進捗管理まで担える点が、一般的な会計ソフトとの大きな違いです。

システムが支える業務には、制度対応も含まれます。電子帳簿保存法では、電子取引データを改ざん防止の措置をとり「日付・金額・取引先」で検索できる形で保存することが求められます(令和6年1月以後にやり取りするデータが対象で、顧問先の多くが該当します)。システムの「電子帳簿保存法対応」は、この保存要件を満たして顧問先の電子データを扱えることを指します。

インボイス制度(適格請求書等保存方式、令和5年10月開始)も同様で、仕入税額控除には適格請求書の保存が必要です。システムの「インボイス対応」は、登録番号や税額を記載した適格請求書の発行・保存や、仕入税額控除に必要な区分経理を支援できることを指します。

出典・参考資料(2件)

電子帳簿保存法そのものの要件や、顧問先への対応を進めるうえで押さえておきたいポイントは、次の記事で詳しく解説しています。

会計事務所向けの基幹システムは、大きく2つの型に分かれます。顧問先を一括管理し記帳から申告まで事務所側で回す「会計事務所向けの専門システム型」と、顧問先が自計化し事務所が同じデータを共有して指導する「顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型」です。この違いは業務スタイル別のタイプ分類で詳しく解説します。

会計事務所向け基幹システムの比較表

ここからは、自事務所の運用に合わせた比較・選定ができるよう、会計事務所向けの主要な基幹システム17サービスを、業務スタイル別の2タイプに分けて一覧にまとめます。提供形態や対応業務に加え、顧問先とのデータ共有のしやすさや料金の考え方まで見比べてください。

はじめに、顧問先を一括管理し記帳から申告まで事務所側で回す「会計事務所向けの専門システム型」です。

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サービス名TKC FXクラウドシリーズクラウド発展会計ACELINK NX-ProJDL IBEXクラウド組曲Major財務顧問R4(エプソンの財務会計)財務処理dbe-PAP 財務会計システムフリーウェイ経理(Pro)
提供形態クラウドクラウドクラウド(MJS DX Cloud)ハイブリッド(SaaS方式・ソフトとデータはPCに保持)インストール型(クラウド連携オプションあり)インストール型(クラウド連携機能あり)クラウド/インストール(複数形態から選択)インストール型(Proはクラウド併用可)
会計事務所向けの提供形態TKC会員事務所経由で導入(巡回監査・自計化支援が前提)会計事務所向け(顧問先と同時閲覧で共同作業)会計事務所向けERP(顧問先一括管理)会計事務所専用(申込に税理士登録番号が必須)会計事務所向けプラン(データ共有の共有元になれる)会計事務所向け(製品群ICSATOMII)会計事務所向け(顧問先向け自計化ソフトも提供)会計事務所向け(Pro)。顧問先向けの顧問先版も提供
顧問先とのデータ共有方式クラウド上で会員事務所と共有(月次巡回監査・TKCモニタリング情報サービス)同時閲覧機能(事務所と顧問先が同じデータを参照)顧問先製品(かんたんクラウド・NX-CE・Edge Tracker/ファイルBOX)経由で取り込みJDLデータセンター経由の独自送受信ツール(顧問先の会計ソフトを問わず取込)顧問先が同社製品を利用時にクラウド共有(データの同時入力は不可)ICS Digital Post(クラウドで書類共有)顧問先向け自計化ソフトと連動(クラウド版で共有)クラウドで顧問先と共有(顧問先1社ごとに別途費用)
対応業務範囲記帳・決算・経営助言(申告・給与は周辺システム)記帳・決算・経営助言(財務MAS)・書面添付記帳・決算・申告(法人・消費・所得・相続・贈与)・給与・資産税記帳・決算・申告(法人・消費・所得)・給与・年末調整・資産税(相続・贈与)記帳・決算・消費税申告(法人税・給与・資産税は連携製品)記帳・決算・申告・給与(ICSATOMIIで連携)記帳・決算・申告(法人・個人)・給与・年末調整記帳・決算・消費税申告(法人税等は達人シリーズ連携)
電帳法・インボイス対応●電帳法はJIIMA認証取得・ペポルインボイス対応●●電子帳簿・証憑クラウド・タイムスタンプに対応●インボイスデータチェック・電子取引データ保存ソフト●インボイス登録番号照合。電帳法は証憑デジタル(別オプション)●電帳法はJIIMA認証取得●△インボイスは対応。電帳法はPro・顧問先版のみVer8.00(2026年10月以降予定)
料金(税抜・目安)要お問い合わせ(会計事務所との顧問契約による)要お問い合わせ(公式料金表なし・会計事務所経由)要お問い合わせ(導入機能・事業規模による)積み上げ式・年額(税抜)。財務75,000円+必要ソフト(例:法人税32,500円)年額60,000円〜(基本2ユーザー、税別、導入費用0円)要お問い合わせ(単体価格は非公開。ICSATOMII基本パックは月額24,800円・税別)要お問い合わせ(公式料金表なし)基本ID月額1,980円+追加ID1,000円(税抜)。初期費用・顧問先共有費は要問い合わせ
詳細情報サービス詳細を見るサービス詳細を見る公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト公式サイト

続いて、顧問先が自計化し、事務所が同じデータを共有して指導・レビューに使う「顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型」です。

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サービス名弥生会計 Nextマネーフォワード クラウド会計Plusfreee会計マネーフォワード クラウド会計勘定奉行クラウドPCAクラウド 会計ジョブカン会計会計王かんたんクラウド会計
提供形態クラウドクラウドクラウドクラウドクラウドクラウド(オンプレのサブスク版あり)クラウドインストール型(買い切り・クラウド連携あり)クラウド
会計事務所向けの提供形態汎用クラウド(弥生PAP提携事務所とデータ共有・自計化支援)汎用クラウド(監査法人・税理士法人と共有。内部統制・規模のある顧問先向け)汎用クラウド(認定アドバイザーを外部メンバー招待・自計化支援)汎用クラウド(税理士をメンバー追加・自計化支援)汎用クラウド(専門家ライセンス標準付帯・自計化支援)汎用クラウド(税理士とデータ共有・自計化支援)汎用クラウド(税理士を外部メンバー紐づけ・自計化支援)汎用(インストール型)。顧問税理士へのアカウント共有の仕組みはなし会計事務所が顧問先に導入・遠隔サポート(自計化支援)
顧問先とのデータ共有方式共有権限の付与でリアルタイム共有(弥生PAP事務所に限る)監査法人・税理士法人とシステム共有(Web上で証憑照会・監査)認定アドバイザーを外部メンバー招待(同時作業可・課金対象外)税理士IDをメンバー追加で共有(公認メンバーは従量課金対象外)専門家ライセンス(1ユーザー標準付帯)でリアルタイム共有複数拠点でデータ共有。PCA Archで税理士専用フォルダ共有税理士アカウントを外部メンバー紐づけ(請求対象・人数上限外)アカウント共有の仕組みなし。安心データバンクに元帳PDFを置き共有事務所と顧問先が同じデータをリアルタイム共有(ACELINK NX-Pro連携)
対応業務範囲記帳・決算(申告は達人連携、給与は弥生給与 Next)記帳・決算・内部統制(申告・給与はクラウドシリーズ連携)記帳・決算(申告はfreee申告、給与はfreee人事労務)記帳・決算・消費税申告(法人税・給与はクラウドシリーズ連携)記帳・決算(申告は申告奉行、給与は給与奉行と連携)記帳・決算・消費税申告(法人税・地方税はPCAクラウド 法人税)記帳・決算(給与等はジョブカンシリーズ連携)記帳・決算(給与は給料王など別製品)記帳・決算・給与(かんたんクラウド給与)
電帳法・インボイス対応●電帳法はJIIMA認証(優良な電子帳簿)●電帳法はJIIMA認証取得●電帳法はJIIMA認証取得●●電帳法はJIIMA認証4種取得●電帳法はJIIMA認証取得●●改正電帳法(電子帳簿保存BOX)・インボイス対応●
料金(税抜・目安)年額34,800円〜(エントリー・税抜、初期費用0円)要お問い合わせ(利用ID数に応じた見積もり)年払い月額2,980円〜(ひとり法人・税抜、スターター以上は従量課金別)年払い月額2,480円〜(ひとり法人・税抜)年額93,000円〜(税抜、初期費用0〜70,000円)月額16,200円〜(税抜、初期費用0円)月額2,500円〜(税抜、初期費用0円)本体44,000円(税込)買い切り+2年目以降 年間保守38,500円(税込)月額2,160円〜(税抜、初期費用0円)
詳細情報公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

自事務所に合う会計事務所向けシステムを診断する

どちらの型が自事務所に向くか、その中でどの製品が候補になるかは、業務スタイルや顧問先数によって変わります。自事務所の状況に合わせて最適なサービスを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる選定診断ツール」を以下にご用意しています。ぜひこちらもご活用ください。

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会計事務所の業務スタイル別タイプ分類

会計事務所向けの基幹システムは、記帳代行が中心か自計化支援が中心かという事務所の業務スタイルによって、適した型が変わります。ここでは、自事務所の業務スタイルから候補を絞り込めるよう、2つのタイプに分けて特徴と向き不向きを整理します。

会計事務所向け基幹システムの2タイプの比較図。会計事務所向けの専門システム型は、事務所が記帳代行から自計化支援まで主導し、財務から申告・年末調整までを1つの体系で扱い、必要なソフトを積み上げる料金体系で、記帳代行が多い事務所や申告まで事務所で完結したい事務所に向く。顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型は、顧問先が自計化し事務所は同じデータを共有して指導・レビューし、記帳・決算が中心で申告は別ソフト連携、月額・年額のわかりやすい料金体系で、自計化を進めたい事務所や顧問先がクラウドを利用中の場合に向く。

会計事務所向けの専門システム型(顧問先を一括管理し、記帳代行から自計化支援まで会計を主導する)

会計事務所専用に設計されたシステムで、税理士・会計事務所が顧問先を複数抱えて記帳・決算・申告を回すことを前提に作られています。顧問先ごとのデータを事務所側で一元的に管理し、財務から法人税・所得税・資産税などの申告、年末調整まで、事務所業務に必要な機能を1つの体系でそろえられる点が強みです。申込みに税理士登録番号が必要な製品もあり、事業会社が単独で導入する一般の会計ソフトとは提供形態が異なります。

この型は、記帳代行を数多く引き受けている事務所や、申告実務まで事務所側で完結させたい事務所に向いています。専用のデータ送受信の仕組みで、顧問先が使う会計ソフトの種類を問わずデータを取り込める製品もあり、顧問先の自計化の度合いがさまざまでも運用しやすいのが特徴です。一方で、必要なソフトを積み上げて契約する料金体系が多く、事務所の所員数や扱う業務の範囲によって総額が変わります。

顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型(顧問先の自計化を支援する)

事業会社が自社の経理に使う汎用のクラウド会計ソフトを、会計事務所が顧問先と共有して使う型です。顧問先が日々の記帳を自分で行い(自計化)、事務所はクラウド上の同じデータを見て指導・レビュー・決算確認を行う運用に向いています。多くの製品が会計事務所向けのアドバイザー用アカウントや顧問先管理の画面を用意しており、顧問先を横断して進捗を確認できます。

この型は、顧問先の自計化を進めたい事務所や、顧問先がすでに汎用クラウド会計を使っている場合に適しています。導入のしやすさや画面のわかりやすさに優れ、顧問先側の操作負担が小さいことも利点です。

この型の中心はクラウドで顧問先と同じデータを共有する製品ですが、買い切りのインストール型で顧問先とのデータ授受により連携する製品や、規模の大きい顧問先の内部統制・上場準備に対応する製品も含まれます。

料金は月額・年額のわかりやすい体系が中心で、顧問先ごとの契約や事務所向けプランの形をとります。記帳代行を主体とする事務所では、自計化前提の設計が運用と噛み合わない場合もあるため、次の選び方で自事務所の業務フローと照らし合わせて見極めるとよいでしょう。

会計事務所向け基幹システムの選び方(会計事務所ならではの軸)

ここからは、会計事務所が基幹システムを選ぶときに特に重視したい観点を解説します。一般的な会計ソフトの選び方に加え、顧問先を抱える事務所ならではの軸で見極めることが、導入後のミスマッチを防ぐ近道です。

顧問先とのデータ共有のしやすさと事務所向けライセンス体系は自事務所に合うか

会計事務所のシステム選びで最初に確認したいのが、顧問先とのデータ共有の方式です。顧問先が入力したデータをどう受け取るか(専用の送受信ツール経由か、クラウド上で同じ画面を共有するか)、顧問先が別の会計ソフトを使っていても取り込めるかは、日々の業務量に直結します。

記帳代行が多い事務所は、顧問先の資料やデータをまとめて取り込める仕組みがあるか、自計化支援が多い事務所は、顧問先が無理なく使えるクラウド画面があるかが判断材料になります。

あわせて、事務所向けの提供形態・ライセンス体系も確認しておきましょう。会計事務所向けの専門システムは所員数や利用本数に応じた契約、汎用クラウド会計は顧問先ごとの契約や事務所向けプランと、料金の考え方が異なります。同時に使う人数や顧問先数が増えたときに費用がどう変わるか、サポートが事務所の繁忙期(決算・申告期)にどこまで対応するかまで含めて、自事務所の規模に合うかを見極めてください。

自事務所の業務フロー(記帳代行・自計化支援)に適合するか

事務所の業務スタイルがシステムの設計思想と合っているかは、運用のしやすさを大きく左右します。記帳代行を主体とする事務所であれば、事務所側で大量のデータを効率よく入力・処理できるか、通帳や証憑の取り込み・自動仕訳がどこまで使えるかが重要です。自計化支援を主体とする事務所であれば、顧問先が自分で記帳しやすく、事務所がその内容をクラウドで確認・修正できる運用に向いているかが判断材料になります。

対応業務の範囲も確認しておきます。財務・記帳だけでなく、法人税・所得税・消費税の申告、年末調整、相続税などの資産税、給与計算まで事務所側で扱うなら、それらを同じ体系でそろえられるか、別の申告ソフトとの連携で補うかが選定のポイントになります。扱う業務が広いほど、必要な機能を一体でそろえられるかが運用効率を左右します。

会計ソフト本体に申告機能がなく、法人税の申告書作成ソフトを別途そろえる場合は、対応別表や会計ソフトとの連携、料金を比較した次の記事が候補選びの参考になります。

クラウド型・インストール型・会計事務所向け専用システムの違い

提供形態の違いも、事務所の運用方針に応じて選び分けます。クラウド型は、インターネット経由で顧問先と同じデータを共有しやすく、法令・税制改正への対応が自動で反映される設計が一般的です。拠点やテレワークをまたいだ利用にも向きます。一方で、通信環境やサービス側の障害の影響を受ける点は押さえておく必要があります。

会計事務所向けの専門システムには、ソフトとデータを事務所のパソコンに置いて処理し、通信障害時も業務を止めない設計の製品や、クラウドと事務所内の併用に対応する製品があります。

入力の反応速度や、オフラインでも処理を続けられる安定性を重視する事務所には、こうしたインストール型・ハイブリッド型が適する場合があります。顧問先との共有のしやすさ(クラウドの利点)と、事務所内処理の安定性(インストールの利点)のどちらを優先するかで、無理のない形を選んでください。

会計事務所向け基幹システムの料金・費用相場

会計事務所向け基幹システムの料金は、タイプによって課金の考え方が異なります。費用を見積もるときは、月額・年額だけでなく、顧問先数や所員数が増えたときの総額まで含めて比較することが大切です。

会計事務所向けの専門システム型は、財務・税務・申告・給与といった機能(ソフト)を必要な分だけ積み上げて契約する料金体系が多く見られます。初期費用やバージョンアップ料がかからない代わりに、扱う業務の範囲や所員数で総額が変わるため、事務所ごとに見積もりを取るのが基本です。公式には料金を明示せず問い合わせ対応とする製品もあります。

顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型は、月額・年額のわかりやすい料金体系が中心です。法人向けの汎用クラウド会計はおおむね月額数千円台から、年額では数万円からが目安で、顧問先ごとの契約や会計事務所向けプランの形で利用します。

顧問先との共有機能や銀行・クレジットカード連携などを顧問先単位のオプションとして追加する製品もあるため、顧問先数に応じて費用がどう積み上がるかを確認してください。各サービスの具体的な料金は、比較表と各製品の紹介で確認できます。

会計事務所向け各製品の特徴と会計事務所での使い方

ここからは、会計事務所向けの各製品を、機能・料金と会計事務所での使い方(顧問先共有・記帳代行・自計化支援)の観点から紹介します。前半は会計事務所向けの専門システム型、後半は顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型の順です。

会計事務所向けの専門システム型

顧問先を一括管理し、記帳から決算・申告まで事務所側で回すことを前提に設計された製品です。顧問先データの一元管理や事務所向けの提供形態に強みがあります。

1. TKC FXクラウドシリーズ(株式会社TKC)

TKC FXクラウドシリーズの公式サイト

株式会社TKCのFXクラウドシリーズは、TKC全国会に所属する税理士・公認会計士による月次の巡回監査・経営助言とセットで利用することを前提に設計された、中堅・中小企業向けのクラウド会計システム群です。顧問先企業は会計事務所を介して導入します。

会計事務所での使い方は、顧問先の経営者・経理担当者が日々記帳(自計化)し、会計事務所がそれを監査・助言する役割分担が基本です。製品は小規模向けのFXまいスタークラウドから上場企業向けのFX5クラウドまで、対象規模に応じてラインアップされ、シリーズ累計33.5万社が利用しています(2026年3月31日現在、公式記載)。

証憑保存機能で電子帳簿保存法に対応し、JIIMAの「デジタルシームレスソフト法的要件認証」を国内第1号および第2号の一社として認定されています(2026年2月20日付)。TKCモニタリング情報サービスや記帳適時性証明書により、決算書の信頼性を第三者証明として金融機関に提示できる点も特徴です。料金は会計事務所との顧問契約条件に依存し、公式には明示されていません。

2. クラウド発展会計(日本ビズアップ株式会社)

クラウド発展会計の公式サイト

日本ビズアップ株式会社が1999年から提供するクラウド発展会計は、会計事務所と顧問先企業の連携を前提に構成されたクラウド会計システムです。

同時閲覧機能により、会計事務所と顧問先が同じデータを参照しながら共同作業できます。自動仕訳・財務資料の自動作成・部門別業績管理に加え、納税予測や決算診断などの経営助言帳票(財務MAS)、書面添付(第9号様式)の自動作成まで扱えます。全国1,400件の会計事務所が利用しています(公式記載)。

入力工程の自動化に向けた機能を複数展開しており、通帳をAI-OCRで読み取り仕訳入力するAI-BANK(提供中)や、2025年12月公開の生成AIオプション(生成AI自動仕訳・AI業績分析、いずれも有償オプション)を用意しています。料金は公式サイトに料金表の掲載がなく、会計事務所経由での要問い合わせとなります。

ACELINK NX-Proの公式サイト

税理士・公認会計士・税理士法人向けの統合業務パッケージが、株式会社ミロク情報サービス(MJS)のACELINK NX-Proです。

事務所管理・会計(会計大将)・給与・申告(法人税・消費税・所得税・相続税・贈与税)の5領域を同一製品群でカバーし、会計大将の仕訳から消費税申告書まで事務所側で作成できます。AI-OCR入力やAI仕訳に対応し、仕訳の処理ミス・漏れを検知するAI監査支援はオプションで利用できます。導入実績は8,400事務所です(公式記載)。

顧問先とのデータ授受は、顧問先が使う「かんたんクラウド」やACELINK NX-CEなどから取り込め、Edge TrackerやファイルBOXが証憑・資料の共有場所になります(顧問先側の製品は別契約)。

クラウド(MJS DX Cloud)で提供され、料金は導入機能や事業規模により変動するため要お問い合わせです。MJS未利用の税理士・公認会計士・税理士法人は、利用開始日から3か月間の無料おためし利用ができます。

4. JDL IBEXクラウド組曲Major(株式会社日本デジタル研究所)

JDL IBEXクラウド組曲Majorの公式サイト

株式会社日本デジタル研究所(JDL)のJDL IBEXクラウド組曲Majorは、会計事務所専用の財務・税務ソフトを1本単位で選んで導入できるSaaS方式の製品群です。申込みには税理士登録番号の入力が必須で、事業会社や個人事業主が直接契約する製品ではありません。

財務から法人税・所得税・相続税などの申告、年末調整、給与計算、事務所管理までを事務所の業務単位でそろえられます。顧問先とのデータ授受はJDLデータセンター経由の独自送受信ツールで行い、顧問先が使う会計ソフトの種類を問わず取り込めます(財務システムの利用が前提)。顧問先向けの無料ソフトを使って自計化を指導することもできます。

初期導入費用やバージョンアップ料は不要で、必要なソフトを1本単位で積み上げて契約する年額制です(税抜)。財務システムは年額75,000円、法人税申告書は32,500円、消費税申告書は17,000円などで、所員数や構成により総額が変わります。SaaS方式ですがソフトとデータは利用者のPCに置いて処理するため、通信障害時もローカルで業務を継続できるとしています。

5. 財務顧問R4/エプソンの財務会計 会計事務所向けプラン(エプソン販売株式会社)

エプソンの財務会計 会計事務所向けプランの公式サイト

財務顧問R4は、エプソン販売株式会社が会計事務所向けに提供する財務会計ソフトで、2025年7月に「エプソンの財務会計 会計事務所向けプラン(プロフェッショナル)」へリニューアルしました。

記帳から決算書・消費税申告書の作成、異常な取引や仕訳重複を自動チェックする監査支援まで対応し、所得税・給与・事務所管理など同社のR4系製品とデータ連携します。顧問先が「エプソンの財務会計」を利用していれば、月次試算表や証憑をクラウド経由で共有できます。ただし、顧問先とのデータ同時入力はできないと公式に明記されています。

料金はプロフェッショナルで年額サブスクリプションをとり、基本ライセンス料は60,000円/年(基本2ユーザー、税別、導入費用0円)です。3名以上は追加1ライセンスが10,000円/年、30名以上は人数無制限のフリーライセンスが339,000円/年となります。会計事務所向け専用機「INTER KX」との組み合わせ提供もあり、1か月無料の体験版が利用できます。

6. 財務処理db(日本ICS株式会社)

財務処理dbの公式サイト

仕訳入力から決算書作成までを一連で行える会計事務所向けの財務会計システムが、日本ICS株式会社の財務処理dbです。同社は2023年4月にTISインテックグループの傘下に入っています。

勘定科目の50音検索や全項目を対象にした仕訳検索・置換などの入力支援を備え、金融機関の預貯金データ・クレジットカード明細のCSV取込やMoneytree連携で仕訳を自動生成します。公益法人・宗教法人・学校法人・社会福祉法人の専用システムや、建設業・病院・運送業向けのカスタマイズ版も用意しています。導入実績は12,000件です(公式記載)。

財務処理dbは、会計事務所向け製品群「ICSATOMII」の構成要素です。財務処理db・法人税申告書db・給与処理dbなどをまとめた基本パックは月額24,800円(税別)で、財務処理db単体の料金は公式に明示がなく要お問い合わせです。電子帳簿保存法に対応し、JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証を取得しています。

7. e-PAP 財務会計システム(株式会社エッサム)

e-PAP 財務会計システムの公式サイト

e-PAP 財務会計システムは、株式会社エッサムが提供する会計事務所向け「e-PAP」シリーズのうち、財務会計を担うシステムです。財務会計システムは2008年10月の発売で、シリーズの前身は1997年から販売の「PAPWin」にさかのぼります。

シリーズは財務会計・法人申告・個人申告・支払調書/年末調整・給与計算の各システムで構成し、データを連動して一元管理できるとしています。2008年の財務会計システム発売時には、ログイン時にID・パスワードに代えて指をかざす指静脈認証「静紋」(日立ソリューションズ製)を標準搭載した実績があります。企業向けには、顧問先が使う自計化ソフトも用意しています。

クラウド版はインターネットとWindows PCがあれば利用でき、スマート請求管理やスマート・ストレージなどの関連クラウドサービスも組み合わせられます。料金は公式サイトに料金表の掲載がなく、資料請求・問い合わせでの確認となります。サポートはテクニカルセンターとインストラクターがセットアップから運用まで対応するとしています。

8. フリーウェイ経理(株式会社フリーウェイジャパン)

フリーウェイ経理の公式サイト

株式会社フリーウェイジャパンのフリーウェイ経理は、無料版から会計事務所向けの有料版まで複数のエディションを展開する会計ソフトです。会計事務所・税理士事務所が使うのは有料版の「フリーウェイ経理Pro」です。

Proはクラウド上で顧問先とデータを共有でき、顧問先がフリーウェイ経理を使っていれば既存データをそのまま利用できます。会計データは事務所内の端末・サーバとクラウドの両方に保存でき、事務所内だけで運用することもできます。NTTデータの「達人シリーズ」との連動や、変換ツールによる他社ソフトからの移行にも対応します。

料金は基本ID月額1,980円、追加ID月額1,000円(いずれも税抜、IDは同時に使う人数分)で、バージョンアップ料・保守料・操作サポートを月額に含みます。初期費用は銀行振込の一括払いかリースで要問い合わせです。顧問先とのクラウド共有や銀行・クレジットカード連携には、顧問先1社ごとに別途費用がかかります。

顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型

顧問先が自計化し、事務所がクラウド上の同じデータを見て指導・レビューに使う汎用のクラウド会計ソフトです。導入のしやすさと顧問先との共有のしやすさが特徴です。

9. 弥生会計 Next(弥生株式会社)

弥生会計 Nextの公式サイト画面

弥生株式会社が2025年4月に提供を開始した法人向けクラウド会計サービスです。会計に加えて請求業務・経費精算・証憑管理を一つのサービスに統合し、これらのデータが会計処理へ自動で流れる構成を特徴としています。

会計事務所との連携では、顧問先が税理士へ共有権限を付与すると、事務所が同じ画面を見ながらチェックや修正依頼をリアルタイムに行え、USBメモリやExcelでの受け渡しは不要です。ただし共有できるのは弥生PAPに加入した会計事務所・税理士に限られるため、自事務所の加入状況を確認しておきましょう。

料金は年契約でエントリープラン34,800円・ベーシックプラン50,400円・ベーシックプラスプラン84,000円(いずれも税抜・初期費用0円)で、最大2か月の無料体験があります。決算メニューの達人連携から法人税の達人などへ会計データをエクスポートでき、申告書作成を事務所側で行う運用にも対応します。

10. マネーフォワード クラウド会計Plus(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計Plusの公式サイト画面

IPO準備中の企業や中堅〜上場企業を対象に、仕訳承認フロー・権限管理・操作ログ(仕訳更新履歴)といった内部統制機能を加えた会計システムです。株式会社マネーフォワードが提供し、導入実績は2,000社以上とされています。

監査法人や税理士法人とシステムを共有し、Web上で証憑を照会しながら監査手続きを進められる点が、規模の大きい顧問先を抱える事務所との相性につながります。ただし監査法人・税理士法人など外部共有用のアカウントも利用IDの1つとして料金にカウントされる仕様です。

料金は利用ID数に応じた要見積もり方式で、公式サイトに金額の記載はなく、無料トライアルもありません。自計化を進める小規模な顧問先よりも、内部統制やワークフローを求める規模のある法人に向くため、顧問先の性格に応じて候補に加えるとよいでしょう。

では、実際にどのような顧問先がこのシステムを採用しているのでしょうか。提供元のマネーフォワードは、導入相談の傾向を次のように説明しています。

栗本賢人氏
株式会社マネーフォワード SMB本部 パートナービジネス部 部長 兼 パートナーアライアンス室 事業開発担当
栗本賢人氏
独自インタビューより

最も多いのは、IPOや上場を目指していて内部統制をしっかり整えたい、J-SOX対応の必須要件に対応したいという中堅企業からのご相談です。実績としては、2025年1月から6月にグロース市場へ上場承認された企業のうち、約半数がマネーフォワードのサービスを利用していたというデータ* もあります。

*日本取引所グループの公表情報に基づき、2025年1月〜6月にグロース市場への上場が承認された企業のうち、上場時にマネーフォワードクラウドを有料で使用していたのユーザーの割合

11. freee会計(フリー株式会社)

freee会計の公式サイト画面

簿記の知識が浅くても記帳できる操作性を主軸に据えたクラウド会計ソフトです。銀行口座やクレジットカードなど1,000を超えるサービスと連携し、取引データの自動取得から決算書の作成までを一つの画面で進められます。

会計事務所との連携では、freee認定アドバイザーである税理士・公認会計士を外部メンバーとして招待でき、事務所の複数職員を追加して同時作業もできます。認定アドバイザーは料金が発生するメンバー数に含まれない一方、アドバイザー制度に加入していない税理士を招くと通常メンバー扱いで招待枠を消費するため、招待の仕方は確認が必要です。

法人向けの料金は年払い月額でひとり法人2,980円・スターター5,480円・スタンダード8,980円から(いずれも税抜、スターター以上は従量課金が別途)で、30日間の無料トライアルを利用できます。顧問先に記帳を任せ、事務所がクラウド上で確認・修正する自計化支援の運用に向いています。

12. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

マネーフォワード クラウド会計の公式サイト画面

マネーフォワード クラウドシリーズの中核をなす、ひとり法人・中小企業向けの標準クラウド会計ソフトです。明細の自動取得とAIによる勘定科目の提案に加え、振替伝票入力・簡単入力・仕訳帳入力の3方式を備え、簿記の知識がある担当者が自由度高く記帳できます。

税理士のマネーフォワード IDをメンバーに追加すれば、同じデータを共有できます。権限は帳簿確認向けの「監査」を含む7種類から選べ、カスタム権限でメンバーごとに使える機能を絞ることも可能です。通常は月末時点で4名以上になると1名あたり月300円(税抜)の従量課金が発生しますが、公認メンバー制度に加入した士業のアカウントは従量課金の対象外です。

料金は年払いの月額換算でひとり法人2,480円・ビジネス6,480円から(税抜、月払いは3,980円から)で、1か月の無料トライアルがあります。すでにマネーフォワード クラウドを使う顧問先の自計化支援や、経理経験のある担当者がいる法人の記帳に向きます。

13. 勘定奉行クラウド(株式会社オービックビジネスコンサルタント)

勘定奉行クラウドの公式サイト画面

金融機関の入出金明細や領収書、Excelデータから仕訳を自動起票する、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)のクラウド会計ソフトです。標準で50種を超える帳票を備え、給与奉行や固定資産奉行など同社の奉行シリーズとデータ連携できます。

税理士・会計事務所とリアルタイムにデータを共有できる専門家ライセンスが1ユーザー分、標準で付帯します。顧問先が記帳したデータを事務所が同じ基盤で確認する運用に対応し、申告奉行iクラウドへの会計データ連携で電子申告まで扱えます。製品はOBCから直接ではなくパートナー企業経由で販売される点は押さえておきましょう。

料金は会計本体で年額93,000円(Eシステム、月額換算7,750円)から、上位のSシステムで年額336,000円(いずれも税抜)までのエディション構成で、初期費用はエディションにより0〜70,000円です。30日間の無料体験があり、電子帳簿保存法ではJIIMA認証4種を取得しています。

14. PCAクラウド 会計(ピー・シー・エー株式会社)

PCAクラウド 会計の公式サイト画面

長年提供されている「PCA会計」をクラウド形態で提供する、ピー・シー・エー株式会社の財務会計システムです。日常の伝票入力から元帳・試算表・決算書、経営分析帳票までを作成でき、中堅企業向けの上位版「hyper」ではグループ企業管理やセグメント管理に対応します。

クラウド版では複数拠点や在宅から同じ会計データを共有でき、仕訳の承認機能により担当者の入力を責任者が確認する運用にも向きます。AIアシスタントを搭載した上位プラン「PCA Arch」では、フォルダごとにセキュリティを設定し、税理士専用のフォルダを設けて書類を共有する使い方も案内されています。

料金はPCAクラウド 会計で月額16,200円、hyperで月額19,200円(いずれも税抜・初期費用0円)からで、2か月の無料体験があります。消費税申告書はPCA会計シリーズからe-Taxで送信でき、法人税や地方税(eLTAX)は別製品のPCAクラウド 法人税が担う構成です。

15. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

ジョブカン会計の公式サイト画面

キーボード中心の入力感をクラウド上で再現した会計ソフトで、勤怠・給与・経費精算などを擁するジョブカンシリーズの一角を株式会社DONUTSが提供しています。銀行・クレジットカード明細の自動取込や部門別集計、決算書の作成に対応します。

会計事務所との連携では、税理士側のジョブカンアカウントと顧問先アカウントを「外部メンバー」として紐づける方法があり、この場合は顧問先の請求対象に含まれず、プランの人数上限にも影響しません(利用にはDONUTS側の事前設定が必要)。税理士を通常ユーザーとして登録する方法もありますが、その場合はユーザー1名としてカウントされます。

料金はスタートアップ2,500円/月(3ユーザーまで)、ビジネス5,000円/月(5ユーザーからの段階制)、エンタープライズ50,000円/月(いずれも税抜・初期費用0円)で、30日間の無料トライアルがあります。コストを抑えて法人会計をクラウド化したい小規模な顧問先に向きます。

16. 会計王(ソリマチ株式会社)

会計王の公式サイト画面

ソリマチ株式会社がWindows向けに提供する、買い切り型(インストール型)の会計ソフトです。ブラウザで完結するクラウド型ではありませんが、銀行・クレジットカードのWeb明細を取り込む「MoneyLink」やクラウドストレージ「安心データバンク」などのクラウド連携機能を備えます。

顧問税理士にアカウントを付与して同じ画面を共有する仕組みは用意されておらず、会計事務所との連携は同一バージョンのソフト間でのデータのやり取りが前提です。クラウドストレージ「安心データバンク」に元帳のPDFを置き、事務所が巡回監査の際に参照する使い方が公式に紹介されています。

料金は本体44,000円(税込)の買い切りで、初年度は保守サービスが付属し、2年目以降は年間保守「バリューサポート」が標準版で38,500円(税込)です。月額課金のクラウド会計とは費用構造が異なり、継続コストを保守料のみに抑えたい事務所・顧問先の選択肢になります。

17. かんたんクラウド会計(株式会社ミロク情報サービス)

かんたんクラウド会計の公式サイト画面

スタートアップや小規模事業者を主な対象に、株式会社ミロク情報サービス(MJS)が提供するクラウド会計・給与ソフトです。取引例があらかじめ登録されており、簿記が未経験でもレシート画像の読み取りなどで記帳を進められる設計です。

会計事務所が顧問先に導入し、遠隔からサポートする運用に対応した製品です。事務所と顧問先が同じデータをリアルタイムに共有でき、MJSの事務所向け基幹システム「ACELINK NX-Pro」を使う事務所では、事務所データからかんたんクラウドのデータを作成し、顧問先へログイン情報を通知するだけで利用を始められます。

料金は会計でBasicが月額2,160円(年額21,600円)、Plusが月額3,000円(いずれも税抜)で、標準3アカウント・追加は1名あたり月額240円です。初期費用は無料で、2か月間の無料試用期間が用意されています。

導入・乗り換えで失敗しないための注意点

会計事務所の基幹システムは、一度導入すると日々の業務の土台になるため、乗り換えには手間とリスクが伴います。ここでは、評判や実際の運用で見落とされやすい注意点を整理します。

まず確認したいのが、既存データの移行です。これまで使っていたシステムから顧問先ごとの過去データ(仕訳・残高・固定資産など)をどこまで引き継げるかは、製品や契約内容によって差があります。移行ツールの有無や、移行時の作業を提供元が支援してくれるか、過去何期分を引き継げるかを導入前に確認しておくと、切り替え時の負担を抑えられます。

次に、決算・申告の繁忙期におけるサポート体制です。電話やメールの受付時間、繁忙期に問い合わせが集中したときの対応、操作研修や講習会の有無は、事務所の業務が止まらないかに直結します。公式に記載された受付時間が会社の営業時間と同じ場合もあるため、サポートの実態まで見ておくと安心です。

そして、顧問先への影響です。システムを変えると、顧問先が使う入力画面やデータの受け渡し方法も変わることがあります。顧問先に自計化を依頼している場合は、顧問先側の操作負担や再教育の手間まで見込んでおく必要があります。導入前に少数の顧問先で試し、運用に無理がないかを確かめてから全体へ広げると、乗り換えの失敗を避けやすくなります。

まとめ

本記事では、会計事務所向けの基幹システムを、会計事務所向けの専門システム型と顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型の2タイプに整理し、顧問先共有のしやすさ・業務フローへの適合・提供形態といった会計事務所ならではの選び方、料金の考え方、各製品の特徴と会計事務所での使い方、導入時の注意点を解説しました。

自事務所に合うシステムを選ぶには、まず記帳代行中心か自計化支援中心かという業務スタイルでタイプを絞り込み、顧問先とのデータ共有方式・対応業務の範囲・事務所向けの料金体系を確認していくのが近道です。資料請求で機能や料金を確かめ、繁忙期のサポートやデータ移行まで含めて見極めてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. 会計事務所の基幹システムとは何ですか?

A. 会計事務所の基幹システムとは、顧問先から預かった取引データの記帳・仕訳から決算書の作成、法人税・所得税・消費税などの申告までを一貫して処理する、事務所業務の中核を担う会計システムです。多くの顧問先を抱える事務所向けに、顧問先ごとのデータを一元的に管理し、顧問先とのデータ受け渡しや進捗管理まで担える点が、事業会社が自社の経理に使う一般的な会計ソフトとの違いです。

Q. 会計事務所向けの専門システム型と、顧問先と共有して使う汎用クラウド会計ソフト型は何が違いますか?

A. 両者の違いは、事務所が顧問先を一括管理して記帳から申告まで事務所側で回すのが専門システム型、顧問先が自計化したデータを事務所がクラウドで共有して指導・レビューするのが汎用クラウド会計ソフト型という点です。

記帳代行を数多く引き受け、申告まで事務所で完結させたい事務所は専門システム型が、顧問先の自計化を進めたい事務所は汎用クラウド会計ソフト型が噛み合いやすい傾向があります。自事務所が記帳代行中心か自計化支援中心かで、適した型を絞り込めます。

Q. 顧問先が別の会計ソフトを使っていても、会計事務所のシステムにデータを取り込めますか?

A. 顧問先のデータを取り込めるかは製品によって異なり、専用のデータ送受信の仕組みで顧問先が使う会計ソフトの種類を問わず取り込める製品と、同じソフトや同一シリーズを使う顧問先に限られる製品があります。

専門システム型には独自の送受信ツールや顧問先向けソフトでデータを授受する製品が多く、顧問先が使うソフトの種類を問わず取り込める製品もあります。一方、汎用クラウド会計ソフト型では、同じソフトや、パートナー制度に加入した事務所と共有する形をとる製品が中心です。顧問先が使っているソフトの状況に合わせて、取り込み方式を導入前に確認してください。

Q. 会計事務所の職員や顧問税理士のアカウントを追加すると、別途料金はかかりますか?

A. 税理士・事務所のアカウント追加で料金がかかるかは製品によって異なり、士業向けの制度に登録すれば無料枠として扱われ課金対象外になる製品と、通常の利用IDとしてカウントされ費用が発生する製品に分かれます。

汎用クラウド会計ソフト型では、士業向けの公認・認定制度に登録した税理士を無料枠として招ける製品が多く見られます。一方、制度に加入していない税理士を通常メンバーとして招く場合や、外部共有用のアカウントを利用IDとして数える製品では費用が発生します。招待の仕方で費用が変わるため、事前に確認しましょう。

Q. 会計事務所向けシステムの料金・ライセンス体系はどうなっていますか?

A. 会計事務所向けシステムの料金は、専門システム型は財務・税務・申告・給与などのソフトを必要な分だけ積み上げて契約する体系が多く、汎用クラウド会計ソフト型は月額・年額のわかりやすい体系が中心です。専門システム型は所員数や扱う業務の範囲によって総額が変わり、公式には料金を明示せず問い合わせ対応とする製品もあります。

汎用クラウド会計は法人向けでおおむね月額数千円台からで、顧問先ごとの契約や事務所向けプランの形をとり、顧問先との共有機能や銀行・クレジットカード連携を顧問先単位のオプションとして追加する製品もあります。顧問先数や所員数が増えたときの総額まで含めて比較してください。

Q. 会計事務所の基幹システムを乗り換えるとき、顧問先の過去データは移行できますか?

A. 乗り換え時に過去データを移行できるかは製品や契約内容によって差があり、仕訳・残高・固定資産などをどこまで、過去何期分引き継げるかを導入前に確認しておく必要があります。

専用の移行ツールを用意する製品や、変換ツールで他社ソフトからの移行に対応する製品もあります。切り替えの負担を抑えるには、移行作業を提供元が支援してくれるかもあわせて確認し、まず少数の顧問先で試してから全体へ広げると失敗を避けやすくなります。

Q. 会計事務所向けシステムは電子帳簿保存法やインボイス制度に対応していますか?

A. 会計事務所向けシステムの多くは電子帳簿保存法とインボイス制度に対応しており、JIIMA(日本文書情報マネジメント協会)の認証を取得した製品もあります。

電子帳簿保存法への対応とは、顧問先の電子取引データを改ざん防止の措置をとり「日付・金額・取引先」で検索できる形で保存できること、インボイス対応とは登録番号や税率・消費税額を記載した請求書の発行、受領したインボイスの保存、仕入税額控除に必要な区分経理を支援できることを指します。対応範囲は製品ごとに差があるため、顧問先の業務に必要な要件を満たすかを確認してください。

Q. 会計事務所向けシステムは無料で試せますか?

A. 会計事務所向けシステムは、多くの製品が無料の体験版・おためし期間を用意しています。汎用クラウド会計ソフト型では30日前後から2か月程度の無料トライアルが一般的で、専門システム型にも未利用の税理士・税理士法人向けに数か月の無料おためしを設ける製品があります。

一方で、無料トライアルを設けず、料金・試用条件を問い合わせ対応とする製品もあるため、導入前に各社の条件を確認してください。

Q. 顧問先の自計化支援に使う汎用クラウド会計ソフトは、どのように選べばよいですか?

A. 顧問先の自計化支援では、顧問先の記帳スキルに合わせて操作性で選ぶのがポイントです。簿記に不慣れな顧問先には、簿記の知識が浅くても記帳を進められる操作性を主軸にした製品、経理経験のある担当者がいる顧問先には、振替伝票や仕訳帳など入力の自由度が高い製品が向きやすい傾向があります。

多くの製品が、士業向けの公認・認定制度に登録した税理士を無料枠として招けます。顧問先の経理体制や記帳スキルに合わせて選ぶとよいでしょう。製品ごとの具体的な適合は、比較表と選定診断ツールでご確認ください。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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