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EPM(企業業績管理)とは?ERP・BIとの違いやメリット・主要ツールをわかりやすく解説

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経営管理システム比較表(2026年版)

「EPM」という3文字を会議資料やニュースで見かけて、何の略で何を指す言葉なのか調べている方は多いのではないでしょうか。EPMはEnterprise Performance Management(企業業績管理)の略で、経営の計画・予算・実績を一元的に管理し、経営判断を速く正確にするための仕組み(手法)を指します。

ただし、同じ「EPM」という略語には企業業績管理のほかにも意味があり、検索結果には別の分野の情報が混ざります。この記事では、企業業績管理としてのEPMを軸に、よく似た略語との切り分け・EPMでできること・ERPやBIとの違い・導入のメリットと注意点・主要なツールと費用感までを整理します。

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EPM(企業業績管理)とは

EPMはEnterprise Performance Managementの略で、日本語では企業業績管理(企業パフォーマンス管理)と訳されます。経営の計画・予算・実績を一元的に管理し、業績を分析・可視化して、より良い経営判断につなげるための一連のプロセスとツールを指す言葉です。

具体的には、中期経営計画や目標の策定、予算編成、予算と実績の突き合わせ(予実管理)、グループ全体の連結・決算、経営ダッシュボードでの業績分析までを、ひとつの仕組みの上でつなげて回します。主に経営企画部門やCFO・経理財務部門が中心となって使いますが、営業・人事・ITなど各部門の計画やレポートにも広がります。

エンタープライズ・パフォーマンス管理(EPM)とは、企業が計画、予測、予算編成、そして全体的な業績を向上させるために使用するビジネス慣行、プロセス、ツールを指します。

出典:企業業績管理(EPM)とは|IBM

この「経営の計画・予算・実績を一元管理する仕組み」という捉え方は、Oracle・IBMをはじめとする主要ベンダーの公式解説でおおむね共通しています。特定の製品に固有の定義ではなく、業界で確立した考え方だと理解して差し支えありません。

出典・参考資料(2件)

「EPM」の3つの意味と、本記事が扱う企業業績管理

「EPM」とだけ検索すると、企業業績管理とは別の分野の情報も混ざって表示されます。これは同じ3文字の略語が、分野ごとに異なる言葉の頭文字として使われているためです。主な3つの意味を整理すると次のとおりです。

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略語の元になる英語Enterprise Performance ManagementEnterprise Project ManagementEndpoint Privilege Manager
日本語企業業績管理全社プロジェクト管理エンドポイント特権管理
何を指すか経営の計画・予算・実績を一元管理する仕組み(本記事が扱う意味)組織横断でプロジェクトの進捗・工数・資源を管理する仕組みPCなど端末の管理者権限を最小化するセキュリティ製品
主に使う部門経営企画・経理財務PMO・プロジェクト管理部門情報システム・セキュリティ部門

このうち本記事が解説するのは、一番上の企業業績管理(Enterprise Performance Management)です。全社プロジェクト管理はプロジェクトの進捗や工数を扱う仕組みで、端末特権管理はセキュリティ製品のため、経営の予算・業績を管理したい場合は分野が異なります。自分の探している「EPM」がどれなのかを、まずここで確かめてみてください。

出典・参考資料(2件)

EPMで何ができるのか(計画・予算編成・予実管理・連結・レポート)

ここからは、企業業績管理としてのEPMが具体的に担う業務を見ていきます。Oracle・IBMなど複数のベンダーの公式解説が共通して挙げる機能をまとめると、おおむね次の範囲になります。

  • 計画・目標設定:中期経営計画や年度目標を数値に落とし込みます。部門ごとの計画を全社の計画として積み上げ、前提条件を変えたシミュレーションも行えます。
  • 予算編成:各部門からの予算を集約し、全社の予算として取りまとめます。Excelのファイルをメールでやり取りする方式に比べ、入力・集計・差し戻しの手間を減らせるのが狙いです。
  • 予実管理(予算実績管理):予算と実績を突き合わせ、差異がどこで・なぜ生じたかを分析します。会計システムから実績データを取り込み、着地見込みの更新まで回すのが一般的です。
  • 連結・決算:グループ各社のデータを集約し、連結での業績や財務結果を確定します。Oracleはこの工程を「決算(財務結果の統合・確定)」として位置づけています。
  • 経営ダッシュボード・レポート/分析:複数システムのデータを1つの画面に統合し、経営層が業績を俯瞰できるようにします。IBMはこの統合ダッシュボードをEPMの重要な構成要素として挙げています。

これらは別々の作業ではなく、「計画を立てる→予算を組む→実績と突き合わせる→次の計画に反映する」という一連のサイクルとしてつながっているのがEPMの特徴です。こうしたEPMのはたらきをソフトウェアとして提供する製品が、日本では一般に「経営管理システム」と呼ばれています。

EPMの4工程サイクルを示す図。STEP1計画を立てる(中期経営計画や年度目標を数値化)、STEP2予算を組む(各部門の予算を全社予算に集約)、STEP3実績と突き合わせる(予算と実績の差異を分析=予実管理)、STEP4次の計画に反映するを矢印でつなぎ、STEP1に戻って繰り返すことを示す。
出典・参考資料(2件)

EPMとERP・BI・CPMの違い

EPMは、ERP・BI・CPMといった似た略語と混同されがちです。それぞれの役割とEPMとの関係を整理しておくと、違いが掴みやすくなります。

EPMの立ち位置を示す図。左はERPとの関係で、日々の取引を実行・記録するERPを土台に、その上でEPMがERPのデータを使い計画・予測・分析で次の一手を決めることを層で示す。右はBIとの関係で、BIは過去の実績を可視化・分析するのに対し、EPMは将来の予測・シナリオまで含むという視点の向きの違いを示す。
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用語ERPBICPM
日本語・正式名統合基幹業務システム(Enterprise Resource Planning)ビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)Corporate Performance Management(EPMの別称)
主な役割会計・販売・在庫・人事など、日々の業務の実行と記録蓄積されたデータの可視化・分析(主に過去の実績)EPMとほぼ同じ意味
EPMとの関係ERPが生む実績データを使い、EPMがその上で計画・分析・管理を行うBIは可視化・分析が中心。EPMは将来の予測・シナリオや計画づくりまで含む呼び方の違い。CPMは上場企業の企業統治・株主価値を意識した文脈で使われる傾向

特に混同しやすいのがERPとの違いです。ERPが日々の取引の実行・記録を担うのに対し、EPMはそのデータを踏まえて先を見据えた計画・分析を担います。IBMはこの関係を端的に次のように表現しています。

簡単に言えば、ERPは会計のバランスをとり、EPMは次の投資先を決定します。

出典:企業業績管理(EPM)とは|IBM

BIとの違いは「視点の向き」で捉えると分かりやすくなります。BIが過去データの可視化・分析に重きを置くのに対し、EPMは将来予測やシナリオプランニングまでを含みます。

出典・参考資料(2件)

EPM導入のメリットと、注意点・導入の難所

EPMを導入すると何が変わるのか、そして導入でつまずきやすいのはどこか。良い面と注意点の両方を押さえておくと、自社に必要かどうかを判断しやすくなります。

EPM導入のメリット

  • 経営判断が速く正確になる:計画・予算・実績が1つの仕組みに集まるため、業績の変化に気づいてから手を打つまでの時間を短縮できます。
  • 部門をまたいで同じ数字を見られる:各部門がばらばらの表を見る状態を避け、全社で共通のデータをもとに議論できます。
  • Excel運用の属人化・集計負担を減らせる:ファイルの手集計やバージョン違いといった、表計算ソフト中心の運用で起こりがちな問題を抑えられます。
  • 将来を見据えた計画が立てやすい:前提を変えたシミュレーションやシナリオ比較に対応する製品が多く、予測にもとづく意思決定を支えます。

注意点・導入の難所

一方で、EPMは導入すれば自動的に効果が出るものではありません。実務でつまずきやすいのは次のような点です。

  • 要件定義の負担が大きい:自社の管理会計のルール(勘定科目・部門・配賦の考え方)を整理しないと、ツールに載せきれません。この前さばきが導入の山場になります。
  • Excelからの移行と定着に手間がかかる:長年の表計算ソフト運用を切り替えるため、現場の操作習熟や運用ルールの再設計が必要です。
  • 費用・期間は企業規模や範囲で大きく変わる:対象とする業務(予実だけか、連結まで含むか)や子会社の数によって、必要な費用も導入期間も変わります。一律の目安で判断せず、自社の範囲で見積もることが大切です。

導入効果の大きさも企業によって幅があります。たとえばIBMは自社の事例として、統合的なアプローチにより2020年以降で財務計画・分析(FP&A)に使うツールを95%削減し、FP&A業務の生産性が40%向上したと公表しています。ただし、これは同社自身の成果であり、どの企業でも同じ数字になるわけではありません。効果を見積もるときは、自社の現状と導入範囲に即して考える必要があります。

出典・参考資料(1件)

EPM導入の進め方

多くの企業では、Excelでの予算・予実管理が限界に近づいたことをきっかけにEPMの検討が始まります。ここでは、表計算ソフト中心の運用からEPMへ移行する際の大まかな流れを示します。

  1. 現状の予算・予実業務を棚卸しする:いまどのExcelを誰が作り、どこで集計に時間がかかっているかを洗い出します。移行の目的(工数削減か、連結対応か、精度向上か)を言語化します。
  2. 管理したい軸とルールを整理する:部門・事業・プロジェクトなどの管理単位と、配賦や連結の考え方を決めます。この整理が後の設定の土台になります。
  3. 自社の要件に合うツールを選ぶ:予実管理だけで十分か、連結・グループ経営管理まで必要かによって、適したツールは変わります。会計システムとの連携可否も確認します。
  4. 試験導入とデータ連携を行う:一部の部門や事業から始め、会計データの取り込みと予実突合が想定どおり動くかを確かめます。
  5. 運用に乗せて定着させる:入力・承認・レポートの運用ルールを固め、全社へ広げます。現場が無理なく使い続けられる形に調整していきます。

重要なのは、ツールの導入そのものではなく「自社の管理会計をどう整理するか」です。前さばきを丁寧に行うほど、導入後の効果が出やすくなります。

ツール導入に踏み切る前に、まずは現状のExcelでの予実管理そのものを見直したい場合もあります。予実管理の進め方や差異分析のやり方、Excelでの予実管理表の作り方は、以下の記事で手順に沿って解説しています。

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主要なEPM・経営管理システムの比較と費用感

EPMを実際に担うのが、予実管理や連結・グループ経営管理を行う「経営管理システム」です。ここでは代表的なサービスを横並びで比較します。製品ごとに得意な領域(予実管理中心か、連結まで含むか、グローバル対応のスイート型か)が分かれるので、自社が何を解決したいかと照らし合わせてみてください。

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サービス名DIGGLE(ディグル)X-KPI(クロスケーピーアイ)Scale Cloud(スケールクラウド)Loglass 経営管理Workday Adaptive PlanningAnaplanOracle Cloud EPMBizForecast(ビズフォーキャスト)
提供形態クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)クラウド(SaaS)/FC Enterpriseはプライベートクラウド・オンプレミスも選択可
主な機能・強み予実管理特化のクラウド。予算策定・予実突合・着地見込み・多段階配賦・レポーティングを一元管理。予実管理ソフト(SaaS/PaaS)でベンダーシェア1位(2024年度・富士キメラ総研)KPIと予実データをクラウドで集約・可視化。部門・拠点・プロジェクト単位の差異分析、異常値の自動検知とチャット通知PL(損益)とKPIを関連づけて一元管理。KPIを積み上げた予算作成・複数パターンのシミュレーション・予実管理予算策定から予実管理・差異分析(仕訳まで遡及)・着地見込み・多軸分析・AI分析まで一気通貫。連結にも対応財務・人員・オペレーション計画を連携させるEPM。予算編成・予測・What-Ifシナリオ・決算/連結処理に対応全社計画を同一基盤で扱う「Connected Planning」。財務計画を中核にシナリオプランニング・分析・予測計画(Planning)・連結決算(FCCS)・勘定照合・原価収益性・税務・開示を共通基盤で提供するEPMスイート。Multi-GAAP対応「活Excel」設計のグループ経営管理システム。予実管理・管理会計(BC)と連結決算・連結会計(FC)を同一基盤で
対象企業規模中堅〜大企業中堅〜大企業中堅〜大企業中堅〜大企業中小〜大企業(公式は「あらゆる規模」と記載)大企業・グローバル企業中心大企業・グローバル企業中心(中堅・小規模向けSKUもあり)上場企業〜中堅企業
費用感初期・月額とも要問い合わせ初期・月額とも要問い合わせ月額15万円〜(2026年10月時点。初期費用は要問い合わせ)初期・月額とも要問い合わせ初期・月額とも要問い合わせ初期・月額とも要問い合わせ初期・月額とも要問い合わせ(ユーザー単位・モジュール別課金)FC Standard 月額10万円〜(税抜・年払い・連結5社まで〔親会社除く〕)/初期は標準導入サポート100万円〜。FC Enterpriseは個別見積り
詳細情報公式資料を見る公式資料を見るオンライン相談を予約サービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見るサービス詳細を見る

※料金・機能は2026年10月時点の各社公式情報にもとづく目安です。料金が非公開のサービスは「要問い合わせ」と記載しています。実際の料金・対応範囲・提供形態は各社の最新情報・公式資料でご確認ください。

ここからは、上の比較表で挙げた中から、予実管理に強みを持つ代表例として、DIGGLE・X-KPI・Scale Cloudの3つを詳しく紹介します。

DIGGLE(ディグル)

DIGGLEのウェブサイト

DIGGLEは、予算・実績・見込をクラウド上で一元管理する予実管理特化のサービスです。ディグル株式会社が提供し、会計システムからのデータ取り込みと予実突合を自動化することで、Excel中心の予実管理に起こりがちな属人化や集計の非効率を解消することを狙います。

予算策定から予実突合、着地見込みの管理、多段階の配賦、レポーティングまでを1つのクラウドで完結できる点が特徴です。DIGGLEの発表によると、富士キメラ総研の調査で予実管理ソフトウェア(SaaS/PaaS区分)のベンダーシェア1位(2024年度実績)とされています。料金はStandard・Enterpriseの2プラン構成で、初期費用・月額費用ともに見積制(要問い合わせ)です。

出典・参考資料(1件)

X-KPI(クロスケーピーアイ)

X-KPIのウェブサイト

株式会社パブリックアイデンティティ(日経グループ)が提供するX-KPIは、KPIと予実データをクラウド上で集約するタイプの経営管理ツールです。部門・拠点・プロジェクトごとのKPIと予算・実績を一画面に集め、差異分析や共有を進めやすくします。

財務の数字だけでなく、売上につながる活動量などのKPIも合わせて見られる点が、予実管理に強みを持つ製品群の中での位置づけになります。経営の「可視化」を軸にした製品で、導入検討にあたっては公式資料で機能の詳細を確認するのが確実です。

Scale Cloud(スケールクラウド)

Scale Cloudのウェブサイト

Scale Cloudは、PL(損益)とKPIを関連づけて一元管理できる経営管理クラウドです。株式会社Scale Cloudが提供し、各部門がばらばらに追っているKPIを同じ基盤に集めて、全社が同じ数字を見ながら予実管理のPDCAを回せる状態をめざします。

商談数や成約率といったKPIを積み上げて売上予算を作れるなど、KPIと予算を接続した設計に対応している点が特徴です。公式サイトによると料金は月額15万円から(2026年10月時点)とされており、予実管理を担当する経営企画・管理部門やCFOからの導入相談が多いとしています。

こうしてPLとKPIを結びつける発想は、従来の管理会計やExcel中心の運用で各部門が別々の数字を見ていた、という現場の課題意識から生まれています。株式会社Scale Cloudの広瀬氏は、開発の背景を独自インタビューで次のように語っています。

広瀬氏
株式会社Scale Cloud 代表取締役
広瀬氏
独自インタビューより

従来の管理会計では、財務データを部門別や得意先別など様々な切り口で分析するのですが、それだけでは「この結果にどうやって至ったのか」というプロセスがまったくわからないです。事業の状況を正しく理解するためには、結果だけでなくそこに至るプロセスも含めて把握しなければ、どこに問題があるのか見えてこない。これが管理会計の限界だと感じていました。

そのプロセスを把握するために何を見ればいいかというと、KPIのデータになります。ただ、実際にはマーケティング、セールス、カスタマーサクセスといった各部門がそれぞれバラバラなKPIを追っている状態で、情報が統合されていない。みんなが違うデータを見ているので、同じ景色を見ながら議論できていないことが多いと思われます。

ここで取り上げたのは代表的な製品の一部です。予実管理・連結会計・ERPといったタイプ別の選び方や、より多くの製品を横並びで比較したい場合は、以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ

EPM(Enterprise Performance Management=企業業績管理)は、経営の計画・予算・実績を一元管理し、経営判断を速く正確にするための仕組みです。同じ略語に全社プロジェクト管理や端末特権管理といった別の意味もあるため、まず自分の探している意味を確かめることが出発点になります。

企業業績管理としてのEPMは、ERPが担う日々の業務記録の上で、計画・予測・分析を回す役割を持ちます。導入にはメリットだけでなく要件定義や定着の難所もあるため、自社の課題と範囲に合ったツールを選ぶことが大切です。具体的な製品の料金や機能は、各社の資料を取り寄せて比較してみてください。

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よくある質問(FAQ)

Q. EPMとは何ですか?

A. EPMはEnterprise Performance Management(企業業績管理)の略で、経営の計画・予算・実績を一元管理し、経営判断を速く正確にするための仕組みです。主にCFO・経理財務や経営企画部門が、計画策定・予算編成・予実管理・連結・レポートを一つの流れで回します。Oracle・IBM・Workdayなど主要ベンダーの公式解説で共通する、確立した考え方です。

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Q. EPMツールと「経営管理システム」は同じものを指しますか?

A. EPMを実際に担うソフトウェアは日本では一般に「経営管理システム」と呼ばれ、ほぼ同じものと考えて差し支えありません。EPMが「企業業績管理という考え方・プロセス」を指すのに対し、それを予実管理や連結・グループ経営管理として製品化したものが経営管理システムです。予算・予実の効率化や連結数値の把握は、経営管理システムの比較から入るのが近道です。

Q. 中小企業や成長企業でもEPMは導入できますか?

A. EPMは大企業だけのものではなく、予算・予実管理の負荷が増えた中堅企業やIPO準備企業、グループ経営に移行した企業でも導入できます。特定の企業規模に固定された仕組みではなく、予実管理だけの小さな範囲から連結まで含む広い範囲まで、自社の課題に合わせて導入範囲を選べます。「Excel管理が限界に近い」という自覚が検討の出発点になります。

Q. EPMの導入にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. EPM導入の期間は、対象業務の広さ(予実管理だけか連結まで含むか)や子会社の数で大きく異なり、一律の目安は当てはめられません。予実管理の一部から段階的に始める場合と、グループ連結まで一度に対象にする場合では準備も期間も変わります。自社の管理会計ルールを整理する「前さばき」が山場になるため、導入範囲を決めたうえで各ベンダーに見積もるのが確実です。

Q. EPMの費用相場はどれくらいですか?

A. EPMの費用は企業規模・導入範囲・対象部門数によって幅が大きく、「相場はいくら」と一言で示せる性質のものではありません。多くの製品は初期費用と、月額またはユーザー数・機能に応じた利用料で構成され、見積制(要問い合わせ)をとる製品も少なくありません。正確な費用は、予実管理だけか連結まで含むかなど自社の対象範囲を決めたうえで、各社の資料や見積もりで比較するのが確実です。

Q. EPMは会計システムやERPと連携できますか?

A. EPMは会計システムやERPが持つ実績データを取り込んで使う前提の仕組みで、これらとの連携は基本的な機能として想定されています。ERPが日々の取引を記録し、EPMはそのデータを使って計画・予実分析を行うという役割分担があるためです。ただし実際の連携のしやすさは製品や自社のシステム構成によって変わるので、検討時に、利用中の会計システム・ERPとの連携可否を確認しておくと安心です。

Q. EPMの導入はどの部門が主導するのが一般的ですか?

A. EPMは、経営企画部門やCFO・経理財務部門が中心となって主導するのが一般的です。経営の計画・予算・実績を扱う仕組みのため、これらの部門が旗振り役になりますが、各部門の計画やレポートにも関わるため、営業・人事・情報システムなど関係部門を巻き込んで進めることになります。ツール選定の場面でも、管理会計のルールを握る経営企画・経理財務が要件を整理する役割を担います。

Q. クラウド型のEPMとオンプレミス型のどちらを選べばよいですか?

A. 近年のEPM・経営管理システムはクラウド型が主流で、自社でサーバーを保有・運用せずに導入でき、多くの企業にとって始めやすい選択肢です。オンプレミス型は自社環境で細かくカスタマイズしたい場合などに選ばれますが、構築・運用の負担は大きくなります。どちらが適するかはセキュリティ要件や既存システムとの兼ね合いによるため、候補製品がどの提供形態に対応しているかを確認して選ぶとよいでしょう。

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監修者

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト

松嶋真倫

都市銀行にて金融実務を経験後、暗号資産関連スタートアップの創業期に参画し、市場分析・業界調査に従事。2018年にマネックスグループ入社。以降、ビットコインをはじめとするデジタルアセットからマクロ経済環境まで、金融市場を横断した調査・分析および情報発信を担う。FinTech・次世代金融領域のリサーチ統括、各種レポートや書籍の執筆、日本経済新聞など国内主要メディアへのコメント・寄稿、イベント登壇などを行う。2021年3月より現職。
記事内でご紹介している製品・サービスは監修者が選定したものではなく、編集部が独自に選定したものです。
監修の範囲は記事の一般的な解説部分であり、比較表および各製品・サービスの紹介内容は監修の対象外です。

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