日々の帳簿づけを後回しにして、確定申告の時期に慌てて領収書をかき集めていませんか。パソコンを開く時間がなくても、スマートフォンのアプリなら移動中や休憩時間に少しずつ記帳を進められます。最近は無料で使える帳簿アプリも増え、簿記の知識がなくても収支の記録から確定申告の準備までこなせるようになってきました。
とはいえ「無料でどこまでできるのか」「スマホだけで青色申告まで終わるのか」は、アプリごとに大きく違います。自分の申告方法や事業規模に合わないアプリを選ぶと、途中で有料プランへの乗り換えや、別ソフトへのデータ移行に手間取ることにもなりかねません。
本記事では、スマホで帳簿づけができる会計アプリ15本を「ずっと無料で使えるタイプ」と「無料で試せる定番タイプ」に分けて比較します。無料で使える範囲・スマホでの記帳のしやすさ・青色申告やe-Taxへの対応という、個人事業主やフリーランス、副業をしている方がつまずきやすい観点を軸に整理しました。自分に合う1本を選ぶ材料としてお使いください。
この15本には、スマホの専用アプリで記帳できるものと、パソコンでの記帳が中心の定番クラウド会計が含まれます。日々の記帳をスマホだけで進めたいのか、パソコンも併用して本格運用したいのかで、選ぶアプリは変わります。スマホの専用アプリで使いたい場合は、比較表の対応OS欄で「iPhone・Android」の表記を確認してください。
また、自分の申告方法や事業の状況に合うアプリを最短で見つけられるよう、「30秒で終わる帳簿アプリ診断」も用意しています。どれを選べばよいか迷ったら、こちらから試してみてください。
目次
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【比較表】おすすめ帳簿アプリ15本の比較一覧
ここでは、帳簿づけに使える会計アプリ15本を一覧で比較します。対応OS(スマホ専用アプリがあるか、スマホのブラウザから使えるか)・無料で使える範囲・記帳方式(複式簿記か簡易簿記か)・青色申告やe-Taxへの対応・料金を並べました。スマホの専用アプリで記帳したい場合は、対応OS欄で「アプリ」の有無を確認してください。アプリ名をタップすると、各アプリの詳しい紹介にジャンプできます。
| サービス名 | やよいの白色申告 オンライン | 円簿会計 | 円簿青色申告 | 確定申告FinFin | タックスナップ | Kaikei | Kaikei Lite | CalQShare | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | ジョブカン会計 | かんたんクラウド会計(MJS) | マネーフォワード クラウド確定申告 | やよいの青色申告 オンライン | ジョブカン青色申告 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対応OS | iPhone・Android・PCブラウザ | iPhone・Android・PCブラウザ | iPhone・Android・PCブラウザ | iPhone・Android | iPhone・Android | iPhone・Android | iPhone・Android | iPhone(Androidは要確認) | iPhone・Android・PCブラウザ | iPhone・Android(アプリ)・PCブラウザ | PCブラウザ | PCブラウザ | iPhone・Android・PCブラウザ | iPhone・Android・PCブラウザ | PCブラウザ |
| 無料で使える範囲 | ずっと無料(白色申告の全機能。3年間ログインがないと利用停止) | 無料(公式表記が「登録から1年間」「期間限定なし」で割れており要確認) | 無料(公式脚注で「登録から1年間」、1年後の条件は要確認) | 無料プランあり(一部機能に制限。具体的な範囲は非公開) | 無料プランあり(控除のみ・雑所得は無料、事業所得は制限)/有料は14日間無料 | ずっと無料(入力は月30件まで、CSV出力回数に制限) | ずっと無料(データ登録は月30回・CSV出力は5回まで) | 無料(アプリ本体は無料で申告書作成まで可能) | 30日間無料(カード登録不要。お試し中も一部機能に制限) | 1ヶ月無料(カード登録不要) | 30日間無料(トライアル中から電話サポート可) | 2か月間無料(カード登録不要) | 1ヶ月無料(カード登録不要) | 初年度無料(セルフ・ベーシック、2027年3月15日申込分まで。恒久無料プランはなし) | 30日間無料(全機能) |
| 記帳方式 | 簡易簿記(白色申告専用) | 複式簿記 | 複式簿記 | 複式・単式(青色・白色に対応) | 複式・単式(青色・白色に対応) | 複式簿記(青色申告対応) | 簡易簿記(白色申告向け。複式は非対応) | 単式簿記(複式は非対応) | 複式簿記 | 複式簿記 | 複式簿記 | 複式簿記 | 複式・単式(青色・白色に対応) | 複式簿記 | 複式簿記 |
| 確定申告対応 | 白色のみ(収支内訳書・申告書を作成しe-Tax送信可。青色65万円は非対応) | 決算書の作成まで(確定申告書は作成不可。青色申告は姉妹「円簿青色申告」) | 青色(最大65万円の決算書を作成。e-Taxは直接送信不可、国税庁サイトへ手入力) | 青色・白色対応(申告書作成〜e-Tax提出までアプリで完結、マイナンバーカード使用) | 青色・白色対応(申告書作成〜e-Tax提出までアプリで完結。農業所得・法人は対象外) | 申告書は作成不可(記帳・集計まで。数字を申告書へ転記、または他ソフトへCSV取込) | 申告書は作成不可(白色の記帳・集計まで。申告書へ転記、または他ソフトへCSV取込) | 確定申告書のPDFを作成可(給与・雑・事業所得。青色65万円・消費税は非対応) | 青色(65万円控除)・白色に対応。申告書作成〜e-Tax送信まで可 | 法人の決算書作成向け(個人の確定申告は「クラウド確定申告」が担当) | 記帳・決算書の作成まで(個人の確定申告書作成の可否は要確認) | 記帳・決算書の作成まで(個人向けの確定申告機能は提供終了) | 青色(65万円控除)・白色に対応。申告書作成〜e-Tax送信まで可(スマホ完結) | 青色(65万円控除)・e-Tax対応。ただし申告書の作成はPCが必要(スマホアプリは入力まで) | 青色(最大65万円)対応。e-Taxはファイルを書き出し国税庁ソフトで送信(連携方式) |
| 自動化(レシート/口座連携) | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | 口座連携・AI-OCRに対応(無料枠に制限あり) | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | 非対応(手入力。口座連携・レシート読取なし) | 非対応(手入力。口座連携・レシート読取なし) | 記載なし(手入力が基本) | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | 口座/カード連携に対応(レシートAI-OCRは有償オプション) | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | レシート撮影・口座/カード連携に対応 | 口座/カード連携に対応 |
| 有料プラン料金 | 有料プランは年11,500円〜(税抜。サポートが手厚くなる) | 基本無料。上位版「円簿PRO」は年9,500円〜(税抜) | 無料(有料プランの案内なし) | かんたんプラン 年12,400円(税込)〜 | カンタンプラン 月980円〜(年払い・税抜) | スタンダード 年3,500円(初年度2,800円) | スタンダード 年3,500円(初年度2,800円) | 無料(有料オプションは要確認) | 個人向け 月980円〜(年払い・税抜) | ひとり法人 月2,480円〜(年払い・税抜) | 月2,500円〜(税抜・3ユーザーまで) | Basic 月2,160円〜(税抜・年21,600円) | パーソナルミニ 月900円〜(年払い・税抜) | セルフ 年11,800円〜(税抜・次年度以降) | 年13,200円(税込・最大3名) |
| 詳細情報 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | サービス詳細を見る | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
※2026年10月時点の各社公式情報にもとづく。料金・無料の範囲・キャンペーンは変更される場合があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
タイプ別のおすすめ帳簿アプリ
ここからは、15本のアプリを「ずっと無料で使えるタイプ」と「無料で試せる定番タイプ」の2つに分けて、1本ずつ紹介します。まずは費用をかけずに記帳を始めたいのか、将来の本格運用まで見据えて定番を試したいのかで、見るべきアプリが変わります。
ずっと無料で使える帳簿アプリ
期間の制限なく無料で記帳を続けられるタイプです。取引件数の上限や機能の範囲に制約がある場合が多いものの、開業したてや副業で取引量が少ないうちは、費用をかけずに帳簿づけの習慣をつくれます。
1. やよいの白色申告 オンライン(フリープラン)(弥生株式会社)

弥生株式会社が個人事業主向けに提供するクラウド型の白色申告ソフトです。フリープランは機能を制限せず0円で使い続けられ、有料プランとの違いは電話・メールなどサポートの範囲だけという設計になっています。
スマホアプリ「弥生 申告」や、銀行口座・クレジットカードの明細、レシート画像をAIが自動で仕訳する「スマート取引取込」を使って記帳でき、収支内訳書・確定申告書の作成からe-Tax送信まで対応します。e-Tax送信にはマイナンバーカードとスマートフォンが必要です。
白色申告専用のため、青色申告特別控除に必要な青色申告決算書の作成には対応していません。青色申告に切り替えたくなったら、記帳データを引き継いで同社の「やよいの青色申告 オンライン」へ無償で移行できます。ただし、フリープランは3年間ログインがないと利用できなくなる点には注意が必要です。
2. 円簿会計(株式会社円簿インターネットサービス)

株式会社円簿インターネットサービスのポータル「クラウド円簿」内で提供される会計ソフトです。画面内に表示される広告のクリック報酬を収益源とすることで、ユーザーへの課金なしに無料で利用できると公式が説明しています。
仕訳帳・出納帳・試算表・総勘定元帳から決算報告書の作成までをカバーし、法人向けの決算書作成にも対応するため、個人事業主だけでなく法人でも使えます。弥生会計からのデータ取込にも対応しています。
無料で使える期間については、公式サイト内でも「新規ご登録から1年間」とするページと「期間限定なし」とするページで記述が分かれているため、申し込み前に最新の条件を確認しておくと安心です。サポートはフォーム経由でソフトの操作方法に関する範囲に限られ、電話対応はありません。
3. 円簿青色申告(株式会社円簿インターネットサービス)

同じ「クラウド円簿」シリーズの中で、個人事業主の青色申告に特化したクラウドソフトです。簿記の知識がなくても入力できる画面での複式簿記記帳に対応し、最高65万円の青色申告特別控除に必要な青色申告決算書まで作成できるとしています。
インストール不要で、WindowsやMac、タブレット、スマートフォンのブラウザから利用でき、メールアドレスのほかYahoo! IDや楽天IDでもログインできます。銀行口座・クレジットカードの明細取込や、弥生の青色申告データからの移行にも対応します。
ただし、作成した申告データをe-Taxへ自動送信する機能はなく、内容を確認しながら国税庁のe-Taxサイトへ利用者自身が入力して電子申告する流れになります。無料で使える期間についても、本文と脚注で記述が分かれているため、申し込み前の確認をおすすめします。
4. 確定申告FinFin(旧スマホ会計FinFin)(会計バンク株式会社)

会計バンク株式会社が提供する、スマートフォンだけで確定申告まで終えられるアプリです。2026年5月に「スマホ会計FinFin」から名称が変わりましたが、機能や使い方はそのまま引き継がれています。
簿記の知識がなくても質問に答える形で申告書を作成でき、レシートの撮影や銀行口座・クレジットカード・電子マネーの連携で仕訳を自動化できます。フリーランス向けの事業者モードのほか、副業向け・控除のみのモードも用意され、マイナンバーカードがあればアプリ内からe-Taxで提出できます。
料金は無料プランと有料のかんたんプランなどに分かれ、無料プランでは一部の機能に制限があります。まずは費用をかけずに記帳や申告の流れを試したい、副業中の方や個人事業主の入口として使えます。
5. タックスナップ(株式会社タックスナップ)

「知識ゼロでも、手取り最大化。」を掲げる、個人事業主・フリーランス向けのスマホ完結型確定申告アプリです。株式会社タックスナップが提供し、白色申告と青色申告の両方に対応します(農業所得と法人の申告は対象外)。
取り込んだ明細を左右にスワイプして事業用とプライベートに分ける操作や、AIが経費を自動で仕分ける「丸投げ仕分け」で記帳の手間を抑えられます。マイナンバーカードを使えば申告書の提出までアプリ内で完結し、24時間対応のAIチャットで操作や申告の疑問を相談できます。
無料プランでは、控除のみ・雑所得の申告ができます。一方で事業所得の申告書作成・提出には制限があり、本格的に使う場合は14日間無料で試せるカンタンプラン(年払いで月額980円・税抜)などの有料プランが必要です。
6. Kaikei(株式会社コモレビ)

株式会社コモレビが開発する、スマートフォンで日々の売上や経費を記帳するための会計アプリです。カテゴリを選んで電卓のように金額を入力していく操作で、簿記に不慣れでも帳簿づけを進められます。
青色申告の複式簿記にも対応し、記帳したデータは仕訳帳やカテゴリ別にCSVで書き出せます。ただし確定申告の提出書類そのものは作成できず、集計した数字を申告書へ転記するか、弥生会計やfreeeなど大手の会計ソフトへCSVを取り込んで仕上げる使い方になります。銀行口座やカードの自動連携、レシート読み取りには対応していません。
料金は期間の制限がない無料のお試しプランと、年額3,500円(初年度2,800円)のスタンダードプランに分かれます。無料のお試しプランは入力が月30件までに制限されるため、取引の少ないうちに記帳の習慣をつくる用途に向いています。
7. Kaikei Lite(株式会社コモレビ)

先ほどのKaikeiと同じ株式会社コモレビが提供する、白色申告に絞ったスマホ会計アプリです。金額を入力して勘定科目をタップするだけで記帳でき、必要な機能を白色申告向けにしぼった構成になっています。
対応するのは簡易簿記までで、青色申告65万円控除に必要な複式簿記は姉妹アプリのKaikeiが担当します。記帳データはExcelで使えるCSVとして書き出し、弥生会計やfreeeなどの会計ソフトへ取り込めます。レシート撮影や銀行・カードの自動連携には対応していません。
無料で使える範囲では、App Storeの説明によると、データ登録が月30回まで、CSV出力が5回までに制限されます。上限をなくすには、初年度2,800円・次年度以降は年額3,500円程度のスタンダードプランへの切り替えが必要です。
8. CalQShare(株式会社エフアンドエム)

副業で得た収入の確定申告に向けた、株式会社エフアンドエムのスマートフォンアプリです。アプリ本体は無料で、収入と経費の記帳から、税務署に提出できる確定申告書のPDF作成までを行えます。想定されているのは、給与所得に加えて雑所得や事業所得がある会社員などです。
給与所得・雑所得・事業所得の申告に対応する一方、複式簿記には対応しておらず、青色申告特別控除65万円は適用されません。消費税の確定申告やインボイス制度にも対応していないため、単式の帳簿づけと申告書の作成までを無料で済ませたい副業の方に向いています。
無料で試せる定番の会計アプリ(本格運用は有料プラン)
無料プランや無料期間でまず試し、青色申告65万円控除や本格的な自動化機能は有料プランで使うタイプです。利用者が多く情報も豊富なため、事業の成長に合わせて長く使い続けたい方に向いています。
9. freee会計(フリー株式会社)

個人事業主から法人まで対応する、フリー株式会社のクラウド会計ソフトです。個人事業主向けプランは年払いで月額980円(税抜)から用意されています。銀行口座やクレジットカードと連携して明細を自動で取り込み、ソフトが推測した仕訳を確認・承認していく形のため、簿記に不慣れでも記帳を進めやすい設計です。
まず試したい場合は、クレジットカードの登録なしで30日間の無料お試しが使えます。お試し中は従量課金の費用が発生せず、終了後に自動で課金されることもありません。作成した帳簿データはそのまま有料プランへ引き継げるため、使い勝手を確かめてから本格導入を判断できます。
10. マネーフォワード クラウド会計(株式会社マネーフォワード)

こちらはひとり法人や中小企業など、法人向けに提供されるクラウド会計ソフトです。個人事業主・フリーランスが確定申告に使う場合は、後述のマネーフォワード クラウド確定申告が対象になります。銀行やクレジットカードなど2,300以上の金融関連サービスと連携し、AIが勘定科目を提案して仕訳を自動化します。
記帳の方式は振替伝票入力・簡単入力・仕訳帳入力の3つから選べ、複式簿記に慣れた経理担当者が自由度高く入力できます。スマートフォンアプリからもレシート撮影や仕訳の入力ができ、外出先での記帳にも使えます。料金は年払いでひとり法人が月額2,480円(税抜)から。クレジットカードの登録なしで1ヶ月の無料トライアルを試せます。
11. ジョブカン会計(株式会社DONUTS)

勤怠管理や給与計算などのジョブカンシリーズを手がける株式会社DONUTSが提供する、法人・個人事業主向けのクラウド会計ソフトです。初期費用は0円で、月額2,500円(税抜、3ユーザーまで)から利用できます。
ダウンロード不要のクラウド上で、キーボード入力中心のパッケージソフトに近い操作ができる点が特徴です。契約前には30日間の無料トライアルがあり、試用期間中から電話サポートを受けられます。レシートのAI読み取りや自動仕訳は、有償オプションの「ジョブカン証憑管理」で提供されます。
12. かんたんクラウド会計(MJS)(株式会社ミロク情報サービス)

会計と給与をまとめて扱えるクラウドソフトで、株式会社ミロク情報サービス(MJS)が小規模事業者向けに提供しています。取引例があらかじめ登録されており、簿記の知識がなくても入力を進められます。レシート画像から日付・金額・電話番号を読み取って自動で仕訳する機能も備えます。
料金は会計プランのBasicが月額2,160円(税抜、年額21,600円)から、標準で3アカウントまで使えます。クレジットカードの登録なしで2か月間の無料体験が用意されており、有料プランへ移る前にじっくり試せます。個人の記帳から決算書の作成まで対応します。
13. マネーフォワード クラウド確定申告(株式会社マネーフォワード)

個人事業主・フリーランスの確定申告に特化したクラウドソフトです。先ほどの法人向けクラウド会計とは別系統で、パーソナルミニ・パーソナル・パーソナルプラスの3プランがあり、年払いなら月額900円(税抜)から始められます。
専用アプリを使えば、仕訳の入力から青色申告決算書・確定申告書の作成、マイナンバーカードの読み取り、申告書の提出までをスマートフォン1台で完結できます。利用にはICカードリーダー対応のスマホ(iOS 18以上/Android 9.0以上)とマイナンバーカードが必要です。
複式簿記で記帳してe-Taxから電子申告すれば、最大65万円の青色申告特別控除の要件を満たせます。クレジットカードの登録なしで1ヶ月の無料お試しができ、作成したデータはお試し後も引き継げます。
14. やよいの青色申告 オンライン(弥生株式会社)

弥生株式会社が提供する、個人事業主・フリーランス向けのクラウド青色申告ソフトです。同社は個人事業主向けクラウド会計ソフトのシェアで11年連続1位(54.0%、MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査」2026年3月末時点)を公表しています。これは事業者別のシェアで、本ソフト単体の実績ではありません。
青色申告特別控除の最大65万円に必要な複式簿記の帳簿作成と、e-Taxでの電子申告に対応します。費用は初年度無償キャンペーン(2027年3月15日の申し込み分まで)でセルフ・ベーシックの初年度が0円になり、次年度以降はセルフが年額11,800円(税抜)です。恒久的に無料ではなく初年度のみ0円で、申し込みには決済方法の事前登録が必要です。
スマホアプリ「弥生 申告」でできるのは取引入力とレシートのカメラ撮影までで、確定申告書や青色申告決算書の作成はパソコンで行う必要があります。スマホだけで申告まで終わらせたい場合は、この点を確認しておくと安心です。
15. ジョブカン青色申告(株式会社ジョブカン会計)

旧「ツカエル青色申告オンライン」を2024年2月に改称した、個人事業主向けのクラウド青色申告ソフトです。提供元は株式会社ジョブカン会計で、料金は年額13,200円(税込)の1ライセンスで最大3名まで同時に利用できます。新規登録から30日間は全機能を無料で試せます。
最大65万円の青色申告特別控除に対応し、2024年4月に取得したJIIMA認証により「優良な電子帳簿保存」の要件を満たせます。ただしe-Taxは、ソフトから直接送信するのではなく、e-Tax用ファイルを書き出して国税庁のe-Taxソフトに取り込んで送信する連携方式です。申告の進め方もあわせて事前に確認しておきましょう。
スマホの帳簿アプリとは?スマホだけで記帳・確定申告はできるのか
スマホの帳簿アプリは、日々の収入や経費をスマートフォンから入力し、仕訳帳や総勘定元帳といった帳簿を自動で作成できるアプリです。パソコン版の会計ソフトと同じクラウド上のデータを扱えるものから、スマホ単体で完結する記帳特化型まで幅があります。
結論からいえば、日々の記帳はスマホアプリだけで十分こなせます。一方で、青色申告65万円控除に必要な貸借対照表の作成やe-Taxでの申告まで、スマホ単体で完結するかどうかはアプリによって分かれます。記帳はアプリで、申告書の作成は連携先のパソコン版ソフトで、という役割分担を前提にした記帳特化型もあるため、「どこまでをアプリに任せたいか」を先に決めておくと選びやすくなります。
スマホで帳簿づけする体験(レシート撮影・口座連携・iPhone/Android)
スマホの帳簿アプリでの記帳は、支払い方法と勘定科目を選んで金額を入れるだけ、という手軽さが基本です。簿記の借方・貸方を意識しなくても、アプリ側が複式簿記の形に変換してくれるものが多く、経理に不慣れでも入力を続けられます。
入力の手間をさらに減らす機能として、レシートや領収書をカメラで撮影して経費を自動で読み取る機能や、銀行口座・クレジットカードと連携して明細を自動で取り込む機能があります。ただし、これらの自動化は定番のクラウド会計アプリが得意とする一方、記帳特化型の無料アプリでは手入力が中心のものもあります。どこまで自動化したいかは、アプリ選びの分かれ目になります。
対応端末も確認したいポイントです。iPhone(iOS)とAndroidの両方に対応するアプリが多いものの、iOSのみ提供というアプリもあります。自分のスマホで使えるか、アプリストアで配信状況を確かめてから選ぶと安心です。
帳簿アプリの無料プランでどこまでできる?無料と有料の違い
ここでは、無料の帳簿アプリで使える範囲と、有料プランとの違いを整理します。「無料」とひとことで言っても、ずっと無料で使えるものと、一定期間だけ無料で試せるものがあり、使える範囲も異なります。
ずっと無料で使えるタイプは、記帳そのものは無期限で続けられる代わりに、仕訳の登録件数に月単位の上限が設けられていることがあります。たとえば月15件や月30件までを無料とし、それを超える場合に有料プランへ移る、といった設計です。取引が少ないうちは無料のまま使い続けられますが、事業が軌道に乗って取引が増えると上限に届きやすくなります。
一方、定番のクラウド会計アプリは、30日前後の無料お試し期間を設け、期間終了後は有料プランで使う形が中心です。無料期間中に機能の大半を試せるため、本格導入の前に使い勝手を確かめられます。
無料で使える範囲を見極めるときは、次の点をアプリごとに確認しておくと、後からの想定外を防げます。
- 取引件数の上限:ずっと無料のアプリは月あたりの仕訳登録件数に上限があることが多い
- 作れる書類の範囲:帳簿の作成までか、確定申告書・青色申告決算書の作成まで対応するか
- 自動化機能:レシート撮影・口座/クレカ連携が無料で使えるか、有料プラン限定か
- サポートとデータの扱い:無料プランでのサポート範囲、解約後に入力データが残るか
失敗しない帳簿アプリの選び方(5つの軸)
帳簿アプリは、次の5つの軸で自分の使い方に当てはめて選ぶと、導入後のミスマッチを避けられます。それぞれ、なぜその軸が効くのかとあわせて確認してみてください。
- スマホ対応と対応OS:自分のiPhone/Androidで記帳が完結するか。移動中に入力したいなら、閲覧だけでなく入力までスマホでできるかを確かめます。
- 無料で使える範囲:ずっと無料か、無料は試用期間だけか。取引件数の上限が自分の月あたりの取引量に足りるかを見ます(詳しくは無料プランでどこまでできるかの章)。
- 申告方法との相性:白色申告か、青色申告10万円控除か、65万円控除まで狙うか。65万円控除には複式簿記とe-Taxが必要なため、アプリが複式簿記と申告書作成に対応するかが分かれ目になります(詳しくは青色申告への対応の章)。
- 自動化(レシート撮影・口座/クレカ連携):手入力を減らしたいほど、自動取り込みの有無が記帳を続けられるかを左右します。取引量が多い人ほど効いてきます。
- 将来の乗り換えやすさ:事業が伸びて上位プランや別ソフトへ移るとき、データをCSVなどで引き継げるか。同じ会社の有料プランへ無理なく移れるかも確認しておくと安心です。
スマホで使う帳簿アプリはクラウド型が前提で、パソコンにインストールして使う買い切り型のソフトは、スマホでの記帳という観点では選択肢に入りにくくなります。この記事ではスマホで使えるアプリに絞って比較しています。
青色申告65万円控除・e-Taxにスマホで対応できるか
帳簿アプリを選ぶうえで、青色申告の特別控除にどこまで対応するかは重要な判断材料です。ここでは制度の前提を整理し、スマホでどこまで対応できるかを確認します。
青色申告特別控除には、控除額が65万円・55万円・10万円の3区分があります。国税庁は「所得金額から55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)または10万円を控除する」と説明しており、10万円控除は55万円・65万円の要件に該当しない青色申告者が対象です。
55万円控除の要件は、事業所得などを正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)で記帳し、作成した貸借対照表・損益計算書を確定申告書に添付して、期限内に提出することです。65万円控除は、この55万円の要件に加えて、次のいずれかを満たす必要があります。
(2) 次のいずれかに該当していること。
出典:No.2072 青色申告特別控除|国税庁(令和8年4月1日現在法令等)
イ その年分の事業に係る仕訳帳および総勘定元帳について、電子帳簿保存(下記<参考>参照)を行っていること。
ロ その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表、損益計算書等を、確定申告書の提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)を使用して送信すること。
「イ」の電子帳簿保存ルートは、令和4年分以後は優良な電子帳簿の要件を満たしたうえで届出書の提出が必要になり、個人の実務では手間がかかります。スマホで記帳する個人事業主にとって現実的なのは、「ロ」のe-Taxで申告書類を送信するルートです。アプリで複式簿記の帳簿を作り、申告書・貸借対照表・損益計算書をe-Taxで期限内に送れば、65万円控除の追加要件を満たせます。
スマホからe-Taxで送信するには、マイナンバーカードと、それを読み取れるスマホが必要です。国税庁は「スマホでe-Tax送信する場合は、マイナンバーカード読取対応のスマホが必要です」「マイナンバーカードを利用してe-Taxにより送信するためには、『マイナアプリ』のインストールが必要です」と案内しています。
あわせて、利用者証明用(数字4桁)と署名用(英数字6〜16文字)のパスワードを使います。帳簿アプリが申告書の作成やe-Tax連携にどこまで対応するかは製品ごとに異なるため、65万円控除を狙う場合は対応状況を確認しておきましょう。
65万円控除まで本格的に狙うなら、スマホアプリに限らず青色申告に対応したソフトを腰を据えて比べておくと安心です。以下の記事では、65万円控除の要件や各ソフトの料金、法人の青色申告への対応まで掘り下げて比較しています。
青色申告ソフトおすすめ21選を比較|65万円控除の要件・料金と、法人の青色申告対応まで解説
青色申告の準備を始めようとして、ソフトの数の多さに手が止まっていませんか。クラウド型に買い切り型、スマホアプリ、無料のものまで並んでいて、価格も年額1万円前後から無料まで幅があります。 迷いやすいのは、どれも「青色申告ソフト」と名乗っている…
作成した帳簿や書類の保存も忘れてはいけません。国税庁は、青色申告で作成する帳簿・書類について「原則として7年間保存することとされていますが、書類によっては5年間でよいものもあります」としています。収入金額や必要経費を記載した法定帳簿は7年、請求書や領収書などの書類は5年が目安です。
白色申告の場合でも記帳と帳簿保存は必要です。国税庁は、事業所得などを生ずべき業務を行う全ての白色申告者に、収入金額や必要経費を記載する法定帳簿の備付けと記帳を求めています。白色は青色のような複式簿記までは求められず、日々の合計金額をまとめて記載する簡易な方法でよい点が違いです。
出典・参考資料は以下のとおりです。
出典・参考資料(4件)
- 出典:No.2072 青色申告特別控除|国税庁 タックスアンサー(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm)
- 出典:No.2070 青色申告制度|国税庁 タックスアンサー(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm)
- 出典:スマホとマイナンバーカードでe-Tax!|国税庁(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/smartphone-mynaportal-etax/index.htm)
- 参考資料:令和8年度税制改正の大綱|財務省(https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/20251226taikou.pdf)
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無料の帳簿アプリのメリット・デメリット
無料の帳簿アプリには、気軽に始められる魅力と、無料ゆえの注意点の両面があります。導入前に両方を押さえておきましょう。
無料の帳簿アプリを使うメリット
最大のメリットは、費用をかけずに記帳を始められることです。開業したてで売上がまだ安定しない時期でも、コストを気にせず帳簿づけの習慣をつくれます。
スマホで隙間時間に入力できるため、記帳の後回しを防げる点も見逃せません。紙やExcelでの管理に比べて計算ミスが減り、確定申告の時期にまとめて作業する負担も軽くなります。クラウド型なら、同じデータをパソコンからも扱えるため、普段はスマホ、まとめ作業はパソコンという使い分けもできます。
無料の帳簿アプリのデメリット・注意点(失敗しないために)
一方で、無料プランには機能や件数の制限があり、取引が増えると途中で上限に届くことがあります。レシート撮影や口座連携といった自動化が有料プラン限定のアプリも多く、無料のままだと手入力が増える場合もあります。
サポートが手薄で、操作に迷ったときに解決しづらい点も注意が必要です。さらに、無料サービスは仕様変更や提供終了のリスクがゼロではありません。実際に、一部の記帳アプリでは将来のサービス終了が告知されている例もあります。入力したデータをCSVなどで書き出せるか、解約後もデータを引き継げるかを、使い始める前に確認しておくと安心です。
無料から有料へ切り替えるタイミングと乗り換えのしやすさ
無料で始めたあと、どのタイミングで有料プランへ移るべきか迷う方は少なくありません。目安になるのは、無料プランの取引件数の上限に毎月届くようになったとき、レシート撮影や口座連携で入力を自動化したくなったとき、そして青色申告65万円控除を狙って複式簿記と申告書作成までアプリで完結させたくなったときです。
乗り換えのしやすさも、はじめのアプリ選びで考えておきたい点です。同じ会社が無料アプリと有料のクラウド会計を提供している場合、データを引き継いで上位プランへ移れることがあります。
記帳特化型の無料アプリでも、仕訳データをCSVで書き出し、定番のクラウド会計ソフトへ取り込める設計のものがあります。将来の本格運用まで見据えるなら、データの出口が用意されているかを確認しておくと、乗り換え時の手戻りを防げます。
スマホアプリにこだわらず、パソコンでも使える本格的なクラウド会計ソフトまで視野を広げて選びたくなったら、規模やタイプ別の選び方と料金をまとめた以下の記事が検討の土台になります。
まとめ
スマホの帳簿アプリは、まず費用をかけずに記帳を始めたいなら「ずっと無料で使えるタイプ」、将来の青色申告65万円控除や本格運用まで見据えるなら「無料で試せる定番タイプ」が出発点になります。無料で使える範囲・スマホでの記帳のしやすさ・青色申告やe-Taxへの対応を、自分の申告方法と取引量に当てはめて選ぶのが失敗しないコツです。
目的別の出発点としては、まず無料で白色申告を始めたいなら白色申告専用のずっと無料アプリ、副業の雑所得を申告したいなら副業向けの無料アプリが向いています。青色申告65万円控除までスマホで完結させたいならスマホ対応の青色申告ソフト、記帳に慣れてパソコンも併用し本格運用したいなら定番のクラウド会計が候補です。
どのアプリが自分に合うか迷ったら、帳簿アプリ診断で状況に合う候補を絞り込み、気になるサービスの資料を取り寄せて比べてみてください。
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帳簿アプリに関するよくある質問(FAQ)
Q. 無料の帳簿アプリだけで確定申告まで完了できますか?
A. 無料の帳簿アプリだけで確定申告まで終わるかは、選ぶアプリと申告方法によって分かれます。スマホだけで申告書の作成・提出まで無料または低コストで対応するアプリがある一方、記帳とデータの書き出しまでで申告書そのものは作成できない記帳特化型のアプリもあります。
無料プランは取引件数などに制限があることも多いため、申告書の作成やe-Tax送信まで無料で対応するかを、申し込み前に製品ごとに確認しておくと安心です。
Q. 帳簿アプリはiPhone・Androidのどちらでも使えますか?
A. 帳簿アプリの多くはiPhone(iOS)とAndroidの両方に対応していますが、iOSのみ提供のアプリもあります。また、マイナンバーカードを読み取ってe-Taxで申告する機能を使う場合は、カード読み取りに対応した機種と、一定以上のOSバージョンが必要になります。自分のスマホで使えるか、アプリストアの配信状況と対応OSを確かめてから選ぶと失敗しません。
Q. 簿記の知識がなくても帳簿アプリは使えますか?
A. 簿記の知識がなくても、多くの帳簿アプリは使えるように設計されています。支払い方法と勘定科目を選んで金額を入れるだけで、アプリ側が借方・貸方の複式簿記の形に変換してくれるものが多く、質問に答える形で申告書を作れるアプリもあります。ただし自動仕訳の内容を最終確認するのは利用者自身のため、勘定科目の基本的な考え方は押さえておくと安心です。
Q. 帳簿アプリで青色申告65万円控除にスマホだけで対応できますか?
A. スマホだけで65万円控除に対応できるかはアプリによって分かれます。65万円控除には、複式簿記での記帳と、貸借対照表・損益計算書を添えた期限内の申告に加え、e-Taxでの電子申告(または優良な電子帳簿の保存)が必要です(国税庁タックスアンサーNo.2072)。
申告書の作成からマイナンバーカードでのe-Tax提出までスマホで完結するアプリがある一方、申告書の作成はパソコンで行う前提のアプリもあります。詳しくは本文「青色申告65万円控除・e-Taxにスマホで対応できるか」の章もご確認ください。
Q. 白色申告でも帳簿アプリでの記帳・帳簿づけは必要ですか?
A. 白色申告でも記帳と帳簿の保存は必要です。国税庁は、事業所得などを生ずべき業務を行うすべての白色申告者に、収入金額や必要経費を記載する法定帳簿の備付けと記帳を求めています。白色申告は青色申告のような複式簿記までは求められず、日々の合計金額をまとめて記載する簡易な方法でよいため、やよいの白色申告 オンラインやKaikei Liteなど白色申告に絞ったアプリでも対応できます。
Q. 帳簿アプリで作成した帳簿は何年保存すればよいですか?
A. 青色申告の場合、作成した帳簿や書類は原則として7年間の保存が必要とされ、書類によっては5年でよいものもあります(国税庁)。収入金額や必要経費を記載した法定帳簿は7年、請求書や領収書などの書類は5年が目安です。
保存年数や要件は制度改正で変わることがあるため、申告前に国税庁の最新案内を確認してください。クラウド型のアプリはデータが手元から消えにくい利点がありますが、解約後の扱いは製品ごとに異なる点に注意しましょう。
Q. 無料の帳簿アプリを解約すると入力したデータはどうなりますか?
A. 解約後のデータの扱いはアプリによって異なり、一定期間後に閲覧・利用できなくなる場合があります。将来の乗り換えや帳簿の保存に備えて、仕訳データをCSVなどで書き出せるか、解約前にバックアップを取れるかを、使い始める前に確認しておくと安心です。無料サービスは仕様変更やサービス終了のリスクもゼロではないため、データの出口が用意されているかは選定時の重要な確認ポイントになります。
Q. 無料の帳簿アプリはセキュリティ面で安全ですか?
A. 無料かどうかとセキュリティの高さは必ずしも一致せず、通信の暗号化やデータのバックアップ体制など、提供元の対策を個別に確認することが大切です。銀行口座やクレジットカードと連携するアプリでは、金融機関と同等の暗号化や多要素認証に対応しているかが目安になります。運営会社の実績やプライバシーポリシー、万一のサービス終了時のデータの扱いまで見ておくと、無料アプリでも安心して使えます。
Q. Excelで帳簿をつけるのと帳簿アプリは何が違いますか?
A. Excelでも帳簿はつけられますが、帳簿アプリは自動仕訳や申告書作成への連動で、計算ミスや転記の手間を減らせる点が異なります。レシート撮影や口座連携で入力を自動化でき、青色申告の複式簿記や確定申告書の作成まで対応する製品もあります。取引が少なく白色申告で済むうちはExcelでも足りますが、青色申告65万円控除や取引量の増加を見据えるなら、アプリのほうが記帳を続けやすく申告もスムーズです。
Q. 確定申告の時期だけ帳簿アプリを使うことはできますか?
A. 月額・年額のクラウド型アプリは契約期間を区切れるため、確定申告の時期だけ使うことも理論上は可能ですが、本来は1年を通じて記帳するのが基本です。申告直前にまとめて入力すると、レシートや明細の抜け漏れ・入力ミスが起きやすくなります。日頃からスマホで隙間時間に記帳しておくほうが、結果的に申告時の負担を抑えられます。
Q. 帳簿アプリを使えば税理士に依頼せず確定申告できますか?
A. 記帳から申告書の作成・提出までは帳簿アプリだけで完結でき、税理士に依頼しなくても確定申告は可能です。一方で、節税の相談や売上規模が大きい場合の消費税・インボイス対応、税務調査への対応などでは税理士の知見が役立ちます。まずはアプリで記帳を進め、判断に迷う場面が出てきたら専門家に相談する、という使い分けが現実的です。
Q. 帳簿アプリはインボイス制度・消費税の申告にも対応していますか?
A. インボイス制度や消費税申告への対応はアプリによって分かれ、対応する製品でも設定変更が必要なことがあります。定番のクラウド会計は消費税申告やインボイスに対応します。
一方、消費税申告・インボイスに対応しない副業向けアプリもあります。課税事業者やインボイス発行事業者になった場合は、対応状況を確認したうえでアプリを選びましょう。
Q. 法人でも無料の帳簿アプリは使えますか?
A. 法人の帳簿づけに使える無料アプリは個人事業主向けに比べて限られます。本記事で紹介したなかにも、法人の決算書作成に対応する無料のクラウド会計があります。ただし法人は申告が複雑で、ひとり法人や中小企業では定番のクラウド会計の有料プランを使うのが一般的です。
個人事業主から法人化する場合も、個人向けプランから法人向けプランへの切り替えが必要になります。法人向けも含めて無料でどこまでできるかを詳しく見比べたい場合は、無料で使える会計ソフト17選もあわせてご確認ください。
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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 暗号資産アナリスト
松嶋真倫
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